JP3271911B2 - 車室内状況検出装置 - Google Patents

車室内状況検出装置

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JP3271911B2 JP27829896A JP27829896A JP3271911B2 JP 3271911 B2 JP3271911 B2 JP 3271911B2 JP 27829896 A JP27829896 A JP 27829896A JP 27829896 A JP27829896 A JP 27829896A JP 3271911 B2 JP3271911 B2 JP 3271911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車室内の搭乗状
態等の車室内の状況を検出する車室内状況検出装置に関
し、例えば、車両用のエアバッグ乗員拘束システムに用
いると好適なものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、車両用エアバッグ乗員拘束システ
ムの標準装備化が進み、さらに助手席用エアバッグの装
着率も高まってきている。エアバッグは、例えば自動車
の衝突時に、操舵輪(ハンドル)、インストルメントパ
ネル(計器盤)等のような車室内の内部構造に対して相
対的に乗員を緩やかに減速させるように作動して前記内
部構造に対して直接的な接触を阻止することによって乗
員の自動車の衝突による傷害を防止するものである。
【0003】又、エアバッグシステムは基本的に乗員の
乗車状態や体格に関係なく、自動車の衝突を感知する衝
突センサの衝突検知信号でエアバッグを一様に膨張させ
るシステムとなっている。しかしながら、エアバッグシ
ステムを装着してある車両とはいえ、自動車の衝突時に
必ずしも一様にエアバッグを膨張させることが(乗員保
護の面から)好ましいとは言えない。つまり、乗員の乗
車状態、乗員の体格がある特定された範囲内では、エア
バッグを膨張させない方が乗員保護に有効的である場合
もある。又、助手席エアバッグの場合において助手席に
乗員がいない時においても自動車が衝突したときには一
様にエアバッグが膨張してしまい、エアバッグ本来の目
的からすれば無意味な作動になってしまう。これによ
り、エアバッグ交換修理費の増加などの問題も発生して
いる。
【0004】これらの車室内の座席での状況を検出する
ために車室内の天井部に赤外線センサ(発光素子と受光
素子)を多数設け、赤外線センサからの信号に基づいて
乗員の乗車状態、乗員の体格等を特定することが考えら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、赤外線能動
方式のセンサ(発光素子と受光素子)を複数個、所定の
角度、位置で固定すると、検知分解能は発光素子の照射
角度により制限されたり、発光素子の指向性と照射角度
により検知範囲にデッドスペースが発生する。そのた
め、乗員の乗車状態、乗員の体格等を精度よく判定する
ことができない。これを回避すべく発光素子数を増やし
て検知精度(分解能)を向上することが考えられるが、
コストアップを招いてしまう。
【0006】そこで、この発明の目的は、コストアップ
を招くことなく精度よく被検出対象を検出することがで
きる車室内状況検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、指向性を有するセンサは車室内において向き又
は位置の少なくともいずれか一方を変更可能な状態で支
持されており、駆動制御手段は、センサの向き又は位置
の少なくともいずれか一方を変更するアクチュエータを
駆動してセンサの向き又は位置の少なくともいずれか一
方を変更させつつセンサによる被検出対象の検出信号を
取り込む。このように多数のセンサを用いることなく、
センサの向き又は位置を変更するという手法を用いて精
度よく被検出対象を検出することができる。判定手段
は、駆動制御手段によるセンサ検出信号に基づいて車室
内の状況を判定する。そして、この判定結果に基づいて
各種の処理(例えば、エアバッグシステムの制御)に反
映させることが可能となる。又、駆動制御手段は、車両
走行速度に応じてセンサの向きの変更速度または位置の
変更速度の少なくともいずれか一方を調整する。よっ
て、本装置をエアバッグシステムに適用する場合におい
て、車両走行速度が小さく衝突の可能性が低い場合には
変更速度を遅くし車両走行速度が大きく衝突の可能性が
高い場合には変更速度を速くすることが可能となり、変
更速度の最適化を図ることができる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、駆動開始
手段は駆動開始条件が成立するとアクチュエータの駆動
を開始させ、駆動終了手段は駆動終了条件が成立すると
駆動制御手段によるアクチュエータの駆動を終了させ
る。よって、必要がある時のみセンサの向き又は位置の
変更動作が行われる。
【0009】
【0010】請求項に記載の発明によれば、駆動制御
手段は、検出領域における一部領域に被検出対象が所定
時間にわたり存在すると、当該一部領域のみをセンサに
よる検出領域とする。よって、検出領域の絞り込みを行
うことができ、不要な検出動作を排除できる。
【0011】請求項に記載の発明によれば、補正手段
は、センサの向き又は位置の少なくともいずれか一方を
検出する位置検出器による検出結果に基づいてセンサの
向き情報または位置情報の少なくともいずれか一方を補
正する。よって、機械的なガタ等によるセンサの向き情
報または位置情報と実際値とにズレが生じても、センサ
の向き情報または位置情報が補正され、機械的なガタ等
による不具合が解消される。
【0012】請求項に記載の発明によれば、駆動制御
手段は、座席のスライド位置、座席の高さ、座席のリク
ライニング角度の内の少なくともいずれか1つに基づい
てセンサによる検出領域を調整する。よって、座席のセ
ット状態に応じた検出領域を作ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明の第1の実施の形
態を図面に従って説明する。
【0014】図1には、本実施の形態における車室内状
況検出装置を搭載した自動車を示す。この自動車は右ハ
ンドル仕様であり、助手席における車室内での天井には
距離測定器1が装着されている。この距離測定器1の詳
細を、図2〜図4に示す。図2は距離測定器1の斜視図
であり、図3は図2でのA−A断面図であり、図4は図
2のB−B断面図である。
【0015】図3に示すように、距離測定器1はボティ
2と球面カバー3とを有し、その内部には図2に示す赤
外線LED4と1次元PSD(光学式位置検出素子)5
とが配置されている。球面カバー3は赤外線を透過可能
な材料よりなる。
【0016】ボディ2には図2に示す第1可動プレート
6が回動可能に支持されている。第1可動プレート6は
長方形の板材よりなり、その長手方向(y軸方向)を軸
として回動する。y軸方向は距離測定器1を自動車に搭
載した状態で前後方向となっている。ボディ2には図4
に示すアクチュエータとしてのy軸用モータ7が固定さ
れ、このモータ7の出力軸がギヤ8,9を介して第1可
動プレート6の回動軸6aと駆動連結されている。よっ
て、y軸用モータ7の駆動により第1可動プレート6が
回動する。
【0017】図2,4に示すように、第1可動プレート
6の中央部には長方形の貫通孔10が形成されている。
貫通孔10には第2可動プレート11が配置され、同プ
レート11は第1可動プレート6に回動可能に支持され
ている。第2可動プレート11は長方形の板材よりな
り、その長手方向が前述のy軸方向となり、y軸に直交
する方向(x軸方向)を軸として回動する。x軸方向は
距離測定器1を自動車に搭載した状態で左右方向となっ
ている。第1可動プレート6にはアクチュエータとして
のx軸用モータ12が固定され、図3に示すようにモー
タ12の出力軸がギヤ13,14を介して第2可動プレ
ート11の回動軸11aと駆動連結されている。よっ
て、x軸用モータ12の駆動により第2可動プレート1
1が回動する。本実施の形態では、モータ7,12とし
てステッピングモータを用いている。
【0018】第2可動プレート11には、センサを構成
する赤外線LED(発光素子)4が下方の車室内に向け
て固定されている。又、第2可動プレート11には、セ
ンサを構成する受光素子としての1次元PSD(光学式
位置検出素子)5がLED(発光素子)4とy軸方向に
所定の間隔をおいて下方の車室内に向けて固定されてい
る。
【0019】そして、赤外線LED4と1次元PSD5
とは、y軸用モータ7の駆動による第1可動プレート6
の回動により、図5に示すように向きが変えられるとと
もに、図6に示すように、x軸用モータ12の駆動によ
る第2可動プレート11の回動により向きが変えられ
る。このようなセンサ(赤外線LED4、1次元PSD
5)のx軸とy軸での向きの変更により、距離測定器1
の下方向において2次元平面よりなる検出領域(赤外線
照射領域)が形成される。この検出領域を図1において
Z1にて示す。つまり、図7に示すように、検出領域Z
1においては赤外線LED4の発する赤外線を走査(ス
キャン)することができる。
【0020】さらに、図3に示すように、1次元PSD
(光学式位置検出素子)5の受光面側(前段部)には非
球面レンズ15が配置され、非球面レンズ15によりP
SD5に到達する赤外線反射光が集光してその収差が限
りなく小さくなる。又、PSD5の受光面と非球面レン
ズ15の取付間隔は非球面レンズ15の焦点fが、PS
D5の受光面上になるように距離をおいて設置されてい
る。
【0021】そして、検出領域(赤外線照射領域)Z1
に乗員が乗車すると、図8,9に示すように、乗員Mの
上部に設置してある距離測定器1でのLED4から赤外
光線が乗員Mの各部(例えば、頭、腕、膝など)で反射
し、その反射光線は非球面レンズ15で集合されPSD
5に入射される。
【0022】図8に示すように、1次元PSD5の出力
電流Ia ,Ib は入射スポットと電極までの距離に逆比
例して分割され取り出される。距離測定器1において1
次元PSD5には電流/電圧変換器16,17が接続さ
れている。そして、電流/電圧変換器16,17は1次
元PSD5の出力電流Ia ,Ib を電流/電圧変換して
電圧Va ,Vb として出力する。
【0023】つまり、図8に示すように、赤外線LED
(発光素子)4から発せられた光が反射し、この反射光
が1次元PSD(光学式位置検出素子)5にて受光され
る。このとき、1次元PSD(光学式位置検出素子)5
における集光位置により被検出対象(反射物)までの距
離に対応した出力差(Ia −Ib )を得る。この出力は
変換器16,17により電圧に変換される。
【0024】図10には、車室内状況検出装置の電気的
構成を示す。コントローラ18はマイクロコンピュータ
を中心に構成され、記憶手段としてのメモリ19を有し
ている。メモリ19にはパターンマッチングのための標
準パターンに関するデータが記憶されている。
【0025】コントローラ18には1次元PSD(光学
式位置検出素子)5の電流/電圧変換器16,17の出
力端子が接続されている。又、コントローラ18には赤
外線LED(発光素子)4が接続され、コントローラ1
8はLED4をパルス駆動して発光動作を行わせること
ができるようになっている。さらに、PSD5は電源に
接続され、常時作動している(ここで常時とはセンサ主
電源ONの時を指す)。コントローラ18にはPSD5
が接続され、コントローラ18はPSD5の受光電圧を
LED4の発光周期に同期して検出する。尚、LED4
及びコントローラ18にも電源が接続(図示せず)され
作動している。
【0026】コントローラ18にはモータ駆動回路20
を介してy軸用モータ7が接続されるとともに、モータ
駆動回路21を介してx軸用モータ12が接続されてい
る。コントローラ18は駆動回路20,21にパルス列
および回動方向指令信号を出力し、駆動回路20,21
は回動方向指令信号に応じた回動方向にパルスの入力毎
に所定角度だけモータ7,12の出力軸を回動駆動させ
る。このとき、コントローラ18からのパルス列のパル
ス送出間隔によりモータ7,12の出力軸の回動速度、
即ち、センサ4,5の向きの変更速度が決定される。
【0027】又、コントローラ18には各種センサ・ス
イッチ群22が接続されており、各種センサ・スイッチ
群22は自動車に搭載されたセンサやスイッチである。
具体的には、車速センサ、ドア開閉スイッチ、ドアロッ
クスイッチ、イグニッションスイッチ、荷重スイッチ等
を含む。車速センサは車両走行速度を検出し、ドア開ス
イッチは助手席のドアの開閉を検出する。ドアロックス
イッチはドアがロック状態あるいはアンロック状態にあ
るかを検出し、イグニッションスイッチはエンジン始動
の際に操作される。荷重スイッチは助手席のシートに備
えられ、乗員(ある荷重以上の物体)がシートに乗ると
その荷重によりオンするものである。そして、コントロ
ーラ18はセンサ・スイッチ群22からの信号により、
車両走行速度、助手席のドアの開閉状態、助手席のドア
のロック状態(ロック、アンロック)、エンジンが駆動
状態にあるか否か、助手席のシートに荷重が加わったか
否か等を検知することができるようになっている。
【0028】又、コントローラ18には車室内状況検出
装置に対する外部装置としてのエアバッグ制御装置26
が接続されている。図11にはエアバッグ制御装置26
を示す。
【0029】エアバッグ制御装置26は運転席用エアバ
ッグ(袋体)27と助手席用エアバッグ(袋体)28と
運転席用インフレータ29と助手席用インフレータ30
を備えている。そして、運転席用インフレータ29に設
けた点火装置31の駆動によりインフレータ29内でガ
スが発生し、そのガスがエアバッグ(袋体)27に充填
され、エアバッグ(袋体)27が膨らむようになってい
る。同様に、助手席用インフレータ30に設けた点火装
置33の駆動によりインフレータ30内でガスが発生
し、そのガスがエアバッグ(袋体)28に充填され、エ
アバッグ(袋体)28が膨らむようになっている。又、
助手席用エアバッグ(袋体)28と助手席用インフレー
タ30とを結ぶ途中には可変絞り装置35が設けられ、
絞り量を変えることにより助手席用エアバッグ(袋体)
28の開く速度を調整することができる。
【0030】エアバッグ制御装置26に備えられたコン
トローラ36は衝突センサ37からの衝突検知信号を入
力するとインフレータの点火装置31,33を駆動して
前述のエアバッグ膨張を実行させる。又、コントローラ
36は車室内状況検出装置からの信号を入力し、車室内
の状況を示す信号の内容に応じて点火装置31,33お
よび可変絞り装置35を制御する。
【0031】次に、このように構成した車室内状況検出
装置の作用を、図12〜図15のフローチャートを用い
て説明する。図12において、コントローラ18はステ
ップ101で助手席のドアが開かれたか否か判定し、ス
テップ102で助手席のドアが開いた後、荷重スイッチ
がオンしたか否か判定し、ステップ103で荷重スイッ
チ・オン後において助手席のドアが閉められたことを検
知すると、ステップ104でモータ駆動モードを設定し
てモータ駆動によるセンサ(赤外線LED4、1次元P
SD5)の向き変更動作を開始させる。
【0032】尚、ステップ101の処理は助手席のドア
がアンロック状態になったことを検知した後に行っても
よい。このようにモータ駆動モードが設定されている状
態においてはコントローラ18は図13の処理を実行す
る。図13においてコントローラ18はステップ201
でエンジンが駆動状態にあり、かつ、車速が「0」、即
ち、車両が停止しているか否か判定し、車両が停止中で
あるとステップ202で低速回動モードを設定する。即
ち、イグニッションスイッチ・オンで、かつ車速「0」
の時には自動車の衝突の可能性が低いため低速回動モー
ドを設定する。又、コントローラ18はステップ203
において車両が走行中で、かつその速度が60km/h
以下であるか否か判定し、60km/h以下であるとス
テップ204で中速回動モードを設定する。即ち、走行
速度が60km/h以下の時には自動車の衝突の可能性
があるため中速回動モードを設定する。さらに、コント
ローラ18はステップ203で走行速度が60km/h
より大きいと判定すると、ステップ205で高速回動モ
ードを設定する。即ち、走行速度が60km/hより大
きい時には自動車の衝突の可能性が高いため高速回動モ
ードを設定する。
【0033】尚、上記速度設定は車速「0」、「60」
kmとしたが、その値は変更してもよい。このように設
定されたセンサの回動速度モードに従ってコントローラ
18はモータ7,12を駆動してセンサ(赤外線LED
4、1次元PSD5)の向きを変更させて助手席での乗
員の状態を検出する。つまり、低速回動モードであれば
低速にてセンサの向きを変化させ、中速回動モードであ
れば中速にてセンサの向きを変化させ、高速回動モード
であれば高速にてセンサの向きを変化させる。
【0034】即ち、車両停止中の低速回動モードにおい
ては、センサ(赤外線LED4、1次元PSD5)の向
きをゆっくりと変化させ、省力化を図るとともに、ギヤ
8,9、13,14の噛み合い部等の可動部分の劣化防
止を図る。又、走行速度が60km/h以下の中速回動
モードにおいては、センサ(赤外線LED4、1次元P
SD5)の向きを割合速く変化させ、スキャン動作を割
合速くして車室内の変化に対する応答性を高める。さら
に、走行速度が60km/hよりも大きな高速回動モー
ドにおいては、センサ(赤外線LED4、1次元PSD
5)の向きを高速にて変化させ、スキャン動作を高速に
て行い車室内の変化に対する応答性を更に高める。この
ようにして、センサの向き変更速度の最適化が図られ
る。
【0035】又、赤外線LED4からの赤外線による検
出領域でのスキャン動作は、図7に示すように、y方向
の角度が−45°でx方向の角度が−45°の位置を開
始ポイントとし、x方向に5°ずつ回動し、x方向の角
度が+45°となるまで移動する。そして、x方向一列
分の回動が終了したら、次にy方向の角度を−45°か
ら−40°まで5°回動させ、y方向の角度が−40°
になったらx方向に5°ずつ回動し、x方向の角度が−
45°となるまで移動する。そして、x方向一列分の回
動が終了したら、次にy方向の角度を−40°から−3
5°まで5°回動させ、x方向一列分の回動動作を行
う。これを繰り返して、y方向の角度が+45°で一列
分の回動動作を行って検出領域Z1での1回のスキャン
動作が終了する。
【0036】尚、最大回動角度は変更可能であり、回動
分解能5°も変更可能である。又、コントローラ18は
このようにセンサ(赤外線LED4、1次元PSD5)
の向きを変えながら、図15の処理を実行する。
【0037】コントローラ18はステップ401で赤外
線LED4を駆動させて赤外線LED4を上記回動動作
に同期して点灯させる(回動分解能5°毎にLEDを発
光させる)。そして、コントローラ18は、ステップ4
02で、PSD5に対し発光素子のパルス周期に同期し
て距離測定動作を実行する。さらに、コントローラ18
はステップ403で反射光線の入力タイミングに同期し
て電流/電圧変換器16,17から電圧値(アナログ
値)Va , Vb を入力し、デジタル変換する。さらに、
コントローラ18はステップ404で次式により距離
(絶対位置)Lに変換する。本例では反射光の位置レベ
ル信号が、中速回動レベルにおいては1回の継続時間1
0msecで、周期100msecにて繰り返し入力さ
れる。尚、1回の継続時間、周期は回動速度に応じて変
更する。 L=k・(Va /Vb ) ただし、kは比例定数。
【0038】そして、コントローラ18はステップ40
5で反射点を結ぶ乗員形状(体格)パターンおよびイン
ストルメントパネルからの位置に関する分布パターンを
計算する。さらに、コントローラ18はステップ406
でこの形状および分布パターンと予めメモリに記憶して
ある標準パターンとをパターンマッチングして最も類似
する標準パターンを選択する。
【0039】このステップ406の処理を詳細に説明す
ると、メモリ19には予め形状(体格)に関する標準パ
ターンが記憶されており、この標準パターンには、大人
サイズであることを示すパターンと、子供サイズである
ことを示すパターンと、小動物(犬、猫等)サイズであ
ることを示すパターンと、静止物(手荷物等)サイズで
あることを示すパターンとが用意されている。つまり、
幼児から成人にいたるまでの人間サイズの形状、小動
物、チャイルドシート等の形状をパターン化して記憶し
てある。この標準パターンについて更に言及すると、図
16に示すように、正規位置に大人が着座したパター
ン、シートを倒して寝ているパターン、前向きにチャイ
ルドシートがセットされ幼児が座っているパターン、子
供が立っているパターン(スタンディングチャイルドパ
ターン)、後ろ向きにチャイルドシートがセットされ幼
児が座っているパターン、子供がインストルメントパネ
ルに手をつくパターン等を含んでいる。
【0040】コントローラ18はこの形状(体格)に関
するパターンマッチングにより、大人サイズか、子供サ
イズか、小動物(犬、猫等)サイズか、静止物(手荷物
等)サイズか等を判定する。
【0041】又、メモリ19にはインストルメントパネ
ルからの位置に関する標準分布パターンが予め記憶され
ており、この分布標準パターンは、図17に示したよう
に、通常のエアバッグ膨張に対して、乗車状態が適正な
分布パターン、やや危険な分布パターン、多大な危険が
およぶ分布パターン等の平面的(2次元的)分布であ
る。つまり、インストルメントパネルと乗員との距離が
近い領域P1に乗員がいると危険が「大」であり、イン
ストルメントパネルに対し中距離の領域P2に乗員がい
ると危険が「中」であり、インストルメントパネルに対
し遠距離の領域P3に乗員がいると危険が少なく適正で
あると判定するためのものである。
【0042】フローチャートの説明に戻り、コントロー
ラ18は図15のステップ407で、図18に示すよう
に、検出領域Z1での所定の位置における測定値の微分
値、積分値および周波数を計算する。つまり、時間tに
おける検知距離の微分値からの動き速度と、周期Tでの
検知距離の積分値からの変位量合計と、動き周波数とを
求める。このようにして、距離測定器1の出力値の時間
的な変化から被検出対象固有の動作の特徴が抽出され
る。
【0043】さらに、コントローラ18は図15のステ
ップ408でこの動作パターンと予めメモリ19に記憶
してある標準パターンとをパターンマッチングして動作
パターンに最も類似する標準パターンを選択する。
【0044】このステップ408の処理を詳細に説明す
ると、メモリ19には予め標準パターンが記憶されてお
り、この標準パターンには、図18の上段に示すように
人間であることを示すパターンと、図18の中段に示す
ように小動物(犬、猫等)であることを示すパターン
と、図18の下段に示すように静止物であることを示す
パターンとが用意されている。人間であることを示すパ
ターンは、動き速度が比較的(小動物に比べ)小さく、
変位量が大きく、動き周波数が低い。又、小動物(犬、
猫等)であることを示すパターンは、動き速度が大き
く、変位量が小さく、動き周波数が高い。さらに、静止
物であることを示すパターンは、動き速度がゼロで、変
位量がゼロで、動き周波数が無(直流)である。
【0045】つまり、人間、小動物、その他の物体とは
明らかに固有動作に差があり、人間か小動物が存在した
場合、固有動作の定量化処理(一定時間内における3次
元的な距離変動)により乗員の種類の特定が可能であ
る。
【0046】このようにして、コントローラ18は、距
離測定器1の出力値の時間的な変化から、被検出対象の
種類を特定、即ち、人間か小動物(犬、猫等)か、静止
物(手荷物等)かを判定する。
【0047】フローチャートの説明に戻り、コントロー
ラ18は図15のステップ409で形状・分布判定結果
(ステップ405の処理結果)と動作判定結果(ステッ
プ408の処理結果)から総合判定を行う。ここで、形
状・分布判定結果(ステップ405の処理結果)の一例
を図19に示し、動作判定結果(ステップ408の処理
結果)の一例を図20に示す。
【0048】図19において、状態11として適正位置
の物体(大人サイズ)、状態12としてやや危険位置の
物体(大人サイズ)、状態13として多大な危険位置の
物体(大人サイズ)、状態14として適正位置の物体
(子供サイズ)、状態15としてやや危険位置の物体
(子供サイズ)、状態16として多大な危険位置の物体
(子供サイズ)、状態17として適正位置の物体(幼児
サイズ)、状態18としてやや危険位置の物体(幼児サ
イズ)、状態19として多大な危険位置の物体(幼児サ
イズ)、状態110として後ろ向きチャイルドシート、
等である。
【0049】図20において、状態21として大人、状
態22として子供、状態23として小動物(犬、猫)、
状態24として静止物(手荷物など)である。そして、
コントローラ18は、例えば、図19の状態12(やや
危険位置の物体)で、かつ、図20で状態22(子供)
であったならば、やや危険位置の子供サイズの人間であ
ると判定する。又、図19の状態14(適正位置の物体
(子供サイズ))で、かつ、図20で状態24(静止
物)であったならば、適正位置の子供サイズの静止物で
あると判定する。
【0050】又、コントローラ18は、図15のステッ
プ409において、乗員分布がインストルメントパネル
により近接している分布を示し、かつ、立体形状(体
格)が幼児レベル、かつ、固有動作が人間パターンを示
した場合、この三者を組み合わせて、スタンディングチ
ャイルドと判定する。
【0051】そして、コントローラ18は図15のステ
ップ410でエアバッグ制御装置26に車室内の状況を
示す信号を送出する。その出力内容を図21に示す。総
合判定結果は、6ビットで表現され、2ビットの位置情
報と2ビットの形状情報と2ビットの種別情報(被検出
対象の特定結果)とからなる。位置情報として、「0
1」は多大な危険位置、「10」はやや危険な位置、
「11」は適正な位置を示す。形状情報として、「0
0」は大人サイズ、「01」は子供サイズ、「10」は
幼児サイズ、「11」は後ろ向きチャイルドシートを示
す。種別情報として、「00」は大人、「01」は子
供、「10」は小動物、「11」は静止物を示す。そし
て、図21に示すように「010111」ならば多大な
危険位置の子供サイズの静止物であることを示す。
【0052】一方、図11のエアバッグ制御装置26に
おいては、車室内状況検出装置からの信号を入力する
と、車室内の状況を示す信号の内容に応じた制御を実行
する。つまり、コントローラ36は乗員の乗車状態、乗
員の体格がある特定された範囲内では、エアバッグを膨
張させない。又、搭乗体が特定された時(人間以外の小
動物か、その他の物体)や助手席に乗員がいない時にお
いては、自動車が衝突したときにエアバッグの膨張を禁
止してエアバッグの無意味な作動を禁止してエアバッグ
交換修理費の増加を防止する。
【0053】又、コントローラ36は搭乗体の種類(人
間か、小動物か、その他の物体か)、乗員の乗車状態、
乗員の体格が別の特定範囲内では、エアバッグの膨張速
度を制御して作動させる。例えば、幼児がシートに着座
せずインストルメントパネルとシート間に立ったまま乗
車していたり(スタンディングチャイルド状態)、シー
トに着座しているもののシートベルトを装着せず前屈み
になって頭部がインストルメントパネルに近接している
ような状態など、エアバッグの機能が有効的に働く適正
状態に対し適正でない状態となっている乗員には図11
の可変絞り装置35を制御してガス通路を狭くしてその
状態に対応したエアバッグの作動速度にて膨張させる。
つまり、スタンディングチャイルド状態と判定された場
合、コントローラ36はエアバッグ膨張速度を超低速に
する。
【0054】このようにモータ駆動モードが設定されて
いる状態(図12のステップ104にて設定)におい
て、図14に示すように、コントローラ18はステップ
301で助手席のドアが開かれたか否か判定し、ステッ
プ302で助手席のドアを開いた後、荷重スイッチがオ
フしたか否か判定し、ステップ303で荷重スイッチ・
オフ後において助手席のドアが閉められたことを検知す
ると、ステップ304でモータ駆動モードを解除してモ
ータ駆動によるセンサ(赤外線LED4、1次元PSD
5)の向き変更動作を終了させる。
【0055】尚、ステップ303の処理を行った後、助
手席のドアがロックされたことを検出した後において、
ステップ304の処理を行ってもよい。このように本実
施の形態は下記の特徴を有する。 (イ)指向性を有するセンサ(LED4,PSD5)を
車室内の天井において向きを変更可能な状態で支持し、
コントローラ18(駆動制御手段、判定手段)は、セン
サの向きを変更するモータ7,12(アクチュエータ)
を駆動してセンサの向きを変更させつつセンサによる被
検出対象の検出信号を取り込み、センサ検出信号に基づ
いて車室内の状況を判定し、この判定結果に基づいてエ
アバッグシステムの制御に反映させる。
【0056】このように多数個のセンサを用いることな
くセンサの向きを変更するという手法を用いて精度よく
被検出対象を検出することができる。つまり、従来のセ
ンサ固定式のものに比べセンサは1個のみでよいため、
センサの小型化、低コスト化を図ることができる。又、
検出領域(回動角度)、回動速度、回動順序をソフトウ
ェアで簡単に変更でき、車両毎、取付け位置、センサ仕
様等の制約を受けにくい。即ち、複数のセンサを天井に
固定する場合においては車両の差異、取付け位置、セン
サ仕様により検出範囲が異なるためそれぞれの条件に合
った照射角度や配置構造をもつセンサを用意せねばなら
ず汎用性に欠けるものであったが、本実施の形態におい
ては、このような制約を受けにくい。 (ロ)コントローラ18(駆動開始手段)は図12のス
テップ101〜103の処理により駆動開始条件が成立
するとステップ104でモータ駆動モードを設定してモ
ータ7,12(アクチュエータ)の駆動を開始させる。
又、コントローラ18(駆動終了手段)は図14のステ
ップ301〜303の処理により駆動終了条件が成立す
るとステップ404でモータ駆動モードを解除してモー
タ7,12の駆動を終了させる。よって、必要がある時
のみセンサの向きの変更動作が行われる。即ち、検知す
る必要がない期間の無意味な動作を無くして省電力化、
可動機構部の劣化が防止できる。 (ハ)コントローラ18(駆動制御手段)は、図13の
処理により車両走行速度に応じてセンサの向きの変更速
度を調整する。よって、エアバッグの制御のために行う
車室内状況検出に際し、衝突可能性を考慮した制御を行
うことができる。 (第2の実施の形態)次に、この発明の第2の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0057】本実施の形態におけるコントローラ18
は、図22に示すように、ステップ501で検出領域に
おける一部領域(例えば1/4程度の範囲内)に偏って
乗員が所定時間以上いるか否かを判定する。そして、一
部領域に偏って乗員が所定時間以上いると、コントロー
ラ18は、ステップ502でその乗員のみを検出すべく
検出領域を変更し、ステップ503で動作を実行する。
つまり、必要な範囲のみ検出領域に設定する。
【0058】このように本実施の形態によれば、コント
ローラ18は検出領域における一部領域に被検出対象が
所定時間にわたり存在すると、この一部領域のみをセン
サによる検出領域とする。よって、検出領域の絞り込み
を行うことができ、不要な検出動作を排除できる。 (第3の実施の形態)次に、この発明の第3の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0059】距離測定器1は回動機構部(ギヤ8,9,
13,14)を有し、かつ車両に搭載されているので、
自動車の走行に伴い機械的ガタが生じセンサによる検出
位置と実際の位置とに差(ズレ)が生じるので、これを
補償すべく以下の処理を行っている。
【0060】距離測定器1の内部において、可動プレー
ト6,11が水平面になるとオンするリセットスイッチ
が設けられ、このスイッチがセンサの向き、即ち、可動
プレート6,11の回動位置を検出する。
【0061】そして、コントローラ18は、図23に示
すように、ステップ601において図12のステップ1
01〜103のモータ駆動開始条件が成立すると、ステ
ップ602でリセットスイッチがオンしたか否かを判定
し、オンしないとステップ603でモータ7,12を駆
動して可動プレート6,11を回動させる。そして、リ
セットスイッチがオンすると、コントローラ18はステ
ップ604でセンサの向き情報を補正して原点のリセッ
ト動作を行う。つまり、所定の操作条件が成立するとリ
セットスイッチがオンするまで回動させて原点位置調整
を行う。よって、センサの向き情報と実際値とが異なる
と正しい乗員検知が難しくなるが、センサ向きのリセッ
ト動作によりセンサの向き情報は時間経過や車両の振動
による誤差の発生が回避される。
【0062】その後、コントローラ18は、ステップ6
05でモータ駆動モードを設定する。このように本実施
の形態では、コントローラ18(補正手段)はセンサの
向きを検出するリセットスイッチ(位置検出器)による
検出結果に基づいてセンサの向き情報を補正する。よっ
て、機械的なガタ等によるセンサの向き情報と実際値と
にズレが生じても、センサの向き情報が補正され、機械
的なガタ等による不具合が解消される。
【0063】尚、所定の操作条件が成立とはイグニッシ
ョン・オン時等でもよい。 (第4の実施の形態)次に、この発明の第4の実施の形
態を、第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0064】本実施の形態においても距離測定器1の内
部において可動プレート6,11が水平面になるとオン
するリセットスイッチ(位置検出器)が設けられてい
る。そして、コントローラ18は、図24に示すよう
に、ステップ701において図14のステップ301〜
303のモータ駆動終了条件が成立すると、ステップ7
02でモータ7,12を駆動して可動プレート6,11
を回動させる。そして、コントローラ18はステップ7
03でリセットスイッチがオンしたか否か判定し、オン
しないとステップ702に戻り可動プレート6,11を
さらに回動させる。その後、コントローラ18は、ステ
ップ703においてリセットスイッチがオンすると、コ
ントローラ18はステップ704でセンサの向き情報を
補正して原点のリセット動作を行う。さらに、コントロ
ーラ18は、ステップ705でモータ駆動モードを解除
し、モータの駆動を終了する。
【0065】このようにすると、センサの向き情報と実
際値とが異なると正しい乗員検知が難しくなるが、モー
タ駆動終了条件が成立するとリセットスイッチがオンす
るまで回動させて原点位置調整が行われる。
【0066】尚、第3,4の実施の形態において、位置
検出器としてのリセットスイッチの代わりにセンサの向
きを常時検出するセンサ(ポテンショメータ等)を用
い、この位置センサの検出値(実際のセンサの向き)と
センサの向き情報とを比較し、両者に差が生じた場合に
はセンサの向き情報を補正してもよい。 (第5の実施の形態)次に、この発明の第5の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0067】本形態では、図26,27に示すように、
検出領域(最大回動角度θ)を可変制御としている。つ
まり、図25に示すように、コントローラ18はステッ
プ801でリクライングセンサからの信号を取り込む。
ここで、リクライングセンサは助手席のバックシートの
リクライング角度を検出するものであって、図10の各
種センサ・スイッチ群22に属するセンサとしてコント
ローラ18に接続されている。
【0068】コントローラ18は、図25のステップ8
02でリクライング角度に応じて検出領域(最大回動角
度θ)を設定している。つまり、リクライングセンサか
らの信号によりリクライニング状態を把握し、その状態
に応じた検知領域を設定している。図26では通常のバ
ックシートの位置を示し、図27には最大バックシート
を寝かせた場合を示す。
【0069】このように本実施の形態においては、コン
トローラ18(駆動制御手段)は、座席のリクライニン
グ角度に基づいてセンサによる検出領域を調整するの
で、座席のセット状態に応じた検出領域、即ち、常に乗
員を検知できる検出領域を作ることができる。
【0070】尚、リクライニング角度の他にも座席のス
ライド位置、あいるは座席の高さに基づいてセンサによ
る検出領域(最大回動角度θ)を調整したり、座席のス
ライド位置、座席の高さ、座席のリクライニング角度の
内の2つ以上に基づいてセンサによる検出領域を調整し
てもよい。ここで、シートのスライド位置はスライドセ
ンサにより検出し、シートの高さは高さセンサにより検
出すればよい。 (第6の実施の形態)次に、この発明の第6の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0071】図28に示すように、距離測定器1は、3
つの赤外線LED40,41,42が前後方向(y軸方
向)にライン状に配置され、その後ろにはPSD5が配
置され、1次元ライン(xラインセンサ)センサが構成
されている。そして、モータ7の駆動により可動プレー
ト11のみを回動させる。
【0072】この場合、前述したx軸とy軸に回動させ
る方式(2次元回動型)に比べ、x方向の検知精度は低
下するが、モータの個数を少なくできるとともにモータ
の制御負荷が軽減できる。 (第7の実施の形態)次に、この発明の第7の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0073】本実施形態では、図12の代わりに図29
の処理によりモータ駆動モードの設定を行うとともに、
図14の代わりに図30の処理によりモータ駆動モード
の解除を行う。つまり、図29において、コントローラ
18はステップ801でアクセサリースイッチあるいは
イグニッションスイッチがオンされたことを検知する
と、ステップ802でモータ駆動モードを設定してモー
タ駆動によるセンサ(赤外線LED4、1次元PSD
5)の向き変更動作を開始させる。
【0074】又、図30に示すように、コントローラ1
8はステップ901でアクセサリースイッチあるいはイ
グニッションスイッチがオフされたことを検知すると、
ステップ902でモータ駆動モードを解除してモータ駆
動によるセンサ(赤外線LED4、1次元PSD5)の
向き変更動作を終了させる。
【0075】このようにエアバッグシステムの作動をア
クセサリースイッチ・オンにて始動させる場合におい
て、それに同期した形で乗員センサも作動を開始させる
ことができる。
【0076】尚、アクセサリースイッチあるいはイグニ
ッションスイッチは図10の各種センサ・スイッチ群2
2に含まれている。これまで説明した各実施の形態の他
にも、次のように実施してもよい。
【0077】上述した形態においてエアバッグ制御装置
は、車室内状況検出装置から送出される信号に対応し
て、エアバッグの膨張阻止、膨張速度の可変制御を行っ
たが、他にも、エアバッグの膨張阻止のみを行ったり、
膨張速度の可変制御のみを行ってもよい。あるいは、エ
アバッグ制御装置において膨張方向(エアバッグの向
き)の可変制御を行ってもよい。
【0078】又、距離検出器(センサ)1は発光素子と
受光素子からなる光学式センサを用いたが、超音波セン
サを用いてもよい。さらは、センサの取付け位置は天井
に限ることなく、インストルメントパネル等に設けても
よい。
【0079】さらには、上述した各実施の形態において
はセンサの向きを変更するようにしたが、センサの向き
を変更する代わりに位置を変更してもよい。あるいは、
向きと位置の両方を変更するようにしてもよい。
【0080】又、アクチュエータとしてステッピングモ
ータ7,12を用いたが、他にもDCモータ等の他の電
動モータを用いたり、油圧モータ等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における自動車を示す図。
【図2】 距離測定器の斜視図。
【図3】 図2でのA−A断面図。
【図4】 図2のB−B断面図。
【図5】 距離測定器の動作を説明するための図。
【図6】 距離測定器の動作を説明するための斜視図。
【図7】 検出領域を説明するための斜視図。
【図8】 センジングを説明するための図。
【図9】 センジングを説明するための図。
【図10】 車室内状況検出装置の電気的構成を示す
図。
【図11】 エアバッグ制御装置の全体構成図。
【図12】 作用を説明するためのフローチャート。
【図13】 作用を説明するためのフローチャート。
【図14】 作用を説明するためのフローチャート。
【図15】 作用を説明するためのフローチャート。
【図16】 乗員の状態を示す説明図。
【図17】 危険度を説明するための説明図。
【図18】 検知距離の時間的変化を示す図。
【図19】 乗員状態パターンを示す図。
【図20】 乗員状態パターンを示す図。
【図21】 出力信号の内容を示す図。
【図22】 第2の実施の形態における作用を説明する
ためのフローチャート。
【図23】 第3の実施の形態における作用を説明する
ためのフローチャート。
【図24】 第4の実施の形態における作用を説明する
ためのフローチャート。
【図25】 第5の実施の形態における作用を説明する
ためのフローチャート。
【図26】 第5の実施の形態における車室内状況を説
明するための説明図。
【図27】 第5の実施の形態における車室内状況を説
明するための説明図。
【図28】 第6の実施の形態における距離測定器の斜
視図。
【図29】 第7の実施の形態における作用を説明する
ためのフローチャート。
【図30】 第7の実施の形態における作用を説明する
ためのフローチャート。
【符号の説明】
4…センサを構成する赤外線LED、5…センサを構成
する1次元PSD、7…アクチュエータとしてのy軸用
モータ、12…アクチュエータとしてのx軸用モータ、
18…駆動制御手段、判定手段、駆動開始手段、駆動終
了手段、補正手段としてのコントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 次郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−169289(JP,A) 特開 昭63−255116(JP,A) 特開 平10−119715(JP,A) 特開 平9−309402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/32 B60R 21/00 B60H 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指向性を有し、車室内において向き又は
    位置の少なくともいずれか一方を変更可能な状態で支持
    されたセンサと、 前記センサの向き又は位置の少なくともいずれか一方を
    変更するアクチュエータと、 前記アクチュエータを駆動して前記センサの向き又は位
    置の少なくともいずれか一方を変更させつつ前記センサ
    による被検出対象の検出信号を取り込む駆動制御手段
    と、 前記駆動制御手段によるセンサ検出信号に基づいて車室
    内の状況を判定する判定手段とを備え 前記駆動制御手段は、車両走行速度に応じてセンサの向
    きの変更速度または位置の変更速度の少なくともいずれ
    か一方を調整するものである ことを特徴とする車室内状
    況検出装置。
  2. 【請求項2】 駆動開始条件が成立すると前記駆動制御
    手段によるアクチュエータの駆動を開始させる駆動開始
    手段と、 駆動終了条件が成立すると前記駆動制御手段によるアク
    チュエータの駆動を終了させる駆動終了手段とを備えた
    請求項1に記載の車室内状況検出装置。
  3. 【請求項3】 駆動制御手段は、検出領域における一部
    領域に被検出対象が所定時間にわたり存在すると、当該
    一部領域のみをセンサによる検出領域とする請求項1に
    記載の車室内状況検出装置。
  4. 【請求項4】 センサの向き又は位置の少なくともいず
    れか一方を検出する位置検出器と、 前記位置検出器による検出結果に基づいてセンサの向き
    情報または位置情報の少なくともいずれか一方を補正す
    る補正手段とを備えた請求項1に記載の車室内状況検出
    装置。
  5. 【請求項5】 駆動制御手段は、座席のスライド位置、
    座席の高さ、座席のリクライニング角度の内の少なくと
    もいずれか1つに基づいてセンサによる検出領域を調整
    するものである請求項1に記載の車室内状況検出装置。
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