JP3290938B2 - 音データ処理装置 - Google Patents

音データ処理装置

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JP3290938B2
JP3290938B2 JP31082097A JP31082097A JP3290938B2 JP 3290938 B2 JP3290938 B2 JP 3290938B2 JP 31082097 A JP31082097 A JP 31082097A JP 31082097 A JP31082097 A JP 31082097A JP 3290938 B2 JP3290938 B2 JP 3290938B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は音データ処理装置に関
し、特にその処理の高速化とハードウエアの簡素化に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図15に、従来の音データ処理装置の構
成図を示す。この音データ処理装置は、オペレーティン
グシステム(たとえば、マイクロソフト社のWindows9
5)を搭載したパーソナルコンピュータと、サウンドカ
ードと呼ばれるハードウエアによって構成されている。
【0003】図15において、ソフトウエアとして示さ
れている部分は、パーソナルコンピュータ側であり、ハ
ードウエアとして示されている部分は、パーソナルコン
ピュータのスロットに接続されたサウンドボード側であ
る。
【0004】WAVEアプリケーション2は、音波形の振幅
値をデジタル化したデータを出力するアプリケーション
である。ダイナミックリンクライブラリ4、6は、全て
のアプリケーションプログラムから使用できるようにWi
ndows95に用意されたライブラリである。ダイナミック
リンクライブラリ6の出力は、WAVEドライバソフトウエ
ア8を介して、仮想ドライバソフトウエア10に与えら
れる。仮想ドライバソフトウエア10は、これを、D/
A変換器16が扱うことの可能なデータ形式に変換す
る。
【0005】仮想ドライバソフトウエア10の出力は、
DMA転送により、インターフェイス14を介して、D
/A変換器16に与えられ、アナログ信号に変換され
る。このアナログ信号は、加算器18に与えられる。
【0006】MIDIアプリケーション20は、MIDIフォー
マットによって音をコード化して表現したデータを出力
するアプリケーションである。このMIDIデータは、ダイ
ナミックリンクライブラリ4、6を介して、MIDIドライ
バソフトウエア26に与えられる。MIDIドライバソフト
ウエア26は、これを、仮想ドライバソフトウエア28
に渡す。仮想ドライバソフトウエア28は、これを、MI
DIハードウエア音源32が扱うことの可能なデータ形式
に変換する。
【0007】仮想ドライバソフトウエア28の出力は、
通常のバス転送により、インターフェイス30を介し
て、MIDIハードウエア音源32に与えられ、アナログ信
号に変換される。このアナログ信号は、加算器18に与
えられる。
【0008】加算器18には、WAVEアプリケーション2
からの音信号と、MIDIアプリケーション20からの音信
号が与えられる。したがって、加算器18からは、両音
信号が加算された信号が出力される。
【0009】上記のように、この音データ処理装置は、
WAVEデータとMIDIデータの双方を扱うことができる。
【0010】また、図16に示すように、MIDIハードウ
エア音源32を、ソフトウエアによって実現したものも
ある。この装置では、MIDIドライバソフトウエア26の
出力を受けたシンセサイザ・ソフトウエア34が、これ
をWAVEデータに変化してダイナミックリンクライブラリ
6に与えている。ダイナミックリンクライブラリ6は、
WAVEアプリケーションソフトウエア2からのWAVEデータ
と、シンセサイザソフトウエア34からのWAVEデータと
を合成して、WAVEドライバソフトウエア8に与える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような音データ
処理装置には、次のような問題点があった。
【0012】図15に示す装置においては、MIDI音源を
ハードウエアによって構成しているので、音源の構成を
柔軟に変更することができないという問題点があった。
また、ハードウエア音源が必要であり、装置が高価にな
るという問題点もあった。
【0013】図16に示す装置においては、コード化さ
れているMIDIデータを、波形の振幅値をデジタル化した
WAVEデータに変換している。これにより、WAVE用のハー
ドウエア(D/A変換器)を用いることができ、装置を
安価に構成できるという利点がある。しかしながら、ド
ライバソフトウエアを経てきたMIDIデータから波形を得
て、これをWAVEデータに変換し、さらに、このWAVEデー
タを、ドライバソフトウエア、仮想ドライバソフトウエ
アを経て、D/A変換器に与えるようにしている。この
ため、MIDIデータの処理に時間を要するという問題があ
った。さらに、ハードウエアに近い階層において得られ
たWAVEデータを、アプリケーションの階層に伝達する必
要があり、CPUのモード切替等においても処理時間を
要する一因となっていた。
【0014】そこで、この発明では、ソフトウエアによ
る音源を用いて音源の音表現の柔軟性を持たせつつ、処
理速度の高速な音データ処理装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の音データ処理
装置は、コンピュータが、下記プログラム(a)〜(d)にし
たがって処理を行うことを特徴としている: (a)アプリケーションプログラムからのサンプル化デー
タを、直接又は間接に受けて、前記コンピュータに接続
されたアナログ音信号生成器に与えることの可能なデー
タに変換する第1の仮想デバイスドライバ・プログラ
ム、(b)アプリケーションプログラムからコード化デー
タを受けて、当該コード化データを解釈して、サンプル
化データに変換する音源プログラム、(c)音源プログラ
ムからのサンプル化データを受けて、前記コンピュータ
に接続されたアナログ音信号生成器に与えることの可能
なデータに変換する第2の仮想デバイスドライバ・プロ
グラム、(d)第1の仮想デバイスドライバ・プログラム
の出力データと第2の仮想デバイスドライバ・プログラ
ムの出力データを合成して前記コンピュータに接続され
たアナログ音信号生成器に出力する合成処理プログラ
ム。
【0016】請求項2の音データ処理装置は、コンピュ
ータが、下記プログラム(a)〜(c)にしたがって処理を行
い: (a)アプリケーションプログラムからのサンプル化デー
タを、直接又は間接に受けて、前記コンピュータに接続
されたアナログ音信号生成器に与えることの可能なデー
タに変換する第1の仮想デバイスドライバ・プログラ
ム、(b)アプリケーションプログラムからコード化デー
タを受けて、当該コード化データを解釈して、サンプル
化データに変換する音源プログラム、(c)音源プログラ
ムからのサンプル化データを受けて、前記コンピュータ
に接続されたアナログ音信号生成器に与えることの可能
なデータに変換する第2の仮想デバイスドライバ・プロ
グラム、アナログ音信号生成器が、第1および第2の仮
想デバイスドライバ・プログラムからのデータを合成し
て、アナログ音信号に変換するものであることを特徴と
している。
【0017】請求項3の音データ処理装置は、第1の仮
想デバイスドライバ・プログラムからの出力データを前
記アナログ音信号生成器に出力するための第1の転送処
理と、第2の仮想デバイスドライバ・プログラムからの
出力データを前記アナログ音信号生成器に出力するため
の第2の転送処理とを行うことを特徴としている。
【0018】請求項4の音データ処理装置は、転送路を
ビットによって2つに分割し、一方を第1の転送処理用
とし、他方を第2の転送処理用としたことを特徴として
いる。
【0019】請求項5の音データ処理装置は、転送路を
時分割によって2つに分割し、一方を第1の転送処理用
とし、他方を第2の転送処理用としたことを特徴として
いる。
【0020】請求項6の音データ処理方法は、コード化
データを解釈して、音波形の振幅値をデジタル化したサ
ンプル化データに変換し、当該サンプル化データを、サ
ンプル化データを扱うアプリケーションプログラムに渡
すことなく、仮想デバイスドライバ・プログラムに渡
し、当該仮想デバイスドライバ・プログラムにより、サ
ンプル化データをアナログ音生成器に与えることの可能
なデータに変換するようにしたことを特徴としている。
【0021】請求項7の記録媒体は、コンピュータに下
記の処理(a)〜(c)を行わせるためのプログラムを記録し
ている: (a)アプリケーションプログラムからのサンプル化デー
タを、直接又は間接に受けて、前記コンピュータに接続
されたアナログ音信号生成器に与えることの可能なデー
タに変換する処理、(b)アプリケーションプログラムか
らコード化データを受けて、当該コード化データを解釈
して、サンプル化データに変換する処理、(c)音源プロ
グラムからのサンプル化データを受けて、前記コンピュ
ータに接続されたアナログ音信号生成器に与えることの
可能なデータに変換する処理。
【0022】請求項8の記録媒体は、さらに、コンピュ
ータに下記の処理(d)を行わせるためのプログラムを記
録している: (d)前記処理(a)によって得られた出力データと前記処理
(c)によって得られた出力データを合成して前記コンピ
ュータに接続されたアナログ音信号生成器に出力する合
成処理。
【0023】
【発明の効果】請求項1、請求項2の音データ処理装置
および請求項7、請求項8の記録媒体に記録されたプロ
グラムは、コード化データを解釈してサンプル化データ
に変換し、当該サンプル化データを、サンプル化データ
を扱うアプリケーションプログラムに渡すことなく、仮
想デバイスドライバ・プログラムに渡し、当該仮想デバ
イスドライバ・プログラムにより、サンプル化データを
アナログ音生成器に与えることの可能なデータに変換す
るようにしたことを特徴としている。
【0024】したがって、音波形の振幅値をデジタル化
したサンプル化データおよび音の特性をコード化したコ
ード化データの双方を同じアナログ音信号生成器でアナ
ログ音信号に変換できる。
【0025】さらに、解釈して得たサンプル化データ
を、サンプル化データを扱うアプリケーションプログラ
ムに渡すことなく、仮想デバイスドライバ・プログラム
に渡している。したがって、コード化データに対する処
理が簡素化され、処理が迅速となる。
【0026】すなわち、ハードウエアの簡素化を図りつ
つ、ソフトウエアによる音源を用いて音源の音表現の柔
軟性を持たせるとともに、処理速度の高速な音データ処
理装置を提供することができる。
【0027】請求項3の音データ処理装置は、第1の仮
想デバイスドライバ・プログラムからの出力データ用の
第1の転送処理と、第2の仮想デバイスドライバ・プロ
グラムからの出力データ用の第2の転送処理とを行うよ
うにしている。したがって、それぞれのデータを高速に
D/A変換器に転送することができ、さらなる処理の高
速化を図ることができる。
【0028】請求項4の音データ処理装置においては、
転送路をビットによって2つに分割し、一方を第1の転
送処理用とし、他方を第2の転送処理用としている。し
たがって、第1の転送と第2の転送を同時に行うことが
でき、高速転送を実現することができる。
【0029】請求項5の音データ処理装置においては、
転送路を時分割によって2つに分割し、一方を第1の転
送処理用とし、他方を第2の転送処理用としている。し
たがって、DMA転送路を増設することなく、高速転送
を実現することができる。
【0030】請求項6の音データ処理方法は、コード化
データを解釈してサンプル化データに変換し、当該サン
プル化データを、サンプル化データを扱うアプリケーシ
ョンプログラムに渡すことなく、仮想デバイスドライバ
・プログラムに渡し、当該仮想デバイスドライバ・プロ
グラムにより、サンプル化データをアナログ音生成器に
与えることの可能なデータに変換するようにしたことを
特徴としている。
【0031】したがって、解釈して得たサンプル化デー
タを、サンプル化データを扱うアプリケーションプログ
ラムに渡すことなく、仮想デバイスドライバ・プログラ
ムに渡している。したがって、コード化データに対する
処理が簡素化され、処理が迅速となる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の一実施形態に
よる音データ処理装置の構成を示す。WAVEアプリケーシ
ョンプログラム2は、WAVE波形データを出力するプログ
ラムである。ここで、WAVE波形データは、音波形の振幅
値をデジタル化したサンプル化データである。このWAVE
波形データは、オペレーティングシステムのダイナミッ
クリンクライブラリ(図示せず)を介して、ドライバレ
イヤーのWAVEドライバプログラム8に与えられる。WAVE
ドライバプログラム8は、WAVE波形データを、仮想デバ
イスドライバレイヤーの仮想デバイスドライバプログラ
ム10に渡す。
【0033】仮想デバイスドライバプログラム10は、
WAVE波形データを受けて、アナログ音信号発生器である
サウンドボードが処理可能なように、データ長やタイミ
ング等を調整する。その出力データは、加算処理プログ
ラム40に与えられる。
【0034】MIDIアプリケーションプログラム20は、
MIDIデータを出力するプログラムである。ここで、MIDI
データは、MIDI規格に従って、音の特性をコード化した
コード化データである。このMIDIデータは、オペレーテ
ィングシステムのダイナミックリンクライブラリ(図示
せず)を介して、ドライバレイヤーのMIDIドライバプロ
グラム26に与えられる。MIDIドライバプログラム26
は、MIDIデータを、仮想デバイスドライバレイヤーのシ
ンセサイザプログラム34に渡す。
【0035】音源プログラムであるシンセサイザプログ
ラム34は、MIDIデータを解釈して、WAVE波形データに
変換する。このWAVE波形データは、仮想デバイスドライ
バプログラム42に渡される。仮想デバイスドライバプ
ログラム42は、WAVE波形データを受けて、アナログ音
信号発生器であるサウンドボードが処理可能なように、
データ長やタイミング等を調整する。その出力データ
は、加算処理プログラム40に与えられる。
【0036】合成処理プログラムである加算処理プログ
ラム40は、仮想デバイスプログラム10および仮想デ
バイスプログラム42からの出力データを加算する。加
算されたデータは、ダイレクト・メモリ・アクセス(D
MA)転送処理によって、アナログ音信号生成器である
サウンドカードに与えられる。サウンドカードにおいて
は、加算されたデータは、インターフェイス14を介し
て、D/A変換器16に与えられる。D/A変換器16
は、これを、アナログ音信号に変換して出力する。
【0037】図2に、この装置のハードウエア構成を示
す。CPU50には、メモリ52、ハードディスク5
4、CD−ROMドライブ56、キーボードおよびマウ
ス60、ISAバス62が接続されている。また、IS
Aバス62には、サウンドボード64が接続されてい
る。
【0038】ハードディスク54には、図1に示す各プ
ログラムが記憶されている。これらのプログラムは、C
D−ROMドライブ56を介して、CD−ROM58に
記憶されたプログラムがインストールされたものであ
る。
【0039】加算処理プログラム40によって加算され
たデータは、ISAバス62を介して、サウンドボード
64に与えられる。サウンドボード64からのアナログ
音信号は、オーディオアンプ66によって増幅され、ス
ピーカ68によって音として出力される。
【0040】図3に、シンセサイザプログラムのフロー
チャートを示す。まず、ステップS1において、MIDIデ
ータの読み込みを行う。次に、このMIDIデータによって
指定された音色データ(たとえば、ピアノの音、ギター
の音など)を、ハードディスク54から読み出す(ステ
ップS2)。さらに、MIDIデータによって指定された音
程、音の継続時間、振幅等に基づいて、読み出した音色
データを変更する(ステップS3)。これにより、WAVE
波形データが得られる。得られたWAVE波形データを、仮
想デバイスドライバプログラム42に出力する(ステッ
プS4)。
【0041】上記のようにして1つのMIDIデータに対す
る処理が終了すると、次のMIDIデータに対する処理を、
ステップS1から繰り返して行う。
【0042】図4に、加算処理プログラム40のフロー
チャートを示す。まず、ステップS11において、仮想
デバイスドライバ・プログラム10からのデータを右に
1ビットシフト(1/2)する。同様に、仮想デバイス
ドライバ・プログラム42からのデータを右に1ビット
シフト(1/2)する(ステップS12)。次に、両デ
ータを加算して(ステップS13)、メモリ52に記憶
する(ステップS14)。この実施形態では、加算前
に、データの値を1/2にしているので、加算後にオー
バーフローを生じるおそれがない。メモリ52に記憶さ
れたデータは、DMA転送によって、サウンドボード6
4に与えられる。
【0043】図5に、サウンドボード64の詳細を示
す。コンピュータのメモリ52には、図4の処理によっ
て、加算後のデータが記憶されている。サウンドボード
64のDMA要求発生器76は、メモリ74に記憶され
たデータが残り少なくなると、DMA要求信号を生成す
る。この要求は、コンピュータのDMAコントローラ7
2に与えられる。要求を受けたDMAコントローラ72
は、メモリ52に記憶されている加算後のデータを、C
PUのバス70,ISAバス12を介して、メモリ74
に転送する。メモリ74が一杯になると、DMA要求発
生器76は、DMA要求を取り下げる。
【0044】メモリ74に転送された加算後のデータ
は、まず、上位ビットが読み出されて、バッファ78に
保持される。次に、下位ビットが読み出され、バッファ
78に保持されていた上位ビットともに、バッファ80
に保持される。D/A変換器16は、バッファ80のデ
ータを、アナログ信号に変換する。
【0045】なお、図5においては、メモリ74,DM
A要求発生器76、バッファ78、バッファ80、読み
出しクロック発生器82によって、インターフェイス1
4が構成されている。
【0046】図6に、他の実施形態による音データ処理
装置の構成を示す。この実施形態では、加算処理プログ
ラム40によって加算処理を行わず、サウンドボードの
加算器17によって加算を行うようにしている。なお、
オーバーフローを避けるために、サウンドボードに転送
する前に、1/2処理プログラム39、41によって、
データの値を1/2にしている。1/2にされたデータ
は、それぞれ、DMA転送処理12、13よって、イン
ターフェイス14、15を介して、加算器17に与えら
れる。
【0047】図7に、この実施形態におけるサウンドボ
ード65の詳細を示す。コンピュータのメモリ52に
は、1/2処理プログラム39からのデータおよび1/
2処理プログラム41からのデータが、領域を分けて記
憶される。1/2処理プログラム39からのデータは、
第1のDMA転送処理のための領域に、1/2処理プロ
グラム41からのデータは、第2のDMA転送処理のた
めの領域に記憶される。
【0048】サウンドボード64のDMA要求発生器7
6は、メモリ74に記憶されたデータが残り少なくなる
と、第1のDMA要求信号を生成する。この要求は、コ
ンピュータのDMAコントローラ72に与えられる。要
求を受けたDMAコントローラ72は、メモリ52の第
1のDMA転送処理のための領域に記憶されているデー
タを、CPUのバス70,ISAバス12を介して、メ
モリ74に転送する。メモリ74が一杯になると、DM
A要求発生器76は、第1のDMA要求を取り下げる。
【0049】サウンドボード64のDMA要求発生器7
6は、メモリ75に記憶されたデータが残り少なくなる
と、第2のDMA要求信号を生成する。この要求は、コ
ンピュータのDMAコントローラ72に与えられる。要
求を受けたDMAコントローラ72は、メモリ52の第
2のDMA転送処理のための領域に記憶されているデー
タを、CPUのバス70、ISAバス12を介して、メ
モリ75に転送する。メモリ75が一杯になると、DM
A要求発生器76は、第2のDMA要求を取り下げる。
【0050】メモリ74、75に転送されたデータは、
まず、下位ビットが読み出されて、加算器17によって
加算される。この加算結果は、バッファ78に保持され
る。また、加算によるキャリービットが、加算器17に
与えられる。次に、上位ビットが読み出され、キャリー
ビットとともに加算器17によって加算される。下位ビ
ットと上位ビットがまとめられて、D/A変換器16に
与えられる。D/A変換器16は、このデータをアナロ
グ信号に変換する。
【0051】この実施形態では、加算処理を加算器17
によって行うようにしているので、コンピュータの処理
負担が軽減する。これにより、処理の高速化を図ること
ができる。
【0052】図8に、さらに、他の実施形態による音デ
ータ処理装置の構成を示す。この実施形態では、仮想デ
バイスドライバプログラム10および42からのデータ
を、ビット結合処理プログラム80によってビット結合
し、一度にDMA転送するようにしている。これによ
り、転送の高速化を図ることができる。
【0053】図9に、ビット結合処理プログラムのフロ
ーチャートを示す。まず、仮想デバイスドライバプログ
ラム10からの出力データ値を1/2にする(ステップ
S21)。次に、このデータを8ビット左シフトする
(ステップS22)。続いて、このデータの下位9ビッ
ト目から16ビット目までを除くビットを全て”0”に
する(ステップS23)。
【0054】次に、仮想デバイスドライバプログラム4
2からの出力データ値を1/2にする(ステップS2
4)。次に、このデータの下位8ビットを除くビットを
全て”0”にする(ステップS25)。
【0055】ステップS23、S25で得たデータの論
理和をとる(ステップS26)。これにより、図10に
示すように、上位ビットに仮想デバイスドライバプログ
ラム10からのデータ、下位ビットに仮想デバイスドラ
イバ42からのデータが結合されたデータが得られる。
このようにして得られたビット結合データは、メモリ5
2に記憶される(ステップS27)。
【0056】図11に、この実施形態におけるサウンド
ボードの詳細を示す。コンピュータのメモリ52には、
ビット結合されたデータが記憶されている。サウンドボ
ードのメモリ74のデータが少なくなると、DMA要求
発生器76がDMA要求を発生する。これにより、メモ
リ52のビット結合データが、メモリ74に転送され
る。
【0057】加算器17は、メモリ74の上位8ビット
と下位8ビットを読み出して、それぞれ8ビットのデー
タとして加算を行う。加算されたデータは、D/A変換
器16によって、アナログ音信号に変換される。
【0058】この実施形態によれば、一度にデータを転
送することができ、処理速度を向上することができる。
【0059】図12に、さらに他の実施形態による音デ
ータ処理装置の構成を示す。この実施形態においては、
多重化処理プログラム82により、仮想デバイスドライ
バプログラム10、42からのデータを、時分割的にD
MA転送するようにしている。
【0060】図13に、多重化処理プログラムのフロー
チャートを示す。まず、ステップS31において、カウ
ンタフラグを”0”にする。次に、ステップS32にお
いて、カウンタフラグの値を判断する。カウンタフラグ
が”0”であれば、仮想デバイスドライバプログラム1
0からの出力データ値を1/2にする(ステップS3
3)。その後、カウンタフラグを”1”に変更する(ス
テップS34)。
【0061】また、ステップS32において、カウンタ
フラグが”1”であれば、仮想デバイスドライバ42か
らの出力データ値を1/2にする(ステップS35)。
その後、カウンタフラグを”0”に変更する。
【0062】ステップS37では、1/2にしたデータ
をバッファ(メモリ52の一部分を割り当ててもよい)
に一時的に記憶する。DMA転送の要求がなければ、再
び、ステップS32以下を繰り返し実行する。これによ
り、バッファには、仮想デバイスドライバプログラム1
0と仮想デバイスドライバプログラム42のデータが交
互に記憶されることとなる。DMA転送要求があると、
バッファのデータをメモリ52のDMA領域に渡す(ス
テップS39)。
【0063】図14に、この実施形態におけるサウンド
ボードの詳細を示す。1つのデータ転送ごとに発生され
るデータクロックが、クロック分周器90(1/2分周
器)に与えられている。クロック分周器90の出力Q
は、メモリ75のイネーブル端子に与えられている。ま
た、反転されて、メモリ74のイネーブル端子にも与え
られている。したがって、仮想デバイスドライバプログ
ラム10からのデータは、メモリ74に記憶され、仮想
デバイスドライバプログラム42からのデータは、メモ
リ75に記憶される。加算器17は、両データを加算し
て、A/D変換器16に与える。
【0064】上記各実施形態においては、転送処理をD
MA転送によって説明したが、通常のCPU制御による
転送であってもよい。ただし、処理速度の高速化という
点からは、DMA転送の方が好ましい。
【0065】また、上記各実施形態においては、サンプ
ル化データとしてWAVEデータを示しているが、その他の
波形をデジタルサンプリングしたデータについても適用
することができる。
【0066】また、上記各実施形態においては、コード
化データとしてMIDIデータを示しているが、その他の音
の特性を所定の規格によって情報データとして扱うよう
なデータについても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による音データ処理装置
の構成を示す図である。
【図2】音データ処理装置のハードウエア構成を示す図
である。
【図3】シンセサイザプログラムのフロチャートであ
る。
【図4】加算処理プログラムのフローチャートである。
【図5】サウンドボード64の詳細を示す図である。
【図6】他の実施形態による音データ処理装置の構成を
示す図である。
【図7】図6の音データ処理装置のサウンドボード64
の詳細を示す図である。
【図8】さらに他の実施形態による音データ処理装置の
構成を示す図である。
【図9】ビット結合処理プログラムのフローチャートで
ある。
【図10】ビット結合されたデータの構造を示す図であ
る。
【図11】図8の音データ処理装置のサウンドボード6
4の詳細を示す図である。
【図12】さらに他の実施形態による音データ処理装置
の構成を示す図である。
【図13】多重化処理プログラムのフローチャートであ
る。
【図14】図12の音データ処理装置のサウンドボード
64の詳細を示す図である。
【図15】MIDIハードウエア音源を用いた従来の音デー
タ処理装置を示す図である。
【図16】MIDI音源をソフトウエアによって実現した従
来の音データ処理装置を示す図である。
【符号の説明】
2・・・WAVEアプリケーションプログラム 10・・・仮想デバイスドライバプログラム 16・・・D/A変換器 20・・・MIDIアプリケーションプログラム 34・・・シンセサイザプログラム 40・・・加算処理プログラム 42・・・仮想デバイスドライバプログラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 直 大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキ ョー株式会社内 (72)発明者 馬島 良行 静岡県浜松市入野町4902−8−407 株 式会社フェイス 浜松R&D内 (72)発明者 片山 忍 静岡県浜松市入野町4902−8−407 株 式会社フェイス 浜松R&D内 (56)参考文献 特開 平9−258737(JP,A) 特開 平9−146556(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/02 G10H 1/00 102 G10H 7/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンピュータと、 コンピュータに接続され、コンピュータからの出力デー
    タをアナログ音信号に変換するアナログ音信号生成器と
    を備え、 音波形の振幅値をデジタル化したサンプル化データおよ
    び音の特性をコード化したコード化データの双方を合成
    してアナログ音信号として出力する音データ処理装置に
    おいて、 前記コンピュータは、下記プログラム(a)〜(d)にしたが
    って処理を行うことを特徴とする音データ処理装置: (a)アプリケーションプログラムからのサンプル化デー
    タを、直接又は間接に受けて、前記コンピュータに接続
    されたアナログ音信号生成器に与えることの可能なデー
    タに変換する第1の仮想デバイスドライバ・プログラ
    ム、 (b)アプリケーションプログラムからコード化データを
    受けて、当該コード化データを解釈して、サンプル化デ
    ータに変換する音源プログラム、 (c)音源プログラムからのサンプル化データを受けて、
    前記コンピュータに接続されたアナログ音信号生成器に
    与えることの可能なデータに変換する第2の仮想デバイ
    スドライバ・プログラム、 (d)第1の仮想デバイスドライバ・プログラムの出力デ
    ータと第2の仮想デバイスドライバ・プログラムの出力
    データを合成して前記コンピュータに接続されたアナロ
    グ音信号生成器に出力する合成処理プログラム。
  2. 【請求項2】コンピュータと、 コンピュータに接続され、コンピュータからの出力デー
    タをアナログ音信号に変換するアナログ音信号生成器と
    を備え、 音波形の振幅値をデジタル化したサンプル化データおよ
    び音の特性をコード化したコード化データの双方を合成
    してアナログ音信号として出力する音データ処理装置に
    おいて、 前記コンピュータは、下記プログラム(a)〜(c)にしたが
    って処理を行い: (a)アプリケーションプログラムからのサンプル化デー
    タを、直接又は間接に受けて、前記コンピュータに接続
    されたアナログ音信号生成器に与えることの可能なデー
    タに変換する第1の仮想デバイスドライバ・プログラ
    ム、 (b)アプリケーションプログラムからコード化データを
    受けて、当該コード化データを解釈して、サンプル化デ
    ータに変換する音源プログラム、 (c)音源プログラムからのサンプル化データを受けて、
    前記コンピュータに接続されたアナログ音信号生成器に
    与えることの可能なデータに変換する第2の仮想デバイ
    スドライバ・プログラム、 前記アナログ音信号生成器は、第1および第2の仮想デ
    バイスドライバ・プログラムからのデータを合成して、
    アナログ音信号に変換するものであることを特徴とする
    音データ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項2の音データ処理装置において、 第1の仮想デバイスドライバ・プログラムからの出力デ
    ータを前記アナログ音信号生成器に出力するための第1
    の転送処理、 第2の仮想デバイスドライバ・プログラムからの出力デ
    ータを前記アナログ音信号生成器に出力するための第2
    の転送処理、 を行うことを特徴とするもの。
  4. 【請求項4】請求項3の音データ処理装置において、 転送路をビットによって2つに分割し、一方を第1の転
    送処理用とし、他方を第2の転送処理用としたことを特
    徴とするもの。
  5. 【請求項5】請求項3の音データ処理装置において、 転送路を時分割によって2つに分割し、一方を第1の転
    送処理用とし、他方を第2の転送処理用としたことを特
    徴とするもの。
  6. 【請求項6】音の特性をコード化したコード化データを
    コンピュータによって処理し、処理後のデータを当該コ
    ンピュータに接続されたアナログ音信号生成器に与え
    て、アナログ音信号を得る音データ処理方法において、 前記コンピュータは、コード化データを解釈して、音波
    形の振幅値をデジタル化したサンプル化データに変換
    し、当該サンプル化データを、サンプル化データを扱う
    アプリケーションプログラムに渡すことなく、仮想デバ
    イスドライバ・プログラムに渡し、 当該仮想デバイスドライバ・プログラムにより、サンプ
    ル化データをアナログ音生成器に与えることの可能なデ
    ータに変換するようにしたことを特徴とする音データ処
    理方法。
  7. 【請求項7】コンピュータに処理を行わせるための下記
    プログラム(a)〜(c)を記録した記録媒体: (a)アプリケーションプログラムからのサンプル化デー
    タを、直接又は間接に受けて、前記コンピュータに接続
    されたアナログ音信号生成器に与えることの可能なデー
    タに変換する第1の仮想デバイスドライバ・プログラ
    、 (b)アプリケーションプログラムからコード化データを
    受けて、当該コード化データを解釈して、サンプル化デ
    ータに変換する音源プログラム、 (c)音源プログラムからのサンプル化データを受けて、
    前記コンピュータに接続されたアナログ音信号生成器に
    与えることの可能なデータに変換する第2の仮想デバイ
    スドライバ・プログラム
  8. 【請求項8】請求項7の記録媒体において、さらに、
    ンピュータに処理を行わせるためのプログラム(d)を記
    録したもの: (d)第1の仮想デバイスドライバ・プログラムの出力デ
    ータと第2の仮想デバイスドライバ・プログラムの出力
    データを合成して前記コンピュータに接続されたアナロ
    グ音信号生成器に出力する合成処理プログラム。
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