JP3274058B2 - 光ディバイス - Google Patents

光ディバイス

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JP3274058B2
JP3274058B2 JP06671896A JP6671896A JP3274058B2 JP 3274058 B2 JP3274058 B2 JP 3274058B2 JP 06671896 A JP06671896 A JP 06671896A JP 6671896 A JP6671896 A JP 6671896A JP 3274058 B2 JP3274058 B2 JP 3274058B2
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    • G02B6/2804Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers
    • G02B6/2848Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers having refractive means, e.g. imaging elements between light guides as splitting, branching and/or combining devices, e.g. lenses, holograms

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ディバイスに係
り、特には、光波長に対する角分散を有する光素子の透
過波長帯域拡大構成に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア通信網が注目され
るに到り、光通信を実用化するための研究開発が盛んに
行われている。特に、一度に多量の情報を送信するため
光信号の波長分割多重方式が有力になっている。このよ
うな、波長分割多重方式においては、波長の異なる光信
号を合波する技術あるいは分波する技術が重要になる。
現在、光通信において想定されている光分割多重の度合
いは、光アンプを使った狭い帯域のシステムにおいて、
10nmの帯域に4波から8波の波長の異なる光信号を
多重する程度のものである。このように、高密度に光信
号を多重する場合、これらの光を合波する合波器や光を
分波する分波器には高い性能が要求される。
【0003】図15は、光通信システムの概略構成図で
ある。送信機1501−1〜1501−4はそれぞれ異
なる波長λ1 〜λ4 の搬送波に乗せて光信号を送出す
る。これら異なる搬送波の波長を有する光信号は合波器
1503で合波され、4波が波長分割多重された信号が
光ファイバ1505を介して送出される。光ファイバ1
505を介して送信された光信号は、分波器1504に
入力される。分波器1504では搬送波の波長がλ1
λ4 の光信号に分波され、それぞれの受信機1502−
1〜1502−4に入力されて検出される。
【0004】このようなシステムにおいては、前述した
ように狭い帯域に4波あるいは8波の波長の異なる光信
号を波長分割多重するため非常に高い精度が要求され
る。このような合波器1503や分波器1504では波
長に依存した角分散を有する素子が使用される。
【0005】図16は、従来の分波器の一構成を示す図
である。入力ファイバ1601からは、図15の光ファ
イバ1505を伝送されてきた光信号が出射され、コリ
メートレンズ1602によって平行光線にコリメートさ
れる。この平行光線は例えば4つの搬送波の波長の異な
る光信号が含まれている。コリメートレンズ1602で
平行光線になった光信号は、波長角分散素子1603に
入力される。
【0006】波長角分散素子1603は、例えば、回折
格子等であり、光の波長の違いにより異なる方向に光束
を出力する機能を有するものである。このような波長角
分散素子1603としては、回折格子の他に、例えば、
特願平7−190535号に記載された分波器が使用可
能である。この分波器は、透明体からなるスペーサと、
その両面に設けられた反射膜と、入射光が入射する入射
窓とからなっている。反射膜の反射率は、例えば、一方
の反射膜が100%で、もう一方の反射膜が95%であ
る。入射窓から入射される入射光は入射窓のあたりで一
旦線状に集光され、スペーサ内部を広がりながら伝搬
し、多重反射を起こす。95%の反射率を持つ反射膜の
側からは多重反射の度に一部の光が出射光として出力さ
れる。出射側では、多重反射の度に出射される出射光が
互いに干渉しあい、波長に依存して異なる方向に光束を
形成する。このようにして形成される光束を受光するこ
とによって、複数の波長が重ね合わされて送信されてき
た入射光をそれぞれの波長に分けて受光する。このよう
な上記特許出願に記載された素子を以下においては、V
IPAと呼ぶことにする。また、VIPA素子に関して
は、MOC 95 学会 マイクロオプティクス コン
フェレンス 広島 PD−3 10月20日発表の文献
に詳細が記載されている。
【0007】波長角分散素子1603では、搬送波の波
長毎に異なる方向に光信号が出力される。これを集光レ
ンズ1604で集光し、それぞれの波長の光信号を受信
するために複数設けられた出力ファイバ1605に出力
する。例えば、波長角分散素子1603からの方向に
出射された光はの出力ファイバへ、の方向に出射さ
れた光はの出力ファイバへというように、異なる波長
を有し、波長角分散素子1603によって異なる方向に
出射される光信号は異なる出力ファイバ1605に出力
され、各波長毎の受光が行われる。従って、複数の波長
の分割多重を行って送信されてきた光信号を受信する場
合には、出力ファイバを、というように複数並べて
光を入力する構成となる。
【0008】なお、図16では、分波器として説明した
が、合波器においては、上記光信号の進行方向を逆にす
れば、同じ構成で合波作用が得られる。図17は、波長
角分散素子を使用した合分波器の透過帯域を説明する図
である。
【0009】同図(a)には、図16の分波器の集光レ
ンズ1604から出力側の構成が示されており、集光レ
ンズ1604が集光する光の強度分布と出力ファイバ1
605内部の電界分布を示している。
【0010】出力ファイバ1605の電界分布とは、出
力ファイバ1605内部を光が伝搬する場合の固有モー
ドを示している。従って、集光レンズ1604から光が
入射される場合も、任意の光強度分布で出力ファイバ1
605内を伝搬することは出来ず、光の進行方向に垂直
な方向への光の強度分布が同図(a)に示すようになっ
ていなければならない。
【0011】同図(b)は、集光レンズ1604による
集束光が出力ファイバ1605に入力される様子を説明
する図である。なお、同図(b)においては横軸に光の
進行方向に垂直な方向への距離xをとっている。
【0012】同図(b)の左に記載されているのは集束
光の光強度分布と出力ファイバ内の電界分布の関係であ
る。同図(b)の矢印で示されているように集束光は光
の波長によって左右に移動する。出力ファイバ1605
内に入力される光は、出力ファイバ内の電界分布と集束
光の光強度分布とが重なった分だけであるので、集束光
の光強度分布が左右に移動するに連れて、出力ファイバ
内の電界分布との重なりが大きくなり、次に、重なりが
小さくなっていき、集束光の出力ファイバへの透過率は
同図(b)の右側に示されるような形になる。ここで、
同図(b)の右には、横軸を波長、縦軸を透過率として
出力ファイバに入力される集束光の波長依存性を示して
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図17(b)に示され
るように、出力ファイバに入力される集束光は透過率の
高い部分が尖った形をしており波長の透過帯域が狭い。
従って、搬送波に周波数変調等によって送信信号が重さ
ね合わされている場合には、搬送波の周波数を中心に高
低方向に変化するので、中心の波長からずれる分スペク
トルが広がり、スペクトルの成分の内、中心波長からず
れた光の透過率が下がってしまう。
【0014】また、実用的にも、集光レンズから所定の
周波数の光が出てくる方向に正確に出力ファイバを設け
ることは非常に難しく、僅かのずれを許容するように構
成されていることが望ましい。
【0015】しかしながら、図17(b)に示されてい
るように、出力ファイバへの透過率が波長に対して鋭く
尖った波長依存性を有していると、出力ファイバの位置
が少しずれただけでも出力ファイバに入力される光の透
過率が低くなり、光のロスを生じてしまう。
【0016】従って、本発明の課題は、波長角分散素子
によって異なる方向に出力された光を出力光ファイバに
入力する際の光の透過帯域を拡大することができる構成
を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は、光の波
長に依存して進行方向が変化する、波長に対する角分散
を有する波長角分散素子から出射する光を集光して光出
力路に結合する光ディバイスを前提とする。
【0018】そして、本発明の第1の構成においては、
光を受ける光出力路端面での電界分布が、波長角分散素
子の光の分散方向に双峰形状をなすことを特徴とする。
集光された光が光出力路に結合する場合、集光された光
の光強度分布と光出力路端面での電界分布との重なった
部分が光出力内部に透過されていく。従って、光出力路
端面での電界分布を双峰形状とすることにより、山型を
した透過率の頂上付近が平らになり、結合するべき光の
波長が僅かにずれても、高い透過率で光出力路に透過さ
せることができる。
【0019】これにより、逆に光出力路の位置が僅かに
ずれたとしても透過すべき波長の光を高い透過率で透過
させることができると共に、光が変調を受けスペクトル
が広がったとしても、広がったスペクトル全体を高い透
過率で透過させ受光することができる。
【0020】また、本発明の第2の構成においては、光
出力路の先端部分における光の強度分布が前記波長角分
散素子の光の分散方向に双峰形状になるよう、波長角分
散素子の光の分散方向に垂直な方向に対して透過光の進
行方向を変えるフィルタを設けたことを特徴とする。
【0021】このようにすることによって、集光光学系
によって集光される光は光出力路の先端部分において、
光の強度分布が波長角分散素子の分散方向に双峰形状と
なる。前述したように、光出力路への光の透過は、集光
された光の強度分布と光出力路の電界分布の重なる部分
に依存するので、上記構成と同様の作用を得ることがで
きる。
【0022】本発明の第3の構成においては、集光光学
系と光出力路との間に、集光光学系側から見て光出力路
端面での電界分布が、波長角分散素子の光の分散方向に
双峰形状に見えるように光の経路を調整する位相マスク
系を設けたことを特徴とする。
【0023】位相マスク系は光の位相を少なくとも部分
的に変化させることにより、位相マスク系の集光光学系
側において、光出力路の電界分布が実効的に、波長角分
散素子の光の分散方向に双峰形状とすることができる。
これにより第1、第2の構成と同様の作用を得ることが
できる。
【0024】本発明の第4の構成においては、光出力路
の先端部分における光の強度分布が、波長角分散素子の
光の分散方向に双峰形状になるように光の特性を変化さ
せるフィルタを設けたことを特徴とする。
【0025】このフィルタは例えば、光の位相を変化さ
せる位相マスクであり、あるいは、光の透過を制御する
強度マスクである。このようなフィルタを設けることに
より、光出力路の先端部分における光の強度分布が波長
角分散素子の光の分散方向に双峰形状とすることができ
る。従って、第1〜第3の構成と同様の作用を得ること
ができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の原理を説明する
図である。本発明においては、出力光ファイバの電界分
布を集束光が入射する方向から見た場合、光を波長によ
って角分散する素子の分散方向に実質的に双峰形状の分
布になっているように構成する。このように、出力光フ
ァイバの電界分布を集束光が入射する方向から見たと
き、双峰形状の分布になっている場合、これを以後、実
効的に双峰形状となっていると呼ぶ。
【0027】同図(a)には、出力ファイバ内の電界分
布の実効的形状と集光レンズからの出力光の光強度分布
を示している。同図(a)の矢印に示されているよう
に、集束光の光強度分布は、光を波長に従って角分散す
る素子を通過しているので、光信号の周波数が変化する
に連れて移動する。この移動に連れて、集束光の光強度
分布は出力ファイバ内の実効的電界分布と重なる。この
ように重なることによって、集束光が出力ファイバ内に
入力される。
【0028】出力ファイバ内の実効的電界分布を光の入
射方向から見た場合に、集束光が波長の変化に伴って移
動する方向に単峰形状ではなく、双峰形状とすることに
よって透過帯域を広げることができる。すなわち、出力
ファイバの実効的電界分布と集束光の光強度分布とが重
なる部分が広くなるとともに、電界分布が双峰形状をし
ていることにより、高い透過率を示す周波数範囲が広が
る。
【0029】同図(b)は双峰形状の電界分布に集束光
を入力する場合に得られる透過率の波長依存性を示して
いる。同図(b)に示されるように、出力ファイバ内の
電界分布を集束光の入力側から見た形が双峰形状とした
場合には、透過率の周波数依存性が透過率の最も高い部
分が尖った形ではなく平らになる。すなわち、透過率の
波長依存性の形状は、理想的には矩形であるが、この矩
形に実際の透過率を近づけることができる。これによ
り、中心周波数から少しずれた周波数の光も高い透過率
で出力ファイバ内に入力することができる。また、出力
ファイバの設定位置が僅かにずれたとしても、目的の周
波数を有する光信号を効率よく出力ファイバに入力する
ことができる。
【0030】同図(c)には、本発明の別の原理を示
す。同図(a)の場合は出力ファイバの実効的電界分布
を集束光が波長の変化に伴って移動する方向に双峰形状
としたが、全く同じ作用が集束光の光強度分布を集束光
が波長の変化に伴って移動する方向に双峰形状にするこ
とによっても得られる。すなわち、同図(c)に示され
るように、出力ファイバ内の電界分布は通常の単峰形状
をしているが、集束光の光強度分布を位相マスク等を用
いて双峰形状としてやる。このようにすれば、出力ファ
イバの電界分布と集束光の光強度分布との重なりが一番
大きくなるあたりで一定となり、同図(b)に示すよう
な出力ファイバへの透過率を得ることが出来る。
【0031】図2は、本発明の第1の実施例の全体構成
図である。同図に示すのは、光分波器の要部構成であ
り、入力ファイバ204から入力された光信号はコリメ
ートレンズ205によって平行光にされる。この光信号
を波長角分散素子201によって角分散する。波長角分
散素子201としては回折格子や前述のVIPA型素子
等が使用可能である。コリメートレンズ205によって
平行にされた光信号は波長角分散素子201で角分散を
受け、波長毎に異なった方向に光束を形成する。波長角
分散素子201から出力された光信号は波長毎に異なっ
た方向に伝搬しながら、集光レンズ202によって集光
される。集光レンズ202によって集光された光信号は
波長毎に異なった場所に集光し、集光点に設けられた出
力ファイバ203−1〜203−3に入力され、不図示
の受光器によって受光される。出力ファイバ203−1
〜203−3は、同図においては3個設けられている
が、実際には、波長分割多重によって多重される波長の
数だけ設けられ、それぞれが、1つの波長に対応する光
信号を入力するように構成される。
【0032】第1の実施例においては、これら複数設け
られる出力ファイバ203−1〜203−3の先端部分
が2つに分かれた構成をしており、集光レンズ202か
らの集束光の出力ファイバ203−1〜203−3への
透過帯域を広げる作用を有する。
【0033】以下に、第1の実施例の作用について説明
する。図3は、本発明の第1の実施例の作用を説明する
図であり、光分波器の波長角分散素子より出力側を記載
した構成図である。なお、以下の説明において、波長角
分散素子201の光の分散方向は図面の紙面に平行な方
向であるとする。
【0034】波長角分散素子201で角分散を受けた光
は集光レンズ202を介して出力ファイバ203に入力
される。なお、同図においては、出力ファイバ203を
一本のみ記載しているが、実際には分波される光の数だ
け出力ファイバが設けられており、それぞれの光を受光
するように構成されているが、同図においては、これら
は省略されている。
【0035】出力ファイバ203の先端は2つに分かれ
ており出力ファイバ203の電界分布が波長角分散素子
201の光の分散方向に双峰形状になるように構成され
ている。例えば、幅Aは5μm、幅Bは4μmとなって
おり、先端204と先端205が離れすぎないように構
成されている。
【0036】先端204と先端205が離れすぎると、
先端の部分での出力ファイバ203の電界分布が双峰形
状とはならず、2つの単峰形からなるようになってしま
う。このように2つの単峰形状からなる電界分布を有す
る場合には、集束光の光強度分布が単峰形であるため、
出力ファイバ203への入力光の透過率が頂点部分が平
らになった形状とはならず、2つの単峰形状が並んだ形
になってしまい、当初の目的を達成することができな
い。
【0037】したがって、出力ファイバ203の先端2
04と205の間は離れすぎないように設計する必要が
ある。出力ファイバ203の先端204と205は、別
のファイバを2本形成するというよりは、実質的に先端
部分が2つに割れている状態と同様に形成する。ここ
で、実質的に先端部分が2つに割れているとは、出力フ
ァイバ203の先端204と205の部分での電界分布
が互いに重なって、双峰形状をなす程度に、先端204
と205がわずかに離れているという意味である。
【0038】このように出力ファイバ203の先端を2
つに割れた形状とすることにより、出力ファイバ203
の先端204、205における電界分布は双峰形状とな
る。このような双峰形状の電界分布を持つ出力ファイバ
203に集光レンズ202からの集束光が入射すると、
出力ファイバ203の電界分布と集束光の光強度分布の
重なりあう部分が透過光として出力ファイバに入力され
るので、光信号の波長に対する透過率の形状が、透過率
の高い部分で平らになった形状が得られる。従って、前
述したように、透過率の最大となる中心周波数よりずれ
た波長においてもほぼ透過率の最大値と同じ透過率を得
ることができる。
【0039】出力ファイバ203は先端204、205
で双峰形状の電界分布を有しているが、この先端が2つ
に割れた構成は次第に1本の出力ファイバとして結合さ
れ、出力ファイバ203の後方では単峰形状の電界分布
を有するようになる。
【0040】このように、本実施例によれば、出力ファ
イバ203の先端204、205を2つに割ったような
形状に形成することにより、集束光の出力ファイバ20
3への透過帯域を広げることが可能となる。
【0041】図4は、本発明の第2の実施例の全体構成
図である。第1の実施例と同じ構成要素には同じ参照番
号を付してある。同図は図2と同様に分波器の構成を示
す。入力ファイバ204から入力される光信号は波長分
割多重されており、複数の波長の光信号を含んでいる。
入力ファイバ204から出力される光信号はコリメート
レンズ205によって平行光にされる。波長角分散素子
201は波長分割多重された光信号を波長毎に分散し、
異なる波長の光信号の光束を異なる方向に形成する。波
長角分散素子201から出力された光信号は、位相マス
ク302によって位相および進行方向が変化させられ、
集光レンズ202によって集光される。集光レンズ20
2によって集光される光信号の集光点は光信号の波長に
よって異なり、それぞれの集光点に出力ファイバ301
−1〜301−3を設け、各波長の光信号を入力する。
【0042】第2の実施例においては、出力ファイバ3
01−1〜301−3の端面における集束光の光強度分
布は波長角分散素子201の角分散の方向に双峰形状を
しており、出力ファイバ301−1〜301−3の先端
部分は第1の実施例と異なり2本に分かれてはいない。
【0043】以下に、第2の実施例の作用について説明
する。図5は、本発明の第2の実施例の作用を説明する
図である。同図においては、出力ファイバ301を一本
のみ記載しているが、実際には分波される光の数だけ出
力ファイバが設けられており、それぞれの光を受光する
ように構成されているが、同図においては、これらは省
略されている。
【0044】本実施例においては、波長角分散素子20
1と集光レンズ202との間に位相マスク302が設け
られている。波長角分散素子201から出力された光信
号は、位相マスク302によって位相が変化させられ、
集光レンズ202によって集光される。このように形成
することによって、今度は、集束光の光強度分布が、波
長角分散素子201の分散方向に双峰形状となる。この
場合には、出力ファイバの電界分布は単峰形状である。
【0045】このように、集束光の光強度分布が双峰形
状となることによって、出力ファイバ301の先端30
3が割れておらず、電界分布が単峰形状となっていて
も、透過率は集束光の光強度分布と出力ファイバ301
の電界分布との重なりの量に依存するので第1の実施例
と同じ効果を得ることができる。
【0046】位相マスク302としては、様々な形状が
考えられるが、集光レンズ202によって集光される集
束光の光強度分布が、波長角分散素子201の光の分散
方向に双峰形状となるものならば、どのようなものでも
よい。
【0047】例えば、本実施例においては、位相マスク
の形状として、同図に示すような中心が盛り上がって、
三角形状をしたものが考えられる。このような形状の位
相マスクの場合、端の厚さに比べ、中央の厚さが1〜2
μm厚くなっている程度の形状となっている。同図に示
す位相マスク302は、位相マスク302を横からみた
もので、図面に垂直な方向には同じ断面を有するもので
ある。
【0048】このような位相マスク302の作用を同図
の矢印で示す。すなわち、波長角分散素子201から出
力された光は位相マスク302の上方で屈折を受け、斜
め下向きの光となって集光レンズ202に入る。この様
子は同図のによって示されている。また、位相マスク
302の下側を通った光は上方に屈折され集光レンズ2
02に入力される。この様子は同図のによって示され
る。のようにして集光レンズ202に入力された光
は、として集光レンズ202の焦点まで進み、のよ
うにして集光レンズ202に入力された光はとして集
光レンズ202の焦点まで進む。これにより、焦点にお
いては光で形成される光強度の強い部分と、光で形
成される光強度の強い部分とが形成され、同図に集束光
の光強度分布として示すような双峰形状の光強度分布を
形成する。
【0049】この他の位相マスク302の形状として
は、スリット状に位相マスク302の厚さが厚くなって
いる形状等が使用可能である。このような位相マスクの
例として、同図に位相マスク304として記載してあ
る。この場合も位相マスク304を横から見た断面を示
しており図面に垂直な方向には同じ断面を有するもので
ある。また、このような位相マスク304の場合には、
厚さの厚い部分と薄い部分とで光の位相差がπになるよ
うに構成されているものが一般的である。
【0050】位相マスクは、一般に全体が透明体ででき
ており、透明体の厚さを変化させることによって、光の
位相を変化させるものであるが、位相マスク302ある
いは304の代わりに強度マスク305を用いることも
可能である。
【0051】強度マスクは同図に305として示してい
るように、透明体の一部を光が透過出来ないようにして
おり、通過した光の干渉によって、集束光が双峰形状の
光強度分布を有するように形成する。このような強度マ
スク305の構成としては、光の通過出来ない部分をス
リット状に形成するものであって、同図の強度マスク3
05は横方向から見た様子が示されている。
【0052】このように、波長角分散素子201から波
長によって角分散された光を位相マスク302、304
あるいは強度マスク305によって光の強度分布や位相
分布を変えることによって、集光レンズ202によって
集束される集束光の光強度分布を、波長角分散素子20
1の光の分散方向に双峰形状とすることができ、出力フ
ァイバ301への透過帯域を拡大することができる。
【0053】なお、位相マスク302、304の代わり
に強度マスク305を使用可能であるが、強度マスク3
05は透過しようとする光の一部を遮断するように作用
するので、光のロスがあり、位相マスク302、304
よりこの点でやや劣る面を有している。
【0054】図6は、本発明の第3の実施例の全体構成
図である。同図の分波器においては、第2の実施例と異
なり、位相マスク601−1〜601−3が集光レンズ
202と出力ファイバ301−1〜301−3との間に
設けられている。入力ファイバ204から出力される光
信号は波長分割多重されており、コリメートレンズ20
5によって平行光にされる。平行にされた光信号は波長
角分散素子201によって角分散を受け、集光レンズ2
02によって集光される。集光された光信号は波長毎に
異なる点に集光され、それぞれの光信号の光路の途中に
は位相マスク601−1〜601−3が配置されてい
る。位相マスク601−1〜601−3は、同図では3
個のみ記載されているが、実際には波長が多重されてい
る数だけ設けられる。それぞれの位相マスク601−1
〜601−3においては、光信号の位相や進行方向を変
更し、それぞれ対応する出力ファイバ301−1〜30
1−3の端面に光信号を導く。
【0055】出力ファイバ301−1〜301−3は、
位相マスク601−1〜601−3と対応して設けら
れ、波長の多重数と同数設けられる。位相マスク601
−1〜601−3は一体成形することが可能であり、こ
のようにすることによって、精密なアライメントを行わ
なくても良好な光合分波器機能を得ることができる。例
えば、同図に位相マスク601−1〜601−3までを
一体成形した位相マスク602が示されている。このよ
うに、モールド加工された位相マスク602を使用する
ことによって、位相マスク601−1〜601−3を1
つずつ位置合わせする必要がなく、モールド加工された
位相マスク602全体の配置を決定すれば、横方向のア
ライメントを行わなくても良くなる。通常は、このよう
に位相マスク601−1〜601−3を横方向に一体成
形した、モールド加工された位相マスク602を使用す
る。この場合も、波長分割多重された多重数だけ位相マ
スクがならんだ構成に一体成形を行う。
【0056】以下に、第3の実施例の作用の説明を行
う。図7は、本発明の第3の実施例の作用を説明する図
である。なお、第1、2の実施例と同じ構成要素には同
じ参照番号を付してある。また、同図においては、出力
ファイバ301を一本のみ記載しているが、実際には分
波される光の数だけ出力ファイバが設けられており、そ
れぞれの光を受光するように構成されているが、同図に
おいては、これらは省略されている。
【0057】本実施例においては、波長角分散素子20
1から出力された光は集光レンズ202で集光され、位
相マスク601を通過する。位相マスク601では、光
の位相が変化させられ、光線の進行方向が変化する。同
図で位相マスク601の上側を通過する光は、の矢印
で示される方向に進行し、位相マスク601の下側を通
過する光は、の矢印で示される方向に進行する。従っ
て、光が出力ファイバ301に入射する場合には、光の
強度分布は波長角分散素子201の光の分散方向に双峰
形状をなすようになり、単峰形状の出力ファイバの電界
分布との重なりの結果得られる透過率は、透過率の高い
部分が平らになった形状を示すようになる。
【0058】位相マスク601を設ける位置は、集光レ
ンズ202からの光信号の波面の湾曲が無くなり、平面
波の波面のように集光レンズ202に平行になるあたり
に設ける。位相マスク601に波面が平行の光信号を入
力するようにしたことにより、位相マスク601の作用
が予測したものに近いものとなり、得られる集束光の光
強度分布も好ましい双峰形状のものとすることができ
る。
【0059】図8は、本発明の第4の実施例の全体構成
図である。同図において、第1〜第3の実施例と同じ構
成要素には同じ参照番号が付してある。同図は分波器で
あり、入力ファイバ204からは波長分割多重された光
信号が入力される。入力ファイバ204から出力された
光信号はコリメートレンズ205によって平行にされ
る。平行にされた光信号は波長角分散素子201によっ
て角分散を受け、出力される。出力された光信号は集光
レンズ202によって波長に依存した点に集光される。
集光レンズ202による集束光は、一旦集光したあと、
それぞれ波長毎に設けられた位相マスク系801−1〜
801−3に入射され、位相及び進行方向が変更されて
出力ファイバ301−1〜301−3に入射される。出
力ファイバ301−1〜301−3は、位相マスク系8
01−1〜801−3に1対1に設けられ、多重された
それぞれの波長の光信号を受光するように、波長の多重
数と同数設けられる。また、位相マスク系801−1〜
801−3は、一体成形することが可能であり、このよ
うにすることによって、精密なアライメントを行わなく
ても良好な光合分波器機能を得ることができる。このよ
うに、モールド加工された位相マスク系802を使用す
ることによって、位相マスク系801−1〜801−3
を1つずつ位置合わせする必要がなく、モールド加工さ
れた位相マスク系802全体の配置を決定すれば、横方
向のアライメントを行わなくても良くなる。通常は、こ
のように位相マスク系801−1〜801−3を横方向
に一体成形した、モールド加工された位相マスク系80
2を使用する。この場合も、波長分割多重された多重数
だけ位相マスク系がならんだ構成に一体成形を行う。
【0060】以下に、第4の実施例の作用を説明する。
図9は、本発明の第4の実施例の作用を説明する図であ
る。同図においては、位相マスク系801が集光レンズ
202と出力ファイバ301の間に設けられている。位
相マスク系801は、レンズや位相マスク等を一体形成
したものである。また、同図においては、出力ファイバ
301を一本のみ記載しているが、実際には分波される
光の数だけ出力ファイバが設けられており、それぞれの
光を受光するように構成されているが、同図において
は、これらは省略されている。また、位相マスク系80
1も、これら省略されている出力ファイバ1本1本に対
応して設けられるが、これも図面を明確にするために、
1対の位相マスク系801と出力ファイバ301のみを
示す。
【0061】位相マスク系801は、例えば、レンズと
位相マスクとを一体成形したものであって、レンズの集
光作用と位相マスクの位相および光の進行方向を変化さ
せる作用を有するものである。この位相マスク系801
に関しては後述する。位相マスク系801の役割は、出
力ファイバ301内部の電界分布を光の入射方向から見
たとき、出力ファイバの電界分布が2重に見え、位相マ
クス系801の前方において、出力ファイバ301の電
界分布が実効的に、波長角分散素子201の光の分散方
向に双峰形状となるようにするものである。このように
形成すると、位相マスク系801の前方において、集束
光の光強度分布と集束光の入射側から見た出力ファイバ
の電界分布との重なりが前述の実施例と同じになる。従
って、光の透過率の波長依存性は透過率の高い部分が平
らになった形状をすることになる。すなわち、本実施例
では、集光レンズ202から位相マスク系801への光
結合の透過帯域が広がっていることになる。位相マスク
系801へ入力した光は出力ファイバ301に入力され
るので、結果として、出力ファイバ301と集光レンズ
202からの集束光との結合が広帯域となる。
【0062】位相マスク系801の前方で実効的に出力
ファイバ301の電界分布が双峰形状となるというの
は、例えば、出力ファイバ301側から光を入射し、位
相マスク系801を透過させた場合、得られる電界分布
が双峰形状を成していることを示している。このよう
に、出力ファイバ301の先端を割れたように形成しな
くても位相マスク系801を設けたことにより実効的
に、出力ファイバ301の先端を割れたように形成した
場合と同じ効果を得ることが出来る。
【0063】図10は、位相マスク系の実施例を示す図
である。同図に示されるように、位相マスク系には様々
な形成方法があり、設計時点で適切に設計されるべきも
のであるが、例えば、同図に示すような形状が考えられ
る。
【0064】同図(a)は、レンズ1001とレンズ作
用付位相マスク1002とが一体成形される構成を示し
ている。レンズ1001はレンズとしての作用のみを担
うが、レンズ作用付位相マスク1002は位相マスクと
して実効的に出力ファイバ内の電界分布を双峰形状とす
るとともに、出力ファイバの先端に光を集光させる機能
を合わせ持つ。
【0065】あるいは、同図(b)に示されるように、
位相マスク系をレンズ作用付位相マスク1002のみで
構成することも可能である。このような位相マスクを使
用する場合には、より一体成形が容易となり、また非常
に精密なアライメントをする必要もなく、精度のよい光
分波器を形成することが可能となる。
【0066】同図(c)は、レンズ作用付位相マスクの
別の例である。このような形状によれば、レンズ作用を
有する部分がそれぞれ2つあり、レンズ作用部1003
で作用を受けた光とレンズ作用部1004で作用を受け
た光とは分裂したように進むので、出力ファイバの電界
分布は実効的に双峰形状とすることができる。また、同
図(b)の場合と同じように、単体でレンズ作用と位相
マスク作用を有しているので、一体成形に有利であり、
非常に精密なアライメントを行わなくても十分使用に耐
える光分波器を製造することができる。
【0067】図11は、VIPA型素子の場合の本発明
の作用を説明する図である。同図(a)はVIPA型素
子から出力される光束の光強度分布を示している。VI
PA型素子の場合、出力される光束は同図(a)に示す
ような光強度分布を示しているが、この単峰形状の裾野
の方は、光の位相が激しく回転している。即ち、裾野の
方では、少し位置が異なるだけで光の位相が大きく変化
する。そこで、本発明においては、出力ファイバの電界
分布が双峰形状をなすように構成しているが、同図
(b)に示すように、位相が反対向きの光を取り込むよ
うに、出力ファイバの電界分布を形成する。このように
することによって、位相の反転した光が出力ファイバ内
を進むに従い、両者は互いに合波され、打ち消し合うよ
うになる。これから、VIPA型素子の出力光の裾野が
出力ファイバに入力されたとしても、互いに打ち消し合
うように作用するため、実質的にVIPA型素子の出力
光の裾野部分の影響を受けないようにすることができ
る。
【0068】すなわち、波長角分散素子としてVIPA
型素子を使った光分波器の場合、出力ファイバは、複数
の波長の光を受光するために、複数配列されるが、出力
ファイバの電界分布が単峰形状の場合には、異なる波長
でも同図(a)に示すように、裾野の広がりがあったた
め、入力されるべきでない光がクロストークとして入力
されていた。しかし、出力ファイバの電界分布を同図
(b)のように、裾野の部分で光が互いに弱めあうよう
にすることができるので、クロストークを小さく抑える
ことができる。
【0069】同図(c)は、VIPA型素子に本発明を
使用した場合の出力ファイバへの光の透過率を表したも
のである。同図(c)に示されているように、VIPA
型素子を用いる場合において、同図(b)に示すような
電界分布を実効的に持つ出力ファイバを形成すると、透
過率の裾野の方は光が互いに打ち消し合うことになり、
透過率が低くなる。これにより、透過率を理想形状であ
る矩形に近づけることができる。これは、第1〜4の実
施例のいずれの構成についても言えることである。
【0070】図12は、位相マスクによって光強度およ
び光位相がどのようになるかをシミュレーションする際
の設定状況を示す図である。同図に示されるように、本
シミュレーションにおいては、位相マスク1203を設
けるとともに不図示の集光レンズから出射された光が一
旦集光した点から距離f1 のところにある集光レンズ1
202によって集光され、位相マスク1203による位
相及び進行方向の変化を受けた後、集光レンズ1204
によって集光され、集光レンズ1204から距離f2
れた出力ファイバ1205に結合される状況を想定す
る。ここで、距離f1 は集光レンズ1202の焦点距離
であり、距離f2 は集光レンズ1204の焦点距離とな
っている。更に、同図に示されるように、集光レンズ1
202から来る集束光の中心線と位相マスク1203か
ら出射される光の中心線とのなす角を偏向角とする。す
なわち、同図に示される位相マスク1203はプリズム
を2つ合わせた構成となっているため、位相マクス12
03によるプリズム効果により、集光レンズ1202か
ら放出された光は進行方向を変えられる。位相マスク1
203によって光が進行方向を変化させられる角度を偏
向角としている。
【0071】なお、同図においては、位相マスク120
3として凹型のものを用いたが、凸型のものも同様に使
用可能である。更に、同図には、集光レンズ1202か
ら距離f1 のところの集光面1206における、実効的
電界分布が双峰形状になっていることが示されている。
これは、集光面1206から集光レンズ1202、位相
マスク1203、集光レンズ1204を介して出力ファ
イバ1205の電界分布を見たときに、出力ファイバ1
205の光を受ける端面における電界分布が双峰形状に
見えることを示している。集光面1206における実効
的電界分布が双峰形状となることから分かるとおり、こ
の集光面1206における位置が第1の実施例の二又に
なった出力ファイバの光を受ける端面に対応する。本シ
ミュレーションでは、この集光面1206上で、出力フ
ァイバ1205の電界分布がどのように見えるかを示す
ものである。
【0072】また、各パラメータの数値は図13に示さ
れているように、f1 が200μm、f2 が500μ
m、偏向角は3.8°と設定した。図13は図12の設
定状況のもとで集光面1206における光振幅と光位相
の様子を示すシミュレーション結果である。
【0073】同図の縦軸は、振幅と位相を表し、振幅は
相対値であり、位相の単位はラジアンである。また、横
軸は図12の集光面1206上の位置を表し、単位はμ
mである。また、f1 、f2 は、図12で説明した集光
レンズ1202及び集光レンズ1204の焦点距離であ
り、偏向角は、図12で説明したように、集光レンズ1
202からの光の中心線と位相マスク1203から出射
される光の中心線とがなす角度である。
【0074】なお、実際のシミュレーションでは、出力
ファイバ1205から光を入射し、集光面1206上で
どのような光強度および位相が得られるかを調べた。同
図に点線で示されるのが、集光面1206上における位
相の変化であり、位置が中心からずれるに従い、大きく
位相が変化することが示されている。同図に実線で示さ
れるのは、集光面1206上における光強度分布であ
り、前述したように、双峰形状の光強度分布を示してい
る。このように、位相マスク1203を使用した場合、
光の位相は光強度分布の裾野の方で激しく変化してい
る。しかし、光強度分布に示されているように、位相の
激しく変化する位置においては、光強度が無視できるほ
どに小さいので出力ファイバへの結合にはほとんど影響
しない。
【0075】双峰形状の光強度分布をしている中心あた
りでは、位相はほとんど変化しておらず、出力ファイバ
の先端を二又にした構造とほぼ同じ効果を得ることがで
きる。
【0076】図14は、本発明の効果を示すシミュレー
ション実験の結果である。同図(a)、(c)において
は、横軸を集束光の位置と出力ファイバの位置のずれと
し、縦軸を集束光の出力ファイバへの結合効率(透過率
と同等)としている。
【0077】同図(a)に示すのは、本発明を使用しな
い場合の結合効率を表す。同図(a)に図示されている
ように、本発明を利用しない場合は結合効率は裾野の広
がった山型をしており、頂上付近は尖った形をしてい
る。このように、結合効率の高い部分が尖った形をして
いると、集束光の位置と出力ファイバの位置のずれがわ
ずかでもあると結合効率が落ちてしまう。また、光が変
調されてスペクトルが広がっている場合には、全ての信
号を効率よく出力ファイバに入力することができない。
【0078】更に、裾野が広がっているために、波長の
異なる、隣の出力ファイバで受光されるべき光が紛れ込
んでくる可能性が高く、VIPA型素子や回折格子等の
クロストークが生じていた。
【0079】同図(b)は、本発明の効果を評価するた
めに設定した出力ファイバあるいは導波路の設定内容を
示す図である。本発明の構成としては第1の実施例の構
成を採用し、出力ファイバ又は出力導波路1450の先
端が二又に分割されている構成とした。出力ファイバ又
は出力導波路1450の先端は5μmの太さとし、二又
に分かれた出力ファイバ又は出力導波路1450の間は
4μmとした。また、出力ファイバ又は出力導波路14
50の光伝搬部の屈折率を1.5とし、伝搬部と周囲の
屈折率の差を0.004とした。また、同図(b)に示
されているように、入力される光の位相は出力ファイバ
または出力導波路1450の端面で、一定になっている
状況を想定した。このような設定の下に、同図(b)に
は出力ファイバまたは出力導波路1450の屈折率分布
と電界分布が示されている。位置は、出力ファイバある
いは出力導波路1450の中心位置から波長角分散素子
の光の角分散の方向に測った距離である。
【0080】同図(b)に示されているように、電界分
布は波長角分散素子の光の角分散の方向に双峰形状をな
し、第1の実施例で説明した電界分布と同じ形状となっ
ている。このような電界分布の出力ファイバの先端に集
束光を結合するシミュレーションを行った。
【0081】同図(c)は本発明を使った出力ファイバ
を設けた場合の集束光の出力ファイバへの結合効率を示
したものである。同図(c)に示されるように、結合効
率の高い部分が平らになっているのが示されている。こ
のように、結合効率の高い部分が幅をもっていることに
より、光が変調によってスペクトルが広がったようにな
っている場合にも変調された光信号を高い効率で出力フ
ァイバに結合させることができる。また、出力ファイバ
のアライメントが僅かにずれたとしても、ずれていない
場合と同じ結合効率で光信号を受光することができるの
で、実用的にも優れている。
【0082】また、同図(c)のグラフでは、結合効率
の山型のグラフの裾野が小さくなっており、集束光が出
力ファイバの位置よりもかなりずれた場合には結合効率
が非常に小さくなり、光が入力されないようになってい
る。従って、波長分割多重通信において、複数の波長の
光が同時に送信されてきて、波長角分散素子によって、
角分散を受けた場合に、出力ファイバのある位置からず
れた位置に到る光束とは結合しない。従って、隣の出力
ファイバに入力されるべき光が入力されることによって
クロストークを生じる可能性が小さくなり、より質のよ
い受光を行うことが出来る。
【0083】なお、上記実施例の説明においては、波長
角分散素子を用いた光分波器についてのみ述べたが、そ
の他の多くの光素子に本発明は適用可能である。また、
集光レンズから光が入力される部分は出力ファイバは光
ファイバであることを前提に説明したが、必ずしも光フ
ァイバである必要はなく、入力ファイバ、出力ファイバ
とも光導波路として形成されていてもよい。
【0084】
【発明の効果】光出力路の電界分布を実効的に双峰形状
とする、あるいは、光出力路に入力する集束光の光の強
度分布を双峰形状とすることにより、光の波長が僅かに
変化したり、光が変調されてスペクトルが拡大しても、
高い効率で波長角分散素子から出力された光を光出力路
に透過させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施例の全体構成図である。
【図3】本発明の第1の実施例の作用を説明する図であ
り、光分波器の波長角分散素子より出力側を記載した構
成図である。
【図4】本発明の第2の実施例の全体構成図である。
【図5】本発明の第2の実施例の作用を説明する図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施例の全体構成図である。
【図7】本発明の第3の実施例の作用を説明する図であ
る。
【図8】本発明の第4の実施例の全体構成図である。
【図9】本発明の第4の実施例の作用を説明する図であ
る。
【図10】位相マスク系の実施例を示す図である。
【図11】VIPA型素子の場合の本発明の作用を説明
する図である。
【図12】位相マスクによって光強度および光位相がど
のようになるかをシミュレーションする際の設定状況を
示す図である。
【図13】図12の設定状況のもとで集光面における光
振幅と光位相の様子を示すシミュレーション結果であ
る。
【図14】本発明の効果を示すシミュレーション実験の
結果である。
【図15】光通信システムの概略構成図である。
【図16】従来の分波器の一構成を示す図である。
【図17】波長角分散素子を使用した合分波器の透過帯
域を説明する図である。
【符号の説明】
201 波長角分散素子 202、206、804、1202、1204
集光レンズ 203、203−1〜203−3、301、 301−1〜301−3、805、1205 出
力ファイバ 204、1201 入力ファイバ 205 コリメートレンズ 302、304、601、601−1〜601−3、1
203 位相マスク 303 先端 305 強度マスク 602 モールド加工された位相マスク 801、801−1〜801−3 位相マスク系 802 モールド加工された位相マスク系 1001 レンズ 1002 レンズ作用付位相マスク 1003、1004 レンズ作用部 1450 出力ファイバまたは出力導波路

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光の波長に依存して進行方向が変化する、
    波長に対する角分散を有する波長角分散素子から出射す
    る光を集光して光出力路に結合する光ディバイスにおい
    て、 前記光出力路の光を受ける端面での電界分布が、前記波
    長角分散素子の光の分散方向に双峰形状をなすことを特
    徴とする光ディバイス。
  2. 【請求項2】前記光を受ける光出力路の端面の近傍にお
    いて光出力路が2つに割れていることにより、前記電界
    分布が双峰形状になることを特徴とする請求項1記載の
    光ディバイス。
  3. 【請求項3】前記光出力路は、光ファイバであることを
    特徴とする請求項1記載の光ディバイス。
  4. 【請求項4】前記光出力路は、光導波路であることを特
    徴とする請求項1記載の光ディバイス。
  5. 【請求項5】光の波長に依存して進行方向が変化する、
    波長に対する角分散を有する波長角分散素子から出射す
    る光を集光光学系によって集光して光出力路に結合する
    光ディバイスにおいて、 前記光出力路の光を受ける端面における光の強度分布が
    前記波長角分散素子の光の分散方向に双峰形状になるよ
    う、前記波長角分散素子の光の分散方向に垂直な方向に
    対して透過光の進行方向を変える位相マスクを設けたこ
    とを特徴とする光ディバイス。
  6. 【請求項6】前記位相マスクは、透明体の板の少なくと
    も1面に傾斜を付けて形成することを特徴とする請求項
    5記載の光ディバイス。
  7. 【請求項7】前記光出力路は、光ファイバであることを
    特徴とする請求項5記載の光ディバイス。
  8. 【請求項8】前記光出力路は、光導波路であることを特
    徴とする請求項5記載の光ディバイス。
  9. 【請求項9】前記位相マスクは前記波長角分散素子と前
    記集光光学系との間に設けられていることを特徴とする
    請求項5記載の光ディバイス。
  10. 【請求項10】前記位相マスクは前記集光光学系と前記
    光出力路との間に設けられていることを特徴とする請求
    項5記載の光ディバイス。
  11. 【請求項11】光の波長に依存して進行方向が変化す
    る、波長に対する角分散を有する波長角分散素子から出
    射する光を集光光学系によって集光して光出力路に結合
    する光ディバイスにおいて、 前記集光光学系と前記光出力路との間に、前記集光光学
    系側から見て前記光出力路の光を受ける端面での電界分
    布が、前記波長角分散素子の光の分散方向に双峰形状に
    見えるように光の経路を調整する位相マスク系を設けた
    ことを特徴とする光ディバイス。
  12. 【請求項12】前記位相マスク系はレンズと光の位相を
    変化させる位相マスクとが一体成形されていることを特
    徴とする請求項11記載の光ディバイス。
  13. 【請求項13】前記位相マスク系は光の位相を変化させ
    る位相マスクとレンズからなることを特徴とする請求項
    11記載の光ディバイス。
  14. 【請求項14】前記光出力路は、光ファイバであること
    を特徴とする請求項11記載の光ディバイス。
  15. 【請求項15】前記光出力路は、光導波路であることを
    特徴とする請求項11記載の光ディバイス。
  16. 【請求項16】光の波長に依存して進行方向が変化す
    る、波長に対する角分散を有する波長角分散素子から出
    射する光を集光光学系によって集光して光出力路に結合
    する光ディバイスにおいて、 前記光出力路の光を受ける端面における光の強度分布
    が、前記波長角分散素子の光の分散方向に双峰形状にな
    るように光の透過率を少なくとも部分的に変化させる強
    度マスクを設けたことを特徴とする光ディバイス。
  17. 【請求項17】前記光出力路は、光ファイバであること
    を特徴とする請求項16記載の光ディバイス。
  18. 【請求項18】前記光出力路は、光導波路であることを
    特徴とする請求項16記載の光ディバイス。
  19. 【請求項19】前記強度マスクは前記波長角分散素子と
    前記集光光学系との間に設けられていることを特徴とす
    る請求項16記載の光ディバイス。
  20. 【請求項20】前記強度マスクは前記集光光学系と前記
    光出力路との間に設けられていることを特徴とする請求
    項16記載の光ディバイス。
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