JP3290733B2 - 帯電防止剤 - Google Patents

帯電防止剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミジン単位を有する
ことを特徴とするカチオン性ポリマーから成る帯電防止
剤に関する。このような帯電防止剤は、例えば、フィル
ム上に塗膜することにより帯電防止フィルムとして利用
することができる。
【0002】
【従来の技術】一般にフィルム、成型品、繊維等の成形
材料として広く用いられている合成樹脂は、通常優れた
電気絶縁性を有している反面で帯電し易く、材料の製造
工程や製品の使用時に種々の障害をもたらしている。従
来より、かかる合成高分子材料の帯電を防ぐため数多く
の研究がなされており、遺伝性金属粉末等の導電剤ある
いは界面活性剤を用いて、それらを合成高分子材料へ練
り込み、または、その表面に塗布して種々のトラブルを
防ぐ試みがなされている。しかし、導電剤を用いる場合
には、使用量が多く添加方法に工夫を要し、透明の物が
得られにくく高価であるということから一般的ではな
く、使用範囲が限定されてしまう。また、界面活性剤を
用いた場合には高分子材料との相溶性が悪く材料の特性
を損ねる結果を生じたり、耐熱性の上で問題を生じる。
【0003】また、最近ではイオン性高分子から成る帯
電防止剤もいくつか提案されている。例えば、米国特許
第4,668,748号明細書には、スチレンスルホン
酸単位とビニルアミン単位を有するイオン性ポリマーと
アルデヒド類の混合液をフィルム塗布し、硬化させる方
法が記載されている。該方法におけるイオン性ポリマー
での静電作用は主にスチレンスルホン酸単位によるもの
であり、ビニルアミン単位は、硬化剤であるアルデヒド
類との架橋反応性基として認識されている。また、該方
法では硬化反応の制御、また、残存アルデヒド類の処理
等の工程上の煩雑さがある。
【0004】また、ポリビニルアミン水溶液をポリメチ
ルメタアクリレートのディスク表面に塗布、乾燥した
後、該表面の固有抵抗を測定する方法により、ポリビニ
ルアミンの帯電防止性能を確認した例が知られている
(Zh.Pirkl.Khim.(Leningra
d),44(6))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子材料との相溶性、耐熱性、塗布する対象物との接着性
等、全ての点において改良された帯電防止剤を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、ある特定の構造を有する
カチオン性のポリマーが帯電防止性に優れ、かつ高分子
材料との相溶性、耐熱性、塗布した場合の基材との接着
性にも優れていることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、下記式(1)及び
/又は(2)で表されるくり返し単位を10〜100モ
ル%含有するカチオン性ポリマーから成る帯電防止剤に
存する。
【0008】
【化4】
【0009】(式中R1 ,R2 は水素原子又はメチル基
を、X- は陰イオンを表す。)以下本発明につき詳細に
説明する。本発明の帯電防止剤であるカチオン性ポリマ
ーは、上記の式(1)及び/又は(2)で表される構造
単位(以下、「アミジン単位」という)を10〜100
モル%、好ましくは30〜90モル%含有する。アミジ
ン単位が10モル%未満のポリマーを用いた場合には、
アミジン構造に由来する優れた帯電防止効果を得ること
ができない。
【0010】また、かかるカチオン性ポリマー(以下
「アミジンポリマー」という)は、1N食塩水0.1g
/dlの溶液として25℃で測定した還元粘度の値が、
通常0.01〜3dl/g、好ましくは0.02〜1d
l/gである。還元粘度が0.01dl/gより小さい
場合には、帯電防止効果はあるものの、塗膜の強度が弱
かったり、べたついてブロッキングしやすい。また、還
元粘度が3dl/gより大きい場合には、塗布液の粘度
が高くなり、取扱い性・塗布性が悪化しやすい。
【0011】上記の(1)と(2)で表されるアミジン
単位は、5員環から成るアミジン構造を有しており、核
磁気共鳴分光法(NMR)や赤外分光法(IR)等の分
析において通常、等価で観測されるものであり、(1)
と(2)の総量として定量される。しかしながら、下記
の概念図に示すように、後述する重合体のアミジン化反
応における生成高分子のくり返し単位を考えた場合、
(1)と(2)で表される2種類のくり返し単位が考慮
されなければならない。尚、下記概念図において、
(4)と(5)はアミジン化反応に関与しなかったニト
リル単位およびアミノ単位を示している。また、ここで
は、(1)と(2)のアミジン単位は遊離アミノ基とし
て示した。
【0012】
【化5】
【0013】すなわち、アミジンポリマーを製造するた
めには、まず、アクリロニトリルまたはメタクリロニト
リルと、重合後の化学変性によりビニルアミン単位を生
成し得るビニルモノマーからなる共重合体を合成し、つ
いで化学変性によりビニルアミン単位を生成せしめ、1
級アミノ基とニトリル基の閉環反応を行なうことが必要
である。
【0014】くり返し単位(1)及び/又は(2)のア
ミジン単位を10モル%以上含有する高分子を合成する
ためには該共重合体中に通常20〜80モル%、好まし
くは40〜60モル%のアクリロニトリルまたはメタク
リロニトリル単位が存在する必要がある。重合後の化学
変性によりビニルアミン単位を生成し得るビニルモノマ
ーとしては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセ
トアミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルスクシ
イミド、N−ビニルウレタン等のN−ビニルアミド類、
アクリルアミド、メタクリルアミドが挙げられる。
【0015】重合体からビニルアミン単位を生成させる
方法としては、ポリN−ビニルアミド類の場合、酸塩基
による加水分解、アルコーリシス、アンモノリシス等の
加溶媒反応が用いられる。また、ポリアクリルアミド、
ポリメタアクリルアミドの場合、塩基性で次亜ハロゲン
化合物を使用するホフマン反応が用いられる。アミジン
構造を効率良く生成させるためにはビニルアミン単位の
アミノ基の隣接位置にニトリル基が存在する必要がある
ので、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルと交互
性の高い共重合体を生成するモノマーを使用することが
好ましいので、この目的のためにはN−ビニルホルムア
ミドの共重合体を使用することが特に好ましい。
【0016】ニトリル基とアミノ基のアミジン化反応
は、その生成方法によらないが、酸性条件下、80〜1
50℃、好ましくは、90〜120℃の加熱条件で行な
われる。但し、一般的なアミジン化反応条件、例えば、
上述の共重合体を塩酸水溶液中で加熱する方法等ではア
ミジン単位が90モル%を越える比率のものを製造する
ことはかなり難しい。従って、このようなアミジン単位
を10〜90モル%含有するアミジンポリマーでは主要
の任意成分として、通常、以下の式(3)、(4)のく
り返し単位が残存する。
【0017】
【化6】
【0018】(式中R1 ,R2 は水素原子又はメチル基
を、X- は陰イオンを表す。) (3)と(4)はアミジン化反応に関与しなかったニト
リル単位とアミン単位であり、各々、通常0.5〜60
モル%、特に5〜45モル%程度存在する。この場合、
アミン単位(4)もカチオン性基として帯電防止効果に
ある程度寄与しているものと推定されるが、本発明にお
いては前述のようにアミジン単位が一定の比率範囲に含
まれていることの方が帯電防止効果においてより重要で
ある。また、ニトリル単位(3)も、帯電防止剤を用い
る対象、例えば、基体となるプラスチックフィルムとの
相溶性、密着性等の向上に寄与しているものと推定され
る。
【0019】なお、アミジンポリマーは、他の共重合モ
ノマー成分として非イオン性単量体を用いることもでき
る。かかる非イオン性単量体としては、(メタ)アクリ
ルアミド、N置換(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリルエステル類、ビニルエステル類、ビニルエ
ーテル類、酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。更に、本発明の
帯電防止剤と高分子材料との相溶性、耐熱性、塗布した
場合の基材との接着性を損ねない範囲であれば、他のカ
チオン性単量体、アニオン性単量体を共重合モノマー成
分として含有することも可能である。
【0020】以上のアミジンポリマーから成る本発明の
帯電防止剤の使用対象は特に限定されるものではない
が、主に高分子材料に応用される。高分子材料として
は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル等であり、好ましくはポリエステルであ
る。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレン
テレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジ
カルボキシレート等があげられる。これらの共重合体ま
たはこれらは小割合の他樹脂とのブレンド物等も含まれ
る。
【0021】また、以上の高分子材料は、必要に応じ
て、滑り改良剤、安定剤、染料、顔料等として無機粒
子、有機化合物等を含有させてもよい。本発明の帯電防
止剤を上記の合成樹脂で利用する場合、成形前の樹脂に
混練してもよいが、最も利用価値の高い方法は、アミジ
ンポリマーを含有する塗布液を上記の高分子材料から成
るフィルムあるいはシートに塗布する方法と考えられ
る。
【0022】塗布液としては、アミジンポリマーを、
水、あるいはアルコール類、セロソルブ類、N−メチル
ピロリドン等の有機溶剤に溶解または分散させたものを
使用する。また、塗布剤であるアミジンポリマーの分散
安定性、フィルムの塗布性等の改良を目的として分散
剤、乳化剤あるいは塗料用に一般に使用されるポリビニ
ルアルコール樹脂(酢酸ビニル系樹脂ケン化物)、ポリ
アクリレート樹脂またはポリエステル樹脂等を配合して
もよい。この含有量としては、アミジンポリマーに対し
て通常0.1〜10重量倍量の範囲で選択される。
【0023】更に、塗布液には、必要に応じて、塗布量
の固着性、耐水性、耐溶剤性、機械的強度等の改良のた
めに架橋剤として、メチロール化あるいはアルキロール
化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルア
ミド系、ポリアミド系などの化合物、エポキシ化合物、
アジリジン化合物、ブロックポリイソシアナート、シラ
ンカップリング剤、ジルコーアルミネートカップリング
剤、熱、過酸化物、光反応性のビニル化合物や感光性樹
脂等を含有していてもよい。また、固着性や滑り性の改
良のため、無機微粒子としてシリカ、シリカゾル、アル
ミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タ
ルク、炭酸カルシウム、参加チタン、バリウム塩、カー
ボンブラック、硫化モリブデン、参加アンチモンゾル等
を含有してもよく、その他消泡剤、有機系潤滑剤、有機
系高分子微粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、
染料等を含有してもよい。
【0024】上述した塗布液を基体フィルムに塗布する
方法としては、原崎勇次著、槇書店、1979年発行、
「コーティング方式」に示されるリバースロールコータ
ー、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコ
ーターあるいはダイコーティング等の方式が例示され
る。塗布液を塗布する基体フィルムとは具体的には、未
延伸のフィルム(あるいはシート)あるいは延伸された
フィルムを意味するものであり、塗布した後、未延伸フ
ィルムについては延伸し、延伸フィルムについては更に
延伸することが好ましい。かかる方法は、延伸後のフィ
ルムに塗布する方法(この後、更に延伸はしない。)と
比較して、製造効率が高く、また塗布層とフィルムの密
着性、塗布層の薄膜化という点において有利だからであ
る。
【0025】フィルムの延伸は、フィルム塗布液を塗布
し、直ちに、あるいは塗布液表面を適当な方法で乾燥し
てから行う。延伸の条件は、基材フィルムの材質により
適宜異なるものであるが、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートに代表されるポリエステルフィルムにおいて
は、延伸温度を、通常40〜170℃、好ましくは60
〜140℃に設定する。延伸は一軸でも二軸でもよい
が、好ましくはフィルム実用物性の点から二軸延伸であ
る。延伸倍率は、一軸延伸の場合であれば通常1.1〜
10倍、好ましくは1.5〜8倍の範囲で行い、二軸延
伸の場合であれば、縦方向および横方向ともそれぞれ通
常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行え
ばよい。また、縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜
2、好ましくは0.7〜1.3である。
【0026】得られた延伸フィルムは、更に熱固定し
て、耐熱性、機械的強度を改善することもできる。熱固
定は、通常、緊張下120〜融点、好ましくは170〜
250℃で、通常、数秒〜数時間、好ましくは数十秒〜
数分間行われる。更に、熱処理の最高温度ゾーンおよび
/または熱処理出口のクーリングゾーンにて縦方向およ
び横方向に0.2〜20%弛緩するのが好ましい。
【0027】特に、60〜130℃でロール延伸法によ
り2〜6倍に延伸された一軸延伸フィルムに塗布液を塗
布し、適当な乾燥を行い、あるいは乾燥を施されず一軸
延伸フィルムを直ちに先の延伸方向とは直角に80〜1
30℃で2〜6倍に延伸し、170〜250℃で1〜6
00秒間熱処理を行う方法が好ましい。
【0028】なお、塗布液は、基体フィルムの片面だけ
に塗布しても良いし、両面に塗布してもよい。片面にの
み塗布した場合、その反対面には本発明における塗布液
以外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明のフィルム
に他の特性を付与することもできる。なお、塗布剤の基
体フィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前
にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。ま
た、本発明にかかるフィルムの塗布層への接着性、塗布
性を改良するため、塗布層形成後に塗布層に放電処理を
施してもよい。
【0029】上述のようにして得られる帯電防止フィル
ムは、基材フィルム層の厚さが3〜500μの範囲であ
ることが好ましく、塗布層の厚さは通常0.01〜5μ
m、好ましくは.02〜1μmである。塗布層の厚みが
0.01μm未満では均一な塗布層が得られにくいため
製品に塗布むらが生じ易く5μmより厚い場合には、滑
り性が低下して、フィルムの取扱いが困難になり好まし
くない。
【0030】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れない。 重合体Aの製造 攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた50mlの4つ口
フラスコに、脱塩水を28g、連鎖移動剤としてイソプ
ロパノールを4.2g、2,2′−アゾビス−2−アミ
ノジプロパン・2塩酸塩を0.049g入れた。窒素ガ
ス気流中、撹拌しつつ60℃に昇温し、アクリロニトリ
ル3g、N−ビニルホルムアミド4gを混合したモノマ
ー溶液を滴下ロートを用いて3時間かけてフィードし
た。その後、2,2′−アゾビス−2−アミノジプロパ
ン・2塩酸塩を0.013g入れ70℃にて1時間熟成
を行った。ついで、重合体中のホルミル基に対して1.
5当量の濃塩酸を添加して撹拌しつつ、75℃で6時間
保持し、重合体をアミジン化した。得られた重合体の溶
液をアセトン中に添加し、析出せしめ、これを乾燥して
重合体Aを得た。以上の重合Aにつき、以下に示す方法
により組成、及び還元粘度を求めた。
【0031】〔組成の分析法〕重合体の組成は、13C−
NMRスペクトル(13C−核磁気共鳴スペクトル)の各
繰り返し単位に対応した吸収ピークの積分値より算出し
た。なお、アミジン単位(1)と(2)は区別すること
なく、その総量として求めた。
【0032】〔還元粘度の測定〕1規定食塩水中、0.
1g/dlの溶液として25℃でオストワルドの粘度計
により測定した。以上の方法で分析した結果、重合体A
の組成は、アミジン単位(1),(2)が40モル%、
ニトリル単位(3)が30モル%、アミン単位(4)が
29モル%及びホルミル単位(N−ビニルホルムアミド
単位)が1モル%であった。また、還元粘度は0.34
dl/gであった。
【0033】重合体Bの製造 攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた1リットルのジャ
ケット付きセパラブルフラスコに、イソプロパノールを
387g入れ、窒素ガス気流中、室温で2時間撹拌し
た。その後60℃に昇温し、予め窒素脱気しておいたN
−ビニルホルムアミド33.3gを滴下し、2,2′−
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)0.33gを溶解させたイソプロパノール溶液1
0mlのうち5mlをフラスコ内に添加した。30分
後、同様にして脱気後のN−ビニルホルムアミド33.
3gと開始剤溶液3mlを添加した。さらにその30分
後、同様にモノマー33.3gと開始剤溶液2mlを添
加し、60℃で1時間重合後、70℃で2時間熟成し
た。重合体はイソプロパノール中の沈澱物として得ら
れ、重合液を濾過後メタノールを用いて洗浄し、50℃
で真空乾燥して重合体を得た。該重合体を50mlのナ
ス型フラスコに入れ、重合体中のホルミル基に対して
0.4当量の濃塩酸を添加し、70℃で3時間保持し、
重合体を塩酸変性した。生成物をアセトン中で析出せし
め、これを真空乾燥し、重合体Bを得た。
【0034】重合体Aと同様に分析したところ、重合体
Bの組成はアミン単位(4)が50モル%、ホルミル単
位(N−ビニルホルムアミド単位)が50モル%であ
り、また還元粘度は0.6であった。次に、以上の重合
体を塗布したポリエステルフィルムを作成し、表面固有
抵抗を測定した。該測定法は以下の通りである。
【0035】(フィルムの表面固有抵抗の測定)横河ヒ
ューレート・パッカード社の内側電極50mm径、外側
電極70mm径の同心円型電極1600A(商品名)を
23℃、50%RHの雰囲気下で試料に設置し、100
Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である4329A
(商品名)で試料の表面固有抵抗を測定し、固有抵抗値
によって、下記のような判定をした。
【0036】
【表1】109 〜1011Ω/□:良好 1011〜1013Ω/□:やや良好 1013Ω/□以上 :不良
【0037】比較例1 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを28
0〜300℃の温度で溶融押し出しし、静電密着法を併
用しながら冷却ドラム上にキャストし、厚さ820μm
の無定形フィルムを得た。このフィルムを95℃で縦方
向に3.3倍延伸し、次に110℃で横方向に3.3倍
延伸し、更に210℃で熱固定して、厚さ75μmの二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。本フィルムの表面
固有抵抗は不良であった。
【0038】実施例1 重合体Aの5重量%水溶液を比較例1の縦延伸後、横延
伸前のフィルムの片面に塗布し、比較例1と同様に処理
して塗布層0.1μm、基体のポリエステル層75μm
のフィルムを得た。本フィルムの表面固有抵抗は良好で
あった。
【0039】比較例2 重合体Bの5重量%水溶液を、比較例1の縦延伸後、横
延伸前のフィルムの片面に塗布したところ、重合体Bと
フィルムとの馴染みが悪いため、塗布することができな
かった。
【0040】実施例2 重合体Aの5重量%水溶液を50部、ポリアクリレート
ノニオン系樹脂(日本アクリル化学(株)プライマルH
A−12)の5重量%水溶液50部を配合した塗布液
を、比較例1の縦延伸後、横延伸前のフィルムの片面に
塗布し、比較例1と同様に処理して塗布層0.1μm、
基体のポリエステル層75μmのフィルムを得た。本フ
ィルムの表面固有抵抗はやや良好であった。
【0041】実施例3 重合体Aの5重量%水溶液を30部、ケン化度88%、
重合度800のポリビニルアルコールの5重量%水溶液
70部を配合した塗布液を、比較例1の縦延伸後、横延
伸前のフィルムの片面に塗布し、比較例1と同様に処理
して塗布層0.1μm、基体のポリエステル層75μm
のフィルムを得た。本フィルムの表面固有抵抗はやや良
好であった。
【0042】
【発明の効果】本発明における帯電防止剤は、帯電防止
性に優れ、かつ高分子材料との相溶性、耐熱性、塗布し
た場合の基材との接着性にも優れており、特にフィルム
上へ塗布した場合に優れた帯電防止性能の付与が可能で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)及び/又は(2)で表され
    るくり返し単位を10〜100モル%含有するカチオン
    性ポリマーから成る帯電防止剤。 【化1】 (式中R1 ,R2 は水素原子又はメチル基を、X- は陰
    イオンを表す。)
  2. 【請求項2】 下記式(1)及び/又は(2)で表され
    るくり返し単位を10〜90モル%、下記式(3)で表
    されるくり返し単位を0.5〜60モル%及び下記式
    (4)で表されるくり返し単位を0.5〜60モル%含
    有するカチオン性ポリマーから成る帯電防止剤。 【化2】 (式中R1 ,R2 は水素原子又はメチル基を、X- は陰
    イオンを表す。)
  3. 【請求項3】 カチオン性ポリマーの還元粘度が0.0
    1〜3dl/gであることを特徴とする請求項1の帯電
    防止剤。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1)及び/又は(2)で表
    されるくり返し単位を10〜100モル%含有するカチ
    オン性ポリマーを含有する塗布液を、基体フィルムの少
    なくとも片面に塗布した後、延伸して成ることを特徴と
    する帯電防止フィルム。 【化3】 (式中R1 ,R2 は水素原子又はメチル基を、X- は陰
    イオンを表す。)
  5. 【請求項5】 請求項4において、延伸後、170〜2
    50℃で熱固定することを特徴とする帯電防止フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 塗布液がポリビニルアルコール樹脂また
    はポリアクリレート樹脂を含有することを特徴とする請
    求項1の帯電防止フィルム。
  7. 【請求項7】 基体フィルムがポリエステルであること
    を特徴とする請求項1の帯電防止フィルム。
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