JPH0993486A - ディジタル画像処理装置 - Google Patents

ディジタル画像処理装置

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JPH0993486A
JPH0993486A JP7242662A JP24266295A JPH0993486A JP H0993486 A JPH0993486 A JP H0993486A JP 7242662 A JP7242662 A JP 7242662A JP 24266295 A JP24266295 A JP 24266295A JP H0993486 A JPH0993486 A JP H0993486A
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signal
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Yasuo Takane
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の特定部分に対し特殊効果などの画像処
理を施すことのできる画像処理装置を提供。 【解決手段】 ズーム処理回路24における垂直補間回路
50にブロックごとに分割して読み出された輝度信号が入
力されて垂直方向に補間され、水平補間回路54にて水平
方向に補間され、また、同時化回路60に入力したブロッ
クごとのクロマ信号Cr,Cb はそれぞれ垂直補間回路62お
よび68にて垂直方向に補間されて、さらに水平補間回路
64および72にて水平方向に補間され、サンプリング回路
66から所定の順に出力される。これら補間回路にて補間
された画像信号は、フィルタバンク58および74に入力さ
れて、ズームコントローラ26から出力される制御信号に
従って複数のフィルタ特性のうちの一つが選択され、選
択されたフィルタ特性にてそれぞれブロックごとの画像
信号がフィルタ処理されてフィルタバンクから出力され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の画像を表わ
すディジタル画像信号を画像処理するディジタル画像処
理装置に係り、画像の所望の部分に対して画像加工を行
なうディジタル画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高精細画像を表わすディジタル画
像信号を生成するディジタルスチルカメラなどの撮像装
置から得られた高画素密度の画像信号を、たとえば光デ
ィスクなどの大容量情報記録媒体に記録したり、その画
像信号の表わす画像を可視画像としてプリントすること
が行なわれている。また、動画像を撮影するムービーカ
メラでは、撮像レンズの撮影倍率を可変とするズームレ
ンズが搭載され、また、そのズーム倍率を補うことを一
つの目的として、撮像により得られた各フレームのディ
ジタル画像信号を補間処理して画像を拡大する電子ズー
ミング機能が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子ズーム機能などの画像処理では、処理する画像全体
に対して、特定の画像処理を施すように構成されていた
ので、画像の特定部分に対して画像を特殊加工すること
が困難であった。たとえば、画像信号を画素ごとに補間
処理する電子ズーム機能ではディジタル演算処理量が多
くなり、この機能に対しさらに画像の特定部分をのみを
加工する機能を付加すると、非常に複雑な回路が必要と
され、また、その処理速度が遅くなるという問題があっ
た。
【0004】このような状況の下、たとえば、本出願人
による特許出願、「デジタル画像処理装置(特願平6-86
863 号)」には、小規模の回路構成によって電子ズーム
処理を行なうことのできるディジタル画像処理装置を開
示している。しかし、これも画像の特定部分に対し部分
的に特殊効果処理を施すことのできるものではなかっ
た。
【0005】本発明はこのような従来技術の欠点を解消
し、画像の特定の部分に対し特殊効果などの画像処理を
簡便な構成にて高速に施すことのできるディジタル画像
処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、1画面の画像をディジタル値にて表わす
画像信号を所定のブロックごとに処理して出力するディ
ジタル画像処理装置において、この装置は、画像信号を
記憶する第1の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶され
た画像信号を複数の小ブロックに区分し、この区分され
たブロックごとの画像信号を第1の記憶手段から読み出
して出力させる記憶制御手段と、第1の記憶制御手段か
ら出力されたブロックの画像信号を順次記憶するブロッ
クメモリと、ブロックメモリに記憶されたブロックの画
像信号を順次入力し、このブロックごとに画像処理を行
なって画像を加工する画像処理手段と、画像処理手段に
て処理されて出力された小ブロックの画像信号を記憶す
る第2の記憶手段とを備え、画像処理手段は、ブロック
メモリに蓄積されるブロックごとの画像信号をそれぞれ
異なる処理特性にて画像処理する複数の処理特性を有し
た処理手段と、特定のブロックの画像信号を処理すると
きに、複数の処理特性のいずれかを選択する選択手段と
を有し、選択手段にて選択された処理特性にて特定のブ
ロックを画像処理させて、この画像処理されたブロック
ごとの画像信号を第2の記憶手段に出力することを特徴
とする。
【0007】この場合、画像処理手段は、複数の処理特
性を有する複数の処理手段を有し、選択手段は、特定の
ブロックの画像信号を処理するときに、複数の処理特性
のいずれかの処理特性を有した処理手段を選択するとよ
い。
【0008】この場合さらに複数の処理手段は、それぞ
れカットオフ周波数が異なるローパスフィルタを含むと
よい。
【0009】また、複数の処理手段は、ブロックごとの
画像信号の所定の周波数帯域を通過させるバンドパスフ
ィルタを含むとよい。
【0010】また、画像処理手段は、第1の記憶手段か
ら読み出された輝度信号を画像処理する第1の画像処理
手段と、第1の記憶手段から読み出されたクロマ信号を
画像処理する第2の画像処理手段とを含むとよい。
【0011】また、この装置は、画像処理手段にて画像
処理するブロックを選択的に指定する指定手段を有し、
画像処理手段は、指定手段にて指定されたブロックの画
像信号を選択手段にて選択された処理特性にて画像処理
するとよい。
【0012】また、処理手段は、ブロックメモリに蓄積
されたブロックごとの画像信号をこのブロックごとに補
間演算する電子ズーム処理をする演算手段を含むとよ
い。
【0013】この場合、画像処理手段は、ズーミング時
の画素位置をブロックごとに設定する設定手段と、画素
位置をブロックごとに修正する修正手段とを含み、処理
手段は、修正手段にて修正された画素位置に基づいてブ
ロックごとの画像信号をズーム処理するとよい。
【0014】この場合さらに、修正手段は、ズーム倍率
に応じた画素間隔と、処理するブロックのアドレスに応
じた係数とを乗算して、修正された画素位置を算出する
とよい。
【0015】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
よるディジタル画像処理装置の実施例を詳細に説明す
る。図2を参照すると本発明が適用されたディジタル画
像処理装置の一実施例が示されている。このディジタル
画像処理装置10は、画像メモリ12に蓄積された一画面分
の輝度信号(Y) と色差点順次信号(C) とを含むディジタ
ル画像信号をズームブロック14にて所定のブロックごと
に画像処理をして画像メモリ16に蓄積させる際、一画面
の各ブロックごとにその画像処理特性を変更して、一画
面の画像における画像特性を部分的に特殊処理を施すこ
とのできる画像処理装置である。
【0016】この画像処理装置10は、同図に示したよう
に、2次元イメージセンサなど画像入力装置から出力さ
れた一画面分のディジタル画像信号を入力200 に入力
し、この画像信号を順次蓄積する画像メモリ12を有し、
この画像メモリ12はメモリコントローラ18からの制御に
応じて蓄積した画像信号を出力202 に出力する記憶回路
である。本実施例における画像メモリ12は、このメモリ
コントローラ18の制御に応じてその記憶領域に蓄積され
た画像信号の輝度信号(Y) を16×16画素の所定のブロッ
クごとに分割し、またクロマ信号(Cr,Cb) をそれぞれ16
×8画素の所定のブロックごとに分割してそれぞれ読み
出し、読み出したブロックごとの画像信号をその出力20
2 に出力する。画像メモリ12の出力202 はズームブロッ
ク14に接続されている。
【0017】ズームブロック14は、画像メモリ12から出
力されたブロックごとの画像信号をそのブロックごとに
拡大および縮小を行なうズーム処理機能を有した画像処
理回路である。詳しくはこのズームブロック14は、画像
メモリ12から出力された画像信号のうち輝度成分を表わ
す輝度信号をブロックごとに一時格納するブロックメモ
リ20a および20b と、その色差成分を表わすクロマ信号
(Cr,Cb) をブロックごとに一時格納するブロックメモリ
22a および22b とを有している。
【0018】ブロックメモリ20および22は、それぞれ、
16×16画素、 (16×8)×2画素のブロックごとに入力し
た画像信号を蓄積する記憶領域を有したバッファメモリ
である。これらメモリ20および22はそれぞれ、入力202
に入力した各ブロックの画像信号を後述するズームコン
トローラ26の制御を受けて交互に記憶するメモリ20aお
よび20b と、メモリ22a および22b とを有し、メモリ20
には前述の輝度信号が記憶され、メモリ22にはクロマ信
号が記憶される。ブロックメモリ20および22の出力はそ
れぞれズーム処理回路24に接続されている。
【0019】ズーム処理回路24は、ブロックメモリから
出力されたブロックごとに所定の画像信号処理を施し
て、処理された画像信号をそのブロックごとに出力204
に出力する。本実施例におけるズーム処理回路24は、ズ
ームコントローラ26からの制御に応じて、ブロックメモ
リから出力されたブロックごとの画像信号に対し、ズー
ムコントローラ26からの制御を受けて、それぞれ適切な
補間処理およびフィルタ処理などの画像処理を行なう機
能を有している。ズーム処理回路24は、ブロックごとに
処理した画像信号をその出力204 に接続された画像メモ
リ16に出力する。この画像メモリ16は、画像メモリ12と
同様に一画面分の画像を表わす画像信号を蓄積する記憶
回路である。とくにこの画像メモリ16は、ブロックごと
の画像信号を所定の記憶領域に蓄積し、一画面分の画像
信号が蓄積されると、その画面の画像信号を線順次に読
み出して出力する。画像メモリ16の出力206 は、たとえ
ば、その画像信号の表わす画像を表示する表示装置、所
定の記録紙にプリントする印刷装置および画像信号を所
定の記録形式に変換して光ディスクなどの情報記憶媒体
に記録する記憶装置に接続される。
【0020】本実施例におけるズーム処理回路24を図1
を参照してさらに詳しく説明すると、同図に示すように
ズーム処理回路24は、ブロックメモリ20の出力100 にそ
れぞれ接続され、入力100 に入力した輝度信号(Y) をブ
ロックの垂直方向に画素数変換を行なって画素補間処理
をする垂直補間回路50と、ブロック内の水平方向の複数
ラインの画素を記憶するラインメモリ52とを有してい
る。ラインメモリ52で1ライン遅延した出力102 は垂直
補間回路50に接続され、垂直補間回路50は、ブロック内
のラインごとの輝度信号を垂直方向に補間する。垂直補
間回路50の出力104 は水平補間回路54に接続され、水平
補間回路54は、垂直補間回路50にて垂直補間された輝度
信号を、そのブロックの水平方向に補間する。これら垂
直補間回路50および水平補間回路54は、後述するズーム
コントローラ26の制御により、画素数変換を行なう電子
ズーム処理機能を有し、電子ズーム処理における画像拡
大時には、ブロックメモリの読み出しアドレスが制御さ
れてブロック内の画素が重複読み出しされ、一方画像縮
小時には、垂直補間回路50および水平補間回路54にてブ
ロック内の画素を間引きすることによって、それぞれ電
子ズーミング処理が行なわれる。本実施例では、元の画
像の1/4倍の縮小処理から元の画像の2倍の拡大処理
までの範囲を連続的にズーム処理を行なう。
【0021】水平補間回路54の出力106 は遅延回路56に
接続され、遅延回路56は、輝度信号とともに処理される
クロマ信号とのタイミングを合わせるために、入力され
た輝度信号の出力を遅らせる回路である。遅延回路56の
出力108 はフィルタバンクY58に接続されている。
【0022】一方、ブロックメモリ22の出力102 に接続
された同時化回路60は、入力102 に点順次で入力される
それぞれのブロックのクロマ信号(Cr,Cb) をそれぞれラ
ッチして、これらクロマ信号CrおよびCbを同じタイミン
グにてそれぞれ出力110 および112 に出力する回路であ
る。同時化回路60の出力110 はCr信号であり、一方は垂
直補間回路62に接続され、他方はラインメモリ64に接続
されている。また、同時化回路60の出力112 はCb信号で
あり、一方は垂直補間回路68に接続され、他方はライン
メモリ70に接続されている。
【0023】垂直補間回路62および68は、垂直補間回路
50と同様に、それぞれブロックごとのクロマ信号を垂直
方向に補間を行なう画素補間処理回路である。垂直補間
回路62および68は、それぞれ、ブロックの水平方向の複
数ラインの画素を記憶するラインメモリ64および70の出
力に接続され、これらラインメモリにより1ライン遅延
して出力された画素と、入力110 および112 に入力した
ブロックメモリからの画素とで垂直方向に補間する。垂
直補間回路62および68の出力114 および116 は、それぞ
れ水平補間処理回路64および72に接続され、これらは水
平補間回路54と同様に、垂直方向に補間処理されたブロ
ックのクロマ信号をそれぞれ水平方向に補間する補間処
理回路である。これら垂直補間回路62および68と、水平
補間回路64および72とは、後述するズームコントローラ
26の制御により、画素数変換を行なう電子ズーム処理機
能を有し、本実施例では、元の画像の1/4倍の縮小処
理から元の画像の2倍の拡大処理までの範囲を連続的に
ズーム処理を行なう。水平補間回路64および72の出力11
8 および120 はそれぞれサンプリング回路66に接続さ
れ、サンプリング回路66は、同時化回路60にて同時化さ
れ、それぞれ補間されたクロマ信号を点順次に並べ替え
る回路である。サンプリング回路66は、点順次化したク
ロマ信号をCr,Cb の順またはCb,Cr の順に出力する。ま
た、サンプリング回路66は、ズーム処理における縮小時
には、入力したクロマ信号をサブサンプリングしてデー
タを間引く機能を有している。サンプリング回路66の出
力122 はフィルタバンクCに接続されている。
【0024】本実施例におけるフィルタバンクY58およ
びC74はぞれぞれ、入力108 および122 に入力したブロ
ックごとの画像信号を所望のフィルタ特性にて濾過する
回路である。このフィルタバンク58の一例を図3を参照
して説明すると、同図には、それぞれ互いに処理特性の
異なる複数のフィルタ80a,80b および80c を有し、それ
らフィルタの出力をズームコントローラ26(図2)から
出力された制御信号に応じて選択する場合の実施例が示
されている。
【0025】詳しくは、フィルタ80a,80b および80c
は、このフィルタバンク58の入力108に接続され、これ
らフィルタ80は、それぞれカットオフ周波数が異なる低
域通過型フィルタ(LPF) にて構成され、フィルタ80a,80
b,80c の順にカットオフ周波数が低いフィルタである。
したがって、ブロックごとにフィルタバンク58に入力さ
れた輝度信号は、フィルタ80a にてその輝度信号の表わ
す画像が最も尖鋭化され、逆にフィルタ80c にてその輝
度信号の表わす画像が最もぼけた画像となるとともに、
高域ノイズ成分が除去される。なお、フィルタ80b にて
濾過された輝度信号は、その信号の表わす画像がフィル
タ80a の出力とフィルタ80c の出力との中間尖鋭度の状
態となる。フィルタ80a,80b および80c の出力300,302
および304は、それぞれ切換回路82に接続されている。
【0026】切換回路82は、フィルタ80a,80b および80
c の出力およびこのフィルタバンク58の入力108 を切り
換えることによって、その出力306 に接続する切換回路
である。切換回路82は、フィルタ80a,80b および80c の
出力を切り換える切換スイッチ84と、切換スイッチ84の
出力端子308 および接続線108 にそれぞれ接続され、こ
れらを切り換えて出力306 に接続する切換スイッチ86と
を有している。切換スイッチ84および86の接続切換は、
それぞれ制御入力310 および312 に入力されるズームコ
ントローラ26からの制御信号に応動して制御される。と
くに切換スイッチ86は、入力108 をその出力端子306 に
接続した場合、フィルタバンク58に入力したブロックご
との輝度信号をフィルタを介さずに出力する機能を有し
ている。
【0027】このように、本実施例におけるフィルタバ
ンク58は、それぞれ処理特性の異なる特定の処理特性を
有した複数のフィルタ80が切換回路82にて選択可能に構
成され、切換回路82にて選択されたフィルタの出力がフ
ィルタバンク58の出力として出力される。フィルタバン
ク74の構成もこのフィルタバンク58の構成と同じ構成で
よい。
【0028】また、フィルタバンク58は、たとえば、図
4に示したように、係数Gnによってフィルタ特性を可変
とすることのできるディジタルフィルタにて構成するこ
とができる。このように構成したフィルタバンクを図1
に示したフィルタバンクY58に適用した場合の構成を同
図を参照して説明すると、フィルタバンク58の入力は、
乗算器88-1およびメモリ90-1に接続されている。メモリ
90-1,90-2,90-3および90-4それぞれの出力108-1,108-2,
108-3,108-4 は、それぞれ次段階のメモリ90-2,90-3,90
-4,90-5 に接続されているとともに、これら出力は、そ
れぞれ乗算器88-2,88-3,88-4および88-5に接続されてい
る。また、メモリ90-5の出力108-5 は乗算器88-6に接続
されている。これらメモリ90は、それぞれ入力されたブ
ロックごとの輝度信号を格納し、格納した輝度信号を順
次乗算器88に出力する遅延機能を有したシフトレジスタ
である。乗算器88-1,88-2,88-3,88-4,88-5および88-6の
入力は、それぞれ、フィルタバンク58への入力108 およ
びそれぞれのメモリ90の出力に接続され、これら入力に
入力される輝度信号と、入力400,401,402,403,404およ
び405 にそれぞれ入力される乗算係数Gn(G1 〜G5) とを
乗算する乗算回路である。
【0029】乗算器88の出力はそれぞれ加算器92に接続
され、加算器92は、それぞれ入力された乗算器88の出力
信号を加算することによって、ブロックごとの輝度信号
の高域周波数成分を濾過した画像信号を出力する。
【0030】乗算器88に供給される乗算係数Gnは、同図
に示したROM94 にGnテーブルとしてあらかじめ記憶され
ている。ROM94 には、それぞれフィルタ特性の異なるフ
ィルタ機能を実現するための複数のGnテーブルが格納さ
れている。本実施例では、ROM94 はローパスフィルタ特
性やバンドパスフィルタ特性を実現するためのテーブル
情報が格納され、第1のGnテーブルは、たとえば最もカ
ットオフ周波数が高いローパスフィルタを構成するため
の乗算係数Gnであり、第3のGnテーブルは、最もカット
オフ周波数が低いローパスフィルタを構成するための乗
算係数Gnである。第2のGnテーブルはこれら第1および
第3のGnテーブルの中間の特性を有したフィルタを構成
する乗算係数である。
【0031】これらGnテーブルの出力410,412 および41
4 はそれぞれ切換スイッチ96の入力端子に接続され、切
換スイッチ96は、制御入力310 に供給される制御信号に
従って、これら入力端子を切り換えてその出力端子416
に接続する切換回路である。スイッチ96の出力端子416
はさらに、切換スイッチ98の一方の入力端子に接続さ
れ、切換スイッチ98は、この入力端子416 と、入力端子
418 とを制御入力312 に供給される制御信号に従って、
これら入力端子を切り換えてその出力端子420 に接続す
る。これら切換スイッチ96,98 の制御入力310 および31
2 と、入力端子418 とはそれぞれズームコントローラ26
に接続されている。とくに入力端子418 には、コントロ
ーラ26にて設定されたGnテーブルが入力され、フィルタ
バンク58の外部から乗算係数Gnを設定することができ
る。
【0032】切換スイッチ98の出力端子420 は、Gnレジ
スタ99に接続され、このレジスタ99は、スイッチ回路96
および(または)98にて選択されたGnテーブルの乗算係
数Gnをラッチするレジスタである。レジスタ99は、ラッ
チした乗算係数G1〜G6をそれぞれ接続線400 〜405 を介
して乗算器88-1〜88-6に転送する。乗算器88-1〜88-6
は、レジスタ99から転送された乗算係数Gnを、それぞれ
入力108,108-1,108-2,108-3,108-4 および108-5 に入力
したブロックごとの輝度信号に乗算する。
【0033】このように、この第2の実施例におけるフ
ィルタバンク58は、乗算係数Gnの値を複数のグループか
らなるGnテーブルの中から選択的に変更することによっ
て、それぞれフィルタ特性の異なるフィルタを構成する
ことができる。このため乗算器88、メモリ90および加算
器90から構成されるディジタルフィルタ回路をさらに複
数用意する必要がない。なお、フィルタバンク74の構成
もこの図4に示したフィルタバンク58の構成と同じ構成
でよい。
【0034】以上、図3および図4を参照して説明した
フィルタバンクの構成例は、いずれもローパスフィルタ
機能を有するものであったが、本発明はこれに限らず、
たとえば、図5に示すように複数のローパスフィルタ機
能に代えて、もしくはローパスフィルタ機能に加えて、
所定周波数を中心とする所定帯域の画像信号を通過させ
る帯域フィルタ(BPF;バンドパスフィルタ)をフィルタ
バンクに構成してもよい。この場合、BPF(A)およびBPF
(B)は、それぞれのブロックにおける輪郭補正を行なう
機能を実現し、とくに中心周波数が高域に設定されたフ
ィルタほど輪郭強調処理が施される。このように、本実
施例におけるフィルタバンクは、入力されるブロックご
とにその画像処理特性を変更するので、一画面の特定部
分に対する処理特性をブロック単位で変更することによ
って、画面の特定領域を他の領域とは異なる特性にて画
像処理を施し、部分的に先鋭化された画像や、部分的に
ぼけたソフトフォーカスのような画像や、部分的に画像
の輪郭が強調された画像などを簡便な構成にて得ること
ができる。
【0035】このようなブロック単位にて画像処理特性
を変更するための制御信号は、図2に示したズームコン
トローラ26から出力されてフィルタバンク58および74に
入力される。このズームコントローラ26は、ズーム処理
回路24における補間処理およびフィルタ処理などの画像
処理を制御する制御回路である。
【0036】詳しくはコントローラ26は、画像メモリ12
に蓄積された画像信号をブロックごとに読み出すように
メモリコントローラ18を制御する読出制御機能を有して
いる。
【0037】また、コントローラ26は、画像メモリから
読み出された輝度信号およびクロマ信号をそれぞれブロ
ックメモリ20および22に蓄積させ、これらメモリに蓄積
された画像信号をそれぞれ読み出して出力させる制御を
行なう機能を有している。この場合、コントローラ26
は、ブロックごとの輝度信号をブロックメモリ20a およ
び20b にそれぞれ交互に蓄積させ、同様にブロックごと
のクロマ信号をブロックメモリ22a および22b にそれぞ
れ交互に蓄積させる。
【0038】さらにコントローラ26は、ズーム処理回路
24における補間処理を制御する機能を有している。詳し
くはコントローラ26は、垂直補間回路50にて一次線形補
間処理する際に必要となる補間係数を算出する機能を有
している。この補間処理は、たとえば、ブロックメモリ
20a および20b から接続線100 を介して直接垂直補間回
路50に入力される輝度信号をb、ラインメモリによって
遅延された1ライン前の輝度信号をa、コントローラ26
にて算出した補間係数の値をkとすると、次式にて表わ
す演算処理を実行することによって、そのブロックの垂
直方向に補間された輝度信号Yが生成される。
【0039】
【数1】 YorC={a(n−k)+bk}/n ・・・・(1) 垂直補間回路62および68も同様にして、コントローラ26
にて算出された補間係数を式(1)に代入して演算処理
することにより垂直方向のクロマ信号Cを得ることがで
きる。なお、式(1)におけるnは、補間の際の分解能
であり、たとえば、補間係数kが3ビットの分解能のと
きn=23 となる。
【0040】水平補間回路54,64 および72は、それぞれ
1画素前のデータを保持するバッファ(図示せず)を含
み、このバッファにて遅延された1画素前の画像信号
(たとえば輝度信号)をa、それぞれ垂直補間回路から
出力された画像信号をb、ズームコントローラ26にて算
出した補間係数の値をkとすると、前述の式(1)と同
様な演算処理により水平方向に補間した画像信号(輝度
信号Yおよびクロマ信号C)をそれぞれ得ることができ
る。
【0041】また、コントローラ26は、フィルタバンク
58および74を制御する機能を有している。具体的には、
フィルタバンク58および74が図3に示した構成の場合に
は、コントローラ26は、フィルタ80a,80b および80c の
出力を切り換えるための制御信号を生成して、切換スイ
ッチ84の制御入力に310 に供給する。また、コントロー
ラ26は、切換スイッチ86の入力端子108 および入力端子
308 を切り換えるための制御信号を生成して切換スイッ
チ84の制御入力312 に供給する。
【0042】これらフィルタバンク26のフィルタ特性を
切り換えるための制御信号は、有利には指示入力装置30
から入力される指示信号に応動して生成される。たとえ
ば、画像メモリ16の出力206 に、このメモリから読み出
された画像信号の表わす画像を可視表示するカラーディ
スプレイなどの表示装置が接続されているときには、ズ
ームブロック14にて処理された画像信号に対応する画像
がその表示画面に表示される。したがって、この場合、
操作者は、その画像を黙視しながらズーム処理およびフ
ィルタ処理の効果を確認することができる。つまり、指
示入力装置30は、一画面の画像に対し操作に応じた所定
の範囲の部分を指定する指示信号と、その指定した部分
に対する処理の度合い、つまりフィルタ特性を選択する
ための指示信号を生成する機能を有している。ズームコ
ントローラ26は、この指示信号を受けて、画面の指定さ
れた領域に対応する部分のブロックの画像信号を処理す
る際、指示信号にて指定されたフィルタ特性のフィルタ
80の出力を採用するようにフィルタバンク58および74を
制御する。また、コントローラ26は、フィルタ特性を選
択する指示信号が補正なしを示していれば、スイッチ86
の入力端子108 を出力端子306 に接続させる制御信号を
スイッチ86に供給して、この場合には、フィルタバンク
58および74に入力した画像信号に対しフィルタ処理を施
さずにそのまま出力する。
【0043】また、フィルタバンク58および74の構成
が、図4に示した構成の場合には、コントローラ26は、
ROM94 に蓄積された複数のGnテーブルのうち1つを選択
するための制御信号を生成し、この制御信号をスイッチ
96の制御入力に供給することによって、ROM94 の出力41
0,412 および414 のいずれかをその出力端子416 に接続
させる。さらにコントローラ26は、Gnテーブルにおける
乗算係数Gnを生成する機能を有し、所望の乗算係数をフ
ィルタバンクの外部から設定することができる。この場
合、生成した乗算係数Gnをスイッチ98の入力端子418 に
供給するとともに、スイッチ98の入力端子418 をその出
力端子に接続させる制御信号をスイッチ98の制御入力31
2 に供給する。
【0044】このように本実施例におけるズームコント
ローラ26は、とくに、ズーム処理回路24(図2)におけ
るフィルタやそのフィルタ特性を選択し、選択したフィ
ルタ特性にて電子ズーム機能の処理単位である画像信号
のブロックに画像処理させる機能を有している。
【0045】さらにズームコントローラ26は、ズーム処
理回路24にてブロックごとの画像信号を垂直および水平
補間する際に必要となる補間係数を設定する機能を有し
ている。具体的には本実施例におけるコントローラ26
は、ズーム倍率に応じた水平方向の画素間隔(MDH) と垂
直方向の画素間隔(MDV) とを決定し、これら画素間隔
と、画素位置(MDH,MDV) と、最初の画素位置(MDHIP,MDV
P)に基づいて、たとえば補間処理後の水平方向の画素位
置(MDHI)を次式にしたがって算出する。
【0046】
【数2】 MDHI=MDH+MDHI(L) ・・・・(2) ここで、MDHI(L)は、たとえば11ビットのMDH
Iのうち下位8ビットのデータである。また、最初の画
素位置(MDHIP) は、MDHI(L)に代入される。
【0047】図6に示すように、元になるブロックの画
素のデータをA1,A2,A3,A4, ・・・、その画素間隔を256 、
電子ズーム処理後の画素のデータをB1,B2,B3,B4, ・・・、
その画素間隔を200 とし、また、最初の画素B1がA1より
も128 だけ右側の位置にあるとすると、画素B1を前述の
式(1)にしたがって画素A1,A2 および画素位置128に
対応する補間係数kによって算出する。次にB2を算出す
る場合には、上記式(2)に従って処理後の画素位置MD
HIを算出する。この場合、MDH が200 、MDHI(L) が128
であるのでMDHIは328 と算出される。このMDHIは256 を
超えているため次の画素A3と画素A2との補間処理によっ
て画素B2を算出する。また、MDHI(L) は72となって、こ
の72に対応する補間係数kが設定される。
【0048】同様にしてB3を算出する場合、式(2)か
らMDHI=200+72=272 を求め、同様にして次の画素A4と、
画素A3と、この場合のMDHI(L)=16とに対応する補間係数
kによって画素B3を算出する。続いてB4を算出する場合
には、式(2)からMDHI=200+16=216 を算出する。この
場合、画素B4は、A3,A4 およびMDHL(L)216に対応する補
間係数kによって算出される。コントローラ26は以降同
様にして画素B1〜B16を算出し、また垂直方向の補間処
理も同様に行なう。このようにしてコントローラ26は、
補間演算のための補間係数を算出してそれぞれ補間処理
部に通知する。
【0049】以上のような構成で、ディジタル画像処理
装置10の動作を以下に説明する。図2に示した画像メモ
リ12に入力した一画面分の画像信号(輝度信号および色
差点順次信号)がその記憶領域に蓄積されると、メモリ
コントローラ18の制御に従ってその画面の縦横16画素ご
とに分割されて読み出される。画像メモリ12から読み出
された最初のブロックの輝度信号はズームブロック14の
ブロックメモリ20a に一旦蓄積され、また最初のブロッ
クのクロマ信号はブロックメモリ22a に一旦蓄積され
る。次に、画像メモリ12から読み出されたブロックごと
の輝度信号とクロマ信号とはそれぞれブロックメモリ20
b および22b に蓄積される。蓄積されたこれら画像信号
はそれぞれズーム処理回路24に出力されるとともに、以
降同様にして画像メモリ12からブロックごとに読み出さ
れた画像信号がそれぞれのブロックメモリに交互に蓄積
される。
【0050】ズーム処理回路24に入力された画像信号の
輝度信号は、図1に示した垂直補間回路50およびライン
メモリ52にそれぞれ入力され、垂直補間回路50に入力し
た輝度信号とラインメモリ52から出力された1ライン分
前の輝度信号と、コントローラ26にて算出された補間係
数とを式(1)に適用して演算処理され、垂直方向に補
間された輝度信号が垂直補間回路50から水平補間回路54
に出力される。この垂直方向に補間された輝度信号も同
様にしてコントローラ26にて算出された補間係数に基づ
いて水平方向に補間された輝度信号が算出される。この
ようにして垂直および水平方向に補間処理された輝度信
号は遅延回路56に出力され、クロマ信号との同期がとら
れてフィルタバンクY58に入力される。
【0051】一方、ズーム処理回路24に入力されたクロ
マ信号は、同時化回路60に入力されて、その出力110 お
よび112 にそれぞれクロマ信号CrおよびCbが同時に出力
される。出力されたクロマ信号はそれぞれ、垂直補間回
路62および68にて垂直方向の補間処理が実行され、さら
にそれぞれ水平補間処理回路64および72にて水平方向の
補間処理が行なわれる。これら補間処理も輝度信号と同
様にしてコントローラ26にて算出された補間係数に基づ
いて行なわれる。このようにして補間処理されたクロマ
信号はサンプリング回路66にて点順次にて出力されるよ
うサンプリングして並べ替えられ、通常はクロマ信号C
r,Cb の順にサンプリング回路66から出力されフィルタ
バンクC74に入力される。この場合、水平方向に1ブロ
ック前の1ラインの出力画素数が奇数である場合には、
Cb,Cr の順にサンプリング回路66にて点順次化されて出
力される。
【0052】以上のようにしてそれぞれフィルタバンク
58および74に入力されたブロックごとの輝度信号とクロ
マ信号は、それぞれのブロックごとにコントローラ26に
て制御された画像処理特性にて処理される。フィルタバ
ンク58および74が図3に示した実施例の構成の場合にお
けるフィルタバンク58に入力した輝度信号について、説
明すると、フィルタバンク58の入力108 に入力した輝度
信号は、それぞれフィルタ80a,80b および80c に入力さ
れる。これらフィルタ80に入力した輝度信号はそれぞれ
のフィルタ特性にて濾過されてスイッチ84のそれぞれの
入力端子300,302 および304 に供給される。
【0053】ここでスイッチ84は、コントローラ26から
供給される制御信号310 に従ってそのブロックに対する
接続が制御され、たとえばフィルタ80a が選択されてい
る場合には、図示の接続となって入力端子300 が出力30
8 に接続され、さらにコントローラ26からスイッチ86に
供給される制御信号312 に従ってこの入力端子308 が出
力306 に接続される。このような接続の場合には、フィ
ルタ80a の出力がフィルタバンク58の出力として採用さ
れてフィルタバンク58から出力される。このようにフィ
ルタバンクでは、入力されたブロックごとの画像信号が
コントローラ26にて選択されたフィルタ特性にて処理さ
れて出力される。フィルタバンク74も同様にしてコント
ローラ26にて選択されたフィルタ特性のフィルタを用い
てクロマ信号が処理されて出力される。
【0054】以上のようにしてフィルタバンクの処理特
性を画像の処理単位である1ブロックごとに選択可能な
ように構成されているので、複数ブロックからなる画像
の所定部分のみをぼかしたり、先鋭化させたりすること
ができる。この場合、選択するフィルタ特性をノイズ成
分の除去の目的に合致した特性として、一画面の特定部
分に対して、たとえば狭帯域のフィルタ特性を有したフ
ィルタを選択することで、高域ノイズ成分等を除去する
ことができる。また、フィルタバンクにたとえば図5に
示すフィルタ特性のバンドパスフィルタ(BPF(A),BPF
(B)) を用いて輪郭強調処理を行なう場合には、画面の
特定部分のみに対して輪郭強調処理を行なうことができ
るので、強調処理をより効果的に活用することができ
る。このように以上説明した実施例では、画像の処理単
位であるブロックごとに画像処理を適切に行なうことで
簡便な回路規模にて所望する特殊効果を得ることができ
た。
【0055】次に示す実施例では、図2に示したズーム
コントローラ26にてズーム処理を制御する際、ズーム後
の画素位置の算出をブロックごとに設定し直して変更す
ることによって、画面の場所ごとにズーム倍率を可変と
することができる画像処理装置について説明する。図7
を参照すると、ズームコントローラ26(図2)における
水平方向の画素位置(MDH) を算出するためのブロック図
が示されている。
【0056】前述した実施例では、補間処理後の画素位
置を前記式(2)にて算出したが、本実施例では、次式
(3)にて算出するようにコントローラ26が構成されて
いる。
【0057】
【数3】 MDHI=MDH’+MDHI(L) ・・・・(3) ただし MDH’=e×MDHI(L) 本実施例では画素間隔(MDH) を他の画素間隔(MDH')にす
げ替えることによって画面内の各部分にて部分的にズー
ム倍率が可変となるように構成されている。詳しくは、
図7に示すように、本実施例におけるコントローラ26
は、修正された画素位置(MDH')を算出するための算出回
路700 を有し、この算出回路700 は、基準のズーム倍率
に応じて画素間隔(MDH) を出力する間隔設定回路702
と、現在処理しているブロックのブロックアドレスに応
じて変化する変数eを表わすテーブル情報が記憶された
メモリ回路704 と、間隔設定回路702 の出力とメモリ回
路704からブロックアドレスに応じて出力された変数e
とを乗算して変更されたMDH'を出力する乗算回路706 と
を有している。
【0058】乗算回路706 の出力は加算回路708 の一方
の入力710 に接続され、他方の入力712 には、画素位置
(MDHI(L)) を記憶するメモリ回路714 が接続されてい
る。またメモリ回路714 の入力716 には最初の画素位置
(MDHIP) を出力する初期位置設定回路718 が接続され、
メモリ回路714 はまずこのMDHIP をロードして記憶す
る。また加算器路708 の出力720 は、ズーミング時の画
素位置を指定する情報として補間処理回路にて補間処理
する際に用いられるとともに、この出力720 はメモリ回
路714 に接続されている。メモリ回路714 は、入力720
に入力する画素位置MDHIの下位8ビットをMDHI(L) とし
て格納する。
【0059】メモリ回路704 には、たとえば図8に示す
ように、ブロックアドレスに応じてその値が山なりの放
物線上に沿って変化する変数eが設定されたテーブル情
報が格納されている。本実施例ではこのテーブル情報が
あらかじめメモリ回路704 に記憶されているが、これに
限らず、たとえばコントローラ26の外部から所望のテー
ブル情報をメモリ回路704 に記憶させるように構成され
ていてもよい。また、変数eは、図8において下に凸の
ような特性曲線を有するように設定されてもよい。
【0060】以上のようなズームコントローラ26の構成
で、ブロックごとにズーム倍率を変更することによっ
て、魚眼レンズ効果を得る場合の動作を以下に説明す
る。
【0061】間隔設定回路702 にはズーム倍率に応じた
画素間隔MDH が設定され、設定されたMDH は乗算回路70
6 に入力される。一方、メモリ回路704 に入力されたブ
ロックアドレスに応じて、これに対応する変数eが乗算
回路706 に出力される。これらMDH と変数eとは乗算回
路706 にて乗算されて(e×MDH )、その演算結果が修
正されたMDH'として加算回路708 に入力される。
【0062】加算回路708 の他方の入力712 にはメモリ
回路714 から出力されたMDHI(L) が入力され、このMDHI
(L) とMDH'とが加算されて、修正された画素位置MDHI'
が出力720 に出力される。またこのMDHI' の下位ビット
のデータは、メモリ回路714に入力されてその値が更新
され、次のブロックに対する画素位置の算出の際に使用
される。また、垂直方向の画素位置算出についても同様
の処理にて実現される。
【0063】このようにしてズーム処理回路24に入力さ
れたブロックごとの画像信号はブロックごとの画素位置
がたとえば図9に示すように修正されて、画面の部分的
にズーム倍率が可変とされた画像を得ることができる。
この場合、変数eの特性が上に凸の特性を示しているの
で、画面の中央部分の画素間隔が拡大された魚眼レンズ
効果を得ることができる。またこの特性が下に凸を示す
変数eを表わすテーブル情報がメモリ702 に設定されて
いる場合には、中央部分の画素間隔が縮小され、周辺部
の画素間隔が拡大された特殊な画像を得ることができ
る。
【0064】この第3の実施例においても、前述した第
1および第2の実施例と同様に、画像処理した画像を表
示装置に表示させて、この特殊効果を画面で確認しなが
ら、ズーム処理する領域を可変とすることができる。ま
た、この第3の実施例を第1または第2の実施例と組み
合わせて構成することもでき、その場合、魚眼レンズ効
果を得るとともに、たとえば画面の中央部分などの特定
の領域に対して画像の尖鋭度を変化させることができ、
特殊効果をより効果的に実現することができる。
【0065】以上説明したように本実施例では、画像の
処理単位のブロックごとに電子ズーム処理された画素の
画素位置を可変として、画面内において連続的にズーム
倍率を可変させることによって、魚眼レンズ効果などの
特殊な画像処理を簡便な構成にて実現している。したが
って、このような特殊効果を高速に処理することがで
き、静止画像のみならず動画像に対して画像処理する場
合にも対応することができる。
【0066】本実施例におけるディジタル画像処理装置
10は、このように画像を表わすディジタル画像信号に対
し特殊効果を施すことができるので、この装置は、たと
えばフィルムに記録された画像を読み取って、ディジタ
ル画像信号を出力するフィルムスキャナ、動画像を撮影
するムービーカメラ、静止画像を撮影するディジタルス
チルカメラなどの画像入力装置や、これら装置にて得ら
れた画像を編集加工するディジタル編集装置などの装置
に組み込むことができる。またディジタル処理された画
像を出力する表示装置や印刷装置などの画像出力装置に
ディジタル画像処理装置10を適用してもよい。
【0067】
【発明の効果】このように本発明によれば、処理手段に
てブロックごとの画像信号を、それぞれのブロックに対
してそれぞれ異なる処理特性にて画像処理をすることが
できるように構成されているので、画面の所望する部分
に対し画像処理特性を変えた画像を簡便な構成にて実現
することができるとともに、その処理速度を高速化する
ことができる。したがって画像処理手段にて画像処理す
る際に、複数のブロックから構成された範囲の特定部分
に対して希望する特殊効果を施すことができる。この結
果、画面の場所に応じてズーム倍率を変化させることが
簡便な構成にて実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたディジタル画像処理装置の
主要部分の実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明が適用されたディジタル画像処理装置の
一実施例を示すブロック図である。
【図3】図1に示したフィルタバンクの一実施例を示す
ブロック図である。
【図4】図1に示したフィルタバンクの一実施例を示す
ブロック図である。
【図5】図1に示したフィルタバンクにおける特性例を
示すグラフである。
【図6】画素補間処理の一例を示す図である。
【図7】図2に示したズームコントローラにおける構成
例を示すブロック図である。
【図8】図7に示したメモリに蓄積された係数eをブロ
ックアドレスに対応して表わした図である。
【図9】図7に示したズームコントローラによるブロッ
クごとの画素位置を修正した場合の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 ディジタル画像処理装置 14 ズームブロック 20,22 ブロックメモリ 24 ズーム処理回路 26 ズームコントローラ 50,62,68 垂直補間回路 52,64,70 ラインメモリ 54,64,72 水平補間回路 56 遅延回路 66 サンプリング回路 58,74 フィルタバンク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1画面の画像をディジタル値にて表わす
    画像信号を所定のブロックごとに処理して出力するディ
    ジタル画像処理装置において、該装置は、 画像信号を記憶する第1の記憶手段と、 該第1の記憶手段に記憶された画像信号を複数の小ブロ
    ックに区分し、該区分されたブロックごとの画像信号を
    前記第1の記憶手段から読み出して出力させる記憶制御
    手段と、 前記第1の記憶制御手段から出力された前記ブロックの
    画像信号を順次記憶するブロックメモリと、 前記ブロックメモリに記憶されたブロックの画像信号を
    順次入力し、該ブロックごとに画像処理を行なって前記
    画像を加工する画像処理手段と、 前記画像処理手段にて処理されて出力された小ブロック
    の画像信号を記憶する第2の記憶手段とを備え、 前記画像処理手段は、前記ブロックメモリに蓄積される
    ブロックごとの画像信号をそれぞれ異なる処理特性にて
    画像処理する複数の処理特性を有した処理手段と、 特定のブロックの画像信号を処理するときに、前記複数
    の処理特性のいずれかを選択する選択手段とを有し、 前記選択手段にて選択された処理特性にて前記特定のブ
    ロックを画像処理させて、該画像処理されたブロックご
    との画像信号を前記第2の記憶手段に出力することを特
    徴とするディジタル画像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のディジタル画像処理装
    置において、前記画像処理手段は、前記複数の処理特性
    を有する複数の処理手段を有し、 前記選択手段は、特定のブロックの画像信号を処理する
    ときに、前記複数の処理特性のいずれかの処理特性を有
    した処理手段を選択することを特徴とするディジタル画
    像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のディジタル画像処理装
    置において、前記複数の処理手段は、それぞれカットオ
    フ周波数が異なるローパスフィルタを含むことを特徴と
    するディジタル画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のディジタル画像処理装
    置において、前記複数の処理手段は、前記ブロックごと
    の画像信号の所定の周波数帯域を通過させるバンドパス
    フィルタを含むことを特徴とするディジタル画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のディジタル画像処理装
    置において、前記画像処理手段は、前記第1の記憶手段
    から読み出された輝度信号を画像処理する第1の画像処
    理手段と、前記第1 の記憶手段から読み出されたクロマ
    信号を画像処理する第2の画像処理手段とを含むことを
    特徴とするディジタル画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のディジタル画像処理装
    置において、該装置は、前記画像処理手段にて画像処理
    するブロックを選択的に指定する指定手段を有し、 前記画像処理手段は、前記指定手段にて指定されたブロ
    ックの画像信号を前記選択手段にて選択された処理特性
    にて画像処理することを特徴とするディジタル画像処理
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のディジタル画像処理装
    置において、前記処理手段は、前記ブロックメモリに蓄
    積されたブロックごとの画像信号を該ブロックごとに補
    間演算する電子ズーム処理をする演算手段を含むことを
    特徴とするディジタル画像処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のディジタル画像処理装
    置において、前記画像処理手段は、ズーミング時の画素
    位置を前記ブロックごとに設定する設定手段と、前記画
    素位置をブロックごとに修正する修正手段とを含み、 前記処理手段は、前記修正手段にて修正された画素位置
    に基づいて前記ブロックごとの画像信号をズーム処理す
    ることを特徴とするディジタル画像処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のディジタル画像処理装
    置において、前記修正手段は、ズーム倍率に応じた画素
    間隔と、処理するブロックのアドレスに応じた係数とを
    乗算して前記修正された画素位置を算出することを特徴
    とするディジタル画像処理装置。
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