JP6515297B1 - 台部安定化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カウンタウエイトを使用することなく台部を安定化させる装置を提供する。【解決手段】 台部安定化装置は、移動可能な走行体に設置される基部1と、基部によって支持される台部2とを備える。台部は基部から十分な距離を有して設けられるものである。基部と台部の下面中央との間における距離を一定に維持するとともに、基部に対する台部の角度が自在となるように支持する中央支持部3と、中央支持部から適宜間隔を有して少なくとも2箇所に設けられ、基部に対する台部の距離を変更可能に支持する少なくとも2つの昇降支持部4,5とを備える。昇降支持部は、サーボモータによって回転駆動する駆動アームに下端が接続された昇降軸が昇降し、その上端が台部に接続されるものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、走行体に設置される座席や荷台等の搭乗または積載等のための台部の姿勢を安定化させるための装置に関し、特に、台部を水平な状態に維持させるための装置に関するものである。
本願発明者らはこれまで、例えば平行な二輪を備える二輪ビークルにおいては、走行の際に加速度が増減することによる前後方向への傾倒から姿勢を安定化させるために、前後方向に移動するカウンタウエイト構造を開発し(特許文献1)、また、左右に傾斜する路面を走行する際の左右方向の傾きに対しては、揺動機構を用いることにより台部の姿勢を安定化する方法を案出した(特許文献2)。
特開2011−131660号公報 特開2016−078722号公報
上述の特許文献1における技術は、カウンタウエイトの移動によって車両全体の重量バランスを安定化させるものであり、台部を含む車両全体が前後方向に傾倒する際の姿勢を安定化させていた。この機構は、台部に搭乗する人や積載された積載物等の重心移動等に対しても台部の姿勢を安定させる点で優れたものであった。また、特許文献2における技術は、上記のカウンタウエイトの移動に加え、左右の傾きに対し、台部のみを左右方向に揺動させるものであり、カウンタウエイトの移動による姿勢の安定化に加えて左右の傾倒のみを制御する点において優れたものであった。
ところが、例えば四輪走行体のように、走行時に加速度が変化する場合においても基部が安定している走行体、または二輪ビークルの場合であっても加速度変化が緩やかな走行体にあっては、基部そのものが比較的安定的であることから、単なる傾斜路面を走行する際に生ずる台部の傾きのみを修正できればよい場合もあり、当該台部の安定化装置として比較的簡易な機構により安価に提供されることが要請されつつあった。
また、一般的な台車等の搬送用の走行体にあっては、上述のようなカウンタウエイト等を搭載することが困難であり、また、特殊な加工を施す場合には汎用性に欠けることとなっていた。そのため、台車等に積載物を積載して搬送する場合において、台部を安定させつつ移動させる際には、慎重に(低速で)搬送させるほかに手段がなかった。そこで、これらの搬送用の走行体にあっても容易に台部を安定化させる装置が切望されていた。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、カウンタウエイトを使用することなく台部を安定化させる装置を提供することである。
そこで、本発明は、移動可能な走行体に設置される基部と、該基部によって支持される台部とを備える台部の安定化装置であって、前記台部は前記基部から十分な距離を有して設けられるものであり、前記基部と前記台部の下面中央との間における前記距離を一定に維持するとともに、該基部に対する該台部の角度が自在となるように支持する中央支持部と、該中央支持部から適宜間隔を有して少なくとも2箇所に設けられ、該基部に対する該台部の距離を変更可能に支持する少なくとも2つの昇降支持部とを備えることを特徴する。
ここで、台部とは、人が搭乗できる座席、または、積載物を搭載できる荷台等を想定しているが、これらの荷台等そのものの場合のほか、当該荷台等を設置するための基礎部分を含むものであり、走行体とは、駆動装置またはパワーアシスト機能等を有する自動または半自動の移動体のほか、手押しの台車やリヤカーなどを含むものであり、二輪以上の車輪を転動させることにより移動できるものである。また、駆動力を有する走行体としては、多人数が搭乗できる車両とは異なり、一人乗りの車椅子や運搬用の台車などを想定している。
上記構成によれば、台部は、中央支持部および昇降支持部によって基部に支持されるものであり、中央支持部が荷台の中央を支持し、台部中央が基部との距離を一定にしており、昇降支持部によって支持される台部の位置を昇降させることが可能であることから、当該昇降支持部の操作によって台部の角度を変更させることができる。すなわち、中央支持部によって支持される台部中央を基点として揺動可能な状態となり、また、中央支持部とは異なる位置に分かれて設けられた昇降支持部が、それぞれ個別に適宜昇降することによって、当該揺動の状態を調整し得るものであり、昇降支持部による距離を制御することにより揺動状態を調整し、基部が傾斜した場合においても台部のみを水平な状態に誘導させることができる。このような構成の台部安定化装置は、走行体に設置されるものであるから、所望の走行体に設置することにより、台部に積載される物体の姿勢を安定させた状態で移動させることが可能となる。また、基部に加速度センサ等を備えることにより、加速度の増減によって作用する慣性力に抗する状態に台部を傾斜させることも可能であり、搬送物が球状体や液体などの場合には、加速度の増減による転動や液面の揺れを抑えることも可能となる。さらに、基部に振動センサを備えることにより、仮に球状体が転動し、または液体に揺れが生じた場合においても、当該振動を減衰させる状態へ台部を傾斜させることも可能となる。
また、本発明は、車輪を支持する基部と、該基部によって支持される台部とを備え、該車輪の転動により走行可能な走行体において、前記台部を安定的に保持する装置であって、前記台部は前記基部から十分な距離を有して設けられるものであり、前記基部と前記台部の下面中央との間における前記距離を一定に維持するとともに、該基部に対する該台部の角度が自在となるように支持する中央支持部と、該中央支持部から適宜間隔を有して少なくとも2箇所に設けられ、該基部に対する該台部の距離を変更可能に支持する少なくとも2つの昇降支持部とを備えることを特徴する。
上記構成によれば、基部は車輪を支持するものであり、車輪と一体的に形成される。従って、基部は、走行体の一部として路面の状態に応じて傾斜することとなるが、台部は、基部から独立して揺動させることができ、結果として台部を水平な状態とすることができる。また、走行体の本体または基部に加速度センサや振動センサ等を備えることにより、搬送物が球状体や液体などの場合における転動や液面の揺れを抑え、さらには制振のための台部の調整も可能となる。
上記構成の発明においては、前記昇降支持部が、前記走行体が直進するときの進行方向の前方または後方に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第1の昇降支持部と、前記進行方向に対して直交方向に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第2の昇降支持部とで構成されるものとすることができる。
上記構成の場合には、台部は走行体の進行方向に対し前後および左右の傾倒に対して、それぞれ一つの昇降支持部によって調整することが可能となる。例えば、前後方向に対する傾倒のみの場合は、第1の昇降支持部を操作することにより、前後の傾倒を解消させ、左右方向のみへ傾倒する場合には、第2の昇降支持部を操作することにより当該傾倒を解消できる。さらに、斜め方向に(前後および左右の両方に)傾倒する場合には、両方の昇降支持部を操作することにより、当該傾倒を解消させることが可能となる。
上記各構成の発明において、前記中央支持部は、下端が前記基部に固定され、かつ上端が球面軸受を介して前記台部の裏面に接続されて、該台部が裏面の中央を基点として傾斜自在とする構成とすることができる。
このような構成によれば、中央支持部の下端が基部に固定されていることから、当該中央支持部の軸線は、基部の傾倒によって変化することとなるが、台部との距離は一定に維持されることとなる。さらに、上端が球面軸受(いわゆるロッドエンド)を介して台部に接続されることにより、台部は、基部に対する角度が自在な状態となり、基部が傾倒する状態であっても、これに連動されることなく自在な角度調整が可能となる。そこで、昇降部材による両者間の距離を変更すれば、当該距離の変化に応じて台部を水平な状態とすることも可能となる。なお、台部を水平に維持させることにより、台部そのもの、または台部を基礎部分として設置される荷台等の姿勢を安定させることができる。
また、上記各構成における前記昇降支持部は、前記基部に設置されるサーボモータの回転力によりリンク機構を介して昇降制御されるものとして構成することができる。
上記構成によれば、昇降支持部による台部の特定位置が、基部に対して所望の距離となるように制御することができるとともに、リンク機構の介在によって、基部に対する台部の揺動による僅かな角度変化による捻れ作用を解消させることができる。また、駆動源をサーボモータとすることによりフィードバック制御が可能となり、台部に作用する積載物体の移動や揺れに応じて必要な制御を行うことが可能となる。
ここで、前記リンク機構は、前記サーボモータの回転駆動力により回転する駆動アームと、この駆動アームの先端に球面軸受を介して接続される昇降軸とを備え、該昇降軸の先端が球面軸受を介して前記台部の裏面に接続されるものとすることができる。
上記構成の場合には、昇降軸は、駆動アームの回転方向の駆動を昇降方向の直線的な進退駆動に変換することとなり、台部に対する昇降方向の駆動力を作用することができる。また、昇降軸の両端は、駆動アームおよび台部裏面との間において、それぞれ球面軸受(いわゆるロッドエンド)が介在されることにより、台部の昇降により基部に対する台部の角度が変化した場合においても、捻れの作用を解消させることができる。
さらに、上記各構成の発明において、前記基部は、底面部および該底面部の周囲を包囲する壁面部によって上方に開口部を有する箱形に形成されており、該開口部は、前記台部の周縁との間に間隙を有しつつ該台部によって閉塞されるものとすることができる。
上記構成によれば、基部には、昇降支持部を作動させるための駆動源およびその電源等(例えば、サーボモータやバッテリ等)を搭載する場合、これらが外部に露出した状態とならないように、基部をケーシングとして機能させることができるとともに、台部の周縁と基台開口部とに形成した間隙は、台部の可動域を制限するためのストッパとしての機能を有することとなる。すなわち、車両が想定を越えて傾倒するような状況においては、例えば、サーボモータが極限まで台部の角度を変化させるように駆動することとなるが、車両に設置される他の機材等を保護するため、角度変化を制限させるべき場合には、台部の周縁が基部開口部に当接した状態で停止するように機能させることもできるのである。
本発明によれば、台部は、その中央部分が中央支持部によって一定距離に維持され、この中央支持部から離れた位置に設置される昇降支持部による昇降操作により、台部の周辺部の距離が変動し、この距離の変動に伴って、基部に対する台部の角度を変化させることができる。従って、カウンタウエイトを使用することなく、台部を水平な状態に維持させることが可能であり、その台部そのもの、または台部を基礎部分として搭載される荷台等の姿勢を安定化させることができる。
また、昇降支持部が、走行体の直進時における進行方向と、その直交方向とに区分された2箇所に設けられる場合には、一方が前後方向への角度調整用として機能し、他方が左右方向への角度調整用として機能させることとなり、わずかに2つの昇降支持部のみによって台部全体の角度を調整することができる。なお、このときの中央支持部は、基部に対する台部中央の位置を一定とするため、当該台部は、その中央を基点として、前後および左右ならびにこれらが複合した状態への揺動が可能となるものである。
また、基部が車輪を備えない構成の場合には、本発明に係る台部安定化装置は、走行体とは分離したものとなり、走行体に設置することにより、移動時において台部を安定的に保持させることができる。このような構成により、一般的な台車等に代表される汎用性のある搬送用走行体にも使用することができる。この場合には、当該台車等を改良する必要がなく、通常の台車等としての用途のほかに、台部安定化機能を有する台車等として使用することができる。
本発明の実施形態を示す説明図である。 昇降支持部を構成する昇降手段の説明図である。 台部の支持状態を示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。 進行方向に傾斜する場合の作動態様を示す説明図である。 左右方向に傾斜する場合の作動態様を示す説明図である。 本発明の他の実施形態を示す説明図である。 他の実施形態の使用態様を示す説明図である。 実施形態の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は走行体における台部の安定化装置であり、移動可能な走行体であれば四輪であっても二輪であっても適用可能であり、また走行のための駆動力を備えるものであっても手動による移動体であってもよいが、本実施形態では、駆動源を有する平行な二輪によって走行し得る二輪走行体を例示して説明する。
図1は、本実施形態の概略を示すものである。この図に示されるように、走行体Aは、基部1の両側に、平行に設置された二つの駆動輪1L,1Rを備えたものであり、これらの駆動輪1L,1Rは、車軸に設けられている個別のモータ11L,11Rによって回転力が付与され、前後進可能となっている。また、双方の駆動輪1L,1Rの回転数を操作することにより操舵可能であり、いずれか一方のみを駆動することにより旋回も可能である。この両モータ11L,11Rの回転は、基部1に内蔵される制御装置によって制御されている。なお、手動によって移動させる二輪走行体の場合には、例えば、リアカーのように、操作部分を有する構成となるが、ここでは説明を省略している。
台部安定化装置は、この基部1とともに構成されるものであり、基部1には、その底部を構成するための底面部10が設けられ、この底面部10が基部1の本体部分に固定されることによって、実質的には底面部10が台部安定化装置の基部として機能するものである。台部2は、基部1(底面部10)から適当な距離を有して設けられるものであり、底面部10の中央に、単一の支持部(中央支持部)3が立設され、この中央支持部3の上端に台部2の中央部分21の下面側が接続されるものである。従って、台部2の中央部分21のみが基部1(底面部10)との間の距離を一定に保たれているのである。
また、基部1(底面部10)には、中央支持部3から適宜離れた位置に二つの支持部4,5が設けられ、台部2の周辺二箇所22,23を支持している。これら二つの支持部4,5は、基部1(底面部10)に対する距離を変更するための昇降手段が設けられており、当該昇降手段を備える両支持部4,5が昇降支持部として機能するものである。なお、基部1(底面部10)には、昇降支持部4,5に設けられる昇降手段を作動させるためのバッテリおよびモータドライバ等を内蔵する駆動ボックス6,7が搭載される。
昇降支持部4,5に設けられる昇降手段は、図2(a)に示すように、基部1(底面部10)に固定される設置部40,50と、この設置部40,50によって支持されるサーボモータ41,51と、このサーボモータ41,51によって回転駆動力を供給する駆動アーム42,52と、この駆動アーム42,52によって昇降する昇降軸43,53とで構成されている。昇降軸43,53が、回転点駆動する駆動アーム42,52によって作動することから、一種のリンク機構として機能するものである。
昇降軸43,53の下端は、ロッドエンド44,54を介して駆動アーム42,52に接続されており、駆動アーム42,52の回動により昇降する際、軸線を自在に変化させることができるものである。また、上端においてもロッドエンド45,55が設けられ、このロッドエンド45,55を介在させた状態で台部2に接続されるものである。このロッドエンド45,55の介在により、基部1と台部2とが平行な状態と、平行ではない状態との間で変化する際に、昇降軸43,53の軸線の変動に対応して、接続状態が維持されるようになっている。
上記昇降手段による台部2(ロッドエンド45,55の上端)の昇降は、図2(b)および(c)に示すように、駆動アーム42,52が回転することによって、昇降軸43,53の下端が昇降し、これに伴って、昇降軸43,53は、適宜角度を変化させながら、上端の位置を上下動させることとなる。すなわち、昇降軸43,53を上昇させる場合には、図2(b)に示されているように、駆動アーム42,52の先端側を上昇させるように回転力が付与されるものであり、また、下降させる場合には、図2(c)に示されているように、駆動アーム42,52の先端が下降するように回転力が付与されるものである。
なお、上述のように、昇降軸43,53は、その両端がそれぞれロッドエンドを介して基部1(底面部10)および台部2に接続されているため、基部1(底面部10)および台部2との角度を自在に変化させることができる。これは、基部1(底面部10)と台部2との傾斜状態が複雑となった場合の捻れを解消するためのものであり、昇降軸43,53が台部2を支持することを阻害するものではない。すなわち、台部2は基部1(底面部10)との間に設けられる中央支持部3によって連結されており、台部2の揺動以外の自由度は制限されていること、昇降支持部4,5は、二つ以上設置されることから、中央支持部3を中心に台部2が回転することも制限されることによるものである。つまり、台部2は、少なくとも三点によって支持されることにより、回転することなく揺動自在な状態で支持されるのである。
ところで、昇降支持部4,5は、中央支持部3の周辺に少なくとも2つ設けられるものであり、本実施形態では、図3に示すように、二つの昇降支持部4,5のうち、一方の(第1の)昇降支持部4を進行方向Xに対して前後のいずれかに配置し、他方の(第2の昇降支持部)5を左右方向(進行方向に直交する方向)Yの左右いずれかに配置している。これらと中央支持部3とで合計3箇所により台部2を支持するものである。
図示の台部2は、当該台部2の支持位置を明確にするために、敢えて矩形の周辺フレーム20aと、進行方向Xおよび左右方向Yのそれぞれ中央に設置した内部フレーム20b,20cとで形成されたものを例示しているが、これは例示であって、このような形態に限定されるものではない。この図に示されるように、二つの昇降支持部4,5(具体的には昇降軸上端)は、台部2の中心線上に設けられる二つの内部フレーム20b,20cに接続されることにより、それぞれ中心線上において作用させ、両方向X,Yに対する傾斜角の変更を可能にしている。
なお、台部2には、図示せぬ姿勢角センサが設けられている。この姿勢角センサは、ジャイロセンサおよび加速度電差などを統合化したセンサフュージョンによって構成されており、所望の姿勢角を得るために、コントローラによる制御信号がモータドライバに出力されることで、サーボモータの出力を制御している。制御方法は特に示していないが、サーボモータを使用することによりフィードバック制御が可能である。そこで、走行体Aまたは基部1に加速度センサを備え、また、基部1または台部2に振動センサを備えることにより、走行体Aの加速度の増減に応じて作用する加速度に耐え得るような台部2の傾斜状態となるように制御することもでき、積載物の移動や振動による外乱による不安定な状態を抑えることもできる。さらに、球状体や液体を搬送する場合には、球状体にあっては転動を防止し、液体にあっては液面の揺れを抑えるように制御させることも可能となる。また、これらの積載物に揺れが生じた場合は、その揺れを減衰させるための制振機能を発揮させるように制御し得るものである。
このように、台部2が、その中央部分21において、基部1との距離が一定に維持されるとともに、その周辺(特に進行方向Xと左右方向Y)が昇降可能であることから、台部2は、中央部分21を基準として、進行方向Xおよび左右方向Yのいずれにも傾倒可能な状態となる。そして、これらの傾倒は、昇降支持部の作動によって操作可能であることから、基部1が傾いた場合においても台部2を水平な状態に維持させることができる。
ここで、本実施形態の作動態様について説明する。図4は進行方向Xに対して台部を安定化させる状態を示し、図5は左右方向Yに対して台部を安定化させる状態を示している。図4(a)は平坦な路面を走行している状態である。このような場合には、双方の昇降支持部4,5を昇降作動させることなく、基部1(底面部10)と平行な状態に維持される。このときのサーボモータ41,51は、基準値(いわゆる0値)に調整されるものである。
これに対し、図4(b)に示すように、走行体が前後に傾斜する路面(図は左向きに上り傾斜)を走行する場合には、基部1は、全体として前方(左側)が上方に、後方(右側)が下方に傾斜するが、このとき、進行方向Xに設けられる第1の昇降支持部4を作動させることにより、昇降軸を下降させて、中央支持部3の上端を支点として、台部2の角度を基部1に対して傾斜されることができる。この台部2の相対的な傾斜によって、当該台部2を水平に維持させることができる。
上記のような状態は、走行体が移動を開始する場合のように加速度が増加する際、または停止のように加速度が減少する場合においても、台部に搭乗または積載される積載物等の慣性力により台部が傾倒する状態を補正することができる。
なお、図は二輪走行体を例示するため、重量バランスにより基部1が水平な状態に復元し得るものであるが、四輪の走行体の場合には、基部1は走行体が傾斜した状態と一致するため、基部1に対する台部2の角度調整の必要性は明確となる。また、図は左に向かって上り傾斜の状態を示しているが、左に向かって下り傾斜の場合には、第1の昇降支持部4の昇降軸を上昇させるように作動させることとなる。なお、走行体または基部に加速度センサを備えることにより、始動時または停止時等における加速度の増減を検出することができ、この検出結果から、台部および台部に積載される物体の姿勢を安定化させるために、加速度に抗する状態に台部を傾斜させることも可能である。さらに、台部に振動センサを備えることにより、積載物の揺れを検出させることにより搬送物の揺れを抑えるように台部を傾斜させることも可能となる。
他方において、図5に示すように、平坦な路面を走行する場合(図5(a))は、双方の支持部4,5を作動させることはないが、左右に傾斜する路面(図は左上がりの傾斜)を走行する場合には、左右方向Yに設けられる第2の昇降支持部5を作動させることにより、中央支持部3の上端を支点として台部2を傾斜させる。これにより、台部2を水平に維持させることができるのである。このときの昇降支持部5は、昇降軸を上昇させるようにサーボモータを作動するものである。
なお、図は左上がりの傾斜における状態を示しているが、右上がり傾斜の場合には、第2の昇降支持部5の昇降軸を下降させるように、サーボモータを作動させることにより、台部2を逆方向に傾斜させることができる。
さらに、進行方向Xおよび左右方向Yの双方に傾斜する路面を走行する場合には、双方の昇降支持部4,5を同時に作動させるものである。このとき、進行方向Xおよび左右方向Yへ台部2を傾斜させる場合の台部2に対する作動は、中央支持部3の上端を基点とする一方向への単純な回転によるものとは異なり、相互に直交する方向への回転が加わることから、平面視において僅かに斜め方向に傾斜することとなる。本実施形態では、両昇降支持部4,5を構成する昇降軸の両端がロッドエンドを介して台部2に接続されていることから、上記の斜め方向への変化に対応し得るものとなる。
本実施形態は、上記のような構成であるから、二輪走行体において、傾斜または加速度の変化によって進行方向に傾斜する台部2を、カウンタウエイト等を使用することなく姿勢を安定化させることができる。また、進行方向の角度調整と、それに直交する方向の角度調整とを同じ機構により、かつ同時に操作することができることから、簡易な機構によって台部2の安定化を実現し得るものとなる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図6は本実施形態を示すものであり、図6(a)は基部1と台部2とを分離した状態であり、図6(b)は両者を一体化した状態を示している。本実施形態は、これの図に示されるように、基部1と台部2とが走行体から独立した状態の安定化装置である。図示のように、基部1は、上部を開口してなる箱形とし、台部2がその開口部12を閉塞する状態で設けられるものとしている(図6(a)参照)。このとき、基部1の開口部12の大きさよりも台部2の周辺の大きさを僅かに小さくすることにより、台部2の周縁部24は、基部1の壁面部13との間に間隙Hを形成するものとしている(図6(b)参照)。これは、台部2の揺動による揺動域を確保するためであると同時に、台部2の周縁部24が基部1の壁面部13に当接した状態をもって揺動できる限界を示すためである。なお、本実施形態においても、基部1は、箱形でなく平板状(底面部10)としてもよいが、台部2が揺動することから、作動時の安全のために箱形としたものを例示している。
本実施形態のように、台部安定化装置が走行体とは独立した状態で構成されることにより、当該台部安定化装置を各種の移動体に搭載することが可能となる。このとき、基部1を走行体に組み込むことも可能であるが、搬送用の走行体に設けられる荷台部等に搭載させることによっても使用可能となる。
例えば、図7に示すように、一般的な手押し台車(走行体)Bの荷台部Cに台部安定化装置を搭載することができる。このような一般的な台車Bに搭載する場合には、当該台部安定化装置を設置するか否かによって、通常の手押し台車として使用できるとともに、特に慎重に搬送する場合において台部を安定的に保持させる用途に使用することも可能となる。このような台車Bに搭載する場合においても、走行すべき路面に傾斜がある場合に、台部を水平な状態に維持させることができるものである。
台車Bに設置した状態の台部安定化装置は、その中央上部に台部2が配置されることから、積載物をこの台部2に積載して移動させることができる。このとき、積載物が容器に入れられている場合は、容器全体を積載すればよく、容器に入れられていない積載物の場合は、台部2に適宜板状部材または箱形容器等を搭載すればよい。
本実施形態においても、例えば、基部1に加速度センサや振動センサ等を内蔵させることにより、加速度の増減等による慣性力(外乱)を排除させるような制御が可能であり、積載した積載物や容器の移動による振動を検出し、これを抑えるように制御することも可能となる。
本実施形態は、上記のような構成であるから、通常の台車Bを使用する場合であっても、専用の搬送用走行体のように、台部2が安定的に保持された移動体として使用することができるのである。従って、特別の加工を要することなく、一般的に市販される台車を使用することができる。なお、図示は、台車Bの荷台部Cと台部安定化装置とを固定するためにボルト等を使用した状態を例示しているが、これは、両者を安定的に合体させていることを示す目的であって、このような固定手段を用いることは必須の要件ではない。すなわち、台部安定化装置が十分な重量を有し、設置により安定する場合には、そのような固定手段は不要である。また、基部1を走行体に組み込む場合には、これら以外の固定手段が講じられることもあり得る。
本発明の実施形態は、以上のとおりであるが、これらは本発明の一例を示すものであって、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。従って、上記実施形態の各要素を変更し、または追加する構成とすることができる。
そこで、例えば、図8(a)に示すように、車輪1L,1Rを有する基部1に対し、底面部10と一体的に構成されるとともに、その基部1を箱形に形成するとともに、その上方を開口させた構成としてもよい。この場合には、台部2の揺動できる領域を広くすることができる。また、図8(b)に示すように、箱形に形成した基部1の上部を部分的な蓋形状で閉塞し、その一部を開口させたうえで、さらにその開口部を台部2で閉塞する状態としてもよい。この場合には、台部2が設けられる部分のみを予め開口させるとともに、その開口部分に台部2を嵌合させることによって台部安定化装置を構成することができる。そして、このとき、台部2は二つの昇降支持部4,5によって複雑に角度調整されることから、台部2の周縁は、開口部分との間に僅か間隙を設けることが望ましい。
なお、図8(b)は、基部1の上部に蓋状の平面部を設けているが、箱形とした基部1の壁面のみよって開口部を構成するようにしてもよい。この場合においても、壁面部と台部2の周縁との間には、所定の間隙を構成することが望ましい。また、台部2は、上記実施形態において図示したように、十字状の内部フレーム20b,20cを設ける場合に限らず、平板状の台部としてもよい。さらに、台部2には、その表面に、座席や荷台等を設ける構成とすることができる。
1 基部
1L,1R 車輪
2 台部
3 中央支持部
4 昇降支持部(第1の昇降支持部)
5 昇降支持部(第2の昇降支持部)
6,7 駆動ボックス
10 底面部(基部)
11L,11R 走行用モータ
12 箱形基部の開口部
13 箱形基部の壁面部
20a 台部の周辺フレーム
20b,20b 台部の内部フレーム
21 台部の中心部分
22,23 台部の周辺箇所
24 台部の周縁部
40,50 設置部
41,51 サーボモータ
42,52 駆動アーム
43,53 昇降軸
44,45,54,55 ロッドエンド
A,B 走行体
C 台車の荷台部
X 走行体の進行方向
Y 走行体の左右方向

Claims (6)

  1. 移動可能な走行体に設置される基部と、該基部によって支持される台部とを備える台部の安定化装置であって、
    前記台部は前記基部から十分な距離を有して設けられるものであり、
    前記基部と前記台部の下面中央との間における前記距離を一定に維持するとともに、該基部に対する該台部の角度が自在となるように支持する中央支持部と、前記走行体が直進するときの進行方向の前方または後方に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第1の昇降支持部と、前記進行方向に対して直交方向に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第2の昇降支持部とを備え、
    前記各昇降支持部は、それぞれ前記基部に設置されるサーボモータの回転力によりリンク機構を介して昇降制御されるものであり、
    前記リンク機構は、前記サーボモータの回転駆動力により回転する駆動アームと、この駆動アームの先端に球面軸受を介して接続される昇降軸とを備え、該昇降軸の先端が球面軸受を介して前記台部の裏面に接続されるものである
    ことを特徴する台部安定化装置。
  2. 車輪を支持する基部と、該基部によって支持される台部とを備え、該車輪の転動により走行可能な走行体において、前記台部を安定的に保持する装置であって、
    前記台部は前記基部から十分な距離を有して設けられるものであり、
    前記基部と前記台部の下面中央との間における前記距離を一定に維持するとともに、該基部に対する該台部の角度が自在となるように支持する中央支持部と、前記走行体が直進するときの進行方向の前方または後方に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第1の昇降支持部と、前記進行方向に対して直交方向に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第2の昇降支持部とを備え、
    前記各昇降支持部は、それぞれ前記基部に設置されるサーボモータの回転力によりリンク機構を介して昇降制御されるものであり、
    前記リンク機構は、前記サーボモータの回転駆動力により回転する駆動アームと、この駆動アームの先端に球面軸受を介して接続される昇降軸とを備え、該昇降軸の先端が球面軸受を介して前記台部の裏面に接続されるものである
    ことを特徴する台部安定化装置。
  3. 前記基部は、底面部および該底面部の周囲を包囲する壁面部によって上方に開口部を有する箱形に形成されており、該開口部は、前記台部の周縁との間に間隙を有しつつ該台部によって閉塞されるものである請求項1または2に記載の台部安定化装置。
  4. 移動可能な走行体に設置される基部と、該基部によって支持される台部とを備える台部の安定化装置であって、
    前記台部は前記基部から十分な距離を有して設けられるものであり、
    前記基部と前記台部の下面中央との間における前記距離を一定に維持するとともに、該基部に対する該台部の角度が自在となるように支持する中央支持部と、前記走行体が直進するときの進行方向の前方または後方に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第1の昇降支持部と、前記進行方向に対して直交方向に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第2の昇降支持部とを備え、
    前記基部は、底面部および該底面部の周囲を包囲する壁面部によって上方に開口部を有する箱形に形成されており、該開口部は、前記台部の周縁との間に間隙を有しつつ該台部によって閉塞されるものである
    ことを特徴とする台部安定化装置。
  5. 車輪を支持する基部と、該基部によって支持される台部とを備え、該車輪の転動により走行可能な走行体において、前記台部を安定的に保持する装置であって、
    前記台部は前記基部から十分な距離を有して設けられるものであり、
    前記基部と前記台部の下面中央との間における前記距離を一定に維持するとともに、該基部に対する該台部の角度が自在となるように支持する中央支持部と、前記走行体が直進するときの進行方向の前方または後方に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第1の昇降支持部と、前記進行方向に対して直交方向に前記中央支持部から適宜間隔を有して配置された第2の昇降支持部とを備え、
    前記基部は、底面部および該底面部の周囲を包囲する壁面部によって上方に開口部を有する箱形に形成されており、該開口部は、前記台部の周縁との間に間隙を有しつつ該台部によって閉塞されるものである
    ことを特徴とする台部安定化装置。
  6. 前記中央支持部は、下端が前記基部に固定され、かつ上端が球面軸受を介して前記台部の裏面に接続されて、該台部が裏面の中央を基点として傾斜自在としている請求項1〜のいずれかに記載の台部安定化装置。
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