JP3271280B2

JP3271280B2 - プロジェクタ装置用陰極線管装置

Info

Publication number: JP3271280B2
Application number: JP35378691A
Authority: JP
Inventors: 清沼田
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1991-12-18
Filing date: 1991-12-18
Publication date: 2002-04-02
Anticipated expiration: 2017-04-02
Also published as: JPH05167964A; US5298984A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スクリーン上に映像を
投影するプロジェクタ装置に用いられるプロジェクタ装
置用陰極線管装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、陰極線管により映像を表示し、こ
の映像を投影レンズを介してスクリーンに投影するよう
に構成されたプロジェクタ装置がある。このようなプロ
ジェクタ装置は、陰極線管のフロントパネル部に表示さ
れた映像が投影レンズにより拡大されて投影されるた
め、陰極線管のフロントパネル部よりも大画面の映像を
容易に表示することができる。

【０００３】ところで、陰極線管により表示される映像
の画素数は、この陰極線管に供給される映像信号の変換
方式等により決められている。そして、この陰極線管に
より、所謂カラー映像を表示する場合には、所定の画素
数のそれぞれ１／３の画素数によって、カラー映像の青
色成分映像、緑色成分映像及び赤色成分映像を表示する
必要があるため、各色成分の映像を表示するための画素
数は減少する。

【０００４】このため、上述のようなプロジェクタ装置
において、カラー映像を表示しようとする場合には、カ
ラー映像の各色成分映像を表示する画素数を多くして良
好な映像を投影するため、図５に示すように、表示する
カラー映像のうちの青色成分映像を表示する第１の陰極
線管１０１Ｂ、カラー映像のうちの緑色成分映像を表示
する第２の陰極線管１０１Ｇ及びカラー映像のうちの赤
色成分映像を表示する第３の陰極線管１０１Ｒを用い
る。これら各陰極線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒ
は、水平方向に並列状に配列されている。これら各陰極
線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒは、プロジェクタ装
置のシャーシ１０３に対し、支持部材１０５Ｂ，１０５
Ｇ，１０５Ｒを介して、取り付けられて支持されてい
る。

【０００５】そして、これら各陰極線管１０１Ｂ，１０
１Ｇ，１０１Ｒにより表示された各色成分の映像は、こ
れら各陰極線管の各フロントパネル部に対応して相対向
するように各支持部材１０５Ｂ，１０５Ｇ，１０５Ｒに
支持されて配設された投影レンズ１０１，１０１，１０
１を介して、スクリーン１０２上に投影される。このス
クリーン１０２上に投影されたカラー映像のうちの各色
成分映像は、このスクリーン上で互いに重ね合わされ
て、カラー映像を形成する。

【０００６】このように、第１乃至第３の陰極線管１０
１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒを用いてカラー映像を投影す
るようにしたプロジェクタ装置において、各陰極線管１
０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒに対応する各投影レンズ１
０１，１０１，１０１は、これら投影レンズ１０１，１
０１，１０１の光軸がスクリーン１０２の中央部で交わ
るように配置される。すなわち、第１及び第３の陰極線
管１０１Ｂ，１０１Ｒに対応する投影レンズ１０１，１
０１の光軸は、スクリーン１０２の法線に対し、図５中
矢印θ_Ｃで示すコンバージェンス角をなしている。

【０００７】そして、このプロジェクタ装置は、各陰極
線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒにより表示されるカ
ラー映像のうちの各色成分映像をそれぞれスクリーン１
０２上に良好に結像させるため、各投影レンズ１０１、
１０１、１０１の後端部とこれら投影レンズ１０１，１
０１，１０１に対応する陰極線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，
１０１Ｒのフロントパネル部との距離、すなわち、図５
中矢印Ｂで示すバックフォーカスが、投影レンズ１０
１，１０１，１０１とスクリーン１０２との距離に応じ
て設定されている。

【０００８】また、このプロジェクタ装置において、各
投影レンズ１０１，１０１，１０１の光軸とこれら投影
レンズ１０１，１０１，１０１に対応する各陰極線管１
０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒのフロントパネル部の法線
とは、図５中矢印θ_Ｈて示すように、コンバージェンス
角に応じたアオリ角をなしている。

【０００９】コンバージェンス角、アオリ角及びバック
フォーカスは、各支持部材１０５Ｂ，１０５Ｇ，１０５
Ｒにより、各陰極線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒ及
び各投影レンズ１０１，１０１，１０１が、シャーシ１
０３に対して位置決めされることにより、設定されてい
る。

【００１０】一方、従来より、図６に示すように、陰極
線管１０１のフロントパネル部に支持枠１０２を取り付
け、この支持枠１０２と投影レンズが取り付けられるレ
ンズプレート１０３とのなす角度を可変調整することに
よって、アオリ角の可変調整を可能となしたプロジェク
タ装置用陰極線管装置がある。このプロジェクタ装置用
陰極線管装置において、レンズプレート１０３は、枠状
に形成され、投影レンズの最後部をなす入射レンズ１０
８が取り付けられている。また、このレンズプレート１
０３には、投影レンズをなす入射レンズ１０８以外の複
数のレンズ群を支持する鏡筒が、着脱可能に取り付けら
れる。

【００１１】支持枠１０２とレンズプレート１０３との
間には、レンズプレート１０３を支持枠１０２に対して
位置調整可能に支持する複数の調整支持部材１１０が介
在されている。この調整支持部材１１０は、例えば、図
７に示すように、レンズプレート１０３の後面部に突設
された第１のボルト部１１３と、支持枠１０２の前面部
に第１のボルト部１１３に対向して突設された第２のボ
ルト部１１４と、これらボルト部１１３，１１４に対応
して螺合する第１及び第２のネジ孔１１５，１１６を有
するターンバックル部材１１２とにより構成される。こ
の支持部材においては、ターンバックル部材１１２を回
転させることにより、各ボルト部１１３，１１４の各ネ
ジ孔１１５，１１６に対する螺合量が変化し、支持枠１
０２とレンズプレート１０３との間の距離が変化され
る。

【００１２】このプロジェクタ装置用陰極線管装置は、
各調整支持部材１１０を調整して、各調整支持部材１１
０の位置における支持枠１０２とレンズプレート１０３
との間の距離を可変することにより、レンズプレート１
０３の支持枠１０２に対する角度が調整され、図６中矢
印Ｂで示すバックフォーカス及び図６中矢印θ_Ｈで示す
アオリ角が調整される。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、支持部材１０５Ｂ，１０５Ｇ，１０５Ｒにより各陰
極線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒ及び各投影レンズ
１０１，１０１，１０１の位置決めを行っているプロジ
ェクタ装置は、このプロジェクタ装置とスクリーン１０
２との間の距離、すなわち、投影距離は、固定的な距離
であって可変調整することができない。この投影距離を
変更するには、コンバージェンス角及びアオリ角を可変
調整する必要があるからである。

【００１４】なお、コンバージェンス角及びアオリ角を
変更することなく、投影距離を変更する手段として、図
５中矢印Ｐで示す各陰極線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，１０
１Ｒ間の距離を変更することが考えられる。しかしなが
ら、これら各陰極線管１０１Ｂ，１０１Ｇ，１０１Ｒ間
の距離の調整を可能となすことは、このプロジェクタ装
置の構成の複雑化を招来する。

【００１５】また、調整支持部材１１０を有するプロジ
ェクタ装置用陰極線管装置を用いて構成されたプロジェ
クタ装置は、バックフォーカス及びアオリ角を正確に調
整することは困難であり、また、煩雑である。そして、
このプロジェクタ装置は、コンバージェンス角の調整
は、このプロジェクタ装置用陰極線管装置全体を、プロ
ジェクタ装置のシャーシ等に対して傾けることによって
しか行えず、円滑、かつ、正確な調整を行うことが困難
である。

【００１６】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、投影距離に応じたコンバージェ
ンス角、アオリ角及びバックフォーカスの調整、設定が
容易、かつ、正確に行えるプロジェクタ装置用陰極線管
装置を提供することを目的とする。

【００１７】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し目的
を達成するため、本発明に係るプロジェクタ装置用陰極
線管装置は、画像が表示されるフロントパネル部の表示
面に表示される陰極線管と、陰極線管のフロントパネル
部の周縁部に取り付けられた支持枠と、支持枠の前方に
配設され、中央部に設けられた透孔を閉塞するように入
射レンズが取り付けられたレンズプレートと、支持枠と
レンズプレートとの間に配設され、可撓性を有するベロ
ーズ部材と、フロントパネル部、支持枠、入射レンズ及
びベローズ部材により密封された空隙部に充填された光
学的結合用の透明液体と、プロジェクタ装置のシャーシ
に着脱可能に取り付けられ、支持枠及びレンズプレート
を該シャーシに対して位置決めして着脱可能に支持する
位置決め支持部材とを備える。そして、位置決め支持部
材は、ベローズ部材を可撓変位させることにより、レン
ズプレートをシャーシに対してコンバージェンス角に相
当する角度だけ傾けて支持すると共に、支持枠を該レン
ズプレートに対してアオリ角に相当する角度だけ傾ける
と共に該レンズプレートの後方側にバックフォーカスに
相当する距離だけ隔てさせて位置させて支持する。

【００１８】

【作用】本発明に係るプロジェクタ装置用陰極線管装置
において、位置決め支持部材は、ベローズ部材を可撓変
位させて、投影レンズが取り付けられるレンズプレート
をプロジェクタ装置のシャーシに対してコンバージェン
ス角に相当する角度だけ傾けて着脱可能に支持すると共
に、陰極線管のフロントパネル部に取り付けられた支持
枠をレンズプレートに対してアオリ角に相当する角度だ
け傾けてレンズプレートの後方側にバックフォーカスに
相当する距離だけ隔てさせて位置させて着脱可能に支持
するので、コンバージェンス角、アオリ角及びバックフ
ォーカスが正確に設定される。また、このプロジェクタ
装置用陰極線管装置においては、位置決め支持部材を着
脱、交換することにより、種々の投影距離に応じたコン
バージェンス角、アオリ角及びバックフォーカスが容
易、かつ、正確に設定される。更に、位置決め支持部材
を取り付けることによって、レンズプレートと支持枠と
の距離が可変されて空隙部の内容積が変化しても、ベロ
ーズ部材が冷却液の内圧に応じて可撓変位されるため、
空隙部の内圧は、変動することがない。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照
しながら説明する。

【００２０】本発明に係るプロジェクタ装置用陰極線管
装置は、図１に示すように、陰極線管１を有して構成さ
れる。この陰極線管１は、所定の映像信号が供給され、
略矩形の略平面板状に形成された前面側のフロントパネ
ル部に、映像信号に応じた映像を表示するように構成さ
れている。

【００２１】フロントパネル部の周縁側には、支持枠２
が密着して取り付けられている。この支持枠２は、金属
等の材料によりフロントパネル部に対応する枠状に形成
されている。

【００２２】そして、支持枠２の前面部には、フロント
パネル部の周囲側となるように、ベローズ部材４の後端
部が取り付けられている。このベローズ部材４は、ゴム
等の可撓変位可能な材料により、伸長及び短縮が可能な
略円筒状に形成されている。すなわち、このベローズ部
材４は、全周に亘って可撓変位を容易となすための複数
の屈曲部が形成されている。

【００２３】ベローズ部材４の前端側には、支持環５を
介して、レンズプレート３が取り付けられている。この
レンズプレート３は、中央部に透孔３ａが設けらた枠状
に形成されている。このレンズプレート３には、透孔３
ａを閉蓋するようにして、入射レンズ８が取り付けられ
ている。すなわち、この入射レンズ８は、フロントパネ
ル部の前方側にこのフロントパネル部に相対向するよう
にして支持されている。

【００２４】なお、入射レンズ８は、レンズプレート３
との間にＯ−リング７が介在配設されると共に、支持環
９によりレンズプレート３側に押圧支持され、レンズプ
レート３に対して密閉状態をなして取り付けられてい
る。

【００２５】陰極線管１の前方側には、フロントパネル
部、支持枠２、ベローズ部材４、レンズプレート３及び
入射レンズ８により、密封された空隙部が形成されてい
る。空隙部内には、冷却液１１が充填されている。すな
わち、この冷却液１１は、フロントパネル部、支持枠
２、ベローズ部材４、レンズプレート３及び入射レンズ
８等により密封保持されている。この冷却液１１は、フ
ロントパネル部及び入射レンズ８をなすガラス材料に略
等しい屈折率を有する透明液体である。この冷却液１１
は、フロントパネル及び入射レンズ８における界面反射
を防止すると共に、映像が表示されることにより加熱さ
れるフロントパネル部を冷却する。すなわち、このプロ
ジェクタ装置用陰極線管装置は、所謂液冷型光学結合
（リキッド・オプティカル・カップリング）方式を採用
している。

【００２６】レンズプレート３及び支持枠２は、位置決
め支持部材１０を介して、プロジェクタ装置のシャーシ
１０３に対して取り付けられている。この位置決め支持
部材１０は、金属等の材料により、略円筒形状に形成さ
れ、後端部がシャーシ１０３の所定位置に着脱可能に取
り付けられる。この位置決め支持部材１０は、前端側の
内方部に、内方側に向かう突条部を有している。この突
条部の前端面、すなわち、この位置決め支持部材１０の
前端面には、レンズプレート３の後面部が、着脱可能に
取り付けられる。また、突条部の後端面、すなわち、こ
の位置決め支持部材１０の内方部には、支持枠２の前面
部が、着脱可能に取り付けられる。そして、シャーシ１
０３の位置決め支持部材１０が取り付けられる位置に
は、陰極線管１が挿通されるための挿通孔１０４が穿設
されている。位置決め支持部材１０は、挿通孔１０４の
周囲部において、後端部を支持される。この位置決め支
持部材１０に取り付けられた支持枠２に支持された陰極
線管１は、挿通孔１０４に挿通されて、後方部をシャー
シ１０３の後面側に突出させる。

【００２７】位置決め支持部材１０の前面部、すなわ
ち、レンズプレート３が取り付けられる面部は、図１中
矢印θ_Ｃで示すように、シャーシ１０３の前面部に対し
て、後述する所定のコンバージェンス角をなしている。
また、位置決め支持部材１０の突条部の後面部、すなわ
ち、支持枠２が取り付けられる面部は、図１中矢印θ_Ｈ
で示すように、位置決め支持部材１０の前面部に対し
て、後述する所定のアオリ角をなしている。そして、位
置決め支持部材１０にレンズプレート３及び支持枠２が
支持されることにより、図１中矢印Ｂで示すように、入
射レンズ８の後面部よりフロントパネル部までの距離
が、後述する所定のバッフォーカスとなっている。

【００２８】レンズプレート３の前面側には、入射レン
ズ８と共に投影レンズを構成するレンズ群を保持する鏡
筒１０１が、図４に示すように、投影レンズが陰極線管
１の前方側に配設されるように、着脱可能に取り付けら
れる。このように構成されたプロジェクタ装置用陰極線
管装置は、レンズプレート３に鏡筒１０１が取り付けら
れ、陰極線管１がフロントパネル部に映像を表示する
と、この映像を、投影レンズにより、スクリーン１０２
に対して投影する。

【００２９】このプロジェクタ装置用陰極線管装置は、
図４に示すように、青色映像用、緑色映像用及び赤色映
像用の３個が一組となって、カラー映像を投影するプロ
ジェクタ装置を構成する。すなわち、青色映像用のプロ
ジェクタ装置用陰極線管装置を構成する陰極線管１Ｂ
は、投影されるカラー映像のうちの青色成分の映像をフ
ロントパネル部に表示する。また、緑色映像用のプロジ
ェクタ装置用陰極線管装置を構成する陰極線管１Ｇは、
投影されるカラー映像のうちの緑色成分の映像をフロン
トパネル部に表示する。そして、赤色映像用のプロジェ
クタ装置用陰極線管装置を構成する陰極線管１Ｒは、投
影されるカラー映像のうちの赤色成分の映像をフロント
パネル部に表示する。

【００３０】このプロジェクタ装置において、緑色映像
用の陰極線管装置は、スクリーン１０２の正面に配設さ
れる。すなわち、この緑色映像用の陰極線管装置は、レ
ンズプレート３及び支持枠２が位置決め支持部材１０に
支持されることにより、投影レンズの光軸及び陰極線管
１Ｇのフロントパネル部の法線が、スクリーン１０２に
対して垂直となされている。

【００３１】そして、このプロジェクタ装置において、
青色映像及び赤色映像用の陰極線管装置は、緑色映像用
の陰極線管装置を挟むようにしてこの緑色映像用の陰極
線管装置の両側側に配設される。そして、青色映像用及
び赤色映像用の陰極線管装置において、位置決め支持部
材１０に支持されたレンズプレート３の法線、すなわ
ち、このレンズプレート３に取り付けられる投影レンズ
の光軸は、図１及び図４中に矢印θ_Ｃで示すように、シ
ャーシ１０３の法線に対して、コンバージェンス角をな
す。また、位置決め支持部材１０に支持された支持枠２
の法線、すなわち、この支持枠２に取り付けられる陰極
線管１Ｂ，１Ｒの軸線は、図１及び図４中に矢印θ_Ｈで
示すように、投影レンズの光軸に対して、アオリ角をな
す。すなわち、このプロジェクタ装置において、コンバ
ージェンス角及びアオリ角は、位置決め支持部材１０に
よって設定されている。

【００３２】また、このプロジェクタ装置においては、
各陰極線管装置において、投影レンズの後端面とフロン
トパネル部との間の距離、すなわち、バックフォーカス
は、これら陰極線管装置とスクリーン１０２との間の距
離、すなわち、投影距離に応じた距離として、位置決め
支持部材１０により設定されている。

【００３３】上述のように構成されたプロジェクタ装置
によりスクリーン１０２上にカラー映像を表示する場合
には、各陰極線管装置により投影される各色の映像は、
スクリーン１０２上で互いに重ね合わせられて、カラー
映像を構成する。

【００３４】そして、このプロジェクタ装置において、
投影距離や投影レンズの焦点距離を変更して、投影倍率
を変更する場合には、各陰極線管装置の位置決め支持部
材１０，１０，１０を、変更後の投影倍率に応じた形状
のものに交換する。位置決め支持部材１０，１０，１０
を所定形状のものに交換することにより、コンバージェ
ンス角、アオリ角及びバックフォーカスが変更されて設
定される。

【００３５】本発明に係るプロジェクタ装置用陰極線管
装置は、図２及び図３に示すように、位置決め支持部材
として、第１及び第２の位置決め支持フレーム１０６，
１０５を用いて構成してもよい。第１の位置決め支持フ
レーム１０６は、金属等の材料よりなる板状部材を屈曲
形成して構成される。この第１の位置決め支持フレーム
１０６は、レンズプレート３が取り付けられる前面板部
と、この前面板部より後方側に屈曲されて前面板部をシ
ャーシ１０３に対して取り付ける支持部とを有して、一
体的に構成されている。この第１の位置決め支持フレー
ム１０６の支持部には、この支持部をシャーシ１０３に
着脱可能に取り付けるための複数のネジ挿通孔１０８が
穿設されている。この第１の位置決め支持フレーム１０
６の前面板部の中央部には、ベローズ部材４等が挿通さ
れ得る透孔が設けられている。この第１の位置決め支持
フレーム１０６は、支持部がシャーシ１０３に取り付け
られることにより、前面板部に取り付けられるレンズプ
レート３を、シャーシ１０３の前面部に対して、コンバ
ージェンス角だけ傾けて支持する。

【００３６】また、第２の位置決め支持フレーム１０５
は、支持枠２が取り付けられる主面板部と、この主面板
部に連設されて主面板部をシャーシ１０３に対して取り
付ける支持部とを有して、一体的に構成されている。こ
の第２の位置決め支持フレーム１０５の支持部には、こ
の支持部をシャーシ１０３に着脱可能に取り付けるため
の複数のネジ挿通孔１０７が穿設されている。この第２
の位置決め支持フレーム１０５の主面板部の中央部に
は、陰極線管１等が挿通され得る透孔が設けられてい
る。この第２の位置決め支持フレーム１０５は、支持部
がシャーシ１０３に取り付けられることにより、主面板
部に取り付けられる支持枠２を、第１の位置決め支持フ
レーム１０６に支持されたレンズプレート３に対して、
アオリ角だけ傾けて支持する。

【００３７】そして、第１の位置決め支持フレーム１０
６にレンズプレート３が支持され、第２の位置決め支持
フレーム１０５に支持枠２が支持されることにより、入
射レンズ８の後面部よりフロントパネル部までの距離
は、バッフォーカスとなされる。

【００３８】このような第１及び第２の位置決め支持フ
レーム１０６，１０５を有するプロジェクタ装置用陰極
線管装置を用いて構成されたプロジェクタ装置は、各陰
極線管装置の各位置決め支持フレーム１０６，１０５を
投影倍率に応じた形状のものに交換することにより、投
影倍率を変更することができる。各位置決め支持フレー
ム１０６，１０５を所定形状のものに交換することによ
り、コンバージェンス角、アオリ角及びバックフォーカ
スが変更されて設定される。

【００３９】上述した各プロジェクタ装置用陰極線管装
置は、位置決め支持部材１０や第１及び第２の位置決め
支持フレーム１０６，１０５を取り付けることによっ
て、レンズプレート３と支持枠２との距離が可変されて
空隙部の内容積が変化したとき、ベローズ部材４が冷却
液１１の内圧に応じて可撓変位されるため、空隙部の内
圧は、大気圧と平衡状態に維持され、変動されることが
ない。また、冷却液１１の熱膨張によりこの冷却液１１
の体積が変化したときにも、同様に、空隙部１１の内圧
は、大気圧と平衡状態に維持され、変動されることがな
い。

【００４０】

【発明の効果】本発明に係るプロジェクタ装置用陰極線
管装置によれば、位置決め支持部材は、投影レンズが取
り付けられるレンズプレートをプロジェクタ装置のシャ
ーシに対してコンバージェンス角に相当する角度だけ傾
けて着脱可能に支持すると共に、陰極線管のフロントパ
ネル部に取り付けられた支持枠をレンズプレートに対し
てアオリ角に相当する角度だけ傾けてレンズプレートの
後方側にバックフォーカスに相当する距離だけ隔てさせ
て位置させて着脱可能に支持する。

【００４１】このため、このプロジェクタ装置用陰極線
管装置においては、コンバージェンス角、アオリ角及び
バックフォーカスを正確に設定することができる。

【００４２】また、このプロジェクタ装置用陰極線管装
置においては、位置決め支持部材を着脱、交換すること
により、種々の投影距離に応じたコンバージェンス角、
アオリ角及びバックフォーカスが容易、かつ、正確に設
定することができる。このとき、位置決め支持部材を取
り付けることによって、レンズプレートと支持枠との距
離が可変されて空隙部の内容積が変化しても、ベローズ
部材が冷却液の内圧に応じて可撓変位されるため、空隙
部の内圧は、変動することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るプロジェクタ装置用陰極線管装置
の構成を示す縦断面図である。

【図２】プロジェクタ装置用陰極線管装置の構成の他の
例を示す要部縦断面図である。

【図３】図２に示すプロジェクタ装置用陰極線管装置の
位置決め支持フレームの構成を示す正面図である。

【図４】プロジェクタ装置用陰極線管装置を用いて構成
されるプロジェクタ装置の構成を示す模式的平面図であ
る。

【図５】従来のプロジェクタ装置の構成を一部を破断し
て示す平面図である。

【図６】従来のプロジェクタ装置用陰極線管装置の構成
を示す縦断面図である。

【図７】従来のプロジェクタ装置用陰極線管装置の調整
支持部材の構成を示す要部拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１陰極線管、２支持枠、３レンズプレート、３ａ
透孔、８入射レンズ、１０位置決め支持部材、１
０３シャーシ、１０５第２の位置決め支持フレー
ム、１０６第１の位置決め支持フレーム

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】画像が表示されるフロントパネル部の表
示面に表示される陰極線管と、上記陰極線管のフロントパネル部の周縁部に取り付けら
れた支持枠と、上記支持枠の前方に配設され、中央部に設けられた透孔
を閉塞するように入射レンズが取り付けられたレンズプ
レートと、上記支持枠と上記レンズプレートとの間に配設され、可
撓性を有するベローズ部材と、上記フロントパネル部、上記支持枠、上記入射レンズ及
び上記ベローズ部材により密封された空隙部に充填され
た光学的結合用の透明液体と、プロジェクタ装置のシャーシに着脱可能に取り付けら
れ、上記支持枠及び上記レンズプレートを該シャーシに
対して位置決めして着脱可能に支持する位置決め支持部
材とを備え、上記位置決め支持部材は、上記ベローズ部材を可撓変位
させることにより、上記レンズプレートを上記シャーシ
に対してコンバージェンス角に相当する角度だけ傾けて
支持すると共に、上記支持枠を該レンズプレートに対し
てアオリ角に相当する角度だけ傾けると共に該レンズプ
レートの後方側にバックフォーカスに相当する距離だけ
隔てさせて位置させて支持するプロジェクタ装置用陰極
線管装置。