JP3285203B2 - アーク溶接装置の監視方法及びアーク溶接装置 - Google Patents

アーク溶接装置の監視方法及びアーク溶接装置

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JP3285203B2 JP32382099A JP32382099A JP3285203B2 JP 3285203 B2 JP3285203 B2 JP 3285203B2 JP 32382099 A JP32382099 A JP 32382099A JP 32382099 A JP32382099 A JP 32382099A JP 3285203 B2 JP3285203 B2 JP 3285203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、設定された溶接条
件が実際の溶接電圧、溶接電流等に対して予め設定した
値の範囲内にあるか否かを監視する手段を備えたアーク
溶接装置の監視方法及びアーク溶接装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】アーク溶接機において、設定した溶接電
流及び溶接電圧通りに溶接がされているかを従来より監
視するようにしているが、その溶接電流及び溶接電圧を
監視する方法として、従来は図5に示す構成ないし方法
で行なっていた。図5は溶接機と溶接条件の監視を行な
うブロック構成図を示し、アーク溶接機51の一対の出
力端子52、53に導体54、55が接続され、一方の
導体54の先端には給電チップ56が接続され、他方の
導体55の先端は母材57に接続される。また、モータ
(図示せず)により駆動されて送り出された溶接ワイヤ
60が給電チップ56に送給され、所定の溶接電流及び
溶接電圧でもってアーク溶接されるようになっている。
【0003】この溶接時の溶接電流及び溶接電圧を監視
するアーク溶接監視装置63が上記アーク溶接機51側
に対して並列的に設けられており、アーク溶接監視装置
63には検出器64が接続されている。この検出器64
には、導体55に介装したカレントトランス65と、溶
接機51の出力端子52、53からの信号が入力される
ようになっている。すなわち、アーク溶接監視装置63
に接続された検出器64は、アーク溶接機51の出力端
子52−53間の溶接電圧と、出力端子52から母材5
7を経て出力端子53に流れる溶接電流とを検出し、そ
の検出信号がアーク溶接監視装置63に入力されてい
る。そして、アーク溶接監視装置63に入力された信号
を基に、該アーク溶接監視装置63に予め設定されてい
る監視条件と比較され、アーク溶接の監視を行なうもの
である。
【0004】ここで、従来のアーク溶接監視装置63の
監視方法は、指令した溶接電流及び溶接電圧に対して上
限値と下限値とを設定しておき、これらの上限値と下限
値の範囲に実際の溶接電流及び溶接電圧が入っているか
を監視するものである。そして、実際の溶接電流や溶接
電圧が上限値以上、あるいは下限値以下となった場合に
は、溶接不良をきたすので警報を発して作業者に注意を
促すものである。
【0005】監視する条件数は、1条件ないしは数条件
の設定が可能であるが、監視を行なう前に、外部からア
ーク溶接監視装置63を操作する必要があり、この外部
からの信号、あるいはアーク溶接監視装置63のチャネ
ル選択により、監視する条件をそれぞれ指定する必要が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6は、監視条件が1
つの場合の溶接電流と監視範囲の模式図を示している。
電流指令に応じた溶接電流に対して、例えば何%かの上
限値(監視上限値1)と下限値(監視下限値1)を設定
した場合である。図6において、区間T1においては、
監視可能な領域であるが、溶接途中で溶接条件を変更し
た場合は、区間T2の状態となり、溶接電流自体が監視
範囲の下限値より低くなり、警報の対象となる。つま
り、監視条件が1つの場合は、その監視範囲は溶接途中
で変更することができず、溶接電流と監視範囲とは無関
係となり、警報を発することになる。したがって、この
場合は溶接条件を変更する場合は溶接作業を一旦停止さ
せて監視範囲を設定し直さなければならないという問題
があった。そのため、作業性が非常に悪い。
【0007】また、図7は、数条件が監視できる場合の
溶接電流と監視範囲の模式図を示すものである。区間T
1では監視範囲を上限値1、下限値1とし、また、区間
T2では監視範囲を上限値2、下限値2として監視条件
を変えて監視ができるようになっている。この図7に示
すように、区間T1及び区間T2ともに監視可能となる
が、区間T1と区間T2の変化点において監視条件を外
部からの操作による切替信号でもって切り替える必要が
あり、アーク溶接監視装置63の他に監視条件を切り替
えるための何らかの装置が必要となる。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みて提供したもの
であって、溶接電流指令値及び溶接電圧指令値が変化し
ても当該溶接電流指令値及び溶接電圧指令値に応じて監
視範囲を自動的に補正させるようにしたアーク溶接装置
の監視方法及びアーク溶接装置を提供することを目的と
しているものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1記載のアーク溶接装置の監視方法では、設定された溶
接条件が実際の溶接電圧、溶接電流等に対して予め設定
した値の範囲内にあるか否かを監視する方法において、
目標とする任意の溶接電圧、溶接電流のいずれか一方、
あるいは両方に対して上限、下限のいずれか一方、ある
いは両方の監視範囲の値を予め記憶手段15により記憶
しておき、溶接条件に応じた溶接電圧指令値S1a、溶
接電流指令値S1aのいずれか一方、あるいは両方を一
定周期毎に検出し、溶接途中で変更された溶接条件に応
じて変更される当該溶接電圧指令値S1a、溶接電流指
令値S1aに対応した上限、下限のいずれか一方、ある
いは両方の監視範囲の値を自動的に補正して溶接状態を
監視し、前記監視範囲を逸脱した回数が1回から10回
までの間の予め設定した回数に達した場合に警報出力を
行なうようにしていることを特徴としている。
【0010】かかる方法により、溶接条件に応じて溶接
電圧指令値S1a及び溶接電流指令値S1b等が異なっ
ても、例えば、溶接途中で溶接条件が変更された場合で
も、その溶接条件に対応した監視範囲を記憶手段15か
ら読み出し、監視範囲を自動的に補正しているので、従
来のように監視条件を外部より選択あるいはチャネル選
択することなく、溶接条件が途中で変化しても任意の溶
接条件に対して監視することができる。また、監視範囲
を逸脱した回数が1回から10回までの間の予め設定し
た回数に達した場合に警報出力を行なうようにしている
ので、監視精度にある程度、幅を持たせることができ
る。
【0011】請求項2記載のアーク溶接装置では、設定
された溶接条件が実際の溶接電圧、溶接電流等に対して
予め設定した値の範囲内にあるか否かを監視する手段を
備えたアーク溶接装置において、目標とする任意の溶接
電圧、溶接電流のいずれか一方、あるいは両方に対して
上限、下限のいずれか一方、あるいは両方の監視範囲の
値を予め記憶しておくと共に、前記監視範囲の逸脱回数
が1回から10回までの間の任意の回数に予め設定して
おく記憶手段15と、溶接条件に応じた溶接電圧指令値
S1a、溶接電流指令値S1aのいずれか一方、あるい
は両方を一定周期毎に検出し、溶接途中で変更された溶
接条件に応じて変更される当該溶接電圧指令値S1a、
溶接電流指令値S1aに対応した上限、下限のいずれか
一方、あるいは両方の監視範囲の値を上記記憶手段15
から読み出して監視範囲を自動的に補正する自動補正手
段14と、前記記憶手段15にて予め設定した監視範囲
の逸脱回数に達した場合に警報を出力する警報出力手段
3とを備えていることを特徴としている。
【0012】かかる構成により、溶接条件に応じて溶接
電圧指令値S1a及び溶接電流指令値S1b等が異なっ
ても、例えば、溶接途中で溶接条件が変更された場合で
も、その溶接条件に対応した監視範囲を記憶手段15か
ら読み出し、監視範囲を自動的に補正しているので、従
来のように監視条件を外部より選択あるいはチャネル選
択することなく、溶接条件が途中で変化しても任意の溶
接条件に対して監視することができる。また、監視範囲
を逸脱した回数が1回から10回までの間の予め設定し
た回数に達した場合に警報出力を行なうようにしている
ので、監視精度にある程度、幅を持たせることができ
る。
【0013】請求項3記載のアーク溶接装置では、監視
範囲の上限値、下限値の設定が、溶接条件に対して比率
設定または絶対値設定のいずれかの設定を可能としてい
ることを特徴としている。
【0014】これにより、作業者にとっては溶接条件に
対して比率設定、絶対値設定の分かり易い方法で監視範
囲を設定できる。
【0015】請求項4記載のアーク溶接装置では、実際
の溶接電圧、溶接電流が監視範囲を逸脱した場合に、溶
接電圧および溶接電流と上限警報および下限警報をマト
リクス式で表示を行なうようにしていることを特徴とし
ている。
【0016】これにより、監視範囲より逸脱した場合、
マトリクスによる警報表示で分かり易いものとなる。
【0017】請求項5記載のアーク溶接装置では、マト
リクス表示を行なう表示器をアーク溶接装置本体とは離
れた場所に設けるようにしていることを特徴としてい
る。
【0018】これにより、アーク溶接装置本体から離れ
た場所でも監視状態の表示を確認することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1はアーク溶接監視機能
を内蔵したアーク溶接装置のブロック図を示し、アーク
溶接装置の操作部には溶接電圧指令部1と溶接電流指令
部2とが設けられており、作業者が溶接ワークの形状や
継手に合わせた目標とする溶接電圧及び溶接電流に対応
した値を入力するようになっている。溶接電圧指令部1
は、入力された値に応じた溶接電圧指令値S1aを制御
装置10側に出力し、この出力値は、例えば0V〜5V
のアナログ値としている。また、溶接電流指令部2も入
力された値に応じた溶接電流指令値S1bを出力し、こ
の出力値は、例えば0V〜5Vのアナログ値としてい
る。
【0020】上記制御装置10は、マイクロコンピュー
タからなり、A/D変換器11、プログラムメモリ1
2、異常判定部13、上限・下限演算部14、ワークメ
モリ15、A/D変換器16、平均値演算部17及びス
イッチ部18等で構成されている。上記A/D変換器1
1は、溶接電圧指令部1及び溶接電流指令部2からのア
ナログ値の溶接電圧指令値S1a及び溶接電流指令値S
1bをデジタル量に変換するものであり、その変換され
たデジタル信号を溶接電圧指令値S2a及び溶接電流指
令値S2bとして出力している。
【0021】上記A/D変換器11のサンプリング周期
は例えば、10msecとし、変換された溶接電圧指令
値S2a及び溶接電流指令値S2bの1ビット当たりの
重み付けは、予めアーク溶接装置の容量に見合った値、
例えば、0.25V/ビット、及び2.5A/ビットな
どで設定している。そのため、目標とする溶接電流及び
溶接電圧は、溶接電流指令値S2b及び溶接電圧指令値
S2aに1ビットあたりの重みを乗ずることで計算され
る。
【0022】上記A/D変換器11で変換された溶接電
圧指令値S2a及び溶接電流指令値S2bはプログラム
メモリ12に入力され、このプログラムメモリ12は、
溶接電圧指令値S2a及び溶接電流指令値S2bに対し
て溶接機25から出力する溶接電圧、溶接電流の目標値
データ(例えば、8ビット、256分解能)が予め記憶
されている。すなわち、目標とする溶接電流を得るため
に、使用される溶接ワイヤ径とシールドガスの組み合わ
せ毎に、予め標準的な溶接姿勢で実験的に求められた溶
接ワイヤ送給量の値(後段のモータドライバ23への指
令値)と、これに適した溶接電圧の値(後段のIGBT
ドライバ21への指令値)が、このプログラムメモリ1
2に予め格納されている。そして、プログラムメモリ1
2から、溶接電流指令値S2b及び溶接電圧指令値S2
aに対応する値が選択され、次段のD/A変換器20に
よりアナログ値に変換され、モータドライバ23とIG
BTドライバ21へ出力される。
【0023】インバータ主回路22は、IGBT素子に
よるフルブリッジインバータ回路であり、このインバー
タ主回路22はIGBTドライバ21によりPWM制御
により駆動される。また、モータドライバ23は、モー
タ回路24を駆動するものであり、サイリスタ素子によ
る位相制御がなされている。モータ回路24は、溶接ワ
イヤ60(図5参照)を送るための送給用モータであ
る。また、アーク溶接を行なう溶接機25は、上記イン
バータ主回路22からの交流電圧(300V/20KH
z)を降圧する高周波変圧器と、降圧された交流電圧
(60V/20KHz)を整流する整流器と、この整流
器からの出力を平滑させるための直流リアクトルとで構
成されている。
【0024】電圧検出器(絶縁アンプ)26は、溶接機
25の出力とは絶縁して溶接電圧を検出するものであ
り、溶接機25の定格出力(36V)に対して、例え
ば、1/10となるように設定してある。また、電流検
出器27は、ホール素子を利用して溶接機25の出力と
は絶縁して溶接電流を検出するものであり、溶接機25
の定格出力(350A)に対して、例えば、1/100
となるように設定してある。波形整形を行なうローパス
フィルタ28は、電圧検出器26及び電流検出器27か
らの出力を更に1/2とし、約3Hzのカットオフ周波
数特性を持たせたフィルタである。
【0025】制御装置10を構成しているA/D変換器
16は、ローパスフィルタ28を介して出力された溶接
機25からの溶接電圧、溶接電流のアナログ量をデジタ
ル量に変換するものであり、10ビット構成で、サンプ
リング周期は、例えば10msecとしている。平均値
演算部17は、制御装置10内のソフトウエアによっ
て、500msec毎にA/D変換器16の出力を平均
値化するものである。この平均値演算部17で出力され
る平均値、すなわち、溶接機25から出力する溶接電
圧、溶接電流の平均値をモニタ表示部5にて表示するよ
うにしている。なお、このモニタ表示部5は、7セグメ
ントのLED表示器である。
【0026】また、ワークメモリ15は、溶接電圧、溶
接電流の監視範囲、つまり、当該溶接電圧、溶接電流に
対して、何%、何ボルト、何アンペアなどの上限値と下
限値の設定値を予め記憶しておくものである。この監視
範囲の上限値と下限値は、溶接電圧、溶接電流の溶接条
件毎に、作業者が予め設定してそれぞれワークメモリ1
5に記憶させておくものである。また、ワークメモリ1
5には、監視の開始時間を何秒遅らせるかのモニタ開始
遅延時間や、監視精度にある程度、幅を持たせるため監
視範囲から逸脱しても警報出力を出さない回数(アラー
ムパス回数)などの設定値も作業者が予め記憶設定させ
ておく。なお、このモニタ開始遅延時間を設定するよう
にしているのは、溶接の起動直後は規定の正常な溶接電
圧、溶接電流に達しないからであり、この時間を考慮し
たものである。そして、このモニタ開始遅延時間を経過
した後に、スイッチ部18のスイッチ要素がオンするこ
とで、平均値演算部17からの出力が異常判定部13に
入力されるようになっている。
【0027】上限・下限演算部14においては、制御装
置10のソフトウエアによって、上記ワークメモリ15
から取得した監視範囲(上限値、下限値)を、A/D変
換器11で読み取った溶接電圧指令値S2a及び溶接電
流指令値S2bに応じて補正を行なうものである。すな
わち、読み取った溶接電圧指令値S2a及び溶接電流指
令値S2bに応じて、予め格納しておいたワークメモリ
15からそれに対応した監視範囲の規定値を読み出し、
この読み出した監視範囲(上限値、下限値)を基準とし
て異常判定部13に送り、実際の溶接電圧、溶接電流が
監視範囲を逸脱しないかを監視するものである。
【0028】異常判定部13は、ワークメモリ15に設
定されたモニタ開始遅延時間の経過後、溶接機25から
出力する溶接電圧、溶接電流と、上限・下限演算部14
から出力された監視範囲設定値とを比較するものであ
る。この比較処理は、例えば、500msec毎に行な
うようにしている。警報表示部4は、上記異常判定部1
3からの出力により駆動されて、監視範囲を逸脱した場
合に図4に示すようなマトリクス化された表示器30に
より表示を行なうようになっている。また、警報出力部
3は、同様に上記異常判定部13からの出力により駆動
されて、監視範囲を逸脱した回数(アラームパス回数)
が予め設定した回数になった場合に接点出力を行ない、
図外のブザー等で音による報知を行なって作業者に知ら
せるようにしている。
【0029】上記表示器30は、行方向に電流(溶接電
流)、電圧(溶接電圧)をとり、列方向に上限、下限を
とり、電流、電圧の上限、下限の監視範囲を超えた場合
には、それに対応した発光ダイオード(LED)を点灯
あるいは点滅させるようにしている。
【0030】次に、図1のブロック図と図2に示すフロ
ーチャートにより制御動作について説明する。アーク溶
接装置を起動させ、溶接電圧指令部1、溶接電流指令部
2から制御装置10のA/D変換器11に溶接電圧指令
値S1a、溶接電流指令値S1bが入力され、A/D変
換器11では、デジタル化した溶接電圧指令値S2a及
び溶接電流指令値S2bを出力する。プログラムメモリ
12では、変換された溶接電圧指令値S2a及び溶接電
流指令値S2bを読み取り(図2のステップS1参
照)、次にステップS2に示すように、目標とする溶接
機25の溶接電圧、溶接電流に対応した値を選択出力
し、D/A変換器20に送る。
【0031】そして、D/A変換器20ではこれらのデ
ータをアナログ値に変換して、IGBTドライバ21、
モータドライバ23へ出力し(ステップS3参照)、イ
ンバータ主回路22、モータ回路24を駆動して溶接機
25を起動させる。溶接機25でアーク溶接が開始され
ると、電流検出器27により溶接電流が、また出力端子
間の溶接電圧は電圧検出器26で読み取り(ステップS
4参照)、読み取った溶接電圧、溶接電流は、ローパス
フィルタ28により波形整形され、その後、溶接電圧、
溶接電流はそれぞれA/D変換器16によりサンプリン
グされてデジタル値に変換され、次いでステップS5に
示すように平均値演算部17にて平均化処理が行なわれ
る。また、この平均化処理の結果値はモニタ表示部5に
て表示している(ステップS6参照)。なお、この処理
はアーク溶接の終了まで繰り返される。
【0032】一方、ワークメモリ15に記憶され、溶接
電圧指令値S2a及び溶接電流指令値S2bに対応した
上限値、下限値が上限・下限演算部14に入力されて、
溶接電圧指令値S2a及び溶接電流指令値S2bに応じ
た上限値、下限値の補正を行なう(ステップS8参
照)。そして、ワークメモリ15に記憶されたモニタ開
始遅延時間が経過後(ステップS7参照)、上述の目標
とする溶接電流および溶接電圧と、上記サンプリングさ
れた実際の溶接電流および溶接電圧が異常判定部13で
一定周期毎に比較され、予め設定された監視範囲内であ
るかの判断を行なう(ステップS9参照)。監視範囲で
あればステップS1に戻り、監視を続ける。
【0033】ステップS9で、溶接電流、溶接電圧のい
ずれか、あるいは両方が予め設定した上限値、下限値な
どの監視範囲を逸脱している場合は、ステップS10に
移行して、図4に示す表示器30の該当するLEDラン
プ31を点滅させ、この警報表示部4により作業者に注
意を促す。次に、ステップS11に示すように、監視範
囲を逸脱した回数が、ワークメモリ15に記憶されたア
ラームパス回数に達した場合には、警報出力部3から警
報出力を行なう(ステップS12参照)。なお、このア
ラームパス回数は作業者が予め任意に設定でき、例え
ば、1回〜10回までワークメモリ15に設定でき、ま
た、アラームパス回数を0回、つまり、切として、警報
出力を遮断することもできるようになっている。
【0034】図3は溶接電流指令変化と監視範囲の模式
図を示している。なお、溶接電圧指令変化の監視範囲に
ついても同様の動作を行なう。図3において、溶接電流
指令値S3の、目標とする溶接電流が250Aとする
と、例えば、比率設定の場合、電流監視上限設定値を1
0%、電流監視下限設定値を20%、また、絶対値設定
の場合、電流監視上限設定値を20A、電流監視下限設
定値を30Aと任意に設定した場合、上限溶接電流は2
75A(絶対値設定値では270A)、下限溶接電流は
200A(絶対値設定値では220A)となる。この上
限、下限の設定値の範囲が監視範囲となり、この監視範
囲内から溶接電流が逸脱すると、警報表示、警報出力等
を行なうようになっている。
【0035】次に、溶接電流指令値S3が、溶接電流指
令値S4に変化した場合、この溶接電流指令値S4に対
応した溶接電流が120Aとする。この溶接電流指令値
S4は一定周期毎(例えば、10msec毎など)にA
/D変換器11によってデジタル値に変換され、その監
視範囲は比率設定の場合は目標とする溶接電流(または
溶接電圧)の比率で、また絶対値設定の場合には、目標
とする溶接電流(または溶接電圧)に対する絶対値でそ
れぞれワークメモリ15から読み出して上限・下限演算
部14により自動的に補正がなされる。
【0036】この監視範囲の補正は、図3に示す例で
は、目標とする溶接電流が120Aとした場合に、前述
の上限値及び下限値に従って上限溶接電流は132A
(絶対値設定の場合は140A)、下限溶接電流は10
8A(絶対値設定の場合は90A)となる。すなわち、
溶接電流指令値S3が、溶接電流指令値S4に変化して
も、監視範囲が自動的に補正されて、この監視範囲内で
の監視を行なうものである。
【0037】図3では、目標とする溶接電流指令値が下
がる方向の変化の場合を示しているが、その逆の場合も
同様である。また、溶接電圧、溶接電流の一方のみを監
視して警報を発するようにしてもよく、さらには、上限
値のみ、あるいは下限値のみを監視して警報を発するよ
うにしてもよい。
【0038】このように本実施形態では、アーク溶接に
おいて設定された溶接条件と、実際の溶接電流及び溶接
電圧のズレを検出する場合に、溶接電圧指令値S1a及
び溶接電流指令値S1bを常に監視し、溶接条件が途中
で変化しても、監視範囲の上限値と下限値を上記溶接電
圧指令値S1a及び溶接電流指令値S1bに基づいて自
動的に補正しているので、従来のように監視条件を外部
より選択あるいはチャネル選択をすることなく、任意に
溶接条件に対応することができる。また、予め設定した
おいた監視範囲を逸脱した場合は、警告または警報を発
し、溶接不良を容易に検出でき、また、警報表示をマト
リクス表示しているので、内容を容易に把握でき、原因
の特定も容易となる。
【0039】したがって、従来のようにチャネル選択や
外部からの監視条件選択の必要がないため、複数の溶接
条件に対して監視することができる。また、監視条件を
選択するために必要な外部装置及び配線が不要なる。さ
らには、監視範囲より逸脱した場合は、表示器30のマ
トリクスによる警報表示で非常に分かり易い。
【0040】また、先の実施形態では、図1に示すよう
に監視範囲を逸脱した場合に、警報表示を行なう警報表
示部4をアーク溶接装置に一体的に設けていたが、この
警報表示部4をアーク溶接装置本体からは離れた場所に
設置するようにしても良い。この場合、アーク溶接装置
本体と警報表示部4とはケーブル、あるいは無線等で接
続し、アーク溶接装置本体から離れた場所で監視状態の
内容を確認することができる。
【0041】なお、本発明のアーク溶接装置の出力電流
の調整範囲は、例えば、DC40A〜350Aで、出力
電圧調整範囲は、DC14V〜36Vである。また、溶
接電流の監視範囲(上限、下限)は±0%〜50%、ま
たは±0A〜50A、溶接電圧の監視範囲は±0%〜5
0%、または±0.0V〜5.0Vとしている。もちろ
ん、監視範囲はさらに大きく設定するようにしても良
い。上記の数値は一例である。
【0042】なお、本発明は図1に示したマグ溶接機、
ミグ溶接機に適用したものであるが、ティグ溶接機やプ
ラズマ溶接機にも適用することができる。また、電圧、
電流等の検出器などは別途必要となるが、アーク溶接監
視装置としても本発明は応用することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のアーク溶接装置
の監視方法によれば、溶接条件に応じて溶接電圧指令値
及び溶接電流指令値等が異なっても、例えば、溶接途中
で溶接条件が変更された場合でも、その溶接条件に対応
した監視範囲を記憶手段から読み出し、監視範囲を自動
的に補正しているので、従来のように監視条件を外部よ
り選択あるいはチャネル選択することなく、溶接条件が
途中で変化しても任意の溶接条件に対して監視すること
ができる。また、監視範囲を逸脱した回数が1回から1
0回までの間の予め設定した回数に達した場合に警報出
力を行なうようにしているので、監視精度にある程度、
幅を持たせることができる。また、監視条件を選択する
ために必要な外部装置及び配線が不要となる。
【0044】請求項2記載のアーク溶接装置によれば、
溶接条件に応じて溶接電圧指令値及び溶接電流指令値等
が異なっても、例えば、溶接途中で溶接条件が変更され
た場合でも、その溶接条件に対応した監視範囲を記憶手
段から読み出し、監視範囲を自動的に補正しているの
で、従来のように監視条件を外部より選択あるいはチャ
ネル選択することなく、溶接条件が途中で変化しても任
意の溶接条件に対して監視することができる。また、監
視範囲を逸脱した回数が1回から10回までの間の予め
設定した回数に達した場合に警報出力を行なうようにし
ているので、監視精度にある程度、幅を持たせることが
できる。また、監視条件を選択するために必要な外部装
置及び配線が不要となる。
【0045】請求項3記載のアーク溶接装置によれば、
監視範囲の上限値、下限値の設定が、溶接条件に対して
比率設定または絶対値設定のいずれかの設定を可能とし
ているので、作業者にとっては溶接条件に対して比率設
定、絶対値設定の分かり易い方法で監視範囲を設定でき
る。
【0046】請求項4記載のアーク溶接装置によれば、
実際の溶接電圧、溶接電流が監視範囲を逸脱した場合
に、溶接電圧および溶接電流と上限警報および下限警報
をマトリクス式で表示を行なうようにしているので、監
視範囲より逸脱した場合、マトリクスによる警報表示で
分かり易いものとなる。
【0047】請求項5記載のアーク溶接装置によれば、
マトリクス表示を行なう表示器をアーク溶接装置本体と
は離れた場所に設けるようにしているので、アーク溶接
装置本体から離れた場所でも監視状態の表示を確認する
ことができる。また、マトリクス表示を行なう表示器を
設置する場所に制限がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のアーク溶接装置のブロッ
ク図である。
【図2】本発明の実施の形態の制御動作を示すフローチ
ャートである。
【図3】本発明の実施の形態の電流指令変化と監視範囲
を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態の警告表示マトリクスを示
す図である。
【図5】従来例のブロック構成図である。
【図6】従来例の電流指令変化と監視範囲を示す模式図
である。
【図7】他の従来例の電流指令変化と監視範囲を示す模
式図である。
【符号の説明】 10 制御装置 13 異常判定部 14 上限・下限演算部 15 ワークメモリ 25 溶接機 30 表示器 S1a 溶接電圧指令値 S1b 溶接電流指令値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−303966(JP,A) 特開 平11−123548(JP,A) 特開 平11−104831(JP,A) 特開 平11−123546(JP,A) 特開 昭61−199578(JP,A) 実公 平7−19669(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/095

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】設定された溶接条件が実際の溶接電圧、溶
    接電流等に対して予め設定した値の範囲内にあるか否か
    を監視する方法において、 目標とする任意の溶接電圧、溶接電流のいずれか一方、
    あるいは両方に対して上限、下限のいずれか一方、ある
    いは両方の監視範囲の値を予め記憶手段(15)により
    記憶しておき、溶接条件に応じた溶接電圧指令値(S1
    a)、溶接電流指令値(S1b)のいずれか一方、ある
    いは両方を一定周期毎に検出し、溶接途中で変更された
    溶接条件に応じて変更される当該溶接電圧指令値(S1
    a)、溶接電流指令値(S1b)に対応した上限、下限
    のいずれか一方、あるいは両方の監視範囲の値を自動的
    に補正して溶接状態を監視し、前記監視範囲を逸脱した
    回数が1回から10回までの間の予め設定した回数に達
    した場合に警報出力を行なうようにしていることを特徴
    とするアーク溶接装置の監視方法。
  2. 【請求項2】設定された溶接条件が実際の溶接電圧、溶
    接電流等に対して予め設定した値の範囲内にあるか否か
    を監視する手段を備えたアーク溶接装置において、 目標とする任意の溶接電圧、溶接電流のいずれか一方、
    あるいは両方に対して上限、下限のいずれか一方、ある
    いは両方の監視範囲の値を予め記憶しておくと共に、前
    記監視範囲の逸脱回数が1回から10回までの間の任意
    の回数に予め設定しておく記憶手段(15)と、溶接条
    件に応じた溶接電圧指令値(S1a)、溶接電流指令値
    (S1b)のいずれか一方、あるいは両方を一定周期毎
    に検出し、溶接途中で変更された溶接条件に応じて変更
    される当該溶接電圧指令値(S1a)、溶接電流指令値
    (S1b)に対応した上限、下限のいずれか一方、ある
    いは両方の監視範囲の値を上記記憶手段(15)から読
    み出して監視範囲を自動的に補正する自動補正手段(1
    4)と、前記記憶手段(15)にて予め設定した監視範
    囲の逸脱回数に達した場合に警報を出力する警報出力手
    段(3)とを備えていることを特徴とするアーク溶接装
    置。
  3. 【請求項3】監視範囲の上限値、下限値の設定が、溶接
    条件に対して比率設定または絶対値設定のいずれかの設
    定を可能としていることを特徴とする請求項2記載のア
    ーク溶接装置。
  4. 【請求項4】実際の溶接電圧、溶接電流が監視範囲を逸
    脱した場合に、溶接電圧および溶接電流と上限警報およ
    び下限警報をマトリクス式で表示を行なうようにしてい
    ることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のア
    ーク溶接装置。
  5. 【請求項5】マトリクス表示を行なう表示器をアーク溶
    接装置本体とは離れた場所に設けるようにしていること
    を特徴とする請求項4記載のアーク溶接装置。
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