JP3273974B2 - 組成物の製造方法および組成物 - Google Patents

組成物の製造方法および組成物

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JP3273974B2 JP25386192A JP25386192A JP3273974B2 JP 3273974 B2 JP3273974 B2 JP 3273974B2 JP 25386192 A JP25386192 A JP 25386192A JP 25386192 A JP25386192 A JP 25386192A JP 3273974 B2 JP3273974 B2 JP 3273974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された組成物および
その製造方法に関する。特に優れた機械物性、接着性を
有しかつ作業性に優れる硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子内に1つ以上の反応性シリル基を有
するポリエーテルは、硬化物がゴム弾性を有するという
特徴を生かし被覆組成物、密封組成物などの用途に用い
られているが、一般的には強度が弱い、種々の被着体に
対して接着性が不十分であるなどの欠点がある。
【0003】これらの欠点を改良するために、反応性ケ
イ素官能基を有するビニル系重合体を併用する方法が提
案されている(特開昭59−122541)。しかし、
シリル基を有するポリエーテルに該ビニル系重合体が溶
解してしまう場合には硬化物のゴム弾性が低下する、組
成物の粘度が著しく増加するなどの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な欠点を解決し、優れた機械物性、接着性を有し、かつ
作業性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子内に1つ
以上の反応性シリル基を有するポリエーテルと重合性不
飽和基含有モノマーの重合体からなる組成物において、
重合性不飽和基含有モノマーとして上記ポリエーテル中
に溶解しない重合体微粒子を形成するものを使用してそ
の重合体微粒子をポリエーテル中に均一かつ安定に分散
せしめ、しかも重合性不飽和基含有モノマーの少なくと
も一部にエポキシ基含有モノマーを使用することによっ
て、優れた機械物性、接着性を有し、かつ作業性に優れ
た硬化性組成物が得られることを見いだしたことに基づ
く。
【0006】すなわち、本発明は、分子内に1つ以上の
反応性シリル基を有するシリル基含有ポリエーテル中で
重合性不飽和基含有モノマーを重合して重合性不飽和基
含有モノマーの重合体微粒子がシリル基含有ポリエーテ
ル中に分散した組成物を製造する方法において、重合性
不飽和基含有モノマーの過半重量が高凝集性モノマーで
あり、高凝集性モノマーとはその単独重合体がシリル基
含有ポリエーテルに溶解しない重合体微粒子を形成しう
るモノマーであり、しかも高凝集性モノマーの少なくと
も一部または他の重合性不飽和基含有モノマーの少なく
とも一部がエポキシ基含有モノマーであることを特徴と
する、重合体微粒子がシリル基含有ポリエーテル中に分
散した組成物の製造方法であって、前記シリル基含有ポ
リエーテルが、複合金属シアン化物錯体触媒を使用して
製造したポリエーテルモノ(またはポリ)オールの末端
水酸基の1つ以上を反応性シリル基含有有機基に変換し
て得られるものである、組成物の製造方法である。ま
た、本発明は、分子内に1つ以上の反応性シリル基を有
するシリル基含有ポリエーテル中に、重合性不飽和基含
有モノマーを重合して得られる重合性不飽和基含有モノ
マーの重合体微粒子が分散した組成物において、重合性
不飽和基含有モノマーの過半重量が高凝集性モノマーで
あり、高凝集性モノマーとはその単独重合体がシリル基
含有ポリエーテルに溶解しない重合体微粒子を形成しう
るモノマーであり、しかも高凝集性モノマーの少なくと
も一部または他の重合性不飽和基含有モノマーの少なく
とも一部がエポキシ基含有モノマーであることを特徴と
する、重合体微粒子がシリル基含有ポリエーテル中に分
散した組成物であって、前記シリル基含有ポリエーテル
が、複合金属シアン化物錯体触媒を使用して製造したポ
リエーテルモノ(またはポリ)オールの末端水酸基の1
つ以上を反応性シリル基含有有機基に変換して得られる
ものである、組成物である。
【0007】本発明においては、組成物中重合性不飽和
基含有モノマーの重合体微粒子が、シリル基含有ポリエ
ーテル中に均一かつ安定に分散していることおよびエポ
キシ基を有していることが肝要であり、これによって目
的とする優れた機械物性、接着性を有し、かつ作業性に
優れた硬化性組成物が得られる。
【0008】本発明における分子内に1つ以上の反応性
シリル基を有するシリル基含有ポリエーテルは、1分子
内に1つ以上の反応性シリル基を有し、主鎖が実質的に
ポリエーテル鎖からなる重合体である。
【0009】例えば特開平3−43449、特開平3−
47825、特開平3−72527、特開平3−796
27、特公昭46−30711、特公昭45−3631
9、特公昭46−17553等に提案されている重合体
であり、主鎖骨格が本質的にポリエーテルからなるもの
が好ましい。このような重合体の製法は、上記の文献中
に例示されている。なお、反応性シリル基とは、シラノ
ール基や加水分解性シリル基のように、湿分や硬化剤な
どにより縮合反応をおこしてポリエーテルの高分子量化
を促進しうるものである。反応性シリル基としては、特
にジ(またはトリ)アルコキシシリル基である加水分解
性シリル基が好ましい。
【0010】ポリエーテルは複合金属シアン化物錯体触
媒の存在下に、1つ以上の水酸基を有するヒドロキシ化
合物などの開始剤にアルキレンオキシドなどのモノエポ
キシドなどを反応させて製造する水酸基末端のものな
ど、反応性シリル基を導入しうる官能基を有するポリエ
ーテルである。官能基としては特に水酸基が好ましく、
官能基を有するポリエーテルの官能基数は2以上が好ま
しく、2または3が特に好ましい。特に好ましいポリエ
ーテルはポリオキシプロピレンジオールとポリオキシプ
ロピレントリオールである。また、下記(I)の方法に
用いる場合、アリル末端ポリオキシプロピレンモノオー
ルなどのオレフィン末端のポリエーテルも使用できる。
【0011】反応性シリル基としては、一般式(1)で
表されるシリル基がよい。 −SiX3−a・・・(1) 式中Rは1価の炭化水素基(炭素数20以下)またはハ
ロゲン化炭化水素基(炭素数20以下)である。好まし
くは炭素数6以下のアルキル基やフルオロアルキル基で
あり、特に好ましくはメチル基やエチル基などの低級ア
ルキル基である。
【0012】Xは水酸基または加水分解性基であり、例
えばハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミ
ド基、アミノ基、アミノキシ基、ケトキシメート基など
がある。これらのうち炭素原子を有する加水分解性基の
炭素数は6以下が好ましく、特に4以下が好ましい。好
ましい加水分解性基は炭素数4以下の低級アルコキシ
基、特にメトキシ基やエトキシ基である。aは1、2ま
たは3であり、特に2または3であることが好ましい。
【0013】一般式(1)で表される反応性シリル基は
シリル基含有ポリエーテル全末端基中で平均して50%
以上、特には70%以上を占めることが好ましい。
【0014】一般式(1)で表される反応性シリル基の
ポリエーテルへの導入の方法は特には限定されないが、
例えば以下の方法で導入できる。 (I)ポリエーテルの末端不飽和基と一般式(2)で表
されるヒドロシリル化合物を反応させる方法。 HSiX3−a・・・(2) (式中R、X、aは前記に同じ)
【0015】ここでオレフィン基を導入する方法として
は、不飽和基および官能基を有する化合物をポリエーテ
ルの末端水酸基に反応させて、エーテル結合、エステル
結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合
させる方法、またはアルキレンオキシドを重合する際
に、アリルグリシジルエーテルなどのオレフィン基含有
エポキシ化合物を添加して共重合させることにより側鎖
にオレフィン基を導入する方法などが挙げられる。
【0016】(II)ポリエーテル末端水酸基と一般式
(3)で表される化合物を反応させる方法。 R3−a−SiX−R−NCO・・・(3) (式中R、X、aは前記に同じ。Rは炭素数1〜17
の2価炭化水素基。)
【0017】一般式(3)で表される有機ケイ素化合物
としては下記化合物が示しうる。 (CO)Si(CHNCO、 (CHO)Si(CHNCO、 (CH)(CHO)Si(CHNCO。
【0018】(III)ポリエーテルの末端にトリレン
ジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を反
応させてイソシアネート基末端とした後、該イソシアネ
ート基に一般式(4)で表されるケイ素化合物のW基を
反応させる方法。
【0019】 R3−a−SiX−RW・・・(4) (式中R、R、X、aは前記に同じ。Wは水酸基、カ
ルボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級また
は2級)から選ばれた活性水素含有基。)
【0020】(IV)ポリエーテルの末端にオレフィン
基を導入し、そのオレフィン基と、Wがメルカプト基で
ある一般式(4)で表されるケイ素化合物のメルカプト
基を反応させる方法。
【0021】ポリエーテルへの反応性シリル基の導入は
重合性不飽和基含有モノマーの重合を行う前に行い、そ
の後シリル基含有ポリエーテル中で重合性不飽和基含有
モノマーの重合を行う。
【0022】または、ポリエーテル中で重合性不飽和基
含有モノマーを重合させた後該重合体微粒子が分散した
ポリエーテルの末端に反応性シリル基を導入する。
【0023】本発明における分散した重合体微粒子を除
くシリル基含有ポリエーテルの分子量は6000〜50
000が好ましく、7000〜30000がより好まし
く、15000〜30000が特に好ましい。
【0024】本発明において、主要な重合性不飽和基含
有モノマーは高凝集性モノマーである必要がある。高凝
集性モノマーとはその単独重合体がシリル基含有ポリエ
ーテルに溶解しない重合体微粒子を形成しうるモノマー
である。この高凝集性モノマーは全重合性不飽和基含有
モノマーの過半重量、すなわち50〜100重量%であ
る必要がある。しかも、使用される重合性不飽和基含有
モノマーのうち少なくとも一部はエポキシ基含有モノマ
ーである必要がある。エポキシ基含有モノマーは高凝集
性モノマーの一部〜全部であってもよく、高凝集性モノ
マーでなくともよい。高凝集性モノマーの好ましい割合
は全重合性不飽和基含有モノマーに対して70〜100
重量%である。なお、高凝集性モノマーおよびエポキシ
基含有モノマーは、それぞれ2種以上を併用できる。
【0025】高凝集性モノマーとしては、(メタ)アク
リロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1などのニト
リル系モノマー、炭素数2以下のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレート、炭素数の少ない官能基含
有アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、
ベンジル基などの芳香核を有するアルキル(メタ)アク
リレート、スチレン、2−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼンなどのスチレン系モノマー、塩化ビニルなどのハ
ロゲン化ビニルモノマーなどがある。上記(メタ)アク
リレートのうちではメタクリレートが好ましい。
【0026】好ましい高凝集性モノマーは、ニトリル系
モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、およびスチレン
系モノマーであり、そのうちでもアクリロニトリル、メ
チルメタクリレート、グリシジルメタクリレートが好ま
しい。これら好ましい高凝集性モノマーは、他の高凝集
性モノマーと併用できる。
【0027】エポキシ基含有モノマーとしてはグリシジ
ルメタクリレートなどのエポキシ基を有する高凝集性モ
ノマーであってもよく、エポキシ基を有する高凝集性モ
ノマー以外のものであってもよい。後者の場合は高凝集
性モノマーとの併用が必須である。エポキシ基含有モノ
マーの割合は全重合性不飽和基含有モノマーに対して5
〜100重量%であることが好ましく、特に30〜10
0重量%であることが好ましい。
【0028】具体的なエポキシ基含有モノマーとして
は、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンやブ
タジエンモノオキシドなどの不飽和炭化水素オキシド;
ビニルグリシジルエーテルやアリルグリシジルエーテル
などの不飽和グリシジルエーテル類;グリシジルアクリ
レート、クロトン酸グリシジル、桂皮酸グリシジル、ビ
ニル安息香酸グリシジル、などの不飽和モノカルボン酸
のグリシジルエステル類;不飽和ジカルボン酸のモノア
ルキルモノグリシジルエステル類またはジグリシジルエ
ステル類等が挙げられる。
【0029】本発明においては上記重合性不飽和基含有
モノマーとともに他のモノマーを併用できる。他のモノ
マーを併用する場合は、該他のモノマーの量は全重合性
不飽和基含有モノマーに対して50重量%未満、特に3
0重量%以下が好ましい。
【0030】上記他のモノマーとしては、エポキシ基を
有さず、しかも高凝集性モノマーではないモノマーであ
り、例えば、炭素数3以上のアルキル基を有するアルキ
ルアクリレート、炭素数4以上のアルキル基を有するア
ルキルメタクリレート、反応性シリル基を有する重合性
モノマー、オレフィン類、ジエン類、酢酸ビニルなどが
ある。
【0031】具体的な上記他のモノマーとしては、例え
ば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、エチレン、イソブチレン、ブタジエンな
どがある。また、反応性シリル基を有する重合性モノマ
ーとしては、例えば、γ−(メタ)アクリロイロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイロ
キシプロピルメチルジメトキシシランなどの反応性シリ
ル基含有(メタ)アクリロイロキシアルキル化合物、お
よびビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル(β−メ
トキシエトキシ)シランなどの反応性シリル基含有ビニ
ル化合物がある。
【0032】これらの重合性不飽和基含有モノマーの種
類および組み合わせは、硬化物の改質目的に応じて適宜
選択しうるが、その重合物または共重合物である重合体
が微粒子状になって、反応性シリル基含有ポリエーテル
中に均一かつ安定に分散しうることが必要である。重合
体が上記ポリエーテル中に均一に溶解する場合には、硬
化物のゴム弾性の低下、組成物の粘度の上昇等の問題が
生じ、目的とする優れた機械物性、作業性の実現が困難
となる。
【0033】重合性不飽和基含有モノマーの重合は1つ
以上の反応性シリル基を有するシリル基含有ポリエーテ
ルまたは該ポリエーテルの製造原料である反応性シリル
基を導入しうるポリエーテルの存在下行う。また、重合
にあたって溶剤を使用することもできる。
【0034】前者の方法としては具体的には分子内に1
つ以上の反応性シリル基を有するポリエーテルにラジカ
ル発生性の重合開始剤と重合性不飽和基含有モノマーを
添加し撹拌下加熱する方法が適用しうる。重合開始剤と
重合性不飽和基含有モノマーの添加方法は特に限定され
ず、ポリエーテル、重合開始剤および重合性不飽和基含
有モノマーを一括混合する方法やポリエーテル中に重合
開始剤を溶解した重合性不飽和基含有モノマーを滴下す
る方法等を適宜用いうる。
【0035】後者の方法すなわち反応性シリル基を導入
しうるポリエーテル中で重合を行う場合は、上記と同様
の方法で重合性不飽和基含有モノマーの重合体微粒子の
分散体を得た後、該ポリエーテルに反応性シリル基を導
入することにより目的の硬化性組成物が得られる。
【0036】重合開始剤はラジカル発生剤に限定され
ず、重合性不飽和基含有モノマーを重合しうる各種化合
物を使用でき、また場合によっては重合開始剤を用いる
ことなく放射線や熱によって重合できる。重合開始剤と
しては、例えばパーオキシド系、アゾ系、またはレドッ
クス系の重合開始剤や金属化合物触媒などがある。具体
的によく使用される重合開始剤としては、例えばアゾビ
スイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、t−
ブチルパーオキシエステル、ジクミルパーオキシド、ア
セチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、過硫酸塩などがある。
【0037】重合反応は重合開始剤の分解温度以上、通
常は80〜160℃で行われる。モノマーの重合が終了
した後、必要に応じ通常の方法で未反応モノマーや溶媒
を除去してもよい。
【0038】反応性シリル基含有ポリエーテル中に分散
する重合性不飽和基含有モノマーの重合体の微粒子の含
有量は反応性シリル基含有ポリエーテル100重量部に
対し0.1〜100重量部の範囲が好ましい。作業性な
どの点から0.1〜60重量部の範囲で含有させるのが
好ましく、特に5〜40重量部の範囲が好ましい。
【0039】本発明の硬化性組成物は、反応性シリル基
含有ポリエーテル中の反応性シリル基の硬化反応および
エポキシ基の硬化反応によって最終的に硬化物を形成す
る。硬化性組成物の反応性シリル基含有ポリエーテル中
の反応性シリル基硬化反応はエポキシ基の架橋反応を行
った後、またはそれと同時に行われる。場合によって
は、反応性シリル基を硬化せしめた後にエポキシ基の硬
化剤または硬化促進剤によりエポキシ基の架橋反応を行
うこともできる。
【0040】反応性シリル基含有ポリエーテル中の反応
性シリル基の硬化にあたっては反応性シリル基の硬化反
応を促進する硬化促進触媒を使用してもよい。硬化促進
触媒としては、アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン
酸塩、ビスマストリス−2−エチルヘキサノエート、2
−エチルヘキサン酸錫およびジブチル錫ジラウレートの
ようなカルボン酸の金属塩、ジブチルアミン−2−エチ
ルヘキサノエート等のようなアミン塩、ならびに他の酸
性触媒および塩基性触媒を使用しうる。
【0041】エポキシ基を硬化させるにあたっては硬化
触媒または硬化促進剤を使用する。本発明で用いうるエ
ポキシ基の硬化剤または硬化促進剤としては、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリ
アミン類、メタフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミ
ン類、2級アミン類、トリス(ジメチルアミノメチル)
フェノール等の3級アミン類、3級アミン塩類、酸無水
物類、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化
ホウ素錯化合物類、イミダゾール類、ジシアンジアミド
類などが挙げられる。
【0042】本発明の組成物には、必要であれば、補強
剤、充填剤、可塑剤、タレ止め剤などを含ませてもよ
い。補強剤としてはカーボンブラック、微粉末シリカな
どが、充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレ
イ、シリカなどが、可塑剤としてはジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート、塩素
化パラフィンおよび石油系可塑剤などが、顔料としては
酸化鉄、酸化クロム、酸化チタンなどの無機顔料および
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの
有機顔料が、タレ止め剤としては有機酸処理炭酸カルシ
ウム、水添ひまし油、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸亜鉛、微粉末シリカなどが、挙げられる。
【0043】本発明の硬化性組成物は、シーリング剤、
防水剤、接着剤、コーティング剤などに使用しうるが、
特に硬化物自体の十分な強度と被着体への接着性が要求
される用途に好適である。
【0044】以下本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0045】
【実施例】[ポリエーテルの製造] ポリエーテルA:ジエチレングリコールを開始剤として
亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒を用いてプロピレン
オキシドの重合を行い、ポリオキシプロピレンジオール
を得た。これにイソシアネートプロピルメチルジメトキ
シシランを加え、ウレタン化反応を行い両末端の水酸基
をメチルジメトキシシリル基を含む有機基に変換し、平
均分子量が10000のポリエーテルAを得た。
【0046】ポリエーテルB:グリセリンを開始剤とし
て亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒を用いてプロピレ
ンオキシドの重合を行い、ポリオキシプロピレントリオ
ールを得た。これにアリルクロリドを加えて両末端の水
酸基をアリル基に変換した。ついで得られた末端アリル
基含有ポリオキシアルキレン化合物にメチルジメトキシ
シランを白金触媒の存在下に反応させてアリル基をメチ
ルジメトキシシリルプロピル基に変換し、平均分子量が
20000のポリエーテルBを得た。
【0047】ポリエーテルC:ジエチレングリコールを
開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒を用い
てプロピレンオキシドの重合を行い、ポリオキシプロピ
レンジオールを得た。これにアリルクロリドを加えて両
末端の水酸基をアリル基に変換した。ついで得られた末
端アリル基含有ポリオキシアルキレン化合物にメチルジ
メトキシシランを白金触媒の存在下に反応させてアリル
基をメチルジメトキシシリルプロピル基に変換し、平均
分子量が17000のポリエーテルBを得た。
【0048】[実施例1〜6、比較例1〜3] ポリエーテルA、ポリエ−テルB、またはポリエーテル
C50gを300mlの4ツ口フラスコに入れ、110
℃に保ちながらさらに同一のポリエーテル50g、不飽
和基含有モノマーを表1記載の量、およびアゾビスイソ
ブチロニトリル0.6gの混合物を窒素雰囲気下で撹拌
しながら2時間かけて滴下した。その後同温度で0.5
時間撹拌を続けた。反応終了後未反応モノマーを110
℃、0.1mmHgで2時間加熱減圧脱気にて除去し、
目的の組成物を得た。これら組成物は静置しても重合体
微粒子が沈降することなく、3か月以上安定であった。
【0049】使用したポリエーテルの種類と不飽和基含
有モノマーの種類と量(g)、得られた組成物の状態と
25℃における粘度を表1に示す。比較例として重合体
を含まないポリエーテル単独系も表1に示す。なお、表
1中ANはアクリロニトリル、GMAはグリシジルメタ
クリレート、MPSはメタクリロイロキシプロピルトリ
メトキシシランを示し、数値は重量比を示す。
【0050】
【表1】
【0051】[応用例] 実施例1〜6で得られた組成物ならびに比較例1〜3の
ポリエーテルに、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレー
トを加え、2mm厚のシートを作成し20℃で7日、さ
らに50℃で7日硬化養生した後に物性[50%モジュ
ラス(kg/cm)、破断強度(kg/cm)、破
断伸度(%)]の測定を行った。その結果を表2に示し
た。
【0052】
【表2】
【0053】また、実施例1〜6で得られた組成物なら
びに比較例1〜3のポリエーテルに硬化触媒としてジブ
チル錫ジラウレートを加え、JIS−A5548、5.
3.3に準拠してモルタルに対しての接着強さ(破断強
度:kg/cm)の測定を行った。その結果を表3に
示す。
【0054】
【表3】
【0055】実施例1〜2で得られた組成物100重量
部に2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノールを2重量部加え、さらに反応性シリル基の硬化触
媒としてジブチル錫ジラウレートを1重量部加え、それ
ぞれ2mm厚のシートを作成し20℃で7日、さらに5
0℃で7日硬化養生後に物性[50%モジュラス、破断
強度、破断伸度]の測定を行った。その結果を表4に示
した。
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】以上示したように、分子内に1つ以上の
反応性シリル基を有するポリエーテルと重合性不飽和基
含有モノマーの重合体からなる組成物において、上記ポ
リエーテル中に均一分散した重合性不飽和基含有モノマ
ーの重合体微粒子を形成するとともにエポキシ基含有モ
ノマーを使用することにより、優れた機械物性、接着性
を有し、かつ作業性に優れた硬化性組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 283/06 C08F 2/44 C08L 71/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に1つ以上の反応性シリル基を有す
    るシリル基含有ポリエーテル中で重合性不飽和基含有モ
    ノマーを重合して重合性不飽和基含有モノマーの重合体
    微粒子がシリル基含有ポリエーテル中に分散した組成物
    を製造する方法において、重合性不飽和基含有モノマー
    の過半重量が高凝集性モノマーであり、高凝集性モノマ
    ーとはその単独重合体がシリル基含有ポリエーテルに溶
    解しない重合体微粒子を形成しうるモノマーであり、し
    かも高凝集性モノマーの少なくとも一部または他の重合
    性不飽和基含有モノマーの少なくとも一部がエポキシ基
    含有モノマーであることを特徴とする、重合体微粒子が
    シリル基含有ポリエーテル中に分散した組成物の製造方
    であって、前記シリル基含有ポリエーテルが、複合金
    属シアン化物錯体触媒を使用して製造したポリエーテル
    モノ(またはポリ)オールの末端水酸基の1つ以上を反
    応性シリル基含有有機基に変換して得られるものであ
    る、組成物の製造方法
  2. 【請求項2】分子内に1つ以上の反応性シリル基を有す
    るシリル基含有ポリエーテル中に、重合性不飽和基含有
    モノマーを重合して得られる重合性不飽和基含有モノマ
    ーの重合体微粒子が分散した組成物において、重合性不
    飽和基含有モノマーの過半重量が高凝集性モノマーであ
    り、高凝集性モノマーとはその単独重合体がシリル基含
    有ポリエーテルに溶解しない重合体微粒子を形成しうる
    モノマーであり、しかも高凝集性モノマーの少なくとも
    一部または他の重合性不飽和基含有モノマーの少なくと
    も一部がエポキシ基含有モノマーであることを特徴とす
    る、重合体微粒子がシリル基含有ポリエーテル中に分散
    した組成物であって、前記シリル基含有ポリエーテル
    が、複合金属シアン化物錯体触媒を使用して製造したポ
    リエーテルモノ(またはポリ)オールの末端水酸基の1
    つ以上を反応性シリル基含有有機基に変換して得られる
    ものである、組成物
  3. 【請求項3】シリル基含有ポリエーテル100重量部に
    対し、重合性不飽和基含有モノマーの重合体微粒子0.
    1〜100重量部を含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】シリル基含有ポリエーテルの分子量が60
    00〜50000である、請求項2または3に記載の組
    成物。
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