JP3274869B2 - 羽毛シート及びその使用方法 - Google Patents
羽毛シート及びその使用方法Info
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- JP3274869B2 JP3274869B2 JP04574591A JP4574591A JP3274869B2 JP 3274869 B2 JP3274869 B2 JP 3274869B2 JP 04574591 A JP04574591 A JP 04574591A JP 4574591 A JP4574591 A JP 4574591A JP 3274869 B2 JP3274869 B2 JP 3274869B2
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- feather
- adhesive
- feathers
- bulk
- feather sheet
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- Outer Garments And Coats (AREA)
- Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防寒用の衣服、布団な
どに使用される羽毛をシート化した羽毛シートに関し、
更に詳しくは、嵩回復可能な羽毛シートに関する。
どに使用される羽毛をシート化した羽毛シートに関し、
更に詳しくは、嵩回復可能な羽毛シートに関する。
【0002】
【従来の技術】羽毛は多数の羽枝を有するという形態的
特徴により、軽量で保温性に優れ、柔軟性に富んでいる
ことから、防寒用の衣服、布団等の詰物として利用され
ている。
特徴により、軽量で保温性に優れ、柔軟性に富んでいる
ことから、防寒用の衣服、布団等の詰物として利用され
ている。
【0003】羽毛を用いた防寒用の衣服としては、衣服
の表地、裏地を縫合した後、縫目によって区画されたキ
ルティング部に、所定の羽毛密度になるように計量され
た羽毛を空気流によって吹込むことによって製造される
キルティング布地が知られている。しかしながら、この
ようなキルティング布地は、区画されたキルティング部
が大きすぎると羽毛の片寄りが生じてしまい、また、キ
ルティング部が小さすぎると空気流によって羽毛を充填
することが困難になるため、人手によって充填しなけれ
ばならなかった。この人手による作業は、非常に手間の
かかるものであり、また、羽毛は非常に軽いため空気中
に飛散してしまい作業環境も非衛生的で好ましいもので
はなかった。
の表地、裏地を縫合した後、縫目によって区画されたキ
ルティング部に、所定の羽毛密度になるように計量され
た羽毛を空気流によって吹込むことによって製造される
キルティング布地が知られている。しかしながら、この
ようなキルティング布地は、区画されたキルティング部
が大きすぎると羽毛の片寄りが生じてしまい、また、キ
ルティング部が小さすぎると空気流によって羽毛を充填
することが困難になるため、人手によって充填しなけれ
ばならなかった。この人手による作業は、非常に手間の
かかるものであり、また、羽毛は非常に軽いため空気中
に飛散してしまい作業環境も非衛生的で好ましいもので
はなかった。
【0004】これに対して、特開昭58−216011
号公報には、羽毛を熱融着性繊維によって点接着した羽
毛マットが提案されている。この羽毛マットは羽毛同士
が熱融着性繊維によって点接着されているため、従来の
樹脂綿同士が接着された中入綿(以下、単に「中入綿」
という)と同様に取り扱うことができ、羽毛の片寄りも
防止することができる。しかしながら、羽毛が、上述の
ような形態的特徴を有することから、羽毛集合体は、空
気を多量に含んだ嵩高なものとなるため、羽毛同士の接
触点が少なく、十分な接着効果を得ることが困難であっ
た。そのため、衣服を製造する際の裁断工程において
は、羽毛マットを裁断する際に羽毛が飛び散ってしま
い、飛散した量を補充する手間を必要としたり、飛散し
た羽毛によって作業環境を悪化させてしまうという問題
があった。
号公報には、羽毛を熱融着性繊維によって点接着した羽
毛マットが提案されている。この羽毛マットは羽毛同士
が熱融着性繊維によって点接着されているため、従来の
樹脂綿同士が接着された中入綿(以下、単に「中入綿」
という)と同様に取り扱うことができ、羽毛の片寄りも
防止することができる。しかしながら、羽毛が、上述の
ような形態的特徴を有することから、羽毛集合体は、空
気を多量に含んだ嵩高なものとなるため、羽毛同士の接
触点が少なく、十分な接着効果を得ることが困難であっ
た。そのため、衣服を製造する際の裁断工程において
は、羽毛マットを裁断する際に羽毛が飛び散ってしま
い、飛散した量を補充する手間を必要としたり、飛散し
た羽毛によって作業環境を悪化させてしまうという問題
があった。
【0005】上述のような問題については接着剤の混合
比を多くすることによって対処することができるが、接
着剤の混合比を多くすると柔軟性が失われてしまうた
め、羽毛のもつソフトな風合を損なわずに、十分な接着
効果を得ることが困難であった。
比を多くすることによって対処することができるが、接
着剤の混合比を多くすると柔軟性が失われてしまうた
め、羽毛のもつソフトな風合を損なわずに、十分な接着
効果を得ることが困難であった。
【0006】また、嵩高であるため、裁断工程において
は、多くの枚数を重ねて裁断できないので作業効率が悪
く、縫製工程においても、縫製中に生地とのずれが生じ
易く、非常に取り扱いにくいものであった。更には保管
や輸送時にも広いスペースを必要とするという問題もあ
った。
は、多くの枚数を重ねて裁断できないので作業効率が悪
く、縫製工程においても、縫製中に生地とのずれが生じ
易く、非常に取り扱いにくいものであった。更には保管
や輸送時にも広いスペースを必要とするという問題もあ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の中入
綿と同様に取り扱っても、裁断時に、羽毛が飛散したり
することがなく、且つ羽毛の特性である保温性、柔軟性
が阻害されない羽毛シート及びその使用方法を提供する
ことを目的とする。
綿と同様に取り扱っても、裁断時に、羽毛が飛散したり
することがなく、且つ羽毛の特性である保温性、柔軟性
が阻害されない羽毛シート及びその使用方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、羽
毛と熱可塑性の接着剤とからなる羽毛集合体を、該接着
剤によって圧縮状態で羽毛同士接着してなり、嵩を回復
させて使用することを特徴とする羽毛シート、及びこの
羽毛シートを接着剤の溶融温度以上の温度に加熱して、
嵩を回復させて使用することを特徴とする羽毛シートの
使用方法である。
毛と熱可塑性の接着剤とからなる羽毛集合体を、該接着
剤によって圧縮状態で羽毛同士接着してなり、嵩を回復
させて使用することを特徴とする羽毛シート、及びこの
羽毛シートを接着剤の溶融温度以上の温度に加熱して、
嵩を回復させて使用することを特徴とする羽毛シートの
使用方法である。
【0009】
【作用】羽毛は、上述のような形態的特徴を有している
ため、羽毛集合体は、空気を多量に含んだ嵩高なものと
なる。そのため、羽毛の柔軟性を阻害しないだけの量の
接着剤では、十分な接着効果を得ることが困難である。
しかしながら、接着剤の量を多くすると、羽毛の特性で
ある柔軟性が失われてしまうため、それ以外の方法によ
って、十分な接着効果を得ることが必要である。そこ
で、本発明は、この嵩高な羽毛集合体を圧縮した状態
で、すなわち羽毛同士の接触点を多い状態で接着固定す
ることによって、十分な接着効果を得ることを可能にし
たものである。
ため、羽毛集合体は、空気を多量に含んだ嵩高なものと
なる。そのため、羽毛の柔軟性を阻害しないだけの量の
接着剤では、十分な接着効果を得ることが困難である。
しかしながら、接着剤の量を多くすると、羽毛の特性で
ある柔軟性が失われてしまうため、それ以外の方法によ
って、十分な接着効果を得ることが必要である。そこ
で、本発明は、この嵩高な羽毛集合体を圧縮した状態
で、すなわち羽毛同士の接触点を多い状態で接着固定す
ることによって、十分な接着効果を得ることを可能にし
たものである。
【0010】また、羽毛同士の接着に用いられる接着剤
は、熱可塑性の接着剤であるので、溶融温度以上の温度
に加熱することによって、再溶融し、接着力が低下す
る。その結果、羽毛シートは羽毛のもつ形態的特徴によ
って、元の空気を多量に含んだ嵩高な状態にもどり、溶
融温度以下の温度になれば、その状態で再度接着され
る。
は、熱可塑性の接着剤であるので、溶融温度以上の温度
に加熱することによって、再溶融し、接着力が低下す
る。その結果、羽毛シートは羽毛のもつ形態的特徴によ
って、元の空気を多量に含んだ嵩高な状態にもどり、溶
融温度以下の温度になれば、その状態で再度接着され
る。
【0011】本発明の羽毛シートは、縫製工程、保管、
輸送の段階においては、圧縮された状態で使用される。
圧縮された状態では、羽毛同士の接触点が多く、十分な
接着力を有しているため、裁断、縫製工程で、羽毛が抜
けて飛散することがない。また、圧縮前に比べて10分
の1程度の厚さになるため、数枚重ねた状態で裁断が可
能であり、縫製工程においても作業効率を大幅に改善す
ることができる。さらに、保管、輸送の点でも、広いス
ペースを必要としないため、保管費用、輸送費用を大幅
に削減できる。
輸送の段階においては、圧縮された状態で使用される。
圧縮された状態では、羽毛同士の接触点が多く、十分な
接着力を有しているため、裁断、縫製工程で、羽毛が抜
けて飛散することがない。また、圧縮前に比べて10分
の1程度の厚さになるため、数枚重ねた状態で裁断が可
能であり、縫製工程においても作業効率を大幅に改善す
ることができる。さらに、保管、輸送の点でも、広いス
ペースを必要としないため、保管費用、輸送費用を大幅
に削減できる。
【0012】加熱処理は、縫製工程、あるいは保管、輸
送等が終了した段階で行われる。加熱処理を施された羽
毛シートは、多量に空気を含んだ元の状態に戻り、その
状態で再度接着されるので、羽毛の特性である保温性の
良さ、嵩高性は阻害されない。また、接着剤の量は、元
の嵩高な状態において、柔軟性を阻害しないような量に
設定されているので、加熱処理後の羽毛シートは柔軟性
も良好なものとなる。
送等が終了した段階で行われる。加熱処理を施された羽
毛シートは、多量に空気を含んだ元の状態に戻り、その
状態で再度接着されるので、羽毛の特性である保温性の
良さ、嵩高性は阻害されない。また、接着剤の量は、元
の嵩高な状態において、柔軟性を阻害しないような量に
設定されているので、加熱処理後の羽毛シートは柔軟性
も良好なものとなる。
【0013】本発明の接着剤としては熱可塑性接着剤で
あれば特に限定されないが、溶融温度が160℃を越え
るような接着剤を用いると、羽毛シートを形成する過
程、または嵩回復させる過程における熱処理によって、
羽毛が悪臭を発したり、羽毛の風合硬化や表素材の熱変
色、収縮等の問題が生じやすいので、160℃以下の溶
融温度を有するものを使用することが好ましい。
あれば特に限定されないが、溶融温度が160℃を越え
るような接着剤を用いると、羽毛シートを形成する過
程、または嵩回復させる過程における熱処理によって、
羽毛が悪臭を発したり、羽毛の風合硬化や表素材の熱変
色、収縮等の問題が生じやすいので、160℃以下の溶
融温度を有するものを使用することが好ましい。
【0014】更に、嵩回復のための加熱処理は、縫製工
程終了後、あるいは輸送後に行なわれるため、簡単な加
熱手段によって嵩回復できることが望ましいので、溶融
温度が100℃以下の接着剤を用いることがより好まし
い。このような熱可塑性接着剤としては、例えば、ポリ
アミド共重合体、ポリエステル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール等のホットメルト型の接着剤があ
る。
程終了後、あるいは輸送後に行なわれるため、簡単な加
熱手段によって嵩回復できることが望ましいので、溶融
温度が100℃以下の接着剤を用いることがより好まし
い。このような熱可塑性接着剤としては、例えば、ポリ
アミド共重合体、ポリエステル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール等のホットメルト型の接着剤があ
る。
【0015】接着剤の形態としては、繊維状のもの、あ
るいは粉末状のものが使用できる。
るいは粉末状のものが使用できる。
【0016】繊維状の接着剤としては、熱融着繊維が好
適に用いられる。熱融着繊維には、低融点成分と高融点
成分からなる複合成分型熱融着繊維と単一成分型熱融着
繊維とがあるが、複合成分型熱融着繊維を用いた方が、
風合がソフトで、かつ接着剤が均一に分散したものが得
られるので、より好ましい。すなわち、熱融着繊維を羽
毛集合体中に均一に分散させるためには、熱融着繊維の
混合比は多い程良く、また、複合成分型熱融着繊維であ
れば混合比を多くしても、低融点成分のみを溶融させる
ことができるので、過剰に接着して風合を損なうことが
ない。
適に用いられる。熱融着繊維には、低融点成分と高融点
成分からなる複合成分型熱融着繊維と単一成分型熱融着
繊維とがあるが、複合成分型熱融着繊維を用いた方が、
風合がソフトで、かつ接着剤が均一に分散したものが得
られるので、より好ましい。すなわち、熱融着繊維を羽
毛集合体中に均一に分散させるためには、熱融着繊維の
混合比は多い程良く、また、複合成分型熱融着繊維であ
れば混合比を多くしても、低融点成分のみを溶融させる
ことができるので、過剰に接着して風合を損なうことが
ない。
【0017】複合成分型熱融着繊維としては、芯鞘型、
並列型のいずれも用いることができる。複合成分型熱融
着繊維としては、ポリエチレン/ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン、ポリエス
テル共重合体/ポリエステル、ポリアミド共重合体/ポ
リエステル等の低融点成分と高融点成分との組み合わせ
からなる従来公知のものを用いることができる。上述の
ように、低融点成分の溶融温度が100℃以下のものを
用いることが特に好ましい。
並列型のいずれも用いることができる。複合成分型熱融
着繊維としては、ポリエチレン/ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン、ポリエス
テル共重合体/ポリエステル、ポリアミド共重合体/ポ
リエステル等の低融点成分と高融点成分との組み合わせ
からなる従来公知のものを用いることができる。上述の
ように、低融点成分の溶融温度が100℃以下のものを
用いることが特に好ましい。
【0018】一方、粉末樹脂形状の接着剤としては、主
として低融点粉末樹脂と水溶性粉末樹脂とが用いられ、
低融点ポリアミド共重合体粉末樹脂や、水溶性ポリビニ
ルアルコール粉末樹脂が好適に用いられる。
として低融点粉末樹脂と水溶性粉末樹脂とが用いられ、
低融点ポリアミド共重合体粉末樹脂や、水溶性ポリビニ
ルアルコール粉末樹脂が好適に用いられる。
【0019】接着剤の混合比は、羽毛集合体に対して2
〜20重量%であることが望ましい。混合比が2重量%
未満であると、圧縮した状態において十分な接着効果が
得られず、20重量%を越えると、嵩回復に時間がかか
りすぎ、嵩回復した状態において風合の硬いものとなる
ので好ましくない。特に、嵩回復後にソフトな風合が要
求される場合には、2〜5重量%が好ましい。また、接
着剤として上記の複合成分型熱融着繊維を用いた場合の
混合比は、羽毛集合体に対する低融点成分の重量比であ
る。
〜20重量%であることが望ましい。混合比が2重量%
未満であると、圧縮した状態において十分な接着効果が
得られず、20重量%を越えると、嵩回復に時間がかか
りすぎ、嵩回復した状態において風合の硬いものとなる
ので好ましくない。特に、嵩回復後にソフトな風合が要
求される場合には、2〜5重量%が好ましい。また、接
着剤として上記の複合成分型熱融着繊維を用いた場合の
混合比は、羽毛集合体に対する低融点成分の重量比であ
る。
【0020】つぎに、本発明の羽毛シートの製造方法及
び使用方法について詳しく述べる。
び使用方法について詳しく述べる。
【0021】羽毛と接着剤との混合方法は、不織布のウ
ェブ形成法の一つであるエアーレイ法を利用することが
でき、接着剤の混合比、羽毛集合体の目付等は使用目的
に応じて適宜設定される。
ェブ形成法の一つであるエアーレイ法を利用することが
でき、接着剤の混合比、羽毛集合体の目付等は使用目的
に応じて適宜設定される。
【0022】得られた羽毛集合体を、接着剤の溶融温度
より高く、好ましくは160℃よりも低い温度に設定さ
れた加熱装置に通し、羽毛集合体中に含まれる接着剤を
溶融させた直後にローラープレス等の加圧装置で圧縮固
定し、元の嵩高な状態の1/5〜1/20程度の厚さと
する。1/5未満の圧縮では十分な接着が得られず、1
/20を越えて圧縮すると、嵩回復が困難となる。ま
た、加熱と加圧を同時に行なうことにより圧縮固定する
こともできる。
より高く、好ましくは160℃よりも低い温度に設定さ
れた加熱装置に通し、羽毛集合体中に含まれる接着剤を
溶融させた直後にローラープレス等の加圧装置で圧縮固
定し、元の嵩高な状態の1/5〜1/20程度の厚さと
する。1/5未満の圧縮では十分な接着が得られず、1
/20を越えて圧縮すると、嵩回復が困難となる。ま
た、加熱と加圧を同時に行なうことにより圧縮固定する
こともできる。
【0023】加熱装置としては、加熱オーブン、サクシ
ョンドライヤー等が使用できる。
ョンドライヤー等が使用できる。
【0024】加圧の方法としては、ローラープレス、フ
ラットプレス等による方法があるが、ローラープレスに
よる方法は、連続的に圧縮固定できるので、生産効率が
良い。
ラットプレス等による方法があるが、ローラープレスに
よる方法は、連続的に圧縮固定できるので、生産効率が
良い。
【0025】このようにして得られた羽毛シートは、従
来の中入綿を用いる場合の縫製工程に準じて、縫製品を
作成することができる。出来上がった縫製品は、嵩のな
い状態で保管、輸送され、最終段階として、接着剤の溶
融温度より高く、好ましくは160℃より低い温度で加
熱されて嵩を回復する。
来の中入綿を用いる場合の縫製工程に準じて、縫製品を
作成することができる。出来上がった縫製品は、嵩のな
い状態で保管、輸送され、最終段階として、接着剤の溶
融温度より高く、好ましくは160℃より低い温度で加
熱されて嵩を回復する。
【0026】加熱処理は、乾熱、湿熱のいずれも利用す
ることができるが、蒸気によって嵩回復させる湿熱処理
が簡便であり、特に、接着剤として水溶性ポリビニルア
ルコールを用いた場合には、100℃程度の蒸気による
湿熱処理が好ましい。尚、本明細書中で使用している
「溶融温度」とは、上記の水溶性ポリビニルアルコール
を用いた場合のような、水の存在下で膨潤、軟化し、非
結晶状態になるときのおおまかな温度も含む。
ることができるが、蒸気によって嵩回復させる湿熱処理
が簡便であり、特に、接着剤として水溶性ポリビニルア
ルコールを用いた場合には、100℃程度の蒸気による
湿熱処理が好ましい。尚、本明細書中で使用している
「溶融温度」とは、上記の水溶性ポリビニルアルコール
を用いた場合のような、水の存在下で膨潤、軟化し、非
結晶状態になるときのおおまかな温度も含む。
【0027】
【実施例】羽毛90重量%に対して、ポリエステル成分
(溶融温度256℃)の芯部と低融点ポリエステル成分
(溶融温度87℃)の鞘部からなる芯鞘型複合繊維(繊
度3デニール、繊維長51mm、複合成分比1:1)を1
0重量%(接着剤の羽毛集合体に対する混合比は5重量
%)混合し、エアーレイ方式によって均一に分散し、目
付50g/m2 厚さ4cmの羽毛集合体を得た。この羽毛集
合体を温度150℃の加熱オーブンで2分間処理し、そ
の直後に、ゲージ圧2Kg/cm2 のプレッシャーロールで
圧縮し、羽毛同士を接着し、厚さ3mmの羽毛シートを得
た。30日後、この羽毛シートに100℃の蒸気を20
秒間あてて、嵩を回復させたところ、厚さが3cmに回復
し、回復率は75%、膨張度は10倍であった。
(溶融温度256℃)の芯部と低融点ポリエステル成分
(溶融温度87℃)の鞘部からなる芯鞘型複合繊維(繊
度3デニール、繊維長51mm、複合成分比1:1)を1
0重量%(接着剤の羽毛集合体に対する混合比は5重量
%)混合し、エアーレイ方式によって均一に分散し、目
付50g/m2 厚さ4cmの羽毛集合体を得た。この羽毛集
合体を温度150℃の加熱オーブンで2分間処理し、そ
の直後に、ゲージ圧2Kg/cm2 のプレッシャーロールで
圧縮し、羽毛同士を接着し、厚さ3mmの羽毛シートを得
た。30日後、この羽毛シートに100℃の蒸気を20
秒間あてて、嵩を回復させたところ、厚さが3cmに回復
し、回復率は75%、膨張度は10倍であった。
【0028】また、この羽毛シートを、従来の中入綿を
用いる場合の製造工程に準じて、防寒用の衣服を作成し
た。裁断工程においては、薄いシート状であるため取り
扱いやすく、数枚を重ねて裁断することができ、裁断に
よって羽毛が飛散することもなかった。また、縫製工程
においても、薄いため取り扱いやすく、縫製中に生地と
のずれを生じるようなことはなかった。さらに、縫製品
の保管、輸送においても、広いスペースを必要とせず費
用の軽減化が計れた。この縫製品を30日間保管した
後、100℃の蒸気をあてることにより、嵩を回復させ
たところ、嵩が大幅に増大し、非常に風合のソフトな縫
製品が得られた。
用いる場合の製造工程に準じて、防寒用の衣服を作成し
た。裁断工程においては、薄いシート状であるため取り
扱いやすく、数枚を重ねて裁断することができ、裁断に
よって羽毛が飛散することもなかった。また、縫製工程
においても、薄いため取り扱いやすく、縫製中に生地と
のずれを生じるようなことはなかった。さらに、縫製品
の保管、輸送においても、広いスペースを必要とせず費
用の軽減化が計れた。この縫製品を30日間保管した
後、100℃の蒸気をあてることにより、嵩を回復させ
たところ、嵩が大幅に増大し、非常に風合のソフトな縫
製品が得られた。
【0029】尚、ここで「厚さ」とは、250mm×25
0mmの試片に対して、1cm2 あたり0.01gの荷重をか
けて測定した厚さを意味しており、回復率および膨張度
は次式によって定義される値である。 再加熱嵩回復後の厚さ 回復率(%)=──────────── × 100 加熱圧縮前の厚さ 再加熱嵩回復後の厚さ 膨張度(倍)=──────────── 加熱圧縮後の厚さ
0mmの試片に対して、1cm2 あたり0.01gの荷重をか
けて測定した厚さを意味しており、回復率および膨張度
は次式によって定義される値である。 再加熱嵩回復後の厚さ 回復率(%)=──────────── × 100 加熱圧縮前の厚さ 再加熱嵩回復後の厚さ 膨張度(倍)=──────────── 加熱圧縮後の厚さ
【0030】
【発明の効果】本発明の羽毛シートは、嵩高な羽毛集
合体を、一時的に圧縮して、羽毛同士が十分に接着され
た状態で固定しているので、縫製品を製造する際の裁断
工程において、羽毛が飛散したりすることがない。こ
の状態では薄いシート状であるため、縫製品を製造する
際の裁断工程において、数枚を重ねて裁断できるため作
業効率を向上させることができ、形態安定性においても
優れているため、デザインの多用化に対応できる。ま
た、薄いシート状であることから、縫製工程において、
生地とのずれを生じるようなことがなく、保管、輸送の
点でも、広いスペースを必要としない。上記の状態は
熱処理を施すことによって、ほぼ圧縮前の嵩高な状態に
回復するため、縫製品を製造した後は、嵩回復させて、
本来の嵩高で、保温性、柔軟性に優れた状態で使用でき
る。嵩回復した後も、接着剤によって固定されるた
め、縫製品の中で羽毛が片寄ったりすることがない。
合体を、一時的に圧縮して、羽毛同士が十分に接着され
た状態で固定しているので、縫製品を製造する際の裁断
工程において、羽毛が飛散したりすることがない。こ
の状態では薄いシート状であるため、縫製品を製造する
際の裁断工程において、数枚を重ねて裁断できるため作
業効率を向上させることができ、形態安定性においても
優れているため、デザインの多用化に対応できる。ま
た、薄いシート状であることから、縫製工程において、
生地とのずれを生じるようなことがなく、保管、輸送の
点でも、広いスペースを必要としない。上記の状態は
熱処理を施すことによって、ほぼ圧縮前の嵩高な状態に
回復するため、縫製品を製造した後は、嵩回復させて、
本来の嵩高で、保温性、柔軟性に優れた状態で使用でき
る。嵩回復した後も、接着剤によって固定されるた
め、縫製品の中で羽毛が片寄ったりすることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B68G 3/02 A41D 3/00 A41D 31/00 A47C 27/12 D04H 1/42
Claims (4)
- 【請求項1】 羽毛と熱可塑性の接着剤とからなる羽毛
集合体を、該接着剤によって圧縮状態で羽毛同士接着し
てなり、嵩を回復させて使用することを特徴とする羽毛
シート。 - 【請求項2】 接着剤の混合比率が、羽毛集合体に対し
て2〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記
載の羽毛シート。 - 【請求項3】 圧縮状態が、元の嵩高な状態の1/5〜
1/20であることを特徴とする請求項1または2に記
載の羽毛シート。 - 【請求項4】 請求項1〜3に記載の羽毛シートを、接
着剤の溶融温度以上の温度に加熱して、嵩を回復させて
使用することを特徴とする羽毛シートの使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04574591A JP3274869B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 羽毛シート及びその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04574591A JP3274869B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 羽毛シート及びその使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04263891A JPH04263891A (ja) | 1992-09-18 |
JP3274869B2 true JP3274869B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=12727856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04574591A Expired - Fee Related JP3274869B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 羽毛シート及びその使用方法 |
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Country | Link |
---|---|
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