JP3271454B2 - Al合金製オイルポンプロータの製造法 - Google Patents

Al合金製オイルポンプロータの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面欠陥や表面荒れ
がなく、かつ表面強度の高い歯型面を有し、この結果す
ぐれた耐キャビテーション損傷性と耐摩耗性を発揮する
ようになるAl合金製オイルポンプロータを製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車の軽量化の面から、
これの自動変速機に用いられているオイルポンプのロー
タ(インナーロータおよびアウターロータ)にAl合金
製のものの使用が検討されている。また、Al合金製オ
イルポンプロータ(以下、Al合金ロータという)の製
造法としては、例えば特開平5−39507号公報に記
載される通り、(a) 急冷凝固Al合金粉末、または
急冷凝固Al合金粉末と硬質粒子粉末の混合粉末より冷
間または温間圧縮にて75〜93%の理論密度比をも
ち、かつ外周面または外周面が歯型面(トロコイド曲線
やインボリュート曲線、さらにこれらの曲線に類似した
曲線に相当する曲面を総称して歯型面という)の1次ロ
ータ素材を成形し、(b) 上記1次ロータ素材に熱間
型押鍛造を施して95〜98%の理論密度比をもった2
次ロータ素材を成形し、(c) 上記2次ロータ素材に
冷間または温間サイジングを施す、以上(a)〜(c)
の工程からなる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来製
造法で製造されたAl合金ロータにおいては、1次ロー
タ素材の成形時に形成された歯型面の寸法形状がほとん
どそのままの状態で最終製品であるロータにもちきたら
されるので、ロータの歯型面には、(1) 熱間型押鍛
造時に金型に塗布された潤滑剤の巻き込み、(2) 熱
間型押鍛造時の金型のガジリ、(3) サイジング時に
おける金型に塗布した潤滑剤の残存空孔への混入、以上
(1)〜(3)などが原因の表面欠陥や表面荒れが発生
し、さらに上記の巻き込みや混入の潤滑剤は、原料であ
るAl合金粉末相互の結合を阻害するため表面強度の低
下が避けられず、この結果苛酷な条件下での実用に際し
ては、キャビテーション損傷や摩耗の進行が著しく促進
し、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、Al合金ロータの製造に際し
て、表面欠陥や表面荒れの発生がなく、かつ表面強度の
高い歯型面を形成すべく研究を行なった結果、まず、急
冷凝固Al合金粉末、または急冷凝固Al合金粉末と硬
質粒子粉末の混合粉末より熱間圧縮にて98%以上の高
い理論密度比を有するリング素材を成形し、このリング
素材に、その外周面部または内周面部をそぎ取って歯型
面を形成し、このそぎ取った部分を上端部または下端部
に集めて押残り部とする条件で押出し加工を施してロー
タ素材を形成すると、この結果得られたロータ素材にお
いては、上記リング素材の成形時に表面部に巻き込んだ
潤滑剤や押出し加工時に用いられた潤滑剤が前記そぎ取
られた部分と一緒になって上記押残り部に集められるの
で、潤滑剤の巻き込みや混入がなく、さらに押出し加工
のため金型のガジリの発生もなく、かつ寸法精度の高い
緻密な歯型面が形成されるようになり、したがって、前
記歯型面はすぐれた耐キャビテーション損傷性と耐摩耗
性を発揮するようになるという研究結果を得たのであ
る。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、(a) 急冷凝固Al合金粉
末、または急冷凝固Al合金粉末と硬質粒子粉末の混合
粉末より熱間圧縮にて98%以上の理論密度比をもった
リング素材を成形し、(b) 上記リング素材に、歯型
面が形成される外周面部または内周面部をそぎ取る条件
で押出し加工を施して、上端部または下端部に押残り部
を有し、残りの主体部の外周面または内周面が歯型面に
加工されたロータ素材を成形し、(c) 上記ロータ素
材から押残り部を除去する、以上(a)〜(c)の基本
工程により耐キャビテーション損傷性および耐摩耗性に
すぐれたAl合金ロータを製造する方法に特徴を有する
ものである。
【0006】なお、この発明の方法を実施するに際し
て、急冷凝固Al合金粉末としては、重量%で、Fe:
3〜12%、Si:6〜22%、Cr,V,Mo,M
n、およびNbのうちの1種または2種以上:0.5〜
3%を含有し、さらに必要に応じてNi:0.1〜3%
を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
するガスアトマイズAl合金粉末の使用が望ましく、さ
らに必要に応じて硬質粒子粉末として2〜10μmの平
均粒径を有する炭化けい素(SiC)粉末、炭化チタン
(TiC)粉末、窒化チタン(TiN)粉末、酸化アル
ミニウム(Al2 3 )粉末、および窒化アルミニウム
(AlN)粉末のうちの1種または2種以上を2〜9体
積%の割合で上記ガスアトマイズAl合金粉末に混合し
たものを用いてもよい。
【0007】また、同じく急冷凝固Al合金粉末、また
はこれと硬質粒子粉末との混合粉末の熱間圧縮は、非酸
化性雰囲気中で、5℃/sec 以上の昇温速度で400〜
500℃の温度に急速加熱し、その15分以内で熱間鍛
造を終了する条件で行なうのが望ましく、これは加熱温
度が400℃未満では粉末間の結合が弱く、かつ緻密化
も十分に行なわれず、一方加熱温度が500℃を越えた
り、前記加熱温度への昇温速度が5℃/sec 未満の遅い
場合や、さらに前記加熱温度に15分を越えて長時間保
持されると上記粉末のもつ急冷凝固組織が破壊され、ロ
ータ特性の劣化をまねくようになるという理由によるも
のである。さらに、この発明の方法において、リング素
材の理論密度比を98%以上としたのは、98%未満の
理論密度比では、最終製品であるロータに所望の高強度
を確保することができないばかりでなく、次工程の押出
し加工で割れが発生し易くなるという理由にもとづくも
のである。
【0008】
【実施例】つぎに、この発明の方法を実施例により具体
的に説明する。通常の溶解法にて、それぞれ表1に示さ
れる組成をもったAl合金溶湯を調製し、これらのAl
合金溶湯を窒素ガスアトマイズ法にて粉化し、ふるい分
けして−200メッシュの粒度をもった急冷凝固Al合
金粉末a〜jを形成し、これに別途硬質粒子粉末として
用意した、いずれも2〜10μmの範囲内の所定の平均
粒径を有するSiC粉末、TiC粉末、TiN粉末、A
2 3 粉末、およびAlN粉末のうちの1種または2
種以上を表2に示される割合で配合し、あるいは配合し
ないまま、V型ミキサーで30分間混合して原料粉末を
調製し、ついでこれらの原料粉末を、いずれも窒素雰囲
気中、450℃に10℃/sec の平均昇温速度で加熱
し、前記温度に5分間保持した後、直ちにこれを図1に
左半分縦断面図で示される熱間圧縮−押出し加工装置の
キャビティ、すなわち外周面にしごき段部2aを有し、
このしごき段部を境に上方外面を円形面とし、下方周面
を歯型面2bとした内側ダイス2と内周面を円形面とし
た外側ダイス3の間に下パンチ5を介して形成されたリ
ング状キャビティに装入し、この原料粉末を同図(a)
に示されるように下パンチ5を固定した状態で、上パン
チ4にて5ton /cm2 の圧力で圧縮(鍛造)して、いず
れも98.3〜99.8%の範囲内の所定の理論密度比
を有し、かつ外径:95mm×内径:68mm×高さ:10
mmの寸法をもったリング素材1を成形し、引続いて同図
(b)に示されるように、上パンチ4に8ton /cm2
圧力を加えてさらに降下させ、この間下パンチ5には背
圧を加えておき、前記リング素材1の内周面部を前記内
側ダイス2のしごき段部2aでそぎ取りながら内周面に
歯型面2bを形成する押出し加工を行なって、同図
(b)に示される状態で押出し加工を終了し、そぎ取ら
れた部分を上端部に集めて押残り部6aとしたアウター
ロータ素材6を成形し、また上記内側ダイスの外周面に
形成したしごき段部および歯型面をこれに代って外側ダ
イズ3の内周面に設ける以外は同一の条件でインナーロ
ータ素材を形成し、これを取り出して、上記押残り部6
aをそれぞれ除去する本発明方法1〜10を実施し、外
径:95mm×高さ:10mmの寸法をもった内歯数:11
個にしてインボリュート曲線歯型面を有するアウターロ
ータと、これと対をなす外歯数:10個のインナーロー
タをそれぞれ製造した。
【0009】また、比較の目的で、上記の原料粉末を用
い、図2に左半分縦断面図で示される圧縮装置、すなわ
ち外周面が歯型面2bに形成された内側ダイス2と内周
面が円形面に形成された外側ダイス1の間に下パンチ5
を介して形成されたリング状キャビティ内に上記原料粉
末を装入し、これを上パンチ4で冷間で圧縮して、いず
れもほぼ85%の理論密度比を有する1次ロータ素材7
を成形し、ついで前記1次ロータ素材を、図2に示され
る構造と同じ構造の熱間圧縮(鍛造)装置に装入し、こ
れに450℃の温度で熱間鍛造を施して、いずれもほぼ
97%の理論密度比を有する2次ロータ素材を成形し、
最終的に前記2次ロータ素材に冷間でサイジング加工を
行なってアウターロータを製造し、さらに上記内側ダイ
ス2の外周面に形成した歯型面を、これに代って外側ダ
イス3の内周面に形成する以外は同一の条件で前記アウ
ターロータと対をなすインナーロータを製造する従来方
法1〜10をそれぞれ行なった。なお、従来方法1〜1
0で製造されたアウターロータとインナーロータの形状
および寸法は本発明方法1〜10で製造されたものと全
く同じものである。
【0010】この結果得られた各種のアウターロータお
よびインナーロータのうち、アウターロータについて、
これを50℃の蒸留水を入れた水槽の底部中心に固定
し、これの直上に振動子を位置させ、振動数:20KH
z 、振動子振幅:35μm、ローター振動子間距離:
0.8mm、試験時間:6時間の条件でキャビテーション
損傷試験を行ない、試験後のロータの体積減量を測定す
ることにより耐キャビテーション損傷性を評価した。ま
た、これらのアウターロータおよびインナーロータを、
ケージングがJIS・ADC12のAl合金からなるオ
イルポンプに組み込み、ロータ回転数:6000r.p.
m.、循環オイル温度:140℃、油圧:18kgf /m
m2 、運転時間:200時間の高出力運転条件で実機試
験を行ない、インナーロータの外周面における最大摩耗
深さを測定することにより耐摩耗性を評価した。これら
の測定結果を表2に示した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】表2に示される結果から、本発明方法1
〜10で製造されたロータは、いずれも従来方法1〜1
0で製造されたロータに比して苛酷な条件下ですぐれた
耐キャビテーション損傷性と耐摩耗性を示すことが明ら
かである。上述のように、この発明の方法によれば、苛
酷な条件下ですぐれた耐キャビテーション損傷性と耐摩
耗性を示し、したがって実用に際しては著しく長期に亘
ってすぐれた性能を発揮するAl合金製オイルポンプロ
ータを製造することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施装置を示す左半分縦断面図で
ある。
【図2】従来方法の実施装置を示す左半分縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 リング素材 2 内側ダイス 2a しごき段部 2b 歯型面 3 外側ダイス 4 上パンチ 5 下パンチ 6 リング素材 6a 押残り部 7 1次ロータ素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 5/08 B22F 3/24 F04C 2/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 急冷凝固Al合金粉末、または
    急冷凝固Al合金粉末と硬質粒子粉末の混合粉末より熱
    間圧縮にて98%以上の理論密度比をもったリング素材
    を成形し、 (b) 上記リング素材に、歯型面が形成される外周面
    部または内周面部をそぎ取る条件で押出し加工を施し
    て、上端部または下端部に押残り部を有し、残りの主体
    部の外周面または内周面が歯型面に加工されたロータ素
    材を成形し、 (c) 上記ロータ素材から押残り部を除去する、以上
    (a)〜(c)の基本工程からなることを特徴とする、
    耐キャビテーション損傷性および耐摩耗性のすぐれたA
    l合金製オイルポンプロータの製造法。
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