JP3289848B2 - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

可変容量型圧縮機

Info

Publication number
JP3289848B2
JP3289848B2 JP07235193A JP7235193A JP3289848B2 JP 3289848 B2 JP3289848 B2 JP 3289848B2 JP 07235193 A JP07235193 A JP 07235193A JP 7235193 A JP7235193 A JP 7235193A JP 3289848 B2 JP3289848 B2 JP 3289848B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
swash plate
chamber
pressure
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07235193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06280746A (ja
Inventor
正法 園部
真広 川口
健 水藤
繁樹 神崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP07235193A priority Critical patent/JP3289848B2/ja
Publication of JPH06280746A publication Critical patent/JPH06280746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3289848B2 publication Critical patent/JP3289848B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Compressor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両空調用に供して好
適な可変容量型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】可変容量型圧縮機において、圧縮機の回
転を断つことなく実質的に吐出容量を零にする。いわゆ
るクラッチレス機構を装備することは既に提案されてい
る。例えば特開平3−143725号公報に開示されて
いる可変容量型圧縮機ではクランク室内の圧力を急速に
高めて回転斜板の傾角を零状態へ移行させ、零状態から
の容量復帰には油圧アクチュエータの駆動力を利用して
いる。つまり該クラッチレス機構においては、クランク
室圧力を高めるためにクランク室と吐出室とをガス通路
で結び、このガス通路上に第1の電磁開閉弁を配設し、
一方、クランク室の貯油部と油圧アクチュエータとを油
通路及びギヤポンプを介して連通し、この油通路上に第
2の電磁開閉弁を配設している。したがって、吐出容量
を零にする場合は第1の電磁開閉弁が開かれ、吐出容量
を復帰する場合には第2の電磁開閉弁が開かれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように圧縮機内に二つの電磁開閉弁を組み込むことは、
単に機体の肥大化や構造の複雑化を招くばかりでなく、
経済性の面での極端な不利を免れない。また、圧縮機が
零容量状態であっても、動力源からの入力が行われてい
る限り駆動軸関連の構成要素は依然として回転を継続し
ており、しかも機内のガス流動が途絶えたこのような運
転状態がある程度長引くことになると、冷媒ガス中の混
在油粒に潤滑を依存するこの種の圧縮機では、潤滑不足
による発熱高温化、ひいては焼付きにまで進展する虞れ
がある。
【0004】本発明は、圧縮機の簡潔性を維持しつつ、
零容量可変と適正潤滑との両立を図ることを解決すべき
技術課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題解決の
ため、クランク室と、該クランク室内に延在し回転自在
に支承された駆動軸と、該駆動軸に固着されたロータ
と、該駆動軸に嵌装されたスリーブに傾動可能に枢支さ
れ、かつヒンジ機構を介して該ロータに支持された回転
斜板と、該回転斜板に連係され、その回転揺動に基づい
て各ボア内を直動する複数のピストンと、上記ボア内へ
流体を供給する吸入室と、上記ボア内で圧縮された流体
が吐出される吐出室と、上記クランク室内の圧力を調整
する制御弁とを含み、上記制御弁により吸入室圧力とク
ランク室圧力との差圧を調節し、上記回転斜板の傾角を
変えることにより上記流体のボアへの取込み容積を可変
すべく構成した可変容量型圧縮機において、上記クラン
ク室と吐出室とを連通する強制圧力通路と該強制圧力通
路に介装された開閉弁と、該開閉弁を開閉する電磁制御
手段と、該開閉弁と連動し開弁による上記スリーブを介
した回転斜板の零容量姿勢の保持と、閉弁による可変容
量姿勢への復帰とを行わしめる姿勢変換手段と、機体に
装着された感温センサとを有し、上記電磁制御手段を操
作する操作回路に、圧縮機の運転状態を該零容量姿勢と
該可変容量姿勢とに切替える起動スイッチと、圧縮機の
運転状態を該零容量姿勢から該可変容量姿勢へ復帰させ
得る上記感温センサのリードスイッチとを並列接続せし
めた新規な構成を採用している。
【0006】
【作用】動力源からの入力により駆動軸が回転し、か
つ、起動スイッチのオン操作により、例えば、電磁制御
手段が励磁され開閉弁強制圧力通路を閉鎖している状
態では、姿勢変換手段はスリーブ及び回転斜板の拘束を
解いて自在な可変容量姿勢を許容している。したがっ
て、冷房負荷に応じた制御弁の作動によりクランク室圧
力が調節されて、回転斜板の傾角つまり吐出容量が可変
制御される。
【0007】このような圧縮機の運転状態から起動スイ
ッチがオフ操作されて電磁制御手段が、例えば、消磁さ
れ開閉弁強制圧力通路を開通させた状態となると、吐
出室内の冷媒ガスは該強制圧力通路を経由クランク室に
流入してクランク室圧力を急速に上昇させる。この昇圧
により回転斜板はスリーブを伴って傾角縮小側へ変位し
零容量姿勢へと移行する。このとき該開閉弁と連動する
姿勢変換手段が同期的に発動して、零容量姿勢へ移行し
たスリーブの遊動を拘束するので、圧縮機は安定した無
負荷運転を持続する。
【0008】そして、かかる無負荷運転の状態が長引
き、機内のガス流動の枯渇に基づいた潤滑不足から発熱
を生起し、機体温度が予め設定された警戒値にまで達す
ると、これを検出した感温センサが起動スイッチと並列
接続されている同センサのリードスイッチをオンさせ
電磁制御手段が、例えば、励磁して開閉弁直ちに強制
圧力通路を閉鎖するようにする。同時に姿勢変換手段は
スリーブを釈放して可変容量姿勢への復帰を促す。した
がって、冷房負荷にかかわらず機内にはガス流動が復活
し、冷媒ガス中の混在油粒が回転系要素の潤滑不足を補
填する。なお、かかるガス流動の復活により機体温度が
所定の安全値にまで低下すれば、これを検出した感温セ
ンサがリードスイッチを今度はオフさせて、圧縮機を再
び無負荷運転に移行させる。また、空調の必要から起動
スイッチがオン操作された場合も、これと同一の経緯で
圧縮仕事が再開されることはいうまでもない。
【0009】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図1〜6
に基づいて説明する。図1において、圧縮機の主体をな
すシリンダブロック1の前端にはフロントハウジング2
が結合され、後端にはリヤハウジング3が弁板4を介し
て結合されている。シリンダブロック1とフロントハウ
ジング2とで形成されるクランク室5内には、図示しな
いエンジンにプーリ6を介して連動連結された駆動軸7
が収納され、さらに駆動軸7の内端部には筒体8が一体
的に嵌着されて、該駆動軸7及び筒体8は軸受9、10
により回転自在に支承されている。シリンダブロック1
には軸心の周りに平行状に配置された複数個のボア11
が穿設されており、各ボア11にはそれぞれピストン1
2が挿嵌されている。
【0010】クランク室5内の駆動軸7には、該駆動軸
7と共動するロータ13が固着され、一方、筒体8上に
は球帯状の軸受面をもつスリーブ14が回転及びスライ
ド可能に嵌装されている。そして該スリーブ14上に
は、上記球帯状の軸受面と嵌合する球帯内面を備えた回
転斜板15が傾動可能に枢支されている。そして該回転
斜板15の外周部に形成されたディスク面には半球状の
シュー16、16を介して上記ピストン12が係留され
ている。
【0011】一方、上記ロータ13の外周縁部にはヒン
ジ機構を構成するアーム13aが後方に向け突出されて
おり、このアーム13aの先端部には軸直角方向に支軸
17が回転可能に挿入されている。そして該支軸17に
はアーム13aを挟んで径方向に延びるガイドピン1
8、18がスライド可能に挿通され、両ガイドピン18
の基端部分は上記回転斜板15の前面側に形成された連
節部15aに嵌着されている。また、上記筒体8には軸
受10を流体密に封止するシール19が被嵌され、係止
環20によって抜け止めが施されている。
【0012】上記リヤハウジング3内は隔壁によって吸
入室21と吐出室22に区画され、弁板4には各ボア1
1に対応して吸入口23及び吐出口24が開口されてお
り、各吸入口23及び吐出口24は吸入弁25及び吐出
弁26によりそれぞれピストン12の往復動に応じて開
閉され、また、該リヤハウジング3内には、クランク室
5の圧力を調整する制御弁30が装備されている。
【0013】図2に示すように、制御弁30を構成する
主体部31には吐出圧導入ポート32a、吸入圧導入ポ
ート32b及び制御ポート32cが設けられ、吐出圧導
入ポート32aは吐出室22に開口されており、吸入圧
導入ポート32bは吸入圧導入通路33bを介して吸入
室21に、制御ポート32cは制御通路33cを介して
クランク室5にそれぞれ連通されている。そして主体部
31の内端壁と弁体34との間には復帰ばね35が介装
されて、弁体34は制御ポート32cに通じる弁孔32
dを閉塞する方向に付勢されている。
【0014】一方、主体部31の外端壁側は、ダイヤフ
ラム36により吸入圧導入ポート32bに連なる導圧室
37aと大気圧室37bとに区画され、ダイヤフラム3
6に止着された槓杆38は主体部31の隔壁を貫通し
て、弁孔32d内に露出する弁体34に当接されてい
る。そして大気圧室37bに内装された押圧ばね39は
ダイヤフラム36を介して吸入室圧力と対抗し、槓杆3
8はダイヤフラム36の変位に応動して弁体34の弁開
度を調節する。すなわち、制御弁30は冷房負荷を反映
する吸入室圧力の変動に応じてクランク室圧力を調整
し、この圧力調整により回転斜板15の傾角が自動制御
される。
【0015】上記筒体8を収容するシリンダブロック1
の軸孔1aは、弁板4を貫通してリヤハウジング3内へ
拡延されており、該軸孔1a内には開閉弁40を構成す
る基体部41が嵌着されている。該基体部41は軸孔1
a内に開放された有底状の弁室42を有し、該弁室42
の底壁に開口する弁孔43は直交する通孔44を介し
て、基体部41を取巻く吐出室22の支脈領域22aに
通じ、一方、軸孔1aは通路45を介してクランク室5
と結ばれており、吐出室22からクランク室5に至るこ
れら一連の通路が強制圧力通路を構成している。そして
上記弁室42内には弁座46に抱持された球状弁体47
が収納され、弁室42の開放端に被冠されたばね受48
と弁座46の間に介装された閉塞ばね49により、球状
弁体47は常に弁孔43を閉じる向きに付勢されてい
る。
【0016】リヤハウジング3の外端側には、上記開閉
弁40を開閉する電磁制御手段50が同心的に配設され
ている。すなわち、リヤハウジング3に嵌入された筐体
51内には電磁コイル52を被装した固定鉄芯53と可
動鉄芯54とが直列して配置され、可動鉄芯54は内装
した反発ばね55により常に反吸引方向に付勢されてい
る。そして該可動鉄芯54から一体的に延伸する槓杆5
6は、上記開閉弁40の基体部41内にスライド可能に
挿通され、可動鉄芯54が固定鉄芯53に吸着された状
態において、該槓杆56の先端が閉弁姿勢にある上記球
状弁体47と当接するように調整されている。
【0017】図4に示すように、上記筒体8には、開閉
弁40と連動してスリーブ14を介した回転斜板15の
零容量姿勢の保持と、可変容量姿勢への復帰とを行わし
める姿勢変換手段が内装されている。すなわち、筒体8
内には姿勢変換手段の主要部をなす柱状の伝動子61、
62がスライド可能に嵌装されており、該伝動子61、
62はボール軸受63を介して衝合されている。筒体8
を嵌着した小径部7aを含む駆動軸7の内端部には、そ
の内端面から軸心方向へ延び、さらに屈曲して駆動軸7
の外周面へと抜ける通路64aが設けられており、該通
路64a内へ潜入した伝動子61の小径部には、その端
末部61aが通路64aの一部と相対回転不能に連結さ
れるとともに、該小径部の基端壁61bと通路64a中
の段差部との間に介装された復帰ばね65により、伝動
子61、62は共に後方に向け付勢されて、伝動子62
の小径端部62aは上記弁座46の背面に衝接されてい
る。
【0018】零容量姿勢にあるスリーブ14の前端部と
符合する筒体8の周壁には、放射方向に先細り状をなす
3個のテーパ孔66が貫設され、内部にはその突出によ
ってスリーブ14の遊動を拘束するボール67が収納さ
れている。該テーパ孔66は筒体8の壁厚よりも幾分大
きな球径に形成されたボール67が、その分筒体8の外
周面からの突出しうる程度の直径に設定されている。そ
してスリーブ14が可変容量姿勢に存在する間、該ボー
ル67は伝動子61の主径部端に形成された縮径部61
cによって筒体8内への没入が許されている。なお、6
8はボール67の没入によって拘束を解かれたスリーブ
14を付勢し、回転斜板15に傾角を強制付与する復帰
ばねであり、スリーブ14と上記係止環20との間に介
装されている。また、上記通路64aは伝動子61の周
面を軸方向に延びるスリット64b、伝動子61、62
間の遊隙64c、伝動子62の同様のスリット64d並
びにこれに続く環状溝64e、軸受10内へ通じる筒体
8の貫孔64f、さらにはシリンダブロックに形成され
た通路64gを経由して吸入室21に連通されており、
これら一連の通路はクランク室5と吸入室21とを結ぶ
抽気通路を構成すると同時に、各回転摺動部分の潤滑に
寄与している。
【0019】70は上記電磁制御手段50の操作回路、
71は機体に装着された感温センサであり、電源72と
電磁コイル52とを結ぶ該操作回路70には、圧縮機の
起動スイッチ73と該感温センサ71のリードスイッチ
71aとが並列状に接続されている。本実施例は上述の
ように構成されており、エンジン等の駆動源からプーリ
6を介した入力により駆動軸7が回転し、かつ起動スイ
ッチ73のオン操作により電磁制御手段50が励磁され
ている状態では、固定鉄芯53に吸着された可動鉄芯5
4と共に槓杆56が退動し、開閉弁40の球状弁体47
は閉塞ばね48の付勢力によって弁孔43を閉鎖してお
り、吐出室22からその支脈領域22a、弁室42及び
通路45を経てクランク室5に至る強制圧力通路は遮断
されている。一方、姿勢変換手段を構成する伝動子6
1、62は復帰ばね65の付勢力により開閉弁40に追
従して退動し、同時に伝動子61の縮径部61cがテー
パ孔66と整合してボール67の没入を促しているた
め、スリーブ14及び回転斜板15は自在な可変容量姿
勢を許容されている。したがって、冷房負荷に応じた制
御弁30の作動によりクランク室圧力が調節されて、回
転斜板15の傾角つまり吐出容量が可変制御される。
【0020】すなわち、ダイヤフラム36は吸入圧導入
ポート32bから導圧室37aに導入される吸入室圧力
の変動に応じて変位し、この変位が槓杆38を介して弁
体34に伝えられ、吸入室圧力が高い場合は、押圧ばね
39の付勢力に抗したダイヤフラム36の変位より、弁
体34が弁孔32dを閉じる向きに制御される。一方、
クランク室5内のブローバイを含む冷媒ガスは抽気通路
64a〜64gを経由して逐次吸入室21に還流される
ので、クランク室圧力は低下し、回転斜板15の傾角が
増大される。逆に吸入室圧力が低くなった場合には、押
圧ばね39の付勢力に屈したダイヤフラム36の変位に
より、弁体34が弁体32dを開く向きに制御される。
これにより吐出室22から弁孔32d、制御ポート32
c、制御通路33cを経由してクランク室5には高圧の
吐出冷媒ガスが供給されるので、クランク室圧力は上昇
し、回転斜板15の傾角が縮小される。
【0021】その後、冷房負荷に基づいて更なる吸入室
圧力の低下が進めば、復帰ばね68の付勢力に抗して回
転斜板15は零容量姿勢まで変位し、圧縮仕事は一時的
に停止される。そして機内の圧力バランスによりクラン
ク室圧力が徐々に低下すると、復帰ばね68の付勢力に
よりスリーブ14が押動されて回転斜板15に傾角が復
活し、自動的に圧縮仕事が再開されることになるが、こ
のような低冷房負荷が続く限り制御弁30は吐出冷媒ガ
スをクランク室5に供給するので、回転斜板15の傾角
は再び零容量方向へ変位される。つまり起動スイッチ7
3がオンされている状態では、伝動子61の縮径部61
cがボール67の没入を促してスリーブ14の自在な変
動を許容している。
【0022】さて、環境の変化やその他の理由によって
起動スイッチ73がオフ操作されると、電磁制御手段5
0の消磁と同時に可動鉄芯54は反発ばね55によって
反吸引方向に付勢され、共動する槓杆56は開閉弁40
の球状弁体47を押動して弁孔43を開口させるととも
に、直列的に衝合されている弁座46及び伝動子61、
62を同期的に進動させる。したがって、吐出室22か
ら開口された弁孔43を介して通路45に連なる強制圧
力通路を経由して、クランク室5には高圧の吐出冷媒ガ
スが供給され、クランク室圧力を急速に上昇させる。こ
の昇圧により回転斜板15はスリーブ14を伴って傾角
縮小側へと変位するが、スリーブ14が零容量位置に到
達するまでの間、該スリーブ14の存在によってボール
67は没入状態を強制されており、この没入ボール67
が縮径部61cの基端と干渉して伝動子61の進動を阻
んではいるものの、該伝動子61には復帰ばね65及び
閉塞ばね49に抗した反発ばね55の付勢力が依然とし
て進動方向に作用している(図5)。
【0023】このため、スリーブ14が零容量位置に到
達してその前端部がボール67の露出を許した途端、ボ
ール67は伝動子61の主径部に乗り上げてテーパ孔6
6から突出し、同時に姿勢変換手段を含む一連の要素
は、伝動子61の小径部基端壁61bが駆動軸7の内端
に衝接するまで進動する(図3、図6)。かくて筒体8
の外周面に突出したボール67がスリーブ14の遊動を
機械的に拘束し、圧縮機は安定した零容量(無負荷)運
転へと移行する。
【0024】しかしながら、上述した圧縮機の無負荷運
転であっても、駆動軸7関連の回転系要素は動力源から
の入力が行われている限り回転を継続しており、しかも
機内のガス流動が途絶えたこのような運転状態が長時間
に及ぶことになると、冷媒ガス中の混在油粒に潤滑を依
存するこの種の圧縮機では潤滑不足を生じやすい。した
がって、もしも回転系要素の潤滑不足から発熱を生起
し、機体温度が予め設定された警戒値にまで達すると、
機体に装着された感温センサ71がこれを検出し、操作
回路70に組込まれたリードスイッチ71aをオンさせ
て電磁制御手段50を励磁する。これにより可動鉄芯5
4は固定鉄芯53に吸着されて槓杆56を引戻し、同時
に閉塞ばね49により付勢されている球状弁体47を帯
同して弁孔43を閉鎖するとともに、復帰ばね65によ
り付勢されている姿勢変換手段も連帯して退動させる。
【0025】すなわち、弁孔43の閉鎖によって吐出室
22とクランク室5とを結ぶ強制圧力通路は遮断され、
一方、伝動子61の退動に伴うボール67の没入がスリ
ーブ14を釈放して、復帰ばね68の付勢による回転斜
板15の傾角付与を許すので、実質的な圧縮仕事の再開
に伴って機内にはガス流動が復活し、冷媒ガス中の混在
油粒が回転系要素の潤滑不足を補填する。なお、姿勢変
換手段の退動と同時にクランク室5と吸入室21と結ぶ
抽気通路は解放されており、かかる圧縮仕事に伴う回転
斜板15の傾角は上述した制御弁30の作動に基づいて
可変制御される。その後ガス流動がもたらす潤滑作用に
よって機体温度が所定の安全値まで低下すれば、これを
検出した感温センサ71がリードスイッチ71aをオフ
させて、圧縮機を再び無負荷運転状態へと移行させる。
【0026】以上は圧縮機の機体温度の検出に基づく自
動的な圧縮仕事の再開経緯であるが、空調の必要から起
動スイッチ73がオン操作された場合も、これと同一の
経緯で圧縮仕事が再開されることは改めて述べるまでも
ない。
【0027】
【発明の効果】このように本発明は、単独の電磁制御手
段によって回転斜板の零容量姿勢の保持と、可変容量姿
勢への復帰とを可能とし、しかも零容量姿勢の継続に付
随して生起しやすい潤滑不足を、温度検出に基づく機内
のガス流動の復活によって自動的に補償するようにした
ものであるから、機体の大型化をもたらすことなく優れ
たクラッチレス機能を発揮しうるとともに、圧縮機の耐
用度を格段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る圧縮機の全容を示す断面
【図2】開閉弁及び制御弁を示す拡大断面図
【図3】零容量状態の圧縮機の全容を示す断面図
【図4】開閉弁及び姿勢変換手段の動作形態を示す拡大
断面図
【図5】開閉弁及び姿勢変換手段の次の動作形態を示す
拡大断面図
【図6】開閉弁及び姿勢変換手段のさらに次の動作形態
を示す拡大断面図
【符号の説明】
5はクランク室、7は駆動軸、12はピストン、14は
スリーブ、15は回転斜板、21は吸入室、22は吐出
室、30は制御弁、40は開閉弁、50は電磁制御手
段、70は操作回路、71は感温センサ、71aはリー
ドスイッチ、73は起動スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神崎 繁樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/08 F04B 27/14 F04B 49/00 361

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランク室と、該クランク室内に延在し回
    転自在に支承された駆動軸と、該駆動軸に固着されたロ
    ータと、該駆動軸に嵌装されたスリーブに傾動可能に枢
    支され、かつヒンジ機構を介して該ロータに支持された
    回転斜板と、該回転斜板に連係され、その回転揺動に基
    づいて各ボア内を直動する複数のピストンと、上記ボア
    内へ流体を供給する吸入室と、上記ボア内で圧縮された
    流体が吐出される吐出室と、上記クランク室内の圧力を
    調整する制御弁とを含み、上記制御弁により吸入室圧力
    とクランク室圧力との差圧を調節し、上記回転斜板の傾
    角を変えることにより上記流体のボアへの取込み容積を
    可変すべく構成した可変容量型圧縮機において、上記ク
    ランク室と吐出室とを連通する強制圧力通路と、該強制
    圧力通路に介装された開閉弁と、該開閉弁を開閉する電
    磁制御手段と、該開閉弁と連動し、開弁による上記スリ
    ーブを介した回転斜板の零容量姿勢の保持と、閉弁によ
    可変容量姿勢への復帰とを行わしめる姿勢変換手段
    と、機体に装着された感温センサとを有し、上記電磁制
    御手段を操作する操作回路に、圧縮機の運転状態を該零
    容量姿勢と該可変容量姿勢とに切替える起動スイッチ
    、圧縮機の運転状態を該零容量姿勢から該可変容量姿
    勢へ復帰させ得る上記感温センサのリードスイッチとを
    並列接続せしめたことを特徴とする可変容量型圧縮機。
JP07235193A 1993-03-30 1993-03-30 可変容量型圧縮機 Expired - Fee Related JP3289848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07235193A JP3289848B2 (ja) 1993-03-30 1993-03-30 可変容量型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07235193A JP3289848B2 (ja) 1993-03-30 1993-03-30 可変容量型圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06280746A JPH06280746A (ja) 1994-10-04
JP3289848B2 true JP3289848B2 (ja) 2002-06-10

Family

ID=13486808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07235193A Expired - Fee Related JP3289848B2 (ja) 1993-03-30 1993-03-30 可変容量型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3289848B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10331769A (ja) * 1997-05-30 1998-12-15 Zexel Corp 冷媒圧縮機
JP4506031B2 (ja) * 2001-05-22 2010-07-21 株式会社日本自動車部品総合研究所 可変容量式圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06280746A (ja) 1994-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3432994B2 (ja) 可変容量型圧縮機用制御弁
EP0848164B1 (en) Control valve in variable displacement compressor
JP3728387B2 (ja) 制御弁
JP3131015B2 (ja) 電磁式制御弁
US6234763B1 (en) Variable displacement compressor
US5547346A (en) Variable displacement compressor
JP3282457B2 (ja) 片頭ピストン型圧縮機
JP3255008B2 (ja) 可変容量圧縮機及びその制御方法
JPH07127566A (ja) クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機
JP2002054561A (ja) 容量可変型圧縮機の制御弁及び容量可変型圧縮機
JP3254872B2 (ja) クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機
JP2000045940A (ja) 可変容量型圧縮機
JP3289848B2 (ja) 可変容量型圧縮機
JPH03134268A (ja) 可変容量式斜板型圧縮機
JP2000120912A (ja) 可変容量型圧縮機用制御弁
JP3182950B2 (ja) 片側ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造
JP3214354B2 (ja) クラッチレス可変容量圧縮機
JP3292337B2 (ja) クラッチレス片側可変容量型圧縮機
JP3182956B2 (ja) クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機
JP3125461B2 (ja) 可変容量型圧縮機
JPH06288348A (ja) 揺動斜板式可変容量圧縮機
JPH11201054A (ja) 可変容量型圧縮機用制御弁
JP3182955B2 (ja) 片側ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造
JPH06213150A (ja) クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機
JP3254820B2 (ja) クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees