JP3290871B2 - 表色系変換方法及び装置 - Google Patents

表色系変換方法及び装置

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JP3290871B2 JP30019795A JP30019795A JP3290871B2 JP 3290871 B2 JP3290871 B2 JP 3290871B2 JP 30019795 A JP30019795 A JP 30019795A JP 30019795 A JP30019795 A JP 30019795A JP 3290871 B2 JP3290871 B2 JP 3290871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像を構成する各
画素データを、第1の表色系から第2の表色系へ変換す
る表色系変換方法および表色系変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、撮像装置等で得られたR
GB表色系の値を、カラープリンタ等で印刷画像にする
ため、CMY表色系の値に変換する場合がある。しか
し、単にRGB表色系とCMY表色系との理論的な関係
にしたがって演算により変換していると、その演算が複
雑であるため、画像を構成する多数の画素を処理するの
に極めて長い時間がかかることから、特開昭63−16
2248号等ではRGB表色系のパラメータの値とCM
Y表色系のパラメータの値との関係を表しているルック
アップテーブル(以下「LUT」とも言う)に基づい
て、RGB表色系の画像データを変換して、CMY表色
系の画像データを得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、LUTは、記
憶容量の制限から、ある程度の間隔を置いて離散的に設
定した値のテーブルとして構成されている。そのため、
LUTから得られた値に対して補間計算により、正確な
変換値を得る必要がある。
【0004】ここで、変換しようとする色の座標点を
(R,G,B)と表すと、この座標点は、LUT内の8
つの値を頂点P1,P2,P3,P4,P5,P6,P
7,P8とする体積Aの直方体に含まれていると考える
ことができる。したがって、この座標点(R,G,B)
に対応したCMY表色系のパラメータの補間計算は、例
えば、前記8つの頂点P1,P2,P3,P4,P5,
P6,P7,P8に対応したCMYのパラメータ値に対
して重み付けすることによりなされる。
【0005】この重み付けの1つの手法としては、例え
ば各頂点P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,
P8と座標点(R,G,B)とを対角頂点とする8つの
直方体の体積a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7,a8
を求め、a1/A,a2/A,a3/A,a4/A,a5/
A,a6/A,a7/A,a8/Aを、座標点を挟んで反
対側に存在する頂点に対する重み付けとする。したがっ
て、表色系を変換する座標点(R,G,B)に対応する
CMY表色系のパラメータC,M,Yは、LUT上に設
定されている頂点P1,P2,P3,P4,P5,P
6,P7,P8のCMY変換値を、それぞれ、(C1,
M1,Y1)〜(C8,M8,Y8)とすると、次のような
演算により得られる。
【0006】
【数1】
【0007】このように、各パラメータC,M,Y毎
に、乗算8回、加算7回、除算1回がなされ、1画素合
計して、乗算24回、加算21回、除算3回となる。こ
の計算を、画像を構成する全画素にわたって実行する
と、画素数が膨大なため、膨大な計算時間が必要となっ
た。
【0008】すなわち、表色系の変換演算をしないため
に、LUTを用いたにもかかわらず、正確な変換値を得
るためには、結局、大量の補間演算をしなくてはならな
いため、表色系の変換を迅速に行うことができなかっ
た。しかし、例えば、印刷のレイアウトや配色を確認す
るために、ドラフト印刷にて迅速に見本刷りが必要な場
合には、少々、色彩が不正確でも問題ない場合が有る
が、このような場合にも、色彩も含めた見本刷りが必要
となった場合には、前述した方法で行わざるを得ず、見
本刷りで早急に確認したいにもかかわらず、長い時間が
費やされ、非効率な作業となっていた。
【0009】また、カラー画像を、誤差拡散法やディザ
法等で2値化して疑似階調で印刷する場合には、表色系
の変換を正確に行っても印刷時に色の再現性が厳密に達
成できないので、表色系の変換の精度が少々低くてもか
まわない。このような場合にも、やはり前述した方法で
行わざるを得ず、印刷の色再現性が厳密でないにもかか
わらず、変換に長い時間が費やされ、非効率な作業とな
っていた。
【0010】このような観点から、本刷りほどの色彩の
精緻さは必要なくても、迅速に変換できる表色系の変換
が求められていた。本発明は、ある程度の正確さで迅速
に表色系の変換が可能な表色系変換方法及び表色系変換
装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】請求項1
の表色系変換方法は、次のようになされる。すなわち、
第1の表色系にて表されている画像を、複数の画素デー
タから構成される領域に分割し、その領域毎にその領域
内の複数の画素の第1の表色系の各パラメータごとの平
均値を演算する。次に、前記平均値と、同一領域の各画
素の第1の表色系のパラメータとの差分を演算する。
【0012】そして、前記平均値を第2の表色系のパラ
メータに変換し、この第2の表色系における平均値を、
前記各画素の第1の表色系における差分に基づいて補正
して、各画素の第2の表色系のパラメータを決定する。
すなわち、複数の画素データから構成される領域のすべ
ての画素について、第1の表色系から第2の表色系へ変
換するのではなく、その領域内の複数の画素の第1の表
色系についての平均値を算出し、この平均値を第1の表
色系から第2の表色系に変換する。ここで領域内の複数
の画素は、その領域内のすべの画素でも良く、1画素以
上を除いた一部の複数の画素でも良い。
【0013】そして、第1の表色系における平均値と各
画素のパラメータとの差分を計算し、この第1の表色系
における差分に基づいて、第2の表色系に変換された平
均値を補正する。これによって、各画素の第2の表色系
のパラメータを決定する。前記差分からは、表色系の変
換計算よりも簡易な計算で、第2の表色系に変換された
平均値を補正するための値を得ている。
【0014】例えば、RGB表色系を第1の表色系とし
て、全画素の平均値をR0,G0,B0とし、ある1つの
画素の差分をΔR1,ΔG1,ΔB1とし、CMY表色
系を第2の表色系として、第2の表色系に変換された平
均値をC0,M0,Y0とし、階調数を0〜255の25
6階調とすると、その画素のCMY表色系のパラメータ
C1,M1,Y1は、例えば、次のような簡易な計算の補
正により得られる。
【0015】
【数2】
【0016】ここで、KC,KM,KYは係数である。前
記式4〜6では、差分の計算も含めて加減算が6回、乗
算が3回である。例えば、4画素からなる領域であれ
ば、その領域では、24回の加減算および12回の乗算
が行われることになる。更に平均値の計算では、3色分
で加算が9回、除算が3回であり、その平均値の変換演
算にては、前記式1〜3で示したごとく、乗算24回、
加算21回、除算3回である。したがって、合計、加減
算が54回、乗算36回、除算が6回である。
【0017】従来のように、LUTと補間計算で全ての
画素を変換すると、体積計算自体を入れなくても、1画
素につき乗算24回、加算21回、除算3回であるの
で、4画素ならば、加算84回、乗算96回、除算12
回である。したがって、従来に比較して、4画素で、加
減算30回、乗算60回、除算6回も少なくて済むこと
になり、迅速な表色系の変換が可能となる。尚、係数K
C,KM,KYを用いなければ、4画素で、加減算30
回、乗算72回、除算6回も少なくて済み、一層迅速な
表色系の変換が可能となる。更に、各領域内の一部の複
数の画素の平均値を用いる場合には、更に計算回数を少
なくすることができる。 このような、平均値を求める
以外に、領域の中の1つの画素を代表画素として、前述
した平均値と同じ扱いをしても良い。
【0018】すなわち、第1の表色系にて表されている
画像を、複数の画素データから構成される領域に分割
し、その各領域の内の1画素を代表画素として、その代
表画素の第1の表色系のパラメータと、同一領域の他の
各画素の第1の表色系のパラメータとの差分を演算す
る。前記代表画素の第1の表色系のパラメータを第2の
表色系のパラメータに変換する。そして、この変換され
て得られた第2の表色系のパラメータを、前記第1の表
色系における他の画素との差分に基づいて補正して、前
記他の各画素の第2の表色系のパラメータを決定する。
【0019】この場合は、平均値を求めないことと、補
正される画素が1つ少ないので、より計算が少なくな
り、より迅速な表色系の変換が可能となる。前述した例
は、前記第1の表色系のパラメータを第2の表色系のパ
ラメータに変換する処理が、離散的に設定された前記第
1の表色系と前記第2の表色系との各パラメータの対応
関係を表すテーブルを用いて、このテーブルにより得ら
れた値を補間計算して、前記第1の表色系に対応する第
2の表色系のパラメータを得るものであったが、これ以
外の変換方法、例えば、すべて変換式の演算により、第
1の表色系から、第2の表色系を求める場合に適用する
こともできる。
【0020】前述した表色系変換方法は、次のような構
成により、表色系変換装置として実現される。すなわ
ち、第1の表色系にて表されている画像を、複数の画素
データから構成される領域に分割し、その領域毎にその
領域内の複数の画素の第1の表色系の各パラメータごと
の平均値を演算する平均手段と、前記平均手段により得
られた平均値と、同一領域の各画素の第1の表色系のパ
ラメータとの差分を演算する差分演算手段と、前記平均
手段により得られた平均値を第2の表色系のパラメータ
に変換する変換手段と、前記変換手段により第2の表色
系のパラメータに変換された平均値を、前記差分演算手
段にて演算された各画素の差分に基づいて補正して、各
画素の第2の表色系のパラメータを決定する補正手段
と、を備えた表色系変換装置により実現され、同様な効
果を上げることができる。
【0021】前記平均手段は、前記各領域内の全画素に
わたる第1の表色系の各パラメータごとの平均値を演算
するようにしても良い。また、第1の表色系にて表され
ている画像を、複数の画素データから構成される領域に
分割し、その各領域の1画素を代表画素として、その代
表画素の第1の表色系のパラメータと、同一領域の他の
各画素の第1の表色系のパラメータとの差分を演算する
差分演算手段と、前記代表画素の第1の表色系のパラメ
ータを第2の表色系のパラメータに変換する変換手段
と、前記変換手段にて得られた前記代表画素の第2の表
色系のパラメータを、前記差分演算手段にて演算された
差分に基づいて補正して、前記他の各画素の第2の表色
系のパラメータを決定する補正手段と、を備えた表色系
変換装置により実現され、同様な効果を上げることがで
きる。
【0022】このことにより、本発明を採用すれば、迅
速な計算で、ある程度正確に表色系の変換が行われ、ド
ラフト印刷や疑似階調の印刷を迅速に効率的に行うこと
ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】[実施の形態1] 図1は、実施の形態1の表色系変換装置1を示すブロッ
ク図である。本実施の形態1における表色系変換装置1
は、コンピュータとして構成されており、入力データに
所要の演算処理を施すものである。この表色系変換装置
1は、カラー原画像情報を記憶する原画像記憶装置(画
像メモリ)3、各計算結果を格納するRAM5、各種プ
ログラムやデータを格納するROM7、表色系変換処理
を行うCPU9、表色系変換処理後のカラー画像データ
を記憶する出力画像記憶装置(画像メモリ)11、RG
Bディスプレイ13、マウス15aを備えた入力装置1
5、およびこれらの構成を信号的に接続するバス17に
より構成されている。
【0024】RAM5には、後述する平均値や平均値と
の差分等が格納され、前記ROM7には、後述する表色
系変換処理プログラム、LUT、LUT特性値等が記憶
されている。またRAM5内にはRGBディスプレイ1
3に表示するためのビデオRAM(VRAM)領域が設
定してある。
【0025】表色系変換装置1は、既に撮像装置にて撮
影されたRGB表色系のカラー画像データを入力して、
原画像記憶装置3内に記憶している。この原画像記憶装
置3内に格納されたRGB表色系のカラー画像データに
対して、CPU9がROM7内の表色系変換処理プログ
ラム、LUTのデータを用いて、表色系変換処理を行
う。
【0026】以下に、図2のフローチャートに基づい
て、表色系変換処理を説明する。なお、本実施の形態に
おける原画像データのRGBとしての各色の階調数は、
0〜255の256階調であり、表現可能な色の数は、
16,777,216色である。
【0027】まず、原画像記憶装置3に、既に格納され
ている、RGB表色系で表されているカラー画像の入力
濃度データから、n×m画素分の1ブロックのデータを
RAM5の作業領域に読み込む(S100)。ここで
は、1ブロックを、図3で示す2×2の4画素からなる
ブロックとして説明する。
【0028】次に、この1ブロックの4画素における、
各パラメータR,G,Bの平均値Ra,Ga,Baを次
式のごとく計算する(S110)。
【0029】
【数3】
【0030】次に、この平均値Ra,Ga,Baについ
て、その表色系を、ROM7に格納されているLUTお
よびLUT特性値(Rmin,Gmin,Bmin,Rspace,G
space,Bspace)を用いて、CMY表色系に変換する
(S120)。ここで、RGB表色系色空間のような3
次元空間において、格子状に配置される格子点を想定
し、それら格子点は3次元空間の座標値としてそれぞれ
RGB値を持つと考える。このRGB値をアドレスとす
るメモリには、このRGB値を再現する出力装置の制御
信号としてのCMY値が記憶されている。
【0031】つまり、この場合、図4に示すように、L
UTは、これらの格子点をRGB表色系の3つの値それ
ぞれに対応づけた3つの識別番号の組合せ(0,0,
0)、(0,0,1)、……、(m,m,m)と、その
組合せに対応するCMY表色系の3つのパラメータ(C
1,M1,Y1)、(C2,M2,Y2)、……、(C
n,Mn,Yn)との組合せから構成されているもので
ある。
【0032】このとき、識別番号(0,0,0)で示さ
れる格子点を、前述のように想定した各格子点の原点と
し、この識別番号(0,0,0)のRGB表色系色空間
での座標値(すなわち原点位置)を、後述するLUT特
性値(Rmin,Gmin,Bmin)で示すことにする。
【0033】また、各識別番号は、原点に対し、R軸、
G軸、B軸の各軸の正方向に位置するもの毎に1つずつ
値が増えるように設定されているものである。この各識
別番号が1つだけ異なる格子点間(すなわち、格子幅)
のRGB表色系色空間における座標値上での間隔を、後
述するLUT特性値(Rspace,Gspace,Bspace)で
示すことにする。
【0034】また、3次元空間における格子状に配置さ
れる格子点を想定したことからも判るように、LUTに
表されるデータは、RGB表色系色空間において、離散
的に分布しているものである。そのため、このようなL
UTを用いてCMY表色系の各パラメータを求める時に
は、補間処理が必要となる。この補間処理は、例えば、
LUTに示されるパラメータの中から変換しようとする
色のパラメータ(Rx,Gx,Bx)を取り囲む所に位置
するデータを特定し、特定した各パラメータのCMY表
色系のパラメータに対して重み付け平均することにより
求める。
【0035】ここで、RGB表色系の空間は、3次元空
間における格子状に配置される格子点を想定した場合、
前記Rspace,Gspace,Bspaceの間隔で存在する格子
点(座標点)により、複数の直方体空間に分割すること
ができる。図5は、変換対象の色のパラメータ(Rx,
Gx,Bx)[座標点Xと呼ぶことにする。]を取り囲む
直方体空間Vと、その8つの頂点P1,P2,P3,P4,
P5,P6,P7,P8とを示している。各頂点は、LUT
として示されているパラメータの中から次のように特定
することができる。
【0036】まず、頂点P1のLUTにおける識別番号
(Rgrid,Ggrid,Bgrid)を、次式により求める。
【0037】
【数4】
【0038】ここで、int{}は、{}内の値を整数
化する処理を表している。また、この頂点P1が決定さ
れれば、他の7つの頂点P2,P3,P4,P5,P6,P
7,P8は、座標点Xを含む直方体の頂点であるという関
係から容易に決定できる。すなわち、頂点P2は頂点P1
に対し、B方向に1つ隣なので、識別番号は(Rgrid,
Ggrid,Bgrid+1)となり、頂点P8は頂点P1の対角
に位置するので(Rgrid+1,Ggrid+1,Bgrid+
1)となる。他の頂点も同様にして求めることができ
る。
【0039】このようにして求めた識別番号に基づい
て、頂点P1〜P8に対応するCMY表色系のパラメータ
(C1,M1,Y1)、……、(C8,M8,Y8)をLUT
の中から特定する。次に、頂点P1と座標点Xとを対角
頂点とする破線で示す直方体空間W1の体積をa1とし、
これを直方体空間Vの体積Aで割った値を頂点P1の対
角頂点である頂点P8の重み付け係数とする。同じく、
頂点P2〜P8と座標点Xとを対角頂点とする直方体空間
W2〜W8の体積をそれぞれa2〜a8とし、体積Aで割っ
て、頂点P2〜P8の対角にある頂点の重み付け係数とす
る。
【0040】座標点XのCMY表色系のパラメータ(C
X,MX,YX)は、次式の補間計算により得ることがで
きる。
【0041】
【数5】
【0042】このようにして、1ブロックの平均値であ
るRGB表色系のパラメータRa,Ga,Baを、CM
Y表色系のパラメータCa,Ma,Yaへ変換する処理
がステップS120で行われる。次に、1ブロックの平
均値であるRGB表色系のパラメータRa,Ga,Ba
と、ブロック内の各画素のパラメータ(R1,G1,B
1)、……、(R4,G4,B4)との差分ΔR1〜ΔR4,
ΔG1〜ΔG4,ΔB1〜ΔB4が演算される(S13
0)。まず画素1について次のように算出される。
【0043】
【数6】
【0044】同一ブロックの他の3つの画素の差分ΔR
2〜ΔR4,ΔG2〜ΔG4,ΔB2〜ΔB4についても同様
に計算される。次に、各画素のCMY表色系のパラメー
タが簡易な補正計算で決定され、出力画像記憶装置(画
像メモリ)11に格納される(S140)。まず画素1
のCMY表色系のパラメータ(C1,M1,Y1)が次の
ように算出される。
【0045】
【数7】
【0046】同一ブロックの他の3つの画素のCMY表
色系のパラメータC2〜C4,M2〜M4,Y2〜Y4につい
ても同様に計算され、出力画像記憶装置11に格納され
る。 次に、未処理のブロックがあるか否かが判定され
て(S150)、未処理のブロックが存在していれば肯
定判定されて、次のブロックの処理のためにステップS
100に戻り、前述した処理を繰り返す。
【0047】すべてのブロックのCMY表色系への変換
が完了すれば、ステップS150にて否定判定されて表
色系変換処理を終了する。本実施の形態1は、4画素を
それぞれ、LUTと補間計算にて、RGB表色系からC
MY表色系に変換しているのではなく、4画素のRGB
表色系の各パラメータの平均値Ra,Ga,Baを求め
ておき、その平均値Ra,Ga,Baのみを、LUTと
補間計算とで、RGB表色系からCMY表色系へ変換し
ている。そして、この平均値のCMY表色系のパラメー
タCa,Ma,Yaに対して、RGB表色系における平
均値Ra,Ga,Baと各画素のパラメータR1〜R4,
G1〜G4,B1〜B4との差分ΔR1〜ΔR4,ΔG1〜Δ
G4,ΔB1〜ΔB4を用いた簡易な補正計算、ここでは
単にCMY表色系に変換した平均値Ca,Ma,Yaに
ΔR1〜ΔR4,ΔG1〜ΔG4,ΔB1〜ΔB4を加算する
ことにより、各画素のCMY表色系のパラメータC1〜
C4,M1〜M4,Y1〜Y4を求めている。
【0048】もし、従来のごとく、1ブロックのすべて
画素に対して、ステップS120の変換処理を行えば、
直方体空間W1〜W8の体積a1〜a8の計算を含めなくて
も、1画素につき乗算24回、加算21回、除算3回で
あるので、4画素ならば、加算84回、乗算96回、除
算12回となってしまう。
【0049】ところが、図2の表色系変換処理によれ
ば、各画素毎の変換処理では、加減算が6回で済む。例
えば、4画素からなる領域であれば、その領域では、2
4回の加減算が行われることになる。平均値Ra,G
a,Baの計算は、加算が9回、除算が3回であり、そ
の平均値Ra,Ga,Baの変換演算は、乗算24回、
加算21回、除算3回である。したがって、合計、加減
算が54回、乗算24回、除算が6回である。
【0050】この計算処理の差は、1ブロック毎に、加
減算30回、乗算72回、除算6回であり、極めて計算
処理が少なくて済む。したがって、画像データ全体の変
換が迅速にできる。しかも、隣接する画素間での入力濃
度データの変動は比較的少ないので、平均値のCMY表
色系のパラメータ(Ca,Ma,Ya)は、各画素をそ
れぞれ補間処理することにより求められるCMY表色系
のパラメータに対して、わずかな差しか持たないと考え
られる。この差は、RGB表色系における平均値と各画
素のパラメータの差分に基づいて補正するため正確では
ないが、ある程度の色再現性を維持していると考えられ
る。
【0051】したがって、ドラフト印刷や疑似階調の印
刷を迅速に効率的に行うことができる。本実施の形態1
において、ステップS100およびステップS110が
平均手段としての処理に該当し、ステップS130が差
分演算手段としての処理に該当し、ステップS120が
変換手段としての処理に該当し、ステップS140が補
正手段としての処理に該当する。
【0052】[実施の形態2] 前記実施の形態1では平均値を計算し、その平均値の表
色系を変換していたが、本実施の形態2における処理で
は、特定の画素についてLUTと補間処理とを用いてC
MY表色系に変換し、他の画素についてはその変換で求
めたパラメータに対して補正を行って、その画素に対す
るCMY表色系のパラメータを決定している。
【0053】その表色系変換処理を図6に示す。他の構
成は、実施の形態1と同じである。まず、原画像記憶装
置3には、RGB表色系で表されているカラー画像デー
タが既に格納されている。このカラー画像の入力濃度デ
ータから、n×m画素分の1ブロックのデータをRAM
5の作業領域に読み込む(S200)。ここでも、1ブ
ロックを、図3で示す2×2の4画素からなるブロック
として説明する。
【0054】次に、この1ブロックから代表画素として
左上の画素を選択し、この代表画素について、そのRG
B表色系のパラメータR1,G1,B1を、ROM7に格
納されているLUTおよびLUT特性値を用いて、CM
Y表色系のパラメータC1,M1,Y1に変換し、出力画
像記憶装置11に格納する(S210)。この表色系の
変換処理は、前記図2のステップS120と同じく、前
記LUTを用い、前記式10〜15にて算出される。
【0055】次に、代表画素のRGB表色系のパラメー
タR1,G1,B1と、同一ブロックの他の画素2〜画素
4のパラメータ(R2〜R4,G2〜G4,B2〜B4)との
差分ΔR1-2〜ΔR1-4,ΔG1-2〜ΔG1-4,ΔB1-2〜
ΔB1-4が演算される(S220)。まず画素2につい
て次のように算出される。
【0056】
【数8】
【0057】同一ブロックの他の2つの画素における差
分ΔR1-3,ΔG1-3,ΔB1-3,ΔR1-4,ΔG1-4,Δ
B1-4についても同様に計算される。次に、画素2〜画
素4のCMY表色系への変換が簡易な補正計算でなさ
れ、そのCMY表色系のパラメータC2〜C4,M2〜M
4,Y2〜Y4が出力画像記憶装置(画像メモリ)11に
格納される(S230)。まず画素2について次のよう
に算出される。
【0058】
【数9】
【0059】同一ブロックの他の2つの画素の変換値C
3,M3,Y3,C4,M4,Y4についても同様に決定さ
れ、出力画像記憶装置11に格納される。次に、未処理
のブロックがあるか否かが判定されて(S240)、未
処理のブロックが存在していれば肯定判定されて、次の
ブロックの処理のためにステップS200に戻り、前述
した処理を繰り返す。
【0060】すべてのブロックのCMY表色系への変換
が完了すれば、ステップS240にて否定判定されて表
色系変換処理を終了する。本実施の形態2は、4画素を
それぞれ、LUTと補間計算にて、RGB表色系からC
MY表色系に変換しているのではなく、4画素の内の1
つを代表画素として、それをRGB表色系からCMY表
色系のパラメータC1,M1,Y1へ変換している。そし
て、このCMY表色系のパラメータC1,M1,Y1に対
して、RGB表色系における代表画素のパラメータR
1,G1,B1と他の画素のパラメータR2〜R4,G2〜G
4,B2〜B4との差分ΔR1-2〜ΔR1-4,ΔG1-2〜ΔG
1-4,ΔB1-2〜ΔB1-4を用いた簡易な計算、ここでは
単にCMY表色系に変換したC1,M1,Y1に差分ΔR1
-2〜ΔR1-4,ΔG1-2〜ΔG1-4,ΔB1-2〜ΔB1-4を
加えることで補正して、他の画素のC2〜C4,M2〜M
4,Y2〜Y4を求めている。
【0061】もし、従来のごとく、1ブロックのすべて
画素に対して、ステップS210の変換処理を行えば、
直方体空間W1〜W8の体積a1〜a8の計算を含めなくて
も、1画素につき乗算24回、加算21回、除算3回で
あるので、4画素ならば、加算84回、乗算96回、除
算12回となってしまう。
【0062】ところが、図6の表色系変換処理によれ
ば、代表画素以外の3画素の変換処理では、各画素毎に
加減算が6つで済む。したがって、18回の加減算が行
われることになる。代表画素のCMY表色系への変換計
算は、実施の形態1で述べたと同じく乗算24回、加算
21回、除算3回である。したがって、合計、加減算が
39回、乗算24回、除算が3回である。
【0063】この計算処理の差は、1ブロック毎に、加
減算45回、乗算72回、除算9回であり、実施の形態
1の場合よりも計算処理が少なくて済む。したがって、
画像データ全体の変換が一層迅速にできる。しかも、隣
接する画素間での入力濃度データの変動は比較的少ない
ので、代表画素のCMY表色系のパラメータは、各画素
をそれぞれ補間処理することにより求められるCMY表
色系のパラメータに対して、わずかな差しか持たないと
考えられる。この差は、RGB表色系における代表画素
と他の画素とのパラメータの差分に基づいて補正するた
め正確ではないが、ある程度の色再現性を維持している
と考えられる。
【0064】したがって、ドラフト印刷や疑似階調の印
刷を迅速に効率的に行うことができる。本実施の形態2
において、ステップS200およびステップS220が
差分演算手段としての処理に該当し、ステップS210
が変換手段としての処理に該当し、ステップS230が
補正手段としての処理に該当する。
【0065】[その他] 前記実施の形態1,2にて、ブロックの大きさとして、
2×2の大きさとしたが、2×1でも良いし、また3×
3でも良く、変換したデータに要求される色再現性の程
度に合わせて、高い色再現性が要求される場合にはブロ
ックを小さくし、ある程度の色再現性でも良い場合には
ブロックを大きくして変換速度を一層高速にして、適宜
決定すれば良い。
【0066】前記実施の形態1,2にては、ステップS
140またはステップS230の変換処理にて、単に差
分を加える処理を行っていたが、差分に係数を掛けた値
を加えても良い。こうしても、従来に比較して、計算が
迅速化されていることには変りはない。
【0067】前記実施の形態2にて、代表画素を左上の
画素としたが、他の位置の画素でも良い。また、前記実
施の形態1,2では、RGB表色系からCMY表色系へ
の変換について述べたが、本発明は、この逆の変換でも
同様に適用でき、同様な効果が得られる。また、RGB
表色系およびCMY表色系以外に、例えばL***
色系、L**h表色系、マンセル(HVC)表色系、X
YZ(Yxy)表色系、L**o表色系等も含めた各
種の表色系において、第1の表色系から第2の表色系へ
画像を変換する場合にも、本発明は適用でき、同様な効
果が得られる。
【0068】前記実施の形態1では、式7〜式8にて、
各ブロックの全画素の平均値を算出したが、各ブロック
内の1画素以上を除いた一部の複数の画素(例えば、所
定の規則により決定した各ブロック内の2つの画素、あ
るいは3つの画素)の平均値を、そのブロックの疑似的
な平均値とみなして、ステップS120以降の処理を行
っても良い。すなわち、1ブロックがn×m個の画素で
あれば、2画素〜(n×m−1)画素の平均値を用いて
も良い。このようにすれば計算量が更に少なくなる。前
記規則としては、例えば、対角線上の画素を選択する、
あるいは2×3以上の画素のブロックであれば四隅の画
素を選択するといった規則を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の表色系変換装置のブロック図
である。
【図2】 実施の形態1の表色系変換装置が実行する表
色系変換処理のフローチャートである。
【図3】 実施の形態1の画素のブロックの説明図であ
る。
【図4】 実施の形態1のLUTの構成説明図である。
【図5】 実施の形態1の変換時の補間処理の説明図で
ある。
【図6】 実施の形態2の表色系変換装置が実行する表
色系変換処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1…表色系変換装置 3…原画像記憶装置 5
…RAM 7…ROM 9…CPU 11…出力画像記憶装
置 13…RGBディスプレイ 15…入力装置 15
a…マウス 17…バス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/40 - 1/409 H04N 1/46 H04N 1/60

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を構成する各画素データを、第1の表
    色系から第2の表色系へ変換する表色系変換方法であっ
    て、 第1の表色系にて表されている画像を、複数の画素デー
    タから構成される領域に分割し、その領域毎にその領域
    内の複数の画素の第1の表色系の各パラメータごとの平
    均値を演算する処理と、 前記平均値と、同一領域の各画素の第1の表色系のパラ
    メータとの差分を演算する処理と、 前記平均値を第2の表色系のパラメータに変換する処理
    と、 この第2の表色系のパラメータに変換された平均値を、
    前記各画素の差分に基づいて補正して、各画素の第2の
    表色系のパラメータを決定する処理と、 を行うことを特徴とする表色系変換方法。
  2. 【請求項2】前記第1の表色系の各パラメータごとの平
    均値を演算する処理が、前記各領域内の全画素にわたる
    第1の表色系の各パラメータごとの平均値を演算する
    とを特徴とする請求項1記載の表色系変換方法。
  3. 【請求項3】画像を構成する各画素データを、第1の表
    色系から第2の表色系へ変換する表色系変換方法であっ
    て、 第1の表色系にて表されている画像を、複数の画素デー
    タから構成される領域に分割し、その各領域の内の1画
    素を代表画素として、その代表画素の第1の表色系のパ
    ラメータと、同一領域の他の各画素の第1の表色系のパ
    ラメータとの差分を演算する処理と、 前記代表画素の第1の表色系のパラメータを第2の表色
    系のパラメータに変換する処理と、 前記変換処理により得られる第2の表色系のパラメータ
    を、前記差分に基づいて補正して、前記他の各画素の第
    2の表色系のパラメータを決定する処理と、 を行うことを特徴とする表色系変換方法。
  4. 【請求項4】前記第1の表色系のパラメータを第2の表
    色系のパラメータに変換する処理が、 離散的に設定された前記第1の表色系と前記第2の表色
    系との各パラメータの対応関係を表すテーブルを用い
    て、このテーブルにより得られた値を補間計算して、前
    記第1の表色系に対応する第2の表色系のパラメータを
    得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の表
    色系変換方法。
  5. 【請求項5】画像を構成する各画素データを、第1の表
    色系から第2の表色系へ変換する表色系変換装置であっ
    て、 第1の表色系にて表されている画像を、複数の画素デー
    タから構成される領域に分割し、その領域毎にその領域
    内の複数の画素の第1の表色系の各パラメータごとの平
    均値を演算する平均手段と、 前記平均手段により得られた平均値と、同一領域の各画
    素の第1の表色系のパラメータとの差分を演算する差分
    演算手段と、 前記平均手段により得られた平均値を第2の表色系のパ
    ラメータに変換する変換手段と、 前記変換手段により第2の表色系のパラメータに変換さ
    れた平均値を、前記差分演算手段にて演算された各画素
    の差分に基づいて補正して、各画素の第2の表色系のパ
    ラメータを決定する補正手段と、 を備えたことを特徴とする表色系変換装置。
  6. 【請求項6】前記平均手段が、 前記各領域内の全画素にわたる第1の表色系の各パラメ
    ータごとの平均値を演算することを特徴とする請求項5
    記載の表色系変換装置。
  7. 【請求項7】画像を構成する各画素データを、第1の表
    色系から第2の表色系へ変換する表色系変換装置であっ
    て、 第1の表色系にて表されている画像を、複数の画素デー
    タから構成される領域に分割し、その各領域の1画素を
    代表画素として、その代表画素の第1の表色系のパラメ
    ータと、同一領域の他の各画素の第1の表色系のパラメ
    ータとの差分を演算する差分演算手段と、 前記代表画素の第1の表色系のパラメータを第2の表色
    系のパラメータに変換する変換手段と、 前記変換手段にて得られた前記代表画素の第2の表色系
    のパラメータを、前記差分演算手段にて演算された差分
    に基づいて補正して、前記他の各画素の第2の表色系の
    パラメータを決定する補正手段と、 を備えたことを特徴とする表色系変換装置。
  8. 【請求項8】前記変換手段が、 離散的に設定された前記第1の表色系と前記第2の表色
    系との各パラメータの対応関係を表すテーブルを備え、
    このテーブルにより得られた値を補間計算して、前記第
    1の表色系に対応する第2の表色系のパラメータを得る
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載の表色系
    変換装置。
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