JP3275035B2 - 養殖魚用飼料用添加物 - Google Patents
養殖魚用飼料用添加物Info
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Description
ブリ等の養殖魚の飼料用添加物に関する。より詳しく
は、養殖魚の成長を促進し、肉質を改善すると共に魚体
の健康状態を良好に保ち、養殖の生産性を高め、また養
殖海域の汚染を生じない飼料用添加物に関する。
るために飼料を過給する傾向があり、また、生産性を高
めるために密殖される場合が多いため運動不足も重な
り、天然魚に比べて筋肉や内蔵の脂肪分が多く、肉質が
柔らか過ぎて弾力が無く、独自の臭み(イワシ臭等)があ
るなど、食味が落ちる欠点がある。また過給餌による喰
い残した餌が腐敗して飼育海域を汚染し、さらには過給
餌による消化不良やストレスが加わって斃死率が高くな
るなどの問題がある。
るために、天然ゼオライトを給与して脂肪分や消化器官
内のガスを吸収させる試みが知られている。ところが、
天然ゼオライトは品質が一定せず吸着能力が不均一で低
く整腸効果も充分でなく、また安定な鉱物であるため希
酸や水に殆ど溶解せずミネラルの供給源としては利用す
ることはできないので骨格の形成や生長促進については
殆ど効果がない。
ウムを給与することにより、家畜の生長が促進され肉質
が改善されることを見い出して先に出願した(特願昭60
-75270号)。その後、更に検討したところ、家畜とは生
態系が全く異なる魚類について多孔質ケイ酸カルシウム
を生餌や配合飼料と共に給餌することにより、生長促進
および肉質改善効果が得られることを確認した。
可溶化率(ケイ酸中の0.5モル塩酸に可溶なケイ酸の割
合)が50%以上の多孔質ケイ酸カルシウムを主成分と
する養殖魚用飼料用添加物が提供される。本発明の養殖
魚用飼料用添加物は、(2)トバモライトあるいはゾノ
トライトが主成分である養殖魚用飼料用添加物、(3)
リン酸カルシウムを添加した養殖魚用飼料用添加物を含
む。
ウムは多孔性の可溶化率50%以上のケイ酸カルシウム
である。ここで可溶化率とはケイ酸(SiO2)中の可溶性ケ
イ酸(SiO2)の割合(可溶性SiO2量/SiO2含有量)
であり、可溶性SiO 2 量は次表の脚注に示すように、
0.5モル塩酸に対する溶解量である。本発明の多孔質
ケイ酸カルシウムは、具体的には、非晶質なケイ藻土、
ケイ石粉に生石灰および発泡剤を加え、水を加えて混練
熟成した後に顆粒状にしたもの、あるいは顆粒状のまま
水熱反応させたもの、混練熟成後に水熱反応を行わせて
顆粒状または粉末としたものなどであり、その組成はト
バモライト(5CaO・6SiO2・5H2O)あるいはゾ
ノトライト(6CaO・6SiO2・H2O)を主成分とす
るものである。
れているゼオライトに比べて次表に示すように空隙率、
可溶化率が格段に大きい。ゼオライトは一般に空隙率2
0〜25%、塩基置換容量90〜150meqであり、水
や臭気を吸収するが、その組成はケイ酸アルミニウム、
ナトリウム、カルシウム等であり、構成成分の一部であ
るケイ酸、カルシウムとも希酸や水に溶けない安定な鉱
物である。従ってガスや脂肪分を吸着するもののミネラ
ル分が溶出せず、ミネラル供給源として用いることはで
きない。
ウムは空隙率が65〜75%と大きく、ゼオライトに比
べて約4倍の水を吸着し、アンモニアや有害ガスを吸着
する能力に優れるので整腸効果が大きい。またこの多孔
質ケイ酸カルシウムは可溶化率が50%以上であり、酸
に溶け易く、水に約0.6%程度徐々に溶けるので構成
成分のケイ酸やカルシウムあるいは微量成分のマグネシ
ウム、鉄等が魚体に吸収され栄養源として利用される。
空隙率および可溶化率が各々65%、50%より小さい
多孔質ケイ酸カルシウムを用いた場合には上記効果が顕
著ではない。
なる飼料用添加物は、マダイ、ハマチ、ブリ等の養殖魚
に対して、生餌やその他の飼料に0.5 〜3.0 重量
%、好ましくは1.0 〜2.0重量%添加して与えるの
が良い。また、リン酸カルシウムや硫酸カリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸マンガン等のミネラル源
や、その他の栄養源と共に給与しても良い。とくにリン
酸カルシウムと併用することは、リンの供給を計るうえ
でより好ましい。なお上記多孔質ケイ酸カルシウムと他
のミネラレル源や飼料添加剤を併用する場合には、多孔
質ケイ酸カルシウムが0.5 〜3.0%、好ましくは1.
0 〜2.0%になるように予め他の飼料等に混合してお
くのが良い。
る飼料用添加物を生餌や配合飼料またはこれらの混合飼
料に添加して、稚魚から成体魚になるまで給餌すると、
魚体の生長を促進すると共に余分の脂肪分がとれ、弾力
性と艶があり、臭気のない良質の肉質を有する養殖魚を
得ることができる。また脂肪過多がなくなるので、死後
硬直に至るまでの時間が長くなり、従って鮮度の持ちが
良くなる。
ことにより、生餌中の酸化油臭やアンモニア臭がこの多
孔質ケイ酸カルシウムに吸収除去され、また食餌したと
きに腸内でアンモニア等の有害ガスや水および余分な脂
肪分が吸収され消化不良が防止されるなどの整腸効果が
発揮される結果、栄養分の消化吸収がよくなり、さらに
は多孔質ケイ酸カルシウムから溶出するカルシウム、鉄
などのミネラルおよび可溶性ケイ酸に由来するケイ酸な
どが栄養源として利用されるからであると考えられる。
ここで、ケイ酸の魚体中での作用は明らかではないが、
カルシウムと共に骨組成やコラーゲンの生合成に係わ
り、上皮組織や骨格の形成に寄与すると共に脂肪の代謝
作用を促進する化合物に関係していると考えられ、単に
ガスや水分の吸収作用に止まらず、これら生理活性作用
が加わって上記効果が得られるものと思われる。
るために過給餌の傾向があり、このため喰い残した生餌
などが腐敗してアンモニアや脂肪分が滲み出し生簀など
の養殖海域を汚染する。飼育生簀などに撒かれた上記多
孔質ケイ酸カルシウムはこれらのアンモニアや脂肪分を
も吸着し汚染を防止する。さらに、上記多孔質ケイ酸カ
ルシウムから溶出したケイ酸イオンはケイ藻類プランク
トンの餌となり、これらの生育を促すので、赤潮の原因
である鞭毛藻類の発生が抑制され水質を良好に保つ効果
も期待される。以上のことから、飼育期間中、養殖魚の
健康が維持され養殖の生産性が向上する。
について上記多孔質ケイ酸カルシウムをモイストペレッ
ト(イワシ:配合飼料=6:4の生餌)に1.5重量%添
加して給餌し、飼育した結果を次表に示す。また比較の
ため、上記多孔質ケイ酸カルシウムに代えてゼオライト
を添加したものと、何れも添加しないものとについて同
様に飼育した。この結果を次表に併せて示す。飼育結果
から明らかなように、多孔質ケイ酸カルシウムを添加し
た餌によって飼育したものは、ゼオライトを添加したも
の、及び何れも無添加のものよりも魚体の発育が良い。
また、多孔質ケイ酸カルシウムを添加して飼育したもの
の肉質は適度な弾力性があり、臭味もなく、死後硬直に
至る時間もゼオライトを添加したものや無添加のものに
比べて約2倍であり、鮮度の持ちが良い。なお、多孔質
ケイ酸カルシウムを添加して飼育した養殖海域(生簀)の
汚染度は少なかった。
Claims (3)
- 【請求項1】 可溶化率(ケイ酸中の0.5モル塩酸に可
溶なケイ酸の割合)が50%以上の多孔質ケイ酸カルシ
ウムを主成分とする養殖魚用飼料用添加物。 - 【請求項2】 トバモライトあるいはゾノトライトが主
成分である請求項1の養殖魚用飼料用添加物。 - 【請求項3】 リン酸カルシウムを添加した請求項1の
養殖魚用飼料用添加物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05718592A JP3275035B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 養殖魚用飼料用添加物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05718592A JP3275035B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 養殖魚用飼料用添加物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0654652A JPH0654652A (ja) | 1994-03-01 |
JP3275035B2 true JP3275035B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=13048445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP05718592A Expired - Lifetime JP3275035B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 養殖魚用飼料用添加物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3275035B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6571335B2 (ja) * | 2015-01-15 | 2019-09-04 | 太平洋セメント株式会社 | 養殖用資材の供給方法 |
JP6675238B2 (ja) * | 2016-03-18 | 2020-04-01 | 太平洋セメント株式会社 | 水棲生物養殖用資材 |
JP7090450B2 (ja) * | 2018-03-29 | 2022-06-24 | 太平洋セメント株式会社 | 甲殻類用栄養供給資材 |
-
1992
- 1992-02-12 JP JP05718592A patent/JP3275035B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0654652A (ja) | 1994-03-01 |
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