JP3285104B2 - リニアモータ利用の搬送設備 - Google Patents

リニアモータ利用の搬送設備

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JP3285104B2
JP3285104B2 JP06232893A JP6232893A JP3285104B2 JP 3285104 B2 JP3285104 B2 JP 3285104B2 JP 06232893 A JP06232893 A JP 06232893A JP 6232893 A JP6232893 A JP 6232893A JP 3285104 B2 JP3285104 B2 JP 3285104B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷搬送用の移動車を案
内する案内レール側に、ステーションに対応して設置す
るステーション用の一次コイル、隣接するステーション
間に設置する中間加速用の一次コイル、及び、前記ステ
ーション用の一次コイルの近くに設置する減速用の一次
コイルが設けられ、前記ステーション用の一次コイル、
前記中間加速用の一次コイル、及び、減速用の一次コイ
ルの作動を制御して、前記移動車の前記ステーション間
の走行を制御する制御手段が設けられ、前記制御手段
が、前記減速用の一次コイルにて前記移動車を設定目標
速度に減速させるための逆推力を求めて、その求めた逆
推力を出力させるように前記減速用の一次コイルの作動
制御を実行し、前記減速用の一次コイルにて減速された
前記移動車を、所定の加速度で減速させる、又は、前記
ステーションの前記目標停止位置からの距離に合わせて
予め設定された速度値に沿って減速させて、前記移動車
の移動速度が前記目標停止位置の近傍範囲にて停止用の
低速度になるように、前記ステーション用の一次コイル
の作動制御を実行するように構成されているリニアモー
タ利用の搬送設備に関する。
【0002】
【従来の技術】かかるリニアモータ利用の搬送設備で
は、従来、荷搬送用の移動車をステーションに停止させ
るにおいて、先ず減速用の一次コイルにて移動車を一旦
設定目標速度に減速させ、その減速された移動車をステ
ーション用の一次コイルにて、所定の加速度で減速さ
せ、又は、ステーションの目標停止位置からの距離に合
わせて予め設定された速度に沿って減速させて、目標停
止位置の近傍範囲にて停止用の低速度になるようにして
いる。移動車をステーション用の一次コイルにて減速さ
せるにおいて、単に一定値の逆推力を発生させるように
するようにしても良いが、これに対し、ステーションの
目標停止位置からの距離に合わせて予め設定された速度
に沿って減速させることにより、一層滑らかに減速させ
ることができるものである。尚、ステーションの目標停
止位置からの距離に合わせて予め設定された速度に沿っ
て減速させるためには、移動車を目標速度に近づけるよ
うに推力を発生させることとなるが、例えば、移動車が
設定距離進行する毎に、又は設定時間経過する毎に、発
生させる推力を演算しながら減速させるようにすること
が考えられる。ちなみに、移動車に荷を積んでいるか否
か等に起因する移動車重量の変動より、同じ値の推力を
発生させた場合でも速度変化量が変わることになるか
ら、上述の演算に際して、移動車重量をも考慮すること
も考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如く
一次コイルを設計通り通電制御しても、一次コイルと移
動車側の二次導体との間隔のバラツキ、一次コイルの性
能のバラツキ、案内レールにおける移動車の走行抵抗の
バラツキ等に起因して、実際に移動車に与えられる推
力、すなわち、実効値が、各移動車で又各ステーション
で、変化することがあり、その結果、減速用の一次コイ
ル及びステーション用の一次コイルにて移動車を目標速
度に減速させることができなくなる、つまり、ステーシ
ョンの目標停止位置を行き過ぎて低速度に達したり、手
前で低速度に達したりして、目標停止位置に停止させる
のに時間がかかってしまうという問題があった。この問
題を解決する方法として、当出願人が先に提案した特開
昭63−140603号公報に述べたように、ステーシ
ョン用の一次コイルにて移動車を目標速度に減速させる
において、移動車が設定距離走行する毎に、次の設定距
離を進行させる間に発生する推力を演算し、且つ、その
演算において前回の推力発生に伴う速度変化結果に基づ
いて求める推力を補正して、移動車を走行させることが
考えられている。
【0004】しかしながら、この方法で、例えばステー
ション用の一次コイルに進入したときの移動車の速度が
大きくばらつくと、設定距離を進行させる間に発生する
推力を大きく変化させて、移動車の速度を大きく変化さ
せる必要が生じるが、移動車の物品の荷崩れを考慮する
と、必要以上に移動車の速度を変化させることはできな
い(加速度を大きくとることができない)ので、その結
果、移動車を目標速度に減速させることができないこと
となり、よって、移動車の移動速度を目標停止位置の近
傍範囲にて低速度になるようにできない、という問題が
ある。又、制御の簡素化を図るべく、単に一定値の逆推
力を発生させる場合には、移動車を減速させるようにす
ると、ステーション用の一次コイルに進入したときの移
動車の速度のバラツキ、ステーション用の一次コイルと
移動車側の二次導体との間隔のバラツキ、ステーション
用の一次コイルの性能のバラツキ、案内レールにおける
移動車の走行抵抗のバラツキ等により、移動車の移動速
度が低速になる位置が大きく変化してしまうこととな
る。本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであっ
て、その目的は、移動車の移動速度が目標停止位置の近
傍範囲にて低速度になるように、移動車を適切に減速さ
せることのできるリニアモータ利用の搬送設備を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のリニアモータ利
用の搬送設備は、荷搬送用の移動車を案内する案内レー
ル側に、ステーションに対応して設置するステーション
用の一次コイル、隣接するステーション間に設置する中
間加速用の一次コイル、及び、前記ステーション用の一
次コイルの近くに設置する減速用の一次コイルが設けら
れ、前記ステーション用の一次コイル、前記中間加速用
の一次コイル、及び、減速用の一次コイルの作動を制御
して、前記移動車の前記ステーション間の走行を制御す
る制御手段が設けられ、前記制御手段が、前記減速用の
一次コイルにて前記移動車を設定目標速度に減速させる
ための逆推力を求めて、その求めた逆推力を出力させる
ように前記減速用の一次コイルの作動制御を実行し、前
記減速用の一次コイルにて減速された前記移動車を、所
定の加速度で減速させる、又は、前記ステーションの目
標停止位置からの距離に合わせて予め設定された速度値
に沿って減速させて、前記移動車の移動速度が前記目標
停止位置の近傍範囲にて停止用の低速度になるように、
前記ステーション用の一次コイルの作動制御を実行する
ように構成されているものであって、その第1特徴構成
は、前記減速用の一次コイルにて出力させた逆推力と、
前記目標停止位置の近傍範囲にて停止用の低速度にする
ために、前記減速用の一次コイルにて出力させるべき
正逆推力との偏差を検出する偏差検出手段が設けられ、
前記制御手段が、前記偏差検出手段にて検出された偏差
に基づいて、前記移動車が前記停止用の低速度に達した
ときの前記移動車の位置が前記目標停止位置に近づくよ
うに、前記設定目標速度を補正するように構成されてい
る点にある。第2特徴構成は、前記偏差検出手段が、前
記移動車の移動速度が前記停止用の低速度に達したとき
の前記移動車の位置と、前記目標停止位置との偏差を検
出するように構成されている点にある。第3特徴構成
は、前記偏差検出手段が、前記偏差を複数段階に区分し
て検出するように構成され、前記制御手段が、前記偏差
検出手段にて検出された偏差値が大きいほど、前記設定
目標速度を大きく補正するように構成されている点にあ
る。
【0006】
【作用】本発明の第1特徴構成によれば、偏差検出手段
により、減速用の一次コイルにて出力させた逆推力と目
標停止位置の近傍範囲にて停止用の低速度にするため
に、減速用の一次コイルにて出力させるべき適正逆推力
との偏差が検出され、その検出された偏差に基づいて、
移動車が上記停止用の低速度に達したときの移動車の位
置が前記目標停止位置に近づくように、減速用の一次コ
イルの設定目標速度が補正され、その結果、減速用の一
次コイルにて出力させる逆推力を適正な逆推力に補正す
ることができる。従って、上述の適正逆推力は、先に述
べた種々のバラツキに起因して、各移動車毎に、又は各
ステーション毎に異なることとなる。第2特徴構成によ
れば、移動車の移動速度が前記停止用の低速度に達した
ときの移動車の位置と目標停止位置との偏差により、減
速用の一次コイルにて出力させた逆推力と目標停止位置
の近傍範囲にて停止用の低速度にするために減速用の一
次コイルにて出力させるべき適正逆推力との偏差が検出
される。第3特徴構成によれば、減速用の一次コイルに
て出力させた逆推力と目標停止位置の近傍範囲にて停止
用の低速度にするために減速用の一次コイルにて出力さ
せるべき適正逆推力との偏差が複数段階に区分されて検
出され、その区分毎に、偏差が大きいほど大きくなるよ
うに補正量が設定される。
【0007】
【発明の効果】上記第1特徴構成によれば、例え、減速
用の一次コイルと移動車側の二次導体との間隔のバラツ
キ、減速用の一次コイルの性能のバラツキ等に起因し
て、減速用の一次コイルより実際に移動車に与えられる
推力、すなわち、実効値が、各移動車で又各ステーショ
ンで、変動することがあっても、減速用の一次コイルに
て適正な逆推力を発生させるようにして、移動車を目標
停止位置の近傍にて停止用の低速度にすることができる
に至った。つまり、減速用の一次コイルと移動車側の二
次導体との間に発生する逆推力の変動に起因して、移動
車の速度が停止用の低速度に達するときの位置が変動す
るのを、減速用の一次コイルの設定目標速度を補正して
減速用の一次コイルにて適正な逆推力を発生させること
により、抑えることができ、よって、極力簡単な制御で
移動車を適正な速度で減速走行させることができるに至
った。第2特徴構成によれば、例え、ステーション用の
一次コイルと移動車側の二次導体との間隔のバラツキ、
ステーション用の一次コイルの性能のバラツキ、及び案
内レールにおける移動車の走行抵抗のバラツキ等があっ
ても、それらのバラツキを減速用の一次コイルの設定目
標速度を補正することにより、抑えることができるに至
った。つまり、減速用の一次コイルにて設計的に適正な
推力が移動車に与えられたとしても、ステーション用の
一次コイルと移動車側の二次導体との間隔のバラツキ、
ステーション用の一次コイルの性能のバラツキ、及び案
内レールにおける移動車の走行抵抗のバラツキ等に起因
して、移動車の移動速度が低速になる位置がズレてしま
うことが考えられるが、この位置ズレを、ステーション
用の一次コイルの発生する逆推力を補正しないで、減速
用の一次コイルの設定目標速度を補正することにより修
正することができるのである。第3特徴構成によれば、
各段階毎の補正量にて、減速用の一次コイルの設定目標
速度の補正が実行されるので、補正を一層簡単に行うこ
とができるに至った。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に示すように、例示するリニアモータ利用の
搬送設備は、荷搬送用の移動車A、及び、その移動車A
を物品移載用のステーションSTを経由して案内するル
ープ状の案内レールBを備えており、前記移動車Aを後
述の如くリニアモータにて駆動しながら各種物品の搬送
を行うように構成されている。尚、本実施例において
は、移動車Aを案内レールBに沿って左回りにのみ移動
させる場合について説明する。但し、実際上は、移動車
Aを右回りにも移動させることが多いものであり、以下
の説明において、移動車Aを左回り及び右回りのいずれ
にも走行させるための構成、つまり、往復走行させるた
めの構成を述べる場合もある。
【0009】前記案内レールBは、図3に示すように、
横断面形状がU字状の本体部分1と、その本体部分1の
上縁部に付設される左右一対のカバー部分2とを備えた
筒状に形成され、そして、前記移動車Aの走行部3を上
下巾方向上側部に収納し、且つ、移動車走行方向に沿っ
て間隔を隔てて配置する一次コイルCを上下巾方向下側
部に収納するようになっている。つまり、前記本体部分
1の左右側壁夫々の上下方向中間部に、走行部3に対す
るレール部1Aが一体形成されると共に、前記本体部分
1の底壁部に、一次コイルCが取付けられている。
【0010】前記一次コイルCは、図1に示すように、
ステーションSTに対応する位置に配置されるステーシ
ョン用の一次コイルC1 、その一次コイルC1 の近く
(両横側)に配置される加減速用の一次コイルC2 、及
び、ステーションSTの間に配置される中間加速用の一
次コイルC3 とに分けられる。そして、ステーション用
の一次コイルC1 は、ステーションSTにおいて、移動
車Aを減速停止させること並びに加速発進させることに
使用されることになり、加減速用の一次コイルC2 は、
ステーションSTに停止させるべき移動車Aを設定目標
速度に減速させること、ステーションSTを通過させる
移動車Aを設定目標速度に加速させること、並びに、ス
テーションSTから加速発進された移動車Aを設定目標
速度に加速させることに使用されることになり、中間加
速用の一次コイルC3 は、移動車Aを目標速度に加速さ
せることに使用されることになる。つまり、加減速用の
一次コイルC2 は、減速用の一次コイル又は加速用の一
次コイルとして機能する。但し、本実施例を説明する際
に、各一次コイルC1 ,C2 ,C3 を必要に応じて一次
コイルCと総称して記載することもある。
【0011】尚、図3中において、Eは、一次コイルC
の横側部を通して配置される動力線であって、案内レー
ルBの下側を通して配置される信号線Fに対して、案内
レールBを利用して遮断されるようになっている。つま
り、信号線Fにノイズが入ることを、案内レールBを利
用して抑制してある。又、図16に、各一次コイル
1 ,C2 ,C3 により速度制御しながら移動車Aを移
動させる場合の走行速度と各一次コイルC1 ,C2 ,C
3 との関係を例示する。図中、実線部分は、ステーショ
ンSTより加速発進させた移動車Aを次のステーション
STを通過させた場合を示しており、点線部分は、ステ
ーションSTにて移動車Aを停止させた場合を示してい
る。
【0012】前記移動車Aは、図3、図4、図9に示す
ように、前記走行部3と荷載置台4とを主要部として構
成されるものであって、車体下部側に、リニアモータの
二次導体Dを水平姿勢で備えている。詳述すると、前後
方向に沿う帯状枠5Aにて連結された前後一対の支柱5
が設けられ、それら両支柱5の上端部間に亘って前記荷
載置台4が取り付けられると共に、両支柱5の夫々に、
前記走行部3に対する支持枠6が回転のみ自在に取り付
けられている。
【0013】前記支持枠6は、支柱5に回転自在に外嵌
される筒枠6aと、その筒枠6aの外周部に止着される
板状枠6bとからなり、板状枠6bの前後方向中央部
に、水平軸芯X周りで回転自在な左右一対の走行車輪7
が取付けられ、板状枠6bの前端側及び後端側の夫々
に、縦軸芯Y周りで回転自在な左右一対の転輪8が取付
けられている。ちなみに、前記走行車輪7が前記レール
部1Aに載せられることになり、前記転輪8が前記本体
部分1の左右の側壁部に接触することになる。又、前記
前後の支柱5は、前記左右のカバー部分2の間に開口す
るスリット溝を通過することになる。
【0014】前記二次導体Dは、アルミニウム板と鋼板
とを張り合わせた、いわゆる複合式に形成されると共
に、図4及び図9に示すように、車体前後方向に並ぶ3
個の導体部分D1 ,D2 に分割形成されている。3個の
導体部分D1 ,D2 のうちの前後両端の導体部分D
1 が、前記板状枠6bに支着した支持部材9に止着され
ると共に、前記方向中間の導体部分D2 の両端が、前後
の支柱5に取付けられている。従って、二次導体Dは、
支持枠6bが転輪8の案内レールBに対する接触作用に
よって向き変更されるに伴い、前後両端の導体部分D1
が前後中間の導体部分D2 に対して屈曲する、屈曲姿勢
に変更できるように構成されている。尚、図中10は、
移動車AをステーションSTにおいて吸引保持する電磁
石であって、二次導体Dに付設の保持部11を吸引する
ようになっている。
【0015】次に、各一次コイルC1 ,C2 ,C3 を作
動させながら移動車Aを運行する制御構成について説明
する。図2(イ)に示すように、各一次コイルC1 ,C
2 ,C3 の作動を制御して移動車AのステーションST
間の走行を制御する制御手段として、設備全体の運行を
管理するメインコントローラTCPと、そのメインコン
トローラTCPに対して光ファイバーケーブル等を用い
て送受信できるように接続される複数個のサブコントロ
ーラSCPとが設けられている。
【0016】前記各サブコントローラSCPは、図1に
示すように、1つのステーション用の一次コイルC1
2つの加減速用の一次コイルC2 、及び、複数個の中間
加速用の一次コイルC3 を備える区間Kを管理するもの
である。前記メインコントローラTCPは、各サブコン
トローラSCPが管理する区間K内に在席している移動
車Aの号機NOを管理しながら、各区間Kのステーショ
ンSTに停止している移動車Aの行先情報を各サブコン
トローラSCPに指令することを、主として行うもので
あって、このため、各サブコントローラSCPは、移動
車Aが在席しているか否か、在席している移動車Aの号
機NO、移動車Aが荷を積んでいるか否か、及び、ステ
ーションSTに停止している移動車Aの再起動要求等の
各種情報を、メインコントローラTCPに対して送信す
ることになる。
【0017】但し、メインコントローラTCPからの行
先情報に基づいて一旦発進させた移動車Aを、サブコン
トローラSCPの管理のみにて、目的のステーションS
Tに移動させるように構成して、メインコントローラT
CPの負荷の低減を図るようにしてある。尚、移動車A
を1つの区間Kから次の区間Kに進入させることができ
る条件として、次の区間Kに移動車Aが在席していない
ことを条件にしてあり、このため、各サブコントローラ
SCP同志も、移動車Aが在席しているか否かの情報を
送受信できるように接続されている。
【0018】前記サブコントローラSCPには、図2
(ロ)に示すように、ステーション用の一次コイルC1
に対して進入してきた移動車Aの速度、進行距離、及
び、進行方向を検出するための二相センサ12と、加減
速用の一次コイルC2 や中間加速用の一次コイルC3
対して進入してきた移動車Aの進入速度を検出する速度
センサ13と、加減速用の一次コイルC2 や中間加速用
の一次コイルC3 にて移動車Aに推力を与える開始時期
及び終了時期を決めるための在席センサ14と、移動車
Aに付設した磁気式の情報記憶板15の記憶内容を読み
取るリーダーヘッド16と、移動車AがステーションS
Tから発進したのちにおいて、前記情報記憶板15に情
報を書き込むライトヘッド17と、前記停止用の電磁石
10と、前記各一次コイルC1 ,C2 ,C3 の推力を調
節する推力設定器18と、ステーションSTにおいて移
動車Aに積まれた荷を検出する荷検出センサ19とが接
続されている。
【0019】前記二相センサ12は、図3,図5及び図
6に示すように、移動車Aの前後方向に並ぶ2つのフォ
トインタラプタ型の光センサ12a,12bを備えるも
のであって、移動車Aの帯状枠5Aに付設されたスリッ
ト板20にて遮光される状態で、ステーション用の一次
コイルC1 に対応する位置に設置されている。すなわ
ち、前記スリット板20には、移動車Aの前後方向に向
かって、所定間隔で所定巾のスリット状の孔21が形成
されており、2つの光センサ12a,12bのうちのい
ずれが先に遮光されるかに基づいて移動車Aの進行方向
を検出し、2つの光センサ12a,12bのうちのいず
れか一方が、遮光されてから、一旦遮光が解除されたの
ち再び遮光されるまでの時間に基づいて移動車Aの速度
を検出し、更に、2つの光センサ12a,12bのうち
のいずれか一方の遮光された回数に基づいて移動車Aの
進行距離を検出するようになっている。尚、2つの光セ
ンサ12a,12bが一次コイルC1 に対して一定位置
に設置されているため、前記検出される進行距離は、一
次コイルC1 つまりステーションSTに対する移動車A
の位置を表す情報となる。
【0020】前記速度センサ13は、フォトインタラプ
タ型の光センサ又は磁気感知式の近接センサを用いて構
成されるものであって、図3及び図6に示すように、移
動車Aの帯状枠5Aの前端側部分及び後端側部分に付設
した検出片22を検出する状態で、加減速用の一次コイ
ルC2 や中間加速用の一次コイルC3 に対応する位置に
設置されている。すなわち、前記検出片22は、その移
動車前後方向に沿う長さが一定値となるように形成され
ており、そして、検出片22の検出を開始した時点から
検出を終了するまでの時間に基づいて移動車Aの進入速
度を検出するようになっている。尚、移動車Aの前後に
検出片22を備えさせるのは、移動車Aがいずれの側か
ら進入してきても進入速度を検出できるようにするため
である。但し、その場合、一次コイルC2 ,C3 の前後
両側に一対の速度検出センサ13を備えさせて、進入側
の速度検出センサ13の検出情報を進入速度として用い
ることになる。
【0021】前記在席センサ14は、反射光感知式の光
センサ又は磁気感知式の近接センサを用いて構成される
ものであって、図6に示すように、前記スリット板20
における孔21が形成されていない部分を検出作用する
状態で、加減速用の一次コイルC2 や中間加速用の一次
コイルC3 に対応する位置に設置されている。すなわ
ち、スリット板20の移動車前後方向に沿う長さが一定
値であり、そして、スリット板20の検出を開始した時
点に基づいて推力を与える開始時期を検出し、且つ、検
出を終了した時点に基づいて推力を与えることが可能な
時期の終了を検出するように構成されている。尚、前記
速度検出センサ13による進入速度の検出が終了したの
ち推力演算に要する所定時間を経過してから、在席セン
サ14の検出が開始されるように構成されている。
【0022】前記情報記憶板15は、図3及び図7に示
すように、読み取り専用の第1及び第2記憶部m1 ,m
2 と、読み書き用の第3記憶部m3 とを備えている。第
1記憶部m1 は、移動車前後方向に8つのビットb1〜
b8を備えるものであり、前端側のビットb1と後端側
のビットb8とにより、移動車Aの進行方向を判別する
情報を記憶し、中間の6つのビットb2〜b7を用いて
号機NOを記憶するようになっている。第3記憶部m3
も移動車前後方向に8つのビットB1〜B8を備えるも
のであり、前端側から後端側に向かう6つのビットB1
〜B6を用いて行先情報を記憶し、次のビットB7を用
いて移動車Aの重量情報を記憶し、最後のビットB8を
用いてパリティチェック情報を記憶させるようにしてあ
る。第2記憶部m3 は、詳述はしないが、第1及び第3
記憶部m1 ,m3 の各ビットに対する情報読み書きタイ
ミングを設定する情報を記憶している。
【0023】尚、各記憶部m1 ,m2 ,m3 は、各ビッ
トをN極に着磁する、S極に着磁する、或いは、着磁し
ないかの組合せにより、各種情報を記憶させることは勿
論である。ちなみに、移動車Aの重量情報の記憶につい
て説明を加えておくと、本実施例においては、第8図に
示すように、1種類の物品Zを最大2個まで積むことを
前提にするものであって、物品Zを積んでいないこと、
1つの物品Zを積んでいること、2つの物品Zを積んで
いることの夫々を記憶させるようにしてある。尚、後述
する推力の演算においては、移動車Aの重量情報は、予
め記憶されている移動車本体の重量に、予め記憶されて
いる1つの物品の重量と積んだ物品の個数との積によっ
て求められる物品全体重量を加えた値として扱われるこ
とになる。
【0024】前記リーダーヘッド16は、各区間Kの端
部に設置されるものであって、詳述はしないが、情報記
憶板15の各記憶部m1 ,m2 ,m3 に対する読取部を
備えている。前記ライトヘッド17は、ステーション用
一次コイルC1 に対して設置されるものであって、メイ
ンコントローラTCPから与えられる行先情報や前記荷
検出センサ19の検出情報を書き込むように構成されて
いる。
【0025】前記荷検出センサ19は、図8に示すよう
に、前後一対のフォトインタラプタ型の光センサ19
a,19bを用いて構成されるものであって、両光セン
サ19a,19bのいずれもが遮光されないと、物品Z
が積まれていない状態であると検出し、両光センサ19
a,19bのいずれか一方が物品Zに遮光されると、1
つの物品Zが積まれている状態であると検出し、両光セ
ンサ19a,19bのいずれもが物品Zに遮光される
と、2つの物品Zが積まれている状態であると検出する
ように構成されている。
【0026】前記推力設定器18は、前記各一次コイル
1 ,C2 ,C3 のうちのいずれに通電するかを選択す
る機能と、通電する交流電流の周波数を変更して推力を
調節する機能とを備えている。ところで、前記各一次コ
イルC1 ,C2 ,C3 にて推力を発生させるに、基本的
には、下記の数1で各一次コイルC1 ,C2 ,C3 にて
発生させるエネルギーFTを演算させることになる。
【数1】FT=(V1 2−V0 2)W/2 但し、Fは一次コイルCにて発生させる推力、Tは一次
コイルCを駆動させる駆動時間、V0 は一次コイルCを
駆動させる前の移動車Aの速度(進入速度)、V1 は一
次コイルCを駆動させた後の移動車Aの速度(つまり設
定目標速度)、Wは移動車Aの重量である。
【0027】上記推力Fには、正の場合と負の場合とが
あり、正の場合には増速させるための推力、そして、負
の場合には減速させるための逆推力として扱われること
になる。よって、速度V0 で一次コイルCに進入した移
動車Aを設定目標速度V1 に加速するためには、上記数
1にて求められるエネルギーFTを一次コイルCにて発
生させれば良いこととなるが、この場合、駆動時間Tを
予め設定しておき推力Fを変化させてエネルギーFTを
設定するように構成されている。尚、この推力Fは、周
波数を可変することにより、変更することができる。
【0028】従って、ステーションSTに停止している
移動車Aに行先指令がホストコントローラTCPより与
えられると、サブコントローラSCPの指令に基づい
て、ステーション用の一次コイルC1 にて加速発進さ
せ、加減速用の一次コイルC2 にて高速度に加速させ、
更には、中間加速用の一次コイルC3 にて高速度を維持
するように加速させながら、行先ステーションSTに向
けて移動車Aを移動させることになり、且つ、行先ステ
ーションSTに近付くと、加減速用の一次コイルC 2
て一旦設定目標速度に減速させ、ステーション用の一次
コイルC1 にてクリープ速度に減速させ、ステーション
STに対する目標停止位置Pc近くに達した時点で電磁
石10にて吸引させて、移動車Aを目標停止位置Pcに
停止されるものであり、そして、行先ステーションST
に移動する途中に通過する区間Kが有る場合には、その
区間Kにおける加減速用の一次コイルC2 にても移動車
Aを加速させることになる。尚、移動車Aの走行途中に
おいて、移動車Aが次に進入する区間Kに別な移動車A
が存在する場合には、加減速用の一次コイルC2 やステ
ーション用の一次コイルC1 を用いて、移動車Aが現地
点で在席している区間KのステーションSTにて移動車
Aを一旦停止させることになる。
【0029】ちなみに、サブコントローラSCPは、移
動車AをステーションSTから発進させる際に、行先情
報や重量情報を情報記憶板15に書き込む処理を行うと
共に、各区間Kに進入してくる際にリーダーヘッド16
にて読取られる情報を用いて、移動車Aを通過させる
か、停止させるかを判別しながら、各一次コイルC1
2 ,C3 を通電させることになる。更には、サブコン
トローラSCPは、移動車Aの重量情報、速度検出セン
サ13の検出情報、及び、在席センサ14の検出情報に
基づきながら、加減速用の一次コイルC2 や中間加速用
の一次コイルC3 に対する通電を制御することになり、
且つ、二相センサ12の検出情報に基づきながらステー
ション用の一次コイルC1 に対して通電を制御すること
になる。
【0030】以下、サブコントローラSCPの制御作動
を説明しながら、移動車Aの運行について説明を加え
る。図10に示すように、サブコントローラSCPは、
リーダーヘッド16が情報記憶板15を読み取ってか
ら、管理する区間Kの最終に位置する一次コイルCを移
動車Aが通過したか否かに基づいて、区間K内に移動車
Aが在席しているか否かをチェックし、在席していない
場合には、メインコントローラTCPとの送受信処理や
サブコントローラSCPとの送受信処理を直ちに実行す
る。移動車Aが区間内に在席している場合には、中間加
速用の一次コイルC3 を作動させるための中間加速制御
処理、加減速用の一次コイルC2 を作動させるための加
減速制御処理、及び、ステーション用の一次コイルC1
を作動させるためのステーション制御処理の各処理を実
行した後、上述の送受信処理を実行する。
【0031】前記中間加速制御処理は、図11に示すよ
うに、速度検出用センサ13が検出片22を検出したか
否かに基づいて、移動車Aが中間加速用の一次コイル上
に進入したか否かをチェックし、進入していない場合に
は、次の加減速制御処理に移行する。移動車Aが進入し
ている場合には、速度検出センサ13の情報に基づいて
移動車Aの進入速度を計測する。そして、移動車Aを加
速すべき設定目標速度、移動車Aの進入速度、及び、移
動車Aの重量情報に基づいて、上述の数1を利用して推
力Fを求める。尚、一次コイルCを駆動させる駆動時間
Tは予め所定の値に設定されている。その後、在席セン
サ14が検出作用したか否かを繰返しチェックして、検
出作用すると、前記演算された推力Fを発生させるよう
に、中間加速用の一次コイルC3 を通電させることにな
る。通電後、所定の時間が経過すると、一次コイルC3
の通電を停止する、つまり、出力を停止することにな
る。
【0032】前記加減速用制御処理は、図12に示すよ
うに、速度検出用センサ13が検出片22を検出したか
否かに基づいて、移動車Aが加減速用の一次コイルC2
上に進入したか否かをチェックし、進入していない場合
には、次のステーション制御処理に移行する。移動車A
が進入している場合には、速度検出センサ13の情報に
基づいて移動車Aの進入速度を計測する。そして、移動
車Aの行先情報に基づいて、減速させるか、加速させる
かをチェックする。減速させる場合には、移動車Aを減
速すべき設定目標速度、移動車Aの進入速度、及び、移
動車Aの重量情報に基づいて、上述の数1を利用して逆
推力を求める。尚、このときの設定目標速度は、移動車
AがステーションSTにて停止する度に、後述の如く補
正されることとなる。又、加速させる場合には、上記の
中間加速制御処理で述べた推力演算と同様に、推力を求
める。推力又は逆推力の演算後は、上述の中間加速制御
処理と同様に、在席センサ14の検出情報に基づきなが
ら、推力又は逆推力を発生させるように、加減速用の一
次コイルC2 を通電させることになる。
【0033】ステーション制御処理は、図13に示すよ
うに、移動車Aが停止中であるか否かをチェックし、停
止中でない場合には、二相センサ12の情報に基づい
て、移動車Aがステーション用の一次コイル上に進入し
たか否かをチェックし、進入していない場合には、次の
送受信処理に移行する。移動車Aが進入している場合に
は、通過させる移動車Aであるか否かをチェックして、
停止すべき移動車Aである場合には、停止処理を実行す
る。通過させるべき移動車Aである場合には、次の区間
Kに移動車Aを進入させる条件が満たされているか否か
をチェックして、進入可である場合には、次の送受信処
理に移行すると共に、進入不可である場合には、前述の
停止処理を実行する。
【0034】停止処理の実行後あるいは上述のチェック
により移動車Aが停止中であることが判別された場合に
は、通過させる移動車Aであるか否かをチェックする。
通過させる移動車Aでない場合には、メインコントロー
ラTCPより起動指令が与えられているか否かをチェッ
クし、起動指令が与えられていない場合には、次の送受
信処理に移行させる。起動指令が与えられている場合に
は、発進処理を実行し、その後、メインコントローラT
CPからの行先情報や荷検出ンサ19の検出情報を、ラ
イトヘッド17を用いて情報記憶板15に書き込む処理
を実行する。上述のチェックにより、停止している移動
車Aが通過させる移動車Aであることが判別された場合
には、次区間Kに進入可であるか否かをチェックし、進
入可である場合には、前述の発進処理を実行させると共
に、進入不可である場合には、次の送受信処理に移行す
る。前記メインコントローラTCPとの送受信処理や前
記サブコントローラSCPとの送受信処理については、
上記の説明で明らかであるので、ここでの説明は省略す
る。
【0035】前述のステーション制御処理における停止
処理について説明を加える。この停止処理は、前記加減
速用の一次コイルC2 にて減速された移動車Aを、所定
の加速度で減速させて、移動車Aの移動速度がステーシ
ョンSTの目標停止位置Pcの近傍範囲にて停止用の低
速度(クリープ速度)になるように、ステーション用の
一次コイルC1 の作動制御を実行するように構成されて
いる。つまり、図17に示すように、走行速度Vや目標
停止位置Pcに対する移動車Aの位置Pを前記二相セン
サ12にて検出しながら、移動車Aの進入速度Va(V
ac,Va1,Va2)に対応させて予め設定した目標速度
で、つまり、等加速度となるように設定された目標カー
ブS(S0 ,S1 ,S2 )に沿って移動車Aを減速走行
させるべく、二相センサ12の検出情報に基づいてステ
ーション用の一次コイルC1 に対する通電を設定時間毎
に制御する。そして、移動車Aの移動速度Vがクリープ
速度Vcに達すると、前記電磁石10によって目標停止
位置Pcに位置決めできる位置決め範囲L内に達するま
では低速走行させ、そして、位置決め範囲L内に達する
と、一次コイルC1 による推力発生を停止させると共に
電磁石10を作動させることにより、移動車Aを目標停
止位置Pcに停止させるものである。
【0036】従って、上述の如く、予め設定された目標
速度に沿って減速走行させるに、移動車Aが目標停止位
置Pcの手前側の設定箇所Paに達するに伴って検出さ
れる進入速度Va、その時点から設定時間経過させたの
ちの目標速度、及び、移動車Aの重量情報に基づいて、
上述の数1を利用して推力Fを求め、設定時間経過する
間において求められた推力Fを発生させる(以下の説明
において、第1減速処理と記載する)。そして、上記第
1減速処理を実行したのちの移動車Aの速度、その時点
から設定時間経過させたのちの目標速度、及び、移動車
Aの重量情報に基づいて、同様に推力Fを求め、更に設
定時間経過する間において求められた推力Fを発生させ
る。以上の制御を、設定時間経過毎に繰り返し実行する
(以下の説明において、第2減速処理と記載する)。
【0037】尚、目標カーブSは、移動車Aの進入速度
a に基づいて選択されるように構成されており、移動
車Aの進入速度Vaが小さい場合(設定箇所Paにおけ
る移動車Aの速度VがVa2の場合)には、目標カーブS
2 を選択することとなる。従って、この場合には、移動
車Aの移動速度Vがクリープ速度Vcに達する位置P 2
は、目標停止位置Pcの手前に位置することとなる。
又、移動車Aの進入速度Vaが大きい場合(設定箇所P
aにおける移動車Aの速度VがVa1の場合)には、目標
カーブS1 を選択することとなり、よって、目標カーブ
1 に沿って移動車Aを減速走行させることとなるの
で、移動車Aの移動速度Vがクリープ速度Vcに達する
位置P1 は、目標停止位置Pcを通り過ぎてしまうこと
となるが、その場合には、移動速度Vがクリープ速度V
cに達したのちも、移動速度Vが−Vcになるまで逆推
力を発生させて、移動車Aをクリープ速度Vcにて逆走
行させるように構成されている。又、上記目標カーブS
1 ,S2 ,S3 は、3つのカーブ共同じ値の加速度を示
す等加速度状態になるように設定されており、その加速
度値は、荷崩れを起こさないような値に設定されてい
る。
【0038】以下、上述の停止処理の作動を、図14の
フローチャートに基づいて詳述する。二相センサ12の
情報に基づいて、移動車Aが制御領域内に進入したか否
かをチェックし、進入している場合のみ、下記の処理を
実行する。すなわち、移動車Aが目標停止位置Pcの手
前側の設定箇所を走行する時点の走行速度の計測、移動
車Aの重量情報を利用した推力の計算、計算によって求
めた推力の出力、及び、設定時間経過したか否かのチェ
ックを行いながら、上述の第1減速処理を行う。第1減
速処理の実行後において走行速度を計測して、走行速度
がクリープ速度より低いか否かをチェックする。走行速
度がクリープ速度より高い場合には、第1減速処理を行
ったのちの走行速度の計測、移動車Aの重量情報を利用
した推力の計算、計算によって求めた推力の出力、及
び、設定時間経過したか否かのチェックを行いながら、
上述の第2減速処理を行う。但し、1回の第2減速処理
の実行後においても、走行速度の計測、及び、走行速度
がクリープ走行速度より低いか否かをチェックしなが
ら、走行速度がクリープ速度よりも低くなるまで、第2
減速処理を繰返し行うことになる。
【0039】走行速度がクリープ速度以下に減速される
と、そのクリープ速度到達位置を二相センサ12の情報
に基づいて検出し、その検出されたクリープ速度到達位
置に基づいて、加減速用の一次コイルC2 にて移動車A
を減速させる場合における設定目標速度の補正を各移動
車毎に行う。そして、電磁石10にて位置決めできる範
囲内に達するまで前述の低速度走行を行い、位置決め範
囲内に達すると、推力の出力を停止させると共に、電磁
石10を作動させて、移動車Aを目標停止位置Pcに停
止させる。
【0040】従って、加減速用の一次コイルC2 にて移
動車Aを減速させる場合の設定目標速度は、当初移動車
Aの号機NOに関係なく移動車Aの重量情報に基づいて
設定されるように構成されているが、設定目標速度の補
正を各移動車毎に実行することにより、各移動車Aにお
ける、一次コイルCと二次導体Dとの間隔のバラツキ、
一次コイルCの性能のバラツキ、走行抵抗の変動等にか
かわらず、各移動車Aが所望の速度(VaC近傍の速度)
に減速されてステーション用の一次コイルC1に進入す
ることができ、よって、位置決め範囲L内でクリープ速
度に到達することができるように構成されている。しか
も、前述の如く、等加速度状態を維持しながら減速させ
るものであるから、荷崩れを回避させながらも、停止ま
でに要する移動距離を短くできるのである。又、前記低
速走行は、二相センサ12の速度検出情報を用いなが
ら、クリープ速度を維持するように、一次コイルC1
通電を制御することになる。
【0041】以下、加減速用の一次コイルC2 にて移動
車Aを減速させる場合における各移動車Aの設定目標速
度の補正について、詳述する。サブコントローラSCP
は、移動車Aの移動速度が前記停止用の低速度に達した
ときの移動車Aの位置と目標停止位置Pcとの偏差を検
出し、その検出された偏差に基づいて加減速用の一次コ
イルC2 にて出力させた逆推力と目標停止位置Pcの近
傍範囲(位置決め範囲L)にて停止用の低速度にするた
めの適正逆推力との偏差を検出し、その検出された偏差
に基づいて移動車Aが停止用の低速度(クリープ速度)
に達したときの移動車Aの位置が目標停止位置Pcに近
づくように設定目標速度を補正するように構成されてい
る。
【0042】つまり、移動車Aの移動速度が前記停止用
の低速度に達したときの移動車Aの位置と目標停止位置
Pcとの偏差により加減速用の一次コイルC2 の設定目
標速度を補正して、加減速用の一次コイルC2 にて出力
させる逆推力を補正し、その結果、移動車Aが目標停止
位置PCの近傍範囲(位置決め範囲L)にて停止用の低
速度になるようにしているのである。よって、サブコン
トローラSCPは、加減速用の一次コイルC2 にて出力
させた逆推力と、目標停止位置PCの近傍範囲にて停止
用の低速度にするために、加減速用の一次コイルC 2
て出力させるべき適正逆推力との偏差を検出する偏差検
出手段100として機能する。
【0043】又、サブコントローラSCPは、下記表1
に示すように、移動車Aの移動速度が前記停止用の低速
度に達したときの移動車Aの位置と目標停止位置Pcと
の偏差を複数段階に区分して検出し、検出された偏差値
が大きいほど設定目標速度を大きく補正するように構成
されている。
【表1】 尚、補正後の移動車Aのクリープ速度到達位置が、補正
しすぎにより目標停止位置Pcを大きく越えてしまわな
いように、表1の如く補正量を設定している。
【0044】以上の補正を、移動車AがステーションS
Tにて停止する度に実行する。今、図17に示すよう
に、移動車Aが、加減速用の一次コイルC2 にて設定目
標速度=V1Cにて減速されて、ステーション用の一次コ
イルC1 にVa2で進入し、P2 の位置でクリープ速度に
到達したとすると、そのクリープ速度に到達した位置P
2 と目標停止位置Pcとの偏差は−2ということとな
る。そして、その偏差−2に対応する補正量は表1より
+6であるので、次回の加減速用の一次コイルC2 にて
減速させるときには設定目標速度=(V1C+6)となる
ように、設定目標速度を補正する。
【0045】次に、前述のステーション制御処理におけ
る発進処理について説明を加える。この発進処理は、走
行速度や目標停止位置Pcに対する移動車Aの位置を二
相センサ12にて検出しながら、目標停止位置Pcから
離れるほど高速となる状態で、目標停止位置に対する位
置に対応させて予め設定した目標速度で前記移動車Aを
加速走行させるべく、二相センサ12の検出情報に基づ
いてステーション用の一次コイルC1 に対する通電を制
御するものであって、詳しくは、停止処理における第1
減速処理に対応する第1増速処理と、第2減速処理に対
応する第2増速処理とを行うようになっている。
【0046】すなわち、発進開始時には、その時点から
設定時間経過させたのちの目標速度、及び、予め設定さ
れた移動車Aの重量情報に基づいて、上述の数1を利用
して推力Fを求め、前記設定時間経過する間において、
前記の求めた推力を発生させる、第1増速処理を行う。
その第1増速処理を行ったのちは、上記第1増速処理を
実行したのちの移動車Aの速度、その時点から設定時間
経過させたのちの目標速度、及び、移動車Aの重量情報
に基づいて、同様に推力Fを求め、更に設定時間経過す
る間において求められた推力Fを発生させる第2増速処
理を繰り返し行う。
【0047】図15のフローチャートに基づいて、発進
処理の作動について詳述する。予め設定された重量情報
を利用しながら推力Fを計算し、電磁石10の作動を停
止させたのち、設定時間経過するまで、計算によって求
めた推力を出力する、上述の第1増速処理を行う。第1
増速処理の実行後においては、移動車Aが制御領域内に
位置するかをチェックし、制御領域内に位置する間は、
次の第2増速処理を行う。すなわち、走行速度を計測す
ると共に、その時点から設定時間経過させたのちの目標
速度及び移動車Aの重量情報に基づく推力Fの計算、及
び、計算によって求めた推力の出力、及び、設定時間経
過したか否かのチェックを行いながら、増速処理を行
う。但し、この第2増速処理は、移動車Aが制御領域を
出るまで繰返し行われることになる。〔別実施例〕
本発明は、案内レールBに対して移動車Aを磁気力を用
いて浮上させる、いわゆる磁気浮上式のものにも適用で
きる。 本発明を実施するに、推力を演算させるための演算
式は、各種のものが考えられるものであり、又、一次コ
イルCにて発生させる推力の調節を、電圧の調節で行わ
せるようにする等、推力調節の具体構成は各種変更で
き、そして、その他本発明を実施する際に必要となる各
部の具体構成も各種変更できる。例えば、発進処理を、
中間加速制御処理と同様な形式で、つまり、発生させる
推力を一回だけ演算し、その結果に基づいて推力を1回
発生させて設定目標速度になるようにしても良く、又、
発進処理及び停止処理を、設定時間経過する毎に行うに
代えて、設定距離走行する毎に行うようにしても良い。
又、停止処理を、常に一定の推力を発生させるようにし
て行っても良いし、移動車Aの進入速度Vaがどのよう
な速度であっても、ステーションSTの目標停止位置P
cからの距離に合わせて予め設定された速度値(例えば
Sc)に沿って減速させるようにしても良い。但し、こ
の場合の速度変化(つまり加速度)は、荷崩れを発生し
ないような加速度以下である必要がある。 上記実施例では、表1に基づいて、毎回、設定目標
速度を補正するように構成されているが、毎回補正する
に代え、移動車Aがクリープ速度に到達した位置偏差を
各段階毎にカウントし、その数が所定回数以上になる
と、又は、その数が前回の補正を実施したときのカウン
ト数よりも多くなると、補正を実行するようにしても良
い。このことにより、例え何かの外的要因で移動車Aの
クリープ速度に到達した位置が突発的に変化したとして
も、それに追従して補正を行ってしまうということを回
避することができる。 上記実施例では、移動車Aの移動速度が停止用の低
速度(クリープ速度)に達したときの移動車Aの位置と
目標停止位置Pcとの偏差に基づいて加減速用の一次コ
イルC2 の設定目標速度を補正するように構成されてい
るが、目標停止位置Pcに対する所定の位置における移
動車Aの速度とその位置の適正速度との偏差(例えばP
aにおける移動車Aの進入速度Va とVaCとの偏差)に
基づいて設定目標速度を補正するようにしても良いし、
移動車Aが所定の速度に達したときの位置とその所定の
速度に達するべき適正位置との偏差に基づいて設定目標
速度を補正するようにしても良い。 上記実施例では、一次コイルCの駆動時間Tを予め
設定しておき、推力Fを変化させてエネルギーFTを設
定するように構成されているが、推力Fを一定にしてお
き、駆動時間Tを変化させてエネルギーFTを設定する
ようにしても良い。つまり、一次コイルCの推力Fを可
変するに代えて、駆動時間Tを可変するようにしても良
い。
【0048】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送設備の概略平面図
【図2】制御構成のブロック図
【図3】移動車の正面図
【図4】移動車の概略斜視図
【図5】二相センサの概略側面図
【図6】スリット板及び検出片の取付部の概略平面図
【図7】情報記憶板の概略平面図
【図8】荷検出センサの概略平面図
【図9】移動車の一部を示す平面図
【図10】制御作動を示すフローチャト図
【図11】制御作動を示すフローチャト図
【図12】制御作動を示すフローチャト図
【図13】制御作動を示すフローチャト図
【図14】制御作動を示すフローチャト図
【図15】制御作動を示すフローチャト図
【図16】一次コイルと走行速度との関係を示す図
【図17】移動車の加減速状態を示す図
【符号の説明】
A 移動車 B 案内レール C1 ,C2 ,C3 一次コイル SCP,TCP 制御手段 ST ステーション 100 検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 13/03 - 13/10 H02P 5/00 H02P 7/00 B65G 54/00 - 54/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷搬送用の移動車(A)を案内する案内
    レール(B)側に、ステーション(ST)に対応して設
    置するステーション用の一次コイル(C1 )、隣接する
    ステーション間に設置する中間加速用の一次コイル(C
    3 )、及び、前記ステーション用の一次コイル(C1
    の近くに設置する減速用の一次コイル(C2 )が設けら
    れ、 前記ステーション用の一次コイル(C1 )、前記中間加
    速用の一次コイル(C3 )、及び、減速用の一次コイル
    (C2 )の作動を制御して、前記移動車(A)の前記ス
    テーション(ST)間の走行を制御する制御手段(SC
    P,TCP)が設けられ、 前記制御手段(SCP,TCP)は、 前記減速用の一次コイル(C2 )にて前記移動車(A)
    を設定目標速度に減速させるための逆推力を求めて、そ
    の求めた逆推力を出力させるように前記減速用の一次コ
    イル(C2 )の作動制御を実行し、 前記減速用の一次コイル(C2 )にて減速された前記移
    動車(A)を、所定の加速度で減速させる、又は、前記
    ステーション(ST)の目標停止位置からの距離に合わ
    せて予め設定された速度値に沿って減速させて、前記移
    動車(A)の移動速度が前記目標停止位置の近傍範囲に
    て停止用の低速度になるように、前記ステーション用の
    一次コイル(C1 )の作動制御を実行するように構成さ
    れているリニアモータ利用の搬送設備であって、 前記減速用の一次コイル(C2 )にて出力させた逆推力
    と、前記目標停止位置の近傍範囲にて停止用の低速度に
    するために、前記減速用の一次コイル(C 2 )にて出力
    させるべき適正逆推力との偏差を検出する偏差検出手段
    (100)が設けられ、 前記制御手段(SCP,TCP)は、前記偏差検出手段
    (100)にて検出された偏差に基づいて、前記移動車
    (A)が前記停止用の低速度に達したときの前記移動車
    (A)の位置が前記目標停止位置に近づくように、前記
    設定目標速度を補正するように構成されているリニアモ
    ータ利用の搬送設備。
  2. 【請求項2】 前記偏差検出手段(100)が、前記移
    動車(A)の移動速度が前記停止用の低速度に達したと
    きの前記移動車(A)の位置と、前記目標停止位置との
    偏差を検出するように構成されている請求項1記載のリ
    ニアモータ利用の搬送設備。
  3. 【請求項3】 前記偏差検出手段(100)は、前記偏
    差を複数段階に区分して検出するように構成され、 前記制御手段(SCP,TCP)は、前記偏差検出手段
    (100)にて検出された偏差値が大きいほど、前記設
    定目標速度を大きく補正するように構成されている請求
    項1又は2記載のリニアモータ利用の搬送設備。
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