JP3283365B2 - 電気光学素子 - Google Patents

電気光学素子

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JP3283365B2
JP3283365B2 JP29712493A JP29712493A JP3283365B2 JP 3283365 B2 JP3283365 B2 JP 3283365B2 JP 29712493 A JP29712493 A JP 29712493A JP 29712493 A JP29712493 A JP 29712493A JP 3283365 B2 JP3283365 B2 JP 3283365B2
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務 五十嵐
和哉 内藤
政美 本橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部接続端子としての
ピンを設けた液晶表示素子のような電気光学素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子等の電気光学素子のガラス
基板上に形成された端子部分に外部回路との接続を行う
ためのピンを設けることが行われている。具体的には、
端子部分のIn−SnO(ITO)やSnO
等の電極にピンの上部の係合部を嵌め込み、電極にピン
を接続するとともに係合固定する。このようなピンを設
けることにより半田付けかソケットにピンの軸部を差し
込むだけで容易に電気光学素子を回路基板に固定でき、
かつその導電接続も信頼性が高い
【0003】このようなピンを設けた電気光学素子は、
主として家電製品や表示画素数が少ないドットマトリク
ス製品等に用いられている。
【0004】このようなピン1は、通常図2に示すよう
な側面形状を有し、基板2の端子部3にその上部の係
合部5が嵌め込まれ、基板上の電極4に接触するように
係合固定されている。なお、6はピンの軸部、7はピン
の係合部にピンの軸部が繋がっている根元部を示してい
る。
【0005】図3は、このようなピンの従来例を示して
おり、電気光学素子側から(図2の左側から)見た場合
の正面図を示している。図3の左側のピン1Cは正常の
状態を示しており、右側のピン1Dはピンの軸部が右側
から力がかかるような状態に置かれた場合を示してい
る。具体的には、回路基板への取付等の際にピンの軸部
6Dが特定の方向に押されたりして生じる。
【0006】このようなピンは通常の場合、IC等に用
いられているように、ピンの幅(図3の左右方向)の方
がピンの厚み(図3の奥行き方向)よりも広く、かつ根
元部7Dは軸部6Dと同等かより幅を広く取っている。
即ち、根元部7Dのピンの幅Wと軸部6Dのピンの幅
とが、W≧Wの関係を満たすようにされてい
る。図3では、W=Wの例を示している。これは、
IC等では強固にピンが固定されているため、外力が加
わった場合、ピンの軸部が曲がりにくくするためであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなピンを電気
光学素子の基板に係合するように設けた場合、その固定
はそれほど強くない。このため、ピンの軸に横方向の力
がかかった場合、図3の右側に示すように、てこの原理
でピンの係合部が一部で浮き上がり、接続抵抗が増大す
ることを生じることがある。この接続抵抗の増加は、電
気光学素子の点灯不良につながるという問題点があっ
た。
【0008】特に、ピンの係合部が電気光学素子の基板
に嵌め込まれているだけの場合には、わずかの力でもこ
の浮き上がりが起こることになる。このため、ピンの係
合部を接着剤で固めてピンが動きにくくすることも行わ
れているが、電気光学素子の基板の厚みは薄く、厚い保
護層を形成することはできないので、それほど強い固定
はできない。
【0009】このため、ピンの係合部が電気光学素子の
基板に強く固定されていなくても、ピンに力が加わった
際に係合部が浮き上がって接続抵抗が著しく増加しない
ようにすることが望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、一対の電極付基板を
電極面が相対向するように配置し、周辺をシールして内
部に電気光学媒体を挟持し、少なくとも一方の電極付基
板は他の電極付基板が対向していない端子部分を有し、
その端子部分の少なくとも一部に外部接続用のピンを有
してなる電気光学素子において、前記ピンは前記基板の
電極形成面の反対側に突出し、この突出した部分のピン
根元部の幅がこれより先端部側のピンの軸部の幅より
も狭くされているピンを用いたことを特徴とする電気光
学素子を提供するものである。
【0011】また、そのピンの係合部が端子部分に係合
され、その周辺が光硬化型樹脂により固定されているこ
とを特徴とする電気光学素子を提供するものである。
【0012】本発明の電気光学素子を、図面を参照して
説明する。図1は、本発明の電気光学素子のピンの取付
状態を示す正面図である。図3と同様、電気光学素子側
から(図2の左側から)見た場合を示している。図1に
おいて、ピン1A、1Bは電気光学素子の基板2の端子
3にその上部の係合部5が嵌め込まれ、基板上の電
極4に接触するように係合固定されている。なお、6
A、6Bはピンの軸部、7A、7Bはピンの係合部にピ
ンの軸部が繋がっている根元部を示している。
【0013】図2は、このピンの取付状態を示す側面図
であり、図1の右側から見た図である。図2において、
ピン1は電気光学素子の基板2の端子部分3に、その上
部のコ字状の係合部5が嵌め込まれ、基板上の電極4に
接触するように係合固定されている。なお、6はピンの
軸部、7はピンの係合部にピンの軸部が繋がっている根
元部を示している。
【0014】本発明の電気光学素子としては、液晶表示
素子が代表的なものとしてあるが、この他、エレクトロ
ルミネッセンス表示素子、エレクトロクロミック表示素
子等の電気光学媒体を、電極付の基板間に挟持するか、
一方の基板に設けた複数の電極を設けてそれに接するよ
うに配置したものがある。
【0015】基板としては、ガラス、プラスチック、セ
ラミック等の公知の基板が使用でき、その上にITO
(In−SnO)、SnO等の透明電極、ア
ルミニウム、クロム等の金属電極、カーボンや銀等を含
む導電性接着剤による電極、有機導電体による電極等が
設けられたものが使用できる。通常の電気光学素子では
ガラスまたはプラスチックの基板にITO(In
−SnO)、SnO等の透明電極を設けたものが好
適であり、本発明はこのような基板を用いたときに大き
な効果を有する。
【0016】以下の例では、本発明が最も適している液
晶表示素子を例にとって説明する。基板は厚さが0.3
〜1.1mm程度のガラス製の基板であり、電極はIT
O電極が設けられており、基板間に挟持されるところの
液晶と接する面には、例えばポリイミドのような配向膜
が形成されている。そして、一方の基板がシール部から
延長されて端子部を形成している。この端子部に、
ピンが取り付けられる。
【0017】本発明で用いられるピンは、正面から(図
1の正面側から)見た場合、ピンの根元部7A、7Bが
軸部6A、6Bより幅を狭くしている。即ち、根元部7
A、7Bのピンの幅Wと軸部6A、6Bのピンの幅W
とが、W<Wの関係を満たすようにされている。
このW、Wの値は、使用しているピンの材質、形状
及び取付方等により、ピンの軸部に働く力の大きさ、
ピンの曲がりに対する許容度等を考慮して決めればよ
い。
【0018】具体的には、根元部のピンの幅Wは、軸
部のピンの幅Wの0.3〜0.9倍程度の幅にされ
る、これは0.3倍未満ではピンの根元の強度が低くな
りすぎ、ピンが曲がりやすくなったり、毀損する危険が
増大するためである。また、逆に、0.9倍を越すと、
本発明の効果が低下するためである。好ましくは、0.
5〜0.8倍程度にされる。根元部の長さは特に限定さ
れないが、通常は幅W1の1〜10倍程度にしておけば
よい。
【0019】この根元部の厚み(図2の左右方向)は、
通常軸部と同じ厚みでよいが、本発明の効果を損しない
範囲で、この厚みを変えてもよい。本発明は、このピン
の軸部に図1の左右方向から力がかかった場合において
も、係合部において接続抵抗が増加することを抑制す
る。
【0020】図1において、図の左側は通常のピンの軸
部に力がかかっていない状態を示しており、図の右側
ピンの軸部に右側から力がかかっている状態を示してい
る。本発明では、ピンの軸部に力がかかった場合、ピン
の根元部でピンが曲がり、係合部が基板の電極から浮き
上がりにくい。このため、接続不良を生じにくくなる。
【0021】図3の従来のピンの例では、前記したよう
にピンに力がかかると、係合部が浮き上がることがあ
る。もし、ピンの軸部の長さが長いかピンの軸部の強度
が低い場合には、ピンの軸部のどこかでピンが曲がるこ
とになる。この場合、ピンのどこで曲がるかが決まって
いなく、着脱時に手間がかかることになる。これに対し
て、本発明ではピンが曲がるとすれば根元部であり、複
数のピン全体が同じように曲がるので、着脱時に手間が
かからない。
【0022】なお、ピンの図2の左右方向に力がかかっ
た場合には、係合部5と軸部6を繋ぐ根元部7は容易に
曲がり、係合部が浮き上がるような力はほとんどかから
ない。このため、この方向に印加される力は、接続不良
を生じさせることはほとんどい。
【0023】このピンの係合部5は、液晶表示素子の端
子部分3の基板2を上下から挟むような形で嵌め込まれ
ている。この基板の片面には液晶表示素子駆動用の電極
端子が引き出されており、このITOの電極4もピンの
係合部5は挟持している。この状態では、ピンは基板を
弾性力のみで挟み込んでいるのみであるので、ピンに力
がかかるとピンが脱落する危険がある。このため、この
挟み込んだ状態にした後、この係合部を接着剤で固定す
ることが好ましい。この固定用の接着剤は、ディスペン
サーのようなもので容易に付与できる。
【0024】この固定用の接着剤として、光硬化型樹脂
接着剤を用いることが好ましい。これにより、熱硬化型
樹脂接着剤を用いた場合のように、液晶を注入した液晶
表示素子を接着剤の硬化のために高温下に長時間さらす
必要がない。また、溶媒除去の手間もく、短時間で作
業が可能である。
【0025】この光硬化型樹脂は、具体的には、アクリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン
樹脂等の樹脂で光硬化型樹脂が代表的なものとして挙げ
られる。この光硬化型樹脂は、充分な絶縁性や付着力を
有し、電極への悪影響のないものであれば適宜選択して
使用すればよい。
【0026】この光硬化型樹脂は、光照射により硬化せ
しめられる。この光は可視光、紫外線等が使用できる
が、保存時、塗布工程時には硬化が進行しにくい方が有
利であるので、紫外線で硬化させられるものとすること
が好ましい。具体的には、高圧水銀ランプ、超高圧水銀
ランプ等を用いて硬化させられるものが好ましい。
【0027】上記の説明の例では、液晶表示素子の基板
上には、電極と配向膜が形成された例しか示していない
が、さらに必要に応じて、カラーフィルター、遮光膜、
絶縁膜、TFT、MIM、金属配線、反射層等を形成し
てもよい。さらに、その液晶表示素子の外側に、位相差
板、偏光板、カラーフィルター、ノングレア層等が形成
されてもよい。また、基板自体が必要に応じてカラーフ
ィルター、位相差板、偏光板、反射板、半導体基板等で
あってもよい。
【0028】
【実施例】実施例1 1.1mm厚のソーダライムガラス基板上にITOから
なる透明電極を端子部に引き出し、内部にネマチック液
晶を封入して液晶表示素子を作成した。この液晶表示素
子に図1に示すようなピンを取り付けた。このピンの材
はリン青銅で、厚みは0.3mm、根元部のピンの幅
は0.3mm、軸部のピンの幅Wは0.4mm、
係合部から下の部分の長さ(根元部+軸部)は20.0
mmのものを用いた。
【0029】このピンを液晶表示素子の端子部分に嵌め
込み、UV硬化性のアクリル樹脂(ロックタイト社製)
をディスペンサーにて塗布して、紫外線を照射して硬化
させた。
【0030】比較例として、ピンの根元部の幅W
0.4mmとした他は、実施例1と同じピンを用いて、
実施例1と同様にピンを固定した。この実施例1と比較
例の液晶表示素子のピンの軸部に図1の右側から力をか
けた。この結果、実施例のものでは、全てのピンが根元
部で折れ曲がって、係合部が浮き上がって接続不良にな
るものはかった。
【0031】この場合、ピンの折れ曲がる位置が根元部
に特定されているため、複数のピンが折れ曲がっても、
皆同じように折れ曲がっており、このピン付き液晶表示
素子のソケットへの着脱に支障は生じなかった。
【0032】これに対して、比較例のものでは、ピンが
折れ曲がる位置が一定していなく、複数のピンが折れ曲
がった場合、それぞれのピンの向きに差が生じ、ソケッ
トへの嵌め込みに手間がかかるようになった。さらに、
一部ではピンの係合部での接触が不良になり、接続抵抗
が増大した。この接続抵抗の増大は、液晶表示素子のコ
ントラスト不良に繋がり、液晶表示素子の表示品位を低
下させた。
【0033】
【発明の効果】本発明の電気光学素子は、そのピンの係
合部に連接している根元部の幅がピンの軸部の幅よりも
狭くされているピンを用いているので、ピンの側方から
力がかかった場合おいても、ピンが不規則に折れ曲がっ
たり、ピンの係合部が浮き上がって接続不良を生じにく
い。
【0034】即ち、ピンの側方から力がかかった場合お
いても、ピンは全てピンの根元部から折れ曲がるので、
ピンの軸部は真っ直ぐであり、ピンのソケットへの嵌め
込みに悪影響を与えにくい。特に、折れ曲がる限界圧力
を、係合部の浮き上がる限界圧力よりも低くなるように
設計しておくことにより、係合部の浮き上がりを生じな
く、電気光学素子の表示不良に繋がらない。
【0035】また、ピンを取り付けた端子部分を、接着
剤で固定することにより、外力によるピンの脱離や接続
不良を低減できる。さらに、この接着剤で電気光学素子
のシール外の部分で露出している電極を覆うように付与
することにより、空気中の湿気や腐食性ガスによる電極
の劣化も抑制できる。特に、光硬化型樹脂を用いると、
熱をかけなく短時間で処理が済むため、電気光学素子を
劣化させることが少なく、かつ生産性もい。
【0036】また、本発明の構造は、従来の工程や取扱
で対応でき、生産性を低下させることがない。本発
明はこの他本発明の効果を損しない範囲内で種々の応用
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピンを取り付けた状態を示す正面図。
【図2】ピンを取り付けた状態を示す側面図。
【図3】従来例のピンを取り付けた状態を示す正面図。
【符号の説明】
ピン :1、1A、1B、1C、1D 基板 :2 端子部分:3 電極 :4 係合部 :5 根元部 :6、6A、6B、6C、6D 軸部 :7、7A、7B、7C、7D
フロントページの続き (72)発明者 本橋 政美 東京都文京区湯島3丁目14番9号 オプ トレックス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−27127(JP,A) 特開 昭64−518(JP,A) 実開 昭59−30121(JP,U) 実開 昭61−193433(JP,U) 実開 昭52−2161(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1345 G09F 9/00 348

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の電極付基板を電極面が相対向するよ
    うに配置し、周辺をシールして内部に電気光学媒体を挟
    持し、少なくとも一方の電極付基板は他の電極付基板が
    対向していない端子部分を有し、その端子部分の少なく
    とも一部に外部接続用のピンを有してなる電気光学素子
    において、前記ピンは前記基板の電極形成面の反対側に
    突出し、この突出した部分のピンの根元部の幅がこれよ
    り先端部側のピンの軸部の幅よりも狭くされているピン
    を用いたことを特徴とする電気光学素子。
  2. 【請求項2】の係合部が端子部分に係合され、その
    周辺が光硬化型樹脂により固定されていることを特徴と
    する請求項1に記載の電気光学素子。
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JP5793394B2 (ja) * 2011-10-24 2015-10-14 クラリオン株式会社 表示装置

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