JP3287934B2 - デジタルフィルタ及びそのろ波方法 - Google Patents

デジタルフィルタ及びそのろ波方法

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JP3287934B2
JP3287934B2 JP31207993A JP31207993A JP3287934B2 JP 3287934 B2 JP3287934 B2 JP 3287934B2 JP 31207993 A JP31207993 A JP 31207993A JP 31207993 A JP31207993 A JP 31207993A JP 3287934 B2 JP3287934 B2 JP 3287934B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/06Non-recursive filters
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N5/00Details of television systems
    • H04N5/14Picture signal circuitry for video frequency region

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル・フィルタリ
ング(ろ波)の分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有限インパルス応答フィルタ(FIR)
や無限インパルス応答(IIR)フィルタの如く、接続
された一連の遅延素子より成り、それらの間からタップ
を取出し、これを乗算器に接続したデジタルフィルタは
公知である。乗算器は、そのタップ値に適切な加重(重
み付け)係数を乗じ、加重した値を加算器に送り、ろ波
した出力値を発生している。かかるデジタルフィルタ
は、例えば、画像データ圧縮システム内における空間領
域から周波数領域への変換の一部として行われる周波数
分離及び合成の如き、高品位信号処理技術に用いるのに
適する正確で安定なフィルタ特性を与えることができ
る。
【0003】このタイプのデジタルフィルタに関する1
つの問題は、遅延素子のチェーン(連なり)の長さから
来ている。フィルタの中には、遅延素子の数が何十又は
何百にも及ぶものがある。データをろ波する場合は一般
に、入力データ値内の個々の位置が遅延素子のチェーン
の中央に在る時に、入力データ値内の当該位置に関する
ろ波(された)出力値が発生されている。ろ波しようと
するデータ値は、ラスタ画像からの画像データ値のライ
ンの如き、データ値のブロックを形成することが多い。
この場合、該ブロックのエッジ(端縁)に対するろ波値
は、該ブロックのエッジに対応する入力データ値が遅延
素子のチェーンの中央に在る時に出力されるが、その
時、遅延素子のチェーンには、有効データが半分しか満
たされていないことになる。これは補償しないと、望ま
しくない歪み(エッジ効果)が生じるであろう。
【0004】これに対処する1つの技法は、同時係属中
の英国特許出願9124343.6号に記載されている
ようにデータのエッジを拡張することである。エッジの
拡張には、幾つかの慣用手段がある。その1つは、いわ
ゆる対称的エッジ拡張である。これは、恰もデータ値が
エッジに置かれた鏡によって反射されたかのように、デ
ータ値をデータブロックのエッジの周りに繰返すやり方
である。今、次のようなデータブロックを考える。 1,2,3,4,‥‥,n−3,n−2,n−1,n このデータブロックが対称的エッジ拡張を受けると、例
えば次のようになる。 3,2,1,2,3,4,‥‥,n−3,n−2,n−
1,n,n−1,n−2
【0005】このようなエッジ拡張を行う1つの方法
は、各データブロック値をメモリに記憶し、該データ値
をメモリからエッジが拡張されたデータブロックが生じ
るように修正した順序で読出すことである。これは、デ
ータ値を正確な順序で発生するには効果があるが、扱う
データの量が多くシステム処理に遅れを生じるような画
像処理機器では、大量のメモリを要する欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、大量のメモリを用いることなく、上述のエッジ
効果を減らすための対称データ拡張を行いうるデジタル
フィルタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、一面
からみて、データ値ブロックをろ波するデジタルフィル
タを提供する。該デジタルフィルタは、データ値を記憶
する遅延素子のチェーンと、非隣接遅延素子の入力間で
データ値を選択的に回送して、上記データ値ブロックの
対称的エッジ拡張を行う少なくとも1つのマルチプレク
サとを具える。
【0008】本発明では、フィルタの遅延素子自身をメ
モリとして動作するように使用する。即ち、メモリから
のデータ値を、前のエッジ(前縁)の前方又は後のエッ
ジ(後縁)の後方の位置に移すようにマルチプレクサで
切替えて、エッジ拡張を行うのである。この方法によれ
ば、以前に提案された技法に関連する余計なハードウェ
アを必要とせず、また遅延を回避することができる。
【0009】後縁でエッジ拡張を行う好適な具体構成で
は、上記少なくとも1つのマルチプレクサは、データ値
ブロックの後縁で対称エッジ拡張を行うために、1つお
きの遅延素子から上流の遅延素子の入力にデータ値を戻
すブロック後縁マルチプレクサを有する。
【0010】デジタルフィルタが時に長くて何十又は何
百もの遅延素子を含むことは、前述のとおりである。か
かるフィルタでは、各タップのデータ値に乗じる係数
が、フィルタの中央から離れると著しく減少するのが普
通である。したがって、フィルタ中央のデータ値は、フ
ィルタのエッジ近くのものより、対応する出力値に対し
大きな影響を与える。このため、後縁周辺の遅延素子に
無効データを含ませたままでも、重要な中央遅延素子部
にデータを満たすに十分なエッジ拡張をすれば、まずま
ずの結果が得られる。
【0011】しかし、遅延素子のチェーンが短く高品質
が最も重要な場合には、上記ブロック後縁マルチプレク
サは、その遅延素子チェーン内の最初の遅延素子の入力
にデータ値を戻す。
【0012】チェーン内の最初の遅延素子にデータ値を
戻すことにより、フィルタは、後縁がフィルタの中央に
達する時までには十分に有効データで満たされるであろ
う。
【0013】前縁でエッジ拡張を行う好適な具体構成で
は、上記少なくとも1つのマルチプレクサは、データ値
ブロックの前縁で対称エッジ拡張を行うために、下流の
非隣接遅延素子にデータ値を送る少なくとも1つのブロ
ック前縁マルチプレクサを有する。
【0014】前縁で効果的なエッジ拡張を達成する便利
な方法は、上記少なくとも1つのブロック前縁マルチプ
レクサに、各々が1つおきの遅延素子の1つにデータ値
を送る複数のブロック前縁マルチプレクサを含めること
である。
【0015】各ブロック前縁マルチプレクサは、その対
応する遅延素子への入力として、その前の遅延素子にあ
るデータ値又は非隣接の上流遅延素子からのデータ値の
いずれか一方を選択することができる。
【0016】上述と同様に、遅延素子の長いチェーンを
エッジ拡張データで十分に満たす固定費が正当かどうか
の間にバランスがある。品質が重要な短いフィルタの場
合、上記複数のブロック前縁マルチプレクサは、データ
値を入力から上記チェーン内の1つの遅延素子に送る作
用を行う。
【0017】2つの異なるフィルタのろ波動作を実効的
に行うのに、1つのデジタルフィルタのハードウェアを
用いるのが便利なことがある。これは、遅延素子がマル
チ(多)サンプル遅延期間を有し、デジタル値ブロック
が多重化されたデータ値のセット(組)を含み、デジタ
ルフィルタが多重化された異なるデータ値セットに用い
るための切替え可能なフィルタ係数セットを有すること
で達成される。
【0018】データ値セットの多重化(並直列変換)
も、本発明のエッジ拡張動作によって処理することがで
きる。データブロックは、同相である必要は全くない。
即ち、多重化データブロックの1つのエッジが、必ずし
も他の多重化データブロックのエッジと同じ所にある必
要はない。
【0019】前述のように、デジタルフィルタは多くの
異なる分野で使用されている。しかし、本発明のフィル
タは、デジタルフィルタが画像データを空間領域と周波
数領域の間で変換する場合に、特に有用であることが分
かった。
【0020】本発明は、他の面からみて、データ値ブロ
ックをデジタル的にろ波する方法を提供する。その方法
は、データ値を遅延素子のチェーン内に記憶すること、
データ値を非隣接遅延素子の入力の間で選択的に回送し
て、上記データ値ブロックの対称的エッジ拡張を行うこ
との各ステップを含む。
【0021】
【実施例】以下、図面により本発明を具体的に説明す
る。図1は、ラスタ画像データにエッジ拡張を施した例
を示す図である。同図において、1は、空間周波数領域
に変換するためにサブバンド・フィルタリング(帯域分
割ろ波)を受けることになっている画像データ値のアレ
イを示す。水平空間周波数分離を行うため、画像データ
は、水平方向にラスタ走査され、高及び低デジタル有限
インパルス応答フィルタに通される。データの各水平ラ
スタラインは、能動部分Aをもつデータ値のブロックを
形成する。エッジ効果を減らすために、該ブロックの前
縁と後縁に対称的拡張Eが適用されている。
【0022】図2〜7は、前縁で対称エッジ拡張を行う
本発明デジタルフィルタの動作を説明するためのもの
で、7タップ付き有限インパルス応答フィルタの一部分
の動作状態を夫々示している。図示のフィルタは、遅延
素子のチェーン2,4,6,8,10,12を有する。
チェーンの始めと終わり及び各遅延素子の間からタップ
が取出され、これらタップ値は、夫々の係数乗算器(図
示せず)に供給され、それから通常の如く加算器(図示
せず)に送られる。
【0023】2方向マルチプレクサ14,16,18
(ブロック前縁マルチプレクサ)が1つおきの遅延素子
の間に位置し、これは、その下流の遅延素子をその前の
遅延素子又は第1遅延素子2の入力のいずれか一方に接
続する動作をする。
【0024】図2は、フィルタがデータ値ブロック内の
最初のデータ値「d1」を受信した時の状態を示す。2
方向マルチプレクサ14,16,18はすべて、この入
力値を選択する。該入力値はまた、通常のように遅延素
子2内に記憶される。
【0025】図3は、第2のデータ値「d2」を受信し
た時の状態を示す。2方向マルチプレクサ14,16,
18は、第1遅延素子2に入力されたデータ値「d2」
を選択し続ける。前に記憶された第1のデータ値「d
1」は、それらの前位置の下流の遅延素子にクロックイ
ンされる(クロックで送り込まれる)。
【0026】図4は、第3のデータ値「d3」の受信時
を示す。2方向マルチプレクサ14は、その状態を変更
して先行する前の遅延素子4のデータ値を選択し、これ
を遅延素子6に供給する。他の2方向マルチプレクサ1
6,18は、第1遅延素子2に入力されたデータ値を選
択し続ける。遅延素子2,4,6,8,10,12はま
た、適切な場合、クロックにより前に記憶したデータ値
を先に進める。
【0027】図5は、第4のデータ「d4」の受信時を
示す。今度は2方向マルチプレクサ16が切替わり、遅
延素子8から遅延素子10の入力にデータ値が送られ
る。2方向マルチプレクサ18は、現入力データ「d
4」を選択し、これを遅延素子12の出力ではなく最終
の下流タップに供給する。前に記憶されたデータ値は、
フィルタのクロックによって先に進められる。
【0028】図5において、最初の入力データ値「d
1」が今や7タップ・フィルタの中央タップに達したこ
とが見られるであろう。この時点で、水平ラスタ走査ラ
インのエッジ位置に対応する最初のろ波出力値が読出さ
れることが望まれる。2方向マルチプレクサ14,1
6,18の動作は、データ値を前方へ供給して前縁を効
果的に拡張することであった。こうして、7タップに存
在するデータ値が、第1データ値「d1」を中心として
対称的に拡張されることが分かるであろう。
【0029】図6及び7は、フィルタが第5及び第6の
データ値「d5」、「d6」を受信した時の状態を示
す。第5データ値「d5」の場合、2方向マルチプレク
サ18は、遅延素子12からの出力を選択し、これを最
終タップに供給する。他の全部の遅延素子にあるデータ
値は、位置が1つずつ進められる。今度は第2データ値
「d2」がフィルタの中央タップ位置にあり、拡張され
たデータは、フィルタの終端から落とされ始める。この
動作は、図7に示すように、第6データ値「d6」及び
後続のデータ値すべてに対して続けられ、最後にデータ
値ブロックの後縁に達する。
【0030】図8〜11は、データ値のブロック後縁に
おける対称エッジ拡張を示す。4方向マルチプレクサ
(ブロック後縁マルチプレクサ)32が、7タップ・フ
ィルタの遅延素子チェーン20,22,24,26,2
8,30の入力端に配置される。4方向マルチプレクサ
32は、第1遅延素子20への入力として新しいデータ
か又は連続する1つおきのタップからのデータのいずれ
かを選択できる。
【0031】図8は、データブロックの最後のデータ値
「dn」の入力時のフィルタの状態を示す。このデータ
値「dn」は、4方向マルチプレクサ32により選択さ
れ、第1遅延素子20に供給される。
【0032】図9は、次のクロック周期におけるフィル
タの状態を示す。この場合、4方向マルチプレクサ32
は、第2遅延素子22及び第3遅延素子24の間からの
データ値「d(n−1)」を選択する。このデータ値
「d(n−1)」は、第1遅延素子20に供給される。
【0033】図10及び11は、次の2クロック周期を
示し、その間、4方向マルチプレクサ32は、第1遅延
素子20への入力として夫々データ値d(n−2)及び
d(n−3)を選択する。
【0034】図11に示す状態では、データ値ブロック
の最後のデータ値「dn」が中央タップに位置してい
る。この時点で、連続する遅延素子からのタップには対
称的に拡張されたデータ値が現れる。図11の状態にお
けるフィルタからの出力が、データブロックの最終有効
出力となる。
【0035】図12は、ブロック前縁及び後縁のエッジ
拡張の両方を行いうるデジタルフィルタを示すブロック
図である。同図のフィルタは、図2〜7に示したような
前縁エッジ拡張と、図8〜11に示したような後縁エッ
ジ拡張との両方を行える総合フィルタである。このフィ
ルタも、各々がnサンプルの遅延を生じる遅延素子3
6,38,42,44,48をもつ7タップ・フィルタ
である。2方向ブロック前縁マルチプレクサ40,4
6,52は、夫々の制御信号S40,S46,S52に
よって制御され、図2〜7に従ってブロック前縁での対
称エッジ拡張を行う。4方向ブロック後縁マルチプレク
サ34は、制御信号S34によって制御され、図8〜1
1に従ってブロック後縁での対称エッジ拡張を行う。
【0036】図13は、FIRフィルタの概念図であ
る。かかるフィルタは、単に入力データとクロック信号
をその入力とし、一定のフィルタ係数を適用してろ波出
力データを発生するものである。上述のフィルタの場
合、マルチプレクサの動作状態(ステート)を選択する
ため別に制御信号をフィルタに供給する。
【0037】各データ値ブロック内のどの点に達してい
るかを指示するために、カウンタ(図示せず)を用い
る。このカウンタの出力は、図2〜7、図8〜11及び
図12に示すマルチプレクサを所要時間に切替える制御
信号を発生するステートマシン(図示せず)に供給する
ことができる。ステートマシンは、データブロック内の
位置とマルチプレクサのステートとの間を直接マッピン
グしたものがあれば、比較的簡単に構成できる。
【0038】フィルタに供給する制御信号はまた、各タ
ップに対する乗算係数を切替えるにも使用できる。こう
すると、与えられたフィルタ・ハードウェアのセット
が、2以上の異なるフィルタ、例えば低域通過フィルタ
や高域通過フィルタの機能を行える効果がある。フィル
タ係数を切替えると、与えられたデータストリーム内の
種々の異なるデータブロックからのデータを効率的に多
重化(並直列変換)することができる。データストリー
ムが対応して多重化されている場合、適切なデータ値を
乗算器に供給して合算するためには、各遅延素子が、多
重化されたデータ値の同じセットのデータ値の間に存在
するデータ値を受入れるのに十分な多サンプル遅延時間
をもつ必要がある。
【0039】図14の(A)及び(B)は、図12の2
方向マルチプレクサ40,46,52を制御して前縁エ
ッジ拡張を行うための回路及び動作を夫々示す図であ
る。カウンタは、0から(n−1)/2まで(ただし、
nはフィルタの長さ(この場合は7)である。)をカウ
ントする。該カウンタからの出力は、Bビット・ワード
(ただし、B=ceil〔log2 (n+1)/2〕
(この場合は2))である。該カウンタには、第1の有
効入力サンプル「d1」の受信時に高から低に変わり、
第3サンプル「d3」の受信時に低から高に変わるリセ
ット信号RSTが与えられる。「d3」サンプルを受信
すると、カウンタは、最初のカウント値「1」を採用
し、後続のサンプルを「3」までカウントし、この
「3」の値を残りの有効データに対して維持する。
【0040】ロジック・デコーダは、カウンタからBビ
ット・カウントを受信し、これを3つの制御信号S4
0,S46,S52にデコードする。これらは、図12
のマルチプレクサ40,46,52を夫々制御する。図
14の(B)に、これら制御信号S40,S46,S5
2のRST信号及び入力されたデータサンプルに対する
タイミングを示す。ロジック・デコーダは、Bビット・
ワードから、S40,S46,S52の各々に対する1
ビットを含む3ビット・ワードへのマッピングを行うP
ROMでよい。或いは、ASIC設計のもつと使い易く
て経済的なハード・ロジック・デコーダを設けてもよ
い。
【0041】サンプル「d1」及び「d2」の受信時、
信号S40,S46,S52はすべて、図2〜3に示す
ように図12のマルチプレクサ40,46,52の同じ
切替え位置に対応する同じ値を有する。「d2」サンプ
ル受信後、チェーン内の第1マルチプレクサ40は、図
4に示す状態に対応するステートに切替える。2つの連
続サンプル「d3」、「d4」受信後は、第2及び第3
のマルチプレクサ46,52は夫々、図5及び6に示す
ようにステートを切替える。Bビット・カウント値が
「3」に達すると、ロジック・デコーダからフィードバ
ック信号がカウンタに加えられ、カウント値は残りの有
効サンプル値の受信の間「3」に維持される。
【0042】最初の3サンプル値「d1」、「d2」、
「d3」の受信の間、制御信号S40,S46,S52
によって制御されるマルチプレクサの動作は、前縁エッ
ジ拡張LEEを発生させることである。第1サンプル
「d1」の受信前では、カウンタのステートは「×」印
で示すように不明確である。
【0043】図15の(A)及び(B)は、図12の4
方向マルチプレクサ34の制御に必要な制御信号S34
の発生方法を示す図である。図14と同様に、Bビット
出力を発生する0〜((n−1)/2)カウンタが設け
られる。最後の有効サンプル「dn」の受信後、カウン
タに加えられるリセット信号RSTは低から高に移り、
カウンタは、後続の各サンプル期間に「1」から「3」
までのカウントを始める。このBビット・カウントは、
4方向マルチプレクサ34に加えられる制御信号S34
として直接使用され、図8〜11に示すように該マルチ
プレクサをその4つの位置に夫々切替える作用をする。
4方向マルチプレクサ34のステートが切替えられる3
サンプル期間に、後縁エッジ拡張TEEが行われる。第
3の無効サンプル後は、「×」印で示すように、もはや
カウンタの値は重要でない。最後の有効サンプル「d
n」の受信前、カウンタ値は、リセット信号RSTによ
って解放されるまで0に保たれる。
【0044】図16〜21は、多重化(間挿)された高
域通過(H)及び低域通過(L)データを含むデータブ
ロックの前縁対称エッジ拡張を示すブロック図である。
遅延素子54,56,58,60,62,64は、2サ
ンプル遅延素子である。本例では、低域通過データ及び
高域通過データは、同相のブロックの形で配列されてい
る。その結果、2方向マルチプレクサ68,70,72
は、データ値の各組(セット)に対し同時に作用する。
よって、図16〜21の各々は、フィルタに加えられた
2クロック周期と、発生された2つのろ波されたデータ
値出力を表す。
【0045】2方向マルチプレクサ68,70,72の
切替動作は、図2〜7の場合と同じである。図19は、
前縁から発生すべき最初のろ波されたデータ値の有効出
力を示し、前縁エッジ・データL1,H1が中央タップ
に位置し、残りのタップは対称的である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
大量のメモリを用いることなく、データブロックのエッ
ジでエッジ効果を減らすための対称的データ拡張を行う
ことができ、さほどの遅延も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラスタ画像データにエッジ拡張を施した例を示
す図である。
【図2】前縁で対称エッジ拡張を行う本発明デジタルフ
ィルタの動作説明図(その1)である。
【図3】前縁で対称エッジ拡張を行う本発明デジタルフ
ィルタの動作説明図(その2)である。
【図4】前縁で対称エッジ拡張を行う本発明デジタルフ
ィルタの動作説明図(その3)である。
【図5】前縁で対称エッジ拡張を行う本発明デジタルフ
ィルタの動作説明図(その4)である。
【図6】前縁でエッジ拡張を行う本発明デジタルフィル
タの動作説明図(その5)である。
【図7】前縁でエッジ拡張を行う本発明デジタルフィル
タの動作説明図(その6)である。
【図8】後縁でエッジ拡張を行う本発明デジタルフィル
タの動作説明図(その1)である。
【図9】後縁でエッジ拡張を行う本発明デジタルフィル
タの動作説明図(その2)である。
【図10】後縁でエッジ拡張を行う本発明デジタルフィ
ルタの動作説明図(その3)である。
【図11】後縁でエッジ拡張を行う本発明デジタルフィ
ルタの動作説明図(その4)である。
【図12】前縁及び後縁のエッジ拡張ができる本発明に
よるデジタルフィルタの要部を示すブロック図である。
【図13】FIRフィルタの概念図である。
【図14】図12の2方向マルチプレクサを制御して前
縁エッジ拡張を行うための回路及び動作を示す図であ
る。
【図15】図12の4方向マルチプレクサを制御して後
縁エッジ拡張を行うための回路及び動作を示す図であ
る。
【図16】多重化された高域通過(H)及び低域通過
(L)データを含むデータブロックの前縁エッジ拡張を
行う本発明デジタルフィルタの動作説明図(その1)で
ある。
【図17】多重化されたH及びLデータを含むデータブ
ロックの前縁エッジ拡張を行う本発明デジタルフィルタ
の動作説明図(その2)である。
【図18】多重化されたH及びLデータを含むデータブ
ロックの前縁エッジ拡張を行う本発明デジタルフィルタ
の動作説明図(その3)である。
【図19】多重化されたH及びLデータを含むデータブ
ロックの前縁エッジ拡張を行う本発明デジタルフィルタ
の動作説明図(その4)である。
【図20】多重化されたH及びLデータを含むデータブ
ロックの前縁エッジ拡張を行う本発明デジタルフィルタ
の動作説明図(その5)である。
【図21】多重化されたH及びLデータを含むデータブ
ロックの前縁エッジ拡張を行う本発明デジタルフィルタ
の動作説明図(その6)である。
【符号の説明】
(2,4,6,8,10,12),(20,22,2
4,26,28,30),(36,38,42,44,
48,50),(54,56,58,60,62,6
4) 遅延素子(そのチェーン) (14,16,18,32),(34,40,46,5
2),(68,70,72) マルチプレクサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−236299(JP,A) 特開 平5−244456(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/14 H04N 5/21 H03H 17/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データ値のブロックをろ波するデジタル
    フィルタであって、 データ値を記憶する遅延素子のチェーンと、 非隣接遅延素子の入力間でデータ値を選択的に回送し
    て、上記データ値ブロックの対称的エッジ拡張を行う少
    なくとも1つのマルチプレクサとを具えるデジタルフィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 上記少なくとも1つのマルチプレクサ
    は、データ値ブロックの後縁で対称的エッジ拡張を行う
    ために、1つおきの遅延素子から上流の遅延素子の入力
    にデータ値を戻すブロック後縁マルチプレクサを有する
    請求項1のデジタルフィルタ。
  3. 【請求項3】 上記ブロック後縁マルチプレクサは、上
    記遅延素子チェーン内の最初の遅延素子の入力にデータ
    値を戻す請求項2のデジタルフィルタ。
  4. 【請求項4】 上記少なくとも1つのマルチプレクサ
    は、データ値ブロックの前縁で対称的エッジ拡張を行う
    ために、下流の非隣接遅延素子にデータ値を送る少なく
    とも1つのブロック前縁マルチプレクサを有する請求項
    1,2,3のうちいずれか1項のデジタルフィルタ。
  5. 【請求項5】 上記少なくとも1つのブロック前縁マル
    チプレクサは、各々が1つおきの遅延素子の1つにデー
    タ値を送る複数のブロック前縁マルチプレクサを有する
    請求項4のデジタルフィルタ。
  6. 【請求項6】 上記複数のブロック前縁マルチプレクサ
    は、データ値を入力から上記遅延素子チェーン内の最初
    の遅延素子に送る作用をする請求項5のデジタルフィル
    タ。
  7. 【請求項7】 上記遅延素子が多サンプル遅延期間を有
    し、上記データ値ブロックが多重化されたデータ値セッ
    トを含み、デジタルフィルタが多重化された異なるデー
    タ値セットに用いるための切替え可能なフィルタ係数セ
    ットを有する上記請求項のうちいずれか1項のデジタル
    フィルタ。
  8. 【請求項8】 上記デジタルフィルタは、空間領域と周
    波数領域との間で画像データを変換するものである上記
    請求項のうちいずれか1項のデジタルフィルタ。
  9. 【請求項9】 データ値ブロックをデジタル的にろ波す
    る方法であって、 データ値を遅延素子のチェーン内に記憶すること、 データ値を非隣接遅延素子の入力の間で選択的に回送し
    て、上記データ値ブロックの対称的エッジ拡張を行うこ
    との各ステップを含むデジタル的ろ波方法。
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