JP3286758B2 - ガスタービン排ガス処理システム - Google Patents

ガスタービン排ガス処理システム

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JP3286758B2
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裕美 堀本
敏通 和田
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Babcock Hitachi KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラとガスタービン
とを組み合わせた排気再燃型のコンバインドプラントに
おけるガスタービン排ガス処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のコンバインドプラントは従来は
図2に示すように構成されていた。図2において、押込
通風機1から送られた空気は空気予熱器2により加熱さ
れ、ウィンドボックス3を介してボイラ4に送られる。
ボイラ4で燃焼した後の排ガスは、空気予熱器2及び熱
交換器15で熱回収された後、煙道5を経由して図示し
ない煙突から大気中に放出される。またガスタービン6
から排出した排ガスは、煙道7を経てウィンドボックス
3からボイラ4内に送られ、ボイラ4の燃焼用空気とし
て使用される。なお、ガスタービン6は起動時に背圧を
かけることができないため、ガスタービン6の排ガスを
直接大気中へ放出できるように、煙道7に設けたダンパ
9を介して煙突8と接続させている。なお符号10,1
1は各煙道に設けられたダンパである。
【0003】図3にガスタービン6を分離したボイラ4
の単独運転時の構成を示す。脱硝装置12は通常ボイラ
4の図示しない節炭器出口に設置されており、この構成
のプラントは数多く運転されている。しかしながら図2
に示すように構成されたプラントは、ガスタービン6か
らの排ガスを煙突8から直接大気中に放出するようにな
っているため、現在の環境基準を満足する運転ができな
い。
【0004】このため従来は図4に示すように、煙道7
と脱硝装置12の入口とを接続する煙道20を設け、煙
道20にダンパ13と熱交換器14とを設けて、ガスタ
ービン6の排ガスを直接大気中に放出するときに脱硝処
理ができるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図4に示
す従来の脱硝処理システムによると、ガスタービン6は
起動時に背圧をかけることができず、脱硝装置12の入
口部では大気圧である。このため空気予熱器2の出口に
誘引通風器18を設け、煙道内の圧力を調整する必要が
ある。
【0006】また、起動をガスタービンから開始した場
合などのガスタービン単独運転時においては、熱交換器
14,15で熱回収し、排ガス温度を脱硝最適温度にす
る必要がある。このように熱交換器を2個設けること
は、コストが上昇し広い設備スペースを必要とするとい
う問題があった。
【0007】本発明は、簡単な構成で効率よく排ガスの
脱硝を行なうことのできる、コンバインドプラント用の
ガスタービン排ガス処理システムを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ボイラと、該ボイラに空気を供給する押
込通風機と、前記ボイラの出口に接続された脱硝装置
と、前記ボイラに排ガスを供給可能なガスタービンと、
前記脱硝装置の入口と前記ガスタービンの出口とを接続
する煙道と、前記押込通風機から供給される空気と前記
脱硝装置から排出される排ガスとを熱交換させる空気予
熱器とからなるコンバインドプラントに設けられたガス
タービン排ガス処理システムであって、前記空気予熱器
の空気の入口と前記煙道とを、前記空気予熱器の空気の
出口と前記煙道とを、それぞれ接続するバイパスダクト
を設けたことを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明によれば、ガスタービン単独運転時にお
いて、押込通風機から送給される冷たい空気の一部は、
空気予熱器の手前からバイパスダクトを通ってガスター
ビンの排ガス中に送られる。また冷たい空気の他の一部
は空気予熱器により加熱され、空気予熱器の出口側のバ
イパスダクトを通ってガスタービンの排ガス中に送られ
る。この結果、ガスタービンの排ガスは冷たい空気と温
かい空気との混合気によって、中温脱硝が可能な温度に
調整できるので、従来必要であったガスタービン側の熱
交換器が不要となる。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。
【0011】図1に本発明の一実施例の構成を示す。図
1において、図4に示す従来例の部分と対応する部分に
は同一符号を付してあり、その説明は適宜省略する。本
実施例の特徴は押込通風機1と空気予熱器2とボイラ4
のウィンドボックス3とを接続するラインの空気予熱器
2の入口側及び出口側を、それぞれバイパスダクト2
1,22を介して煙道20に接続した点にある。バイパ
スダクト21,22にはそれぞれダンパ17,16が設
けられており、空気予熱器2の出口にはダンパ19が設
けられている。他の部分の構成は図4に示す従来例とほ
ぼ同様であるが、従来例における熱交換器14は省略さ
れている。
【0012】次に本実施例の作用を説明する。ガスター
ビン6の単独運転時には、ガスタービン6の出口の排ガ
ス温度は約600℃の高温であるため、中温触媒は使用
できない。また中温反応器は高温により構造材が損傷す
る恐れもあるため、脱硝装置12で脱硝可能な温度、す
なわち約350℃に下げる必要がある。そこでダンパ1
6,17,19を調整して、押込送風器1から送給され
る冷たい空気の一部を空気予熱器2の入口側のバイパス
ダクト21を経由して煙道20に送りこむ。そして空気
予熱器2によって加熱され出口側のバイパスダクト22
を経由して煙道20に送りこまれた温い空気と混合し、
脱硝可能な温度まで下げる。
【0013】例えば、156700KWのガスタービン
6の出口側の約600℃の排ガスは、押込通風機で約1
400000kg/hの空気を送り込むことにより、中
温脱硝可能な約350℃に温度を下げることができる。
【0014】なお、コンバインドプラントのサイクル運
転時には、押込通風機1により補助燃焼用空気として送
られる空気量が少なくなり、空気量がゼロとなることも
あるため、空気予熱器2による熱回収ができなくなる。
このため脱硝装置12の出口側に空気予熱器2に並列に
熱交換器15が設けられている。
【0015】また、押込通風機1の出口からの空気を、
ガスタービン6の出口とバイパスダクト16,17の分
岐点との間に入れることも可能であるが、この場合、ガ
スタービンからボイラへのラインとバイパスダクトとの
両方にガスタービン6の排ガスを流す場合もあるため、
この場合に冷却空気量が必要以上に多くなり好ましくな
い。
【0016】また、押込通風機1の出口からの空気を、
バイパスダクト16,17の出口合流点より下流で、脱
硝装置12の入口までの間に入れることも可能である
が、脱硝装置12の入口までの距離が短くなり、その間
で冷却空気と排ガスとの混合が十分に行なわれないので
好ましくない。
【0017】本実施例によれば、ガスタービン6側に熱
交換器を設置する必要がなく、通風機により温度を下げ
ることができるので、設備コストを低減し設置スペース
を小さくすることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明のガスタービン排ガス処理システ
ムによれば、ガスタービン側に熱交換器を設けることな
く押込通風機からの送風によりガスタービンの排気ガス
の温度を下げることができるため、設備コストの低減と
設置スペースの縮小を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】従来の脱硝装置が設置されていないコンバイン
ドプラントの構成の一例を示す図である。
【図3】従来の脱硝装置が設置されたボイラの構成の一
例を示す図である。
【図4】従来の脱硝装置が設置されたコンバインドプラ
ントの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 押込送風機 2 空気予熱器 4 ボイラ 6 ガスタービン 12 脱硝装置 20 煙道 21,22 バイパスダクト
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/86 F23J 15/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラと、該ボイラに空気を供給する押
    込通風機と、前記ボイラの出口に接続された脱硝装置
    と、前記ボイラに排ガスを供給可能なガスタービンと、
    前記脱硝装置の入口と前記ガスタービンの出口とを接続
    する煙道と、前記押込通風機から供給される空気と前記
    脱硝装置から排出される排ガスとを熱交換させる空気予
    熱器とからなるコンバインドプラントに設けられたガス
    タービン排ガス処理システムであって、前記空気予熱器
    の空気の入口と前記煙道とを、前記空気予熱器の空気の
    出口と前記煙道とを、それぞれ接続するバイパスダクト
    を設けたことを特徴とするガスタービン排ガス処理シス
    テム。
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