JP3289395B2 - 酸化物超電導薄膜の作製方法 - Google Patents

酸化物超電導薄膜の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導薄膜の作
製方法に関する。より詳細には、成膜後に熱処理等を行
わずに表面清浄性、結晶性、超電導特性の優れた酸化物
超電導薄膜をMBE法により作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物超電導体は、従来の金属系超電導
体に比較して臨界温度が高く、実用性がより高いと考え
られている。例えば、Y−Ba−Cu−O系酸化物超電導体
の臨界温度は80K以上であり、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸
化物超電導体およびTl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導
体の臨界温度は 100K以上と発表されている。酸化物超
電導体の超電導特性には結晶異方性があり、特に臨界電
流密度は結晶のc軸に垂直な方向が最も大きい。そのた
め、酸化物超電導体を使用する場合には、結晶方向に注
意を払う必要がある。
【0003】酸化物超電導体を超電導素子、超電導集積
回路等いわゆる超電導エレクトロニクス技術に応用する
場合、一般には酸化物超電導体を薄膜化して使用しなけ
ればならない。酸化物超電導体を薄膜化した場合には、
上記の超電導特性の結晶異方性の問題はより顕著にな
る。また、高性能な超電導素子、超電導集積回路を実現
するためには、基板に平行な方向に電流が流れる超電導
電流路と、基板に垂直な方向に電流が流れる超電導電流
路とが必要となる。例えば、電極等は基板に平行な方向
の電流が流れ、層間配線には基板に垂直な方向の電流が
流れる。従って、酸化物超電導体を超電導素子、超電導
集積回路に使用する場合、基板に平行な方向の臨界電流
密度が高いc軸配向の酸化物超電導薄膜と、基板に垂直
な方向の臨界電流密度が高いa軸配向(またはb軸配
向、以下本明細書ではより一般的なa軸配向に代表させ
て記す)の酸化物超電導薄膜とを作製しなければならな
い。
【0004】多層構造の超電導素子、超電導集積回路を
作製する場合、上記のc軸配向の酸化物超電導薄膜とa
軸配向の酸化物超電導薄膜とを積層する必要がある。酸
化物超電導薄膜を配向性は、成膜温度(一般には成膜時
の基板温度である)で制御される。即ち、a軸配向の酸
化物超電導薄膜を形成する場合には、c軸配向の酸化物
超電導薄膜を形成する場合の基板温度よりも約50〜100
℃低い基板温度で成膜を行えばよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に複数の薄膜を積
層する場合、下層の薄膜の表面の清浄性、結晶性が問題
になる。下層の薄膜の表面が清浄でないと、下層の薄膜
の表面に堆積した汚染物質、下層の薄膜の表面に形成さ
れた酸化物等により界面において上層の薄膜と下層の薄
膜とが物理的あるいは電気的に不連続となってしまう。
また、超電導薄膜同士を積層する場合には、不必要な弱
結合が形成されてしまう。従って、素子、集積回路の性
能が所定の値にならなかったり、動作しなかったりする
ことがある。
【0006】特に酸化物超電導体は、コヒーレンス長が
非常に短いので、酸化物超電導薄膜を下層の薄膜として
その上にさらに薄膜を積層する場合には、酸化物超電導
薄膜の表面状態に特に注意を払わなければならない。さ
らに酸化物超電導体結晶中の酸素は、比較的不安定で結
晶中から容易に抜けることがある。酸素を失うと、酸化
物超電導体の超電導特性は極めて低下し、極端な場合に
は超電導性を示さない場合がある。即ち、下層の薄膜と
して使用する酸化物超電導薄膜の表面は、清浄であり、
結晶性、超電導性に優れていることが要求される。
【0007】従来酸化物超電導薄膜上に他の薄膜を積層
する場合には、下層の酸化物超電導薄膜を成膜後高真空
中で加熱処理して表面を清浄にしていた。しかしなが
ら、この方法では、酸化物超電導薄膜を構成する酸化物
超電導体中の酸素が失われて酸化物超電導薄膜の超電導
性が失われてしまうことがあった。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決した、後処理なしで表面の各状態が優れた
酸化物超電導薄膜を作製する方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、基板上
にMBE法により酸化物超電導薄膜を作製する方法にお
いて、1×10-9Torr以下の圧力に排気された真空チャン
バ内に、該排気を行いながらO3 を5〜70体積%含むO
2 、純N2Oまたは純NO2を供給して該真空チャンバ内
の圧力を6×10-6〜8×10-5Torrに維持し、前記基板を
加熱しながら成膜を行うことを特徴とする酸化物超電導
薄膜の作製方法が提供される。
【0010】本発明では、成膜を行った後、成膜時の雰
囲気下で基板温度を室温まで降温することが好ましい。
【0011】また、本発明においては、1×10-9Torr以
下の圧力に排気された真空チャンバ内に、該排気を行い
ながらO3 を5〜70体積%含むO2、純N2Oまたは純N
2を供給して該真空チャンバ内の基板近傍の圧力を6
×10-6〜8×10-5Torrに維持し、650〜730℃に加熱した
基板上に、金属Yがセットされた1150〜1350℃のクヌー
ドセンセル蒸発源からYを、金属Baがセットされた570
〜640℃のクヌードセンセル蒸発源からBaを、金属Cuが
セットされた950〜1090℃のクヌードセンセル蒸発源か
らCuを供給して成膜を行い、成膜後成膜時の雰囲気下で
基板温度を室温まで降温することを特徴とする酸化物超
電導薄膜の作製方法が提供される。
【0012】上記本発明の方法においては、1×10-9To
rr以下の圧力に排気された真空チャンバ内に、該排気を
行いながらO3 を8体積%含むO2 を供給して該真空チ
ャンバ内の基板近傍の圧力を5×10-5Torrに維持し、70
0℃に加熱した基板上に、金属Yがセットされた1220℃
のクヌードセンセル蒸発源からYを、金属Baがセットさ
れた620℃のクヌードセンセル蒸発源からBaを、金属Cu
がセットされた1000℃のクヌードセンセル蒸発源からCu
を供給して成膜を行い、成膜後成膜時の雰囲気下で基板
温度を室温まで降温することが好ましい。
【0013】
【作用】本発明の方法は、1×10-9Torr以下のバックグ
ラウンド圧力の真空チャンバ内に、O3 を5〜70体積%
含むO2 、純N2Oまたは純NO2を供給して従来よりも
低い6×10-6〜8×10-5Torrの圧力下でMBE法による
成膜を行うところにその主要な特徴がある。真空チャン
バ内のバックグラウンド圧力が、1×10-9Torr以下と非
常に低く、リークやチャンバ内のガス発生がないので、
本発明の方法で作製される酸化物超電導薄膜上には汚染
物質(炭化水素、金属炭化物)が堆積しない。
【0014】本発明の方法では、上記の成膜を行った
後、成膜時の雰囲気下で基板温度を室温まで降温するこ
とが好ましい。この降温時に酸化物超電導薄膜を構成す
る酸化物超電導体結晶は、正方晶から斜方晶へ変態す
る。
【0015】本発明の方法は、より具体的には、1×10
-9Torr以下の圧力に排気された真空チャンバ内に、該排
気を行いながらO3 を5〜70体積%含むO2 、純N2
または純NO2を供給して該真空チャンバ内の圧力を6
×10-6〜8×10-5Torrに維持し、650〜730℃に加熱した
基板上に、約1150〜1350℃の金属Yがセットされたクヌ
ードセンセル蒸発源からYを、約570〜640℃の金属Baが
セットされたクヌードセンセル蒸発源からBaを、約950
〜1090℃の金属Cuがセットされたクヌードセンセル蒸発
源からCuを供給して成膜を行い、成膜後成膜時の雰囲気
下で基板温度を室温まで降温する方法とすることができ
る。
【0016】本発明の方法において、基板温度が650℃
未満の場合は、a軸配向の部分とc軸配向の部分が混在
した多結晶の酸化物超電導薄膜となってしまう。また、
基板温度が730℃を超えると、Cuが酸化されずY1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導体が生成されない。MBE法により
酸化物超電導薄膜を成膜する場合には、クヌードセンセ
ルの温度が極めて重要であるが、各クヌードセンセルの
温度は蒸発源に使用する材料だけでなく、MBE装置各
部の幾何学的な配置、クヌードセンセルの材質等により
異なる値となる。本発明の方法では、各クヌードセンセ
ルの温度を上記の範囲に設定することにより、特性の優
れた酸化物超電導薄膜を成膜することができる。本発明
の方法における典型的な値としては、基板温度700℃、
金属Yのクヌードセンセル1220℃、金属Baのクヌードセ
ンセル620℃、金属Cuのクヌードセンセル1000℃が挙げ
られる。
【0017】本発明の方法では、酸化ガスとしてO3
5〜70体積%含むO2、純N2Oまたは純NO2を使用す
ることが好ましい。これらのガスは、純粋なO2よりも
酸化力が強く、特にチャンバ内の圧力が低いMBE法で
金属を蒸発源に使用して酸化物超電導薄膜を作製する場
合には好ましい。しかしながら、O3を含むO2を使用す
る場合には、O3が70体積%を超えると、却って特性の
よい酸化物超電導薄膜が得られないことがある。従っ
て、本発明の方法で酸化ガスにO3を含むO2を使用する
場合には、O3を5〜70体積%含むO2を使用することが
好ましく、特に8体積%が好ましい。
【0018】さらに、本発明の方法では、酸化物超電導
薄膜の成長速度を5〜20Å/分にすることが好ましい。
酸化物超電導薄膜の成長速度は、基板温度、各クヌード
センセルの温度、MBE装置各部の幾何学的な配置、ク
ヌードセンセルの材質、チャンバ内圧力、チャンバ内の
雰囲気等に影響される。本発明の方法では、酸化物超電
導薄膜の成長速度が上記の範囲内である場合に高品質の
薄膜が得られる。
【0019】本発明の方法で作製された酸化物超電導薄
膜は、表面が清浄で、結晶性、超電導性に優れているの
で、その上に他の材料の薄膜、配向性が異なる酸化物超
電導薄膜等を積層するのに適している。特に、本発明の
方法では、成膜工程のみで後処理を全く必要とせずに、
表面の状態が優れた酸化物超電導薄膜を作製できるの
で、その上に連続的に他の薄膜を成長させることが可能
であり、生産効率の向上にも寄与する。
【0020】本発明の方法は、任意の酸化物超電導体に
適用することが可能であり、上記のY−Ba−Cu−O系酸
化物超電導体の他に、特にBi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物
超電導体、Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体に適用
することが好ましい。これらの酸化物超電導体は、臨界
温度を始めとする各種の超電導特性が現在のところ最も
優れているからである。
【0021】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0022】
【実施例】本発明の方法により、Y1Ba2Cu37-X酸化物
超電導薄膜を作製した。図4を参照して本発明の方法を
実施するMBE装置の構成を説明する。図4に示したM
BE装置は、主排気系1を備えた真空チャンバ2と、こ
の真空チャンバ2の底部に装着された蒸発源を収容する
ためのクヌードセンセル(以下、Kセルと記載する)3
および真空チャンバ2の頂部に装着された基板4を保持
するための基板ホルダ5とを具備する。基板ホルダ5に
は、基板4を加熱するためのヒータ5aが設けられてい
る。さらに、試料導入部10や、蒸発源の周囲にコールド
トラップを構成するための液化窒素シュラウド6や、成
膜中の薄膜を観測するための反射高速電子線回折装置
(以下、RHEEDと記載する)8等が装備されてい
る。また、基板4の直前には、成膜処理の断続を制御す
るためのシャッタ9が設けられている。さらに、必要に
応じて、Kセル3を複数設けたり、Kセル3の代わりに
電子銃11を装着する場合もある。
【0023】図4のMBE装置で特に特徴的なのは、真
空チャンバ2のほぼ中央付近に設けられた絞り手段21お
よびゲートバルブ22と、ゲートバルブ22の基板側に装着
された副排気系20とを備えている点である。絞り手段21
は、中央に貫通孔を有する板状の部材により構成されて
いる。この貫通孔は、Kセル3および電子銃11から基板
4に向かって照射される分子ビームを妨げないように設
けられている。このような絞り手段21を真空チャンバ2
内に設けることにより、真空チャンバ2内の基板4側と
蒸発源側との間の実効的な口径が小さくなり、基板4側
と蒸発源側との間に差圧を発生させ易くなる。尚、絞り
手段21の構成は、これに限定されるものではなく、真空
チャンバ内で、基板側と蒸発源側との間の気体の流通を
妨害できるようなものであれば、如何なるものでも使用
できる。
【0024】また、ゲートバルブ22は、絞り手段21に設
けられた貫通孔21を閉塞することができるように構成さ
れており、閉じた状態では、真空チャンバ2の基板側と
蒸発源側とを気密に遮断することができるように構成さ
れている。尚、図示されていないが、ゲートバルブ22は
真空チャンバ2の外部からその開閉を操作できるように
構成されている。
【0025】さらに、副排気系20は、絞り手段21および
ゲートバルブ22に対して基板4側に設けられており、真
空チャンバ2の基板側を排気することができる。副排気
系20としてはターボポンプやクライオポンプ等が好まし
い。尚、絞り手段21およびゲートバルブ22に対して蒸発
源側に設けられる主排気系1としては、拡散ポンプ等を
使用することが好ましい。
【0026】上記のMBE装置を使用して、本発明の方
法でc軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜を作製
した。以下に手順を説明する。最初に基板4を基板ホル
ダ5に、蒸発源をKセル3にそれぞれセットした後、真
空チャンバ2内を1×10-9Torr以下の高真空に排気す
る。本実施例では、基板4にMgOを、蒸発源には金属
Y、金属Baおよび金属Cuをそれぞれ異なるKセルにセッ
トして使用した。続いて、真空チャンバ2の排気を行い
ながら給気系7から、O3を8体積%含むを供給し、基
板4の周辺の圧力を5×10-5Torrに調整する。このMB
E装置には絞り手段21が設けられているので、蒸発源側
は基板周辺よりもさらに一桁以上低い圧力となる。ま
た、給気系7から噴出する酸素ガスが基板の成膜面にあ
たるように装置を構成することにより、成膜面における
実質的な酸素圧を更に高くすることができる。
【0027】上記のO2 の供給と同時に、ヒータ5aお
よびKセル3により、基板および蒸発源をそれぞれ所定
の温度まで加熱する。本実施例では、基板温度は700
℃、各Kセルの温度は、Yセルを1220℃、Baセルを620
℃、Cuセルを1000℃とした。蒸発源から分子ビームが安
定に発生するようになったらシャッタ9を開いて成膜を
開始する。このとき、RHEED8により薄膜の成長状
態を観察することができる。本実施例では、10Å/分の
成膜速度で900Åの厚さの酸化物超電導薄膜を成長させ
た。
【0028】上記の成膜により、基板4上の薄膜が所定
の膜厚900Åに達したら、成膜時の雰囲気を維持したま
まヒータ5aを切り、基板温度を降温させる。このよう
に作製したc軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜
の表面を大気にさらさない状態でXPS、LEEDで評
価した。その結果を、図1〜図3に示す。
【0029】図1は、上記本発明の方法で作製した酸化
物超電導薄膜のLEED像である。図1のLEED像に
スポットが見られることから、本発明の方法で作製した
酸化物超電導薄膜の表面は結晶性表面である。図2およ
び図3は、上記本発明の方法で作製した酸化物超電導薄
膜のXPSスペクトルである。図2は、Yの3pピーク
と、Cのピークとが見られる領域のスペクトルである。
図2からわかるように、本発明の方法で作製された酸化
物超電導薄膜の表面にはCのピークが観察されない。従
って、本発明の方法で作製された酸化物超電導薄膜の表
面には、汚染物質であるC化合物が存在しておらず、清
浄である。図3は、Cuのピークが見られる領域のスペク
トルである。図3からわかるように、本発明の方法で作
製された酸化物超電導薄膜の表面は、Cuのサテライトピ
ークが強い。これは、表面が良好な超電導性を有するこ
とを示している。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従えば、
良好な表面状態を有する酸化物超電導薄膜を成膜しただ
けで後処理なしで得られる作製方法が提供される。本発
明の方法により作製される酸化物超電導薄膜は、表面の
清浄性、結晶性、超電導特性が優れているので、積層膜
の下層に使用した場合に界面における整合性が良好にな
る。本発明を超電導素子、超電導集積回路の作製に応用
することにより、従来得られなかった高性能な超電導装
置が作製可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で作製した酸化物超電導薄膜の結
晶状態を示す写真である。
【図2】本発明の方法で作製した酸化物超電導薄膜の表
面の状態を示すXPSスペクトルである。
【図3】本発明の方法で作製した酸化物超電導薄膜の表
面の状態を示すXPSスペクトルである。
【図4】本発明の方法を実施するMBE装置の一例の概
略図である。
【符号の説明】
1・・主排気系、 2・・真空チャ
ンバ、3・・クヌードセンセル(Kセル)、 4・・基
板、5・・基板ホルダ、 5a・・ヒ
ータ、6・・液体窒素シュラウド、 7・・給
気系、8・・反射高速電子線回折装置(RHEED)、
9・・シャッタ、 10・・試料導入
部、11・・電子銃、 20・・副排
気系、21・・絞り手段、 22・・ゲ
ートバルブ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にMBE法により酸化物超電導薄
    膜を作製する方法において、1×10-9Torr以下の圧力に
    排気された真空チャンバ内に、該排気を行いながらO3
    を5〜70体積%含むO2 、純N2Oまたは純NO2を供給
    して該真空チャンバ内の圧力を6×10-6〜8×10-5Torr
    に維持し、前記基板を加熱しながら成膜を行うことを特
    徴とする酸化物超電導薄膜の作製方法。
  2. 【請求項2】 成膜を行った後、成膜時の雰囲気下で基
    板温度を室温まで降温することを特徴とする請求項1に
    記載の酸化物超電導薄膜の作製方法。
  3. 【請求項3】 基板上にMBE法により酸化物超電導薄
    膜を作製する方法において、1×10-9Torr以下の圧力に
    排気された真空チャンバ内に、該排気を行いながらO3
    を5〜70体積%含むO2 、純N2Oまたは純NO2を供給
    して該真空チャンバ内の基板近傍の圧力を6×10-6〜8
    ×10-5Torrに維持し、650〜730℃に加熱した基板上に、
    金属Yがセットされた1150〜1350℃のクヌードセンセル
    蒸発源からYを、金属Baがセットされた570〜640℃のク
    ヌードセンセル蒸発源からBaを、金属Cuがセットされた
    950〜1090℃のクヌードセンセル蒸発源からCuを供給し
    て成膜を行い、成膜後成膜時の雰囲気下で基板温度を室
    温まで降温することを特徴とする酸化物超電導薄膜の作
    製方法。
  4. 【請求項4】 1×10-9Torr以下の圧力に排気された真
    空チャンバ内に、該排気を行いながらO3 を8体積%含
    むO2 を供給して該真空チャンバ内の基板近傍の圧力を
    5×10-5Torrに維持し、700℃に加熱した基板上に、金
    属Yがセットされた1220℃のクヌードセンセル蒸発源か
    らYを、金属Baがセットされた620℃のクヌードセンセ
    ル蒸発源からBaを、金属Cuがセットされた1000℃のクヌ
    ードセンセル蒸発源からCuを供給して成膜を行い、成膜
    後成膜時の雰囲気下で基板温度を室温まで降温すること
    を特徴とする請求項3に記載の酸化物超電導薄膜の作製
    方法。
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