JP3276494B2 - 溶融金属用試料採取装置 - Google Patents

溶融金属用試料採取装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属用試料採取装
置に関し、特定すると、キャリヤ本体を備える溶融金属
用試料採取装置であって、サンプルチャンバ（試料室）
とプレチャンバ（予備室）がキャリヤ本体の軸線に沿っ
て縦列的に配置されており、サンプルチャンバが流入開
口を介してプレチャンバに密封態様で連結され、プレチ
ャンバがキャリヤ本体を貫通する入口導管を有している
溶融金属用試料採取装置に関する。
【０００２】この種の試料採取装置は、例えばDE 30 00
201から周知である。この特許は、キャリヤ内にサンプ
ルチャンバが配置され、これが流入開口を介してプレチ
ャンバに連結されて成るキャリヤ本体を備える試料採取
装置を開示している。プレチャンバは、プレチャンバ
は、キャリヤ本体の側方限界面を貫通する溶融金属用入
口導管を有する。サンプルチャンバおよびプレチャンバ
は、キャリヤ本体内に固定された別個のハウジング部材
より成る。普通、これら部材は、部材をキャリヤ本体内
に摩擦ばめすることによって、あるいはそれらを接着剤
で接合することによって固定される。この際には、密封
を保証するため、個々の部品には高精密性が要求され
る。かくして、個々の試料採取装置部材の製造および組
立てには、相当の製造費用が必要とされる。
【０００３】類似の試料採取装置もGB 1,115,149から周
知である。この特許にあっては、サンプルチャンバおよ
びプレチャンバは、キャリヤ本体内に配置された共有の
横方向ケーシングを有する。二つのチャンバは、共有ケ
ーシング内に挿入されたセパレータにより相互に分離さ
れる。この形式の試料採取装置の場合、共有ケーシング
内のセパレータ部材の正確な位置付けが、所望の寸法の
サンプルチャンバを製造するために必要である。この配
置では、サンプルの引出し、すなわちサンプルチャンバ
をプレチャンバから取り外すのが厄介である。何故なら
ば、まず共有ケーシングが破壊されねばならないからで
ある。
【０００４】
【発明の課題】それゆえ、本発明の目的は、大きな製造
許容誤差をもってさえ容易かつ忠実に組み立てることが
でき、かつ試料採取後サンプルの容易な除去を可能にす
る試料採取装置を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、上述の
目的は、キャリヤ本体を備える溶融金属用試料採取装置
であって、キャリヤ本体内にサンプルチャンバおよびプ
レチャンバがキャリヤ本体の軸線に沿って縦列的に配置
されており、サンプルチャンバが流入開口を介してプレ
チャンバに密封態様で連結され、プレチャンバがキャリ
ヤ本体を貫通する入口導管を有するものにおいて、サン
プルチャンバが、サンプルチャンバを、プレチャンバに
対して軸線方向においてばね部材荷より保持することに
より達成される。この配置は、サンプルチャンバは、つ
ねにプレチャンバと零許容誤差接触状態にあることを保
証する。バネ圧力は、不可避的に起こる製造許容誤差を
補償する。プレチャンバに対するサンプルチャンバの正
確な位置付けは、バネにより保証されており、手動的に
行われることを要しない。それゆえ、サンプルチャンバ
の手動的整列の要はないから、組立は消費時間が少なく
てすむ。サンプルチャンバはキャリヤ本体に恒久的に取
りつけられていないから、サンプル採取後、サンプルを
試料採取装置から除去することは容易である。
【０００６】ばね部材はキャリヤ本体内に固定されたス
トップ部材に抗して支持されるのが有利である。これは
バネ部材の複雑でない取付けを保証する。何故ならば、
ストップ部材は、バネ部材がしっかりと座着するのを保
証するだけでなく、ほとんど任意の態様でしかも整列の
労苦なしに位置づけされ得ることを保証するからであ
る。しかしながら、バネ部材は、二つのチャンバがバネ
部材の加圧脚部間に配置されるように、互いに反対の側
からサンプルチャンバおよびプレチャンバを挟むことも
可能であろう。
【０００７】都合よくは、ストップ部材はバネ部材が中
心配置態様で保持される凹所を有しするのがよい。この
結果、バネ部材は、キャリヤ本体に挿入前にストップ部
材に取り付けることができ、組立を簡単化できる。バネ
部材は凹所中に挿入してもよいし、任意的に、前記凹所
に接合してもよい。この結果、バネは、組立中に、また
は組立後に、予定された位置に位置づけされる。
【０００８】都合よくは、サンプルチャンバがキャリヤ
本体の浸漬端部に配置され、ばね部材がサンプルチャン
バの浸漬端部に配置されるのがよい。これは、試料採取
後サンプルチャンバの除去を容易にする。何故ならば、
サンプルチャンバが試料採取装置の端部に配置されるか
らである。普通、ここに記述される試料採取装置は、溶
融金属を包含する容器中に上方から浸漬される。この浸
漬工程は自動的に行われることが多い。すなわち、試料
採取装置は、揚動および枢動装置に取り付けられる。試
料採取後、試料採取装置は、溶融金属を含む容器の領域
から側方に枢動され、放出され、一般に数メートル落下
する。衝撃の際、従来形式の試料採取装置の場合、この
時点ではなお非常に熱いサンプルチャンバに変形が生ぜ
しめられることがあり、その結果サンプルはもはや使用
できない。バネ部材が如上のように正面に配置される
と、これが衝撃の際一種のバッファとして働き、このバ
ッファが衝撃エネルギの一部を吸収し、それによりサン
プルチャンバ、したがってサンプルの破壊を防ぐ。プレ
チャンバ中に突出する石英管が流入開口内に配置される
のが有利であり、石英管は耐火性材料より成る賦型部材
によりサンプルチャンバ上に固定され、そして該賦型部
材は、プレチャンバのサンプルチャンバに面する側と接
触している。この賦型部材は、例えば、従来形式の鋳物
砂より構成し得る。都合よくは、賦型材料は、摩擦係合
態様で、例えば押し当てによりサンプルチャンバ上に固
定され、そして石英管は、耐熱性セメントによりキャリ
ヤ本体に固定される。一方、これは、サンプルチャンバ
がプレチャンバと密封接触状態にあることを保証し、賦
型部材それ自体は、プレチャンバの、サンプルチャンバ
に面する側の限界を形成し得る。他方、賦型部材は、溶
融金属がサンプルチャンバに入るための導管を形成する
石英管を保護する。サンプルチャンバとプレチャンバ間
に配された石英管は、サンプルを含むサンプルチャンバ
をサンプルとともにキャリヤ本体から容易に除去するこ
とを保証する。
【０００９】都合よくは、バネ部材は、螺旋ばね、特に
円筒状螺旋ばねより成るのがよい。これにより力の均一
な軸線方向伝達が可能になる。また、円錐形らせん状バ
ネや、ディスクスプリング、板ばね、スプリングワッシ
ャ、スプリングカラムのようなその他のばね部材を使用
することも可能であろう。
【００１０】キャリヤ本体内に固定されたストップ部材
に当接して保持される第２のばね部材を、プレチャンバ
の浸漬端部と反対の限界面に配置するのが有利である。
これはプレチャンバの整列を容易にする。組立中、プレ
チャンバは、入口導管のために設けられる開口の位置が
キャリヤ本体に位置づけられる入口導管に対する開口の
位置と一致するまで、キャリヤ本体中にばね部材に抗し
て押入され、そして例えばキャリヤ本体の開口をプレチ
ャンバの開口に適当に取り付けることにより固定でき
る。この取付け具は、入口導管として働く管より構成し
得る。プレチャンバの簡単な製造のために、浸漬端部と
反対の限界面は、カバープレートとして構成するのが有
利である。このカバープレートは、プレチャンバの側壁
に抗して密封態様で第２のばね部材により押圧される。
ばね部材の力は、都合よくは30N 〜100N、好ましくは約
60N がよい。この力で一般に十分である。他のより大き
な力も可能であるが、力が大きくなると、ばね部材に対
するストップ部材のより強い支持も必要である。
【００１１】浸漬端部に配置されるストップ部材は、普
通、センサ例えばサーモカップルおよび／または電気化
学的センサを受け入れる測定ヘッドとして構成し得る。
これは、試料採取と同時に溶融金属内の直接的測定を可
能にしよう。
【００１２】
【実施例】以下図面を参照して本発明を好ましい実施例
について詳述する。試料採取装置の浸漬端部を長手方向
断面で示す断面図である図１を参照して説明すると、試
料採取装置１は、互いに挿入された２つの板紙製の管よ
り成るキャリヤ本体１を有する。キャリヤ本体１は、そ
の浸漬端部が測定ヘッドで封止されており、そして該測
定ヘッドは外側にセンサ３を有する。測定ヘッドは、キ
ャリヤ本体１の内側において、ストップ部材４を有する
ものとして構成されており、そして該ストップ部材は、
その凹所に円筒状の螺旋形ばね５を有している。螺旋ば
ね５は、測定ヘッドと反対の端部にてサンプルチャンバ
６を押圧しており、そして該サンプルチャンバ６は、試
料採取装置の浸漬端部と反対の側に流入開口７を有して
いる。流入開口７上には、石英管８が配置されており、
そして該石英管８は、賦型部材９によりサンプルチャン
バ６に密封態様で取り付けられている。賦型部材９は、
サンプルチャンバ６上にその流入開口の領域において押
圧されており、そして石英管８は、耐火性セメントによ
り賦型部材９上に固定されている。ばね圧力下で、賦型
部材９は、プレチャンバ１０のサンプルチャンバ６に面
する側上に押圧され、プレチャンバ１０とサンプルチャ
ンバ６との間に外部から封止された接続を創る。
【００１３】組立中、プレチャンバ１０は、カバープレ
ート１２、すなわちプレチャンバ１０とキャリヤ本体１
に固定されたストップ部材との間に配置された第２のば
ね部材１１により移動可能に取り付けられる。プレチャ
ンバ１０は、キャリヤ本体１およびプレチャンバ１０の
側壁中を貫通する入口ダクト１４により適所に固定され
る。サンプルチャンバ６は、石英管８および賦型部材９
とともに、螺旋ばね９に関して移動可能状態に留まるか
ら、試料採取装置が試料採取後地上に落下するとき、サ
ンプルチャンバは螺旋ばね５により衝撃を緩和され、変
形を受けない。変形の危険は、特に、サンプルチャンバ
６が平坦なサンプルチャンバとして設計された場合にも
存在するであろう。この場合、平坦なサンプルチャンバ
は、サンプルの長手方向軸線に平行に分割できクランプ
１５により一緒に固定される２つの半体より成る。地上
への緩和された衝撃後、サンプルチャンバ６、したがっ
てそれとともにサンプルは、試料採取装置から破壊され
ずに取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の試料採取装置の浸漬端部を長手方向断
面で示す断面図である。
【符号の説明】
１ キャリヤ本体 ２ 測定ヘッド ３ センサ ４ ストップ部材 ５ 円筒状螺旋ばね ６ サンプルチャンバ ７ 流入開口 ８ 石英管 ９ 賦型部材 １０ プレチャンバ １１ 第２ばね部材 １２ カバープレート １３ ストップ部材 １４ 入口導管

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 サンプルチャンバないし試料室がキャリ
    ヤ本体の軸線に沿って縦列的に配置され、サンプルチャ
    ンバがプレチャンバに流入開口を介して密封態様で連結
    されており、プレチャンバがキャリヤ本体を貫通する入
    口導管を有すキャリヤ本体を備える溶融金属用試料採取
    装置あって、サンプルチャンバ（６）が、プレチャンバ
    （１０）に対して軸線方向においてばね部材（５）によ
    り保持されていることを特徴とする試料採取装置。
  2. 【請求項２】 前記ばね部材（５）がキャリヤ本体
    （１）に固定されたストップ部材（４）に抗して支持さ
    れている請求項１記載の試料採取装置。
  3. 【請求項３】 ストップ部材（４）が凹部を有し、ばね
    部材（５）がこの凹部に中心配置態様で保持されている
    請求項２記載の試料採取装置。
  4. 【請求項４】 サンプルチャンバ（６）が、キャリヤ本
    体（１）の浸漬端部に配置されており、ばね部材（５）
    がサンプルチャンバ（６）の浸漬端部に配置されている
    請求項２または３記載の試料採取装置。
  5. 【請求項５】 プレチャンバ（１０）中に突出する石英
    管（８）が流入開口（７）内に配置されており、石英管
    （８）が、耐熱性材料より成る賦型部材（９）によりサ
    ンプルチャンバ（６）上に固定され、賦型部材（９）
    が、プレチャンバ（１０）のサンプルチャンバ（６）に
    面する側と接触している請求項１〜４のいずれかに記載
    の試料採取装置。
  6. 【請求項６】 賦型部材（９）が、摩擦係合態様でサン
    プルチャンバ（６）と接触しており、石英管（８）が、
    耐熱性セメントにより賦型部材（９）に固定されている
    請求項５記載の試料採取装置。
  7. 【請求項７】 ばね部材（５）が螺旋形ばねより成る請
    求項１〜６のいずれかに記載の試料採取装置。
  8. 【請求項８】 ばね部材（５）が円筒状螺旋形ばねであ
    る請求項７記載の試料採取装置。
  9. 【請求項９】 キャリヤ本体（１）内に固定されるスト
    ップ部材（１３）に抗して保持される第２のばね部材
    （１１）が、チャンバ（１０）の浸漬端部と反対の限界
    面に配置されている請求項４〜８のいずれかに記載の試
    料採取装置。
  10. 【請求項１０】 浸漬端部と反対の限界面が、カバープ
    レート（１２）として構成される請求項９記載の試料採
    取装置。
  11. 【請求項１１】 ばね部材（５、１１）の力が30N 〜10
    0Nである請求項１〜１０のいずれかに記載の試料採取装
    置。
  12. 【請求項１２】 ばね部材（５、１１）の力が約60N で
    ある請求項１１記載の試料採取装置。
  13. 【請求項１３】 浸漬端部に配置されるストップ部材
    （４）がセンサ（３）を受容する測定ヘッド（２）とし
    て構成される請求項４〜１２のいずれかに記載の試料採
    取装置。
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