JP3282222B2 - 投影光学装置、及び該装置を用いる素子製造方法 - Google Patents

投影光学装置、及び該装置を用いる素子製造方法

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JP3282222B2 JP20307592A JP20307592A JP3282222B2 JP 3282222 B2 JP3282222 B2 JP 3282222B2 JP 20307592 A JP20307592 A JP 20307592A JP 20307592 A JP20307592 A JP 20307592A JP 3282222 B2 JP3282222 B2 JP 3282222B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体集積回路
や液晶デバイス製造用の高精度な結像性能が要求される
投影露光装置に適用して好適な投影光学装置に関し、特
に投影光学系の結像性能の維持に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等の回路パターンを形成する
ためのフォトリソグラフィ工程においては、通常フォト
マスク又はレチクル等(以下「レチクル」と総称する)
に形成されたパターンを基板(半導体ウエハやガラスプ
レート等)上に転写する方法が使用されている。基板上
にはフォトレジスト等の感光材が塗布されており、照射
光像、即ちレチクルパターンの光透過性の部分の形状に
応じて、感光材に回路パターンが転写される。投影露光
装置(例えばステッパー等)では、レチクルパターンの
像が投影光学系を介してウエハ上に結像投影される。
【0003】この種の装置においては、レチクル上のパ
ターンが存在する面のフーリエ変換面となる照明光学系
の面(以後、「照明光学系の瞳面」と称する)又はその
近傍の面内において、照明光束を照明光学系の光軸を中
心としたほぼ円形(又は矩形)の領域に制限してレチク
ルを照明する構成を採っていた。このため、照明光束は
レチクルに対してほぼ垂直に近い角度で入射していた。
また、この装置に使用されるレチクル(石英等のガラス
基板)上には、照明光束に対する透過率がほぼ100%
である透過部(レチクル裸面部)と、透過率がほぼ0%
である遮光部(クロム等)とで構成された回路パターン
が描かれていた。
【0004】さて、上記のようにレチクルに照射された
照明光束はレチクルパターンにより回折され、パターン
からは0次回折光と±1次回折光とが発生する。これら
の回折光は投影光学系により集光され、ウエハ上に干渉
縞、即ちレチクルパターンの像が形成される。このと
き、0次回折光と±1次回折光とのなす角度θ(レチク
ル側)は、露光光の波長をλ(μm)、投影光学系のレ
チクル側開口数をNAとすると、sinθ=λ/Pによ
り定まる。
【0005】ところで、パターンピッチが微細化すると
sinθが大きくなり、更にsinθが投影光学系のレ
チクル側開口数(NA)よりも大きくなると、±1次回
折光はレチクルパターンのフーリエ変換面となる投影光
学系の面(以後、「投影光学系の瞳面」と称する)の有
効径で制限され、投影光学系を透過できなくなる。つま
り、ウエハ上には0次回折光のみしか到達せず、干渉縞
(パターンの像)は生じないことになる。従って、上記
の如き従来の露光方法において、前述の透過部と遮光部
のみからなるレチクル(以後、「通常レチクル」と称す
る)を使用する場合、ウエハ上で解像できるレチクルパ
ターンの微細度(最小パターンピッチ)Pは、sinθ
=NAより、P≒λ/NAなる関係式で与えられる。
【0006】この関係式及び最小パターンサイズがピッ
チPの半分であることから、最小パターンサイズは0.
5×λ/NA程度となるが、実際のフォトリソグラフィ
工程ではウエハの湾曲、プロセスによるウエハの段差等
の影響又はフォトレジスト自体の厚さのために、ある程
度の焦点深度が必要となる。このため、実用的な最小解
像パターンサイズは、k×λ/NAとして表される。こ
こで、kはプロセス係数と呼ばれ、通常0.6〜0.8
程度である。
【0007】以上のことから、従来の露光方法において
より微細なパターンを露光転写するためには、より短い
波長の露光光源を使用するか、あるいはより開口数の大
きな投影光学系を使用する必要があった。しかしなが
ら、露光光源を現在より短波長化(例えば200nm以
下に)することは、透過光学部材として使用可能な適当
な光学部材が存在しないこと、及び大光量の得られる安
定した光源がないこと等の理由により現時点では困難で
ある。また、投影光学系の開口数は現状でも既に理論的
限界に近く、これ以上の大開口化はほぼ絶望的である。
仮に現状以上の大開口化が可能であるとしても、±λ/
NA2 で定まる焦点深度は開口数の増加に伴って急激に
減少するため、実使用に必要な焦点深度がより小さくな
り、実用的な露光装置となり得ないといった問題があ
る。
【0008】そこで、レチクルの回路パターンの透過部
分のうち、特定の部分からの透過光の位相を、他の透過
部からの透過光に対してπ(rad)だけずらす、位相
シフター(誘電体薄膜等)を備えた位相シフトレチクル
を使用することも提案されている。位相シフトレチクル
については、例えば特公昭62−50811号公報に開
示されており、この位相シフトレチクルを使用すると、
通常レチクルを使用する場合に比べてより微細なパター
ンの転写が可能となる。即ち、解像力を向上させる効果
がある。この位相シフトレチクルを使用する場合には、
照明光学系の開口数(コヒーレンスファクターσ)の最
適化が必要となる。なお、位相シフトレチクルについて
はこれまでに種々の方式が提案されているが、代表的な
ものは空間周波数変調型、シフター遮光型、エッジ強調
型である。
【0009】また、最近では照明条件の最適化、あるい
は露光方法の工夫等によって微細パターンの転写を可能
とする試みがなされており、例えば特定線幅のパターン
に対して最適な照明光学系の開口数(σ値)と投影光学
系の開口数(N.A.)との組み合わせをパターン線幅
毎に選択することによって、解像度や焦点深度を向上さ
せる方法が提案されている。更に、照明光学系の瞳面又
はその近傍の面内における照明光束の光量分布を輪帯状
に規定し、レチクルパターンに照明光束を照射する輪帯
照明法、あるいはレチクルパターンの周期性に対応して
特定方向から照明光束を所定角度だけ傾斜させて照射す
る傾斜照明法等も提案されている。しかしながら、以上
の何れの方法においても、全てのレチクルパターン、即
ちその線幅や形状に対して有効であるのではなく、レチ
クル又はそのパターン毎に最適な照明方法や条件を選択
する必要があり、投影露光装置としては照明光学系にお
ける照明条件(σ値等)を可変とする構造が必要とな
る。
【0010】ところで投影露光装置においては、近年ま
すます投影光学系の結像特性(投影倍率、フォーカス位
置等)を高精度に一定値に維持することが要求されるよ
うになってきており、このため様々な結像特性の補正方
法が提案され実用化されている。この中でも特に投影光
学系の露光光吸収による結像特性の変動を補正する方法
については、例えば特開昭60−78454号公報に開
示されている。この開示された方法では、投影光学系へ
の露光光(i線、KrFエキシマレーザ等)の入射に伴
って投影光学系に蓄積されるエネルギー量(熱量)を逐
次計算し、この蓄積エネルギー量による結像特性の変化
量を求め、所定の補正機構により結像特性を微調整して
いる。この補正機構としては、例えば投影光学系を構成
する複数のレンズエレメントのうち2つのレンズエレメ
ントに挟まれた空間を密封し、この密封空間の圧力を調
整する方式等がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来技術において、前述の如く照明光学系の照明条
件を変更する場合、あるいは位相シフトレチクルを使用
する場合、投影光学系の瞳面近傍のレンズエレメントで
はその透過光量の分布が変化し得る。瞳面近傍ではもと
もと照明光が集中して通過するため、ここでの光量分布
が変化すると、投影光学系の照明光吸収による結像特性
の変動に大きな影響を及ぼすことになる。そこで、例え
ば特開昭62−229838号公報に開示されているよ
うに、照明光吸収による投影光学系の結像特性の変化量
を計算するのに用いられる演算パラメータを照明条件毎
に修正し、この修正パラメータを用いて照明条件の変更
に伴う結像特性の変化を正確に求めて補正を行うことが
考えられる。
【0012】しかしながら、前記の様に装置によっては
種々の照明条件が可変となる構成になっており、照明光
学系の構成、レチクルの種類、投影光学系の開口数及び
コヒーレンスファクター(σ値)の各々の組み合わせは
膨大な数になるため、全ての組み合せに対する演算パラ
メータを前もって用意しておくためには非常に複雑で且
つ長時間の作業が必要である。特に、レチクルの種類に
関しては、レチクルのパターン(例えば微細度、周期方
向等)が微妙に変わっていても、回折光の出方が異なる
ために、予め全てのレチクルの種類に関して演算パラメ
ータを求めておくことは事実上極めて困難である。
【0013】また、上述の如く結像特性の補正を行う場
合、長期的な立場で見れば何等問題はない。ところが、
投影光学系の熱蓄積という現象は過去の履歴を持ってい
る。このため、レチクルやそのパターンに対応して照明
条件を変更したとき、直ちに新たな照明条件のもとで修
正された演算パラメータで結像特性の変化量の算出、補
正を行うと、前の照明条件に応じた履歴が投影光学系に
残っているため、この履歴が残っている間は結像特性を
補正する上で不都合が生じる。
【0014】つまり、照明条件の変更直後は、投影光学
系の瞳面近傍のレンズエレメントにおいて、前の照明条
件のもとでの熱分布状態と新たな照明条件のもとでの熱
分布状態とが重なり合ってどちらの熱分布でもない状態
となっており、何れの照明条件のもとでの演算パラメー
タで結像特性の変化量の計算を行っても、その計算結果
は実際の結像特性の変化量と一致しない。このような過
渡的状態での結像特性(即ち、投影光学系の熱分布状
態)は、単純に両者の和として表すことができず、この
過渡的状態における結像特性の変化量を正確に計算して
補正することは非常に困難である。従って、上記の如き
過渡的状態のもとでウエハへのパターン露光を実行して
も、所期の特性を満足する回路パターンを得ることはで
きない。
【0015】本発明は斯かる点に鑑み、レチクルやレチ
クルパターン(の種類、周期性、微細度等)に対応して
照明条件(照明光学系の開口数(σ値)、投影光学系の
開口数又は輪帯照明若しくは傾斜照明等の照明光学系の
構成)を変更しても、常に高精度の結像特性のもとで感
光基板に対するパターン露光を行うことができる投影光
学装置を提供することを目的とする。また本発明は、そ
のような投影光学装置を用いた素子製造方法を提供する
ことをも目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の投影
光学装置は、例えば図1に示す如く、光源からの照明光
をほぼ均一な強度分布にしてマスクRに照射する照明光
学系(7A,8,9,11,12)と、そのマスクRの
バターンの像を感光基板Wに結像する投影光学系PL
と、予測制御用の演算パラメータに基づいてその投影光
学系PLの結像特性を補正する結像特性補正手段(5
8)とを有する投影光学装置において、そのマスクRに
対応してそのマスクRに対する照明条件を変更する照明
条件変更手段(50)と、その投影光学系PLの結像特
性を測定する結像特性測定手段(15)と、この結像特
性測定手段の測定結果に基づきその結像特性補正手段
(53)の補正誤差を補正する誤差補正手段(50)
と、その結像特性測定手段の測定結果に基づきその予測
制御用の演算パラメータの誤差を補正するパラメータ補
正手段(50)とを備え、その照明条件変更手段による
照明条件の変更後、変更前の照明条件の影響が無くなっ
た後にそのパラメータ補正手段による演算パラメータの
誤差の補正を行い、それ以後はそのパラメータ補正手段
により補正された後のその予測制御用の演算パラメータ
に基づいてその投影光学系PLの結像特性の補正を行う
ものである。
【0017】この場合、その照明条件変更手段(50)
による照明条件の変更には、その投影光学系PLの瞳面
又はその近傍の面内におけるその照明光の照度分布の状
態の変更が含まれる。更に、その照明条件変更手段(5
0)による照明条件の変更には、そのマスクRのパター
ンの構成そのものの変更が含まれる。また、本発明によ
る第2の投影光学装置は、例えば図1に示す如く、光源
1からの照明光をマスクRに照射する照明光学系(5,
6,7,8,9,11,12,13)と、そのマスクR
のパターンの像を基板に投影する投影光学系PLと、予
測制御用の演算パラメータに基づいて投影光学系PLの
結像特性を補正する結像特性補正手段(53)とを有す
る投影光学装置において、投影光学系PLの結像特性を
測定する結像特性測定手段(15)と、マスクRに対応
して、その照明光学系のマスクRに対する照明条件を変
更する照明条件変更手段(50,52,54)と、その
照明条件変更手段によって変更された照明条件とマスク
Rとに最適な予測制御用の演算パラメータが登録されて
いない場合に、その照明条件変更手段によって変更され
た照明条件とマスクRとに応じた標準的な予測制御用の
演算パラメータと、その結像特性測定手段の測定結果と
を使って補正計算を行い、その計算結果に基づきその結
像特性補正手段を制御して、投影光学系PLの結像特性
を補正する制御手段(50)とを有することとした。ま
た、本発明による素子製造方法は、本発明による投影光
学装置を用いるものである。
【0018】
【作用】斯かる本発明によれば、照明条件等の変更によ
り投影光学系の照明光の吸収状態が変化して、ひいては
投影光学系PLの結像特性の変化特性が変化しても、適
宜結像特性の変化量を実測して補正を行うために、その
結像特性補正手段(53)による結像特性の補正の際の
補正誤差を減少させることができる。更に本発明におい
ては、その補正誤差のデータより変化後の結像特性の変
化特性を表すパラメータ、即ち予測制御用の演算パラメ
ータを求め、このように演算パラメータの修正を行った
後は、修正後の演算パラメータを用いて補正を行う。従
って、演算パラメータの修正を行った後は、投影光学系
PLの結像特性の測定及び補正を行う必要がなく、感光
基板Wに対するマスクパターンの露光の生産性(スルー
プット)が低下することがない。
【0019】また、その照明条件変更手段(50)によ
る照明条件の変更が、その投影光学系PLの瞳面又はそ
の近傍の面内における照明光の照度分布の状態の変更で
ある場合とは、照明光学系として、通常の照明光学系、
所謂複数傾斜照明の光学系又は輪帯照明の光学系等を切
り換えて使用すること(更には投影光学系の開口数やコ
ヒーレンスファクター(所謂σ値)を変更すること)を
意味する。更に、その照明条件変更手段(50)による
照明条件の変更が、そのマスクRのパターンの構成その
ものの変更である場合とは、そのマスクRとして通常の
マスクと位相シフト型のマスク(例えば特開平4−16
2039号公報に開示された、所謂ハーフトーン型位相
シフトマスクをも含む)等とを切り換えて使用すること
(更にはマスクパターンの微細度(ピッチ、デューティ
等)や周期方向等が変化すること)を意味する。また、
更に上述の本発明によれば、マスクと照明条件とに最適
な予測制御用の演算パラメータが登録されていない場合
にも、そのマスクと照明条件とに応じた標準的なパラメ
ータを読み出し、その標準的なパラメータと投影光学系
の結像特性の測定結果とを使って補正計算を行い、その
計算結果に基づいて投影光学系の結像特性を補正するよ
うにしているので、マスクの交換や照明条件の変更があ
っても、投影光学系の結像特性の誤差を抑えて、基板に
対する露光を行うことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明による投影光学装置の一実施例
につき図面を参照して説明する。本例は例えば半導体素
子等の製造に使用される投影露光装置に本発明を適用し
たものである。
【0021】図1は本実施例の投影露光装置の概略的な
構成を示し、この図1において、超高圧水銀ランプ1は
レジスト層を感光するような波長域の照明光(i線等)
ILを発生する。露光用照明光としては、超高圧水銀ラ
ンプ1等の輝線の他に、KrF、ArFエキシマレーザ
等のレーザ光、あるいは金属蒸気レーザやYAGレーザ
の高調波等を用いてもよい。照明光ILは楕円鏡2で反
射されてその第2焦点f0 に集光された後、コールドミ
ラー5及びコリメータレンズ等を含む集光光学系6を介
してオプティカルインテグレータとしてのフライアイレ
ンズ群7Aに入射する。但し、フライアイレンズ群7A
は1個のフライアイレンズよりなる。フライアイレンズ
群7Aの射出面(レチクル側焦点面)近傍には、照明光
学系の開口数NAILを可変とするための可変開口絞り8
が配置されている。ここで、フライアイレンズ群7A
は、そのレチクル側焦点面がレチクルパターンのフーリ
エ変換面(瞳共役面)とほぼ一致するように、光軸AX
と垂直な面内方向に配置されている。また、第2焦点f
0 の近傍には、モータ4によって照明光ILの光路の閉
鎖、開放を行うシャッター(例えば4枚羽根のロータリ
ーシャッター)3が配置されている。
【0022】なお、本実施例においてはフライアイレン
ズ群7Aを含む複数のフライアイレンズ群(図2参照)
が保持部材(例えば回転ターレット板よりなる)7に設
けられており、駆動系54によって任意のフライアイレ
ンズ群が交換可能に照明光路中に配置されるように構成
されている。このように可変開口絞り8と共に、複数の
フライアイレンズ群を交換可能に構成することによっ
て、レチクルの種類やパターンの周期性等に応じて照明
条件を変更することが可能となっている(詳細後述)。
【0023】フライアイレンズ群7Aを射出した照明光
ILは、ほぼ100%透過する半透過鏡37、リレーレ
ンズ9,11、可変ブラインド10及びメインコンデン
サーレンズ12を通過してミラー13に至り、ここでほ
ぼ垂直に下方に反射された後、レチクルRのパターン領
域PAをほぼ均一な照度で照明する。可変ブラインド1
0の面はレチクルRと共役関係にあるので、モータ(不
図示)により可変ブラインド10を構成する複数枚の可
動ブレードを開閉させて開口部の大きさ、形状を変える
ことによって、レチクルRの照明視野を任意に設定する
ことができる。レチクルRはレチクルホルダ14に保持
され、レチクルホルダ14は伸縮可能な複数(図1では
2つのみ図示)の駆動素子29を介して、水平面内で2
次元移動可能なレチクルステージRS上に載置されてい
る。従って、駆動素子制御部53によって駆動素子29
の各伸縮量を制御することによって、レチクルRを光軸
方向に平行移動させるとともに、光軸と垂直な面に対し
て任意方向に傾斜させることが可能となっている。詳し
くは後で述べるが、上記構成によって投影光学系の結像
特性、特に糸巻型や樽型のディストーションを補正する
ことができる。なお、レチクルRはパターン領域PAの
中心点が光軸AXと一致するように位置決めされる。ま
た、半透鏡37で分離された投影光学系側からの光線は
光電変換素子38で検出される(詳細後述)。
【0024】さて、図1において、レチクルRのパター
ン領域PAを通過した照明光ILは、両側テレセントリ
ックな投影光学系PLに入射し、投影光学系PLはレチ
クルRの回路パターンの投影像を、表面にレジスト層が
形成されその表面が最良結像面とほぼ一致するように保
持されたウエハW上の1つのショット領域に重ね合わせ
て投影(結像)する。なお、本実施例では投影光学系P
Lを構成する一部のレンズエレメント、即ち図1中では
レンズエレメント20及びレンズエレメント21,22
の各々を、駆動素子制御部53により独立に駆動するこ
とが可能となっており、投影光学系PLの結像特性、例
えば投影倍率、ディストーション等を補正することがで
きる(詳細後述)。また、投影光学系PLの瞳面Ep又
はその近傍の面内には可変開口絞り32が設けられてお
り、これによって投影光学系PLの開口数NAを変更で
きるように構成されている。
【0025】ウエハWはウエハホルダ(θテーブル)1
6に真空吸着され、このウエハホルダ16を介してウエ
ハステージWS上に保持されている。ウエハステージW
Sは、モータ17により投影光学系PLの最良結像面に
対して任意方向に傾斜可能で、且つ光軸方向(Z方向)
に微動可能であると共に、ステップ・アンド・リピート
方式で2次元移動可能に構成されており、ウエハW上の
1つのショット領域に対するレチクルRの転写露光が終
了すると、次のショット位置までステッピングされる。
なお、ウエハステージWSの構成等については、例えば
特開昭62−274201号公報に開示されている。ウ
エハステージWSの端部には干渉計18からのレーザビ
ームを反射する移動鏡19が固定されており、ウエハス
テージWSの2次元的な位置は干渉計18によって、例
えば0.01μm程度の分解能で常時検出される。
【0026】また、ウエハステージWS上には照射量モ
ニタとしての光電センサ33がウエハWの表面の高さと
ほぼ一致する高さに設けられている。光電センサ33
は、例えば投影光学系PLのイメージフィールド、また
はレチクルパターンの投影領域とほぼ同じ面積の受光面
を備えた光電変換素子で構成され、この照射量に関する
光情報を主制御装置50に出力する。この光情報は、照
明光の入射に伴って投影光学系PLに蓄積されるエネル
ギー量に対応した結像特性の変化量(収差量)を求める
ための基礎データとなる。
【0027】更に、図1中には投影光学系PLの最良結
像面に向けてピンホール、あるいはスリットの像を形成
するための結像光束を光軸AXに対して斜め方向より供
給する照射光学系30と、その結像光束のウエハWの表
面での反射光束をビームを介して受光する受光光学系3
1とから成る斜入射方式のウエハ位置検出系が設けられ
ている。このウエハ位置検出系の構成等については、例
えば特開昭60−168112号公報に開示されてお
り、ウエハ表面の結像面に対する上下方向(Z方向)の
位置を検出し、ウエハWと投影光学系PLが所定の間隔
を保つ様にウエハステージWSをZ方向に駆動するとき
に用いられる。
【0028】なお、本実施例では結像面が零点基準とな
るように、予め受光光学系31の内部に設けられた不図
示の平行平板ガラス(プレーンパラレル)の角度が調整
され、ウエハ位置検出系のキャリブレーションが行われ
るものとする。また、例えば特開昭58−113706
号公報に開示されているような水平位置検出系を用い
る、あるいは投影光学系PLのイメージフーィルド内の
任意の複数の位置での焦点位置を検出できるようにウエ
ハ位置検出系を構成する(例えば複数のスリット像をイ
メージフィールド内に形成する)ことによって、ウエハ
W上の所定領域の結像面に対する傾きを検出可能に構成
しているものとする。
【0029】ところで、図1には装置全体を総括制御す
る主制御装置50と、レチクルRが投影光学系PLの直
上に搬送される途中でレチクルパターンの脇に形成され
た名称を表すバーコードBCを読み取るバーコードリー
ダ52と、オペレータからのコマンドやデータを入力す
るキーボード51と、フライアイレンズ群7Aを含む複
数のフライアイレンズ群が固定された保持部材(例えば
回転ターレット板よりなる)7を駆動するためのモー
タ、ギヤトレイン等よりなる駆動系54とが設けられて
いる。主制御装置50内には、この投影露光装置(例え
ばステッパー)で扱うべき複数枚のレチクルの名称と、
各名称に対応したステッパーの動作パラメータとが予め
登録されている。そして、主制御装置50はバーコード
リーダ52がレチクルRのバーコードBCを読み取る
と、その名称に対応した動作パラメータの1つとして、
予め登録されている照明条件(レチクルの種類やレチク
ルパターンの周期性等に対応)に最も見合ったフライア
イレンズ群を保持部材7の中から1つ選択して、所定の
駆動指令を駆動系54に出力する。
【0030】更に、上記名称に対応した動作パラメータ
として、先に選択されたフライアイレンズ群のもとでの
可変開口絞り8,32及び可変ブラインド10の最適な
設定条件、及び投影光学系PLの結像特性を後述の補正
機構によって補正するために用いられる演算パラメータ
(詳細後述)も登録されており、これらの条件設定もフ
ライアイレンズ群の設定と同時に行われる。これによっ
て、レチクルステージRS上に載置されたレチクルRに
対して最適な照明条件が設定されることになる。以上の
動作は、キーボード51からオペレータがコマンドとデ
ータを主制御装置50へ直接入力することによっても実
行できる。
【0031】次に、投影光学系PLの結像特性の補正機
構について説明する。図1に示すように、本実施例では
駆動素子制御部53によってレチクルR及びレンズエレ
メント20、レンズエレメント21,22の各々を独立
に駆動することにより、投影光学系PLの結像特性を補
正することが可能となっている。投影光学系PLの結像
特性としては、焦点位置、投影倍率、ディストーショ
ン、像面湾曲、非点収差等があり、これらの値を個々に
補正することは可能であるが、本実施例では説明を簡単
にするため、特に両側テレセントリックな投影光学系に
おける焦点位置、投影倍率、ディストーション及び像面
湾曲の補正を行う場合について説明する。なお、本実施
例ではレチクルRの移動により樽型または糸巻型のディ
ステトーションを補正する。
【0032】さて、レチクルRに最も近い第1群のレン
ズエレメント20は支持部材24に固定され、第2群の
レンズエレメント21,22は支持部材26に固定され
ている。レンズエレメント23より下部のレンズエレメ
ントは、投影光学系PLの鏡筒部28に固定されてい
る。なお、本実施例において投影光学系PLの光軸AX
とは、鏡筒部28に固定されているレンズエレメントの
光軸を指すものとする。
【0033】支持部材24は伸縮可能な複数(例えば3
つで、図1中では2つを図示)の駆動素子25によって
支持部材26に連結され、支持部材26は伸縮可能な複
数の駆動素子27によって鏡筒部28に連結されてい
る。駆動素子25,27,29としては、例えば電歪素
子又は磁歪素子等が用いられ、駆動素子に与える電圧又
は磁界に応じた駆動素子の変位量を予め求めておく。こ
こでは図示していないが、駆動素子のヒステリシス性を
考慮し、容量型変位センサ、差動トランス等の位置検出
器を駆動素子に設け、駆動素子に与える電圧又は磁界に
対応した駆動素子の位置をモニタして高精度な駆動を可
能としている。
【0034】ここで、レンズエレメント20、レンズエ
レメント21,22の各々を光軸方向に平行移動した場
合、その移動量に対応した変化率で投影倍率M、像面湾
曲C及び焦点位置Fの各々が変化する。レンズエレメン
ト20の駆動量をx1 、レンズエレメント21,22の
駆動量をx2 とすると、投影倍率M、像面湾曲C及び焦
点位置Fの変化量ΔM、ΔC、ΔFの各々は、次式で表
される。
【0035】 ΔM=CM1×x1 +CM2×x2 (1) ΔC=CC1×x1 +CC2×x2 (2) ΔF=CF1×x1 +CF2×x2 (3) なお、CM1、CM2、CC1、CC2、CF1、CF2は各変化量
のレンズエレメントの駆動量に対する変化率を表す定数
である。
【0036】ところで、上述した如くウエハ位置検出系
30,31は投影光学系の最適焦点位置を零点基準とし
て、最適焦点位置に対するウエハ表面のずれ量を検出す
るものである。従って、ウエハ位置検出系30,31に
対して電気的又は光学的に適当なオフセット量x3 を与
えると、このウエハ位置検出系30,31を用いてウエ
ハ表面の位置決めを行うことによって、レンズエレメン
ト20、レンズエレメント21,22の駆動に伴う焦点
位置ずれを補正することが可能となる。このとき、上記
(3)式は次式のように表される。
【0037】 ΔF=CF1×x1 +CF2×x2 +x3 (4) 同様に、レチクルRを光軸方向に平行移動した場合、そ
の移動量に対応した変化率でディストーションD及び焦
点位置Fの各々が変化する。レチクルRの駆動量をx4
とすると、ディストーションD及び焦点位置Fの変化量
ΔD及びΔFの各々は、次式のように表される。
【0038】 ΔD=CD4×x4 (5) ΔF=CF1×x1 +CF2×x2 +x3 +CF4×x4 (6) なお、CD4、CF4は各変化量のレチクルRの駆動量に対
する変化率を表す定数である。
【0039】以上のことから、(1)式、(2)式、
(5)式、(6)式において駆動量x1 〜x4 を設定す
ることによって、変化量ΔM、ΔC、ΔD、ΔFを任意
に補正することができる。なお、ここでは4種類の結像
特性を同時に補正する場合について述べたが、投影光学
系の結像特性のうち照明光吸収による結像特性の変化量
が無視し得る程度のものであれば、上記補正を行う必要
がなく、また本実施例で述べた4種類以外の結像特性が
大きく変化する場合には、その結像特性についての補正
を行う必要がある。また、像面湾曲の変化量を零ないし
は許容値以下に補正すると、これに伴って非点収差の変
化量も零ないしは許容値以下に補正されるので、本実施
例では特別に非点収差の補正を行わないものとする。
【0040】なお、本実施例では焦点位置の変化量ΔF
((6)式)については、例えばウエハ位置検出系3
0,31に対して変化量ΔFを電気的又は光学的にオフ
セットとして与え、このウエハ位置検出系30,31を
用いてウエハWをZ方向に移動することで、投影光学系
PLの最良結像面(ベストフォーカス位置)にウエハW
の表面を設定するものとする。また、本実施例では結像
特性補正機構としてレチクルR及びレンズエレメントの
移動により補正する例を示したが、本実施例で好適な補
正機構は他のいかなる方式であっても良く、例えば2つ
のレンズエレメントに挟まれた空間を密封し、この密封
空間の圧力を調整する方法を採用しても構わない。
【0041】ここで、本実施例では駆動素子制御部53
によって、レチクルR及びレンズエレメント20、レン
ズエレメント21,22を移動可能としているが、特に
レンズエレメント20、レンズエレメント21,22は
投影倍率、ディストーション、及び像面湾曲(非点収
差)等の各特性に与える影響が他のレンズエレメントに
比べて大きく制御し易くなっている。また、本実施例で
は移動可能なレンズエレメントを2群構成としたが、3
群以上としてもよく、この場合には他の諸収差の変動を
抑えつつレンズエレメントの移動範囲を大きくでき、し
かも種々の形状歪み(台形、菱形等のディストーショ
ン)及び像面湾曲(非点収差)に対応可能となる。上記
構成の補正機構を採用することによって、露光光吸収に
よる投影光学系PLの結像特性の変動に対しても十分対
応できる。
【0042】以上の構成によって、駆動素子制御部53
は主制御装置50から与えられる駆動指令に対応した量
だけ2群のレンズエレメント20、レンズエレメント2
1,22及びレチクルRの周縁3点乃至4点を独立して
光軸方向に移動できる。この結果、2群のレンズエレメ
ント20、レンズエレメント21,22及びレチクルR
の各々を光軸方向に平行移動させるとともに、光軸AX
と垂直な面に対して任意方向に傾斜させることが可能と
なっている。
【0043】次に、図3を参照して本実施例による投影
露光装置に採用される照明方法の1つについて簡単に説
明する。本実施例で採用する照明方法の一例としては、
例えば特開平4−101148号公報に開示されている
ように、照明光学系の瞳面若しくはその共役面又はその
近傍の面内を通る照明光束を、照明光学系の光軸AXか
ら所定量だけ偏心した位置に中心を有する少なくとも2
つの局所領域に規定することによって、レチクルRに照
射される複数の照明光束を所定の方向にレチクルパター
ンの微細度に応じた角度だけ光軸AXに対して対称的に
傾けたものである(以下、簡単に「複数傾斜照明法」又
は「変形光源法」と呼ぶ)。
【0044】図3は、複数傾斜照明法(変形光源法)を
用いてレチクルRの照明を行ったときの回路パターンか
らの回折光の発生及び結像の様子を示す線図である。レ
チクルRの下面(投影光学系PL側)には、回路パター
ンとして透過部Raと遮光部Rbから成る1次元のライ
ンアンドスペースパターンが描画されている。本実施例
で使用する投影露光装置(図1)では、後述するように
照明光束の通過する局所領域は、照明光学系の瞳面内に
おいて光軸から偏心した位置に中心を有する構成となっ
ている。従って、レチクルRを照明する照射光束L0
は、レチクルRの回路パターンが描画されている方向
(周期方向)に対してほぼ垂直な方向(Z方向)から、
レチクルRに対して所定の入射角φを以て入射する。な
お、入射角φ及び入射方向は、レチクルR上のパターン
で生じる回折光の投影光学系PLの瞳面内での位置によ
って一義的に決まるものである。
【0045】レチクルR上のパターンからはパターンの
微細度(幅、ピッチ)に応じた回折角の方向に0次回折
光D0、+1次回折光Dp、−1次回折光Dmが発生す
る。図3では、投影光学系PLを透過してウエハWに到
達するものは、上記3光束のうち0次回折光D0と+1
次回折光Dpの2光束であり、これら2光束によりウエ
ハW上で干渉縞、即ち回路パターンの像が形成される。
なお、従来の照明方法によるパターンの解像限界は、±
1次回折光が投影光学系を透過することが可能か否かで
決定される。即ち、従来ではパターンピッチをPとした
ときにP>λ/NA程度で与えられるパターンサイズの
下限が解像限界となっていた。これに対して、本実施例
における複数傾斜照明法では、ほぼP>λ/(2・N
A)の下限が解像限界となる。
【0046】また、図3中において0次回折光D0と+
1次回折光Dpは光軸AXに対してほぼ対称な光路を通
るものとした。これは、0次回折光D0と+1次回折光
Dpとの間の角度をθとして、照明光束L0の入射角φ
をsinφ=sin(θ/2)=λ/(2P)とするこ
とにより実現できる。このときウエハWのデフォーカス
時において、0次回折光D0と+1次回折光Dpとはほ
ぼ同量の波面収差(デフォーカスによる)を生じる。こ
れはデフォーカス量ΔFに対する波面収差は1/2×Δ
Fsin2 t(但し、tは各回折光のウエハへの入射
角)であり、ここでは0次回折光と+1次回折光とでウ
エハへの入射角tがほぼ等しいためである。
【0047】ところで、ウエハ上でのパターン像を崩す
(ボケさせる)原因は、各光束間の波面収差の差であ
る。しかしながら、本実施例で使用する装置(例えば図
1)では、ウエハ上に照射される0次回折光D0と+1
次回折光Dpの波面収差がほぼ等しくなるため、同等の
デフォーカス量ΔFであっても、従来の露光装置に比べ
てボケの程度が少ない、即ち焦点深度が深いことにな
る。更に2次元方向に描かれたパターンを照明する場
合、照明光束の方向も各パターンの方向に合わせて2方
向から照明すると良い。また、照明光束は2方向、即ち
2本であるよりも、その2光束に対して夫々投影光学系
の光軸について対称(等距離)となる2光束を加えた計
4光束(例えば図2中に示すフライアイレンズ7D1〜
7D4に相当)を用いると良い。その場合、これらの光
束の光量重心方向は投影光学系PLの光軸と一致するた
め、ウエハWが微小にデフォーカスした際に生じる像の
横方向の位置ずれ(テレセンずれ)を防止することがで
きる。
【0048】次に、図2を参照して照明条件の変更、特
に通常照明と複数傾斜照明とを切り替えるために用いら
れるフライアイレンズ群の交換機構について説明する。
図2に示すように、本実施例ではレチクルパターンの周
期性の違いに応じて光軸AXに対する偏心状態を互いに
異ならせて固定された4種類のフライアイレンズ群7A
〜7Dが保持部材7に一体に設けられており、図1の駆
動系54により保持部材7を駆動(回転)させることに
よって、複数のフライアイレンズ群7A〜7Dの各々を
交換可能に照明光学系の光路中に配置できるようになっ
ている。ここではフライアイレンズ群7B〜7Dの各々
が照明光路中に配置されたときに、各フライアイレンズ
群が光軸AXに関してほぼ対称に配置されている。な
お、図1では通常照明時に用いられる1個のフライアイ
レンズよりなるフライアイレンズ群7Aが照明光路中に
配置されている様子を示している。
【0049】図2において、例えば2個のフライアイレ
ンズ7B1,7B2を照明光路中に配置したとき、それ
ぞれの中心(換言すれば、フライアイレンズ7B1,7
B2の各々における2次光源像が作る各光量分布の重
心)がレチクルパターンの周期性に応じて決まる量だ
け、光軸AXに対して偏心した離散的な位置に設定され
るように、フライアイレンズ7B1,7B2は一体的に
保持部材(例えば回転ターレット板よりなる)7に保持
されている。なお、フライアイレンズ群7B〜7Dの各
々において、各フライアイレンズはその位置がレチクル
パターンの周期性に対応して移動できるようになってい
ることが望ましい。
【0050】さて、図2は保持部材の具体的な構成を示
し、ここでは4種類のフライアイレンズ群7A〜7Dが
約90゜間隔で、回転軸7aを中心として回転可能な保
持部材(例えばターレット板よりなる)7上に配置され
ている。4種類のフライアイレンズ群7A〜7Dの各々
は、レチクルパターンの周期性の違いに応じて各フライ
アイレンズが、光軸AX(保持部材の中心)に対する偏
心状態(即ち、光軸AXとほぼ垂直な面内での位置)を
互いに異ならせて保持されている。フライアイレンズ群
7B,7Cはそれぞれ、2つのフライアイレンズ7B
1,7B2及びフライアイレンズ7C1,7C2を有し
ており、これらフライアイレンズ群は照明光学系中に配
置されたときに、その配列方向が互いにほぼ直交するよ
うに固定されている。フライアイレンズ群7Dは、4個
のフライアイレンズ7D1〜7D4をその中心7d(光
軸AX)からほぼ等距離に配置して固定することにより
構成される。フライアイレンズ群7Aは1個のフライア
イレンズよりなり、このフライアイレンズ7Aは照明光
学系中に配置されたときにその中心が光軸AXとほぼ一
致するように固定され、従来方式の露光を行う場合に用
いられる。
【0051】図2から明らかなように、前述の如き図1
のレチクルバーコードBCの情報に従って、モータ及び
ギア等から成る駆動素子55により保持部材7を回転さ
せることによって、4種類のフライアイレンズ群7A〜
7Dの各々を交換でき、レチクルパターンの周期性(ピ
ッチ、配列方向等)に応じた所望のフライアイレンズ群
を照明光学系中に配置することが可能となる。このと
き、駆動素子55は位置決め用としても使用されるの
で、例えばロータリーエンコーダ等の回転角度測定部材
を設けておくことが望ましい。なお、照明条件を変更す
る、即ち照明光学系の瞳面での光量分布を変化させるた
めの構成は図2に限られるものではなく任意で良い。
【0052】次に、本実施例による装置の主要な動作で
ある照明条件の変更の一例と、各照明条件のもとでの投
影光学系の瞳面近傍における光量分布について説明す
る。ここで、投影光学系PLの露光フィールドの全域に
対応するレチクルR上にパターンがほぼ均一に形成され
ている場合、投影光学系PLを構成する複数のレンズエ
レメントのうち、レチクルRあるいはウエハWの近くの
レンズエレメントでは、照明条件に関係なく照明光がそ
の全面にわたってほぼ均一に通過することになる。これ
に対して、投影光学系PLの瞳面Epの付近では照明条
件に応じてその照度分布が異なる。このため、瞳面近傍
のレンズエレメントで生じる温度分布も照明条件毎に異
なる。特に瞳面近傍では照明光束が集中して通過するた
め、照明条件毎に異なる照度(温度)分布が結像特性に
与える影響も大きいと言える。そこで、図4を参照して
照明条件として照明光学系のσ値を変更する場合につい
て説明する。なお、図4では図1と同じ作用、機能の部
材には同一の符号を付してある。
【0053】さて、照明光学系のコヒーレンスファクタ
ーである所謂σ値は、照明光学系の開口数NAILと投影
光学系の開口数NAR (レチクル側)との比であり、σ
=NAIL/NAR =sinθ1 /sinθ2 で表され
る。ここで、図4(a)に示すように角度θ1 はレチク
ルRを照射する照明光の角度、角度θ2 は投影光学系P
Lの開口絞り32を通過できる照明光の角度である。図
4では投影光学系PLの開口数NAR を一定として照明
光学系の開口数NAILを変えた場合を示しており、図4
(a)はσ値が大きいとき、図4(b)はσ値が小さい
ときを示している。図4から明らかなように、本実施例
ではフライアイレンズ群7Aの射出面(即ち照明光学系
の瞳面)近傍に配置された可変開口絞り8によってσ値
を任意に設定することができる。なお、本実施例(図
1、図4)ではσ値を変更する手段として可変開口絞り
を用いた例を示したが、例えば集光光学系6(図1)を
ズームレンズ系としても、あるいは照明光学系(フライ
アイレンズ群等)を交換可能に構成しても、上記と同様
にσ値を可変とすることができる。
【0054】図4(a)及び(b)に示すようにレチク
ルRを通過した照明光束のうち0次回折光は、照明光の
入射角と同じ角度θ1 で投影光学系PLに入射し、図4
(a)中に実線で示すように進んでウエハW上に達す
る。図示していないが、1次以上の回折光は0次回折光
の外側を進んでウエハW上に到達する。投影光学系PL
の瞳面Epには可変開口絞り32が設けられており、投
影光学系PLの開口数NAW (ウエハ側)はNAW =s
inθ3 で表される。ここで、投影光学系PLの瞳面で
の光量分布をみてみると、開口絞り32で規定された面
内で0次回折光は瞳面のほぼ中央(斜線部)を通過し、
1次以上の回折光はその外側を通過することになる。一
般に、1次以上の回折光に比べて0次回折光の強度は強
いため、特に瞳面近傍のレンズエレメントは、σ値が小
さい場合(図4(b))より大きい場合(図4(a))
の方が照明光束が瞳中心に集中して温度が上昇するもの
と考えられる。実際にパターン露光を行うときは、レチ
クルの種類(例えば通常レチクルや位相シフトレチク
ル)やパターン線幅、パターン形状及びパターンの周期
性等に対応して、これらに見合った最適な照明条件、即
ちσ値や開口数NAW (更にはフライアイレンズ群)
を、可変開口絞り8,32(又は保持部材7)を駆動す
ることにより設定することになる。
【0055】次に、投影光学系PLの結像特性の変化量
の計算方法について簡単に説明する。なお、本実施例で
は4種類の結像特性、即ち投影倍率、像面湾曲、ディス
トーション及び焦点位置を扱うものとしたが、これらの
結像特性は発生メカニズムが異なり、その変動特性が互
いに異なる可能性があるため、個々の結像特性を独立に
計算する必要がある。しかしながら、これらの結像特性
の計算方法は同一であるため、ここでは投影倍率を例に
挙げて説明を行うものとする。また、本実施例では照明
条件として照明光学系のσ値を変更する場合について説
明するものとする。
【0056】一般に、物体に熱が吸収されるときの物体
温度は、物体に吸収される熱量と物体から放出される熱
量とのつりあいで求められる。これは、一般に1次遅れ
系と呼ばれるもので、投影倍率の変化特性も同様の振る
舞いをすると考えられる。1次遅れ系の変化特性を図5
に示す。図5は一定時間に一定量の照明光が投影光学系
PLに照射されるときの投影倍率の変化特性を表してい
る。図5に示す変化特性は、照射エネルギーEに対する
最終的な投影倍率の変化量ΔMの割合ΔM/E、及び時
間的な変化を表す時定数Tの2つの値で決定できる。図
5において、時定数Tは最終的な変化量ΔMに対してΔ
M×(1−e-1)だけ変化するまでの時間で表せる。つ
まり、時定数Tが小さい程、速い変化となる。割合ΔM
/E及び時定数Tは、実際に投影光学系PLに照明光を
照射しつつ投影倍率を測定することによって、図5のよ
うな変化特性を求めれば良い。実際には、投影光学系P
Lの構造が複雑であるため、図5に示すような単純な変
化特性を示すことはなく、いくつかの1次遅れ系の和と
して表される場合もあるが、本実施例では説明を簡単に
するため、単純な変化特性を示す場合について説明す
る。
【0057】さて、図1においてレチクルRの交換時に
ウエハステージWSを駆動して光電センサ33を投影光
学系PLの光軸位置まで移動し、投影光学系PLに入射
する照明光の光量を測定する。これで投影光学系PLに
上方から入射する照明光のエネルギーが求められるが、
投影光学系PLには下方即ちウエハWからの反射光も入
射する。このため光電センサ38でウエハWからの反射
光を受光する。これに関しては、特開昭62−1835
22号公報に開示されている。以上より光電センサ33
の出力をP、光電センサ38で求められたウエハWの反
射率をrとすれば、投影光学系PLに入射する総エネル
ギーEはE=P×(1+r)で求められる。
【0058】次に、主制御装置50は予め求めておいた
割合ΔM/E、時定数T、光電センサ33にて検出され
る照射エネルギー及びシャッター3の開閉時間に基づい
て、逐次投影倍率の変化量を演算にて算出する。本来1
次遅れ系は、一次の微分方程式の解として与えられるこ
とより、計算機においてその微分方程式を入力を時間毎
のエネルギーとして解いて、出力ΔMの時間的変化を解
として求めることになる。線形の一次微分方程式である
から解法は一般によく知られたものでよく、例えば漸化
式の形態で与えられる。
【0059】ここで、上述した如く照明光学系のσ値が
変化すると、投影光学系PLの瞳面Epの近傍のレンズ
エレメントにおける光量分布、即ち温度分布が変化す
る。例えばσ値が小さいとき、照射エネルギーが瞳中心
に集中して中央部の温度が高くなり(図4(b))、レ
ンズエレメントは中央部付近で大きく熱変形すると考え
られる。一方、σ値が大きいとき(図4(a))は、全
体にレンズエレメントの温度が上がり、特に大きな熱変
形は生じないと考えられる。このため、総照射エネルギ
ー量が同じであっても、σ値が大きいときと比較してσ
値が小さいときの方が投影倍率の変化が大きい、即ち割
合ΔM/Eが大きいと考えられる。
【0060】一方、σ値が小さいときは周辺部の温度が
あまり上昇していないため、照明光の照射が中断する
と、レンズ温度は急に下がると考えられる。これに対し
てσ値が大きいときは、全体的にレンズ温度が上昇して
いるため、温度はゆっくり下がっる。従って、σ値が小
さいときは、σ値が大きいときに比べて時間的変化も大
きい、即ち時定数Tが小さいと考えられる。以上のこと
から、σ値を変化させることによりΔM/E、Tが共に
変化することがわかる。
【0061】以上の説明ではσ値を変化する場合を例に
挙げていたが、他の照明条件(輪帯照明、複数傾斜照明
等)についても全く同様に考えることができる。また、
位相シフトレチクルを用いる場合においても、レチクル
パターンからの回折光が投影光学系に対して入射する角
度が通常のレチクルと異なるため、同様に結像特性が変
化するものと考えることができる。例えば、特公昭62
−50811号公報に開示されたような空間周波数変調
型の位相シフトレチクルを用いるときは、本来の0次回
折光成分は打ち消されほぼ0となって回折光成分だけと
なり、複数傾斜照明法を採用したときと同様な光量分布
が瞳面に生じる。特に位相シフトレチクルを使用する場
合は位相シフトの効果を増すため照明光のコヒーレンシ
ーを高める様にσ値を絞って(例えば0.1〜0.4程
度で)使用することが多い。
【0062】このため、上記の様に、レチクル面上すべ
てが位相シフトパターン(特開平4−165352号公
報に開示されている)のときは、瞳面では中心からはず
れた所を光束が通り、レチクル面上の一部のみが位相シ
フトパターンの時は位相シフト部以外を通った光は瞳面
で中心部を集中して通過する。つまり、同一の照明条件
でもレチクルの構成により瞳面での光量分布が大きく変
化し、結像特性の変化特性(例えばΔM/E、T)が大
きく変化する。この場合、装置側の照明条件の変更とは
異なり、レチクルの構成は投影露光装置側では判別する
のは困難であり、従来技術である特開昭62−2298
38号公報で開示されている様に演算パラメータを予め
記憶して修正することは難しい。本実施例は特にこの様
な場合に有効なものである。但し、位相シフトレチクル
でないレチクルであっても、位相シフトレチクルほどの
効果はなくとも、パターンの構成(ピッチ、デューテ
ィ、周期方向等)により回折光の出方が異なるために或
る程度の有効性はある。
【0063】次に、結像特性測定手段の例をいくつか示
す。結像特性の測定法としては、ウエハにパターンを露
光して現像した後にその像をチェックする方法もある
が、本実施例の場合、結像特性の変化を刻々と測定する
ためそのように時間と手間のかかる方法はなじまない。
そこで、結像特性を直接にリアルタイムで測定する方法
が必要である。具体的には補正を行う結像特性として
は、前記の様に焦点位置、像面湾曲、倍率及びディスト
ーションが代表的であり、以下の説明では焦点位置と像
面湾曲との測定法及び倍率の測定法の例を示す。勿論、
本発明は以下に示した例だけに限定されず、上記の様
に、露光動作の間にリアルタイムで測定できる測定法が
全て含まれることは言うまでもない。
【0064】先ず、焦点位置及び像面湾曲の測定法の例
を図1、図6及び図7を中心に説明する。図1におい
て、ウエハステージWS上のウエハWの近傍には焦点位
置検出用のパターン板15が取り付けられ、このパター
ン板15の上面には図6(a)に示すように遮光部61
と光透過部62とよりなる開口パターンが形成されてい
る。この開口パターンは、所定ピッチのラインアンドス
ペースパターンよりなる振幅型の回折格子を順次90゜
ずつ回転してなる4個の回折格子より構成されている。
図1に戻り、パターン板15は、ウエハステージWS上
にその開口パターンの形成面がウエハWの露光面とZ方
向にほぼ同じ高さになるように固定されており、パター
ン板15の底面側には検出用照明光学系の入出力部34
が設けられている。仮に或るウエハWにレチクルRのパ
ターンを露光している場合でも、ウエハステージWSを
投影光学系PLの光軸に垂直なXY面内で移動させるこ
とにより、投影光学系PLのイメージサークルの中央部
又は任意の像高の位置にそのパターン板15を移動させ
ることができる。
【0065】その検出用照明光学系において、35は2
分岐されたファイバー束を示し、このファイバー束35
の一方の分岐端35aよりレチクルRを照明する照明光
ILと同一又は近傍の波長帯の照明光ELを入射する。
照明光ELは、例えば照明光ILの一部をビームスプリ
ッター等で分岐したものを使用する。照明光ELはファ
イバー束35の分岐端35aから合同端35bを経てウ
エハステージWSの内部の入出力部34に入射する。内
部に送られた照明光ELは、リレーレンズ、視野絞り、
ミラー、コンデンサーレンズ等より構成される入出力部
34を介してパターン板15の開口パターンを下方より
照明する。パターン板15を通過した光線は投影光学系
PLを経てレチクルRの下面のパターン面にパターン板
15の開口パターンの像を結像する。そのレチクルRの
パターン面から反射された反射光は再び投影光学系PL
及びパターン板15を介してウエハステージWSの内部
に戻り、入射時と逆の光路を経て再びファイバー束35
の合同端35bに入射する。この反射光はファイバー束
35の他方の分岐端35cより光電センサ36に入射
し、この光電センサ36より出力される焦点信号FSが
レチクルRのパターン面からの反射光をパターン板15
の開口パターンで制限した光量に対応する。その焦点信
号FSは主制御装置50に供給される。
【0066】この方式ではその光電センサ36から出力
される焦点信号FSが最大になるとき、即ちレチクルR
からの反射光をパターン板15で制限して得られた光量
が最大になるときのZ座標を焦点位置として検出する。
焦点位置でその光量が最大となる原理を図7を参照して
説明する。先ず、パターン板15の開口パターン形成面
とレチクルRのパターン面とが投影光学系PLに関して
共役位置にあるとき、即ちパターン板15が投影光学系
PLの焦点位置BSにあるときの光路図を図7(a)に
示す。この場合、パターン板15の光透過部を投影光学
系PL側に透過した光線はレチクルRの下面のパターン
面に開口パターンの像を結び、その反射光は再びパター
ン板15上で像を結ぶ。従って、パターン板15の開口
パターンとその再結像された開口パターンの像とは正確
に重なるので、この開口パターンの像の明部の光はパタ
ーン板15をそのまま透過して最終的に光電センサ36
に入射する。
【0067】一方、パターン板15の開口パターン形成
面が投影光学系PLの焦点位置BSにないときの光路図
を図7(b)に示す。この場合、レチクルRの下面から
の反射光の全てがパターン板15の開口パターンを通過
することはできず、反射光の一部はその開口パターンの
非透過部に反射されるので、光電センサ36への入射光
量は減少する。実際には各光束間での干渉現象があるた
め、レチクルRからの反射光をパターン板15で制限し
た光量に対応する焦点信号FSは図6(b)に示すよう
な波形となる。この図6(b)において、横軸は前述の
間接方式のウエハ位置検出系で検出した信号(これを
「オートフォーカス信号」という)AFSであり、この
信号AFSはウエハステージWSのZ座標に対応する。
【0068】以上の方法により、焦点位置が検出でき
る。更に、投影光学系PLの露光領域内で位置を変えて
それぞれ焦点位置を検出することにより投影光学系PL
の像面湾曲が測定できる。
【0069】次に投影光学系PLの倍率の測定法の例を
示す。これはよく知られている方法であるため、図8を
参照して簡単に説明する。図8(a)は、倍率又はディ
ストーション測定用の計測マークm1〜m8がパターン
領域PAの周囲に形成されたレチクルRの平面図であ
り、この図8(a)において、計測マークm1〜m8は
予め決められた間隔で正確に描画されている。計測マー
クm1〜m8としては、専用マークではなくレチクルR
の位置決め用のマークを使用してもよい。一方、図1の
ウエハステージWS上には図示省略してあるが、パター
ン板15と同様に、ウエハWの露光面とZ方向にほぼ同
じ高さとなるようにパターン板81が設置されている。
【0070】図8(b)に示すように、パターン板81
の上面には遮光部を背景として十字型の開口部(光透過
部)が形成されており、この開口部の下方に光電センサ
が配置されている。その十字型の開口部の幅は、ウエハ
ステージWS上に投影されたレチクルR上の計測マーク
m1〜m8の投影像の幅とほぼ一致している。図1の干
渉計18によるX座標及びY座標の計測値に従ってウエ
ハステージWSを駆動することにより、計測マークm1
〜m8が投影されるべき位置MP′までパターン板81
を移動させ、位置MP′を中心にウエハステージWSを
X方向又はY方向に走査する。例えば計測マークm1,
m2の投影位置ではX方向に走査し、計測マークm3,
m4の投影位置ではY方向に走査してそれぞれの方向の
倍率誤差を求める。
【0071】そして、ウエハステージWSを走査したと
きに、図1のシャッター3が開いていると、パターン板
81の直下の光電センサの出力信号Pは図8(c)の様
になり、レチクルマークm1〜m8の投影像とパターン
板81の中心とが重なった位置MPで出力信号Pが極小
となる。レチクルマークm1〜m8の投影像の設計上の
位置MP′と計測された位置MPとの差より投影光学系
PLの倍率誤差ΔMが求められる。また、図8(a)の
像高が異なる2つの組の計測マークm1〜4m及び計測
マークm5〜m8の倍率誤差のズレより、投影光学系P
Lのディストーションの誤差成分ΔDを知ることができ
る。なお、上記の例ではパターン板81の下に光電セン
サを置いているが、逆に図1のシャッター3を閉じてパ
ターン板81の下方から照明し、レチクルRの上方、例
えば図1の光電センサ38で受光しても図8(c)と同
様の信号波形が得られる。
【0072】次に本実施例の主要部である補正誤差の補
正及び演算パラメータの補正の手順について説明を行
う。説明を簡単にするため結像特性としては、倍率(Δ
M)のみを例とするが、他の結像特性(湾曲、焦点位
置、ディストーション)に関しても全く同様の手法を用
いることができる。また、変動特性も簡単な1次遅れ系
として説明するが、複数の1次遅れの組み合わせでも計
算が複雑になるだけで原理は同様のものであるため、同
じ手法を用いることができる。
【0073】先ず、倍率変化特性が未知の新しいレチク
ルによる露光動作を考える。簡単に考えるため投影光学
系PLは前回の使用時から十分に時間が経っており温度
的に安定状態にあるとする。これで、時刻t=0で露光
動作を開始すると図5の如く投影倍率の変化量ΔMが変
化していく。これを改めて図9に示す。ここでは、新し
いレチクルに対する倍率変化特性パラメータ(割合ΔM
/E、時定数T)が不明のため、予め求めておいた標準
的パラメータによる補正計算を行う。標準的パラメータ
は全く1通りのものでもよいし、照明光学系の条件毎に
標準的レチクルについて求めておいて照明光学系の変更
に応じて呼び出してきて使用してもよい。勿論、後者の
方が高精度の補正が可能である。
【0074】図9において、曲線C1は計算による倍率
の変化量ΔM′の変化を示し、曲線C2は実測された正
しい倍率の変化量ΔM* の変化を示し、計算による倍率
の変化量ΔM′の変化と実測された倍率の変化量ΔM*
の変化とがずれている例を示す。このとき、図9の太線
に示す通り、倍率補正機構は計算による倍率の変化量Δ
M′で投影光学系PLの倍率が変化しているとして補正
を行う。本実施例では一定時間Δt毎に結像特性のチェ
ックを行い、結像特性のキャリブレーションを行うとす
ると、図9の如く一定時間後に倍率測定が行われ正しい
倍率に戻される。このキャリブレーション間隔は計算に
よる倍率ΔMで補正を行う。図9に対応させると、倍率
の変化量ΔMの曲線C2をキャリブレーション毎に曲線
C3に沿って平行移動させる様に補正を行う。つまり計
算による倍率の変化量ΔM′の算出はキャリブレーショ
ンとは独立に休まず続け、キャリブレーションではその
計算とは独立にその都度誤差分を直していく。
【0075】この方法により、計算による倍率の変化量
ΔM′と正しい倍率の変化量ΔM*との誤差による倍率
補正誤差を小さく抑えることができると同時に、図9の
丸印のように、正しい倍率の変化量ΔM* の時間変化特
性も分かり、正しい変化特性パラメータ(ΔM/E、
T)を求めることができる。一度正しいパラメータが求
められれば、もはやキャリブレーションを定期的に行う
必要はなく、正しいパラメータによる計算値に基づき補
正を行えばよい。これにより、キャリブレーションによ
る時間ロスが無くなり、生産性(スループット)が向上
する。また、多数の測定結果から求めたパラメータであ
るため、測定誤差が平均化されることにより、一度の測
定結果に基づくキャリブレーションに比べて誤差が小さ
く、より高精度の補正が可能である。なお、図9は倍率
変化に追従して補正している様に描いてあるが、実際は
倍率変化を打ち消す様に逆方向に補正を行っている。
【0076】次に正しいパラメータの求め方を簡単に説
明する。図9の例では簡単のため同一エネルギーが与え
られた例を示したが、実際はウエハ交換又はアライメン
ト動作等により一様ではない。このため厳密に計算する
には、時間毎のエネルギー履歴を図1の主制御装置50
が記憶しておく必要がある。エネルギー履歴と倍率測定
値との関係が最も良く一致するパラメータの計算を行
う。例えば最小二乗法等により計算を行う。エネルギー
履歴と倍率測定値との関係は前記の様に線形関数ではな
いため、解折的に計算ができず通常パラメータを逐次最
適化する手法を取ることになる。従って計算時間がかか
るため、ロットの入れ替え時間等に最適パラメータを求
めるのが現実的である。
【0077】あるいは、ウエハ交換、アライメント等の
時間では平均化したエネルギーの照明光が均一に照射さ
れたとして簡単に計算する方法も考えられる。但し、精
度が悪くなるため、とりあえず平均化したエネルギーで
計算しておいて、ロットの入れ替え時間等で厳密に計算
することも考えられる。また、時間パラメータの時定数
Tを求めるのは上記のようにエネルギー履歴等を使った
複雑な計算が必要なため、時定数Tは一定と仮定し変化
率ΔM/Eのみを計算で求めてもよい。実際には時定数
Tの誤差よりも変化率ΔM/Eの誤差の方が補正精度に
対する効きが大きいため、この方法でもある程度の精度
が得られると考えられる。
【0078】次に計算に使用するデータ点数に関して
は、データ点数が多い方が精度よく求まるが、計算時間
がかかるという欠点があるため、両者を考慮したデータ
点数を選ぶことが望ましい。例えば最小二乗法で計算す
る場合、1データ点あたりの二乗誤差が一定値以下とな
るまで点数を増す方法等が考えられる。上記の実施例の
他に、パラメータの最適化計算を行っている余裕がない
場合、あるいは十分短い時間に計測ができるためスルー
プットの劣化を気にしなくともよい場合は、パラメータ
の最適化は行わず、常に補正計算による補正と測定後の
補正とを組み合わせた方法で補正を行うことも考えられ
る。上記の実施例の他に、時間間隔Δtを十分短くと
り、補正計算による補正は全く行わず、測定結果のみに
よる補正を行うことも可能である。この際に、補正後に
特性を一定に保ち階段状に補正を行う方法又は一次補間
若しくは二次補間等といった補間法を用いてもよい。
【0079】また、本実施例により新しいパラメータを
求めた場合、照明条件、レチクルの種類及び遮光ブライ
ンド等の条件が一定であれば、そのパラメータは再び使
用できる。そこで、これらの条件と共にそのパラメータ
を登録しておき、同一条件のときには呼び出して使用す
れば、再度パラメータを計算する手間を省くことができ
る。また、種々の条件で露光を行い、パラメータの登録
数が十分増えた場合、条件を指定すると、類似の条件に
より補間を行って最適なパラメータを推定することも可
能である。
【0080】また、上記までの実施例では、図9の測定
間隔Δtを一定としていたが、図9でも分かるように露
光開始直後は変化が大きく、時間と共に変化が小さくな
っていく。このため、露光開始直後は測定間隔Δtを小
さくし、次第に測定時間Δtを大きくしていった方が誤
差が小さくなり効果的であり、また、パラメータの計算
精度も良くなる。これを実現するためには、例えば補正
計算による変化量が一定値を超える毎に測定を行う方
法、又は前回の測定値の差分に応じて次回の測定時間を
決める方法等が考えられる。
【0081】上記の実施例は、レチクル交換又は照明系
変更後十分な時間が経過し、前の条件の照射の影響が消
えていることを前提としているが、現実には十分な時間
が経過しない内に次の条件での露光動作が行われること
が考えられる。この場合、2つの条件の倍率変化特性が
重なり合い、補正計算で厳密に求めることは非常に困難
である。このような場合でも、本例の実測との組み合せ
による補正を行えば問題はない。つまり、条件が変更さ
れると、補正パラメータを直ちに新条件の標準的なパラ
メータに変更して補正計算を行う。このとき、実際には
前の条件と新しい条件とが重なり合い、計算値と実測値
とがずれるが、実測によるその差は逐次補正されていく
ので、大きな誤差とはならない。
【0082】しかし、この重なり合った状態のときの測
定値は新パラメータ決定の計算には使用できないため、
前の条件の影響が無くなったと考えられた以後の測定値
を使用して新パラメータの計算を行わなければならな
い。前記のように、十分に冷却された後に露光動作を開
始した直後の倍率変化量が大のため、パラメータ計算と
いう立場から考えると、十分に冷却された直後のデータ
を使用するのが望ましい。このため、実際には条件を変
更した場合、前の条件の影響が無くなるまで待つことが
本例でも望ましいと言える。
【0083】以上、実施例の露光方法及びその変形例を
種々説明したが、以下に図10のフローチャートを参照
してその代表的な場合の実使用時のシーケンスの例を説
明する。先ず図10のステップ101で露光シーケンス
を開始する。次にステップ102で、レチクル交換が行
なわれ、照明光学系の照明条件の設定が行われる。この
ときに図1の主制御装置50は、レチクルの種類をバー
コードリーダ52を介して読み取り、照明光学系の照明
条件を各部の信号から読み込む。次にステップ103に
おいて、補正計算に用いる最適パラメータが以前既に露
光に使用されてメモリに登録されているか否かを判断す
る。登録されていない場合には動作はステップ104に
進み、その照明条件とレチクルでの標準的な補正計算用
パラメータを読み込む。ステップ103でパラメータが
既に登録されている場合には、ステップ105に移行し
てその登録されている最適なパラメータを読み込む。
【0084】ステップ104でパラメータを読み込んだ
後は、ステップ106に進み、補正計算を行いつつ結像
特性の実測を行って補正を行う方法で露光動作を行う。
同様に、ステップ105でパラメータを読み込んだ後に
は、ステップ108に進み、補正計算を行いつつ結像特
性の実測を行って補正を行う方法で露光動作を行う。そ
して、ステップ108に続いてステップ109に移行し
て前の条件の照射による影響が残存しているときにはス
テップ108に戻り、前の条件の照射による影響が残っ
ていないときにはステップ113に進む。
【0085】このステップ113では最適パラメータに
よる補正計算のみによる補正を行いつつ露光動作を行
う。そして、1枚のウエハの露光が終わる毎にステップ
114に移行してそのロットの全ウエハへの露光が終了
したか否かを判断し、終了していないときにはステップ
113に戻って露光を行い、そのロットの前記ウエハへ
の露光が終了したときにはステップ115に進んで他の
処理を行う。
【0086】また、ステップ106の次にはステップ1
07に移行して、前の条件の照射による影響が残存して
いるときにはステップ106に戻り、前の条件の照射に
よる影響が残っていないときにはステップ110に進
む。ステップ110では、補正計算による補正と実測値
に基づく補正との組み合せで補正を行いつつ露光を行っ
て、測定結果及び照射履歴をメモリに記憶しておく。そ
の後、ステップ111において測定結果のデータ点数が
十分か否かを判断し、データ点数が十分でない場合はス
テップ110に戻り、データ点数が十分になった場合に
はステップ112に移行して、それらのデータより新し
い最適パラメータを計算し、この計算されたパラメータ
をメモリに登録する。これで予めパラメータが登録され
ている場合と条件が等しくなったので、動作はステップ
113に移行して最適パラメータによる補正計算のみに
よる補正により露光動作を行う。
【0087】なお、図10のフローチャートには記載し
てないが、新たなパラメータの算出後に、それが正確に
結像特性の変動を表すかどうかしばらくの間結像特性の
測定を行って、そのパラメータのチェックを行うシーケ
ンスを入れてもよい。このように、本発明は上述実施例
に限定されず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構
成を取り得る。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、従来の補正計算による
補正に加えて、結像特性の実測結果に基づく補正誤差の
補正を行っているので、照明光学系の照明条件の変更又
は位相シフトレチクルを使用した場合の位相シフターの
影響等による補正計算の誤差を小さくできる。従って、
常に高精度の結像特性のもとで感光基板に対する露光を
行うことができる利点がある。更に、実測結果を用いて
正しい補正計算に用いる演算パラメータを算出して、以
後はその演算パラメータを使用して予測制御することに
より、逐次実測する場合の時間的ロスを省くことができ
る。
【0089】また、照明条件変更手段による照明条件の
変更が、投影光学系の瞳面又はその近傍の面内における
照明光の照度分布の状態の変更である場合には、照明光
学系として所謂複数傾斜照明法と通常の照明法とを切り
換えて使用するような場合でも、常に高精度の結像特性
のもとで感光基板に対する露光を行うことができる。ま
た、照明条件変更手段による照明条件の変更が、マスク
のパターンの構成そのものの変更である場合には、マス
クとして所謂位相シフトレチクルと通常のレチクルとを
切り換えて使用するような場合でも、常に高精度の結像
特性のもとで感光基板に対する露光を行うことができ
る。またさらに、マスクの交換や照明条件の変更がある
場合に、その変更後のマスクと照明条件に最適なパラメ
ータが登録されていなくても、その変更後のマスクと照
明条件とに応じた標準的なパラメータを使用するように
しているので、投影光学系の結像特性の誤差を抑えて、
基板に対する露光を行うことができる。この場合、投影
光学系の結像特性を測定し、その結果に基づいて、標準
的なパラメータを用いて行なわれた結像特性の補正誤差
の較正や、その標準的なパラメータの修正を適用するこ
とによって、投影光学系の結像特性の誤差をさらに小さ
く抑えて、基板に対する露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の投影露光装置の概略構成を
示す一部断面図を含む構成図である。
【図2】図1の保持部材7の構成を示す正面図である。
【図3】複数傾斜照明法の原理の説明に供する線図であ
る。
【図4】(a)は照明光学系のコヒーレンシィを表すσ
値が比較的大きい場合のフライアイレンズ群からウエハ
までの光路及び投影光学系の瞳近傍での光量分布を示す
線図、(b)はσ値が比較的小さい場合のフライアイレ
ンズ群からウエハまでの光路及び投影光学系の瞳近傍で
の光量分布を示す線図である。
【図5】照明光吸収による投影光学系の結像特性(投影
倍率)の変化特性の説明に供する線図である。
【図6】(a)は焦点位置検出手段のパターン板15の
開口パターンの一例を示す線図、(b)は焦点位置検出
手段で得られる焦点信号を示す波形図である。
【図7】焦点位置検出手段の原理説明図であり、(a)
はパターン板15が投影光学系PLの最良結像面にある
状態を示す線図、(b)はパターン板15がその最良結
像面から外れた状態を示す線図である。
【図8】倍率(ディストーション)検出手段の動作の説
明に供する線図であり、(a)はレチクル上の計測マー
クを示す平面図、(b)はウエハステージ上の測定パタ
ーンを示す拡大平面図、(c)は得られる検出信号を示
す波形図である。
【図9】実施例における結像特性(投影倍率)の補正の
様子を示す線図である。
【図10】実施例の露光シーケンスの一例を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
R レチクル W ウエハ PL 投影光学系 WS ウエハステージ 1 超高圧水銀ランプ 7 保持部材 7A〜7D フライアイレンズ群 8 可変開口絞り 9,11 リレーレンズ 10 可変ブラインド 12 メインコンデンサーレンズ 15 パターン板 20,21,22 レンズエレメント 25,27,29 駆動素子 33,36,38 光電センサ 34 入出力部 35 光ファイバー束 37 半透鏡 50 主制御系 53 駆動素子制御部

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの照明光をほぼ均一な強度分布
    にしてマスクに照射する照明光学系と、前記マスクのパ
    ターンの像を感光基板に結像する投影光学系と、予測制
    御用の演算パラメータに基づいて前記投影光学系の結像
    特性を補正する結像特性補正手段とを有する投影光学装
    置において、 前記マスクに対応して前記マスクに対する照明条件を変
    更する照明条件変更手段と、 前記投影光学系の結像特性を測定する結像特性測定手段
    と、 該結像特性測定手段の測定結果に基づき前記結像特性補
    正手段の補正誤差を補正する誤差補正手段と、 前記結像特性測定手段の測定結果に基づき前記予測制御
    用の演算パラメータの誤差を補正するパラメータ補正手
    段とを備え、 前記照明条件変更手段による照明条件の変更後、変更前
    の照明条件の影響が無くなった後に前記パラメータ補正
    手段による演算パラメータの誤差の補正を行い、それ以
    後は前記パラメータ補正手段により補正された後の前記
    予測制御用の演算パラメータに基づいて前記投影光学系
    の結像特性の補正を行うことを特徴とする投影光学装
    置。
  2. 【請求項2】 前記照明条件変更手段による照明条件の
    変更は、前記投影光学系の瞳面又はその近傍の面内にお
    ける前記照明光の照度分布の状態の変更であることを特
    徴とする請求項1記載の投影光学装置。
  3. 【請求項3】 前記照明条件変更手段による照明条件の
    変更は、前記マスクのパターンの構成そのものの変更で
    あることを特徴とする請求項1記載の投影光学装置。
  4. 【請求項4】 光源からの照明光をマスクに照射する照
    明光学系と、前記マスクのパターンの像を基板に投影す
    る投影光学系と、予測制御用の演算パラメータに基づい
    て前記投影光学系の結像特性を補正する結像特性補正手
    段とを有する投影光学装置において、前記投影光学系の結像特性を測定する結像特性測定手段
    と、 前記マスクに対応して、前記照明光学系の前記マスクに
    対する照明条件を変更する照明条件変更手段と、 前記照明条件変更手段によって変更された照明条件と前
    記マスクとに最適な予測制御用の演算パラメータが登録
    されていない場合に、前記照明条件変更手段によって変
    更された照明条件と前記マスクとに応じた標準的な予測
    制御用の演算パラメータと、前記結像特性測定手段の測
    定結果とを使って補正計算を行い、該計算結果に基づき
    前記結像特性補正手段を制御して、前記結像特性を補正
    する制御手段と、 を備えたことを特徴とする投影光学装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記結像特性測定手段
    の測定結果に基づき前記結像特性補正手段を制御して、
    前記標準的な予測制御用の演算パラメータを用いた計算
    結果に基づいて行われた前記結像特性の補正の誤差を較
    正することを特徴とする請求項4記載の投影光学装置。
  6. 【請求項6】 前記結像特性測定手段の測定結果に基づ
    いて、前記標準的な予測制御用の演算パラメータを補正
    するパラメータ補正手段を更に備えることを特徴とする
    請求項4記載の投影光学装置。
  7. 【請求項7】 前記標準的な予測制御用の演算パラメー
    タは、前記照明条件変更手段により変更される照明条件
    毎に、予め登録されていることを特徴とする請求項4〜
    6の何れか一項記載の投影光学装置。
  8. 【請求項8】 前記標準的な予測制御用の演算パラメー
    タは、標準的なマスクについて予め登録されていること
    を特徴とする請求項4〜7の何れか一項記載の投影光学
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか一項記載の投影光
    学装置を用いることを特徴とする素子製造方法。
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