JP3163639U - 移動体の懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体が加速・減速・旋回した場合でも、搭乗者や搭載物の姿勢が不安定にならない移動体の懸架装置を提供する。【解決手段】荷台を支持するゼロパワー磁石ユニット31、32と、その電磁石31の電流を制御するコントローラ35と、コントローラ35にフィードフォワード制御の指令信号を出力する指令信号出力部46とを備え、指令信号出力部46は、ゼロパワー磁石ユニットのギャップを乱す外乱(加減速、旋回)が生じる際に指令信号を出力し、これを受けてコントローラ35は、外乱によるギャップの変位方向と逆方向にギャップを変位させるように電磁石31の電流を制御し、引き続いて、ギャップを永久磁石32の吸引力で維持される間隔に変位させるように電磁石31の電流を制御する。ゼロパワー磁石ユニット31、32が、外乱の作用する方向と逆方向の「負の剛性」の変位のみを行うため、荷台が搭乗者や搭載物の姿勢を安定に保つ方向に傾く。【選択図】図3

Description

本考案は、磁石の吸引力を利用して懸架する移動体の懸架装置に関し、移動体の加減速や旋回により搭乗者や搭載物の姿勢が不安定になるのを防止するものである。
乗用車では、走行時のタイヤの振動が搭乗者に伝わらないように、タイヤとボディとの間にバネと減衰機構とを備えたサスペンション(懸架装置)が配置されている。
図15は、荷台11及び搭載物(搭乗者)12がサスペンション10で支えられた車両を模式的に示している。サスペンション10のバネは、復元力を有し、作用する力の方向に、その力の大きさに比例した量だけ変形する。これを、バネが「正の剛性」を持つと言う。
進行する車両の前方のバネと後方のバネとの変形量が異なる場合、荷台11は、回転軸20を中心に回転(ピッチング)する。なお、この場合、荷台11及び搭載物12の重心21は、回転軸20よりも上側にある。
例えば、図16(a)に示すように、この車両の加速度が増加すると、重心21に慣性力が働き、荷台11は、回転軸20を中心に紙面上で反時計方向に回転しようとする。そのため、車両の進行方向前方のバネに対して引き伸ばす力が作用し、「正の剛性」を持つバネは、その力の大きさに比例した長さだけ伸びる。一方、進行方向後方のバネに対しては、圧縮力が作用し、「正の剛性」を持つバネは、その力の大きさに比例した長さだけ縮む。
その結果、荷台11は、前方が上がり、後方が下がる「ノーズアップ」状態になる。ノーズアップ状態では、図16(b)に示すように、重心21に作用する慣性力(Inertia)及び重力(Gravity)を合成した合力の方向(加速度のなす角度:Angle of acceleration)と、荷台11の垂直方向(Angle of platform)とが、重力方向を境にして異なる象限に位置し、それらの角度差が大きい。そのため、搭載物12は後方に倒れやすい。
また、この車両の減速時には、荷台11の前方が下がり、後方が上がる「ノーズダイブ」状態になり、搭載物12は前方に倒れやすい。
こうした欠点は、「正の剛性」を持つバネに代えて、「負の剛性」を持つゼロパワー磁石ユニットで荷台11を支えることにより改善できる。
ゼロパワー磁石ユニットは、例えば下記特許文献1に記載されており、図17(a)に示すように、電磁石31と、電磁石31の磁路中に挿入された永久磁石32(極の一方を黒、他方を白で表す)と、永久磁石32の吸引力で浮上する浮上体33とを有している。
このゼロパワー磁石ユニットを制御する制御系は、浮上体33の変位を検出する変位センサ34と、変位センサ34の検出結果に基づいて電磁石31のコイルの電流を制御するコントローラ35と、コントローラ35の指示によりコイルへの通電を行うアンプ36とを有している。
浮上体33の定常的な浮上は、永久磁石32の吸引力だけで行われ、電磁石31のコイルに流れる定常的な電流が零になるようにコントローラ35で制御される。
図17(b)に示すように、浮上体33に荷重37が加わり、浮上体33と電磁石31とのギャップが広がると、それを変位センサ34が検出し、コントローラ35が、電磁石31のコイルに電流を流して吸引力を増やす。吸引力が増すとゼロパワー磁石ユニットのギャップは狭まる。ギャップが狭まると、永久磁石32による吸引力が増加し、荷重37が付加された浮上体33は、永久磁石32の吸引力だけで支持される。
このように、ゼロパワー磁石ユニットの浮上体33に電磁石31から引き離す方向の荷重が加わると、増加した荷重と永久磁石32の吸引力とを釣り合わせるためにギャップが縮まり、ゼロパワー磁石ユニットは、最終的に(図17(b)に示すように)荷重方向と逆向きに変位して安定化する。そのため、ゼロパワー磁石ユニットは「負の剛性」を有している。
図18(a)に示すように、荷台11がゼロパワー磁石ユニット30で支持された車両は、加速度が増加すると、重心21に慣性力が働き、荷台11は、回転軸20を中心に紙面上で反時計方向に回転しようとする。そのため、車両の進行方向前方のゼロパワー磁石ユニット30に対して引き伸ばす力が作用し、「負の剛性」を持つゼロパワー磁石ユニット30は縮む方向に変形する。一方、進行方向後方のゼロパワー磁石ユニット30に対しては、圧縮力が作用し、「負の剛性」を持つゼロパワー磁石ユニット30は伸張するように変形する。
その結果、荷台11は「ノーズダイブ」の状態になる。ノーズダイブ状態では、図18(b)に示すように、重心21に作用する慣性力及び重力を合成した合力の方向(加速度のなす角度)と、荷台11の垂直方向とが、重力方向を境にして同一の象限に位置し、それらの角度差は小さい。そのため、搭載物12は倒れ難い。
また、この車両の減速時には、荷台11が「ノーズアップ」状態になり、同様に、搭載物12は倒れ難い。
なお、特許文献1に記載されているように、ゼロパワー磁石ユニットの制御に際して、ギャップ検出用の変位センサを用いないセンサレス化の手法が種々開発されている。
特開2003−204609号公報
しかし、懸架装置に用いたゼロパワー磁石ユニットは、加速・減速の初期段階で、通常のバネと同様に、荷重方向と同じ向きに変位する。
図19は、1秒毎に変化する2秒周期のステップ状の外乱(A)に対応するゼロパワー磁石ユニットのギャップ変化(B)を示している。このように、ゼロパワー磁石ユニットには、ステップ状の各外乱の初期に「正の剛性」と同じ方向の変位が現われ、その後に「負の剛性」の変位に変化する。
この「正の剛性」と同じ方向の変位は、搭載物の姿勢を不安定にする方向に荷台を傾けることになる。
本考案は、こうした事情を考慮して創案したものであり、移動体が加速や減速、あるいは旋回した場合でも、搭乗者や搭載物の姿勢が不安定にならない移動体の懸架装置を提供することを目的としている。
本考案は、移動体の懸架装置であって、被支持体を支持するゼロパワー磁石ユニットと、ゼロパワー磁石ユニットの電磁石に通電する電流を制御するコントローラと、コントローラにフィードフォワード制御の指令信号を出力する指令信号出力部とを備え、指令信号出力部は、ゼロパワー磁石ユニットのギャップを乱す外乱が生じる際に、コントローラにフィードフォワード制御の指令信号を出力し、コントローラは、指令信号が出力されると、外乱によるギャップの変位方向と逆方向にギャップを変位させるように電磁石の電流のフィードフォワード制御を行い、このフィードフォワード制御に引き続いて、ギャップを永久磁石の吸引力で維持される間隔に変位させるように電磁石の電流の制御を行うことを特徴とする。
この懸架装置のゼロパワー磁石ユニットは、コントローラの制御により、外乱を受けた初期段階から「負の剛性」の変位のみを行うことになる。
また、本考案の懸架装置では、指令信号出力部が、移動体の加速若しくは減速時、または、旋回時に指令信号を出力する。
移動体の加速・減速による慣性力や、移動体の旋回による遠心力でゼロパワー磁石ユニットのギャップが変位する場合に、その初期段階から、ゼロパワー磁石ユニットが「負の剛性」の変位を行うようにフィードフォワード制御が行われる。
また、本考案の懸架装置では、指令信号出力部が、移動体の運転操作に基づいて指令信号をコントローラに出力することができる。
車両の加減速や旋回は、運転者の運転操作によって行われるため、運転操作から得られる信号を指令信号として、車両の加減速や旋回時のフィードフォワード制御を行うことができる。
また、本考案の懸架装置では、指令信号出力部が、移動体の通過するレールの曲率と、移動体の通過速度とに基づいて指令信号をコントローラに出力するようにしても良い。
移動体がレール上を走行する列車や搬送車の場合は、レールの曲がり具合と走行速度とから、レールのカーブ位置での遠心力を予め算出することができ、その算出結果に基づいて、指令信号の出力タイミングや、フィードフォワード制御の制御量を設定することができる。
また、本考案の懸架装置では、ギャップを永久磁石の吸引力で維持される間隔に変位させるとき、電磁石の定常的な電流がゼロとなるように制御する。
こうしたゼロパワー制御により、電磁石の電力消費を最小化することができる。
また、本考案の懸架装置では、ギャップを永久磁石の吸引力で維持される間隔に変位させるとき、この間隔を調整するための電流を電磁石に定常的に流し続けるようにしても良い。
こうすることで、「負の剛性」の大きさを調整することができる。
本考案の懸架装置では、被支持体を支持するゼロパワー磁石ユニットに、外乱の作用する方向と逆方向の「負の剛性」の変位のみを行わせることができる。そのため、移動体の加速・減速時、あるいは旋回時に、懸架装置で支持された搭乗者や搭載物の姿勢を安定に保つことができる。
また、旋回時に搭乗者や搭載物の姿勢が不安定にならないため、移動体の脱線を防止する効果が期待できる。
本考案の実施形態に係る懸架装置の側(断)面図 図1の懸架装置の平(断)面図 図1の懸架装置のゼロパワー磁石ユニット、及び、その制御系を示す図 図3の制御系のブロック線図 図3の制御系のブロック線図(負の剛性の大きさが調整可能な第1の制御系) 図3の制御系のブロック線図(負の剛性の大きさが調整可能な第2の制御系) フィードフォワード制御を実施したときのゼロパワー磁石ユニットの変位と実施しないときの変位を示す図 実験装置の全体像を示す図 図8の実験装置の搬送車への駆動機構を示す図 図8の搬送車の内部構造を示す図 図8の実験装置のモータ駆動力を示す図 加速時の荷台角度を測定した実験結果を示す図 減速時の荷台角度を測定した実験結果を示す図 搬送実験の結果を示す図 従来の懸架装置を示す図 荷台を正の剛性を持つバネで支持したときの荷台の傾斜を示す図 ゼロパワー磁石ユニットの動作を説明する図 荷台を負の剛性を持つゼロパワー磁石ユニットで支持したときの荷台の傾斜を示す図 フィードフォワード制御を実施しないときのゼロパワー磁石ユニットの変位を示す図
本考案の実施形態に係る懸架装置は、図1の側(断)面図に模式的に示すように、ゼロパワー磁石ユニット30で荷台44及び枠体45を支えている。荷台44に結合された枠体45の一部は、タイヤ41の車軸42側に固定された架台43の裏面と対向する位置まで延びており、この架台43に対向する枠体45の側にゼロパワー磁石ユニット30の永久磁石32側が固定され、枠体45に対向する架台43の裏面にゼロパワー磁石ユニット30の電磁石31側が固定されている。
このゼロパワー磁石ユニット30は、図2に示すように、4箇所に配置されており、枠体45及び荷台44は、定常的には、各ゼロパワー磁石ユニット30の永久磁石32の吸引力を受けて、架台43に非接触の状態で磁気浮上している。
このゼロパワー磁石ユニット30の制御系は、図3に示すように、ゼロパワー磁石ユニット30のギャップの変位を検出する変位センサ34と、電磁石31のコイル電流を制御するコントローラ35と、コントローラ35の指示でコイルへの通電を行うアンプ36と、運転者が加速・減速・旋回などの操作を行う運転操作部46とを備えている。
運転操作部46は、特許請求の範囲で言う「指令信号出力部」に当たる。
車両の駆動部47は、運転操作部46の操作に基づいて車両の加速・減速・旋回を実行する。
また、運転操作部46の操作を示す信号が、コントローラ35にも出力される。
コントローラ35には、運転操作部46から運転操作を示す信号と、変位センサ34からゼロパワー磁石ユニット30のギャップの変位を示す検出信号とが入力する。
コントローラ35は、運転操作部46から加速、減速または旋回の運転操作を示す信号が入力すると、これをフィードフォワード制御の指令信号として捉え、車両の加速、減速または旋回から生じる力がゼロパワー磁石ユニット30のギャップを変位させる方向と逆方向にギャップを変位させるように電磁石31の電流のフィードフォワード制御を行う。
このフィードフォワード制御の間に変位センサ34からゼロパワー磁石ユニット30のギャップの変位を示す検出信号が出力されるので、フィードフォワード制御に引き続き、ギャップを永久磁石32の吸引力のみで維持できる間隔に変位させるための電磁石31の電流制御(即ち、ゼロパワー磁気浮上制御)を行う。
このコントローラ35の制御により、ゼロパワー磁石ユニット30は、加速、減速または旋回の初期段階から「負の剛性」の変位のみを行う。そのため、重心が回転中心より上側にある系の荷台44は、運転操作部46で加速の運転操作が行われると、初期段階から「ノーズダイブ」状態になる。また、運転操作部46で減速の運転操作が行われると、荷台44は、初期段階から「ノーズアップ」状態になる。また、運転操作部46で旋回の運転操作が行われると、荷台44は、初期段階から、旋回の中心に近い側が低く、中心から遠い側が高くなるように傾く(ローリング)。
その結果、荷台44上の搭乗者や搭載物は、車両の加速、減速及び旋回時に、安定した姿勢を維持することができる。
図4は、この制御系のブロック線図を示している。図中の各符号は、次の意味を有している。
u:モータ指令値
H(s):モータから外乱トルクに至る伝達関数
H’(s):フィードフォワード補償ゲイン
w:外乱
d’:フィードフォワード補償信号
d:運転操作によるトルク
v:外部からのトルク
d:変位フィードバック
z:速度フィードバック
s:ラプラス演算子
i:ゼロパワー磁石ユニットの電流あたりの推力
s:ゼロパワー磁石ユニットの変位あたりの推力
r:重心とゼロパワー磁石ユニットの水平距離
I:搭載物の慣性モーメント
θ:搭載物の傾き
このように、フィードフォワード制御を行う場合は、図19と同様に1秒毎に変化する2秒周期のステップ状の外乱を加えたときのゼロパワー磁石ユニットの変位が、図7の曲線(a)のように変化し、外乱初期の逆応答が消える。なお、曲線(b)は、図19に示した、フィードフォワード制御を行わない場合のゼロパワー磁石ユニットの変位である。
なお、図4の制御系では、フィードフォワード制御に引き続いて行われるゼロパワー磁気浮上制御において、負の剛性の大きさを調整することができない。これは、電磁石31に流れる定常的な電流がゼロとなるように制御しているため、負の剛性の大きさが永久磁石の吸引力とギャップとで決まってしまうからである。
負の剛性の大きさを調整する場合は、定常状態でも電磁石31に電流を流し、その電流量をフィードバック制御することで可能になる。
図5及び図6は、図4の制御系に、負の剛性の大きさを調整するフィードバックを加えた系を示している。ここで、
p:剛性の大きさを調整するフィードバック
l:剛性の大きさを調整するフィードバック
である。
図4に代えて、図5または図6の制御系を用いることで、負の剛性の大きさを調整することができる。
フィードフォワード制御による効果を確かめるため、次のような装置で実験を行った。
この装置は、図8に示すように、走行台51と、走行台51上を走行する搬送車52とを備えている。図9に示すように、走行台51の端に設置したモータ53と搬送車52とをワイヤ54で繋いで、搬送車52を駆動した。図10に示すように、搬送車52には、二つのゼロパワー磁石ユニット30を設置し、また、軸55を中心にピッチングが可能なフロータ56を設けて、このフロータ56に二つのゼロパワー磁石ユニット30の永久磁石32を対称に固定した。また、フロータ56には、荷台57を固定した。
図11は、搬送車52を加速及び減速したときのモータ53の駆動力を示している。いずれの場合も3.2秒間駆動した後、駆動を停止している。
図12は、搬送車52を加速したときの荷台57の角度変化を示している。曲線aはフィードフォワード制御を行わないときの特性、曲線bはフィードフォワード制御量を1.1[A/N](A:アンペア、N:ニュートン)に設定したときの特性、曲線cはフィードフォワード制御量を2.3[A/N]に設定したときの特性、また、曲線dはフィードフォワード制御量を3.4[A/N]に設定したときの特性を示している。縦軸の角度が正であればノーズアップ状態であり、負であればノーズダイブ状態である。フィードフォワード制御を行わない場合(曲線a)は、加速の初期段階でノーズアップ状態にあるが、フィードフォワード制御を行うことにより、加速の初期段階でノーズダイブ状態になる。ノーズダイブの角度は、フィードフォワード制御量によって違っている。
図13は、搬送車52を減速したときの荷台57の角度変化を示している。曲線aはフィードフォワード制御を行わないときの特性、曲線bはフィードフォワード制御量を1.1[A/N]に設定したときの特性、曲線cはフィードフォワード制御量を2.3[A/N]に設定したときの特性、また、曲線dはフィードフォワード制御量を3.4[A/N]に設定したときの特性を示している。フィードフォワード制御を行わない場合(曲線a)は、減速の初期段階でノーズダイブ状態にあるが、フィードフォワード制御を行うことにより、減速の初期段階でノーズアップ状態になる。ノーズアップの角度は、フィードフォワード制御量によって違っている。
また、図14は、搬送車52の荷台57に直径6mm、長さ25mm、底部の直径が10mmの凸状の丸棒を置き、加減速を行っても倒れずに搬送できた回数を調べたものである。平均速度を変えて、それぞれ20回試行し、その内の成功回数を示している。
このように、重心が懸架装置の支持部分よりも上にある場合に、その懸架装置の剛性を負の値にした方が、荷台上の搭載物は倒れにくくなる。
なお、図3では、運転操作部が「指令信号出力部」となる場合について説明したが、運転操作部の運転操作情報などからフィードフォワード制御の指令信号を作成してコントローラ35に出力する「指令信号出力部」を別に設けても良い。
例えば、移動体がレール上を走行する列車やモノレール、搬送車などの場合は、カーブでの遠心力を、移動体が通過するレールの曲率と、移動体の通過速度と、移動体の重量とから予め求めることができるから、こうした輸送システムでは、指令信号出力部が、これらの情報を予め取得し、それを基に、フィードフォワード制御の制御量を指定して、コントローラに適切なフィードフォワード制御を行わせることが可能である。また、その制御量をコントローラ自身が算出し、それに基づいてフィードフォワード制御を実行するようにしても良い。
このように、適切なフィードフォワード制御を伴う負の剛性の変位により、搭乗者や搭載物は、列車などが旋回した場合でも、安定した状態を保つことができる。旋回時に、搭乗者や搭載物の姿勢が不安定であると、搭乗者や搭載物が列車内で片寄り、脱線の危険性が生じるが、適切なフィードフォワード制御を伴う負の剛性の変位により、こうした危険が回避できる。
また、本考案は、鉄製ガイドレールに対し、永久磁石の吸引力により非接触状態で浮上走行する磁気浮上搬送車などのサスペンションにも適用できる。
本考案の懸架装置は、乗用車を始めとして、トラック、搬送車、列車、電車など、移動体に広く用いて、加速・減速・旋回時の搭乗者及び搭載物の姿勢を安定に保つことができる。
10 サスペンション
11 荷台
12 搭載物(搭乗者)
20 回転軸
21 重心
30 ゼロパワー磁石ユニット
31 電磁石
32 永久磁石
33 浮上体
34 変位センサ
35 コントローラ
36 アンプ
37 荷重
41 タイヤ
42 車軸
43 架台
44 荷台
45 枠体
46 運転操作部
47 駆動部
51 走行台
52 搬送車
53 モータ
54 ワイヤ
55 軸
56 フロータ
57 荷台

Claims (6)

  1. 移動体の懸架装置であって、
    被支持体を支持するゼロパワー磁石ユニットと、
    前記ゼロパワー磁石ユニットの電磁石に通電する電流を制御するコントローラと、
    前記コントローラにフィードフォワード制御の指令信号を出力する指令信号出力部と
    を備え、
    前記指令信号出力部は、前記ゼロパワー磁石ユニットのギャップを乱す外乱が生じる際に、前記コントローラにフィードフォワード制御の指令信号を出力し、
    前記コントローラは、前記指令信号が出力されると、前記外乱による前記ギャップの変位方向と逆方向に前記ギャップを変位させるように前記電磁石の電流のフィードフォワード制御を行い、該フィードフォワード制御に引き続いて、前記ギャップを前記永久磁石の吸引力で維持される間隔に変位させるように前記電磁石の電流の制御を行うことを特徴とする懸架装置。
  2. 請求項1に記載の懸架装置であって、前記指令信号出力部が、前記移動体の加速若しくは減速時、または、旋回時に前記指令信号を出力することを特徴とする懸架装置。
  3. 請求項2に記載の懸架装置であって、前記指令信号出力部が、前記移動体の運転操作に基づいて前記指令信号を前記コントローラに出力することを特徴とする懸架装置。
  4. 請求項2に記載の懸架装置であって、前記指令信号出力部が、前記移動体の通過するレールの曲率と、当該移動体の通過速度とに基づいて前記指令信号を前記コントローラに出力することを特徴とする懸架装置。
  5. 請求項1に記載の懸架装置であって、前記ギャップを前記永久磁石の吸引力で維持される間隔に変位させるとき、前記電磁石の定常的な電流がゼロとなるように制御することを特徴とする懸架装置。
  6. 請求項1に記載の懸架装置であって、前記ギャップを前記永久磁石の吸引力で維持される間隔に変位させるとき、前記間隔を調整するための電流を前記電磁石に定常的に流し続けることを特徴とする懸架装置。
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