JP3271328B2 - ポリアミド系樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物およびその成形品

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JP3271328B2 JP27700692A JP27700692A JP3271328B2 JP 3271328 B2 JP3271328 B2 JP 3271328B2 JP 27700692 A JP27700692 A JP 27700692A JP 27700692 A JP27700692 A JP 27700692A JP 3271328 B2 JP3271328 B2 JP 3271328B2
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glass fiber
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毅 寺島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剛性、強靱性、耐薬品
性および耐熱水性に優れるポリアミド系樹脂組成物およ
びその成形品に関する。さらに詳しくは、特に液冷式内
燃機関の冷却水の凍結防止に使用するグリコール類、水
および腐蝕抑制剤とからなる不凍液に対する耐久性にす
ぐれるポリアミド系樹脂組成物およびその成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、すぐれた耐熱性、耐
薬品性、耐油性、成形性、剛性、強靱性などの特徴を有
しているため、最近ではとくに自動車の室外部品、たと
えば、クーリングファン、ラジエータータンクのトップ
およびベース、ヒータコアタンクのトップおよびベー
ス、シリンダーヘッドカバー、キャニスター、ギヤ、コ
ネクター、バルブ、オイルタンク類、ブレーキ配管、燃
料配管用チューブ、排ガス系統部品などの種々の機能部
品への応用、あるいは展開がなされている。
【0003】ポリアミド樹脂の内で、とくにナイロン6
6は、耐熱性、剛性が高く、かつ耐熱水性に優れること
から、自動車のラジエータータンクなどの冷却系統部品
用材料として展開がなされているが、自動車の樹脂部品
の高性能化要求に伴ない、冷却系統部品に対してもより
一層の高強度及び耐不凍液性などの長期耐久性向上が要
求されているのが実情である。
【0004】一方、耐不凍液性などの耐薬品性を向上さ
せる手段として、ナイロン6あるいはナイロン66等の
低級ポリアミドにナイロン11、ナイロン12等の高級
ポリアミドをブレンドする試みがなされている (特開昭
57−212252号公報,特開昭57−80448号
公報,特開昭57−80449号公報参照) 。また細径
(3μφ〜8μφ) のガラス繊維を混練強化して耐衝撃
性などの強靱性を向上させる例もみられる (特開昭60
−38459号公報参照) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】低級ポリアミドに高級
ポリアミドをブレンドする方法は、確かに不凍液などの
薬品に対する耐久性を向上させる効果はあるが、融点の
低い高級ポリアミドの影響が強く耐熱性が低下し、従っ
て強度耐久性が低下するとの欠点がある。かつコストの
高い高級ポリアミドを使用するため材料コストが上昇す
るとの欠点がある。
【0006】また混練強化するガラス繊維を細径にする
ことで、強靱性が向上することは公知であるが、高温の
不凍液にさらされた場合、クラックを生じ、ガラス繊維
を細径化するだけでは耐薬品性などの耐久性向上効果は
ほとんどない。とくに冷却系統部品は、車のエンジン近
傍に取付けられることから、そこに使用される材料とし
て高温の不凍液にも耐え得るよう一層の強度の向上と、
耐久性向上のためにポリアミド樹脂とガラス繊維との密
着性をより一層強くした耐久性の高い樹脂組成物あるい
は成形品を提供する事が課題となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次の手段をとるものである。すなわち、本
発明のポリアミド系樹脂組成物は、ヘキサメチレンアジ
パミド単位を主たる構成単位とするポリアミド樹脂10
0重量部に対し、平均繊維径が6〜11μでかつ少なく
とも無水マレイン酸および/またはその残基を含む表面
処理剤で処理したガラス繊維25〜100重量部を配合
してなるポリアミド樹脂組成物である。
【0008】また、本発明の成形品とは上記樹脂組成物
を成形したものである。本発明で用いられるヘキサメチ
レンアジパミド単位を主たる構成単位とするポリアミド
樹脂とは、ポリヘキサメチレンアジパミド (ナイロン6
6) またはナイロン66を主成分とするポリカプロアミ
ド (ナイロン6) との共重合ポリアミドおよびこれらの
混合物であり、特にナイロン66が好ましい。
【0009】ナイロン66の重合度は特に制限はない
が、98%硫酸溶液で測定した相対粘度 (ηr ) が2.
5〜3. 2の範囲にあるものが好ましい。本発明で用い
られる強化材は平均繊維径6〜11μφのガラス繊維が
用いられるが、好ましいのは平均繊維径が8〜10μφ
のガラス繊維である。またさらに、ポリアミド樹脂とガ
ラス繊維との密着性を高めるために無水マレイン酸およ
びまたはその残基を含む表面処理剤で処理したガラス繊
維が用いられる。
【0010】無水マレイン酸の残基とは、たとえば無水
マレイン酸のジアンモニウム塩などである。ガラス繊維
への表面処理剤の付着量は特に制限はないが、通常ガラ
ス繊維の重量に対し0. 1〜2. 0重量%であり、好ま
しくは0. 3〜1. 2重量%である。
【0011】本発明におけるガラス繊維の配合量はポリ
アミド樹脂100重量部に対し、25〜100重量部、
好ましくは30〜70重量部を溶融混合したものであ
る。ガラス繊維の配合量が25重量部未満では機械的強
度、耐熱剛性が低下して好ましくない。ガラス繊維の配
合量が100重量部を超えるとむしろ強靱性が低下して
脆くなり、かつ成形流動性、成形外観性が著しく低下
し、成形品としての機能が損なわれるので好ましくな
い。
【0012】本発明で用いるガラス繊維平均径は6〜1
1μφである。機械的強度および耐久性を著しく向上さ
せるための本発明の特徴は、一般に使用される平均繊維
径13μφガラス繊維よりも細径化したガラス繊維を使
用し、かつより一層の強度向上のため無水マレイン酸お
よび/またはマレイン酸のジアンモニウム塩などを含む
表面処理剤を使用したことにあり、とくにこれらの表面
処理剤を使用することで、著るしく、耐久性が向上する
ことは驚くべく新しい発見であった。
【0013】すなわち、無水マレイン酸および/または
アンモニウム塩残基マレイン酸を含む表面処理剤で処理
をしていないガラス繊維では、本発明が目的とする強靱
性およびすぐれた耐不凍液性を有する樹脂組成物は得ら
れない。また、ガラス繊維径が6μφよりも細くなると
ポリアミド樹脂との溶融混練時、ガラス繊維の破損が多
くなり、むしろ機械的強度が低下するので好ましくな
い。
【0014】一方、平均繊維径が11μφを超えるガラ
ス繊維では強度の向上効果が得られず、本発明が目的と
する課題解決には至らない。本発明に使用されるガラス
繊維の形状には特に制限がなく、長繊維タイプ (ガラス
ロービング) から短繊維 (チョップドストランド) のも
のまで任意の形状のものが使用可能であるが、好ましく
は短繊維である。
【0015】表面処理剤のガラス繊維への処理方法も特
に制限されず、ガラス繊維の紡糸時に処理する方法、あ
るいはガラス繊維と表面処理剤をブレンド処理する方法
などが用いられる。またシラン系カップリング剤で予め
表面処理されたガラス繊維を使用することが好ましい。
【0016】ポリアミド樹脂とガラス繊維の混合方法は
特に制限されず、通常公知の方法を採用することができ
る。すなわち、ポリアミド樹脂とガラス繊維を高速攪拌
機で均一混合した後、十分な混練能力のある押出機で溶
融混合する方法、また、押出機中で溶融混合する方法、
ドライブレンド射出または押出成形する方法など、いず
れの方法もとることができる。
【0017】本発明の成形品は射出成形、押出成形、ブ
ロー成形、トランスファー成形など一般に熱可塑性樹脂
の公知の成形方法により成形される。本発明の成形品の
用途としては、その耐不凍液性および高強度から自動車
ボンネット内の冷却系統部品に適している。具体例とし
てはラジエータータンク・トップ&ベース, ヒーターコ
アタンク,ウォーターインレット&アウトレットパイプ,
ウォーターインペラー, ウォーターポンプハウジング,
冷却液パイプ&フランジなどがある。
【0018】また、本発明の樹脂組成物にはその成形性
を損なわない限りにおいて、他の成分例えば顔料、染
料、耐熱剤、酸化防止剤、耐候性、滑剤、結晶核剤など
を添加導入することができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例及び比較例に記した成形品およ
び対応する試験片の物性は次に述べる方法で測定評価し
た。 (1) 相対粘度:JIS K6810 (2) 引張特性:ASTM D638 (3) 曲げ特性:ASTM D790 (4) アイゾット衝撃強度:ASTM D256 (5) 熱変形温度:ASTM D648 (6) 耐不凍液性 射出成形した試験片を不凍液 (トヨタ純正ロングライフ
クーラント) の50%水溶液に浸漬して、130℃に加
熱して500hr後の引張強度を求めた。
【0020】また、約50mmb ×120mml ×2mmt
形のヒータコアタンク成形品を用い、140℃中不凍液
に浸漬し、成形品表面に肉眼で識別できるクラックが生
ずるまでの時間を評価した。 実施例1 相対粘度2. 9のナイロン66 100重量部に、アン
モニウム塩残基マレイン酸を0. 5%付着処理した平均
繊維径9μφのチョップドストランドガラス繊維を35
重量部加えて攪拌機で均一に混合したものを、45mmφ
の2軸押出機で溶融混練しペレット化した。
【0021】得られたペレットを真空乾燥した後、射出
成形機によりシリンダー温度280℃、金型温度80℃
の条件で物性測定用試験片およびヒータコアタンクトッ
プの成形品を成形し諸物性を評価した。その結果を表1
に示す。また、比較例1について、同じ成形品で強度お
よび耐不凍液性を評価した結果を併せて表1に示す。
【0022】実施例1で得られた成形品はすぐれた強度
および耐不凍液性を示すことが判明した。 比較例1 実施例1で用いたナイロン66 100重量部と一般市
販のポリアミド樹脂用ガラス繊維 (平均繊維径13μ
φ) 35重量部を加えた溶融混合物を実施例1と同条件
下で成形して実施例1と同様に強度物性・耐不凍液性を
評価した。その結果を表1に示す。実施例1に対して強
度および強靱性が低く、かつ耐不凍液性が著しく劣る。
【0023】
【0024】実施例2 実施例1で用いたナイロン66 100重量部と、無水
マレイン酸0. 7%が表面処理によって付着した平均繊
維径6. 5μφのチョップドストランドガラス繊維45
重量部との溶融混合物を実施例1と同条件下で成形し
て、実施例1と同様に諸特性を評価した。その結果を表
2に示す。 実施例3 実施例1で用いたナイロン66 100重量部とアンモ
ニウム塩残基マレイン酸0. 7%が表面処理によって付
着した平均繊維径9μφのチョップドストランドガラス
繊維85重量部との溶融混合物を実施例1と同条件下で
成形して実施例1と同様に諸特性を評価した。その結果
を表2に示す。
【0025】実施例2および実施例3で得られた成形品
は、すぐれた強度・強靱性および耐不凍液性を示すこと
が判明した。 比較例2 実施例1で用いたナイロン66 100重量部と一般市
販のポリアミド樹脂用ガラス繊維 (平均繊維径13μ
φ) を85重量部との溶融混練物を実施例1と同条件下
で成形して実施例1と同様に諸物性を評価した。その結
果を表2に示す。実施例3に対し強度・強靱性が低く、
耐不凍液性が著しく劣る。
【0026】
【0027】
【発明の効果】本発明のポリアミド系樹脂組成物は、特
定の表面処理剤で処理された特定の繊維径を有するガラ
ス繊維をポリアミド樹脂に配合したものであり、自動車
のエンジン冷却系統部品に要求される強度および耐不凍
液性に極めてすぐれ、最近の自動車樹脂部品の高性能化
要求に十分適合するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−193359(JP,A) 特開 平4−50260(JP,A) 特開 昭63−168454(JP,A) 特開 昭61−228036(JP,A) 特開 昭63−117047(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘキサメチレンアジパミド単位を主たる
    構成単位とするポリアミド樹脂100重量部に対し、平
    均繊維径が6〜11μφで、かつ無水マレイン酸および
    /またはその残基を含む表面処理剤で処理したガラス繊
    維25〜100重量部を配合してなるポリアミド系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリアミド系樹脂組成物
    を成形してなる成形品。
JP27700692A 1992-10-15 1992-10-15 ポリアミド系樹脂組成物およびその成形品 Expired - Lifetime JP3271328B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10676616B2 (en) 2016-12-01 2020-06-09 Toyobo Co., Ltd. Polyamide resin composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10676616B2 (en) 2016-12-01 2020-06-09 Toyobo Co., Ltd. Polyamide resin composition

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