JP3284910B2 - 鋼板の冷却装置 - Google Patents

鋼板の冷却装置

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JP3284910B2 JP00560497A JP560497A JP3284910B2 JP 3284910 B2 JP3284910 B2 JP 3284910B2 JP 00560497 A JP00560497 A JP 00560497A JP 560497 A JP560497 A JP 560497A JP 3284910 B2 JP3284910 B2 JP 3284910B2
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洋 木部
直人 平田
高橋  功
省吾 冨田
孝 内村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延された
高温の鋼板、特に、厚鋼板を冷却するための装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延された高温の厚鋼板の冷却にお
いて、近年の材質制御の要求の観点から、大量の冷却水
を用いて鋼板をオンラインで焼入れ処理する、所謂、
「DQプロセス」等の急冷却が求められている。
【0003】一般に、圧延直後の鋼板を冷却装置に通板
して冷却を行う際、冷却装置の入側での鋼板の長手方向
の温度分布は、図2に示す通りであり、鋼板の最高温度
は、その先端部付近における約840°Cであり、一
方、鋼板の最低温度は、その後端部付近における約77
0°Cである。このような実情に鑑み、鋼板の均一な材
質を得るためには、冷却停止温度を鋼板内で均一にする
ことが重要であるが、そのためには、冷却中に、冷却装
置入側での温度の差を打ち消すように、冷却を鋼板の長
手方向に制御する必要がある。
【0004】この問題に関しては、通常、冷却装置の流
量を変化させることによって、冷却能力を変更する方法
が採用されているが、特に、鋼板の先端や後端の温度の
降下が著しい部分では、冷却ノズルからの冷却水の供給
を停止して、冷却を制御する必要がある。
【0005】このような冷却の制御に関しては、冷却装
置の応答性に優れたオンオフ特性が重要であり、即ち、
冷却水供給指令を出してから、冷却水が鋼板に実際に供
給されるまでの時間、および、冷却水供給停止指令を出
してから、鋼板上への冷却水の供給が実際に停止するま
での時間が非常に短くなければならない。
【0006】上述した応答性に優れたオンオフ特性を有
する、鋼板の冷却装置に関して、特公昭58−5730
号公報は、ヘッダ内への冷却水の供給の停止を行うと同
時に、ノズル出口に柱状の回転体を設け、これを回転さ
せることによって、水槽から供給される冷却水を遮断し
て、ノズル出口からの不必要な冷却水の注出を回避し、
もって、オンオフ特性を改善する方法を開示している
(以下、「先行技術1」という)。
【0007】また、特公昭57−3736号公報は、ス
リットノズルに冷却水を供給する水槽の内部において、
冷却水の供給を遮断する方法を開示している(以下、
「先行技術2」という)。
【0008】また、特公昭63−9887号公報は、ス
リットノズルの下流側部分に可動枠を設けると共に、ノ
ズル出口にこれを遮蔽可能な遮蔽蓋を設けることによっ
て、ノズル出口からの不必要な冷却水の注出を回避し、
もって、オンオフ特性を改善する方法を開示している
(以下、「先行技術3」という)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1および2におけるように、スリットノズルの出口や
水槽内部で冷却水を遮断する方法では、長期間にわたる
ノズルの使用によって、冷却水の遮蔽をもたらすシール
部分が損傷し、シールが不完全になって、適切な遮蔽効
果が得られなくなる。また、特に、厚鋼板のように、板
幅が5mにもおよぶ幅広のスリットノズルでは、遮蔽機
構が構造的に難しく、実用的ではない。
【0010】また、先行技術3におけるように、スリッ
トノズルの出口に開閉可能な蓋を設ける方法において
は、開閉のための機構が複雑になり、その結果、設備費
用の高騰化を招くという問題を有していた。しかも、こ
の先行技術3の方法を適用しても、長期間の使用による
シール部からの水漏れを回避することはできず、冷却ム
ラの原因となっていた。
【0011】従って、この発明の目的は、応答性に優れ
たオンオフ特性を有し、特に、冷却水供給停止指令を出
してから、鋼板上への冷却水の供給が実際に停止するま
での時間を極めて短くし、ノズル出口からの不必要な冷
却水の注出を回避し、しかも、長期間使用しても、ノズ
ル出口からの冷却水の漏れがなく、冷却ムラを防止する
ことが可能な、鋼板の冷却装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、鋼板の近傍に配置され、冷却水供給源に冷却水供給
管を介して接続されたノズルヘッダと、前記冷却水供給
管に設けられた冷却水供給制御手段と、前記ノズルヘッ
ダに取り付けられ、前記鋼板の板幅方向に伸びるノズル
出口を有するスリットノズルとからなる、鋼板の冷却装
置において、前記ノズルヘッダが、外管と、前記外管と
の間に環状スペースを形成するようにその内側に配置さ
れ、上方部分に貫通孔を有する内管とからなっており、
前記冷却水供給管の一端は、前記ノズルヘッダの前記外
管を貫通して、前記内管の貫通孔よりも下方の位置にお
いて、前記内管に接続されており、前記スリットノズル
は、前記冷却水供給管が前記ノズルヘッダの前記外管を
貫通している位置よりも下方の位置の前記外管下部にお
いて、前記外管に接続されており、 前記冷却水供給制御
手段が開放されているときに閉じ、前記冷却水供給制御
手段が閉じられているときに開放される空気抜き弁が、
前記内管の前記貫通孔よりも上方の位置において、前記
外管に設けられていることに特徴を有するものである。
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施態様の鋼板
の冷却装置を、図1を参照しながら以下に詳細に説明す
る。図1は、この発明の実施態様の鋼板の冷却装置を示
す概略説明図である。
【0015】この発明の実施態様の鋼板の冷却装置A
は、図1に示すように、ノズルヘッダ1と、スリットノ
ズル4と、冷却水供給制御手段7とからなる基本構造を
有している。
【0016】ノズルヘッダ1は、鋼板9の板幅と実質的
に同一の長さを有する、両端が閉塞された円筒形状を有
しており、図1に示すように、外管2と、外管2との間
に環状スペース2aを形成するようにその内側に配置さ
れた内管3とからなっている。内管3は、その上方部分
に複数個の貫通孔3aを有している。このように構成さ
れたノズルヘッダ1は、複数対のロール11間を通過す
る鋼板12の表面から上方に所定間隔をあけて、鋼板1
2の板幅方向に沿って配置されている。
【0017】スリットノズル4は、鋼板12の板幅と実
質的に同一の長さを有しており、スリット状のノズル出
口4aが、鋼板12の板幅方向と実質的に平行になるよ
うに、ノズルヘッダ1の外管2の下部に取り付けられて
いる。
【0018】上述したノズルヘッダ1の内管3は、冷却
水供給管5を介して冷却水供給源(図示せず)に接続さ
れている。即ち、冷却水供給管5の一端は、ノズルヘッ
ダ1の外管2の側部を貫通して、内管3の上述した複数
個の貫通孔3aよりも下方の位置において、内管3の側
部に接続されている。
【0019】冷却水供給制御手段7は、電気信号によっ
て開閉動作を行う制御機構(図示せず)を備えた制御
弁、例えば、電磁弁からなっており、上述した冷却水供
給管5に設けられている。従って、冷却水供給制御手段
7(例えば、電磁弁)の制御機構(例えば、ソレノイド
コイル)に電気信号を送り、これを開放すれば、冷却水
供給源からの冷却水が、冷却水供給管5を通って、ノズ
ルヘッダ1の内管3内に供給され、このようにして内管
3内に供給された冷却水は、その上方部分に形成された
複数個の貫通孔3aを通って、環状スペース2a内に供
給され、更に、均一な圧力で、スリットノズル4のノズ
ル出口4aから噴出し、これによって、鋼板の表面全体
が冷却される。勿論、冷却水供給制御手段7の制御機構
に電気信号を送り、これを閉じれば、ノズルヘッダ1内
への冷却水の供給は遮断される。なお、図1において、
5aは、隣接する複数の冷却装置における冷却水供給制
御手段7を連通する連絡管である。
【0020】この発明の上述した冷却装置において、ノ
ズルヘッダ1を、外管2および内管3からなる二重構造
で構成し、内管3の上方部分に複数個の貫通孔3aを形
成した理由は、冷却水供給制御手段4を閉じ、冷却水の
供給を停止した場合に、ノズルヘッダ1内からスリット
ノズル4を通って外部に排出される冷却水の量を極力少
なくするためである。従って、上述した構造を有するノ
ズルヘッダ1においては、冷却水供給制御手段4を閉
じ、冷却水の供給を停止した場合に、内管3内の冷却水
は、複数個の貫通孔3aを通って環状スペース2a内に
流出することはなく、従って、冷却水の供給を停止した
時点において、環状スペース2a内に残存する冷却水の
みが、スリットノズル4を通って外部に排出される。
【0021】但し、冷却水供給管5の内径および/また
は長さに起因して、冷却水供給制御手段7と内管3との
間の冷却水供給管5内の冷却水の量が多く、冷却水供給
制御手段4を閉じ、冷却水の供給を停止しても、冷却水
供給管5内の冷却水が重力によって下方に移動し、その
結果、この冷却水が複数個の貫通孔3aを通って環状ス
ペース2a内に流出する虞れがある場合には、冷却水供
給制御手段7を内管3の複数個の貫通孔3aよりも低く
配置することが望ましい。
【0022】この発明の鋼板の冷却装置は、上述した構
造を有しているが、更に、冷却水供給制御手段7が開放
されているときに閉じ、冷却水供給制御手段7が閉じら
れているときに開放される空気抜き弁9を、内管3の貫
通孔3aよりも上方の位置において、外管2に設けれ
ば、冷却水供給制御手段4を閉じ、冷却水の供給を停止
した場合に、環状スペース2a内に残存する冷却水を、
スリットノズル4を通って外部に短時間の間に排出する
ことができる。
【0023】即ち、この発明の鋼板の冷却装置において
は、外管2の上端に連結管6を介して空気抜き弁9が設
けられている。空気抜き弁9は、電気信号によって開閉
動作を行う制御機構10を備えた制御弁、例えば、電磁
弁からなっている。空気抜き弁9の制御機構10は、冷
却水供給制御手段7が開放されているときに閉じ、冷却
水供給制御手段7が閉じられているときに開放されるよ
うに、冷却水供給制御手段7の制御機構8に電気的に接
続されている。即ち、冷却水供給制御手段7および空気
抜き弁9の開閉動作は相互に逆に行われる。
【0024】次に、この発明の上述した実施態様の鋼板
の冷却装置Aの動作を以下に説明する。鋼板の冷却を行
うために、鋼板の表面上に冷却水を供給する場合には、
先ず、冷却水供給制御手段5の制御機構8に電気信号を
送って、冷却水供給制御手段7を開放する。冷却水供給
制御手段7および空気抜き弁9の開閉動作は相互に逆に
行われるように、前者の制御機構8と後者の制御機構1
0とは電気的に接続されているので、冷却水供給制御手
段7が開放されると、空気抜き弁9は閉じられる。従っ
て、冷却水供給源からの冷却水は、冷却水供給管5を通
り、ノズルヘッダ1の内管3内に供給され、このように
して内管3内に供給された冷却水は、その上方部分に形
成された複数個の貫通孔3aを通って、環状スペース2
a内に供給され、更に、均一な圧力で、スリットノズル
4のノズル出口4aから噴出し、これによって、鋼板の
表面全体が冷却される。
【0025】次いで、鋼板の冷却を制御するために、鋼
板の表面上への冷却水の供給を停止する場合には、冷却
水供給制御手段7の制御機構8に電気信号を送って、冷
却水供給制御手段7を閉じる。上述したように、冷却水
供給制御手段7および空気抜き弁9の開閉動作は相互に
逆に行われるように、前者の制御機構8と後者の制御機
構10とは電気的に接続されているので、冷却水供給制
御手段7が閉じられると、空気抜き弁9は開放される。
このような状態において、内管3内の冷却水は、複数個
の貫通孔3aを通って環状スペース2a内に流出するこ
とはなく、従って、環状スペース2a内に残存する冷却
水の量は極めて僅かであり、しかも、上述したように、
空気抜き弁9が開放されることによって、この環状スペ
ース2a内に残存する冷却水は、スリットノズル4を通
って外部に短時間の間に排出され、その後は、ノズル出
口4aからの冷却水垂れもなくなる。その結果、鋼板へ
の冷却水の供給および停止において、応答性に優れたオ
フ特性が得られる。
【0026】
【実施例】次に、この発明の鋼板の冷却装置を、実施例
により、比較例と対比しながら更に詳細に説明する。
【0027】〔実施例〕図3に示すように、各対間のピ
ッチが1000mmに保持された10対のロール11間
を搬送される圧延後の厚鋼板を冷却するための、上述と
同一の装置を複数機準備した。
【0028】即ち、複数対のロール11の各対間に、図
1を参照しながら上述したノズルヘッダ1と同一のノズ
ルヘッダを、その軸線方向がロール11の軸線方向と平
行になるように、鋼板の上面から上方に所定間隔をあけ
て配置した。
【0029】次いで、冷却水供給制御手段7として、1
つの入口ポートおよび3つの出口ポートを有する電磁弁
を使用し、その入口ポートを冷却水供給源(図示せず)
に接続し、3つの出口ポートを、3本の冷却水供給管3
を介して上述したノズルヘッダ1の内管3に接続した。
ここにおいて、冷却水供給管3の内管3への接続部分
は、その接続端が上方に位置するように、水平線よりも
下方に5°だけ傾斜していた。
【0030】スリットノズル4は、上述したノズルヘッ
ダ1の外管2にその長さ全長に亘って形成されていた。
ノズルヘッダ1の長さ、その外管2の内径およびその内
管3の内径、スリットノズル4のノズル出口4aの長辺
および短辺の長さ、並びに、そこから供給される冷却水
の量は、以下の通りであった。 (1) ノズルヘッダ1の長さ : 5m (2) ノズルヘッダ1の外管2の内径: 220mm (3) ノズルヘッダ1の内管3の内径: 150mm (4) ノズル出口4aの長辺の長さ : 5m (5) ノズル出口4aの短辺の長さ : 10mm (6) 冷却水の量 : 1000リットル/分 次いで、外管2の上端に連結管6を介して空気抜き弁9
が設けた。空気抜き弁9として電磁弁を使用し、この電
磁弁の制御機構、即ち、ソレノイドコイル10を、冷却
水供給制御手段7が開放されているときに閉じ、冷却水
供給制御手段7が閉じられているときに開放されるよう
に、冷却水供給制御手段7としての電磁弁のソレノイド
コイルに電気的に接続した。
【0031】次いで、上述した冷却装置のオフ特性を、
下記の通り調べた。即ち、冷却水供給制御手段7として
の電磁弁を開放して、冷却水供給源からの冷却水をスリ
ットノズル4のノズル出口4aから供給し、もって、鋼
板の冷却を行った。この状態において、空気抜き弁9と
しての電磁弁は閉じられていた。
【0032】次いで、冷却水供給制御手段7としての電
磁弁を閉じた。このように冷却水供給制御手段7として
の電磁弁を閉じると、空気抜き弁9としての電磁弁が自
動的に開放された。このような状態において、内管3内
の冷却水は、複数個の貫通孔3aを通って環状スペース
2a内に流出することはなく、従って、環状スペース2
a内に残存する冷却水の量は極めて僅かであった。上述
したように空気抜き弁9が開放されることによって、こ
の環状スペース2a内に残存する冷却水は、スリットノ
ズル4を通って外部に短時間の間に自然に排出され、か
くして、冷却水の供給が完全に停止した。冷却水供給制
御手段7としての電磁弁を閉じてから、冷却水の供給が
完全に停止するまでの所要時間は約3秒と短かった。
【0033】上述したように、この発明の冷却装置のオ
フ特性は、ノズルヘッダ1の環状スペース2a内に残存
する冷却水が自然に排出される時間によって決定され、
従来の冷却装置におけるオフ特性よりも著しく優れてい
た。しかも、冷却水の供給停止後には、スリットノズル
4のノズル出口4aからの冷却水垂れは全く認められな
かった。
【0034】更に、この発明の上述した冷却装置によっ
てもたらされる冷却特性を、以下に述べる方法に従って
調べた。先ず、図3に示すように、スリットノズル4を
備えたノズルヘッダ1と同一のものを、鋼板の下面側に
も配置した。但し、冷却水供給停止指令後においても、
鋼板の下面側に配置したノズルヘッダ1内に残留する冷
却水は、重力に逆らって、鋼板の裏面に供給されること
はないので、鋼板の下面側に配置したこのノズルヘッダ
1は、この発明の冷却装置Aにおける場合と異なり、二
重構造を有していなかった。
【0035】この発明の冷却装置を含む上述した設備を
用いて、厚鋼板をオンラインで冷却した。鋼板の寸法、
初期温度および搬送速度は、以下の通りであった。 次いで、冷却装置入側通過時の鋼板の長手方向における
温度プロファイル、即ち、冷却前の鋼板の温度プロファ
イルを温度計によって測定した。このようにして測定さ
れた冷却前の鋼板の温度プロファイルを図4に示す。図
4は、鋼板の板幅中央部の温度と鋼板の後端部からの距
離との関係を示すグラフである。図4において、上述し
た冷却前の鋼板の温度プロファイルは「(a) 冷却前」と
記されている。
【0036】次いで、鋼板を複数の冷却装置を順次通過
させながら、後段3段において、鋼板の後端部から1.
5mの位置に対応する部分が通過するタイミングで、各
冷却装置の冷却水供給制御手段4としての電磁弁を順次
閉じた。これにより、後段3段に位置する冷却装置の空
気抜き弁9としての電磁弁が順次自動的に開放され、環
状スペース2a内に残存する冷却水は、スリットノズル
4を通って外部に短時間の間に自然に排出され、かくし
て、冷却水の供給が完全に停止した。このような冷却を
実施しながら、冷却装置出側通過時の鋼板の長手方向に
おける温度プロファイル、即ち、冷却後の鋼板の温度プ
ロファイルを温度計によって測定した。このようにして
測定された冷却後の鋼板の温度プロファイルを図4に併
せて示す。図4において、上述した冷却後の鋼板の温度
プロファイルは「(b) 冷却後本発明」と記されている。
【0037】図4から明らかなように、鋼板の後端部の
温度降下が、冷却装置入側で、即ち、冷却前において約
70°Cであったものが、冷却装置出側で、即ち、冷却
後において約20°Cに減少していた。このようにして
冷却された鋼板を、冷却床で常温まで冷却したが、反り
等の歪みは全く発生しなかった。また、鋼板の長手方向
の硬度を測定したが、特に、焼きムラはなく、均一な硬
度分布を有しており、材質のばらつきは非常に少なかっ
た。従って、材質はずれによる鋼板端部の格下げはな
く、製品歩留りは100%であった。
【0038】〔比較例〕上述した実施例における設備と
同一の設備を使用し、同一の条件下で、厚鋼板をオンラ
インで冷却した。但し、上述した設備に含まれたこの発
明の冷却装置において、ノズルヘッダの内管を除去し、
更に、空気抜き弁を常に閉じた状態にし、このようにし
てこの発明の範囲外の装置(以下、「比較装置」とい
う)を使用した。
【0039】鋼板を複数の比較装置を順次通過させなが
ら、後段3段において、鋼板の後端部から1.5mの位
置に対応する部分が通過するタイミングで、各比較装置
の冷却水供給制御手段としての電磁弁を順次閉じ、各比
較装置のノズルヘッダへの冷却水の供給を停止した。こ
のような冷却を実施しながら、比較装置出側通過時の鋼
板の長手方向における温度プロファイル、即ち、冷却後
の鋼板の温度プロファイルを温度計によって測定した。
このようにして測定された冷却後の鋼板の温度プロファ
イルを図4に併せて示す。図4において、上述した冷却
後の鋼板の温度プロファイルは「(c) 冷却後比較例」と
記されている。
【0040】図4から明らかなように、比較装置におい
ては、鋼板の後端部の温度降下が、比較装置出側で、即
ち、冷却後においても依然として約70°Cであり、冷
却前における温度降下と殆ど変化がなかった。これは、
冷却水の供給停止指令を出しても、冷却水の供給が実際
に停止するまでに約20秒かかっていたため、冷却水の
供給停止指令後にも、鋼板の後端部に冷却水が落下して
いたためと考えられる。このようにして冷却された鋼板
を、冷却床で常温まで冷却したところ、反り等の歪みが
発生していた。また、鋼板の長手方向の硬度を測定した
ところ、焼きムラによる硬度の高い部分が存在してお
り、材質のばらつきが大きかった。その結果、材質はず
れによる鋼板端部の格落ちが0.56mであり、製品歩
留りは97%であった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、冷却水供給停止指令を出してから、鋼板上への冷却
水の供給が実際に停止するまでの時間を極めて短くし、
ノズル出口からの不必要な冷却水の注出を回避し、もっ
て、鋼板の冷却の制御性を大幅に改善し、その結果、鋼
板の長手方向における焼きむらに起因する材質欠陥の発
生を防止し、材質はずれを少なくして、製品歩留りを向
上することができ、しかも、長期間使用しても、ノズル
出口からの冷却水の漏れを確実に防止することができ、
かくして、有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施態様の鋼板の冷却装置を示す概
略説明図である。
【図2】圧延直後の鋼板を冷却装置に通板して冷却を行
う際の、同装置の入側での鋼板の長手方向の温度分布を
示すグラフである。
【図3】実施例において使用した、この発明の冷却装置
を含む冷却設備の概略説明図である。
【図4】鋼板の板幅中央部の温度と鋼板の後端部からの
距離との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A:この発明の実施態様の冷却装置 1:ノズルヘッダ 2:外管 3:内管 4:スリットノズル 5:冷却水供給管 6:連結管 7:冷却水供給制御手段 8:制御機構 9:空気抜き弁 10:制御機構 11:ロール 12:鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 功 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 冨田 省吾 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 内村 孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−19009(JP,A) 実開 昭63−76313(JP,U) 実開 平6−23607(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 320

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の近傍に配置され、冷却水供給源に冷
    却水供給管を介して接続されたノズルヘッダと、前記冷
    却水供給管に設けられた冷却水供給制御手段と、前記ノ
    ズルヘッダに取り付けられ、前記鋼板の板幅方向に伸び
    るノズル出口を有するスリットノズルとからなる、鋼板
    の冷却装置において、 前記ノズルヘッダが、外管と、前記外管との間に環状ス
    ペースを形成するようにその内側に配置され、上方部分
    に貫通孔を有する内管とからなっており、 前記冷却水供給管の一端は、前記ノズルヘッダの前記外
    管を貫通して、前記内管の貫通孔よりも下方の位置にお
    いて、前記内管に接続されており、 前記スリットノズルは、前記冷却水供給管が前記ノズル
    ヘッダの前記外管を貫通している位置よりも下方の位置
    の前記外管下部において、前記外管に接続されており、 前記冷却水供給制御手段が開放されているときに閉じ、
    前記冷却水供給制御手段が閉じられているときに開放さ
    れる空気抜き弁が、前記内管の前記貫通孔よりも上方の
    位置において、前記外管に設けられている ことを特徴と
    する鋼板の冷却装置。
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