JP3275072B2 - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子

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JP3275072B2 JP30880597A JP30880597A JP3275072B2 JP 3275072 B2 JP3275072 B2 JP 3275072B2 JP 30880597 A JP30880597 A JP 30880597A JP 30880597 A JP30880597 A JP 30880597A JP 3275072 B2 JP3275072 B2 JP 3275072B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子に関
し、特に、ヘテロ接合を有し、その接合界面のキャリア
濃度を高めて高効率動作を実現した半導体素子の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波用スイッチとして用いられ
る半導体素子として、AlGaAs/GaAsヘテロ接
合トランジスタがある。従来のAlGaAs/GaAs
ヘテロ接合トランジスタは、SiドープしたGaAs層
と、ノンドープAlGaAs層とを積層して、ヘテロ接
合を形成し、SiドープしたGaAs層をチャンネル層
として利用するものである。また、従来のAlGaAs
/GaAsヘテロ接合トランジスタでは、Siドープし
たGaAs層と、ノンドープAlGaAs層との間に、
キャリア濃度を高めるために、ノンドープGaAs層
(スペーサ層)を挿入配置したものもある。
【0003】このような従来の半導体素子を低電源電圧
印加時に、低歪で、かつ低損失で動作させるためには、
半導体パラメータ、例えば、オン抵抗、高周波相互コン
ダクタンスGm、及び、ドレインコンダクタンス等の各
パラメータ、が、大電力印加時にも劣化しないことが必
要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体素子のオン抵抗
を低減する方法として、チャンネル幅を大きくするとい
う方法があるが、この方法は、図16に示すように、チ
ャンネル幅(ゲート幅)を4倍に増加させても、オン抵
抗を2/3程度にしか低減できず、また、ある程度以上
チャンネル幅を大きくしても、それ以上オン抵抗を低減
することはできないという問題点がある。これは、チャ
ンネル幅を大きくすると、ゲート・ソース間容量及びド
レイン・ソース間寄生容量が増大し、高い周波数に対し
ては、これらの容量の関与を無視することができなくな
り、入力インピーダンスが設計値(例えば、50Ω)か
らずれてしまい、反射損を生じるからである。
【0005】また、半導体素子のオン抵抗を低減する別
の方法として、チャンネル内のキャリア濃度を上げる方
法がある。しかしながら、この方法は、ドレイン耐圧の
低下を招くという問題点がある。これは、図17に示す
ように、チャンネル内のキャリア濃度が深さ方向に関し
て一定であると仮定して、Vpが所定の値となるよう
に、キャリア濃度を大きくしていくと、Ids/Wg及び
Gm/Wg(Ids:ドレイン・ソース電流、Gm:相互
コンダクタンス、Wg:ゲート幅)は改良されるが、そ
れにともなって、チャンネル厚さを薄くしなければなら
ないからである。
【0006】また、従来の半導体素子は、スレッショル
ド電圧近傍において、高周波Gmの直線性が劣化すると
いう問題点がある。この直線性の劣化は、例えば、半導
体素子が、送信側QPSK変調信号線路に挿入された場
合であって、大電力が印加されたときに、信号が歪み、
隣接チャンネル漏洩電力特性を劣化させてしまう。
【0007】さらにまた、従来の半導体素子では、スレ
ッショルド電圧近傍でのキャリアのチャンネル外への染
み出しによって、ドレインコンダクタンスが劣化し、こ
れを防ぐために、スペーサ層を薄くしようとすると、キ
ャリアの活性化率が低下するという問題点がある。
【0008】本発明は、チャンネル幅を大きくすること
なく、かつドレイン耐圧を低下させることなく、オン抵
抗の低減を図り、さらに、高周波Gmの直線性の改善、
及び、ドレインコンダクタンスの特性の改善を実現した
半導体素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1の
半導体物質からなる第1の半導体層と、前記第1の半導
体物質よりも電子親和力の大きい第2の半導体物質から
なる第2の半導体層とを積層したヘテロ接合を有し、前
記第2の半導体層に不純物を導入してチャンネル層とす
半導体素子において、前記第1の半導体層と、前記第
2の半導体層とを交互に積層して、前記第2の半導体層
を前記第1の半導体層で挟む量子井戸構造を複数形成
し、前記第2の半導体層の各々が、より表面側に位置す
る他の第2の半導体層よりも厚く、かつ、不純物濃度が
高くなるようにしたことを特徴とする半導体素子が得ら
れる。
【0010】ここで、前記第1の半導体層がノンドープ
層である。一方、前記第2の半導体層は、不純物ドープ
層と、該不純物ドープ層を挟むように配された2層のノ
ンドープ層とを有することが望ましく、前記第2の半導
体層の各々のノンドープ層及び不純物ドープ層が、より
表面側に位置する他の第2の半導体層のノンドープ層及
び不純物ドープ層よりも、所定の割合で層厚となるよう
にすることが望ましい。
【0011】また、前記第1の半導体物質は、例えば、
AlGaAsであり、前記第2の半導体物質は、例え
ば、GaAsである。
【0012】また、本発明によれば、第1の半導体物質
からなる第1の半導体層と、前記第1の半導体物質より
も電子親和力の大きい第2の半導体物質からなる第2の
半導体層とを積層したヘテロ接合を有し、前記第2の半
導体層をチャンネル層とするヘテロ接合トランジスタに
おいて、前記第2の半導体層として、不純物をドープし
たドープ層を不純物をドープしていない一対のノンドー
プ層で挟み込んだ3層構造の層を用いるとともに、前記
第2の半導体層を前記第1の半導体層で挟み込む量子井
戸構造を複数形成して積層し、前記第2の半導体層の各
々が、より表面側に位置する他の第2の半導体層よりも
厚く、かつ、前記不純物の濃度が高くなるようにするこ
とにより、ドレイン電流−ゲート電圧特性曲線が直線に
近付くようにしたことを特徴とするヘテロ接合トランジ
スタが得られる。
【0013】なお、前記第1の半導体層のうち、両側を
前記第2の半導体層に挟まれた前記第1の半導体層の層
厚を、前記ドレイン電流−ゲート電圧特性曲線がより直
線に近付くように調整するようにしても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0015】図1に本発明の半導体素子の一実施の形態
を示す。この半導体素子は、半絶縁性(S.I)GaA
s層(基板)11上に積層された、ノンドープGaAs
層12、ノンドープAlGaAs層13、第1のキャリ
ア供給層14、ノンドープAlGaAs層15、第2の
キャリア供給層16、ノンドープAlGaAs層17、
ノンドープGaAs層(キャップ層)18、及びSiド
ープGaAs層19を有している。
【0016】第1及び第2のキャリア供給層14、16
は、それぞれ、SiノンドープGaAs層20と、これ
を挟むように配された2層のノンドープGaAs層2
1、21を有している。また、第1のキャリア供給層1
4内のSiドープGaAs層20の層厚(図2のd2
は、第2のキャリア供給層16内のSiドープGaAs
層の層厚(図2のd1 )よりも厚くしてある。さらに、
第1のキャリア供給層14内のノンドープGaAs層2
1の層厚(図2のs3 及びs4 )は、第2のキャリア供
給層16内のノンドープGaAs層の層厚(図2のs1
及びs2 )よりも厚くしてある。なお、層厚s1 は層厚
2 と同じか、それよりも薄く、層厚s3は層厚s4
同じか、それよりも薄すくしてある。
【0017】この半導体素子では、SiドープGaAs
層19上に、ドレイン電極及びソース電極(いずれも図
示せず)が形成され、さらに、ノンドープAlGaAs
層17を露出させ、このノンドープAlGaAs層17
上にゲート電極(図示せず)がショットキー接合され
る。
【0018】図2に、図1の半導体素子のバンドダイヤ
グラムを示す。図2に示すように、第1及び第2のキャ
リア供給層14、16の各々は、GaAsよりも電子親
和力の小さいAlGaAs層(13と15、及び15と
17)によって挟まれるため、量子井戸を形成すること
になる。この量子井戸が、チャンネル層として利用され
る。また、第1のキャリア供給層14のSiドープGa
As層20は、第2のキャリア供給層16のSiドープ
GaAs層20より不純物濃度を高くしてある。
【0019】図3にスペーサ層の厚さとドープ量(キャ
リア濃度)及び電子移動度(活性化率)との関係を示
す。図3から明らかな様に、スペーサ層の厚さを薄くす
ると、キャリア濃度及び電子移動度は低下する。また、
ゲート電極とノンドープAlGaAs層17とのショッ
トキー界面から、離れたキャリア供給層ほど(表面から
深さ方向にいくほど)活性化率が低下し、スレッショル
ド電圧近傍での相互コンダクタンスGmの直線性を、低
電源電圧動作時に劣化させることになる。つまり、複数
のキャリア供給層を同じ厚さ、同じ不純物濃度で形成す
ると、図4に示すように、深い層の有効キャリア濃度が
低くなり、図5に示すように、スレッショルド電圧付近
でのGmの直線性が低下し、ピンチオフ特性が劣化す
る。この傾向は、電源電圧が低いほど顕著になる。そこ
で、本実施の形態では、上述したように、複数のキャリ
ア供給層を形成するSiドープGaAs層及びノンドー
プGaAs層の各層厚を深い位置に位置するものほど、
厚くし、かつ不純物濃度を高くしてある。
【0020】本実施の形態では、キャリア供給層の数
(量子井戸層)を2層にしてあるが、キャリア供給層の
数は、半導体素子として要求される特性(特にドレイン
電流−ゲート電圧特性)に応じて決定される。また、各
キャリア供給層の不純物濃度も半導体素子として要求さ
れる特性に応じて決定される。
【0021】以下に、キャリア供給層の数及びその不純
物濃度の決定方法について説明する。
【0022】まず、単一の理想的な量子井戸層について
考える。量子井戸層には、電子が閉じ込められるが、そ
れらの電子は、離散的なエネルギー値しか取ることがで
きないことが知られている。量子井戸内においてn番目
のエネルギー準位E(n) は、数式1で表される。数式1
から、エネルギー準位は井戸の幅(チャンネル厚)Lw
に依存することが分かる。
【0023】
【数1】
【0024】また、n番目のエネルギー準位に存在する
電子の数は、数式2で表される。
【0025】
【数2】
【0026】数式2から明らかなように、量子井戸内に
閉じ込められた電子の数は、フェルミレベルEF 及びエ
ネルギー準位(即ち、井戸の幅Lw )に依存する。ここ
で、フェルミレベルは不純物濃度に応じて変化するか
ら、結果的に量子井戸内に閉じ込められる電子の数は、
不純物濃度及びチャンネル厚を制御することにより制御
することができる。
【0027】次に、量子井戸層をヘテロ接合トランジス
タのチャネル層として利用する場合について考える。n
番目のエネルギー準位の電子に対応する電荷量Qは、数
式2から、Q(n)=q・N(n) となる。ソース・ドレ
イン方向にx軸を、深さ(層厚)方向にy軸を取ると、
深さhの量子井戸で形成されるチャンネル内の電荷量か
ら求まるドレイン電流は、数式3のようになる。
【0028】
【数3】 さらに、数式3より、チャンネル全体のドレイン電流を
求めると数式4のようになる。
【0029】
【数4】
【0030】さて、ここで、キャリア走行方向に離れた
点、例えば、図6(a)に示すソース側のゲート端(A
点)とドレイン側のゲート端(B点)について考える。
ゲートにはゲート電圧が印加され、ドレインにはドレイ
ン電圧が印加されているとすると、A点及びB点の擬フ
ェルミレベルはそれぞれ、図6(b)及び図6(c)に
示すように、ゲート・ソース間電圧(Vgs)及びゲート
・ドレイン間電圧(Vgd)に依存して異なるものとな
る。これは、逆にキャリア走行方向のフェルミレベル、
あるいは、キャリアの分布を制御することができれば、
ds−Vgs特性を所望の特性に制御できること示唆して
いる。しかしながら、単一のチャンネル層を用いて、キ
ャリア走行方向のキャリア分布を制御することは不可能
である。
【0031】発明者は、複数の量子井戸層を利用するこ
とにより、このような制御が可能になることを見いだし
た。そこで、量子井戸層がM個形成されているヘテロ接
合トランジスタについて考える。図7に、M個の量子井
戸層のうちn−1番目の量子井戸と、n番目の量子井戸
とを示す。n−1番目の量子井戸に着目し、その擬フェ
ルミレベルをEF (n-1) 、そこに蓄えられている電荷量
をQ(n-1) とすると、上述した量子井戸層が1つの場合
と同様に、キャリア数N(n-1) は、数式5で与えられ
る。
【0032】
【数5】
【0033】ドレイン印加電圧が比較的低く、かつチャ
ンネル厚LW が薄い場合には、空乏層の厚さは均一に変
化すると考えられる。したがって、隣接する2つの量子
井戸が同時に部分的に空乏層化されることはないと見な
せる。
【0034】今、n−2番目の量子井戸まで完全に空乏
層化されていると仮定すると、全ての量子井戸の電荷量
の合計である全電荷量Qtotal に対して、ドレイン電流
に寄与する電荷量は、数式6で与えられる。
【0035】
【数6】
【0036】上述したように、ここでは、隣接する2つ
の量子井戸が同時に部分的に空乏層化されることはない
と見なせるので、n−1番目の量子井戸が部分的に空乏
層化されているとしても、n番目からM番目までの量子
井戸のキャリアは、完全に走行可能状態にあり、ドレイ
ン電流に寄与すると考えられる。したがって、ドレイン
電流は、数式7で与えられる。
【0037】
【数7】
【0038】ここで、ゲート電位を微小変化させた∂I
d (n-1) /∂Vg を考えると、数式8が成り立つので、
d −Vg 特性を所望の特性にするためには、各Vg
応じて各量子井戸の厚さと不純物濃度とを制御すれば良
いことが分かる。なお、Vgは、1番目からn−2番目
までの量子井戸を空乏層化するために必要な電圧、若し
くはそれを僅かに上回る電圧である。
【0039】
【数8】
【0040】以上説明したように、複数の量子井戸層を
設け、その幅及び不純物濃度を制御すればヘテロ接合ト
ランジスタのId −Vg 特性を所望の特性(例えば直線
性の良いId −Vg 特性)にすることが可能になる。
【0041】具体的な、量子井戸の幅及び不純物濃度の
決定方法は次のようになる。まず、所望の飽和ドレイン
電流Id と、スレッショルド電圧を得るのに必要な全電
荷量Qtotal を、それぞれ数式9のようなものとする。
【0042】
【数9】
【0043】この場合、数式10で示される全電荷量を
いかに分割し最適化するかが、ドレイン電流/ゲート電
圧特性を線形にするポイントとなる。
【0044】
【数10】
【0045】一般に、ヘテロ接合トランジスタのドレイ
ン電流は、ゲート電圧に対して近似的に2乗特性を示す
ことが知られている。したがって、第1次近似で、
1 、Q2 、…、QM が、ゲート電位の2乗に比例する
ように初期値を設計する。
【0046】実際には、表面に最も近い1番目の量子井
戸は、飽和ドレイン電流付近の特性に寄与するので、設
計は1番目の量子井戸から行う。即ち、Q1 を第1の量
子井戸に対応する電荷量として、最適化の初期値とす
る。
【0047】1番目の量子井戸において、擬フェルミレ
ベルEF (1) は、ほぼゲート・ソース間電位Vgsに対応
する。したがって、そのキャリアの数N(1) が求まり、
これらEF (1) 及びN(1) からE(1) 、即ちLW (1)
求められる。N(1) 及びLW (1) が求まれば、EF (2)
は、ポイソン(Poisson )方程式から簡単に計算するこ
とができる。以下、同様に、2番目の量子井戸について
2 を仮定すると、N(2) 及びLW (2) が求まる。以
降、同様にして、順番に各量子井戸の設計パラメータを
求めることができる。
【0048】ここで、Q1 、Q2 、…、QM の最適化に
対して任意の組み合わせのN(k) 、LW (k) (k=1,
2,…M)が存在するが、例えば、N(k) /N(K-1)
約√2、LW (k) /LW (k-1) =約√2(k=1,2,
…M)となるように設計すればよい。ただし、実際の設
計では、オーミックが深さ方向に一定ではないので、最
適化シミュレーション等による補正が必要である。
【0049】また、ソース・ドレイン間電位のキャリア
走行方向の傾きが、浅い量子井戸と深い量子井戸とでは
若干異なり、ドレイン電流は計算値のようにはならな
い。そこで、ノンドープAlGaAs層の厚さについて
も、その擬フェルミレベルが、深さ方向に関して一定の
変化率で変化するようにする必要がある。この変化率
は、GaAs層のドープ量に依存するので、解析的に求
めることができない。したがってこの変化率は、数値シ
ミュレーション等により求める。
【0050】また、スペーサ層の膜厚とキャリア濃度と
は、互いに独立したものではないので、図3に示したよ
うな実験結果から得られる実験式を用いる必要がある。
【0051】以上のようにして、本実施の形態では、各
キャリア供給層の電子移動度と、実効キャリア密度(有
効キャリア濃度)とが一定となるようにしている。な
お、図8に、本実施の形態のバンド構造と、各キャリア
供給層の不純物濃度及びキャリア濃度を示しておく。
【0052】図9に、本実施の形態の、ドレイン電流の
ゲート電圧依存性を示す。図5と比較すると、スレッシ
ョルド電圧が3Vから1.8Vに低下しているにも拘ら
ず、Gmの直線性は改善されていることが分かる。
【0053】図10乃至図15に、本実施の形態のスイ
ッチ動作特性を示す。図10は、挿入損失特性を示して
おり、入力電力Pinが34dBmにおいても、挿入損失
0.5dBmが維持されている。また、図11は、隣接
チャンネル漏洩電力特性を示しており、入力電力Pinが
34dBmにおいても、50kHz離調点で−60dB
c以下という優れた特性を示している。また、図12
は、入力電力30dBm時の挿入損失の電源電圧依存性
を示し、図13は、入力電力32dBm時の挿入損失の
電源電圧依存性を示している。さらに、図14は、入力
電力30dBm時のアイソレーション特性の電源電圧依
存性を示し、図13は、入力電力32dBm時のアイソ
レーション特性の電源電圧依存性を示している。
【0054】
【実施例】まず、半絶縁性GaAs基板上に、キャップ
層として電子親和力の大きいノンドープGaAs層を5
00nmエピタキシャル成長させる。次にラティスマッチ
ングを取るために、ノンドープAlGaAs層を200
nm成長させる。次に、第1のキャリア供給層として、ノ
ンドープGaAs層を2nm、Siを6×1017cm-3ドー
プしたGaAs層を1nm、さらにノンドープGaAs層
を2nmエピタキシャル成長させる。
【0055】次に、5nm程度の薄いノンドープAlGa
As層をエピタキシャル成長させ他後、第2のキャリア
供給層を形成する。ここでは、第2のキャリア供給層を
構成するノンドープGaAs層、SiドープGaAs
層、及びノンドープGaAs層を、それぞれ第1のキャ
リア供給層のものより薄く(ほぼ1/√2)する。ま
た、SiドープGaAs層の不純物濃度も低くする。
【0056】次に、ノンドープAlGaAs層を50nm
エピタキシャル成長させ、ノンドープGaAs層を成長
させたあと、最上部にSiドープGaAs層を200nm
成長させる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、複数の量子井戸構造を
形成し、より深い位置に位置する量子井戸層の層厚を厚
くするとともに、不純物濃度を高くするようにしたこと
で、チャンネル幅を大きくすることなく、ドレイン・ゲ
ート耐圧を低下させることなく、オン抵抗を低減するこ
とができる。これにより、ドレイン・ソース容量の増加
を防止でき、スイッチ動作時のアイソレーション低下を
防止できる。また、低電源電圧動作時にGmの線形性を
維持することができる。
【0058】また、本発明によれば、ドレイン電流−ゲ
ート電圧特性曲線を直線に近付けることができる。
【0059】さらに、本発明では、複数の量子井戸の層
厚と不純物濃度の両方を制御するようにしたことで、設
計の自由度が大きく、また、作成が容易という効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す該略図である。
【図2】図1の半導体素子のバンドダイヤグラムと、各
キャリア供給層の不純物濃度及び有効キャリア濃度を示
す図である。
【図3】スペーサ層の層厚と電子移動度及びキャリア密
度との関係を示すグラフである。
【図4】各キャリア供給層の層厚を一定にした場合のバ
ンド構造と、各キャリア供給層の不純物濃度及び有効キ
ャリア濃度を示す図である。
【図5】各キャリア供給層の層厚を一定にした場合のゲ
ート電圧とドレイン電流及び相互コンダクタンスとの関
係を示すグラフである。
【図6】ヘテロ接合トランジスタにおける擬フェルミレ
ベルを説明するための図であって、(a)は、ヘテロ接
合トランジスタの部分断面図、(b)は、(a)のA点
における擬フェルミレベルを示すポテンシャル図、
(c)は、(a)のB点における擬フェルミレベルを示
すポテンシャル図である。
【図7】複数の量子井戸のうち、隣接するn−1番目と
n番目の量子井戸のポテンシャル図である。
【図8】図1に示す半導体素子のバンド構造と、各キャ
リア供給層の不純物濃度及び有効キャリア濃度を示す図
である。
【図9】図1に示す半導体素子のゲート電圧とドレイン
電流及び相互コンダクタンスとの関係を示すグラフであ
る。
【図10】図1の構造を有する半導体素子の挿入損失特
性を示すグラフである。
【図11】図1の構造を有する半導体素子の隣接チャン
ネル漏洩電力特性を示すグラフである。
【図12】図1の構造を有する半導体素子の、入力電力
30dBm時の挿入損失の電源電圧依存性を示すグラフ
である。
【図13】図1の構造を有する半導体素子の、入力電力
32dBm時の挿入損失の電源電圧依存性を示すグラフ
である。
【図14】図1の構造を有する半導体素子の、入力電力
30dBm時のアイソレーション特性の電源電圧依存性
を示すグラフである。
【図15】図1の構造を有する半導体素子の、入力電力
32dBm時のアイソレーション特性の電源電圧依存性
を示すグラフである。
【図16】ゲート幅と挿入損失及び1dB抑圧電力レベ
ルとの関係を示すグラフである。
【図17】トランジスタの設計に使用される設計チャー
トの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
11 半絶縁性GaAs層 12 ノンドープGaAs層 13 ノンドープAlGaAs層 14 第1のキャリア供給層 15 ノンドープAlGaAs層 16 第2のキャリア供給層 17 ノンドープAlGaAs層 18 ノンドープGaAs層 19 SiドープGaAs層 20 SiノンドープGaAs層 21 ノンドープGaAs層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/201 H01L 29/778 H01L 29/812

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体物質からなる第1の半導体
    層と、前記第1の半導体物質よりも電子親和力の大きい
    第2の半導体物質からなる第2の半導体層とを積層した
    ヘテロ接合を有し、前記第2の半導体層に不純物を導入
    してチャンネル層とする半導体素子において、前記第1
    の半導体層と、前記第2の半導体層とを交互に積層し
    て、前記第2の半導体層を前記第1の半導体層で挟む量
    子井戸構造を複数形成し、前記第2の半導体層の各々
    が、より表面側に位置する他の第2の半導体層よりも厚
    く、かつ、不純物濃度が高くなるようにしたことを特徴
    とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の半導体層がノンドープ層であ
    ることを特徴とする請求項1の半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の半導体層のうち、両側を前記
    第2の半導体層に挟まれた前記第1の半導体層の層厚
    を、前記第2の半導体層の層厚及び不純物濃度に応じて
    調整したことを特徴とする請求項1または2の半導体素
    子。
  4. 【請求項4】 前記第2の半導体層が、不純物ドープ層
    と、該不純物ドープ層を挟むように配された2層のノン
    ドープ層とを有することを特徴とする請求項1,2また
    は3の半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記第2の半導体層の各々のノンドープ
    層及び不純物ドープ層が、より表面側に位置する他の第
    2の半導体層のノンドープ層及び不純物ドープ層より
    も、それぞれ厚いことを特徴とする請求項の半導体素
    子。
  6. 【請求項6】 前記第1の半導体物質がAlGaAsで
    あり、前記第2の半導体物質がGaAsであることを特
    徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか一つの半導体
    素子。
  7. 【請求項7】 第1の半導体物質からなる大1の半導体
    層と、前記第1の半導体物質よりも電子親和力の大きい
    第2の半導体物質からなる第2の半導体層とを積層した
    ヘテロ接合を有し、前記第2の半導体層をチャンネル層
    とするヘテロ接合トランジスタにおいて、前記第2の半
    導体層として、不純物をドープしたドープ層を不純物を
    ドープしていない一対のノンドープ層で挟み込んだ3層
    構造の層を用いるとともに、前記第2の半導体層を前記
    第1の半導体層で挟み込む量子井戸構造を複数形成して
    積層し、前記第2の半導体層の各々が、より表面側に位
    置する他の第2の半導体層よりも厚く、かつ、前記不純
    物の濃度が高くなるようにすることにより、ドレイン電
    流−ゲート電圧特性曲線が直線に近づくようにしたこと
    を特徴とするヘテロ接合トランジスタ。
  8. 【請求項8】 前記第1の半導体層のうち、両側を前記
    第2の半導体層に挟まれた前記第1の半導体層の層厚
    を、前記ドレイン電流ーゲート電圧特性曲線がより直線
    に近付くように調整したことを特徴とする請求項のヘ
    テロ接合トランジスタ。
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