JP3279240B2 - 回転検出装置 - Google Patents

回転検出装置

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JP3279240B2
JP3279240B2 JP35822397A JP35822397A JP3279240B2 JP 3279240 B2 JP3279240 B2 JP 3279240B2 JP 35822397 A JP35822397 A JP 35822397A JP 35822397 A JP35822397 A JP 35822397A JP 3279240 B2 JP3279240 B2 JP 3279240B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗素子(以
下、MREという)を用いて回転情報の検出を行う回転
検出装置に関し、特に車両におけるエンジン制御や車両
ブレーキにおけるABS制御に使用する回転検出装置に
適用すると好適である。
【0002】
【従来の技術】この回転検出装置は、ギアに向けてバイ
アス磁界を発生するバイアス磁石と、バイアス磁界の方
向の変化(磁気ベクトルの変化)に基づいて抵抗値を変
化させるMREとによって構成され、バイアス磁界の変
化に基づいてギアの回転情報を検出するものである。
【0003】従来、安定した検出感度が得られる回転検
出装置として、特開平7−333236号公報に示され
るものが提案されている。この従来公報に示される回転
装置を図6に示す。図6に示されるように、バイアス磁
石101は両端面が平面を成す円筒形状で構成されてお
り、両端面の一面側がN極、他面側がS極になるように
着磁されて、N極側の端面がギア102の歯に対向する
ように配置されている。MRE103は、バイアス磁石
101のうちN極に着磁された端面よりも中空部内側に
配され、バイアス磁石101に没入されるようになって
いる。このようにすることにより、バイアス磁石101
とMRE103との距離を適切な位置に配置し、回転検
出装置の検出感度が安定して得られるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】回転検出装置は、ギア
102の歯の「山」位置(凸形状の部分)と「谷」位置
(凹形状の部分)との「山」→「谷」、「谷」→「山」
の変化を1周期として、1周期に1パルスの波形を得る
ことによって、ギア102の歯が「山」位置にあるか
「谷」位置にあるかを検出するようになっている。
【0005】しかしながら、上記従来公報に示される回
転検出装置のように、バイアス磁石101内にMRE1
03を没入させた構成とすると、ギア102の回転に伴
う磁束の乱れによって1周期に2パルスの波形が出力さ
れてしまい、ギア102の歯の「山」位置と「谷」位置
が正確に検出できない場合があるという問題が生じた。
【0006】本発明は上記点に鑑みて成され、中空形状
のバイアス磁石内にMREを没入させる場合において、
良好な出力波形を得ることができる回転検出装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題に鑑みて、本発
明者らは以下に示す検討を行った。まず、円筒形状を成
すバイアス磁石101を用いた場合に磁気ベクトルがど
のような方向性を有しているかを考えてみる。円筒形状
をしたバイアス磁石101が放出する磁束は、N極から
放出されS極に向かって収束するようになっている。こ
の磁束は、円筒形状をなすバイアス磁石101の中空部
外を通ってN極からS極に行くものと、バイアス磁石1
01の中空部内を通ってN極からS極に行くものがあ
る。
【0008】このため、図7の矢印で示すように、バイ
アス磁石101のN極の着磁面を境界としてバイアス磁
石101の内外で磁束の方向がギア102の方を向くも
のとその反対の方を向くものに分かれて、磁気ベクトル
の正負が反転するようになっている。従って、MRE1
03をバイアス磁石101の内部に没入させる場合に
は、磁束がギアの反対方向に向く磁気ベクトルの変化に
基づいてギア102の回転方向を検出することになる。
【0009】しかしながら、ギア102の歯が「山」位
置にある場合と「谷」位置にある場合とでギア102か
ら着磁面までの間隔が変化するため、「山」位置にある
場合と「谷」位置にある場合とでバイアス磁界の磁束の
成分が変化し、磁気ベクトルが正負に反転する境界位置
が変化してしまう。このため、上述したように1周期に
2回のパルスをもつ波形が検出されてしまうと考えられ
る。
【0010】図8に、バイアス磁石101の着磁面から
MRE103までの距離を変化させた場合において、M
RE103が配置された場所の磁界強度を検出した結果
を示す。なお、ギア102の歯が「谷」位置にある場合
を実線で示してあり、「山」位置にある場合を点線で示
してある。また、この図に示す着磁面からMRE103
までの距離は、着磁面よりもギア102側(バイアス磁
石101の中空部外側)にMRE103が位置する場合
を正で表してあり、着磁面よりも中空部内側にMRE1
03が位置する場合を負で表してある。さらに、磁界強
度については、磁気ベクトルがギア102側に向く方を
正で示してあり、磁気ベクトルが中空部内側に向く方を
負で示してある。
【0011】この図に示されるように、磁界がプラスか
らマイナスに変化する点、つまり磁界強度が0〔mT〕
となる点はギア102の「山」と「谷」とでは異なり、
ギア102の「谷」が着磁面に対向する時にはほぼ着磁
面の位置となり、ギア102の「山」が着磁面に対向す
る場合にはバイアス磁石101の内部側に移動する。例
えば、着磁面とMRE103との間の距離が−0.5m
mの場合には、ギア102の歯の「山」位置と「谷」位
置とで磁界強度の正負が反転していることが判る。この
ような磁界強度の正負が反転する場所が磁束が乱れる臨
界点(図7の斜線部分)である。
【0012】このような臨界点にMRE103を配置し
た場合における磁気ベクトルの変化と、MRE103の
抵抗値変化について説明する。図9に、MRE103に
流れる電流iの向きに対して磁気ベクトルが成す角度
と、MRE103の抵抗値変化との関係を示す特性図を
示す。なお、参考のため、図9の特性図の下にMREに
対する磁気ベクトルの変化を示す模式図を示す。
【0013】バイアス磁石101の中心軸(磁気的中
心)に対してMRE103が例えば45度の角度で配置
されていた場合、磁気ベクトルが正の方向のみを向いて
いれば、磁気ベクトルの変化による振れ角は、MRE1
03に流れる電流の向きに対して45度の所を中心とし
て例えば±30度変化する。このような場合には、例え
ば1つのギア102の「山」から次のギア102の
「山」がMRE103に対向するようにギア102が回
転する1周期に1パルスの出力波形が得られ、上記問題
は発生しない。
【0014】しかしながら、磁気ベクトルの正負が反転
すると、磁気ベクトルの変化による振れ角も180度反
転するため、磁気ベクトルの変化による振れ角は、MR
E103に流れる電流の方向に対して135度、225
度をよぎるようになってしまう。このため、上述したよ
うに、1周期に2パルスの波形が出力されるのである。
【0015】従って、このような臨界点とは異なる場
所、つまり着磁面よりもギア102側の位置や、着磁面
とMRE103との間の距離が例えば−2.0mmの位
置にMRE103を配置することにより上記問題を解決
できるとも考えられる。しかしながら、これらの場所
は、検出感度を安定にするためにMRE103をバイア
ス磁石101内に没入させたい場合があるということ、
さらに検出感度を高めるためにはMRE103をできる
だけ着磁面の近傍に配置するほうがよいということから
好ましくない。
【0016】
【0017】
【0018】そこで、上記検討に基づき、本発明は以下
に示す技術的手段を採用する。請求項に記載の発明に
おいては、バイアス磁石(4)のうち、磁気抵抗素子
(1)を通る該磁気抵抗素子(1)がパターニングされ
た所定面に垂直な線と交差する部位には、着磁面の一部
を磁気抵抗素子(1)よりもギア(3)側に突出させる
凸部(4b)が形成されこの凸部(4b)に対して中
空形状の外壁面に沿った両側に位置する部位には、着磁
面の一部を磁気抵抗素子(1)よりもギア(3)から離
れた側に凹ませる凹部(4c)が形成され、さらに凸部
(4b)の両側には、着磁面の一部を凹部(4c)より
もギア(3)から離れた位置にする溝部(4d)が形成
されていることを特徴としている。
【0019】このように、バイアス磁石(4)のうち、
磁気抵抗素子(1)が配させる部位を凸部(4b)と
し、この凸部(4b)に対して中空形状の外壁面に沿っ
た両側に位置する部位を凹部(4c)とすれば、凹部
(4c)が放出する磁束によって凸部(4b)から放出
される磁束が引き下げられる。このため、請求項1と同
様の効果が得られる。なお、この場合には、磁束が乱れ
る臨界点は凹部(4c)が形成する着磁面近傍になるた
め、磁気抵抗素子(1)が凹部(4c)が形成する着磁
面よりもギア(3)側に配置されるようにすればよい。
【0020】また、凸部(4b)と凹部(4c)との間
に溝部(4d)を設けることによって、凸部(4b)の
両側における磁束をさらに引き下げることができるた
め、より臨界点をギア(3)から離れる側に引き下げる
ことができる。
【0021】請求項に記載の発明においては、凸部
(4b)はバイアス磁界の中空部(4a)を挟んで2つ
形成されており、磁気抵抗素子(1)はこの2つの凸部
(4b)の間に配置されていることを特徴としている。
このように、バイアス磁石(4)のうち磁気抵抗素子
(1)に対してギア(3)の回転軸線方向に位置する部
位の双方を凸部(4b)として、この2つの凸部(4
b)の間に磁気抵抗素子(1)を配置するようにすれ
ば、2つの凸部(4b)から放出される対称な磁束に基
づいて回転検出を行えるようにできる。
【0022】なお、請求項に示すように、磁気的中心
を挟んだ両側に凸部(4b)を設けるようにすれば、ギ
ア(3)の回転方向においてもバイアス磁石(4)の形
状を対称にできるため、バイアス磁石(4)が発生する
バイアス磁界をギア(3)の回転方向においても対称に
することができる
【0023】た、請求項に記載の変位検出装置によ
れば、被検出対象(3)に対向している着磁面は、被検
出対象(3)に近い第1着磁面(4b)と、この第1着
磁面(4b)よりも被検出対象(3)から離れている第
2着磁面(4c)と、第1着磁面(4b)と第2着磁面
(4c)との間に位置し第2着磁面(4c)よりもさら
に前記被検出対象(3)から離れた第3着磁面(4d)
を備えており、磁界変化検出手段(1)は被検出対象
(3)に近い第1着磁面(4b)の近傍に配置されてい
ることを特徴としている。
【0024】この構成において、磁界発生手段(4)の
中空部(4a)に現れる第2着磁面(4c)のエッジ部
から発生する磁界は被検出対象(3)の方向ではなく、
磁界発生手段(4)の中空部(4a)を横切る方向、或
いは中空部(4a)内部に向かう方向に放出される。こ
の中空部(4a)を横切る方向、或いは中空部(4a)
の内部に向かう方向に放出される磁界により、第1着磁
面(4b)側で生ずる磁界の乱れる臨界点は第1着磁面
(4b)の近傍から中空部(4a)の内側へ移動するこ
とになる。従って、磁界変化検出手段(1)が磁界発生
手段(4)の中空部(4a)の内部の第1着磁面(4
b)の近傍に位置していても臨界点が第1着磁面(4
b)近傍から離れるため、磁界変化検出手段(1)に作
用する磁界の乱れの影響が低減され、従来の問題点が解
決されることとなる。また、第1着磁面(4b)と第2
着磁面(4c)との間に第3着磁面(4d)を設けるこ
とにより、第2着磁面(4c)と第3着磁面(4d)と
によって段差部が形成され、この段差部のエッジ部から
放出される磁界が上記臨界点をより中空部(4a)の内
側、つまり磁界変化検出手段(1)から遠ざかる方向に
移動するようにすることができる。従って、磁界変化検
出手段(1)に対する臨界点の影響をさらに小さくする
ことができる。
【0025】また、請求項に記載の変位検出装置によ
れば、被検出対象(3)に対向している着磁面は、被検
出対象(3)に近い第1着磁面(4b)と、この第1着
磁面(4b)よりも被検出対象(3)から離れている第
2着磁面(4c)と、第1着磁面(4b)と第2着磁面
(4c)との間に位置し第2着磁面(4c)よりもさら
に前記被検出対象(3)から離れた第3着磁面(4d)
を備えており、これらの着磁面により凸形状を形成
し、磁界変化検出手段(1)は凸形状の形成される位置
に配置されていることを特徴としている。
【0026】この構成において、磁界発生手段(4)の
中空部(4a)に現れる第2着磁面(4c)のエッジ部
から発生する磁界は被検出対象(3)の方向ではなく、
磁界発生手段(4)の中空部(4a)を横切る方向、或
いは中空部(4a)の内部に向かう方向に放出される。
この中空部(4a)を横切る方向、或いは中空部(4
a)の内部に向かう方向に放出される磁界により、第1
着磁面(4b)のある凸部に生ずる磁界の乱れる臨界点
は第1着磁面(4b)の近傍から(凸部から)離れて中
空部(4a)の内側へ移動することになる。従って、磁
界変化検出手段(1)が磁界発生手段(4)の中空部
(4a)の内部の第1着磁面(4b)の近傍に位置して
いても臨界点が第1着磁面(4b)の近傍から離れるた
め、磁界変化検出手段(1)に作用する磁界の乱れの影
響が低減され、従来の問題点が解決されることとなる。
【0027】また、第1着磁面(4b)と第2着磁面
(4c)との間に第3着磁面(4d)を設けることによ
り、第2着磁面(4c)と第3着磁面(4d)とによっ
て段差部が形成され、この段差部のエッジ部から放出さ
れる磁界が上記臨界点をより中空部(4a)の内側、つ
まり磁界変化検出手段(1)から遠ざかる方向に移動す
るようにすることができる。従って、磁界変化検出手段
(1)に対する臨界点の影響をさらに小さくすることが
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1に、本発明を適用した一実施形
態における回転検出装置の模式図を示し、以下、図1に
基づき回転検出装置の構成について説明する。回転検出
装置は、MRE1を備えたモールド材2と、ギア3に対
してバイアス磁界を発生するバイアス磁石4によって構
成されている。
【0029】まず、モールド材2について説明する。モ
ールド材2には、表面(所定面)にMRE1がパターニ
ング形成されたICチップが内蔵されている。このIC
チップは、バイアス磁石4が発生するバイアス磁界の磁
気的中心(図中の2点鎖線)に対してMRE1が45度
の配置を成すようにモールディングされている。モール
ド材2は断面が長方形状の棒状に形成されており、MR
E1はこのモールド材2の先端位置に配置されている。
【0030】また、モールド材2のうちMRE1が配置
された端部の他端側には、MRE1と電気的に接続され
たリードフレーム5がモールド材2から突出するように
備えられている。このリードフレーム5を介してMRE
1に電流を流すことによって、回転検出装置の出力が得
られるようになっている。次に、バイアス磁石4につい
て説明する。図2(a)にバイアス磁石4の斜視図を示
し、図2(b)にバイアス磁石4の正面図を示す。これ
らの図に示すように、バイアス磁石4は中空形状の略円
筒形状をしている。バイアス磁石4の中空部4aは断面
長方形状を成しており、この中空部4a内にモールド材
2が嵌入されるようになっている。
【0031】バイアス磁石4の両端面はそれぞれN極と
S極に着磁されており、N極に着磁された端面がギア3
に面するように配置されている。そして、N極に着磁さ
れた端面を着磁面として、バイアス磁石4はギア3に向
けてバイアス磁界を発生するようになっている。このバ
イアス磁石4のうち着磁面側の端面は、部分的に突出さ
せた凸部4bと、この凸部4bよりも凹んだ凹部4c、
及び凸部4bの両側(凸部4bと凹部4cの間)に形成
された溝部4dによって構成されている。
【0032】凸部4bは、バイアス磁石4のうち、MR
E1を通るICチップの表面に垂直な線と交差する部位
(図1の図面に対して垂直な方向)に形成されている。
換言すれば、凸部4bは、ギア3に対する位置に回転
検出装置を配置したときに、MRE1に対してギア3の
回転軸方向に位置する部位に形成されている。そして、
このような凸部4bが、バイアス磁石4の中空部4aを
挟んで両側に1つづつ形成されている。
【0033】また、凸部4bからバイアス磁石4の外壁
面に沿った両側に位置する部位は凹部4cとなってお
り、ギア3に対する位置に回転検出装置を配置したと
きに、凸部4bよりもギア3から離れた位置に凹部4c
の着磁面が位置するようになっている。溝部4dは、凹
部4cよりもさらに着磁面をギア3から離れる方向に凹
ませたものであり、この溝部4dによって凹部4cと共
に実質的に2段階の凹部を有する構成となっている。
【0034】そして、このように構成されたバイアス磁
石4の中空部4a内にモールド材2が挿入固定されてい
る。MRE1は、バイアス磁石4に形成された2つの凸
部4bの間に、凸部4bが形成する着磁面よりもバイア
ス磁石4内側かつ凹部4cが形成する着磁面よりもギア
3側に位置するように配置されて、中空部4a内に没入
した状態となっている。
【0035】つまり、本実施形態におけるバイアス磁石
4は、従来の円筒形状のバイアス磁石4の着磁面に相当
する部分をMRE1が配置される箇所のみ残し、それ以
外の部分が凹部4cと溝部4dになるように2段階に掘
り下げた構成となっている。なお、着磁面を形成するバ
イアス磁石4の一端面のうち、ギア3の回転軸方向から
みて中空部4aと重ならない部位、つまり図1を紙面垂
直方向からみた時に中空部4aと重ならない部位に磁石
を固定するための突起(図示せず)を設ける場合がある
が、この突起はMRE1を配置する場所に形成されるも
のではなく、また磁束を引き下げる目的のものではない
ため、本実施形態に示す凸部4bとは役割が異なる。
【0036】次に、上記構成を有するバイアス磁石4に
ついて磁界強度を測定した結果を図3に示す。なお、測
定に用いたバイアス磁石4のディメンジョンを図2に示
す。これは、凸部4bが形成する着磁面(凸部4bの先
端)からMRE1までの距離を変化させた場合に、MR
E1が配置された場所の磁界強度を検出した結果であ
る。なお、ギア3の歯が「谷」位置にある場合を実線で
示し、「山」位置にある場合を点線で示してある。ま
た、この図に示す凸部4bの先端からMRE1までの距
離は、凸部4bが形成する着磁面よりもギア3側(バイ
アス磁石4の中空部4aの外側)にMRE1が位置する
場合を正で表してあり、凸部4bの先端よりも中空部4
a内側にMRE1が位置する場合を負で表してある。さ
らに、磁界強度については、磁気ベクトルがギア3側に
向くほうを正で示してあり、磁気ベクトルが中空部4a
の内側に向く方を負で示してある。
【0037】この図に示されているように、上述した構
造を有するバイアス磁石4を用いた場合、凸部4bの先
端からMRE1までの距離がある程度離れるまでバイア
ス磁界の磁界強度の正負が反転しない。この理由につい
て図4に基づいて説明する。この図は、ギア3の回転に
伴って変化する磁気ベクトルに基づいて磁束の乱れをシ
ミュレーションした結果であり、図中の斜線部分は磁界
強度の正負が反転する臨界点を示している。また、この
図中の矢印はバイアス磁石4が放出する磁束を示してい
る。
【0038】この図に示されるように、凸部4bの先端
近傍には臨界点がなく、着磁面よりもバイアス磁石4の
中空部4aの内側に臨界点があることが判る。これは、
着磁面となる端面を凸形状にすることにより、MRE1
が配されない領域を掘り下げて凹部4c及び溝部4dと
していることから、凹部4cや溝部4dの磁束によって
凸部4bにおける磁束もギア3から離れる方向に引き下
げられたためである。
【0039】すなわち、着磁面から放出された磁束の乱
れる箇所は、ギア3に飛ぶ成分とバイアス磁石4の他端
面(S極側)に飛ぶ成分との関係によって変わるが、バ
イアス磁石4のうち凹部4cや溝部4dが形成する着磁
面はギア3から遠くなるため、ギア3に飛ぶ成分の磁束
が減ると共にバイアス磁石4に飛ぶ成分の磁束が増え、
この部分における磁束がギア3から離れる方向に引き下
げられる。この磁束の引き下げに伴って凸部4bにおけ
る磁束もギア3から離れる方向に引き下げられ、磁束の
乱れる箇所が変わるのである。なお、バイアス磁石4の
飛ぶ成分の磁束が増えるのは、凹部4cによるエッジ部
4eと溝部4d及び凹部4cにより形成されるエッジ部
4fの作用が大きいと考えられる。
【0040】従って、着磁面近傍は磁束が乱れる臨界点
にはならず、磁気ベクトルはギア3歯が「山」位置にあ
る場合と「谷」位置にある場合、共に同様の向きとな
る。そして、磁束が乱れる臨界点となる箇所は、ほぼ凸
部4bのうち凹部4cと同等の位置の部分であるため、
凸部4bのうち凹部4cよりもギア3側にMRE1を配
置するようにすることによって、回転検出装置の出力波
形は磁束の乱れによる影響を受けないようにすることが
できる。
【0041】すなわち、このような配置においては、図
5のMRE1に流れる電流iの向きに対して磁気ベクト
ルが成す角度と、MRE1の抵抗値変化との関係を示す
特性図に表されるように、磁気ベクトルの変化による振
れ角は、MRE1に流れる電流の向きに対して45度を
中心として変化するため、1周期に1パルスの波形を出
力するようにできる。
【0042】従って、安定した検出感度が得られ、かつ
磁束の乱れによらず1周期に1パルスの波形を出力する
回転検出装置とすることができる。なお、本実施形態で
は、凸部4bと凹部4cとの間に溝部4dを設けること
によりバイアス磁石4を2段階に掘り下げた構成として
いるが、これは凸部4bの部分における磁束の引き下げ
をより効果的に行うためであり、溝部4dを形成しない
構成を採用しても磁束が乱れる箇所をギア3から離す方
向に引き下げられる。
【0043】また、本実施形態では凸部4bを2つ設
け、この2つの凸部4bの間にMRE1を配置するよう
になっているが、凸部4bを1つにしてもよい。さら
に、これら2つの凸部4bをバイアス磁界の磁気的中心
を挟んだ両側に形成しているが、磁気的中心からずれた
位置に形成してもよい。また、本実施形態では、回転検
出装置について説明したが、これに限られるものではな
く、例えば凹凸形状を有する被検出対象の変位を検出す
るものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における回転検出装置を示す模式図
である。
【図2】(a)はバイアス磁石4の斜視図、(b)はバ
イアス磁石4の正面図である。
【図3】バイアス磁石4についての磁界強度を検出した
結果を示す図である。
【図4】磁束が乱れる臨界点を説明するための図であ
る。
【図5】磁束の振れ角と、MRE1に流れる電流の向き
が成す角に対するMRE1の抵抗値変化を説明するため
の図である。
【図6】従来の回転検出装置を示す模式図である。
【図7】バイアス磁石が放出する磁束を説明するための
図である。
【図8】バイアス磁石についての磁界強度を検出した結
果を示す図である。
【図9】磁束の振れ角と、MRE1に流れる電流の向き
が成す角に対するMRE1の抵抗値変化を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1…MRE(磁気抵抗素子)、2…モールド材、3…ギ
ア、4…バイアス磁石、4a…中空部、4b…凸部、4
c…凹部、4d…溝部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−5647(JP,A) 特開 平8−320327(JP,A) 特開 平6−174490(JP,A) 特開 平4−232470(JP,A) 特開 昭58−15113(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/488 G01D 5/245

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空形状を成し、この中空形状の一端面
    を着磁面として、回転する歯車形状のギア(3)の歯に
    向かってバイアス磁界を発生するバイアス磁石(4)
    と、 所定面にパターニングされており、前記バイアス磁石
    (4)の中空部(4a)内に配置されて前記バイアス磁
    界の変化を検出する磁気抵抗素子(1)とを備え、 前記磁気抵抗素子(1)が発生する信号に基づき前記ギ
    ア(3)の回転状態を検出する回転検出装置であって、 前記バイアス磁石(4)のうち、前記磁気抵抗素子
    (1)を通る前記所定面に垂直な線と交差する部位に
    は、前記着磁面の一部を前記磁気抵抗素子(1)よりも
    前記ギア(3)側に突出させる凸部(4b)が形成さ
    、この凸部(4b)に対して前記中空形状の外壁面に
    沿った両側に位置する部位には、前記着磁面の一部を前
    記磁気抵抗素子(1)よりも前記ギア(3)から離れた
    側に凹ませる凹部(4c)が形成され、さらに前記凸部
    (4b)の両側には、前記着磁面の一部を前記凹部(4
    c)よりも前記ギア(3)から離れた位置にする溝部
    (4d)が形成されていることを特徴とする回転検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記凸部(4b)は、前記バイアス磁石
    (4)の中空部(4a)を挟んで2つ形成されており、
    前記磁気抵抗素子(1)はこの2つの凸部(4b)の間
    に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の
    転検出装置。
  3. 【請求項3】 前記凸部(4b)は、前記バイアス磁石
    (4)の磁気的中心を挟んで2つ形成されており、前記
    磁気抵抗素子(1)はこの2つの凸部(4b)の間に配
    置されていることを特徴とする請求項に記載の回転検
    出装置。
  4. 【請求項4】 2つの着磁面を貫通するように中空部
    (4a)が形成された磁界発生手段(4)と、 前記磁界発生手段(4)の中空部(4a)内に配置され
    た磁界変化検出手段(1)とを備え、 前記磁界変化検出手段(1)は、前記2つの着磁面のう
    ち一方の着磁面に対して対向配置され凹凸部を有して前
    記磁界発生手段(4)に対し可動的な被検出対 象(3)
    が前記着磁面に対して変位する際に前記凹凸部に発せら
    れる前記磁界発生手段(4)からのバイアス磁界の変化
    を検出するものであって、 前記磁界発生手段(4)の前記被検出対象(3)に対向
    する着磁面は、前記被検出対象(3)に近い第1着磁面
    (4b)と、この第1着磁面(4b)よりも前記被検出
    対象(3)から離れている第2着磁面(4c)と、前記
    第1着磁面(4b)と前記第2着磁面(4c)との間に
    位置し前記第2着磁面(4c)よりもさらに前記被検出
    対象(3)から離れた第3着磁面(4d)とを有し、前
    記磁界変化検出手段(1)は前記第1着磁面(4b)の
    近傍に配置されていることを特徴とする変位検出装置。
  5. 【請求項5】 2つの着磁面を貫通するように中空部
    (4a)が形成された磁界発生手段(4)と、 前記磁界発生手段(4)の中空部(4a)内に配置され
    た磁界変化検出手段(1)とを備え、 前記磁界変化検出手段(1)は、前記2つの着磁面のう
    ち一方の着磁面に対して対向配置され凹凸部を有して前
    記磁界発生手段(4)に対し可動的な被検出対象(3)
    が前記着磁面に対して変位する際に前記凹凸部に発せら
    れる前記磁界発生手段(4)からのバイアス磁界の変化
    を検出するものであって、 前記磁界発生手段(4)の前記被検出対象(3)に対向
    する着磁面は、前記被検出対象(3)に近い第1着磁面
    (4b)と、この第1着磁面(4b)よりも前記被検出
    対象(3)から離れている第2着磁面(4c)と、前記
    第1着磁面(4b)と前記第2着磁面(4c)との間に
    位置し前記第2着磁面(4c)よりもさらに前記被検出
    対象(3)から離れた第3着磁面(4d)とを有し、前
    記磁界発生手段(4)は前記第1着磁面(4b)と前記
    第2着磁面(4c)と前記第3着磁面(4d)によって
    前記被検出対象(3)に対向する側に凸形状部を構成す
    るものであり、前記磁界変化検出手段(1)は前記中空
    部(4a)のうち前記凸形状部が形成された領域に配置
    されていることを特徴とする変位検出装置。
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