JP3275733B2 - 1,3−ジイソプロピルベンゼンの液相酸化方法 - Google Patents
1,3−ジイソプロピルベンゼンの液相酸化方法Info
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Description
ロピルベンゼン(以下、「MDC」と記す。)の液相酸
化方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、
MDCの液相酸化方法であって、副生する1,3−ジ−
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−ベンゼン(以下、
「DCA」と記す。)が系内の各所に析出することによ
り装置内部の閉塞や計装機器検出不良などの不都合を生
じ、長期の安定運転を困難にするという従来の技術の問
題点を解消したMDCの液相酸化方法に関するものであ
る。
に付すことにより1,3−ジ−(2−ヒドロペルオキシ
−2−プロピル)−ベンゼン(以下、「DHPO」と記
す。)に変換し、更にDHPOを酸分解反応に付すこと
によりレゾルシン及びアセトンを得る方法は公知であ
る。ここで、酸化反応液中にはDHPOの他、3−(2
−ヒドロキシ−2−プロピル)−1−(2−ヒドロペル
オキシ−2−プロピル)−ベンゼン(以下、「CHP
O」と記す。)、3−イソプロピル−1−(2−ヒドロ
ペルオキシ−2−プロピル)−ベンゼン(以下、「MH
PO」と記す。)、未反応MDC及び副生物DCAが含
有されている。該酸化反応液はアルカリ水溶液などを用
いた抽出に付され、DHPO及びCHPOを主として含
有する水層並びにMHPO、MDC及びDCAを主とし
て含有する油層が得られる。そして、該油層の一部は、
MHPO及びMDCを回収する目的で、循環オイルとし
て酸化反応工程にリサイクル供給されるのが通常であ
る。ところが、従来の技術によると、副生物であるDC
Aが系内の各所に析出し、装置内部の閉塞や計装機器検
出不良などの不都合を生じ、長期の安定運転を困難にす
るという問題点があった。
発明が解決しようとする課題は、MDCの液相酸化方法
であって、副生するDCAが系内の各所に析出すること
により装置内部の閉塞や計装機器検出不良などの不都合
を生じ、長期の安定運転を困難にするという従来の技術
の問題点を解消したMDCの液相酸化方法を提供する点
に存するものである。
Cの液相酸化方法であって、下記の工程を含み、かつ下
記循環オイル中のDCAの蓄積平衡濃度が4.2重量%
以下であるMDCの液相酸化方法に係るものである。 酸化工程:MDCを含有する酸化原料液を酸化反応に付
し、DHPO、CHPO、MHPO、未反応MDC及び
副生物DCAを含有する酸化反応液を得る工程 水溶液抽出工程:酸化反応液を水溶液を用いる抽出に付
し、DHPO、CHPO及びDCAを主として含有する
水層並びにMHPO、MDC及びDCAを主として含有
する油層を得る工程 リサイクル工程:水溶液抽出工程で得られた油層の少な
くとも一部を循環オイルとして前記酸化反応工程にリサ
イクル供給する工程
化原料液を酸化反応に付し、DHPO、CHPO、MH
PO、未反応MDC及び副生物DCAを含有する酸化反
応液を得る工程である。酸化原料液中には、主原料であ
るMHPO20〜60重量%、MDC10〜40重量%
の他、DHPO0〜5重量%、CHPO0〜10重量%
及びDCA0〜4.2重量%が通常含有される。酸化剤
としては、通常、空気又は純酸素が用いられる。通常の
反応条件としては、温度70〜110℃、圧力0〜1M
Pa(G)、滞留時間0〜50時間などをあげることが
できる。酸化工程に用いる装置としては、たとえば流通
式反応槽や反応塔などをあげることができる。
通常の濃度としては、DHPO3〜30重量%、CHP
O0〜10重量%、MHPO20〜60重量%、MDC
0〜35重量%及びDCA0〜4.2重量%をあげるこ
とができる。
用いる抽出に付し、DHPO、CHPO及びDCAを主
として含有する水層並びにMHPO、MDC及びDCA
を主として含有する油層を得る工程である。(水/油)
重量比は、通常0.2〜5である。水溶液としてはアル
カリ水溶液が好ましく、アルカリとしては水酸化ナトリ
ウムが好ましい。アルカリ水溶液中のアルカリ濃度は、
通常0.1〜30重量%である。通常の抽出条件として
は、温度0〜70℃、1〜10段の向流抽出をあげるこ
とができる。水溶液抽出工程に用いる装置としては、た
とえばミキサーセトラーや抽出塔などをあげることがで
きる。
れた油層の少なくとも一部を循環オイルとして前記酸化
反応工程にリサイクル供給する工程である。循環オイル
としては、水溶液抽出工程で得られた油層の一部又は全
部が用いられるが、通常は水溶液抽出工程で得られた油
層の90〜100%が用いられる。
ルのDCAの蓄積平衡濃度を4.2重量%以下、好まし
くは3.5重量%以下とする点に存する。ここで、蓄積
平衡濃度とは、系のスタート又はストップ時の非定常状
態を除外し、系が定常状態に達した状態のDCAの濃度
を意味する。該濃度が高過ぎる場合は、前記の本発明の
解決すべき課題を解決することができない。
下記の工程を有し、かつ下記式(1)を充足することが
好ましい。
れた水層をメチルイソブチルケトン(以下、「MIB
K」と記す。)を用いる抽出に付し、DHPO、CHP
O及びDCAを主として含有するMIBK層及び水層を
得る工程 A/B≧330 (1) A:上記水溶液抽出工程で用いる水溶液の単位時間あた
りの重量 B:系で発生するDCAの単位時間あたりの重量
比は、通常0.2〜10である。通常の抽出条件として
は、温度20〜80℃をあげることができる。MIBK
抽出工程に用いる装置としては、たとえばミキサーセト
ラーや抽出塔などをあげることができる。
く、更に好ましくは400以上である。A/Bを上記の
範囲とすることにより、循環オイル中のDCAの蓄積平
衡濃度を前記の本発明の範囲に確実に制御することがで
きる。なお、Bである系で発生するDCAの単位時間あ
たりの重量は酸化オイルやMIBK抽出オイルの重量と
分析値から求めることができる。
記の水溶液抽出工程で用いたアルカリなどの抽出剤成分
を含有しており、該水層を前記の水溶液抽出工程へリサ
イクルして再利用することにより、抽出剤成分の回収が
図れるとともに、排水処理の負担を軽減することができ
る。
O、CHPO、MHPO、未反応MDC及び副生物DC
Aを含有する酸化反応液を得る酸化工程、酸化反応液を
水溶液を用いる抽出に付し、DHPO、CHPO及びD
CAを主として含有する水層並びにMHPO、MDC及
びDCAを主として含有する油層を得る水抽出工程、水
溶液抽出工程で得られた油層の少なくとも一部を循環オ
イルとして前記酸化反応工程にリサイクル供給するリサ
イクル工程及び水溶液抽出工程で得られた水層をMIB
Kを用いる抽出に付し、DHPO、CHPO及びDCA
を主として含有するMIBK層及び水層を得るMIBK
抽出工程により、MDCの液相酸化方法を実施した。
MDC24重量%、DHPO0.3重量%、CHPO3
重量%及びDCA2.6重量%が含有されていた。酸化
剤としては空気を用い、反応条件としては、温度88
℃、圧力0.3MPa(G)、滞留時間10時間とし
た。酸化工程に用いる装置としては流通式反応槽を用い
た。
0.5とし、水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液
(濃度7重量%)を用いた。抽出条件としては、温度4
0℃とし、装置としてはミキサーセトラーを用いた。
れた油層の99.6%を用いた。
比は、0.6〜5であり、抽出条件としては、温度20
〜60℃とし、装置としては抽出塔を用いた。
6重量%であった。また、MIBK抽出工程におけるA
/Bの値は820であった。
不良などの不都合を生じることなく連続安定運転が可能
であった。
結果を表1に示した。
DCの液相酸化方法であって、副生するDCAが系内の
各所に析出することにより装置内部の閉塞や計装機器検
出不良などの不都合を生じ、長期の安定運転を困難にす
るという従来の技術の問題点を解消したMDCの液相酸
化方法を提供する点に存することができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 1,3−ジイソプロピルベンゼンの液相
酸化方法であって、下記の工程を含み、かつ下記循環オ
イル中の1,3−ジ−(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)−ベンゼンの蓄積平衡濃度が4.2重量%以下であ
る1,3−ジイソプロピルベンゼンの液相酸化方法。 酸化工程:1,3−ジイソプロピルベンゼンを含有する
酸化原料液を酸化反応に付し、1,3−ジ−(2−ヒド
ロペルオキシ−2−プロピル)−ベンゼン、3−(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)−1−(2−ヒドロペルオ
キシ−2−プロピル)−ベンゼン、3−イソプロピル−
1−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)−ベンゼ
ン、未反応1,3−ジイソプロピルベンゼン及び副生物
1,3−ジ−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−ベン
ゼンを含有する酸化反応液を得る工程 水溶液抽出工程:酸化反応液を水溶液を用いる抽出に付
し、1,3−ジ−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピ
ル)−ベンゼン、3−(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)−1−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)−
ベンゼン及び1,3−ジ−(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)−ベンゼンを主として含有する水層並びに3−イ
ソプロピル−1−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピ
ル)−ベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン及び
1,3−ジ−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−ベン
ゼンを主として含有する油層を得る工程 リサイクル工程:水溶液抽出工程で得られた油層の少な
くとも一部を循環オイルとして前記酸化反応工程にリサ
イクル供給する工程 - 【請求項2】 請求項1記載の各工程に加えて下記の工
程を有し、かつ下記式(1)を充足する請求項1記載の
製造方法。 MIBK抽出工程:水溶液抽出工程で得られた水層をメ
チルイソブチルケトンを用いる抽出に付し、1,3−ジ
−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)−ベンゼ
ン、3−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−1−(2
−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)−ベンゼン及び
1,3−ジ−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−ベン
ゼンを主として含有するメチルイソブチルケトン層及び
水層を得る工程 A/B≧330 (1) A:上記水溶液抽出工程で用いる水溶液の単位時間あた
りの重量 B:系で発生する1,3−ジ−(2−ヒドロキシ−2−
プロピル)−ベンゼンの単位時間あたりの重量 - 【請求項3】 水溶液抽出工程で用いる水溶液がアルカ
リ水溶液である請求項1記載の製造方法。
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