JP3290648B2 - 放電ランプおよびその製造方法、ならびにランプユニット - Google Patents

放電ランプおよびその製造方法、ならびにランプユニット

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誠 甲斐
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守 竹田
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電ランプおよび
ランプユニットに関する。特に、液晶プロジェクタ用光
源やデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)プロジ
ェクタなどの画像投影装置用光源として使用される放電
ランプおよびランプユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大画面映像を実現するシステムと
して液晶プロジェクタやDMDプロジェクタなどの画像
投影装置が広く用いられており、このような画像投影装
置には、高い輝度を示す高圧放電ランプが一般的に広く
使用されている。画像投影装置では、液晶パネルなどの
極めて小さな領域に光を集光する必要があるため、高輝
度に加えて点光源に近いことも要求されている。このた
め、高圧放電ランプの中でも、より点光源に近く高輝度
の特長を有するショートアーク型の超高圧水銀ランプが
有望な光源として注目されている。
【0003】図21(a)から(c)を参照しながら、
従来におけるショートアーク型の超高圧水銀ランプ10
00の説明をする。
【0004】図21(a)は、ランプ1000の上面を
模式的に示しており、図21(b)は、ランプ1000
の側面を模式的に示している。図21(c)は、図21
(a)のc−c’線に沿った断面を示している。
【0005】ランプ1000は、石英ガラスから構成さ
れ略球状の発光管(バルブ)110と、同じく石英ガラ
スから構成され発光管110に連結された一対の封止部
(シール部)120および120’とを有している。発
光管110の内部には放電空間115があり、放電空間
115には、発光物質として水銀118(水銀封入量:
例えば、150〜250mg/cm3)と、希ガス(例
えば、数十kPaのアルゴン)と少量のハロゲンとが封
入されている。
【0006】放電空間115には、一対のタングステン
電極(W電極)112および112’が一定の間隔をお
いて対向して配置されており、電極112(または11
2’)の先端には、コイル114が巻かれている。W電
極112の電極軸116は、封止部120内のモリブデ
ン箔(Mo箔)124に溶接されており、両者が溶接さ
れた溶接部117によって、W電極112とMo箔12
4とは電気的に接続されている。
【0007】封止部120は、発光管110から延ばさ
れたガラス部122とMo箔124とを有しており、ガ
ラス部122とMo箔124とを圧着させることによっ
て、発光管110内の放電空間115の気密を保持して
いる。封止部120で発光管110内をシールできる原
理を以下に簡単に説明する。
【0008】ガラス部122を構成する石英ガラスと、
Mo箔124を構成するモリブデンとは互いに熱膨張係
数が異なるため、両者は一体化された状態にはならない
のであるが、Mo箔124が塑性変形することによっ
て、Mo箔124とガラス部122との間に生じる隙間
を埋めることができる。それによって、Mo箔124と
ガラス部122とを互いに圧着させた状態にすることが
でき、封止部120で発光管110内のシールを行うこ
とができる。すなわち、Mo箔124とガラス部122
との圧着による箔封止によって、封止部120のシール
は行われている。
【0009】封止部120および120’のそれぞれの
Mo箔124は、いずれも同じ寸法の矩形の平面形状で
あり、箔の厚み方向Zに対して垂直な方向x(幅方向
x)が同じ方向になるようにして封止部120および1
20’内部の中心に配置されている。すなわち、平坦な
Mo箔124のそれぞれが発光管110を中心に対称と
なるように、一対の封止部120および120’は、発
光管110の両端に連結されている。
【0010】Mo箔124は、溶接部117が位置する
側と反対の側に、モリブデンから構成された外部リード
(Mo棒)130を有している。Mo箔124と外部リ
ード130とは互いに溶接されており、溶接部132で
両者は電気的に接続されている。外部リード130は、
ランプ1000の周辺に配置される部材(不図示)に電
気的に接続されることになる。
【0011】次に、ランプ1000の動作原理を簡単に
説明する。外部リード130およびMo箔124を介し
てW電極112および112’に始動電圧が印加される
と、アルゴン(Ar)の放電が起こり、この放電によっ
て発光管110の放電空間115内の温度が上昇し、そ
れによって水銀118が加熱・気化される。その後、W
電極112および112’間のアーク中心部で水銀原子
が励起されて発光する。ランプ1000の水銀蒸気圧が
高いほど発光効率も増加するため、水銀蒸気圧が高いほ
ど画像投影装置の光源として適しているが、発光管11
0の物理的耐圧強度の観点から、15〜25MPaの範
囲の水銀蒸気圧でランプ1000は使用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のランプ1000
には、封止部120にリークが生じることによって、ラ
ンプの寿命が短くなるという問題が発生することを本願
発明者は鋭意研究した結果見出した。すなわち、ランプ
1000の封止部120は、Mo箔124とガラス部1
22との圧着によって封止されているため、図22
(a)および(b)に示すように、Mo箔124上に
は、箔表面に対して垂直方向(図中、Z方向)に内部応
力40が生じている。このため、ランプ1000の使用
に伴ってガラス部122が劣化していき、ガラス部12
2の強度が低下していくと、ある時点で、Mo箔124
の内部応力40によってガラス部122が裂けることに
なる。ガラス部122が裂けると、封止部120内に空
気が入り込んでMo箔124が酸化されるため、Mo箔
124の導電性が失われて、ランプ1000は動作しな
くなる。
【0013】また、封止部120内の溶接部132で
は、Mo箔124と外部リード130とがほぼ点接触状
態であるため、両者の接触面積が小さい。このため、外
部リード130からMo箔124に流れる電流によっ
て、局所的な温度上昇が生じることが多い。Mo箔12
4を構成するモリブデンは、350℃以上になると酸化
するという性質があるため、この局所的な温度上昇はM
o箔124を用いる上で大きな問題となる。Mo箔12
4の寸法を大きくし熱容量を大きくすることによって、
溶接部132の局所的な温度上昇を抑制する手法も考え
られるが、画像投影装置の小型化に伴うランプ寸法の小
型化が要求されている中で、この手法を採用することは
難しい。さらに、より高輝度化を図るべく、W電極11
2と112’との電極間距離Lが短くされ(短アーク
化)、大量の電流が流される傾向が強くなっているた
め、溶接部132の局所的な温度上昇の問題は顕在化し
ていく可能性がある。また、Mo箔124の酸化まで至
らなくとも、溶接部132の局所的な温度上昇によっ
て、溶接部132周囲のガラスにクラックの起点が発生
することがあるため、封止部120のリークの原因の観
点からも溶接部132の温度上昇は問題となる。
【0014】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、封止部のシール構造を長期間
保持することでき、ランプ寿命を長くすることができる
放電ランプを提供することにある。また、本発明の他の
目的は、封止部における局所的な温度上昇を防止し、ラ
ンプ寿命を長くすることができる放電ランプを提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による放電ランプ
は、発光物質が封入される管内に一対の電極が対向して
配置された発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気
的に接続された金属箔のそれぞれを封止する一対の封止
部とを備え、前記金属箔のそれぞれは、前記一対の電極
のそれぞれと電気的に接続された側の反対側に外部リー
ドを有しており、前記金属箔の少なくとも一方は、当該
金属箔の長手方向に沿って、前記発光管側から見たとき
に当該金属箔の上面および下面が当該金属箔の端面の上
下から現れるように波打った波打ち構造を有しており、
前記波打ち構造を有する金属箔は、当該金属箔のうちの
前記電極の末端と前記外部リードの末端との間の領域
に、少なくとも1つの波打ち部を有している。ある実施
形態における前記波打ち構造は、振幅1〜2mm、曲率
半径1〜4mmである。ある実施形態において、前記金
属箔の長手方向における前記金属箔の半分の位置から前
記発光管寄りの領域(当該半分の位置も含む)に、前記
波打ち部の波頭が少なくとも1つ設けられている。ある
実施形態において、前記電極の末端と前記外部リードの
末端との間の領域に、前記波打ち部の波頭が複数設けら
れている。ある実施形態において、発光物質が封入され
る管内に一対の電極が対向して配置された発光管と、前
記一対の電極のそれぞれに電気的に接続された金属箔の
それぞれを封止する一対の封止部とを備え、前記金属箔
のいずれかは、当該金属箔の前記発光管側の部分に対し
てねじれた部分を有する構造と、当該金属箔の長手方向
に沿って前記発光管側から見たときに当該金属箔の上面
および下面が当該金属箔の端面の上下から現れるように
波打った波打ち構造とを有する。ある実施形態におい
て、前記ねじれた部分の角度は、30度以上である。本
発明による他の放電ランプは、150〜200mg/c
3 の水銀が封入された放電ランプであって、発光物質
が封入される管内に一対の電極が対向して配置された発
光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続され
た金属箔のそれぞれを封止する一対のシュリンクシール
構造の封止部とを備え、前記金属箔の うちの一方の前記
発光管側の端面における金属箔の厚さ方向に対して垂直
な第1方向は、他方の前記発光管側の端面における金属
箔の厚さ方向に対して垂直な第2方向と異なる方向であ
る。ある実施形態において、前記第1方向と前記第2方
向とは、25度以上90度以下ずれている。ある実施形
態において、前記金属箔の少なくとも一方は、当該金属
箔の前記発光管側の部分に対してねじれ構造を有してい
る。ある実施形態において、前記金属箔の少なくとも一
方は、当該金属箔の長手方向に沿って波打ち構造を有し
ている。ある実施形態において、前記波打ち構造は、角
張った形状である。ある実施形態において、前記金属箔
のそれぞれは、前記発光管から延ばされたガラス部によ
って圧着されており、前記金属箔のそれぞれはモリブデ
ン箔である。ある実施形態において、前記一対の封止部
のそれぞれは、シュリンクシール構造を有している。あ
る実施形態において、前記発光物質は、少なくとも水銀
を有している。本発明によるランプユニットは、上記放
電ランプと、前記放電ランプから発する光を反射する反
射鏡とを備えている。本発明による放電ランプの製造方
法は、発光管部と、前記発光管部から延びた側管部とを
有する放電ランプ用パイプと;金属箔と、前記金属箔に
接続された電極と、前記電極が接続された側とは反対側
の前記金属箔に接続された外部リードとを有する電極組
立体と;を用意する工程(a)と、前記発光管部内に前
記電極の先端が位置するように、前記側管部に前記電極
組立体を挿入する工程(b)と、前記工程(b)の後、
前記放電ランプ用パイプ内を減圧状態にし、前記側管部
を加熱軟化させることによって、前記側管部と前記金属
箔とを密着させる工程(c)と、前記工程(b)の後
に、前記金属箔に対し外力を加えることによって、前記
金属箔にねじり構造または波打ち構造を形成する工程
(d)とを包含する、放電ランプの製造方法であって、
前記工程(a)において、前記金属箔がモリブデン箔で
あり、前記外部リードの一部に前記側管部内に前記電極
組立体を固定す るためのモリブデンテープが設けられた
前記電極組立体を用意し、前記工程(b)において、前
記モリブデンテープを前記側管部の内面に係合すること
によって、前記電極の先端を前記発光管部内に位置付
け、前記工程(c)において、前記放電ランプ用パイプ
を回転させながら、前記側管部と前記金属箔とを密着さ
せ、前記工程(d)において、前記金属箔における前記
電極側と前記外部リード側とで前記放電ランプ用パイプ
の回転に差を付けること、または、前記金属箔における
前記電極側の部位と外部リード側の部位とが相対的に近
づくように前記側管部を収縮させることによって、前記
金属箔にねじり構造または波打ち構造を形成する。ある
実施形態では、前記工程(c)によって前記側管部と前
記金属箔とを密着させた後、当該密着した側管部のうち
の一部分を加熱軟化させた状態で、前記工程(d)を実
行する。ある実施形態では、前記工程(c)によって前
記側管部の一部と前記金属箔の一部とが密着した状態
で、前記工程(d)を実行し、その後再び、前記工程
(c)を実行する。ある実施形態において、前記波打ち
構造は、前記発光管側から見たときに当該金属箔の上面
および下面が当該金属箔の端面の上下から現れるように
波打った構造である。ある実施形態における放電ランプ
は、発光物質が封入される管内に一対の電極が対向して
配置された発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気
的に接続された一対の金属箔のそれぞれを封止する一対
の封止部とを備え、前記一対の金属箔の少なくとも一方
は、ねじれ構造を有している。この構成によって上記課
題を解決する。
【0016】前記ねじれ構造を有する金属箔は、90度
ねじれた部分を有することが好ましい。
【0017】ある実施形態における放電ランプは、発光
物質が封入される管内に一対の電極が対向して配置され
た発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続
された一対の金属箔のそれぞれを封止する一対の封止部
とを備え、前記一対の金属箔のそれぞれは、前記一対の
電極のそれぞれと電気的に接続された側の反対側に外部
リードを有しており、前記一対の金属箔の少なくとも一
方は、当該金属箔の長手方向に沿って波打った波打ち構
造を有しており、前記波打ち構造を有する金属箔は、当
該金属箔のうちの前記電極の末端と前記外部リードの末
端との間の領域に、少なくとも1つの波打ち部を有して
いる。
【0018】前記金属箔の長手方向における前記金属箔
の半分の位置から前記発光管寄りの領域(当該半分の位
置も含む)に、前記波打ち部の波頭が少なくとも1つ設
けられていることが好ましい。
【0019】前記電極の末端と前記外部リードの末端と
の間の領域に、前記波打ち部の波頭が複数設けられてい
てもよい。
【0020】ある実施形態における放電ランプは、発光
物質が封入される管内に一対の電極が対向して配置され
た発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続
された一対の金属箔のそれぞれを封止する一対の封止部
とを備え、前記一対の金属箔のうちの一方の金属箔の厚
さ方向に対して垂直な第1方向は、他方の金属箔の厚さ
方向に対して垂直な第2方向と異なる方向である。
【0021】ある実施形態では、前記第1方向と前記第
2方向とは、1度以上90度以下ずれている。
【0022】ある実施形態では、前記一対の金属箔の少
なくとも一方は、ねじれ構造を有している。
【0023】ある実施形態では、前記一対の金属箔の少
なくとも一方は、波打ち構造を有している。
【0024】ある実施形態において、前記波打ち構造を
有する金属箔は、前記封止部内の前記金属箔の内部応力
の方向を分散させる屈曲部を少なくとも1つ有する。
【0025】ある実施形態における放電ランプは、発光
物質が封入される管内に一対の電極が対向して配置され
た発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続
された一対の金属箔のそれぞれを封止する一対の封止部
とを備え、前記一対の金属箔のそれぞれは、前記一対の
電極のそれぞれと電気的に接続された側の反対側に外部
リードを有しており、前記一対の金属箔の少なくとも一
方は、前記発光管側から前記外部リード側へ前記金属箔
を投影した面積が前記金属箔の端面の面積よりも大きい
金属箔である。
【0026】ある実施形態では、前記一対の金属箔のそ
れぞれは、前記発光管から延ばされたガラス部と圧着し
ており、前記一対の金属箔のそれぞれはモリブデン箔で
ある。
【0027】ある実施形態における放電ランプは、発光
物質が封入される管内に一対の電極が対向して配置され
た発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続
された一対のモリブデン箔のそれぞれを封止する一対の
封止部とを備え、前記一対のモリブデン箔のそれぞれ
は、前記一対の電極のそれぞれと電気的に接続された側
の反対側に、モリブデンから構成された外部リードを有
しており、前記一対のモリブデン箔の少なくとも一方
は、前記外部リードと一体形成されている。
【0028】ある実施形態における放電ランプは、発光
物質が封入される管内に一対の電極が対向して配置され
た発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続
された一対のモリブデン箔のそれぞれを封止する一対の
封止部とを備え、前記一対のモリブデン箔のそれぞれ
は、前記一対の電極のそれぞれと電気的に接続された側
の反対側に、モリブデンから構成された外部リードを有
しており、前記一対のモリブデン箔の少なくとも一方
は、モリブデン箔と接続される部分が平板形状である外
部リードと平板溶接されている。
【0029】ある実施形態における放電ランプは、発光
物質が封入される管内に一対の電極が対向して配置され
た発光管と、前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続
された一対のモリブデン箔のそれぞれを封止する一対の
封止部とを備え、前記一対のモリブデン箔の少なくとも
一方は、前記発光管の方へ前記モリブデン箔から延ばさ
れたモリブデン棒を有しており、前記モリブデン棒は、
前記一対の電極のいずれかと溶接によって接続されてい
る。
【0030】前記一対の封止部のそれぞれは、シュリン
クシール構造を有していることが好ましい。
【0031】ある実施形態では、前記発光物質は、少な
くとも水銀を有している。
【0032】本発明によるランプユニットは、上記放電
ランプと、当該放電ランプから発する光を反射する反射
鏡とを備えている。
【0033】ある実施形態における放電ランプの製造方
法は、発光管部と、前記発光管部から延びた側管部とを
有する放電ランプ用パイプと;金属箔と、前記金属箔に
接続された電極と、前記電極が接続された側とは反対側
の前記金属箔に接続された外部リードとを有する電極組
立体と;を用意する工程(a)と、前記発光管部内に前
記電極の先端が位置するように、前記側管部に前記電極
組立体を挿入する工程(b)と、前記工程(b)の後、
前記放電ランプ用パイプ内を減圧状態にし、前記側管部
を加熱軟化させることによって、前記側管部と前記金属
箔とを密着させる工程(c)と、前記工程(b)の後
に、前記金属箔に対し外力を加えることによって、前記
金属箔にねじり構造または波打ち構造を形成する工程
(d)とを包含する。
【0034】ある実施形態では、前記工程(c)によっ
て前記側管部と前記金属箔とを密着させた後、当該密着
した側管部のうちの一部分を加熱軟化させた状態で、前
記工程(d)を実行する。
【0035】ある実施形態では、前記工程(c)によっ
て前記側管部の一部と前記金属箔の一部とが密着した状
態で、前記工程(d)を実行し、その後再び、前記工程
(c)を実行する。
【0036】前記工程(a)において、前記金属箔がモ
リブデン箔であり、前記外部リードの一部に前記側管部
内に前記電極組立体を固定するためのモリブデンテープ
が設けられた前記電極組立体を用意し、前記工程(b)
において、前記モリブデンテープを前記側管部の内面に
係合することによって、前記電極の先端を前記発光管部
内に位置付け、前記工程(c)において、前記放電ラン
プ用パイプを回転させながら、前記側管部と前記金属箔
とを密着させ、前記工程(d)において、前記金属箔に
おける前記電極側と前記外部リード側とで前記放電ラン
プ用パイプの回転に差を付けること、または、前記金属
箔における前記電極側の部位と外部リード側の部位とが
相対的に近づくように前記側管部を収縮させることによ
って、前記金属箔にねじり構造または波打ち構造を形成
することが好ましい。
【0037】以下、本発明の作用を説明する。
【0038】本発明の放電ランプは、一対の金属箔の少
なくとも一方がねじれ構造を有しているので、封止部内
の金属箔の表面に対して垂直に生じている内部応力(金
属箔の内部応力)の方向を一定方向に揃わないようにす
ることができ、金属箔の内部応力の方向を分散させるこ
とができる。金属箔の内部応力の方向を分散させると、
金属箔が封止部を裂く合成応力(シール構造を壊す合成
応力)を軽減させることができるため、従来技術と比較
して封止部のシール構造を長期間保持することが可能と
なり、その結果、放電ランプの寿命を長くすることがで
きる。金属箔のねじれを90度にすれば、金属箔が封止
部を裂く合成応力を最小にすることができる。
【0039】一対の金属箔の少なくとも一方が波打ち構
造を有する場合でも、封止部の内部応力を分散させるこ
とができる。その結果、従来技術よりも放電ランプの寿
命を長くすることができる。封止部内の金属箔の内部応
力の方向を分散させる屈曲部が少なくとも1つ金属箔に
形成されていれば、金属箔が封止部を裂く合成応力を軽
減させることができる。この構造の場合、金属箔のうち
の電極の末端と外部リードの末端との間の領域に波打ち
部を設けるようにすれば、電極と金属箔との接続強度、
および外部リードと金属箔との接続強度を低下させず
に、封止部の内部応力を分散させることができる。ま
た、金属箔の半分の位置から前記発光管寄りの領域に前
記波打ち部の波頭を設けることによって、より効果的
に、封止部のシール構造を長期間保持することが可能と
なる。加えて、波打ち部の波頭は複数設けてもよい。
【0040】一対の金属箔のうちの一方の金属箔の厚さ
方向に対して垂直な第1方向と、他方の前記金属箔の厚
さ方向に対して垂直な第2方向とが異なるようにすれ
ば、第1方向の内部応力と第2方向の内部応力との和
を、従来技術よりも低くすることができる。このため、
従来技術と比較して、金属箔が封止部の裂く合成応力を
弱くすることができ、その結果、放電ランプの寿命を長
くすることができる。第1方向と第2方向とは1度以上
90度以下ずれているようにすればよい。第1方向と第
2方向とが90度ずれているとき、第1方向の内部応力
と第2方向の内部応力との和を最小にすることができ
る。加えて、封止部の内部応力を分散させるために、一
対の金属箔の少なくとも一方は、ねじれ構造または波打
ち構造を有するものにしてもよい。
【0041】また、発光管側から外部リード側へ金属箔
を投影した面積が金属箔の端面の面積よりも大きいよう
に金属箔が形成されていれば、当該金属箔の表面によっ
て、発光管から外部リードの方へ移動する光ファイバ的
な効果によるエネルギーを受け止めることができる。こ
のため、金属箔と外部リードとの接続箇所に到達する光
ファイバ的な効果によるエネルギーを従来技術と比較し
て軽減させることができ、その結果、金属箔と外部リー
ドとの接続箇所の温度上昇を軽減させることができる。
【0042】前記一対の金属箔のそれぞれは、前記発光
管から延ばされたガラス部によって圧着されるように構
成すればよく、前記一対の金属箔のそれぞれとしてモリ
ブデン箔を用いればよい。なお、封止部を裂け難くする
ために、側面が尖った形状の金属箔を使用するのも好適
である。
【0043】外部リードがモリブデン箔と一体形成され
た構成にすれば、従来技術における外部リードとモリブ
デン箔との溶接部に発生していた電流による発熱を抑制
することができる。これにより、従来技術と比較して、
溶接部の局所的な温度上昇によって溶接部周囲の封止部
(ガラス部)にクラックの起点が生じることを抑えるこ
とができ、その結果、放電ランプの寿命を長くすること
ができる。
【0044】また、外部リードがモリブデン箔と一体形
成することによって、モリブデン箔および外部リードの
接続部と封止部(ガラス部)との間に隙間が出来にくい
構造にすることができ、その結果、封止部の強度を向上
させることもできる。モリブデン箔と接続される部分を
平板形状にした外部リードの場合でも、従来技術と比較
して、溶接部に発生していた電流による発熱を抑制する
ことができるとともに、接続部と封止部(ガラス部)と
の間に隙間が出来にくい構造にすることができる。
【0045】さらに、発光管の方へモリブデン箔から延
ばされたモリブデン棒と一対の電極のいずれかと溶接に
よって接続した構成にすると、従来技術よりも、モリブ
デン箔と電極との接続部をなめらかな形状にすることが
でき、それによって、当該接続部の周囲に位置する封止
部(ガラス部)にクラックが残りにくくすることができ
る。その結果、放電ランプの強度を向上させることがで
きる。
【0046】一対の封止部のそれぞれは、耐圧性の向上
の観点から、シュリンクシール構造にすることが好まし
い。本発明による放電ランプの一例として、発光物質と
して少なくとも水銀を有する水銀ランプ(超高圧水銀ラ
ンプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプを含む)が挙げ
られる。本発明による放電ランプと、放電ランプから発
する光を反射する反射鏡とを組み合わせた構成のランプ
ユニットにすることもできる。また、本発明による放電
ランプの製造方法によれば、ねじり構造または波打ち構
造を有する金属箔を備えた放電ランプを比較的容易に製
造することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。以下の図面においては、説明を
簡明にするために、実質的に同一の機能を有する構成要
素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は、以下の実
施形態に限定されない。 (実施形態1)図1から図4を参照しながら、本発明に
よる実施形態1にかかる放電ランプ100を説明する。
【0048】まず、図1を参照する。図1(a)は、本
実施形態にかかる放電ランプ100の上面を模式的に示
しており、図1(b)は、放電ランプ100の側面を模
式的に示している。図1(c)は、図1(a)のc−
c’線に沿った断面を示している。図1(d)は、金属
箔24の端面形状を拡大して模式的に示している。な
お、図中の矢印X、YおよびZは座標軸を示している。
【0049】実施形態1の放電ランプ100は、発光管
(バルブ)10と、発光管10に連結された一対の封止
部20および20’とを有している。
【0050】発光管10の管内には、発光物質18が封
入される放電空間15があり、放電空間15には、一対
の電極12および12’が対向して配置されている。発
光管10は、石英ガラスから構成されており、略球形を
している。発光管10の外径は例えば5mm〜20mm
程度であり、発光管10のガラス厚は例えば1mm〜5
mm程度である。発光管10内の放電空間15の容積
は、例えば0.01〜1cc程度である。本実施形態で
は、外径13mm程度、ガラス厚3mm程度、放電空間
15の容量0.3cc程度の発光管10が用いられ、発
光物質18として水銀を使用し、例えば150〜200
mg/cm3程度の水銀と、5〜20kPaの希ガス
(例えば、アルゴン)と、少量のハロゲンとが放電空間
15に封入されている。なお、図1(a)および(b)
では、発光管10の内壁に付着している状態の水銀18
を模式的に示している。
【0051】放電空間15内の一対の電極12および1
2’は、例えば1〜5mm程度の間隔(アーク長)で配
置されている。電極12および12’としては、例え
ば、タングステン電極(W電極)が使用される。本実施
形態では、1.5mm程度の間隔でW電極12および1
2’が配置されている。電極12および12’の先端に
は、それぞれコイル14が巻かれている。コイル14
は、電極先端温度を低下させる機能を有している。電極
12の電極軸(W棒)16は、封止部20内の金属箔2
4に電気的に接続されている。同様に、電極12’の電
極軸16は、封止部20’内の金属箔24’に電気的に
接続されている。
【0052】封止部20は、電極12に電気的に接続さ
れた金属箔24と、発光管10から延ばされたガラス部
22とを有しており、金属箔24とガラス部22との箔
封止によって発光管10の放電空間15の気密を保持し
ている。金属箔24は、例えばモリブデン箔(Mo箔)
であり、例えば矩形の形状を有している。ガラス部22
は、例えば石英ガラスから構成されている。
【0053】図1(d)に示すように、金属箔24の厚
さdは例えば20μm〜30μm程度、金属箔24の幅
wは例えば1.5mm〜2.5mm程度であり、厚さd
と幅wとの比は、だいたい1:100程度になってい
る。本実施形態では、同図に示すように、金属箔24の
側面を尖らすようにしている。このようにしている理由
は、金属箔24の側面に対して垂直に生じている内部応
力を、箔の厚さ方向Zと垂直な方向xになるべく向かせ
ないようにして、封止部20がなるべく裂けないように
するためである。なお、これらの封止部20の構成は、
封止部20’についても同様であるので説明を省略す
る。
【0054】一対の封止部のうちの少なくとも一方(図
中、封止部20)の金属箔24は、ねじれ構造を有して
おり、金属箔24は、他の部分(例えば、金属箔24の
発光管10側の部分)に対してねじれた部分(ねじれ
部)26を有している。金属箔24のねじれ構造を図2
に拡大して示す。
【0055】図2に示すように、金属箔24をねじれ構
造にすると、金属箔24の上面24aおよび下面24b
に対して垂直に生じている内部応力40の方向が、箔の
厚さ方向Zに揃わないようにすることができる。このよ
うに、箔の厚さ方向Z以外の方向に封止部24の内部応
力40の方向を分散させることができるので、従来技術
よりも、金属箔24が封止部20(ガラス部22)を裂
く合成応力(箔の厚さ方向Zの内部応力40の合成応
力)を軽減させることができる。その結果、封止部20
のシール構造を長期間保持することが可能となり、放電
ランプ100の寿命を長くすることができる。
【0056】本実施形態では、金属箔24の発光管10
側の部分に対して、ねじれ部26の角度(ねじれ角)を
180度程度にしているが、ねじれ角は180度程度に
限定されない。ねじれ構造でない平坦な金属箔24が封
止部20を裂く合成応力(箔の厚さ方向の内部応力40
の合成応力)をより大きく減少させるためには、ねじれ
角は30度以上であることが好ましく、封止部20を裂
く合成応力を15%程度減少させるためには、ねじれ角
を例えば45度程度にすればよい。
【0057】ねじれ角が90度の場合に、封止部20を
裂く合成応力が最小になるので、ねじれ部26のうち少
なくとも一箇所は、ねじれ角が90度であることがさら
に好ましい。ねじれ部26のねじれ角を90度以上にし
て本実施形態のように180度程度にしてもよい。ねじ
れ角を180度程度にした場合には、発光管10側から
みたとき、図1(c)中の点線で示すように、金属箔2
4の上面24aと下面24bとがそれぞれ半円のような
軌跡を描くことになる。ねじれ部26は、金属箔24の
少なくとも1箇所以上形成され、封止部20を裂く合成
応力をより低減させるために、複数箇所形成されている
ことが好ましい。また、ねじれ角を360度以上にし
て、金属箔24の全体がねじれ構造(らせん構造)を有
するようにすることも好適である。
【0058】なお、本実施形態では、一対の封止部のう
ちの一方の封止部20がねじれ構造を有するようにした
が、他方の封止部20’もねじれ構造を有するように構
成することができる。一対の封止部のいずれもがねじれ
構造を有するようにすれば、封止部20および20’の
両方ともシール構造を長期間保持することが可能となり
より好ましい。
【0059】封止部20および20’のそれぞれの外径
は、例えば4mm〜8mm程度であり、長手方向(図中
Y方向)の長さは、例えば15mm〜30mm程度であ
る。封止部20および20’は、封止耐圧を高くするた
めにシュリンクシール構造にされていることが好ましい
が、内部圧力が4〜5MPa程度の封止耐圧が要求され
ている場合にはピンチシール構造にされていてもよい。
【0060】封止部20(または20’)内の金属箔2
4は、電極12と溶接によって接合されており、金属箔
24は、電極12が接合された側の反対側に外部リード
30を有している。外部リード30は、例えばモリブデ
ンから構成されている。
【0061】次に、図3および図4を参照しながら、放
電ランプ100の製造方法を例示する。図3(a)から
(c)は、放電ランプ100の製造方法の各工程を示す
工程断面図である。
【0062】まず、図3(a)に示すように、発光管1
0となる部分(発光管部)と封止部のガラス部22とな
る部分(ガラス管または側管部22)とを有する放電ラ
ンプ用ガラスパイプ内に、電極12と外部リード30と
を有する金属箔(Mo箔)24を挿入する(電極挿入工
程)。
【0063】次に、図3(b)に示すように、ガラスパ
イプ内を減圧状態(例えば、1気圧以下)にした上で、
ガラス管(側管部)22を加熱し軟化させることによっ
て、ガラス管22と金属箔24との両者を密着させ、そ
れによって封止部20を形成する(封止部形成工程)。
【0064】次に、図3(c)に示すように、ガラス管
(ガラス部)22がまだ軟化している状態において、封
止部20をねじると、金属箔24は軟らかいので、ガラ
ス管(ガラス部)22と共に金属箔24もねじれて、ね
じれ部26が形成される(ねじれ部形成工程)。このよ
うにして、ねじれ構造を有する金属箔24を備えた放電
ランプ100を製造することができる。
【0065】電極挿入工程からねじれ部形成工程まで
は、例えば、図4に示すようにして実行することができ
る。
【0066】まず、ガラスパイプを鉛直方向(図中Y方
向)に配置した後、矢印41および42の方向に回転可
能にするためにチャック(不図示)を用いてガラスパイ
プの上部および下部を支持する。次に、ガラスパイプ内
に、電極12と外部リード30とを有する金属箔24を
挿入した後、ガラスパイプ内を減圧可能な状態にする。
次に、ガラスパイプ内を減圧状態(例えば、20kP
a)にすると共にガラスパイプを矢印41および42の
方向に回転させた後、例えばバーナー50によってガラ
ス管22の一部を加熱し軟化させる。
【0067】ガラス管22内外の圧力差によって、ガラ
ス管22と金属箔24との両者が密着した後に、ガラス
パイプの上部と下部との回転速度が異なるようにする。
このようにすれば、バーナー50によって加熱され軟化
しているガラス管22の一部がねじれることとなり、こ
の箇所にねじれ部26が形成されることになる。ガラス
パイプの上部と下部との回転速度を異なるようにするに
は、例えば、ガラスパイプ上部の矢印41の回転はその
ままにして、ガラスパイプ下部の矢印42の回転を止め
るようにすればよい。
【0068】図4に示した手法は、具体的には、図5
(a)〜(d)に示すようして行うことができる。図5
(a)〜(d)は、本実施形態にかかる放電ランプ10
0の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0069】まず、図5(a)に示すように、発光管部
10と側管部22とを有する放電ランプ用パイプと、金
属箔(Mo箔)24に電極12および外部リード30が
取り付けられた電極組立体とを用意する。電極組立体の
外部リード30の一端には、側管部22の内面に電極組
立体を固定するための支持部材31が設けられいる。こ
の支持部材31としては、例えば、モリブデンからなる
モリブデンテープ(Moテープ)を用いることができ
る。電極組立体の金属箔24としては、実質的にまっす
ぐな状態なものを用いる。つまり、本実施形態では、最
初から捻れている金属箔24は用いていない。
【0070】ここで用意する放電ランプ用ガラスパイプ
は、不純物が低レベルの石英ガラスから構成されたもの
を使用することが、発光管における黒化・失透を効果的
に防止する観点から好ましい。本実施形態では、アルカ
リ不純物(Na、K、Li)のそれぞれが例えば数pp
m以下、好ましくは1ppm以下という極低レベルの高
純度石英ガラスを使用している。ただし、そのようなも
のに限定されず、アルカリ不純物レベルがそれほど低く
ない石英ガラスから構成された放電ランプ用ガラスパイ
プを用意して、それを使用してもよいことは言うまでも
ない。
【0071】次に、図5(b)に示すように、用意した
ガラスパイプをチャック(不図示)にて鉛直方向に配置
し、次いで、金属箔24がまっすぐな状態で、発光管部
10内の所定の位置に電極12の先端がくるように、側
管部22内に電極組立体を挿入する。電極12の先端が
所定位置に配置されたならば、Moテープ31で電極組
立体を側管部22に固定する。その後、ガラスパイプ内
の全体を1気圧以下の不活性ガス(例えば、約50To
rrのArガス)に置換する。
【0072】次に、図5(c)に示すように、ガラスパ
イプを回転させながら、側管部22を加熱溶融すること
によって、電極組立体の金属箔24の全体を側管部22
に密着封止して、封止部20を形成する。その後、図5
(d)に示すように、まず、封止部20(ガラス部2
2)のうち、金属箔24をねじりたい部位を加熱溶融す
る。次いで、ガラスパイプの一端と他端との回転に差を
つければ、金属箔24にねじれ部26が形成される。こ
のようにして、ねじれ構造を有する金属箔24を比較的
容易に作製することができる。その後は、公知の技術を
用いて、本実施形態の放電ランプ100を得ることが可
能である。
【0073】ねじれ構造を有する金属箔24は、図6
(a)〜(d)に示すようにしても作製することができ
る。
【0074】まず、図5(a)および(b)に示したの
と同様に、図6(a)および(b)に示すように、用意
したガラスパイプの側管部22に電極構造体を挿入した
後、ガラスパイプ内を1気圧以下の不活性ガスに置換す
る。
【0075】次に、図6(c)に示すように、発光管部
10と側管部22との境界部分あたりから、側管部22
の端部(上部)へ向かって加熱溶融し、側管部22をシ
ュリンクさせることによって、電極組立体の金属箔24
の一部と、側管部(ガラス部)22の一部とを密着封止
する。次いで、図6(d)に示すように、金属箔24を
ねじりたい部位に加熱がさしかかったら、ガラスパイプ
の一端と他端との回転に差をつけて、金属箔24にねじ
れ部26を形成する。その後、回転の差をなくせば、金
属箔24はねじれずにまっすぐな状態のまま、再び、側
管部22と密着封止されていく。このようにしても、ね
じれ構造を有する金属箔24を作製することができる。
【0076】なお、図6(a)〜(d)に示した例で
は、発光管部10と側管部22との境界部分から側管部
22の端部へ向けて加熱溶融を始めたが、これとは逆
に、側管部22の端部から、発光管部10と側管部22
との境界部分へ向けて加熱溶融を始めてもよい。この場
合も、金属箔24をねじりたい部位に加熱がさしかかっ
たら、ガラスパイプの一端と他端との回転に差をつけ
て、金属箔24にねじれ部26を形成すればよい。
【0077】本実施形態の放電ランプ100によれば、
封止部20内の金属箔24がねじれ構造を有しているの
で、封止部20の内部応力40を分散させることができ
る。このため、従来技術と比較して、封止部20のシー
ル構造を長期間保持することが可能となり、ランプ寿命
をより長くすることができる。 (実施形態2)図7から図9を参照しながら、本発明に
よる実施形態2にかかる放電ランプ200を説明する。
本実施形態の放電ランプ200は、金属箔24が波打ち
構造を有している点において、金属箔24がねじれ構造
を有していた上記実施形態1の放電ランプ100と異な
る。なお、本実施形態および後述する実施形態の説明を
簡明にするため、以下では、実施形態1と異なる点を主
に説明し、実施形態1と同様の点の説明は省略または簡
略化する。
【0078】図7(a)は、本実施形態の放電ランプ2
00の上面を模式的に示しており、図7(b)は、放電
ランプ200の側面を模式的に示している。図7(c)
は、図7(a)のc−c’線に沿った断面を示してい
る。
【0079】本実施形態の放電ランプ200は、発光管
(バルブ)10と、発光管10に連結された一対の封止
部20および20’とを有しており、一対の封止部20
および20’のうちの少なくとも一方(図中、封止部2
0)の金属箔24は、波打ち構造を有している。波打ち
構造を有する金属箔24は、金属箔24に加わる内部応
力40を分散させる波打ち部(屈曲部)28を少なくと
も1つ有している。波打ち部(屈曲部)28が金属箔2
4に形成されると、発光管10側からみたとき、図7
(c)中の点線で示すように、波打ち部28が形成され
た部分の金属箔24の上面24aおよび下面24bが金
属箔24の端面の上下から現れることになる。金属箔2
4の波打ち構造を図8に拡大して示す。
【0080】図8に示すように、金属箔24が長手方向
(Y方向)に沿って波打った波打ち構造となると、金属
箔24の上面24aおよび下面24bに対して垂直に生
じている内部応力40の方向が、箔の厚さ方向Zに揃わ
ないようにすることができる。このように、金属箔24
の内部応力40の方向を分散させることができるので、
従来技術よりも、金属箔24が封止部20(ガラス部2
2)を裂く合成応力(箔の厚さ方向Zの内部応力40の
合成応力)を軽減させることができる。その結果、封止
部20のシール構造を長期間保持することが可能とな
り、その結果、放電ランプ100の寿命を長くすること
ができる。
【0081】波打ち部28は、金属箔24のうち、電極
12の末端12eと外部リード30の末端30eの末端
との間の領域24uに形成されていることが好ましい。
その理由を述べると、電極12および外部リード30は
金属箔24に溶接によって接続されているため、溶接箇
所以外の領域24uに波打ち部28を形成することによ
って、電極12と金属箔24との接続強度、および外部
リード30と金属箔24との接続強度が低下することを
回避させ得るからである。
【0082】また、ランプ使用時における封止部20の
金属箔24とガラス部22との裂けは、封止部20のう
ち発光管10側から生じるので、封止部20のシール構
造をより効果的に長期間保持するためには、波打ち部2
8は、外部リード30側よりも発光管10側に設けるこ
とが好ましい。例えば、長手方向(Y方向)基準で、金
属箔24の半分の位置(24ct)から電極12の末端
12eまでの領域24wに、波打ち部28の波頭24c
rを設ける。なお、領域24wは、位置24ctも含む
ものとする。本実施形態では、波頭24crは、金属箔
24の短辺方向(X方向)に延びており、金属箔24を
横切るように形成している。波頭24crは、内部応力
40を効果的に分散させる観点から、領域24uに複数
形成することも好適である。
【0083】本実施形態では、波打ち構造を有する金属
箔24に波打ち部28が2つ形成されているが、波打ち
部28は、少なくとも1つ形成されていれば、従来技術
よりも金属箔24が封止部20を裂く合成応力を軽減さ
せることができる。このため、波打ち構造を有する金属
箔24が周期的な構造を有している必要はない。ただ
し、金属箔24全体を周期的な波形構造にして、封止部
20を裂く合成応力を全体的に均等に低減させるように
してもよい。
【0084】波打ち部28は、金属箔24に加わる内部
応力40を分散可能な程度の高さ(または振幅)および
曲率半径を有しており、波打ち部28の高さ(または振
幅)および曲率半径は、要求される条件に応じて適宜決
定すればよい。製造工程上の制約から、波打ち部28の
高さ(または振幅)の最大値は、製造工程段階で用いら
れる放電ランプ用ガラスパイプのうちの封止部となるガ
ラス管22部分の内径によって規定される。波打ち部2
8の曲率半径が大きい場合よりも小さい場合の方が、金
属箔24に加わる内部応力40を良好に分散させること
ができるため、比較的曲率半径が小さい波打ち部28を
複数形成することが好ましい。本実施形態では、金属箔
24は、高さ1〜2mm程度、曲率半径1〜4mm程度
の波打ち部28を有している。なお、金属箔24に加わ
る内部応力40を良好に分散させる上で、波打ち部28
は、なだらかな形状にする方が角張った形状にするより
も好ましいが、角張った形状の波打ち部(屈曲部)28
を有する場合でも従来技術と比較して、金属箔24に加
わる内部応力40を分散させることができる。
【0085】金属箔24に波打ち部28が形成されてい
るかどうかの判断は、金属箔24の熱膨張率を考慮した
上で、ガラス部22によって封止される前の金属箔24
の長手方向(図中Y方向)の長さと、封止後の金属箔2
4の長手方向の長さを比較することによって行うことも
できる。所定の高さ(または振幅)および曲率半径を有
する波打ち部28が形成された場合には、波打ち部28
が形成されたことによって、封止前よりも封止後の金属
箔24の長手方向の長さが短くなるからである。波打ち
部28の高さや曲率半径を測定し評価することが煩雑な
場合には、封止前と封止後との金属箔24の長手方向の
長さの変化を測定することによって、波打ち部28の評
価を行ってもよい。
【0086】なお、本実施形態では、一対の封止部のう
ちの一方の封止部20が波打ち構造を有するようにした
が、他方の封止部20’も波打ち構造を有するように構
成することができる。一対の封止部のいずれもが波打ち
構造を有するようにすれば、封止部20および20’の
両方ともシール構造を長期間保持することが可能となり
より好ましい。また、一方の封止部20を波打ち構造に
して、他方の封止部20’を上記実施形態1のねじれ構
造にすることもできる。このようにしても封止部20お
よび20’の両方のシール構造を長期間保持することが
可能である。また、封止部20および20’のいずれか
が、波打ち構造とねじれ構造との両方の構造を有してい
てもよい。
【0087】次に、図9を参照しながら、放電ランプ2
00の製造方法を例示する。図9(a)から(c)は、
放電ランプ200の製造方法の各工程を示す工程断面図
である。
【0088】まず、図9(a)に示すように、発光管1
0となる部分(発光管部)と封止部のガラス部22とな
る部分(側管部)とを有する放電ランプ用ガラスパイプ
内に、電極12と外部リード30とを有する金属箔(M
o箔)24を挿入する(電極挿入工程)。
【0089】次に、図9(b)に示すように、ガラスパ
イプ内を減圧状態(例えば、1気圧以下)にした上で、
バーナー50でガラス管22を加熱し軟化させることに
よって、ガラス管22と金属箔24との両者を密着さ
せ、それによって封止部20を形成する(封止部形成工
程)。
【0090】封止部形成工程の際に、矢印52の方向に
力を加えると、バーナー50によって加熱され軟化して
いるガラス管(ガラス部)22の一部が変形することに
なる。金属箔24は軟らかいので、この変形によって、
図9(c)に示すように、金属箔24に波打ち部28が
形成されることになる(波打ち部形成工程)。矢印52
の方向への力は、器具等によって直接加えてもよいし、
ガラスパイプ内外の圧力差を利用してもよい。波打ち部
形成工程を複数回繰り返せば、複数の波打ち部28を金
属箔24に形成することができる。
【0091】また、電極挿入工程の際に、封止部形成工
程を良好に実行できるのであれば、予め波打ち部28を
形成した金属箔24を放電ランプ用ガラスパイプ内に挿
入した後、封止部形成工程を行うことによっても、波打
ち構造を有する金属箔24を備えた放電ランプ200を
製造することができる。このような製造方法は、曲率半
径が比較的小さい波打ち部28を多数形成する場合に有
利である。
【0092】図9に示した手法は、具体的には、図10
(a)〜(d)に示すようして行うことができる。図1
0(a)〜(d)は、本実施形態にかかる放電ランプ1
00の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0093】まず、図5(a)および(b)に示したの
と同様に、図10(a)および(b)に示すように、用
意したガラスパイプの側管部22に電極構造体を挿入し
た後、ガラスパイプ内を1気圧以下の不活性ガスに置換
する。なお、電極組立体の金属箔24としては、実質的
にまっすぐな状態なものを用いる。
【0094】次いで、図10(c)に示すように、ガラ
スパイプを回転させながら、側管部22を加熱溶融する
ことによって、電極組立体の金属箔24の全体を側管部
22に密着封止して、封止部20を形成する。
【0095】その後、図10(d)に示すように、ま
ず、封止部20(ガラス部22)のうち、金属箔24を
波状にしたい部位を加熱溶融する。次いで、ガラスパイ
プを長手方向に縮めるように外力52を加えることによ
って、金属箔24に波打ち部28が形成される。つま
り、金属箔24における電極12側の部位と外部リード
30側の部位とが相対的に近づくように、側管部22を
収縮させることによって、波打ち部28を形成すること
ができる。波打ち部28の形成は、ガラスパイプの両端
を縮める方向に動かしてもよいし、一端を固定して他端
のみを移動させるようにしてもよい。また、外力52は
重力を利用してもよい。
【0096】このようにして、波打ち構造を有する金属
箔24を比較的容易に作製することができる。その後
は、公知の技術を用いて、本実施形態の放電ランプ20
0を製造すればよい。波打ち構造を有する金属箔24
は、図11(a)〜(d)に示すようにしても作製する
ことができる。
【0097】まず、図10(a)および(b)に示した
のと同様に、図11(a)および(b)に示すように、
用意したガラスパイプの側管部22に電極構造体を挿入
した後、ガラスパイプ内を1気圧以下の不活性ガスに置
換する。
【0098】次に、図11(c)に示すように、発光管
部10と側管部22との境界部分あたりから、側管部2
2の端部(上部)へ向かって加熱溶融し、側管部22を
シュリンクさせることによって、電極組立体の金属箔2
4の一部と、側管部(ガラス部)22の一部とを密着封
止する。
【0099】次いで、図11(d)に示すように、金属
箔24を波打たせたい部位に加熱がさしかかったら、ガ
ラスパイプの両端を長手方向に縮めれば、金属箔24に
波打ち部28を形成することができる。なお、発光管部
10と側管部22との境界部分から側管部22の端部へ
向けた加熱溶融に限らず、側管部22の端部から、発光
管部10と側管部22との境界部分へ向けて加熱溶融を
行ってもよい。
【0100】次に、図12を参照しながら、波打ち構造
を有する金属箔24の改変例を説明する。
【0101】図12(a)に示すように、放電ランプ2
00における金属箔24の波打ち部(屈曲部)28に代
えて、金属箔24の上面24a上に形成された屈曲部2
9を少なくとも1つ有するように構成することができ
る。このような屈曲部29を有する波打ち構造の金属箔
24を備えた放電ランプ300でも、金属箔24に加わ
る内部応力40を分散させることが可能である。また、
図12(b)に示すように、箔の厚さ方向と垂直な方向
(図中x方向)に複数の屈曲部29を形成することも可
能である。放電ランプ300は、予め屈曲部29を形成
した金属箔24を放電ランプ用ガラスパイプ内に挿入し
た後、封止部形成工程を行うことによって製造すること
ができる。
【0102】なお、図13に示すように、金属箔24”
の短辺断面形状を波状にした構造は好ましくない。その
理由を説明すると、波状構造の波頭が金属箔24”の長
手方向(Y方向)に沿って延びたものは、封止部形成工
程(図9(b)参照)を事実上行うことができなくなる
からである。つまり、封止部形成工程において、ガラス
部22”を収縮させていったとしても、金属箔24”の
凹んだ領域23”にガラス部22”を密着させることが
できず、金属箔24”とガラス部22”との間に隙間が
でき、箔封止を行うことができないからである。また、
波状でないまっすぐな金属箔を含む封止部を先に形成し
た後に、図13に示すように金属箔を波状にすること
は、技術的にみて事実上無理である。加えて、図13に
示した構造は、電極の電極棒16”との溶接箇所の金属
箔24”の部分が波状となっているので、電極棒16”
と金属箔24”との間の接続強度が低下するという問題
も有している。
【0103】本実施形態の放電ランプでは、金属箔24
が波打ち構造を有しているので、封止部20内の金属箔
24の内部応力40の方向を分散させることができる。
このため、従来技術と比較して、封止部20のシール構
造を長期間保持することが可能となり、ランプ寿命をよ
り長くすることができる。 (実施形態3)図14および図15を参照しながら、本
発明による実施形態3にかかる放電ランプ400を説明
する。本実施形態の放電ランプ400は、一対の金属箔
のそれぞれの上面が互いに非平行になるように構成され
ている点において、上記実施形態1の放電ランプ100
と異なる。
【0104】図14(a)は、本実施形態の放電ランプ
400の上面を模式的に示しており、図14(b)は、
放電ランプ400の側面を模式的に示している。図14
(c)は、図14(a)のc−c’線に沿った封止部2
0の断面を示しており、図14(d)は、図14(a)
のd−d’線に沿った封止部20’の断面を示してい
る。
【0105】本実施形態の放電ランプ400は、発光管
(バルブ)10と、発光管10に連結された一対の封止
部20および20’とを有しており、一対の封止部20
および20’が有する一対の金属箔24および24’の
面が互いに非平行となるように構成されている。すなわ
ち、図14(c)および(d)に示すように、一方の封
止部20における金属箔24の厚さ方向に対して垂直な
第1方向xと、他方の封止部20’における金属箔2
4’の厚さ方向に対して垂直な第2方向x’とが異なる
方向になるように構成されている。本実施形態では、金
属箔24の第1方向xと金属箔24’の第2方向x’と
は90度ずれている。
【0106】放電ランプ400では、金属箔24の第1
方向xと金属箔24’の第2方向x’とが異なるように
されているため、金属箔の端面を基準にすると、図15
(a)に示すように、金属箔24と24’とは角度θの
ずれが生じている。図15(b)に示すように、金属箔
24および24’のそれぞれの面が互いに平行にされた
場合(角度θ=0°)には、金属箔24の内部応力σと
金属箔24’の内部応力σとの合成応力は、2σとなる
が、図15(c)に示すように、例えば角度θが90°
の場合には、金属箔24および24’の内部応力の合成
応力は、角度θが0°のときの半分のσとなる。
【0107】このように金属箔24の第1方向xと金属
箔24’の第2方向x’とをずらすと、第1方向xと第
2方向x’とが同じ方向のときと比較して、一対の金属
箔24および24’が一対の封止部20および20’を
裂く合成応力を軽減させることができる。その結果、従
来技術よりも、封止部20および20’のシール構造を
長期間保持することが可能となり、放電ランプの寿命を
長くすることができる。
【0108】第1方向xと第2方向x’とが同じ方向の
ときの金属箔24および24’の合成応力(図15
(b)中の2σ)を10%程度減少させるためには、角
度θは少なくとも25度以上であることが好ましい。金
属箔24および24’の合成応力をより大きく減少させ
るためには、角度θは30度以上であることがより好ま
しく、金属箔24および24’の合成応力を15%程度
減少させるためには、角度θは例えば45度程度にすれ
ばよい。図15(c)に示すように、角度θが90度に
すれば、金属箔24および24’の合成応力を最小に
(すなわち、2σに対して50%減少)することができ
るので好適である。
【0109】放電ランプ400の製造は、例えば、電極
挿入工程において、所定の角度θをなすように、電極お
よび外部リードを有する一対の金属箔24および24’
を放電ランプ用ガラスパイプ内を挿入した後、封止部形
成工程を実行すればよい。
【0110】なお、本実施形態では、矩形の平行形状の
金属箔24および24’を用いたが、金属箔24および
24’の少なくとも一方に、上記実施形態1および2の
ねじれ部26や波打ち部(屈曲部)28および29を形
成させることも可能である。本実施形態の金属箔24、
24’の何れか一方または両方に、ねじれ部26や波打
ち部28等を形成することによって、本実施形態の効果
に加えて、上記実施形態1、2の効果も得ることができ
る。金属箔にねじれ部や波打ち部を形成させた場合、例
えば、金属箔24の発光管10側の部分を基準にして、
角度θを設定すればよい。
【0111】本実施形態の放電ランプでは、金属箔24
の第1方向xと金属箔24’の第2方向x’とを角度θ
ずらしているので、従来技術と比較して、一対の金属箔
が一対の封止部を裂く合成応力を軽減させることができ
る。このため、一対の封止部のシール構造を長期間保持
することが可能となり、ランプ寿命をより長くすること
ができる。 (実施形態4)図16(a)および(b)を参照しなが
ら、本発明による実施形態4にかかる放電ランプ500
を説明する。図16(a)は、本実施形態の放電ランプ
500の上面の一部を模式的に示しており、図16
(b)は、図16(a)のb−b’線に沿った封止部2
0の断面を示している。
【0112】本実施形態の放電ランプ500は、発光管
10側から外部リード30側へ金属箔(Mo箔)24を
投影した面積が金属箔24の端面24cの面積よりも大
きくした金属箔24を一対の金属箔のうちの少なくとも
一方に有している。放電ランプ500では、上記実施形
態1のねじれ部26を金属箔24に形成することによっ
て、金属箔24の投影面積を端面24cの面積よりも大
きくしている。すなわち、図16(b)中の点線で示し
ているように、発光管10側からみたとき金属箔24の
上面と下面とがそれぞれ半円のような軌跡を描き、それ
によって、発光管10側から外部リード30側へ金属箔
24を投影した場合の金属箔24の投影面積は、金属箔
24の端面24cの面積よりも大きくなるようにされて
いる。なお、本実施形態のように金属箔24を180度
ねじるようにする構成だけでなく、例えば90度程度ね
じるような構成にしてもよい。金属箔24を90度ねじ
った構成にすると、金属箔24の上面と下面との投影形
状は、それぞれ四分の一円のようになる。また、上記実
施形態2の屈曲部を形成することによって、金属箔24
の投影面積を端面24cの面積よりも大きくしてもよ
い。
【0113】放電ランプを作動させると、発光管10の
狭い空間に大量のエネルギー(例えば、150W程度)
が投入されるため、発光管10内のエネルギーは、光フ
ァイバ的な効果(光ファイバ的効果)によって封止部2
0のガラス部22内を矢印36方向に移動することにな
る。この光ファイバ的効果によってガラス部22内を移
動するエネルギーは、金属箔24と外部リード30との
溶接部32を加熱する。 放電ランプ500では、金属
箔24の投影面積を金属箔24の端面24cの面積より
も大きくしているので、金属箔24の上面または下面に
よって、発光管10から外部リード30の方へ移動する
光ファイバ的効果によるエネルギーを受け止めることが
できる。従って、金属箔24と外部リード30との溶接
部32に到達する光ファイバ的効果によるエネルギーを
従来技術よりも軽減させることができ、溶接部32の温
度上昇を軽減させることができる。金属箔24および外
部リード30を構成しているモリブデンは、ガラス部2
2で適切に封止されていても350℃以上になると酸化
してしまうため、溶接部32の温度上昇を抑えることに
よって、モリブデンの酸化を防止し、その結果、放電ラ
ンプの信頼性を向上させることができる。なお、溶接部
32の温度上昇を効果的に抑制するために、ねじれ部2
6(または屈曲部)を金属箔24の中央よりも発光管1
0側に設けることが好ましい。 (実施形態5)図17を参照しながら、本発明による実
施形態5にかかる放電ランプ600を説明する。図17
は、本実施形態の放電ランプ600の上面の一部を模式
的に示している。
【0114】本実施形態の放電ランプ600は、モリブ
デンから構成された外部リード30と金属箔(Mo箔)
24とが一体形成された封止部20を一対の封止部のう
ちの少なくとも一方に有している。放電ランプ600で
は、外部リード30と一体形成されたMo箔24を封止
部20内に有しているで、Mo箔24と外部リード30
との接続箇所32に、従来技術における溶接部が存在し
ていない。このため、外部リード30とMo箔24との
接触抵抗を大幅に低減させることができ、接続箇所32
における局所的な温度上昇を抑制することが可能とな
る。従って、Mo箔24の酸化を防止しながら、従来技
術よりも大量の電流を流すことができ、より高輝度化を
図ることが可能となる。また、接続箇所32の局所的な
温度上昇を抑制することによって、接続箇所32周囲の
ガラス部22にクラックの起点が発生することを防ぐこ
とができ、封止部20の強度の維持を図ることもでき
る。さらに、接続箇所32をなだらかな形状にすること
ができるため、接続箇所32とガラス部22との間に隙
間が出来にくい構造にすることができ、その結果、封止
部20の強度を向上させることもできる。
【0115】外部リード30と一体形成されたMo箔2
4は、公知の技術を用いて作製することが可能である。
例えば、所定の長さを有するモリブデンから構成された
丸棒または角棒(Mo棒)を用意した後、Mo棒の所定
部分を一対のローラ間に通して延ばすことによってMo
箔24とし、延ばされていない部分を外部リード30と
することができる。また、ローラでなくダイスを用いて
作製してもよい。外部リード30と一体形成されたMo
箔24は、型押しによって作製することも可能である。
【0116】外部リード30とMo箔24との接触抵抗
を低減する目的のため、図18に示すように、外部リー
ド30と一体形成されたMo箔24に代えて、外部リー
ド30とMo箔24との接続箇所32を平板溶接したM
o箔24を有する放電ランプ700の構成にすることで
きる。放電ランプ700のように、外部リード30の先
端を平板にしてMo箔24と溶接させた場合、従来技術
ではほぼ点接触であった接触状態を面接触にすることが
できるため、外部リード30とMo箔24との接触抵抗
を低減させることが可能になる。また、放電ランプ70
0では、従来技術よりも接続箇所32の接触面積を広げ
ることができるため、点溶接の回数を増加させることが
でき、製造工程上の観点からも好ましい。加えて、接続
箇所32の形状をなだらかにすることもできる。 (実施形態6)図19を参照しながら、本発明による実
施形態6にかかる放電ランプ800を説明する。図19
は、本実施形態の放電ランプ800の上面の一部を模式
的に示している。
【0117】本実施形態の放電ランプ800は、Mo箔
24から発光管10の方へ延ばされ且つ電極(W電極)
12に溶接で接続されたモリブデン棒(Mo棒)17を
有している。Mo棒17の先端の端面は、W電極12の
電極棒16の一端の端面に接合されており、両者の接合
は、例えば、レーザー溶接によって行われている。な
お、電気溶接にて接合されていてもよい。
【0118】Mo箔24から延ばされたMo棒17とW
電極12とを接続するようにすると、Mo箔24とW電
極12とを直接接続するときよりも、両者の接続部17
aをなだらかな形状にすることができる。このため、M
o箔24と電極12と接続部17aの周囲に位置するガ
ラス部22にクラックが生じにくくすることができ、放
電ランプの強度を向上させることができる。一対のMo
箔のうち少なくとも一方のMo箔24がMo棒17を有
するようにすれば、従来技術より放電ランプの強度を向
上させることができるが、両方のMo箔24がMo棒1
7を有するように構成されているのがより好ましい。
【0119】本実施形態では、外部リード30とMo箔
24とを平板溶接されたMo箔24を用いているが、外
部リード30と一体形成したMo箔24を用いることも
可能である。すなわち、Mo箔24と、Mo箔24から
延ばされたMo棒17と、外部リード30とを一体とし
て形成することも可能である。また、Mo棒17を有す
るMo箔24に外部リード30を単に溶接した構成にし
てもよい。 (実施形態7)上記実施形態1〜6の放電ランプは、反
射鏡と組み合わせランプユニットにすることができる。
図20は、上記実施形態1の放電ランプ100を備えた
ランプユニット900の断面を模式的に示している。
【0120】ランプユニット900は、略球形の発光部
10と一対の封止部20とを有する放電ランプ100
と、放電ランプ100から発せられた光を反射する反射
鏡60とを備えている。なお、放電ランプ100は例示
であり、上記実施形態の放電ランプのいずれであっても
よい。また、ランプユニット900は、反射鏡60を保
持するランプハウスをさらに備えていてもよい。
【0121】反射鏡60は、例えば、平行光束、所定の
微小領域に収束する集光光束、または、所定の微小領域
から発散したのと同等の発散光束になるように放電ラン
プ100からの放射光を反射するように構成されてい
る。反射鏡60としては、例えば、放物面鏡や楕円面鏡
を用いることができる。
【0122】本実施形態では、放電ランプ100の一方
の封止部20に口金55が取り付けられており、封止部
20から延びた外部リードと口金とは電気的に接続され
ている。口金55が取り付けられた側の封止部20と反
射鏡60とは、例えば無機系接着剤(例えばセメントな
ど)で固着されて一体化されている。反射鏡60の前面
開口部側に位置する封止部20の外部リード30には、
リード線65が電気的に接続されており、リード線65
は、外部リード30から、反射鏡60のリード線用開口
部62を通して反射鏡60の外にまで延ばされている。
反射鏡60の前面開口部には、例えば前面ガラスを取り
付けることができる。
【0123】このようなランプユニットは、例えば、液
晶やDMDを用いたプロジェクタ等のような画像投影装
置に取り付けることができ、画像投影装置用光源として
使用される。上記実施形態の放電ランプおよびランプユ
ニットは、画像投影装置用光源の他に、紫外線ステッパ
用光源、または競技スタジアム用光源や自動車のヘッド
ライト用光源などとしても使用することができる。 (他の実施形態)上記実施形態では、発光物質として水
銀を使用する水銀ランプを放電ランプの一例として説明
したが、本発明は、封止部(シール部)によって発光管
の気密を保持する構成を有するいずれの放電ランプにも
適用可能である。例えば、金属ハロゲン化物を封入した
メタルハライドランプなどの放電ランプにも適用するこ
とができる。
【0124】さらに、上記実施形態では、水銀蒸気圧が
20MPa程度の場合(いわゆる超高圧水銀ランプの場
合)について説明したが、水銀蒸気圧が1MPa程度の
高圧水銀ランプや、水銀蒸気圧が1kPa程度の低圧水
銀ランプについても適応可能である。また、一対の電極
12および12’間の間隔(アーク長)は、ショートア
ーク型であってもよいし、それより長い間隔であっても
よい。上記実施形態の放電ランプは、交流点灯型および
直流点灯型のいずれの点灯方式でも使用可能である。
【0125】また、上記実施形態の構成は相互に採用す
ることが可能であり、例えば、実施形態1から4のいず
れかの構成を実施形態5および6のいずれかの構成と組
み合わせることも放電ランプの寿命を向上させる上で好
適である。
【0126】
【発明の効果】本発明の放電ランプによれば、一対の金
属箔の少なくとも一方がねじれ構造を有しているので、
封止部のシール構造を長期間保持することでき、ランプ
寿命を長くすることができる。
【0127】本発明の他の放電ランプによれば、一対の
金属箔の少なくとも一方が波打ち構造を有しているの
で、封止部のシール構造を長期間保持することでき、ラ
ンプ寿命を長くすることができる。
【0128】本発明の更に他の放電ランプによれば、一
方の金属箔の厚さ方向に対して垂直な第1方向が、他方
の金属箔の厚さ方向に対して垂直な第2方向と異なる方
向であるので、封止部のシール構造を長期間保持するこ
とでき、ランプ寿命を長くすることができる。
【0129】本発明による更に更に他の放電ランプによ
れば、発光管側から外部リード側へ金属箔を投影した面
積が金属箔の端面の面積よりも大きいので、光ファイバ
的な効果によるエネルギーによって生じる温度上昇を抑
制することができ、放電ランプの信頼性を向上させるこ
とができる。
【0130】本発明の別の放電ランプによれば、一対の
モリブデン箔の少なくとも一方が外部リードと一体形成
されているので、封止部における局所的な温度上昇を防
止し、ランプ寿命を長くすることができる。
【0131】本発明の更に別の放電ランプによれば、モ
リブデン箔と接続される部分が平板形状である外部リー
ドと平板溶接されているので、封止部における局所的な
温度上昇を防止し、ランプ寿命を長くすることができ
る。
【0132】本発明の更に更に別の放電ランプによれ
ば、発光管の方へモリブデン箔から延ばされたモリブデ
ン棒をモリブデン箔が有しており、モリブデン棒は一対
の電極のいずれかと溶接によって接続されているので、
封止部の強度の低下を防止し、ランプ寿命を長くするこ
とができる。
【0133】本発明による放電ランプの製造方法によれ
ば、ねじれ構造または波打ち構造を有する封止部を備え
た放電ランプを比較的容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施形態1にかかる放電ランプ10
0の構成を模式的に示す上面図であり、(b)は、放電
ランプ100の構成を模式的に示す側面図である。
(c)は、(a)のc−c’線に沿った断面を示す断面
図であり、(d)は、金属箔24の端面形状を模式的に
示す拡大図である。
【図2】金属箔のねじれ構造を示す断面拡大図である。
【図3】(a)〜(c)は、実施形態1における放電ラ
ンプ100の製造方法を説明するための工程断面図であ
る。
【図4】実施形態1における放電ランプ100の製造方
法を説明するための工程断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、実施形態1における放電ラ
ンプ100の製造方法を説明するための工程断面図であ
る。
【図6】(a)〜(d)は、実施形態1における放電ラ
ンプ100の他の製造方法を説明するための工程断面図
である。
【図7】(a)は、実施形態2にかかる放電ランプ20
0の構成を模式的に示す上面図であり、(b)は、放電
ランプ200の構成を模式的に示す側面図であり、そし
て(c)は、(a)のc−c’線に沿った断面を示す断
面図である。
【図8】金属箔の波打ち構造を示す断面拡大図である。
【図9】実施形態2における放電ランプ200の製造方
法を説明するための工程断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、実施形態2における放電
ランプ200の製造方法を説明するための工程断面図で
ある。
【図11】(a)〜(d)は、実施形態2における放電
ランプ200の他の製造方法を説明するための工程断面
図である。
【図12】(a)は、実施形態2にかかる放電ランプ3
00の構成を模式的に示す上面図であり、(b)は、
(a)のb−b’線に沿った断面を示す断面図である。
【図13】実施形態2にかかる放電ランプ200の比較
例の断面を示す断面図である。
【図14】(a)は、実施形態3にかかる放電ランプ4
00の構成を模式的に示す上面図であり、(b)は、放
電ランプ400の構成を模式的に示す側面図である。
(c)は、(a)のc−c’線に沿った断面を示す断面
図であり、(d)は、(a)のd−d’線に沿った断面
を示す断面図であり、
【図15】(a)〜(c)は、実施形態3を説明するた
めの図面である。
【図16】(a)は、実施形態4にかかる放電ランプ5
00の構成を模式的に示す上面図であり、(b)は、
(a)のb−b’線に沿った断面を示す断面図である。
【図17】実施形態5にかかる放電ランプ600の構成
を模式的に示す上面図である。
【図18】実施形態5にかかる放電ランプ700の構成
を模式的に示す上面図である。
【図19】実施形態6にかかる放電ランプ800の構成
を模式的に示す上面図である。
【図20】実施形態7にかかるランプユニット900の
構成を模式的に示す断面図である。
【図21】(a)は、従来の放電ランプ1000の構成
を模式的に示す上面図であり、(b)は、放電ランプ1
000の構成を模式的に示す側面図である。(c)は、
(a)のc−c’線に沿った断面を示す断面図である。
【図22】(a)および(b)は、従来の放電ランプ1
000の課題を説明するための図である。
【符号の説明】
10 発光管 12、12’ 電極(W電極) 14 コイル 15 放電空間(管内) 16 電極棒 17 Mo棒 18 発光物質(水銀) 20、20’ 封止部 22 ガラス部 24 金属箔(Mo箔) 26 ねじれ部 28、29 波打ち部(屈曲部) 30 外部リード 32 接続部(溶接部) 40 内部応力 50 バーナー 55 口金 60 反射鏡 62 リード線用開口部 65 リード線 100、200、300、400 放電ランプ 500、600、700、800 放電ランプ 110 発光管 112、112’ W電極 114 コイル 115 放電空間(管内) 116 電極棒 118 発光物質(水銀) 120、120’ 封止部 122 ガラス部 124 Mo箔 130 外部リード 1000 超高圧水銀ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一番ヶ瀬 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 竹田 守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山本 真一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 佐々木 健一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開2000−173453(JP,A) 特開 平7−192704(JP,A) 特開 平6−16300(JP,A) 特開 平5−217555(JP,A) 特開 昭55−143767(JP,A) 実開 昭56−165358(JP,U) 米国特許2667595(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/36 H01J 9/32

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光物質が封入される管内に一対の電極
    が対向して配置された発光管と、 前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続された金属箔
    のそれぞれを封止する一対の封止部とを備え、 前記金属箔のそれぞれは、前記一対の電極のそれぞれと
    電気的に接続された側の反対側に外部リードを有してお
    り、 前記金属箔の少なくとも一方は、当該金属箔の長手方向
    に沿って、前記発光管側から見たときに当該金属箔の上
    面および下面が当該金属箔の端面の上下から現れるよう
    波打った波打ち構造を有しており、 前記波打ち構造を有する金属箔は、当該金属箔のうちの
    前記電極の末端と前記外部リードの末端との間の領域
    に、少なくとも1つの波打ち部を有している、放電ラン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記波打ち構造は、振幅1〜2mm、曲
    率半径1〜4mmである、請求項1に記載の放電ラン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記金属箔の長手方向における前記金属
    箔の半分の位置から前記発光管寄りの領域(当該半分の
    位置も含む)に、前記波打ち部の波頭が少なくとも1つ
    設けられている、請求項に記載の放電ランプ。
  4. 【請求項4】 前記電極の末端と前記外部リードの末端
    との間の領域に、前記波打ち部の波頭が複数設けられて
    いる、請求項に記載の放電ランプ。
  5. 【請求項5】 発光物質が封入される管内に一対の電極
    が対向して配置された発光管と、 前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続された金属箔
    のそれぞれを封止する一対の封止部とを備え、 前記金属箔のいずれかは、当該金属箔の前記発光管側の
    部分に対してねじれた部分を有する構造と、当該金属箔
    の長手方向に沿って前記発光管側から見たときに当該金
    属箔の上面および下面が当該金属箔の端面の上下から現
    れるように波打った波打ち構造とを有する、放電ラン
    プ。
  6. 【請求項6】 前記ねじれた部分の角度は、30度以上
    である、請求項5に記載の放電ランプ。
  7. 【請求項7】 150〜200mg/cm 3 の水銀が封
    入された放電ランプであって、 発光物質が封入される管内に一対の電極が対向して配置
    された発光管と、 前記一対の電極のそれぞれに電気的に接続された金属箔
    のそれぞれを封止する一対のシュリンクシール構造の
    止部とを備え、 前記金属箔のうちの一方の前記発光管側の端面における
    金属箔の厚さ方向に対して垂直な第1方向は、他方の
    記発光管側の端面における金属箔の厚さ方向に対して垂
    直な第2方向と異なる方向である、放電ランプ。
  8. 【請求項8】 前記第1方向と前記第2方向とは、25
    度以上90度以下ずれている、請求項に記載の放電ラ
    ンプ。
  9. 【請求項9】 前記金属箔の少なくとも一方は、当該金
    属箔の前記発光管側の部分に対してねじれ構造を有して
    いる、請求項に記載の放電ランプ。
  10. 【請求項10】 前記金属箔の少なくとも一方は、当該
    金属箔の長手方向に沿って波打ち構造を有している、請
    求項に記載の放電ランプ。
  11. 【請求項11】 前記波打ち構造は角張った形状であ
    、請求項10に記載の放電ランプ。
  12. 【請求項12】 前記金属箔のそれぞれは、前記発光管
    から延ばされたガラス部によって圧着されており、 前記金属箔のそれぞれはモリブデン箔である、請求項1
    から11の何れか一つに記載の放電ランプ。
  13. 【請求項13】 前記一対の封止部のそれぞれは、シュ
    リンクシール構造を有している、請求項1からの何れ
    か一つに記載の放電ランプ。
  14. 【請求項14】 前記発光物質は、少なくとも水銀を有
    している、請求項1からの何れか一つに記載の放電ラ
    ンプ。
  15. 【請求項15】 請求項1から1の何れか一つに記載
    の放電ランプと、前記放電ランプから発する光を反射す
    る反射鏡とを備えたランプユニット。
  16. 【請求項16】 発光管部と、前記発光管部から延びた
    側管部とを有する放電 ランプ用パイプと;金属箔と、前
    記金属箔に接続された電極と、前記電極が接続された側
    とは反対側の前記金属箔に接続された外部リードとを有
    する電極組立体と;を用意する工程(a)と、 前記発光管部内に前記電極の先端が位置するように、前
    記側管部に前記電極組立体を挿入する工程(b)と、 前記工程(b)の後、前記放電ランプ用パイプ内を減圧
    状態にし、前記側管部を加熱軟化させることによって、
    前記側管部と前記金属箔とを密着させる工程(c)と、 前記工程(b)の後に、前記金属箔に対し外力を加える
    ことによって、前記金属箔にねじり構造または波打ち構
    造を形成する工程(d)とを包含する、放電ランプの製
    造方法であって、 前記工程(a)において、前記金属箔がモリブデン箔で
    あり、前記外部リードの一部に前記側管部内に前記電極
    組立体を固定するためのモリブデンテープが設けられた
    前記電極組立体を用意し、 前記工程(b)において、前記モリブデンテープを前記
    側管部の内面に係合することによって、前記電極の先端
    を前記発光管部内に位置付け、 前記工程(c)において、前記放電ランプ用パイプを回
    転させながら、前記側管部と前記金属箔とを密着させ、 前記工程(d)において、前記金属箔における前記電極
    側と前記外部リード側とで前記放電ランプ用パイプの回
    転に差を付けること、または、前記金属箔における前記
    電極側の部位と外部リード側の部位とが相対的に近づく
    ように前記側管部を収縮させることによって、前記金属
    箔にねじり構造または波打ち構造を形成する、放電ラン
    プの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記工程(c)によって前記側管部と
    前記金属箔とを密着させた後、当該密着した側管部のう
    ちの一部分を加熱軟化させた状態で、前記工程(d)を
    実行する、請求項16に記載の放電ランプの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記工程(c)によって前記側管部の
    一部と前記金属箔の一部とが密着した状態で、前記工程
    (d)を実行し、その後再び、前記工程(c)を実行す
    る、請求項16に記載の放電ランプの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記波打ち構造は、前記発光管側から
    見たときに当該金属箔の上面および下面が当該金属箔の
    端面の上下から現れるように波打った構造である、請求
    項16から18までのいずれかに記載の放電ランプの製
    造方法。
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