JP3285979B2 - 光学式変位検出装置 - Google Patents
光学式変位検出装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転変位あるいは直線変
位するエンコーダ板に光を照射しその光量変化に基いて
変位を検出する光学式エンコーダもしくは光学式変位検
出装置に関する。
位するエンコーダ板に光を照射しその光量変化に基いて
変位を検出する光学式エンコーダもしくは光学式変位検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学式エンコーダには波動光学系を用い
たものと幾何光学系を用いたものが知られている。波動
光学系のエンコーダはコヒーレント光の干渉や回折を利
用したものであり、半導体レーザ等のコヒーレント光源
と回折格子が形成されたエンコーダ板と受光素子等から
構成されている。エンコーダ板に形成された回折格子は
コヒーレント光の波長と同程度の格子定数を有しており
高分解能且つ小型寸法の光学式エンコーダを得る事がで
きる。しかしながら、波動光学系を用いてアブソリュー
ト式のエンコーダを実現しようとすると、エンコーダ板
の表面には、各々異なった番地情報を含むスリット列か
らなるトラックが複数隣接して並列する為、小型化を達
成する事ができない。即ち、トラック間隔を微細化する
と光の干渉が生じトラック毎に光を分離する事ができな
い。
たものと幾何光学系を用いたものが知られている。波動
光学系のエンコーダはコヒーレント光の干渉や回折を利
用したものであり、半導体レーザ等のコヒーレント光源
と回折格子が形成されたエンコーダ板と受光素子等から
構成されている。エンコーダ板に形成された回折格子は
コヒーレント光の波長と同程度の格子定数を有しており
高分解能且つ小型寸法の光学式エンコーダを得る事がで
きる。しかしながら、波動光学系を用いてアブソリュー
ト式のエンコーダを実現しようとすると、エンコーダ板
の表面には、各々異なった番地情報を含むスリット列か
らなるトラックが複数隣接して並列する為、小型化を達
成する事ができない。即ち、トラック間隔を微細化する
と光の干渉が生じトラック毎に光を分離する事ができな
い。
【0003】これに対して、幾何光学式のエンコーダは
光の直進性を利用したものであり、LED等のインコヒ
ーレント光源と移動スリット及び固定スリットの組み合
わせと受光素子等から構成されている。移動スリットと
固定スリットの組み合わせを用いて入射光を断続的にス
イッチングし光量変化に基いて変位検出を行なうもので
ある。
光の直進性を利用したものであり、LED等のインコヒ
ーレント光源と移動スリット及び固定スリットの組み合
わせと受光素子等から構成されている。移動スリットと
固定スリットの組み合わせを用いて入射光を断続的にス
イッチングし光量変化に基いて変位検出を行なうもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、幾何光学系
のエンコーダにおいて分解能を高める為に移動スリット
や固定スリットのピッチを光の波長オーダまで小さくす
ると、回折現象によりスリットを通過した光で形成され
る像がぼやけてしまうという課題がある。即ち、従来の
幾何光学系エンコーダには光の波動性に起因する分解能
の限界が存在する。この像のぼやけを防止する為に移動
スリットと固定スリットとは互いに可能な限り近接配置
する必要がある。しかしながら、移動スリットはエンコ
ーダ板に形成されており、その移動に伴なって面振れが
生ずる。さらに、外部から加わる振動や衝撃によって面
振れは促進される。この為、移動スリットと固定スリッ
トの間隔は所定のクリアランスを考慮して設定しなけれ
ばならず実際には上述した像のぼやけを抑制する事が困
難であり、幾何光学式エンコーダの高分解能化及び小型
化の障害となっていた。
のエンコーダにおいて分解能を高める為に移動スリット
や固定スリットのピッチを光の波長オーダまで小さくす
ると、回折現象によりスリットを通過した光で形成され
る像がぼやけてしまうという課題がある。即ち、従来の
幾何光学系エンコーダには光の波動性に起因する分解能
の限界が存在する。この像のぼやけを防止する為に移動
スリットと固定スリットとは互いに可能な限り近接配置
する必要がある。しかしながら、移動スリットはエンコ
ーダ板に形成されており、その移動に伴なって面振れが
生ずる。さらに、外部から加わる振動や衝撃によって面
振れは促進される。この為、移動スリットと固定スリッ
トの間隔は所定のクリアランスを考慮して設定しなけれ
ばならず実際には上述した像のぼやけを抑制する事が困
難であり、幾何光学式エンコーダの高分解能化及び小型
化の障害となっていた。
【0005】上述した幾何光学式エンコーダの課題に鑑
み、本発明は移動スリットと固定スリットを近接配置す
る事なく高分解能化の可能な改良された幾何光学式エン
コーダを提供する事を目的とする。又、光の波動的な性
質に起因する分解能の限界に関わらず、像のぼやけが抑
制された幾何光学式エンコーダを提供する事を目的とす
る。
み、本発明は移動スリットと固定スリットを近接配置す
る事なく高分解能化の可能な改良された幾何光学式エン
コーダを提供する事を目的とする。又、光の波動的な性
質に起因する分解能の限界に関わらず、像のぼやけが抑
制された幾何光学式エンコーダを提供する事を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1を参照して本発明の
目的を達成する為に講じられた手段を説明する。図示す
る光学式変位検出装置は、周期的なスリットパタン1を
有し所定の第1平面に沿って変位可能に搭載された変位
部材2と、該スリットパタン1をコヒーレント光で照明
し第1平面に沿って移動する1次明暗像3を生成する為
のコヒーレント光源4と、該1次明暗像3を所定の倍率
で投影し所定の第2平面に沿って移動する拡大された2
次明暗像5を結像する為のレンズ部材6と、第2平面上
に固定配置されており移動する2次明暗像に応じた有効
受光エリアを有し変位部材2の変位を表わす電気信号7
を出力する為の受光部8とから構成されている。ここ
で、スリットパタン1の周期的配列ピッチをPとし、コ
ヒーレント光の波長をλとし、レンズ部材6の第1平面
側開口数をNAとすると、図示する光学系はP>λ/N
Aの関係を満たす様に設定されている。変位部材2は絶
対変位量を表わすビットコード化されたスリットパタン
1を有する。あるいは、変位部材2は相対変位量を表わ
す規則的なスリットパタン1を有するものであっても良
い。
目的を達成する為に講じられた手段を説明する。図示す
る光学式変位検出装置は、周期的なスリットパタン1を
有し所定の第1平面に沿って変位可能に搭載された変位
部材2と、該スリットパタン1をコヒーレント光で照明
し第1平面に沿って移動する1次明暗像3を生成する為
のコヒーレント光源4と、該1次明暗像3を所定の倍率
で投影し所定の第2平面に沿って移動する拡大された2
次明暗像5を結像する為のレンズ部材6と、第2平面上
に固定配置されており移動する2次明暗像に応じた有効
受光エリアを有し変位部材2の変位を表わす電気信号7
を出力する為の受光部8とから構成されている。ここ
で、スリットパタン1の周期的配列ピッチをPとし、コ
ヒーレント光の波長をλとし、レンズ部材6の第1平面
側開口数をNAとすると、図示する光学系はP>λ/N
Aの関係を満たす様に設定されている。変位部材2は絶
対変位量を表わすビットコード化されたスリットパタン
1を有する。あるいは、変位部材2は相対変位量を表わ
す規則的なスリットパタン1を有するものであっても良
い。
【0007】図示の例では、変位部材2は透明基板21
に形成された透過部22と非透過部23との周期的配列
からなるスリットパタン1を有するとともに、コヒーレ
ント光源4は透明基板21を背面からコヒーレント光で
照明し1次明暗像3を生成する様に配置されている。
又、受光部8は周期的マスクパタンに従って形成された
透過部81及び非透過部82の配列を有する固定マスク
板83と、その背後に配置された一様な受光領域84を
有する受光素子85とからなる二層構造である。この二
層構造により、2次明暗像に応じた有効受光エリアが規
定される。しかしながら、受光部8はかかる二層構造に
限られるものではない。例えば、周期的マスクパタンに
従って形成された周期的な有効受光エリアを有する受光
素子からなる単層構造を受光部として用いても良い。
又、レンズ部材6は非球面レンズからなり、実質的に収
差の除去された2次明暗像5を結像させる様にしてい
る。
に形成された透過部22と非透過部23との周期的配列
からなるスリットパタン1を有するとともに、コヒーレ
ント光源4は透明基板21を背面からコヒーレント光で
照明し1次明暗像3を生成する様に配置されている。
又、受光部8は周期的マスクパタンに従って形成された
透過部81及び非透過部82の配列を有する固定マスク
板83と、その背後に配置された一様な受光領域84を
有する受光素子85とからなる二層構造である。この二
層構造により、2次明暗像に応じた有効受光エリアが規
定される。しかしながら、受光部8はかかる二層構造に
限られるものではない。例えば、周期的マスクパタンに
従って形成された周期的な有効受光エリアを有する受光
素子からなる単層構造を受光部として用いても良い。
又、レンズ部材6は非球面レンズからなり、実質的に収
差の除去された2次明暗像5を結像させる様にしてい
る。
【0008】
【作用】コヒーレント光源4によりスリットパタン1を
照明すると第1平面に沿って移動する1次明暗像3が得
られる。この第1平面はレンズ部材6を基準にして光軸
方向距離Lの位置に設定されている。1次明暗像3はス
リットパタン1の周期に対応したピークピッチを有す
る。この1次明暗像3はレンズ部材6により拡大投影さ
れ第2平面上に2次明暗像5として結像される。第2平
面はレンズ部材6を基準にして光軸方向距離Nの位置に
設定されている。これらの距離L及びNはレンズ公式1
/N+1/L=1/Fに従って計算される。但しFはレ
ンズ部材6の焦点距離である。このレンズ公式から明ら
かな様に、1次明暗像3に対する2次明暗像5の拡大倍
率MはN/Lで与えられる。
照明すると第1平面に沿って移動する1次明暗像3が得
られる。この第1平面はレンズ部材6を基準にして光軸
方向距離Lの位置に設定されている。1次明暗像3はス
リットパタン1の周期に対応したピークピッチを有す
る。この1次明暗像3はレンズ部材6により拡大投影さ
れ第2平面上に2次明暗像5として結像される。第2平
面はレンズ部材6を基準にして光軸方向距離Nの位置に
設定されている。これらの距離L及びNはレンズ公式1
/N+1/L=1/Fに従って計算される。但しFはレ
ンズ部材6の焦点距離である。このレンズ公式から明ら
かな様に、1次明暗像3に対する2次明暗像5の拡大倍
率MはN/Lで与えられる。
【0009】矢印で示す様に1次明暗像3が移動すると
これに応じて2次明暗像5も移動する。但しその移動方
向は反対である。移動する2次明暗像5のピークは固定
マスク板83を介して間欠的に受光素子85により受光
され受光量変化に応じた交流電気信号7が出力される。
スリットパタン1が相対変位量を表わす単純な規則的パ
タンである場合には、交流電気信号7の周波数が変位部
材2の変位速度を表わし、波の数が変位量を表わす。か
かる構成によれば、変位部材2と受光部8を何ら近接さ
せる事なく光の直進性を利用した高分解能エンコーダを
得る事ができる。高分解能化の為に、第1平面側のスリ
ットパタンを微細化しても第2平面側のマスクパタンを
微細化する必要はない。スリットパタンの周期とマスク
パタンの周期との間にも上述した拡大倍率が適用され
る。
これに応じて2次明暗像5も移動する。但しその移動方
向は反対である。移動する2次明暗像5のピークは固定
マスク板83を介して間欠的に受光素子85により受光
され受光量変化に応じた交流電気信号7が出力される。
スリットパタン1が相対変位量を表わす単純な規則的パ
タンである場合には、交流電気信号7の周波数が変位部
材2の変位速度を表わし、波の数が変位量を表わす。か
かる構成によれば、変位部材2と受光部8を何ら近接さ
せる事なく光の直進性を利用した高分解能エンコーダを
得る事ができる。高分解能化の為に、第1平面側のスリ
ットパタンを微細化しても第2平面側のマスクパタンを
微細化する必要はない。スリットパタンの周期とマスク
パタンの周期との間にも上述した拡大倍率が適用され
る。
【0010】本発明においては、スリットパタン1の周
期的配列ピッチをPとし、コヒーレント光の波長をλと
し、レンズ部材6の第1平面側開口数をNAとすると、
P>λ/NAの関係を満たす様に幾何光学系が設定され
ている。コヒーレント光源4を用い且つ上述した関係を
満たす事により、スリットパタンの周期的配列ピッチP
をコヒーレント光の波長λのオーダまで微細化でき、且
つ極めてコントラストの明瞭な2次明暗像5を得る事が
できる。以下、この点につき詳細な説明を加える。
期的配列ピッチをPとし、コヒーレント光の波長をλと
し、レンズ部材6の第1平面側開口数をNAとすると、
P>λ/NAの関係を満たす様に幾何光学系が設定され
ている。コヒーレント光源4を用い且つ上述した関係を
満たす事により、スリットパタンの周期的配列ピッチP
をコヒーレント光の波長λのオーダまで微細化でき、且
つ極めてコントラストの明瞭な2次明暗像5を得る事が
できる。以下、この点につき詳細な説明を加える。
【0011】一般に、無収差レンズにより結像される点
像の波動分布Uは円形開口のフラウンフォーファ(Fr
aunhofer)回折から導かれる(例えばM.Bo
rn,E.Wolf著 草川,横田訳「光学の原理II」
pp600,東海大学出版会,1975年参照)。結果
を表わすと以下の数式1の様になる。
像の波動分布Uは円形開口のフラウンフォーファ(Fr
aunhofer)回折から導かれる(例えばM.Bo
rn,E.Wolf著 草川,横田訳「光学の原理II」
pp600,東海大学出版会,1975年参照)。結果
を表わすと以下の数式1の様になる。
【数1】
【0012】さらに数式1で求めた波動分布Uに基き光
強度分布Iを求めると以下の数式2の様になる。
強度分布Iを求めると以下の数式2の様になる。
【数2】 上記数式2をグラフに表わすと図2の様になる。即ち、
よく知られている様に、無収差レンズにより結像される
点像の光強度分布は、所謂エアリーの円板で与えられ光
の波動的性質に基き所定の拡がりを有する。即ち、無収
差レンズであっても波動光学上の限界があり、理想的な
点像を得る事はできず必ずある程度の拡がりを有する円
板像となる。
よく知られている様に、無収差レンズにより結像される
点像の光強度分布は、所謂エアリーの円板で与えられ光
の波動的性質に基き所定の拡がりを有する。即ち、無収
差レンズであっても波動光学上の限界があり、理想的な
点像を得る事はできず必ずある程度の拡がりを有する円
板像となる。
【0013】今仮に、変位部材のスリットパタンにより
得られる1次明暗像が矩形波で表わされるとすると、光
源がインコヒーレント光の場合、数式2の点像強度分布
を前記矩形波にレンズの拡大倍率をかけた範囲で積分す
る事により、2次明暗像の強度分布が求められる。一方
コヒーレント光を用いてスリットパタンを照明した場合
には、波動の位相を考慮に入れる必要がある為数式1を
矩形波の全画角に渡って積分しなければならない。そこ
で、レンズ開口を微小成分に分け、Fresnel−K
irchhoffの回折公式に基いて具体的なパラメー
タを用いシュミレーションを行なった。用いたパラメー
タは、第1平面側から見たレンズの開口数NAを0.2
5とし、スリットピッチを5.5μmとし、レンズ焦点
距離を3.2mmとし、レンズ拡大倍率を15.2倍と
し、スリットパタン及びマスクパタンの明暗デューティ
ーを1対1とした。又、レンズは無収差として取り扱っ
た。さらに、インコヒーレント光についてはLEDを光
源としその波長λを680nmに設定し、コヒーレント光
の場合には光源としてレーザダイオードを用い波長λを
780nmに設定した。インコヒーレント光のシュミレー
ション結果を図3に示す。又、その電気出力を図4に示
す。一方、コヒーレント光の2次明暗像光強度分布を図
5に示し、同じく電気出力を図6に示す。
得られる1次明暗像が矩形波で表わされるとすると、光
源がインコヒーレント光の場合、数式2の点像強度分布
を前記矩形波にレンズの拡大倍率をかけた範囲で積分す
る事により、2次明暗像の強度分布が求められる。一方
コヒーレント光を用いてスリットパタンを照明した場合
には、波動の位相を考慮に入れる必要がある為数式1を
矩形波の全画角に渡って積分しなければならない。そこ
で、レンズ開口を微小成分に分け、Fresnel−K
irchhoffの回折公式に基いて具体的なパラメー
タを用いシュミレーションを行なった。用いたパラメー
タは、第1平面側から見たレンズの開口数NAを0.2
5とし、スリットピッチを5.5μmとし、レンズ焦点
距離を3.2mmとし、レンズ拡大倍率を15.2倍と
し、スリットパタン及びマスクパタンの明暗デューティ
ーを1対1とした。又、レンズは無収差として取り扱っ
た。さらに、インコヒーレント光についてはLEDを光
源としその波長λを680nmに設定し、コヒーレント光
の場合には光源としてレーザダイオードを用い波長λを
780nmに設定した。インコヒーレント光のシュミレー
ション結果を図3に示す。又、その電気出力を図4に示
す。一方、コヒーレント光の2次明暗像光強度分布を図
5に示し、同じく電気出力を図6に示す。
【0014】前述したZ=k・a・r/Rの関係から、
a=Z・R・λ/2πrが得られる。ある一定値Zでの
光強度Iに注目すると、aはλに比例する。従ってλが
大きくなるとエアリーの円板も大きくなり2次明暗像の
コントラストが悪くなるはずである。しかしながら、実
際には図3と図5、図4と図6を比較すれば明らかな様
に、波長λ=780nmのコヒーレント光の方が、波長λ
=680nmのインコヒーレント光を用いた場合よりも2
次明暗像のコントラストが大幅に改善されている。
a=Z・R・λ/2πrが得られる。ある一定値Zでの
光強度Iに注目すると、aはλに比例する。従ってλが
大きくなるとエアリーの円板も大きくなり2次明暗像の
コントラストが悪くなるはずである。しかしながら、実
際には図3と図5、図4と図6を比較すれば明らかな様
に、波長λ=780nmのコヒーレント光の方が、波長λ
=680nmのインコヒーレント光を用いた場合よりも2
次明暗像のコントラストが大幅に改善されている。
【0015】図7はエンコーダの出力特性を示すグラフ
である。図7の上部に示す様に、受光素子は移動する2
次明暗像の受光量変化に応じて交流電気信号を出力す
る。この電気信号は交流信号成分VP −VB と直流オフ
セット成分VB を含んでいる。図7のグラフは横軸にエ
ンコーダ板の面振れ量をとっており、縦軸に交流信号成
分の大きさをとっている。このグラフにおいて黒点を結
んだカーブはコヒーレント光源(λ=780nm)を用い
た場合を示しており、白点を結んだカーブはインコヒー
レント光源(λ=680nm)を用いた場合を示してい
る。このグラフから明らかな様に、コヒーレント光源を
用いた場合にはインコヒーレント光源に比較し、大きな
交流信号成分を取り出す事ができる。又、相当程度の面
振れがあっても、コヒーレント光源を用いれば安定した
交流信号成分を得る事ができる。
である。図7の上部に示す様に、受光素子は移動する2
次明暗像の受光量変化に応じて交流電気信号を出力す
る。この電気信号は交流信号成分VP −VB と直流オフ
セット成分VB を含んでいる。図7のグラフは横軸にエ
ンコーダ板の面振れ量をとっており、縦軸に交流信号成
分の大きさをとっている。このグラフにおいて黒点を結
んだカーブはコヒーレント光源(λ=780nm)を用い
た場合を示しており、白点を結んだカーブはインコヒー
レント光源(λ=680nm)を用いた場合を示してい
る。このグラフから明らかな様に、コヒーレント光源を
用いた場合にはインコヒーレント光源に比較し、大きな
交流信号成分を取り出す事ができる。又、相当程度の面
振れがあっても、コヒーレント光源を用いれば安定した
交流信号成分を得る事ができる。
【0016】次に、上述した現象が生じる条件について
説明する。コヒーレント光源の光学的伝達関数OTFは
瞳関数Gと等しい事が知られている。従って、レンズが
無収差で開口が半径Aの円とすると第2平面側でのOT
Fは図8に示す様になり、カットオフ周波数はA/λR
で与えられる。なお、Rは前述した様にバックフォーカ
スである。一方、インコヒーレント光源の場合の光学的
伝達関数は瞳関数の自己相関関数Hになり、以下の数式
3で与えられる。
説明する。コヒーレント光源の光学的伝達関数OTFは
瞳関数Gと等しい事が知られている。従って、レンズが
無収差で開口が半径Aの円とすると第2平面側でのOT
Fは図8に示す様になり、カットオフ周波数はA/λR
で与えられる。なお、Rは前述した様にバックフォーカ
スである。一方、インコヒーレント光源の場合の光学的
伝達関数は瞳関数の自己相関関数Hになり、以下の数式
3で与えられる。
【数3】 同じくレンズ開口が半径Aの円であるとすると、数式3
の右辺は図9に示した斜線部面積に等しく、この値を計
算すると図8に示すインコヒーレント光源のOTFが得
られる。そのカットオフ周波数は2A/λRとなる。
の右辺は図9に示した斜線部面積に等しく、この値を計
算すると図8に示すインコヒーレント光源のOTFが得
られる。そのカットオフ周波数は2A/λRとなる。
【0017】図8に着目すると、空間周波数がA/λR
以下の範囲において、コヒーレント光源のOTFがイン
コヒーレント光源のOTFより高い事がわかる。1次明
暗像が正弦波的に振幅変化する場合には、2次明暗像の
コントラストはこのOTFで与えられる。しかしなが
ら、2次明暗像が一般的な矩形波の場合、以下の数式4
で示す様に2次明暗像のコントラストはOTFの級数和
で表わされる(久保田,浮田,會田編「光学技術ハンド
ブック」p153,朝倉書店,1968年参照)。
以下の範囲において、コヒーレント光源のOTFがイン
コヒーレント光源のOTFより高い事がわかる。1次明
暗像が正弦波的に振幅変化する場合には、2次明暗像の
コントラストはこのOTFで与えられる。しかしなが
ら、2次明暗像が一般的な矩形波の場合、以下の数式4
で示す様に2次明暗像のコントラストはOTFの級数和
で表わされる(久保田,浮田,會田編「光学技術ハンド
ブック」p153,朝倉書店,1968年参照)。
【数4】 コヒーレント光及びインコヒーレント光の双方とも、空
間周波数3A/λR,5A/λR,7A/λR,…,で
OTFの値が0となり、A/λR近傍の空間周波数を上
記数式4に代入してもコントラストTに大きな変化は生
じない。従って、本発明の効果が生じる条件は、2次明
暗像上で空間周波数がA/λR以下の場合に限定され
る。
間周波数3A/λR,5A/λR,7A/λR,…,で
OTFの値が0となり、A/λR近傍の空間周波数を上
記数式4に代入してもコントラストTに大きな変化は生
じない。従って、本発明の効果が生じる条件は、2次明
暗像上で空間周波数がA/λR以下の場合に限定され
る。
【0018】この限界空間周波数の値A/λRをスリッ
トピッチに換算する。先ず、2次明暗像のピッチは以下
の数式5で与えられる。
トピッチに換算する。先ず、2次明暗像のピッチは以下
の数式5で与えられる。
【数5】 正弦条件が成立すると、以下の数式6が成り立つ。
【数6】 従って、上記数式5及び数式6に基き、限界的なスリッ
トピッチPの値は以下の数式7で与えられる。
トピッチPの値は以下の数式7で与えられる。
【数7】 波長λ=780nm、開口数NA=0.25を上記数式7
に代入すると、限界スリットピッチの値Pは3.12μ
mとなる。前述したシュミレーションでは、スリットピ
ッチを5.5μmに設定していた。従って、この値は限
界内であり、インコヒーレント光を用いた場合よりも、
コヒーレント光を用いる事により2次明暗像のコントラ
ストを改善できる事が理論的に裏付けられる。
に代入すると、限界スリットピッチの値Pは3.12μ
mとなる。前述したシュミレーションでは、スリットピ
ッチを5.5μmに設定していた。従って、この値は限
界内であり、インコヒーレント光を用いた場合よりも、
コヒーレント光を用いる事により2次明暗像のコントラ
ストを改善できる事が理論的に裏付けられる。
【0019】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図10は、本発明にかかる光学式変位
検出装置をインクリメンタル式のロータリエンコーダに
適用した実施例を示す模式的分解斜視図である。なお、
本発明はロータリエンコーダに限られずリニアエンコー
ダにも適用できる事は言うまでもない。図示するロータ
リエンコーダは照明光源としてレーザダイオードからな
るコヒーレント光源4を用いている。その前方にはロー
タリエンコーダ板2が回転可能に配置されている。エン
コーダ板2はガラス板等の透明基板からなり、その下面
側にはスリットパタン1が放射状に形成されている。ス
リットパタン1は所定の周期でロータリエンコーダ板2
の円周方向に沿って配列されている。この規則的なスリ
ットパタン1の半径方向内側には基準スリット1Zも形
成されている。基準スリットはエンコーダ板2の基準位
置を表わす。スリットパタン1及び基準スリット1Zは
フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて形成でき微
細加工が可能である。
詳細に説明する。図10は、本発明にかかる光学式変位
検出装置をインクリメンタル式のロータリエンコーダに
適用した実施例を示す模式的分解斜視図である。なお、
本発明はロータリエンコーダに限られずリニアエンコー
ダにも適用できる事は言うまでもない。図示するロータ
リエンコーダは照明光源としてレーザダイオードからな
るコヒーレント光源4を用いている。その前方にはロー
タリエンコーダ板2が回転可能に配置されている。エン
コーダ板2はガラス板等の透明基板からなり、その下面
側にはスリットパタン1が放射状に形成されている。ス
リットパタン1は所定の周期でロータリエンコーダ板2
の円周方向に沿って配列されている。この規則的なスリ
ットパタン1の半径方向内側には基準スリット1Zも形
成されている。基準スリットはエンコーダ板2の基準位
置を表わす。スリットパタン1及び基準スリット1Zは
フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて形成でき微
細加工が可能である。
【0020】エンコーダ板2の前方所定位置には拡大結
像レンズ部材が配置されている。この部材は非球面レン
ズ6からなり、スリットパタン1の拡大像から極力収差
を除く様にしている。非球面レンズ6の前方結像面上に
は固定マスク板83が配置されている。固定マスク板8
3には第1スリット列83A、第2スリット列83B及
び開口83Zが形成されている。スリット列の配列周期
は拡大された2次明暗像の縞間隔に対応している。第1
スリット列83Aと第2スリット列83Bの位相は90
°ずれておりエンコーダ板2の回転方向を検出可能とし
ている。又、開口83Zは基準スリット1Zの拡大像の
みを選択的に透過できる位置に形成されている。固定ス
リット板83の背面には受光素子85が配置されてい
る。受光素子85は一様な受光面を有するフォトダイオ
ードからなる。
像レンズ部材が配置されている。この部材は非球面レン
ズ6からなり、スリットパタン1の拡大像から極力収差
を除く様にしている。非球面レンズ6の前方結像面上に
は固定マスク板83が配置されている。固定マスク板8
3には第1スリット列83A、第2スリット列83B及
び開口83Zが形成されている。スリット列の配列周期
は拡大された2次明暗像の縞間隔に対応している。第1
スリット列83Aと第2スリット列83Bの位相は90
°ずれておりエンコーダ板2の回転方向を検出可能とし
ている。又、開口83Zは基準スリット1Zの拡大像の
みを選択的に透過できる位置に形成されている。固定ス
リット板83の背面には受光素子85が配置されてい
る。受光素子85は一様な受光面を有するフォトダイオ
ードからなる。
【0021】図11は、図10に示した受光素子85か
ら得られる出力電圧波形を示すグラフである。なお、こ
の出力電圧波形は前述したシュミレーションと同一の条
件でインクリメンタル式ロータリエンコーダを組み立て
レーザダイオードを光源として用い実際に測定されたも
のである。一方、図12は、同一の条件で単に光源をL
EDからなるインコヒーレント光源に代えた場合の実測
された出力電圧波形を示している。レンズの収差、倍率
誤差、散乱光等の影響により、シュミレーション結果
(図4,図6)と比較すると、双方とも振幅値は低下し
ているが、明らかにレーザダイオードを光源として用い
た方が高い振幅値を達成する事ができる。
ら得られる出力電圧波形を示すグラフである。なお、こ
の出力電圧波形は前述したシュミレーションと同一の条
件でインクリメンタル式ロータリエンコーダを組み立て
レーザダイオードを光源として用い実際に測定されたも
のである。一方、図12は、同一の条件で単に光源をL
EDからなるインコヒーレント光源に代えた場合の実測
された出力電圧波形を示している。レンズの収差、倍率
誤差、散乱光等の影響により、シュミレーション結果
(図4,図6)と比較すると、双方とも振幅値は低下し
ているが、明らかにレーザダイオードを光源として用い
た方が高い振幅値を達成する事ができる。
【0022】図13は本発明の他の実施例を示す模式的
な分解斜視図である。図示するロータリエンコーダはア
ブソリュート式であり、図10に示したインクリメンタ
ル式と異なる。インクリメンタル式のエンコーダは所定
の基準位置に基き放射状スリットの個数を光学的に計数
する。これに対し、アブソリュート式のエンコーダで
は、ロータリディスクの表面に形成されたコード化パタ
ンを光学的に検出し絶対位置を直接読み取るものであ
る。図示する様に、アブソリュート式エンコーダは互い
に同心的に配置した複数のトラック101ないし108
が形成されたロータリディスク100を利用する。これ
らのトラック101ないし108はビットコード化され
たスリットパタンを規定しており、ディスクの絶対角度
位置を表わしている。これらのトラック101ないし1
08は半径方向外側に向って順に高位ビットから低位ビ
ットに対応している。レーザダイオード等からなるコヒ
ーレント光源109がディスク100の下面側に配置し
ており、トラック101ないし108を照明する。拡大
レンズ部材110がディスク100の上面側に配置して
おり、コヒーレント光源109に対面して所定の拡大倍
率によりトラック101ないし108の照明されたスリ
ットパタンを投影する。受光素子アレイ111が固定マ
スク板112を介して配置しており、拡大投影されたパ
タンを受光して、トラック毎に検出信号を出力する。即
ち、マスク板112は所定のピッチで径方向に整列した
複数の窓121ないし128を有しておりトラック毎に
投影された光を分離する。出力された検出信号を処理す
る事によりスリットパタンをデコードしロータリディス
ク100の絶対位置あるいは番地を決定する。
な分解斜視図である。図示するロータリエンコーダはア
ブソリュート式であり、図10に示したインクリメンタ
ル式と異なる。インクリメンタル式のエンコーダは所定
の基準位置に基き放射状スリットの個数を光学的に計数
する。これに対し、アブソリュート式のエンコーダで
は、ロータリディスクの表面に形成されたコード化パタ
ンを光学的に検出し絶対位置を直接読み取るものであ
る。図示する様に、アブソリュート式エンコーダは互い
に同心的に配置した複数のトラック101ないし108
が形成されたロータリディスク100を利用する。これ
らのトラック101ないし108はビットコード化され
たスリットパタンを規定しており、ディスクの絶対角度
位置を表わしている。これらのトラック101ないし1
08は半径方向外側に向って順に高位ビットから低位ビ
ットに対応している。レーザダイオード等からなるコヒ
ーレント光源109がディスク100の下面側に配置し
ており、トラック101ないし108を照明する。拡大
レンズ部材110がディスク100の上面側に配置して
おり、コヒーレント光源109に対面して所定の拡大倍
率によりトラック101ないし108の照明されたスリ
ットパタンを投影する。受光素子アレイ111が固定マ
スク板112を介して配置しており、拡大投影されたパ
タンを受光して、トラック毎に検出信号を出力する。即
ち、マスク板112は所定のピッチで径方向に整列した
複数の窓121ないし128を有しておりトラック毎に
投影された光を分離する。出力された検出信号を処理す
る事によりスリットパタンをデコードしロータリディス
ク100の絶対位置あるいは番地を決定する。
【0023】本例では、ディスク表面に8本のトラック
101ないし108が形成されており、これにより28
の分解能をもってディスクの角度位置を8ビットパラレ
ルデータにより記録できる。容易に理解される様に、ト
ラックの本数を増す程絶対角度位置検出の解像度を高く
できる。典型的には、ディスクには12本の同心状トラ
ックが形成されている。かかる場合、トラック配列の径
方向ピッチは極めて小さく設定されておりディスクのサ
イズを大型化しない様にしている。さらに、最下位ビッ
トに対応する最外側トラックは極めて微細な周方向ピッ
チを有するスリットパタンとなっている。なぜならば、
本実施例においては周方向ピッチは、最上位ビットに対
応する最内側トラックの1/212に設定されているから
である。勿論、パタンの形成は必ずしもこの数値に限ら
れるものではない。この様な小型で且つ高解像度のアブ
ソリュート式エンコーダにおいて本発明は最も効果的で
ある。即ち、極端に微細なスリットパタンは挿入された
投影レンズにより拡大されるので、受光素子アレイは拡
大2次明暗像を良好なS/N比で検出する事ができると
ともに、受光素子アレイ自体は実用的な受光エリア寸法
を備えている。換言すると、本発明によれば、極めて微
細なスリットパタンをディスクに形成でき解像度を改善
できるとともにディスクを小型化可能とする。その一方
で、受光素子アレイは実用的に十分な受光エリアを備え
る事ができ、S/N比を確保するとともに隣接するトラ
ック間で光分離を確実なものとする。
101ないし108が形成されており、これにより28
の分解能をもってディスクの角度位置を8ビットパラレ
ルデータにより記録できる。容易に理解される様に、ト
ラックの本数を増す程絶対角度位置検出の解像度を高く
できる。典型的には、ディスクには12本の同心状トラ
ックが形成されている。かかる場合、トラック配列の径
方向ピッチは極めて小さく設定されておりディスクのサ
イズを大型化しない様にしている。さらに、最下位ビッ
トに対応する最外側トラックは極めて微細な周方向ピッ
チを有するスリットパタンとなっている。なぜならば、
本実施例においては周方向ピッチは、最上位ビットに対
応する最内側トラックの1/212に設定されているから
である。勿論、パタンの形成は必ずしもこの数値に限ら
れるものではない。この様な小型で且つ高解像度のアブ
ソリュート式エンコーダにおいて本発明は最も効果的で
ある。即ち、極端に微細なスリットパタンは挿入された
投影レンズにより拡大されるので、受光素子アレイは拡
大2次明暗像を良好なS/N比で検出する事ができると
ともに、受光素子アレイ自体は実用的な受光エリア寸法
を備えている。換言すると、本発明によれば、極めて微
細なスリットパタンをディスクに形成でき解像度を改善
できるとともにディスクを小型化可能とする。その一方
で、受光素子アレイは実用的に十分な受光エリアを備え
る事ができ、S/N比を確保するとともに隣接するトラ
ック間で光分離を確実なものとする。
【0024】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ス
リットパタンの形成されたエンコーダ板をコヒーレント
光により照明して1次明暗像を生成するとともに、これ
をレンズで拡大投影し2次明暗像を得ている。この拡大
2次明暗像をマスクパタンに従って受光する事によりエ
ンコーダ板の変位を検出している。この為、スリットパ
タンを従来に比し微細化する事ができ高分解能のエンコ
ーダを得る事ができるという効果がある。又、スリット
パタンとマスクパタンを従来の様に近接配置する必要が
ない為、エンコーダ板に対する面振れの許容範囲が拡が
るとともに外部衝撃や振動に対して強い安定したエンコ
ーダを得る事ができるという効果がある。加えて、コヒ
ーレント光源を用いる事によりスリットピッチを波長オ
ーダまで微細化した場合でも十分な2次明暗像のコント
ラストを確保する事ができるという効果がある。さら
に、スリットの微細化が可能となった為、実用的なレベ
ルでアブソリュート式エンコーダに応用できるという効
果がある。
リットパタンの形成されたエンコーダ板をコヒーレント
光により照明して1次明暗像を生成するとともに、これ
をレンズで拡大投影し2次明暗像を得ている。この拡大
2次明暗像をマスクパタンに従って受光する事によりエ
ンコーダ板の変位を検出している。この為、スリットパ
タンを従来に比し微細化する事ができ高分解能のエンコ
ーダを得る事ができるという効果がある。又、スリット
パタンとマスクパタンを従来の様に近接配置する必要が
ない為、エンコーダ板に対する面振れの許容範囲が拡が
るとともに外部衝撃や振動に対して強い安定したエンコ
ーダを得る事ができるという効果がある。加えて、コヒ
ーレント光源を用いる事によりスリットピッチを波長オ
ーダまで微細化した場合でも十分な2次明暗像のコント
ラストを確保する事ができるという効果がある。さら
に、スリットの微細化が可能となった為、実用的なレベ
ルでアブソリュート式エンコーダに応用できるという効
果がある。
【図1】本発明にかかる光学式変位検出装置の基本的構
成を示す模式図である。
成を示す模式図である。
【図2】本発明の作用を説明する為のグラフである。
【図3】インコヒーレント光源を用いた場合の2次明暗
像光強度を示すグラフである。
像光強度を示すグラフである。
【図4】インコヒーレント光源を用いた場合における電
気出力波形を示すグラフである。
気出力波形を示すグラフである。
【図5】コヒーレント光源を用いた場合における2次明
暗像光強度を示すグラフである。
暗像光強度を示すグラフである。
【図6】コヒーレント光源を用いた場合における電気出
力波形を示すグラフである。
力波形を示すグラフである。
【図7】電気出力の交流振幅と面振れとの関係を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図8】コヒーレント光源及びインコヒーレント光源の
光学的伝達関数と空間周波数との関係を示すグラフであ
る。
光学的伝達関数と空間周波数との関係を示すグラフであ
る。
【図9】瞳関数の演算過程を示すグラフである。
【図10】本発明をインクリメンタル式のロータリエン
コーダに適用した実施例を示す模式的な分解斜視図であ
る。
コーダに適用した実施例を示す模式的な分解斜視図であ
る。
【図11】図10の実施例により得られる出力電圧波形
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図12】比較例の出力電圧波形を示すグラフである。
【図13】本発明をアブソリュート式のロータリエンコ
ーダに適用した他の実施例を示す模式的な分解斜視図で
ある。
ーダに適用した他の実施例を示す模式的な分解斜視図で
ある。
1 スリットパタン 2 変位部材 3 1次明暗像 4 コヒーレント光源 5 2次明暗像 6 レンズ部材 7 電気信号 8 受光部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/26 - 5/38 G01B 11/00 - 11/30
Claims (3)
- 【請求項1】 透明基板に形成された透過部と非透過部
の周期的配列からなるスリットパタンを有し所定の第1
平面に沿って変位可能に搭載された変位部材と、該スリ
ットパタンをコヒーレント光で照明し第1平面に沿って
移動する1次明暗像を生成する為のコヒーレント光源
と、該1次明暗像を所定の倍率で投影し所定の第2平面
に沿って移動する拡大された2次明暗像を結像する為の
レンズ部材と、第2平面上に固定配置されており移動す
る2次明暗像に応じた有効受光エリアを有し該変位部材
の変位を表わす電気信号を出力する為の受光部とからな
る光学式変位検出装置であって、 スリットパタンの周期的配列ピッチをPとし、コヒーレ
ント光波長をλとし、レンズ部材の第1平面側開口数を
NAとすると、P>λ/NAの関係を満たす光学式変位
検出装置。 - 【請求項2】 前記変位部材は、絶対変位量を表わすビ
ットコード化されたスリットパタンを有する請求項1記
載の光学式変位検出装置。 - 【請求項3】 前記変位部材は、相対変位量を表わす規
則的なスリットパタンを有する請求項1記載の光学式変
位検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34546592A JP3285979B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 光学式変位検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34546592A JP3285979B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 光学式変位検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06174495A JPH06174495A (ja) | 1994-06-24 |
JP3285979B2 true JP3285979B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=18376784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34546592A Expired - Lifetime JP3285979B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 光学式変位検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3285979B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH099304A (ja) * | 1995-06-24 | 1997-01-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ビーム位置シミュレーション調整装置 |
KR100926616B1 (ko) * | 2005-09-14 | 2009-11-11 | 아바고 테크놀로지스 이씨비유 아이피 (싱가포르) 피티이 리미티드 | 투과성 광 인코더 및 방법 |
KR102239911B1 (ko) * | 2019-02-21 | 2021-04-13 | 하이윈 마이크로시스템 코포레이션 | 광학 인코더 및 그의 제어방법 |
KR102368730B1 (ko) * | 2020-07-28 | 2022-02-28 | 하이윈 마이크로시스템 코포레이션 | 광학 인코더의 인덱스 격자 |
CN114754681B (zh) * | 2022-03-07 | 2024-05-14 | 上海微钠光电科技有限公司 | 基于光学成像传感的纳米位移测量装置及方法 |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP34546592A patent/JP3285979B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06174495A (ja) | 1994-06-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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