JP3280531B2 - 微小異物の分析方法、分析装置およびこれらを用いる半導体素子もしくは液晶表示素子の製法 - Google Patents

微小異物の分析方法、分析装置およびこれらを用いる半導体素子もしくは液晶表示素子の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば半導体素子用
のシリコンウェハや液晶表示素子用の絶縁性透明基板な
どの平面状試料の表面に存在する微小異物の分析方法、
そのための分析装置およびそれらを用いる半導体素子も
しくは液晶表示素子の製法に関する。さらに詳しくは、
あらかじめ装置座標が定義されたパーティクル検査装置
により検出され、位置特定された微小異物について、そ
の特定された微小異物の存在位置を分析装置のもつ座標
とリンクすることにより、その特定された微小異物につ
いて簡単に分析、検査、評価できるようにするための方
法および装置ならびにこれらを用いる半導体素子および
液晶表示素子の製法に関するものである。
【0002】なお、ここでいう分析装置とは、光、X
線、電磁波、電子、中性化学種(原子、分子など)、イ
オン、フォノンなどの各種粒子線などのエネルギーを試
料表面に照射し、試料との相互作用により放射されたり
吸収される2次粒子線を検出することにより、試料表面
の色調、立体像、元素分析、化学構造、結晶構造などを
調べ、または試料表面を加工する分析装置を意味し、た
とえば金属顕微鏡、レーザ顕微鏡、プローブ顕微鏡、原
子間力顕微鏡(以下、AFMという)、走査型トンネル
顕微鏡(以下、STMという)、磁気力顕微鏡(以下、
MFMという)、走査型電子顕微鏡(Scanning Electro
n Microscope、以下SEMという)、電子プローブマイ
クロアナリシス装置(Electron Probe Micro-Analyse
r、以下EPMAという)、X線光電子分光装置(X-ray
Photoelectron Spectrometer、以下XPSという)、
紫外線光電子分光装置(Ultraviolet Photoelectron Sp
ectrometer、以下UPSという)、2次イオン質量分析
装置(Secondary Ion Mass Spectrometer、以下SIM
Sという)、飛行時間型質量分析装置(Time Of Flight
-SIMS、以下TOF−SIMSという)、走査型オージ
ェ電子分光装置(ScanningAuger Electron Spectromete
r、以下SAMという)、オージェ電子分光装置(Auger
Electron Spectrometer、以下AESという)、高速反
射電子線回折装置(Reflection High Energy Electron
Diffraction Spectrometer、以下RHEEDという)、
高速電子線回折装置(High Energy Electron Diffracti
on Spectrometer、以下HEEDという)、低速電子線
回折装置(Low Energy Electron Diffraction Spectrom
eter、以下LEEDという)、電子エネルギー損失分光
装置(Electron Energy-Loss Spectrometer、以下EE
LSという)、集束イオンビーム装置(Focused Ion Be
am instruments、以下FIBという)、粒子線励起X線
分光装置(Particle Induced X-ray Emission、以下P
IXEという)、顕微フーリエ変換赤外分光装置(以
下、顕微FT−IRという)、顕微ラマンなどの分析、
検査、評価、加工などの機能を有する装置、観察装置、
分析装置、検査装置および評価装置などをいう。
【0003】
【従来の技術】4Mビット、16Mビット−DRAMな
どに代表される超高集積LSIの製造における歩留り
は、ウェハ付着異物に起因する不良が、ほとんどの要因
をしめるといわれている。
【0004】これはパターン幅が微細化されるにしたが
い、前工程の製造プロセスにおいてウェハに付着する、
従来では問題とされなかった微小サイズの異物が汚染源
となるためである。一般にこの問題となる微小異物の大
きさは、製造しようとする超高集積LSIが有する最小
配線幅の数分の一といわれており、このことから16M
ビット−DRAM(最小配線幅0.5μm)において
は、直径0.1μmレベルの微小異物が対象となってい
る。このような微小異物は汚染物質となって回路パター
ンの断線、ショートを引き起こす原因となり、不良の発
生や品質、信頼性の低下に大きくつながっている。その
ため微小異物の付着状態などの実態を定量的に精度よく
計測および分析して把握し、管理することが、歩留り向
上のキーポイントとなっている。
【0005】これを行う手段として、従来より、シリコ
ンウェハなどの平面状試料の表面に存在する微小異物の
存在位置を検出できるパーティクル検査装置が用いられ
ている。なお、従来のパーティクル検査装置としては、
日立電子エンジニアリング(株)製、装置名;IS−2
000、LS−6000あるいは米国、Tencor社
製、装置名;サーフスキャン6200、Estek社
製、装置名;WIS−9000などがある。またこれら
のパーティクル検査装置に用いられる測定原理やそれを
実現するための装置構成については、たとえば文献、
「高性能半導体プロセス用分析・評価技術」、111〜
129頁、半導体基盤技術研究会編、(株)リアライズ
社発行に詳細に記載されている。
【0006】図10はパーティクル検査装置LS−60
00を用いて、実際の6インチシリコンウェハ上に存在
する微小異物(0.1μm以上)について計測した結果
を表わすCRTの表示画面を示す。すなわち、この表示
画面には微小異物のおおよその位置と大きさごとの個数
およびその粒径分布しか示されない。図10中に示され
る円は、6インチシリコンウェハの外周を表現し、その
中に存在する点が、微小異物の存在する位置に対応して
いる。なお、ここに記載するパーティクル、異物とはウ
ェハに対して凸部、凹部、付着粒子、欠陥などの何らか
の異なる部分を意味し、光散乱(乱反射)を生ずる部分
である。
【0007】しかし、図10からもわかるように従来の
パーティクル検査装置からえられる情報は、シリコンウ
ェハなどの試料表面に存在する微小異物の大きさおよび
試料表面上での存在位置のみであるため、その微小異物
が何であるかなどの実態についての同定はできない。
【0008】たとえば、図6は(株)ニデックから販売
されているIC検査顕微鏡装置MODER:IM−12
0などに見られる従来の微小異物の検出に用いられる位
置決め機能つき金属顕微鏡の一例である従来のアクチュ
エータつき金属顕微鏡の基本構成を示す説明図である。
図6において、試料のシリコンウェハ2は、パーティク
ル検査装置の有する座標と大まかにリンクされた座標を
有するx−yアクチュエータ1上に載せられている。パ
ーティクル検査装置により検出された異物7は、パーテ
ィクル検査装置からえた異物の位置情報をもとにx−y
アクチュエータ1により、金属顕微鏡3の視野あるいは
その近傍に運ばれるようになっている。以下、従来のア
クチュエータ付き金属顕微鏡を用いて平面状のシリコン
ウェハ表面に存在する異物7を検査するときの、検査手
順ならびに検査結果について記す。
【0009】まず、複数枚の少し汚れた鏡面研磨された
シリコンウェハ2{三菱マテリアルシリコン製CZ(面
方位;100)6インチ径シリコンウェハ}を、パーテ
ィクル検査装置{米国;Tencor社製、装置名;サ
ーフスキャン6200}にかけ、シリコンウェハ2上に
存在する異物のおおよその大きさおよびそのおおよその
存在位置を観察した。シリコンウェハ2上には、それぞ
れランダムな位置に平均0.1〜0.2μmレベル径の
異物が約800個、0.2〜0.3μmレベル径の異物
が約130個、0.3〜0.4μmレベル径の異物が約
30個、0.4〜0.5μmレベル径の異物が約13
個、0.5μmレベル径以上が約15個、それぞれ存在
していた。なお、サーフスキャン6200の座標は、ウ
ェハがもつオリエンテーションフラット(以下、オリフ
ラという)と接する方向をx軸(もしくはy軸)方向と
し、ウェハ面内での垂線方向をy軸(もしくはx軸)方
向とし、かつ、ウェハの最外周を3点以上測定して(た
だし、オリフラの部分は避ける)、これを円もしくはだ
円の方程式に当てはめることで、ウェハの中心位置を
(0,0)とした形で定義されている。
【0010】つぎに、従来のアクチュエータつき金属顕
微鏡を用いて、ウェハがもつオリフラと接する方向をx
軸方向とし、ウェハ面内での垂線方向をy軸(もしくは
x軸)方向とし、かつ、ウェハの最外周を3点測定して
(ただし、オリフラの部分は避ける)、これを円の方程
式に当てはめることで、ウェハの中心位置を(0,0)
とした形で、シリコンウェハ2をx−yアクチュエータ
1上にセッティングし、パーティクル検査装置からえた
異物の位置情報をもとにx−yアクチュエータ1を動か
すことにより、それぞれの大きさの異物について金属顕
微鏡3を用い観察しようとした(なお、接眼レンズの倍
率を20倍固定とし、対物レンズを5、20、50倍と
可変することで評価し、観察した)。
【0011】その結果、金属顕微鏡の対物レンズ5倍を
用いたばあい、0.4〜0.5μmレベル径の異物を暗
点としてみつけるのがやっとであり、それ以下の異物は
ほとんどみつからなかった。なお、0.4μm以上の異
物はすべてみつけることができた。一方、対物レンズ5
0倍を用いると、0.2〜0.3μmレベル径の異物を
暗点としてまれにみつけることができた。しかし、それ
以下の異物はほとんどみつからなかった。そこで、原因
を調べるため、このときの座標のずれ量について、格子
状のパターンを刻んだウェハ複数枚を用いて、調査した
ところ、x−y座標表示において、原点位置あるいはウ
ェハの中心位置およびその中に定義できる任意の点に対
し概ね(±250μm、±250μm)のずれ量をもつ
ことが判明した。
【0012】これに対し、今回用いた装置の対物レンズ
5倍のときの視野は約1500μmφであるのに対し
て、対物レンズ50倍では約150μmφしかなかっ
た。
【0013】すなわち、対物レンズ50倍のときに0.
2〜0.3μmレベル径の異物の多くを見つけることが
できなかったのは、対物レンズの倍率を5倍から50倍
と高倍率にかえたことにより、顕微鏡の視野の範囲より
ずれ量が相対的に大きくなり、目的である0.2〜0.
3μmレベル径の異物が現状の装置のもつ視野内におさ
まらなかったことによることがわかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そのため、個々の微小
異物について、適当なSEMなどの分析装置を用いるこ
とにより、それを直接観察したりあるいは組成分析した
りすることにより、その実態の同定が必要となる。しか
し、パーティクル検査装置からえられる個々の微小異物
が存在するウェハ上の位置は、パーティクル検査装置の
もつ装置座標において定義されるため、必ずしもパーテ
ィクル検査装置でない分析装置がもつ装置座標と一致し
ない。また、パーティクル検査装置で異物検査をしたウ
ェハなどの試料をSEMなどのパーティクル検査装置で
ない分析装置にセッティングするばあい、どうしても新
たなセッティングに伴う座標ずれ誤差が発生してしま
う。そのため、微小異物の実態同定を行うには、何等か
の方策を用いることにより、パーティクル検査装置のも
つ装置座標とSEMなどのパーティクル検査装置でない
分析装置のもつ装置座標とを高精度でリンクさせること
が必要となる。
【0015】そこで、個々のパーティクル検査装置およ
びSEMなどのパーティクル検査装置でない分析装置の
x−yステージがもつ装置座標について調べた。その結
果、ほとんどの装置において、採用されるx−yステー
ジの座標はx−y座標系であることがわかった。また、
被測定試料であるウェハに対しての各装置のもつ座標軸
および原点位置の決め方は、(1)ウェハがもつオリフ
ラと接する方向をx軸(もしくはy軸)方向とし、ウェ
ハ面内での垂線方向をy軸(もしくはx軸)方向とし、
かつ、ウェハの最外周とy軸との交点を(0,y)と
し、x軸との交点を(0,0)として定義する方法(図
11(a)参照)、あるいは、(2)ウェハがもつオリ
フラと接する方向をx軸(もしくはy軸)方向とし、ウ
ェハ面内でのその垂線方向をy軸(もしくはx軸)方向
とし、かつ、ウェハの最外周の3点以上のサンプル点を
測定して、これを円あるいは楕円の方程式に当てはめる
ことで、ウェハの中心位置を原点(0,0)として定義
する方法(図11(b)参照)が採用されている。
【0016】しかし、これらの方法では、各装置によっ
て座標の定義に用いた関数が異なったり、サンプル点の
数が異なったりするため、定義される座標そのものがま
ちまちになる。また、各ウェハがもつオリフラ部やウェ
ハの最外周部の表面精度あるいは微妙な大きさの違い、
または、ウェハの試料台上でのセッティングの加減ある
いは微妙なウェハのそりなどによって、どうしてもサン
プル点の位置がまちまちになったりするため、座標軸お
よび原点位置あるいは中心位置に、各ウェハごとあるい
はセッティングごとにずれが生じたりする。その結果と
して、従来行われていた単純な「パーティクル検査装置
で検出した微小な欠陥や異物の位置情報をパーティクル
検査装置でない分析装置の座標に入力するという座標リ
ンクの方法」では、どうしても個々のウェハに対する装
置座標の座標軸および原点位置にずれが生じる。そのた
め、分析装置の微小異物に対する分析可能な倍率におい
て、そのときの装置のもつ視野内に微小な欠陥や異物を
セッティングできなくなる。すなわち、微小異物を検査
するには倍率を上げる必要があるが、倍率を上げると検
査領域または分析領域である視野は狭くなる。
【0017】そこで前記理由により発生する座標のずれ
量について、格子状のパターンを刻んだウェハ複数枚を
用いて、種々の装置について調査したところ、精度のよ
い装置間(日立電子エンジニアリング(株)製・パーテ
ィクル検査装置、装置名;IS−2000と(株)日立
製作所製・測長SEM、装置名;S−7000)でさ
え、x−y座標表示において、原点位置あるいは中心位
置およびその中に定義できる任意の点に対しおおむね
(±100μm、±100μm)のずれ量をもつことが
判明した。そのため、パーティクル検査装置で検出され
るウェハ上の任意の位置にある微小異物について、SE
Mなどのパーティクル検査装置でない分析装置を用いて
観察あるいは分析し、評価しようとするばあい、少なく
とも、パーティクル検査装置で検出される微小異物の存
在すると考えられる位置を中心として、(±100μ
m、±100μm)以上の範囲を網羅した範囲(200
μm×200μm=40000μm2、SEMの倍率5
00倍におけるSEMの視野)において、SEMなどの
パーティクル検査装置でない分析装置を用いて観察を施
し、その微小異物の位置を確認したのちに、その部分を
拡大するなどのなんらかの方法により、当初の目的であ
るその微小異物の観察あるいは分析および評価をするこ
とが必要となる。そのためかなりの時間を要することに
なる。
【0018】いま、この領域の大きさが微小異物に対し
てどのような大きさであるかを直観的に掴むために、こ
の40000μm2(200μm×200μm)の範囲
について、現在、比較的高い分解能をもったCCDカメ
ラと考えられている100万画素のCCDカメラを用い
て観察したと仮定して、そのCCDカメラがもつ1画素
が占める検出範囲(面積)を計算することにより、検出
が可能であると考えられる微小異物の大きさについて考
察してみる。前記の条件下において1画素の占める検出
範囲は、計算から0.04μm2(4万μm2÷100万
=0.2μm×0.2μm)と求まる。一方、1画素に
満たない大きさの物の識別は困難であるから、微小異物
の検出限界は0.04μm2(0.2μm×0.2μ
m)となる。すなわち、投影面積が0.04μm2以下
の大きさ(直径約0.2μm)の微小異物を直接100
万画素のCCDカメラを用いて検出することは、困難で
あり、その微小異物の位置を特定することも極めて困難
であることがわかる。まして、0.2μm以下の微小異
物の位置を特定することは不可能に近い。
【0019】このことから、従来、パーティクル検査装
置で検出される直径約0.2μm以下の微小異物につい
て、パーティクル検査装置のもつ装置座標をもとにし
て、パーティクル検査装置でないSEMなどの分析装置
のもつ装置座標とリンクさせることにより、その微小異
物の位置を特定して、直接微小異物を観察し、あるいは
評価することは一般的に困難である。
【0020】一方、異物検査装置と分析装置間でのウェ
ハ内に存在する異物の場所を相互に関連づけるため、検
出した微小異物の位置座標データを記憶させて共有化す
るとともに、ファイル変換および座標変換を行うインタ
フェース手段を設けて共有化された位置座標データを各
装置で用いることにより装置間での位置ズレを補正する
方法が特開平4−123454号公報に開示されてい
る。また、ウェハに対し標準とする座標系を設定し、各
検査装置に標準座標系と各検査装置固有の座標系の変換
部をもたせて座標の入出力をすべて標準座標系に従って
行ったり、各装置の座標系をすべて標準座標系に従って
行う方法が特開平3−102845号公報に開示されて
いる。しかし、これらの方法はいずれもウェハ上のスク
ライブラインやウェハ周辺のたとえば最左端の一点を基
準として各装置で座標系を定めたり、標準座標系として
いるため、スクライブラインやオリフラまたはウェハ周
辺の最左端の点(x軸方向の向きが僅かでも傾けば大き
く変化する)などの検出精度により座標軸自体にズレが
生じ、不変的座標軸ではない。そのため、各装置間にお
ける座標軸の誤差を防げえない。
【0021】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、パーティクル検査装置のもつ装置座標
とパーティクル検査装置でないSEMなどの他の分析装
置のもつ装置座標とを従来の装置座標のリンク方法を採
用した装置よりはるかに高精度でリンクすることができ
る方法を採用することにより、微小異物の観察、分析お
よび評価をすることができる微小異物の分析方法および
その装置を提供することを目的とする。
【0022】本発明の他の目的は、半導体素子または液
晶表示素子の製造工程において、前記分析方法を用いて
ウェハやガラスなどの絶縁性透明基板表面の微小異物を
分析することにより、半導体素子または液晶表示素子な
どの歩留りを向上させ、かつ、信頼性を向上させる半導
体素子または液晶表示素子の製法を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の微小異物の分析
方法は、パーティクル検査装置において試料表面の微小
異物の位置を求め、該試料を分析装置の座標ステージ上
に移し、前記パーティクル検査装置で求められた微小異
物の位置を分析装置に入力して、該微小異物の内容を分
析する微小異物の分析方法であって、前記パーティクル
検査装置で採用する装置座標と前記分析装置で採用する
装置座標とを前記試料の外周上の定点に基づく仮想座標
系を用いてリンクすることを特徴とするものである。
【0024】前記外周上の任意の仮サンプル点により仮
座標系を定め、該仮座標系において一定の外周上の点を
サンプル点とすることにより前記試料の外周上の定点を
定めることができる。
【0025】前記試料がオリエンテーションフラットを
有する円形のウェハであり、前記パーティクル検査装置
および分析装置のそれぞれの装置座標を用いて前記ウェ
ハの円形部分の少なくとも3点および前記オリエンテー
ションフラット部分の少なくとも2点を仮サンプル点と
して測定し、該測定された仮サンプル点の座標から前記
試料の円形の仮中心座標およびオリエンテーションフラ
ットの仮傾きを求め、該仮傾きの方向をx軸もしくはy
軸として前記円形の中心座標を原点とするxy座標系を
仮座標系とし、該仮座標系においてそれぞれが一定の点
で円形部分の少なくとも3点および前記オリエンテーシ
ョンフラット部分の少なくとも2点をサンプル点として
定め、該サンプル点の座標から前記試料の円形の中心座
標およびオリエンテーションフラットの傾きを求め、該
傾きの方向をx軸もしくはy軸として前記円形の中心座
標を原点とするxy座標系を仮想座標系と定めることが
できる。
【0026】前記サンプル点を円形部分で4点以上、オ
リエンテーションフラット部分で3点以上選び、その測
定座標から最小2乗法により前記円形の中心座標および
オリエンテーションフラットの傾きを求めることが誤差
を少なくすることができるため好ましい。
【0027】前記ウェハが製造工程の途中における半導
体素子もしくは該素子が形成されつつある半導体ウェハ
であってもよい。
【0028】前記試料が角形の基板であり、前記パーテ
ィクル検査装置および分析装置のそれぞれの装置座標を
用いて前記角形基板の角部をサンプル点として測定し、
前記角形の特定の2辺の垂直2等分線の交点によりえら
れる中心座標および特定の一辺の任意の2点によりえら
れる仮傾きを求め、該仮傾きおよび前記中心座標により
仮座標系を定め、該仮座標系における前記特定の一辺の
定点であるサンプル点により前記特定の一辺の傾きを求
め、該傾きと前記中心座標により仮想座標系を定めるこ
とができる。
【0029】前記試料が角形の基板であり、前記パーテ
ィクル検査装置および分析装置のそれぞれの装置座標を
用いて前記角形基板の特定の2辺上の角部以外の任意の
2点をサンプル点として測定し、それぞれの2点により
前記特定の2辺の仮傾きを求め、それぞれの該仮傾きの
方向と接する直線をそれぞれ仮x軸、仮y軸としその交
点を仮中心座標として仮座標系を定め、該仮座標系にお
いてそれぞれが一定の点で少なくとも2点のサンプル点
を前記特定の2辺上の各々に定め、該サンプル点の位置
から前記2辺の傾きを求め、該傾きの方向と接する直線
をそれぞれx軸、y軸として仮想座標系を定めること
が、角形基板の角部が丸くなっているばあいの仮想座標
系を定めるのに好ましい。
【0030】前記特定の各辺上のサンプル点を3点以上
定め、該3点以上の測定座標から最小2乗法により前記
特定の辺の傾きを求めることが誤差を少なくする上で好
ましい。
【0031】前記角形基板が製造工程の途中における液
晶表示素子もしくは該素子が形成されつつある絶縁性透
明基板であってもよい。
【0032】本発明の微小異物の分析装置は、パーティ
クル検査装置において微小異物の位置が検出された試料
がステージ上に載置され、前記微小異物を分析する分析
装置であって、前記試料の外周上の定点に基づいて仮想
座標系を求める手段と、該仮想座標系と装置座標とのあ
いだの座標の変換をする座標変換手段とが付加されてい
る。
【0033】前記仮想座標系を求める手段が、前記試料
外周上の仮サンプル点により仮座標系を定める手段と、
該仮座標系により定めた前記試料の外周上の定点のサン
プル点により仮想座標系を定める手段とからなるもので
あってもよい。
【0034】本発明のパーティクル検査装置は、試料上
の微小異物を検出するパーティクル検査装置であって、
前記試料の外周上の定点に基づいて仮想座標系を求める
手段と、該仮想座標系と装置座標とのあいだの座標の変
換をする座標変換手段とが付加されている。
【0035】前記特定の各辺上のサンプル点を3点以上
定め、該3点以上の測定座標から最小2乗法により前記
特定の辺の傾きを求めることが誤差を少なくする上で好
ましい。
【0036】前記各分析方法または分析装置における前
記分析装置が金属顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査型レ
ーザ顕微鏡、化学構造の分析を行う顕微赤外分光装置、
顕微ラマン分光装置、蛍光分光分析を行うフォトルミネ
ッセンス装置、表面微量元素分析を行う電子線プローブ
マイクロアナリシス装置、オージェ電子分光装置、電子
エネルギー損失分光装置、2次イオン質量分析装置、飛
行時間型質量分析装置、粒子線励起X線分光装置、結晶
解析を行う高速反射電子線回折装置、表面加工を行う収
束イオン分析装置、化学構造の分析を行うX線光電子分
光装置、紫外線電子光分光装置、さらに走査型プローブ
顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡および
磁気力顕微鏡よりなる群から選ばれた少なくとも1種で
あってもよい。
【0037】また本発明の半導体素子の製法は、少なく
とも洗浄工程、成膜工程、露光工程、エッチング工程、
イオン注入工程、拡散工程、熱処理工程を含む工程から
なる半導体素子の製法であって、前記各工程の少なくと
も1つの工程が検査工程を伴い、該検査工程のうちの少
なくとも1つが請求項1記載の方法または請求項11記
載の装置により微小異物の分析をするものである。
【0038】さらに本発明の液晶表示素子の製法は、絶
縁性透明基板に少なくとも薄膜トランジスタと画素電極
とが設けられたTFT基板と、絶縁性透明基板に少なく
とも対向電極が設けられた対向基板とを一定間隙を保持
して周囲で貼着し、該間隙に液晶材料を注入する液晶表
示素子の製法であって、前記TFT基板または対向基板
の製造工程である洗浄工程、成膜工程、露光工程、エッ
チング工程、イオン注入工程の少なくとも1つの工程が
検査工程を伴い、該検査工程の少なくとも1つが請求項
1記載の方法または請求項11記載の装置により微小異
物の分析をするものである。
【0039】
【作用】請求項1記載の微小異物の分析方法によれば、
パーティクル検査装置の装置座標と分析装置の装置座標
とのリンクを試料の外周上の定点に基づく仮想座標系を
媒介として行っているため、仮想座標系とする試料の中
心座標は円の真の中心とは限らないが、常に試料外周上
の定点を基礎としており、一定の座標系となる。そのた
め、非常に正確に高精度で対応づけることができる。そ
の結果、パーティクル検査装置により検出した微小異物
の大まかな位置を分析装置における微小異物の識別可能
な倍率において分析装置の視野内に短時間で確実にセッ
ティングすることができ、効率よく微小異物の分析をす
ることができる。
【0040】請求項2記載の分析方法によれば、仮サン
プル点による中心の座標は必ずしも円の真の中心とはな
らないが、その仮中心座標を基準にして一定距離の所に
試料外周上のサンプル点を定めているため、サンプル点
は試料上でほぼ定点となる。そのため、試料などに目印
をつける必要もなく、大小種々変化する試料でも確実に
試料上に正確な定点を定めることができる。
【0041】請求項3記載の分析方法によれば、試料が
オリフラを有する円形のウェハであるばあいに、オリフ
ラの直線部分の仮傾きと円形の仮中心座標を求めること
により基準とする仮座標系を定め、該仮座標系において
定点を定め、該定点により仮想座標系を定めているた
め、ウェハの形状に基づく一定の仮想座標系を簡単に定
めることができる。
【0042】請求項4記載の分析方法よれば、試料上で
一定となるサンプル点を多く選んで最小2乗法を用いて
いるため、測定の誤差を最小限に抑えることができ、リ
ンク精度が向上する。
【0043】請求項5記載の分析方法によれば、製造工
程にある半導体ウェハの微小異物を分析することができ
るため、半導体素子の製造工程の不良原因を解析するこ
とができる。
【0044】請求項6記載の分析方法によれば、試料が
角形の基板であってもその外形に基づいた仮座標系を経
て一定の仮想座標系を精度よく設定することができる。
【0045】請求項7記載の分析方法によれば、角形の
基板で特定の2辺の定まった点をサンプル点としている
ため、角形試料の角部にアールなどがあり、定点を定め
にくいばあいでも確実に仮想座標系を定めることができ
る。
【0046】請求項8記載の分析方法によれば、特定の
各辺上のサンプル点を3点以上設定し、最小2乗法によ
り演算処理しているため、測定の誤差を非常に小さく抑
えることができる。
【0047】請求項9記載の分析方法によれば、液晶表
示素子の製造工程にある絶縁性透明基板の微小異物を分
析することができるため、液晶表示素子の製造工程の不
良原因を解析することができる。
【0048】請求項10または15記載の方法または装
置によれば、分析装置の選択により微小異物の表面形
状、元素分析、化学構造、結晶構造などを分析すること
ができるとともに表面加工をすることもできる。
【0049】請求項11記載の分析装置によれば、試料
の外形の定点に基づく仮想座標系を定める手段と該仮想
座標系と装置の座標とのあいだの座標変換手段が設けら
れているため、これらの手段が設けられたパーティクル
検査装置により大まかに検出された微小異物の位置が正
確に分析装置の装置座標にリンクされ、容易に分析装置
の視野内に微小異物のセッティングをすることができ
る。
【0050】請求項12記載の分析装置によれば、試料
外周上の任意の点から仮座標系を定める手段と該仮座標
系を基礎として仮想座標系を定める手段が設けられてい
るため、精度のよい仮想座標系がえられ、パーティクル
検査装置と分析装置のいずれにおいても同じ位置に特定
でき、両装置間での装置座標のリンクを完全に行える。
【0051】請求項13記載のパーティクル検査装置に
よれば、パーティクル検査装置にも本発明の分析装置と
同じ装置座標のリンク手段が設けられているため、分析
装置と同じ仮想座標系で微小異物を検出することがで
き、微小異物の分析装置の視野内へのセッティングを容
易にすることができる。
【0052】請求項14記載のパーティクル検査装置に
よれば、試料外周上の任意の点から仮座標系を定める手
段と該仮座標系を基礎として仮想座標系を定める手段が
設けられているため、精度のよい仮想座標系がえられ、
分析装置の装置座標とのリンクを完全に行える。
【0053】請求項16〜17記載の半導体素子の製法
によれば、製造プロセスの途中で随時ウェハ表面の微小
異物の状況を抜取りまたは全数検査で行うことができる
ため、製造工程での微小異物の発生状況や発生原因を知
ることができ、直ちに製造プロセスにフィードバックす
ることができる。その結果、サブミクロンオーダの配線
となる超LSIにおいても微小異物に基づく不具合を最
小限に留めることができ、歩留りを向上させるとともに
信頼性が向上する。
【0054】また請求項18〜19記載の液晶表示素子
の製法によれば、薄膜トランジスタや信号配線などの形
成工程の途中で微小異物の状況を把握することができる
ため、高精細化に伴う微細配線の液晶表示素子において
も断線などの事故を防止することができ、液晶表示素子
の歩留りおよび信頼性の向上が図れる。
【0055】
【実施例】つぎに本発明の微小異物の分析方法、そのた
めの分析装置、およびこれらを用いた半導体素子または
液晶表示素子の製法について説明する。
【0056】本発明の微小異物の分析方法は、パーティ
クル検査装置において試料表面の微小異物の位置を求
め、該試料を分析装置の座標ステージ上に移し、前記パ
ーティクル検査装置で求められた微小異物の位置を前記
分析装置の座標で求める際に、パーティクル検査装置お
よび分析装置のそれぞれの装置座標により試料の形状に
基づいた仮座標系を定め、その仮座標系上で一定距離に
ある試料外周上のサンプル点に基づき仮想座標系を設定
するものである。その結果、仮想座標系は試料に対して
一定となり、両装置間で座標系は統一され、両装置間で
の誤差が小さく、分析装置の視野内にパーティクル検査
装置で検出した微小異物を容易にセッティングすること
ができ、微小異物の表面形状、元素分析、化学構造、結
晶構造などの分析を簡単に行うことができる。
【0057】従来の座標系を採用しているパーティクル
検査装置により検出した微小異物を従来の座標系を採用
する分析装置によりさらに検査し、分析するため、分析
装置にウェハなどの試料を移して分析装置の視野内に前
記パーティクル検査装置により検出した微小異物を位置
合わせすることは、前述のように、非常に困難で長時間
を要する。本発明者らはパーティクル検査装置で検出し
た微小異物を分析装置でその視野内に容易に位置合わせ
をすることができるようにするため、鋭意検討を重ねた
結果、両装置間で位置ずれの生じる原因は、パーティク
ル検査装置で特定したウェハなどの試料上の微小異物の
位置座標と分析装置のある座標系で特定した試料上の微
小異物の位置座標とが一致しないことに起因することを
見出した。すなわち、試料のある点を目印として両装置
間で試料を同じようにセッティングしてそれぞれの装置
座標で位置合わせをしても誤差が大きくなり完全には一
致しない。この両装置間の位置座標を一致させるため、
本発明者らはさらに鋭意検討を重ねた結果、一致しない
原因が試料の外周の円形を基準としてその中心を求めて
も、試料の外周が完全な真円ではなく、測定するサンプ
ル点により中心座標が変ることにあることをつきとめ、
試料上の共通点(一定点)を基準にして求めた仮想座標
系でリンクさせることにより、両装置間の座標誤差を非
常に小さくすることができることを見出し本発明を完成
した。
【0058】試料外周の一定点を基準にして仮想座標系
を定めるばあい、たとえば半導体ウェハのようにオリフ
ラ部を有する円形の板状試料では、少なくともオリフラ
部に2点、円形部に3点のサンプル点を必要とするが、
一定の場所にサンプル点を定めることが難かしい。そこ
で本発明では任意の仮サンプル点により仮座標系を定
め、その仮座標系で一定の距離の点をサンプル点として
定め、そのサンプル点により再度仮想座標系(必ずしも
円の中心が原点にはならないが、常に一定点を基準にし
た定点が原点となる)を設定することにより、パーティ
クル検査装置と分析装置などの装置が変っても仮想座標
系は試料の定点に基づく一定の座標系で装置間の座標誤
差をほとんどなくすることができる。すなわち、仮座標
系では、たとえば円形部が完全な真円でなかったり、外
周部に歪みが生じていたりして真の中心でない点を原点
にしている可能性があるが、もともと半導体ウェハなど
はその外形が殆ど真円に近く、外周も研磨されているた
め、歪みは小さく、真の中心からのずれは±30μm程
度以下である。その点を基準にして一点距離のところに
サンプル点を定めているため、サンプル点の誤差は±3
0μm以下となり、それから求まる中心座標は真の円の
中心でなくてもその点を定点としてサンプル点を定めて
いるので、サンプル点の誤差に基づく座標系への影響は
殆どなく、定点としてのサンプル点を用いて円形の中心
座標およびオリフラの傾きを求めることにより中心座標
を原点とし、傾きをx軸もしくはy軸とする仮想座標系
は異なる分析装置においても一定となる。その理由は真
の中心からの中心座標のずれが異なる装置間で同じよう
にずれているため、それぞれの装置の中心座標の相対的
な位置に対するずれがほとんどなくなることによる。
【0059】[実施例1]前述のように、パーティクル
検査装置とパーティクル検査装置でない分析装置の装置
座標を高精度でリンクするには、それぞれの装置で採用
する装置座標を試料の外形上の一定点に基づく仮想座標
系で定義することが最も得策である。なぜなら、それぞ
れの装置において座標軸を決めるための試料であるウェ
ハ上の測定点であるサンプル点が異なると、ミクロ的に
は完全な円ではないウェハ外周上の基準点が変わり、座
標軸の原点が完全には一致しない。また、オリフラも完
全なフラット面が出ていないため、サンプル点が異なる
と傾きがずれる。そのため、両装置間で座標変換を行う
ときに誤差が発生する可能性が高くなることによる。
【0060】まず、異なる装置座標を効率的にリンクす
るのに有効である座標系の選択を行う。なお、もともと
大きさや形状が異なるウェハに対して、そのウェハ形状
を考慮することなく、ウェハ上の任意の位置に対して、
装置座標のみを適用することで一義的に位置座標を定義
することは極めて困難である。そのため、評価しようと
するウェハの形状を考慮することで、個々のウェハ上の
点を基準にして座標系を定め、その座標系を各装置のも
つ個々の装置座標により求めることで、ウェハ上の任意
の位置座標を絶対的に定義する。すなわち、個々のウェ
ハの一定点を考慮した仮想座標系を設定し、個々のウェ
ハ上の任意の位置座標を、各装置において定義するもの
である。つぎにその具体的な方法を図1のフローチャー
トを参照しながら説明する。
【0061】大きさやオリフラ長の異なるウェハに対し
て、パーティクル検査装置とパーティクル検査装置でな
い分析装置の装置座標を高精度でリンクさせるために、
下記の条件を満足させる仮想座標系の定義、設定を行
う。
【0062】(1)ウェハ上に定義される仮想座標系
が、ウェハの大きさやオリフラ長に依存しない。
【0063】(2)ウェハ上に定義される仮想座標系
が、ウェハのセッティング状態の影響を受けない。
【0064】上記の条件を満たす仮想座標系Faとして
は、ウェハのオリフラ方向をx軸とし、ウェハの外周か
ら定義される中心を原点Sとしたものが有効であること
が研究の結果明らかとなった。
【0065】ウェハのオリフラ方向をx軸とし、ウェハ
の外周から定義される中心を原点Sとしてウェハの外形
上の一定の点を基準とした仮想座標系Faを定義するこ
とで、装置座標のリンクを行ったときに生じる誤差要因
について検討した結果について整理する。
【0066】各装置の座標リンク時に生じる誤差要因と
して、以下のものがあげられる。
【0067】図4に示すようなウェハ外周部形状の微妙
な歪み(オリフラの歪み誤差e、eok、外周の歪み
誤差e、eck)に起因して、各装置ごとにウェハ端
のサンプル点が微妙にずれるため、歪み誤差eが生じ
る。なお、ウェハ外周部は、図4に見られるように研磨
面端(図4(a)の内側の線)とウェハ端がある。
【0068】以下、歪み誤差の性質を検討することで、
歪み誤差の影響を最小限にとどめる方法について研究し
た結果について示す。
【0069】ウェハ外周部分は、図4に見られるような
研磨面端とウェハ端がある。これらの外周部分の微妙な
形状に依存した歪みe、eok、e、eckは、装
置座標のリンク時に生じる誤差要因となる。
【0070】一方、歪みの大きさは、ウェハ製造条件に
依存すると考えられ、研磨面端(eok、eck)とウ
ェハ端(e、e)で違いが出ると思われる。よっ
て、測定部分については、それぞれの歪みを計測し、調
査することで、その少ないものを選択することが適当で
あると考えられる。一方、一般的にパーティクル検査装
置では、光学的にウェハ端の観測を行うため、サンプル
点の位置を研磨面端にすることは極めて困難であった。
よって、サンプル点の位置は、パーティクル検査装置で
ない分析装置においてもウェハ端で行う必要があり、こ
のとき、最も座標リンク精度が向上することが、本発明
者らの検討の結果から明らかになった。
【0071】ウェハ外周部分のSEMによる観察を繰り
返した結果、歪みの変化はオリフラ部、外周部ともにそ
れほど急激でなかった。この検討結果より、比較的近い
位置での歪み量は無視できることがわかった。そのた
め、装置座標のリンクに用いるウェハ外周部分のサンプ
ル点の位置を、パーティクル検査装置でない分析装置、
パーティクル検査装置ともにほぼ同じ位置にすることに
より誤差を最小限に留めうることを見出した。これに
は、各ウェハごとにウェハ上に一義的に基準となる基準
点を決め、これを基準としたサンプル点の定義が必要で
あると考え、下記のような、基準点およびサンプル点の
定義方法を検討し、その結果それらが有効であることを
見出した(図5参照、なお、図5で外周の変形および仮
座標系の傾きを誇張して表わしてある)。
【0072】(a)最初にウェハnの外形測定を行い、
図2に示されるように、外周部上の任意の異なる仮サン
プル点3点(CPt1n、CPt2n、CPt3n)と
オリフラ部上の任意の異なる仮サンプル点2点(OP
t1n、OPt2n)を決め(図1のS1参照)、これ
らの仮サンプル点から大まかな仮のウェハの中心S
(ctn、dtn)とオリフラを含む軸の方程式(y
=atn・x+btn)を求める(図1のS2、図
2参照)このとき求まる仮のウェハの中心Sと真の中
心Sは、たとえウェハの外形がかなり変形していても
比較的近い位置となる(図5参照)。
【0073】(b)つぎに一義的に定義された中心点S
を基準点とすることにより、両装置間共通にそれぞれ
のサンプル点の位置を定め、これを基準としてウェハn
上に新たなサンプル点(CP1d、CP2d、C
3d、OP1d、OP2d)を測定・定義し(S3、
図5(b)参照)、円および直線の方程式に当てはめる
ことにより、両装置間共通のウェハの中心(c
)およびオリフラの傾きaが一義的に再現性よく
定義できる。このとき、図5(b)に示すように、仮中
心点を中心に一定角度をなす直線とウェハの外周上の円
形部と交わる3点、たとえば円周上の点をx軸から−3
0°、90°、210°の3点を選ぶことにより、また
オリフラとy軸の交点OPから一定の距離のところに
OP1d、OP2dを選ぶことにより、常に一定のとこ
ろをサンプル点とすることができる。
【0074】(c)この結果をもとに、各装置において
前記サンプル点(CP1d、CP2d、CP3d)によ
り円形の中心座標およびサンプル点(OP1d、OP2
d)を用いてオリフラの傾きを求め、それぞれ原点Sお
よび原点Sを通りかつオリフラの傾きaと同じ方向を
もつ軸をx軸(あるいはy軸)と決め、仮想座標系Fa
を定義することができる(S4参照)。図5(a)に、
外周部上の任意の異なる仮サンプル点3点(C
t1n、CPt2n、CPt3n)とオリフラ部上の
任意の異なるサンプル点2点(OPt1n、O
t2n)と、定義した新たなサンプル点(CP1n
CP2n、CP3n、OP1n、OP2n)の位置関係
を示す。この仮想座標系と装置座標との相関関数を求め
相互にリンクさせる(図1のS5参照)。
【0075】このようにして図3に示されるように、ウ
ェハの大きさが種々あっても一定の仮想座標系Fa(x
,y)が定まる。
【0076】この一連の操作は分析装置に設けられたコ
ンピュータにより処理される。また、前記実施例では円
の中心を原点とし、オリフラ方向をx軸方向としたが、
原点は別のところにしたり、オリフラ方向をx軸方向と
しなくてもy軸方向または他の方向に設定することもで
きる。要は試料上の定点を基準にして仮想座標系を設定
することに特徴がある。
【0077】また、さらに精度をあげるには、サンプル
点の数を多く定義することが有効であった。また、誤差
を少なくする近似手法としては、これらのサンプル点に
対して最小2乗法の適用が有効であった。そのため、傾
きaおよび中心(c,d)の算出には、最小2乗法の適
用を行った。すなわち、オリフラ部上の任意の異なる3
点以上のサンプル点を通る直線の方程式を最小2乗法を
用い求めることからオリフラの傾きを算出し、外周部上
の任意の異なる4点以上の新たなサンプル点を通る円の
方程式もしくは楕円の方程式を最小2乗法を用いて求め
ることからウェハの中心Sを算出する方法である。
【0078】さらに前記実施例では半導体素子用のシリ
コンウェハの例で説明したが、たとえば液晶表示素子用
の絶縁性透明基板などの矩形状で円弧部分がないばあい
には、矩形のうちの一辺を特定してその傾きを求め、他
の2辺の両端の座標を検出することによりその垂直2等
分線の交点の座標を基準とすることにより、前述と同様
に試料の特定形状に基づいた座標系を媒介として両装置
間の座標変換をすることができる。
【0079】サンプル点を選ぶばあいに角形の試料であ
れば、その角点をサンプル点として選ぶことにより常に
定点とできる。しかし、角点がアール状になっているば
あいには、辺上の任意の定点を基準にしてその辺の傾き
を求め、試料が直角四角形のばあいにはその2辺をx
軸、y軸とすることができる。
【0080】また、辺上のサンプル点により辺の傾きを
求めるばあいは、前述のオリフラ部のように、3点以上
のサンプル点を定めて最小2乗法により平均化すること
により一層測定精度が向上する。
【0081】[実施例2]図6は本発明の微小異物の観
察方法の一実施例において用いられる座標リンク機能つ
き金属顕微鏡の一例であるアクチュエータつき金属顕微
鏡の基本構成を示す説明図である。装置構成は従来のア
クチュエータつき金属顕微鏡の基本構成と同じである。
【0082】まず、Tencor社製パーティクル検査
装置、装置名(サーフスキャン6200)とアクチュエ
ータつき金属顕微鏡に対し、実施例1で示した手順に従
い、ウェハ上に仮想座標系Faを定義することで、前記
両装置間における装置座標のリンクを行い、発生するず
れ量について、格子状のパターンを刻んだウェハ複数枚
を用いて調査したところ、x−y座標表示において、原
点位置あるいは中心位置およびその中に定義できる任意
の点に対し概ね(±80μm、±80μm)のずれ量に
おさまることが判明し、かなりの改善効果があることが
わかった。
【0083】そこで半導体素子の製造で使われるシリコ
ンウェハ上に存在する0.2μmレベルの微小異物の観
察を試みた。その結果、金属顕微鏡の倍率400(接眼
レンズの倍率を20倍、対物レンズを20倍固定)にお
いても、微小異物を視野範囲におさめることができ、従
来できなかった0.2μmレベルの微小異物を確実に顕
微鏡観察ができるようになった(暗い点として観察され
た)。
【0084】[実施例3]本実施例では、分析装置とし
て、実施例2の金属顕微鏡3の代わりにたとえば、
(株)ニコンから販売されている装置名RCM8000
などに見られる従来の走査型レーザ顕微鏡に共通の座標
系を設定するための前述の手段が設けられたものを用い
たものである。そのため、他の構成は図6に示される構
成と全く同じであり、座標リンクの手段およびその方法
も実施例2と全く同じである。
【0085】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.2μmレベルの微小異物の
観察を試みた。測定にUV光を用い各異物7の観察を行
った結果、0.2μm径レベル以上の微小異物に対して
異物7の表面観察を行うことができ、0.2μm以下の
微小異物7について暗い点を見つけることができた。
【0086】本実施例は非破壊でかつ大気中において表
面観察できることに特徴があり、たとえば、半導体素子
または液晶表示素子の製造プロセスに使用するばあいに
は成膜工程以後の工程の異物分析にとくに効果的であ
る。
【0087】[実施例4]本実施例では、分析装置とし
て、実施例2の金属顕微鏡3の代わりに、たとえば日本
電子(株)から販売されている装置名、顕微赤外ユニッ
トIR−MAU110搭載JIR−5500などに見ら
れる従来の顕微FTIRを用いたもので、共通の座標系
を設定するための前述の手段が設けられていることなど
は同じである(なお、本装置には金属顕微鏡が搭載され
ている)。そのため、他の構成は図6に示される構成と
全く同じであり、座標リンクの方法も実施例4と全く同
じである。
【0088】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.2μm以上の微小異物の観
察を試みた。その結果、本実施例によれば、3μm以下
の異物からはS/Nの高いIRスペクトルがえられなか
った。しかし、3μm以上の異物7のうち、幾つかの異
物から有機物特有のIRスペクトルがえられ、その異物
の発生原因がレジスト除去の不具合に依存していること
が判明した。この分析は半導体素子または液晶表示素子
の製造プロセスでとくにレジスト塗布工程以後の工程に
用いることが有効である。
【0089】[実施例5]本実施例では、分析装置とし
て、実施例2の金属顕微鏡3の代わりにたとえば、
(株)日本分光から販売されている装置名、NR−18
00などに見られる従来の顕微ラマンを用いたもので、
仮想座標系を設定するための前述の手段が設けられてい
ることなどは同じである(なお、本装置には金属顕微鏡
が搭載されている)。そのため、他の構成は図6に示さ
れる構成と全く同じであり、座標リンクの方法も実施例
2と全く同じである。
【0090】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.2μm以上の異物の観察を
試みた。その結果、本実施例によれば、1μm以下の異
物からはS/Nの高いラマンスペクトルがえられなかっ
た。しかし、1μm以上の異物7のうち、幾つかの異物
から無機物特有のラマンスペクトルがえられ、その異物
の発生原因が成膜工程中に関連することが判明した。こ
の分析は半導体素子または液晶表示素子の製造プロセス
でとくに成膜、エッチング、洗浄などに関連する工程に
用いることが有効である。
【0091】[実施例6]本実施例では、分析装置とし
て、実施例4の金属顕微鏡3の代わりにたとえば、
(株)日本分光から販売されている装置名、25C型な
どに見られる従来のPLを用いたもので、仮想座標系を
設定するための前述の手段が設けられていることなどは
同じである(なお、本装置には金属顕微鏡が搭載されて
いる)。そのため、他の構成は図6に示される構成と全
く同じであり、座標リンクの方法も実施例2と全く同じ
で、0.2μmまでの微小異物のセッティングをするこ
とができた。
【0092】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.2μm以上の微小異物の観
察を試みた。その結果、本実施例によれば、3μm以下
の異物からはS/Nの高い蛍光スペクトルがえられなか
った。しかし3μm以上の異物7のうち、幾つかの異物
から無機物および結晶性特有の蛍光スペクトルがえら
れ、その異物の発生原因が成膜、エッチング、熱処理に
関連することが判明した。この分析は半導体素子または
液晶表示素子の製造プロセスでとくに成膜、エッチン
グ、熱処理に関連する工程に用いることが有効である。
【0093】[実施例7]本実施例では、分析装置とし
て、実施例2の金属顕微鏡3の代わりにたとえば、
(株)日立製作所から販売されている装置名、F−20
00などに見られる従来の分光蛍光光度計を用いたもの
で、仮想座標系を設定するための前述の手段が設けられ
ていることなどは同じである(なお、本装置には金属顕
微鏡が搭載されている)。そのため、他の構成は図6に
示される構成と全く同じであり、座標リンクの方法も実
施例4と全く同じである。
【0094】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.2μm以上の微小異物の観
察を試みた。その結果、本実施例によれば、2μm以下
の異物では蛍光スペクトルがえられなかったが、2μm
以上の幾つかの異物からはS/Nの高い蛍光スペクトル
がえられなかった。しかし2μm以上の異物7のうち、
幾つかの無機物特有の蛍光スペクトルがえられ、その異
物の発生原因が成膜、エッチング、洗浄に関連すること
が判明した。この分析は半導体素子または液晶表示素子
の製造プロセスでとくに成膜、エッチング、洗浄などに
関連する工程に用いることが有効である。
【0095】[実施例8]図7は本発明の微小異物の分
析方法の他の実施例の基本構成を示す説明図である。本
実施例と実施例4との違いは、図6において用いた金属
顕微鏡3の代わりにたとえば、(株)日立製作所から販
売されている測長SEMなど装置名、S−7000を用
いたもので、仮想座標系を設定するための前述の手段が
設けられていることなどは同じである(なお、用いるx
−yステージは実施例2と異なる)。
【0096】本実施例では分析装置が図7に示されるよ
うに、シリコンウェハ2に走査電子線50を当てるため
の電子銃と電子レンズを備えた電子銃ユニット43とシ
リコンウェハ2より発生する2次電子を電気信号に変え
るための2次電子検出器44とからなっており、2次電
子検出器44でえられた信号は電気信号を増幅し、制御
するための増幅・制御ユニット45に送られ2次電子像
を出力するCRT46により表示される。41はこれら
を真空に保つためのチャンバーで、排気口42を介し
て、真空排気され、真空に保たれる。この測長SEMを
用いて実施例4と全く同じ手順でシリコンウェハ2上に
存在する微小異物7の検査を行える。すなわち実施例1
に示した手順に従い測長SEMのステージ上にウェハの
ステージ上に仮想座標系Faを定義するものである。
【0097】実施例2と同様に、座標リンクにより発生
するずれ量について、格子状のパターンを刻んだウェハ
複数枚を用いて調査したところ、x−y座標表示におい
て、原点位置あるいは中心位置およびその中に定義でき
る任意の点に対し概ね(±35μm、±35μm)のず
れ量におさまることが判明し、かなりの改善効果がある
ことがわかった。
【0098】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.1μmレベルの微小異物の
観察を試みた。本実施例によれば、微小異物7に対して
容易にSEMの視野内(倍率3000倍)で異物を見つ
けることができ、鮮明なSEM像をえることができた。
微小異物7は出っ張っているもの、あるいはへこんでい
るものなど種々あり、その形状を把握することができ
た。本実施例における分析は半導体素子または液晶表示
素子の製造プロセスでとくに成膜、エッチング、洗浄、
露光、イオン注入、拡散、熱処理の各工程などすべての
工程に有効である。
【0099】[実施例9]図8は本発明の微小異物の分
析方法の他の実施例の基本構成を示す説明図である。本
実施例では、実施例8のSEMを用いたものに、さらに
X線検出器47、X線検出器47よりもたらされた電気
信号を増幅・制御するための増幅・制御ユニット48、
X線出力を表示するCRT49が付加されたものであ
る。これによってEPMAが形成されるが、他の部品の
構成は実施例8と全て同じであり、ウェハ上に仮想座標
系を設定するための手段が設けられるなどの座標リンク
の方法も実施例8と全く同じである。本実施例を用い
て、実施例8と全く同じ手順で、同じシリコンウェハ2
の表面に存在する微小異物7の検査を行った結果、出っ
張っている微小異物7について元素分析を行うことがで
きた。微小異物7は、W、Cu、Fe、C、S、O、C
lの化合物などであることがわかった。しかし、0.3
μm以下の微小異物7については、詳細な元素分析を行
うには、かなりの検出時間が必要であった。
【0100】本実施例における分析は半導体素子または
液晶表示素子の製造プロセスでとくに成膜、エッチン
グ、洗浄、露光、イオン注入、拡散、熱処理の各工程な
どすべての工程に有効である。
【0101】[実施例10]本実施例では分析装置とし
て、実施例9のEPMAの代わりにAESを用いたもの
で、他の構成は図8に示される構成と全く同じであり、
仮想座標系を設定するための手段およびその操作方法も
実施例8と同じである。AESとしては、たとえばパー
キンエルマー社製PHI−670などを用いることがで
きる。これにより前記各実施例と同様にシリコンウェハ
2の表面に存在する微小異物7の分析を行った結果、出
っ張っている微小異物7について元素分析を行うことが
できた。微小異物7の組成が、W、Cu、Fe、C、
S、O、Clの化合物の区別をすることができ、発塵源
の特定とその対策をすることができた。本実施例による
分析は半導体素子または液晶表示素子の製造プロセスで
とくに成膜、エッチング、洗浄、露光、イオン注入、拡
散、熱処理の各工程などすべての工程に有効である。
【0102】[実施例11]本実施例では分析装置とし
て、実施例9のEPMAの代わりにEELSを用いたも
ので、他の構成は図8に示される構成と全く同じであ
り、仮想座標系を設定するための手段およびその操作方
法も実施例8と同じである。EELSとしては、たとえ
ばパーキンエルマー社製PHI−660などを用いるこ
とができる。これにより前記各実施例と同様にシリコン
ウェハ2の表面に存在する微小異物7の検査を行った結
果、出っ張っている微小異物7について化合物分析を行
うことができ、微小異物7の化学結合状態が明らかとな
り、発塵源の特定とその対策をすることができた。本実
施例による分析は半導体素子または液晶表示素子の製造
プロセスでとくに成膜、エッチング、露光の各工程に有
効である。
【0103】[実施例12]図9は本発明の微小異物の
分析方法の他の実施例のRHEEDの基本構成を示す説
明図である。本実施例は、実施例8で用いた電子銃ユニ
ット43をシリコンウェハ2に対する2次電子検出器4
4の傾きとほぼ同じ角度に傾けることで、シリコンウェ
ハ2の表面すれすれに電子線50が当たるような位置に
設置したこと、また、2次電子検出器44の代わりにシ
リコンウェハ2の表面で回析した電子線による回折スポ
ットをうるためのCCDカメラ57を取りつけた点で実
施例8と異なり、他は同じである。
【0104】これを前記各実施例と同様にシリコンウェ
ハ2の表面に存在する微小異物7の検査を行った結果、
微小異物7の幾つかについて回折スポットをうることが
でき、これらが結晶性物質であることがわかり、たとえ
ばウィスカーなどの結晶性物質であるばあいにその抑制
を施すことができた。本実施例による分析は半導体素子
または液晶表示素子の製造プロセスでとくに成膜、熱処
理工程の後に用いると、結晶の異常成長の抑制効果およ
びその条件選択のため有効である。
【0105】[実施例13]本実施例では分析装置とし
て、実施例9のEPMAの代わりにSIMSすなわち実
施例8の電子銃ユニット43をイオン銃とコンデンサ−
レンズを備えたイオン銃ユニットとし、シリコンウェハ
2の表面に電子銃50の代わりに走査イオンビームを照
射すること、また2次電子検出器44の代わりにシリコ
ンウェハ2の表面で発生した2次イオンを分離検出する
ために、二重収束型質量分析計あるいは四重極質量分析
計などを用いた質量分析ユニットを用いたもので、他の
構成は図6で示されるものと全く同じ物であり、仮想座
標系の設定手段およびその操作方法なども実施例9と同
様である。
【0106】SIMSとしては、たとえばCAMECA
製IMS−5Fなどを用いることができる。
【0107】これを前記各実施例と同様にシリコンウェ
ハ2の表面に存在する微小異物7の検査を行った結果、
出っ張っている微小異物7について組成分析を行うこと
ができ、微小異物の発生原因が判明し、また異物からの
金属の拡散による電気特性劣化による歩留り低下に影響
するということが判明した。この分析は半導体素子また
は液晶表示素子の製造プロセスでとくに成膜、エッチン
グ、洗浄、熱処理の各工程に用いることが有効である。
【0108】[実施例14]本実施例は前記実施例13
のSIMSの代わりにTOF−SIMSを使用し、二重
収束型質量分析計あるいは四重極質量分析計などの質量
分析ユニットの代わりに飛行時間型の質量分析計を用い
た質量分析ユニットを用いているもので、他の構成は図
6で示されるものと全く同じ物であり、仮想座標系の設
定手段およびその方法なども実施例9と同様である。
【0109】本実施例によれば、各異物からのフラグメ
ントを解析することにより異物の化学構造の解析を行う
ことができるが、実施例15と異なり、異物の最表面に
存在する高分子量の物質分析を行える効果がある。従っ
て有機物などを含む異物を分析するのにとくに有効であ
る。
【0110】[実施例15]本実施例は前記実施例13
のSIMSの代わりにPIXEを使用するもので、実施
例13の構成にさらにX線検出器、X線検出器よりもた
らされた電気信号を増幅・制御するための増幅・制御ユ
ニット、およびX線像を出力するCRTが付加されてP
IXE装置を構成している。
【0111】本実施例によれば、各異物の組成分析を行
うことができるが、とくに高感度、高精度の元素分析に
適している。従って0.1μm以下の超微粒子である異
物を分析するのにとくに有効である。
【0112】[実施例16]本実施例では分析装置とし
て、実施例8のX線検出器の代わりにFIBすなわち実
施例8の電子銃ユニット43をイオン銃とコンデンサ−
レンズを備えたイオン銃ユニットとし、シリコンウェハ
2の表面に電子銃50の代わりに走査イオンビームを照
射することにより、不要な異物を取り除く加工をするこ
とができるFIBとしたものである。その他の構成は図
7で示されるものと全く同じ物であり、仮想座標系の設
定手段およびその方法なども実施例8と同様である。
【0113】本実施例によれば、微小異物を観察すると
ともに、不要な異物を取り除くことができ、直ちに修復
できるという効果がある。従って異物に基づく不具合の
修繕による歩留りの向上にとくに有効である。
【0114】[実施例17]本実施例は実施例9の電子
銃ユニット43の代わりにAlKαやMgKαなどの軟
X線を用いたXPSにしたもので、その他の構成は図8
で示されるものと全く同じ物であり、仮想座標系の設定
手段なども実施例9と同様である。
【0115】本実施例によれば、出っ張っている微小異
物7について化学結合を行うことができ、本実施例では
とくに軟X線ビームを使用するため、とくに試料へのダ
メージが少ないという効果がある。従って破壊すること
無く異物の最表面から数十Å程度の深さの分析を行うの
にとくに有効である。
【0116】[実施例18]本実施例は実施例9の電子
銃ユニット43の代わりに高圧水銀灯から発生する紫外
線をビーム状にする紫外線ビームを用いたUPSにした
もので、その他の構成は図8で示されるものと全く同じ
物であり、仮想座標系の設定手段やその方法なども実施
例9と同様である。
【0117】本実施例によっても、出っ張っている微小
異物7について組成分析を行うことができ、本実施例で
はとくに紫外線ビームを使用するためとくに試料へのダ
メージが少ないという効果がある。従って破壊すること
なく異物の最表面から数十Å程度の深さの組成分析を行
うのにとくに有効である。
【0118】[実施例19]本実施例では、分析装置と
して、実施例2の金属顕微鏡3の代わりにたとえば、セ
イコー電子工業(株)製プローブ顕微鏡SPA350
(探針としてAFMプローブを用いた)を用いたもので
ある。そのため、他の構成は図6に示される構成と全く
同じであり、仮想座標系の設定手段およびその方法も実
施例2と全く同じである。本実施例は大気中において表
面観察できることに特徴がある。
【0119】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.1μmレベルの異物の観察
を試みた。本実施例によれば、微小異物7に対して容易
にAFMの走査範囲内(スキャン範囲80μm)で異物
を見つけることができ、鮮明なAFM像をうることがで
きた。微小異物7は出っ張っているもの、あるいはへこ
んでいるものなど種々あり、その形状を把握することが
できた。本実施例における分析は半導体素子または液晶
表示素子の製造プロセスでとくに成膜、エッチング、洗
浄、露光、イオン注入、拡散、熱処理工程などすべての
工程に有効である。
【0120】[実施例20]本実施例では、分析装置と
して、実施例2の金属顕微鏡3の代わりにたとえば、セ
イコー電子工業(株)製プローブ顕微鏡SPA350
(探針としてSTMプローブを用いた)を用いたもので
ある。そのため、他の構成は図6に示される構成と全く
同じであり、仮想座標系の設定手段およびその方法も実
施例2と全く同じである。本実施例は大気中において表
面観察できることに特徴がある。
【0121】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.1μmレベルの異物の観察
を試みた。本実施例によれば、異物7に対して容易にS
TMの走査範囲内(スキャン範囲80μm)で異物を見
つけることができ、鮮明なSTM像をうることができ
た。微小異物7は出っ張っているもの、あるいはへこん
でいるものなど種々あり、その形状を把握することがで
きた、本実施例における分析は半導体素子または液晶表
示素子の製造プロセスでとくに成膜、エッチング、洗
浄、露光、イオン注入、拡散、熱処理工程などすべての
工程に有効である。
【0122】[実施例21]本実施例では、分析装置と
して、実施例2の金属顕微鏡3の代わりにたとえば、セ
イコー電子工業(株)製プローブ顕微鏡SPA350
(探針としてMFMプローブを用いた)を用いたもので
ある。そのため、他の構成は図6に示される構成と全く
同じであり、仮想座標系の設定手段およびその方法も実
施例2と全く同じである。本実施例は大気中において表
面観察できることに特徴がある。
【0123】そこで、半導体素子の製造で使われるシリ
コンウェハ上に存在する0.1μmレベルの異物の観察
を試みた。本実施例によれば、微小異物7に対して容易
にMFM走査範囲内(スキャン範囲80μm)で異物を
見つけることができ、鮮明なMFM像をうることがで
き、異物の発生原因が判明した。本実施例における分析
は半導体素子または液晶表示素子の製造プロセスでとく
に成膜、イオン注入の工程に有効である。
【0124】[比較例1]Tencor社製・パーティ
クル検査装置、装置名;サーフスキャン6200と
(株)日立製作所製・測長SEM、装置名;S−700
0を用い、そのまま前記両装置間における装置座標のリ
ンクを行い、発生するずれ量について、原器ウェハ複数
枚を用いて調査したところ、x−y座標表示において、
原点位置あるいは中心位置およびその中に定義できる任
意の点に対し概ね(±150μm、±150μm)のず
れ量があることが判明した。
【0125】
【発明の効果】以上説明したとおり、本実施例の分析方
法によれば、パーティクル検査装置の装置座標と分析装
置の装置座標とを試料の外形形状に基づく仮座標系を介
在させて試料の外周上の一定の位置にサンプル点を定
め、該サンプル点により仮想座標系を定めてリンクさせ
ているため、従来のパーティクル検査装置の装置座標と
分析装置の装置座標をリンクさせるときに生ずるずれを
激減させることができる。その結果、パーティクル検査
装置により検出した微小異物の場所を両装置の装置座標
をそれぞれ操作することにより分析装置の視野内に簡単
に確実にセッティングすることができる。
【0126】したがって、広い面積の試料の中で従来困
難であった微小異物に対しても高倍率にすることで検出
を可能とし、かつ、分析装置の視野内に微小異物をセッ
ティングすることができるため、微小異物を簡単に検出
することができ、微小異物の存在する範囲のみに選択的
に表面観察、組成分析などをすることができるため、測
定時間を大幅に短縮し、早期に試料の品質評価を行うこ
とができる。
【0127】また、本発明の分析装置によれば、試料の
外周形状に基づく仮座標系を設定する手段、該仮座標系
により試料外周上の一定の場所にサンプル点を定め、該
サンプル点により仮想座標系を設定する手段および該仮
想座標系と装置座標との相関関数を求める手段とが設け
られているため、同様の一定の仮想座標系を基準にして
パーティクル検査装置および分析装置の装置座標が相互
にリンクされる。その結果、パーティクル検査装置で検
出された微小異物を分析装置の装置座標により短時間で
確実に分析装置の視野内にセッティングすることができ
る。
【0128】さらに、前述の各種分析装置の各々に前述
の試料の形状に基づく座標系を設定する手段が設けられ
ることにより、パーティクル検査装置により検出した微
小異物を分析装置の視野内に簡単にセッティングでき、
目的に応じた分析装置を利用することができ、微小異物
の表面形状、元素分析、化学構造、結晶構造などを分析
することができるとともに、表面加工をすることもでき
る。
【0129】また、半導体素子の製造プロセスや液晶表
示素子の製造プロセスに本発明の分析方法や分析装置を
適用することにより、微細パターンへの異物の影響を防
止することができ、歩留りおよび信頼性の向上した半導
体素子や液晶表示素子がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分析方法および分析装置で試料の形
状に基づく仮想座標系を設定し、装置座標間の相関関数
を求めるフローチャートである。
【図2】 仮座標系を設定する説明図である。
【図3】 仮想座標系を設定する説明図である。
【図4】 ウェハの周縁部の変形状態を誇張して示した
図である。
【図5】 仮座標系を設定する仮サンプル点と仮想座標
系を設定するサンプル点との関係を説明する図である。
【図6】 本発明の分析方法および分析装置の一実施例
で分析装置に金属顕微鏡を用いた構成を示す図である。
【図7】 本発明の分析方法および分析装置の一実施例
で分析装置に測長SEMを用いた構成を示す図である。
【図8】 本発明の分析方法および分析装置の一実施例
で分析装置にEPMAを用いた構成を示す図である。
【図9】 本発明の分析方法および分析装置の一実施例
で分析装置にRHEEDを用いた構成を示す図である。
【図10】 パーティクル検査装置でシリコンウェハ上
の異物について計測した結果の一例を示す。
【図11】 従来のパーティクル検査装置および分析装
置が採用する装置座標の定義例を示す図である。
【符号の説明】
1 ステージ、2 ウェハ(試料)、3 金属顕微鏡、
7 微小異物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−112145(JP,A) 特開 平4−62858(JP,A) 特開 平8−184423(JP,A) 特開 平6−162987(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 H01L 21/64 - 21/66

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーティクル検査装置において試料表面
    の微小異物の位置を求め、該試料を分析装置の座標ステ
    ージ上に移し、前記パーティクル検査装置で求められた
    微小異物の位置を分析装置の座標に入力して、該微小異
    物の内容を分析する微小異物の分析方法であって、前記
    パーティクル検査装置で採用する装置座標と前記分析装
    置で採用する装置座標とを前記試料の外周上の任意の仮
    サンプル点により仮座標系を定め、該仮座標系において
    一定の外周上の点をサンプル点とすることにより前記試
    料の外周上の定点を定め、その定点に基づく仮想座標系
    を用いてリンクすることを特徴とする微小異物の分析方
    法。
  2. 【請求項2】 前記試料がオリエンテーションフラット
    を有する円形のウェハであり、前記パーティクル検査装
    置および分析装置のそれぞれの装置座標を用いて前記ウ
    ェハの円形部分の少なくとも3点および前記オリエンテ
    ーションフラット部分の少なくとも2点を仮サンプル点
    として測定し、該測定された仮サンプル点の座標から前
    記試料の円形の仮中心座標およびオリエンテーションフ
    ラットの仮傾きを求め、該仮傾きの方向をx軸もしくは
    y軸として前記円形の中心座標を原点とするxy座標系
    を仮座標系とし、該仮座標系においてそれぞれが一定の
    点で円形部分の少なくとも3点および前記オリエンテー
    ションフラット部分の少なくとも2点をサンプル点とし
    て定め、該サンプル点の座標から前記試料の円形の中心
    座標およびオリエンテーションフラットの傾きを求め、
    該傾きの方向をx軸もしくはy軸として前記円形の中心
    座標を原点とするxy座標系を仮想座標系と定める請求
    1記載の分析方法。
  3. 【請求項3】 前記サンプル点を円形部分で4点以上、
    オリエンテーションフラット部分で3点以上選び、その
    測定座標から最小2乗法により前記円形の中心座標およ
    びオリエンテーションフラットの傾きを求める請求項
    記載の分析方法。
  4. 【請求項4】 前記ウェハが製造工程の途中における半
    導体素子もしくは該素子が形成されつつある半導体ウェ
    ハである請求項または記載の分析方法。
  5. 【請求項5】 前記試料が角形の基板であり、前記パー
    ティクル検査装置および分析装置のそれぞれの装置座標
    を用いて前記角形基板の角部をサンプル点として測定
    し、前記角形の特定の2辺の垂直2等分線の交点により
    えられる中心座標および特定の一辺の任意の2点により
    えられる仮傾きを求め、該仮傾きおよび前記中心座標に
    より仮座標系を定め、該仮座標系における前記特定の一
    辺の定点であるサンプル点により前記特定の一辺の傾き
    を求め、該傾きと前記中心座標により仮想座標系を定め
    る請求項1記載の分析方法。
  6. 【請求項6】 前記試料が角形の基板であり、前記パー
    ティクル検査装置および分析装置のそれぞれの装置座標
    を用いて前記角形基板の特定の2辺上の角部以外の任意
    の2点を仮サンプル点として測定し、それぞれの2点に
    より前記特定の2辺の仮傾きを求め、それぞれの該仮傾
    きの方向と接する直線をそれぞれ仮x軸、仮y軸としそ
    の交点を仮中心座標として仮座標系を定め、該仮座標系
    においてそれぞれが一定の点で少なくとも2点のサンプ
    ル点を前記特定の2辺上の各々に定め、該サンプル点の
    位置から前記2辺の傾きを求め、該傾きの方向と接する
    直線をそれぞれx軸、y軸として仮想座標系を定める請
    求項1記載の分析方法。
  7. 【請求項7】 前記特定の各辺上のサンプル点を3点以
    上定め、該3点以上の測定座標から最小2乗法により前
    記特定の辺の傾きを求める請求項または記載の分析
    方法。
  8. 【請求項8】 前記角形基板が製造工程の途中における
    液晶表示素子もしくは該素子が形成されつつある絶縁性
    透明基板である請求項または記載の分析方法。
  9. 【請求項9】 前記分析装置が金属顕微鏡、走査型電子
    顕微鏡、走査型レーザ顕微鏡、化学構造の分析を行う顕
    微赤外分光装置、顕微ラマン分光装置、蛍光分光分析を
    行うフォトルミネッセンス装置、表面微量元素分析を行
    う電子線プローブマイクロアナリシス装置、オージェ電
    子分光装置、電子エネルギー損失分光装置、2次イオン
    質量分析装置、飛行時間型質量分析装置、粒子線励起X
    線分光装置、結晶解析を行う高速反射電子線回折装置、
    表面加工を行う収束イオン分析装置、化学構造の分析を
    行うX線光電子分光装置、紫外線電子光分光装置、さら
    に走査型プローブ顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査型トン
    ネル顕微鏡および磁気力顕微鏡よりなる群から選ばれた
    少なくとも1種である請求項1、2、3、4、5、6、
    7または記載の分析方法。
  10. 【請求項10】 パーティクル検査装置において微小異
    物の位置が検出された試料がステージ上に載置され、前
    記微小異物を分析する分析装置であって、前記試料外
    上の仮サンプル点により仮座標系をめる手段と、該仮
    座標系により定めた前記試料の外周上の定点のサンプル
    点により仮想座標系を定める手段と、該仮想座標系と装
    置座標とのあいだの座標の変換をする座標変換手段とが
    付加されてなる微小異物の分析装置。
  11. 【請求項11】 試料上の微小異物を検出するパーティ
    クル検査装置であって、前記試料外周上の仮サンプル点
    により仮座標系をめる手段と、該仮座標系により定め
    た前記試料の外周上の定点のサンプル点により仮想座標
    系を定める手段と、該仮想座標系と装置座標とのあいだ
    の座標の変換をする座標変換手段とが付加されてなるパ
    ーティクル検査装置。
  12. 【請求項12】 前記分析装置が金属顕微鏡、走査型電
    子顕微鏡、走査型レーザ顕微鏡、化学構造の分析を行う
    顕微赤外分光装置、顕微ラマン分光装置、蛍光分光分析
    を行うフォトルミネッセンス装置、表面微量元素分析を
    行う電子線プローブマイクロアナリシス装置、オージェ
    電子分光装置、電子エネルギー損失分光装置、2次イオ
    ン質量分析装置、飛行時間型質量分析装置、粒子線励起
    X線分光装置、結晶解析を行う高速反射電子線回折装
    置、表面加工を行う収束イオン分析装置、化学構造の分
    析を行うX線光電子分光装置、紫外線電子光分光装置、
    さらに走査型プローブ顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査型
    トンネル顕微鏡および磁気力顕微鏡よりなる群から選ば
    れた少なくとも1種である請求項10または11記載の
    分析装置。
  13. 【請求項13】 少なくとも洗浄工程、成膜工程、露光
    工程、エッチング工程、イオン注入工程、拡散工程、熱
    処理工程を含む工程からなる半導体素子の製法であっ
    て、前記各工程の少なくとも1つの工程が検査工程を伴
    い、該検査工程のうちの少なくとも1つが請求項1記載
    の方法により微小異物の分析をするものである半導体素
    子の製法。
  14. 【請求項14】 少なくとも洗浄工程、成膜工程、露光
    工程、エッチング工程、イオン注入工程、拡散工程、熱
    処理工程を含む工程からなる半導体素子の製法であっ
    て、前記各工程の少なくとも1つの工程が検査工程を伴
    い、該検査工程のうちの少なくとも1つが請求項10
    載の分析装置を用いて微小異物の分析をするものである
    半導体装置の製法。
  15. 【請求項15】 絶縁性透明基板に少なくとも薄膜トラ
    ンジスタと画素電極とが設けられたTFT基板と、絶縁
    性透明基板に少なくとも対向電極が設けられた対向基板
    とを一定間隙を保持して周囲で貼着し、該間隙に液晶材
    料を注入する液晶表示素子の製法であって、前記TFT
    基板または対向基板の製造工程である洗浄工程、成膜工
    程、露光工程、エッチング工程、イオン注入工程、熱処
    理工程の少なくとも1つの工程が検査工程を伴い、該検
    査工程の少なくとも1つが請求項1記載の方法により微
    小異物の分析をするものである液晶表示素子の製法。
  16. 【請求項16】 絶縁性透明基板に少なくとも薄膜トラ
    ンジスタと画素電極とが設けられたTFT基板と、絶縁
    性透明基板に少なくとも対向電極が設けられた対向基板
    とを一定間隙を保持して周囲で貼着し、該間隙に液晶材
    料を注入する液晶表示素子の製法であって、前記TFT
    基板または対向基板の製造工程である洗浄工程、成膜工
    程、露光工程、エッチング工程、イオン注入工程、熱処
    理工程の少なくとも1つの工程が検査工程を伴い、該検
    査工程の少なくとも1つが請求項10記載の分析装置を
    用いて微小異物の分析をするものである液晶表示素子の
    製法。
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