JPH10104742A - 画像投影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置を画像とする投影装置におい
て、構成ユニットの変更をコストアップすることなく容
易にするとともにその組付け時の精度を高めることを可
能にする。 【解決手段】 投影レンズ２９を支持する投影レンズマ
ウント３７と三色のダイクロイックミラー２７Ｒ，２７
Ｇ，２７Ｂなどを保持する光学部材保持部３４と光源ラ
ンプ２２を有する光源ユニット３１を保持する光源マウ
ント３２をそれぞれ分離して金属プレス鋼板製の基台３
０に取付け、特に投影レンズマウント３７と光源マウン
ト３２は光学系の光軸上で複数の取付け位置に調整して
取付けできるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光源を有する画像
投影装置、いわゆるプロジェクター装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】一般に、プロジェクターの基本タイプ分
類としては、投影スクリーンに反射面を用いる、いわゆ
るフロントタイプと透過面を用いるリアタイプとがある
が、光学装置部分に関しては、投影距離がフロントタイ
プでは可変、リアタイプでは固定でスクリーンと一体型
である点以外は基本構成は同様のものであり、近年、大
画面映像機器の一般化に伴い、直視型ＣＲＴを表示装置
に用いることの重量、寸法的限界から液晶表示装置を被
投影画像として用いた画面投影装置が軽量コンパクトな
表示装置として製品化され、液晶表示器を３枚用いる３
板式と１板の単板式がある。

【０００３】なお、単板式には画素上にカラーフィルタ
を設けて白色照明で投影するタイプと、異なる方位から
互いに異なる複数の光束を照射した後これらをスクリー
ン上で加色混合してカラー表示を行うタイプが実用化さ
れている。（特開平４−６０５３８号公報参照） また、従来この分野での構成としては、合成樹脂で成形
した構造部材からなる照明光学系本体筐体に対しレンズ
鏡筒等をそれぞれ１種類の所定位置に対する位置決めで
固定した照明光学系ユニットを照明ランプユニットとと
もに製品セット筐体内で固定し、画像投影装置を構成す
るものが一般的であった。

【０００４】図２は従来例の単板式液晶プロジェクター
の概略構成を示す。すなわち、一体合成樹脂成形のＬ形
状の本体筐体１０内の一側端に反射笠１及びメタルハラ
イドランプまたは高圧水銀灯等の光源２からなるランプ
ユニット１１とその前部にリレーレンズ群４及び光源輝
度分布を均一にするグラスロッド型インテグレータ３を
含むリレーユニット１２を固定支持するランプマウント
１３が設けられ、さらにその前部にリレーレンズのため
の絞り５（不図示）、フレネルコンデンサレンズ６、ダ
イクロイックミラー７Ｒ，７Ｇ，７Ｂ及び偏光板７Ｈか
らなる光学部材７が順次配設され、該光学部材７の前部
に被投影画像を表示するマイクロレンズを有する液晶表
示装置８と、投影レンズ９を含む投影レンズユニット１
４が設けられ、これらの構成部品を備えた本体筐体１０
が装置筐体１５に対してセットされている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述従来例
の構成では、本体筐体を光学部材保持部分とともに合成
樹脂成形で一体的に構成するため、必然的に暗箱として
の寸法が全光学系を包括する寸法となり、大型化する。
また、合成樹脂製で寸法の大きい部品であるため、温度
変化での寸法変化や経時的残留応力開放による変形など
精度的に不安定である。さらに、光学部材や光学部材群
内等の保持部のように局所的に相対位置、角度精度が要
求される場合も全筐体と一体的に成形されるため、必要
精度が場所により大きく異なるため、局所的な高精度の
必要部分に合わせた成形上の注意が全筐体の成形に際し
必要となる。また、合成樹脂成形のため形状の自由度は
高いが、ひとたび変更を加える必要が生じると、最大の
部品に対しての変更となるため、試作評価、量産の際に
進行が停止し、開発、量産ともに機敏な対応が取りにく
い。

【０００６】次に、前述従来例の構成では、投影レンズ
を変更する際、レンズのバックフォーカスが異なる場合
や、液晶ユニット等のカラス厚が異なるものを光路に加
えた場合、その他光路長変化に係わる光学部材を光路内
に追加した場合など、同一レンズであっても結果的にバ
ックフォーカスが変化したのと同様で、当初のピント調
整範囲でカバーできない変化量を生じる。これらの場
合、レンズ鏡筒の取付け部形状が同一であっても使用で
きない。もしくは使用するために該レンズ鏡筒取付け部
を光軸上で移動する変更が必要となる。また、同様にし
て光源ランプ（もしくはランプユニット）の反射笠焦点
距離（楕円ミラー等の集光笠の場合）や、取付け基準が
異なるものに変更する際、ランプユニットもしくはその
保持手段に光軸上の位置変化を吸収する機械的または／
及び光学的変更処理が必要となり、変更への自由度が低
い。

【０００７】本発明は、前述従来例の欠点を除去し、機
器の変更をコストアップすることなく、容易にすると同
時に形状精度を向上できる画像投影装置を提供すること
を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は液晶表示装置を被投影画像に使用可能と
した画像投影装置において、投影レンズマウント手段と
光学部材保持手段及び光源保持手段を共通の金属プレス
材を用いた基台に固定して全光学系を形成したものであ
る。

【０００９】

【発明の実施の態様】請求項１に示す本発明は光源と照
明光学系と投影レンズを有し、少なくとも液晶表示装置
を被投影画像に使用可能とした被投影画像保持手段を有
する画像投影装置において、少なくとも該投影レンズを
支持し該投影レンズとの光軸上での相対位置を変化可能
に調整固定するレンズマウント手段と、被投影画像保持
手段と、照明光学系の光学部材保持手段と、光源保持手
段とをそれぞれ分離可能に構成し、少なくとも該レンズ
マウント手段と該光学部材保持手段と該光源保持手段を
共通の金属プレス材を用いた基台に固定したことによ
り、各構成ユニットが機器全体に対し小型化でき、ユニ
ット単位での変更が組み付けインターフェイスを同一と
しておくことで単独で行える。また、該構成ユニット部
分の内部変更が容易でその精度を必要最適な精度に保つ
ことができ、ユニットを支持する基台が金属プレス材製
であるので、基台の寸法精度は径時変化及び温度変化に
対して安定し、高精度に製造できる。請求項２に示す本
発明は該レンズマウント手段、該光源保持手段のいずれ
かもしくは双方を光学系の光軸上で複数の取付位置に固
定可能としたことにより、全光学系の光路長変更に係わ
る光軸上での構成、配置変更にも取付け位置の選択で簡
単に対応できる。例えば、一つのユニット変更のため、
他のユニットが軸上で平行移動しなければならない場
合、取り付けの移動のみで済む。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例の単板式液晶プロジ
ェクターを図１に基づいて説明する。図において、３０
は金属プレス鋼板製の基台、３１は反射笠２１及びメタ
ルハライドランプまたは高圧水銀灯等の光源２２からな
る光源ユニットで、該基台３０の一側端に光源マウント
３２により支持されている。３３はリレーレンズ群２４
と図示されない絞り２５及び光源輝度分布を均一にする
ためのグラスロッド型インテグレータ２３を含むリレー
ユニットで、該光源マウント３２の前部に配設されてい
る。３４は赤，緑，青の色をそれぞれ反射するダイクロ
イックミラー２７Ｒ，２７Ｇ，２７Ｂと偏光板２７Ｈか
らなるダイクロイックミラー部２７及びフレネルコンデ
ンサレンズ２６等を保持する光学部材保持部で、該リレ
ーユニット３３の前方に配置されている。３５は被投影
画像を表示するマイクロレンズを有する液晶表示装置２
８を含む液晶ユニットで、該光学部材保持部３４の前部
に配置されている。３６は投影レンズ２９を含む投影レ
ンズユニットで、該液晶ユニット３５の前方において該
基台３０の側端に投影レンズマウント３７により支持さ
れている。

【００１１】３８は該光源ユニット３１のランプ冷却用
の第１ファン、３９は該液晶ユニット３５及び光学部材
保持部３４上の光学部材の冷却用の第２ファン、４０は
遮光カバーで、該リレーユニット３３及び光源ユニット
３１とその前部側の光学部材保持部３４，液晶ユニット
３５との間を遮光している。なお、各色ダイクロイック
ミラーの配置順は本実施例の順に限らず、液晶表示装置
２８の画素配列にあった配置を取ればよい。また、各ダ
イクロイックミラーは液晶表示装置２８の画素の配置ピ
ッチ及びマイクロレンズの焦点距離により決まる角度分
を順にずらし、中央ミラーが光軸に対し４５度にて配置
し、液晶表示装置２８に対する入射角度を波長域の違い
によって与えている。

【００１２】そして、該光源マウント３２，リレーユニ
ット３３，光学部材保持部３４及び投影レンズマウント
３７はそれぞれ不図示の一対の位置決めピンとビス止め
穴を有し、該基台３０に対し位置決めした後、ビス止め
されている。また、該基台３０には一対の位置決めピン
に対応する複数対の位置決め穴を光軸上の異なる位置に
複数設け、構成ユニットの組合わせに応じ、その内の一
対を選択的に使用して組み付けている。この際、固定ビ
ス穴も複数設けるか、止め穴を長穴とするなどして位置
変化を吸収取付け可能とすることはいうまでもない。ま
た、二つのファン３８，３９も基台３０もしくは基台３
０上に組付けられる構成要素に対し固定され、全構成要
素が一体的ユニットとして完成した後、製品機器筐体４
１に組み込まれて製品としてのプロジェクターとなる。

【００１３】次に、以上の構成の本実施例の動作につい
て説明する。光源２２の像はインテグレータ２３により
複数に分割され、リレーレンズ群２４の絞り２５（不図
示）の位置に輝度分布が均一化されて結像する。この光
源像はリレーレンズ群２４とフレネルコンデンサレンズ
２６により液晶表示装置２８に対し主光線がほぼ垂直に
入射するようになっている。

【００１４】そして、コンデンサレンズ２６射出後は、
照明光線が光軸に対しほぼ平行光として偏光板２７Ｈを
経て各色のダイクロイックミラー２７Ｒ，２７Ｇ，２７
Ｂに入射する。このため、ダイクロイックミラー２７
Ｒ，２７Ｇ，２７Ｂへの入射角度のバラツキによる色む
らを最小限に抑えることができる。

【００１５】その後、ダイクロイックミラー２７Ｒ，２
７Ｇ，２７Ｂで反射された光は液晶表示装置２８に入射
し、液晶表示装置２８上のマイクロレンズによって各色
それぞれ異なった結像位置に配置した各色専用の画素に
入射し、画素毎に強度変調された互いに異なった波長の
光束はそれぞれ投影レンズ２９の異なった瞳領域を通過
し、不図示のスクリーン上に結像し加色混合されてカラ
ー表示となって見える。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に示す本
発明は光源と照明光学系と投影レンズを有し、少なくと
も液晶表示装置を被投影画像に使用可能とした被投影画
像保持手段を有する画像投影装置において、少なくとも
該投影レンズを支持し該投影レンズとの光軸上での相対
位置を変化可能に調整固定するレンズマウント手段と、
被投影画像保持手段と、照明光学系の光学部材保持手段
と、光源保持手段とをそれぞれ分離可能に構成し、少な
くとも該レンズマウント手段と該光学部材保持手段と該
光源保持手段を共通の金属プレス材を用いた基台に固定
したことにより、各構成ユニットが機器全体に対して小
型化でき、ユニット単位での変更が容易で必要最適な精
度を維持でき、また、金属プレス材の基台を用いるの
で、安価に構成できかつその寸法精度及び品質が向上
し、ユニット組み付け時の取扱いが容易になる。請求項
２に示す本発明は該レンズマウント手段、該光源保持手
段のいずれかもしくは双方を光学系の光軸上で複数の取
付位置に固定可能としたことにより、投影レンズを変更
する際には光路長の異なる構成にも容易に対応でき、光
源部の変更も変更の自由度が上り、コストアップするこ
となく、機器の変更ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る一実施例の画像投影装置としての
単板式液晶プロジェクターの概略構成図である。

【図２】従来例の単板式液晶プロジェクターの概略構成
図である。

【符号の説明】

２１・・光源、２２・・反射笠、２３・・グラスロッド
型インテグレータ、２４・・リレーレンズ群、２６・・
フレネルコンデンサレンズ、２７・・ダイクロイックミ
ラー部、２７Ｒ・・青色反射用ミラー、２７Ｇ・・緑色
反射用ミラー、２７Ｂ・・青色反射用ミラー、、２７Ｈ
・・偏光板、２８・・液晶表示装置、２９投影レンズ、
３０・・金属プレス鋼板製の基台、３１・・光源ユニッ
ト、３２・・光源マウント、３３・・リレーユニット、
３４・・光学部材保持部、３５・・液晶ユニット、３６
・・投影レンズユニット、３７・・投影レンズマウン
ト、３５・・第１ファン、３９・・第２ファン、４０・
・遮光カバー、４１・・製品機器筐体。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源と照明光学系と投影レンズを有し、
   少なくとも液晶表示装置を被投影画像に使用可能とした
   被投影画像保持手段を有する画像投影装置において、少
   なくとも該投影レンズを支持し該投影レンズとの光軸上
   での相対位置を変化可能に調整固定するレンズマウント
   手段と、被投影画像保持手段と、照明光学系の光学部材
   保持手段と、光源保持手段とをそれぞれ分離可能に構成
   し、少なくとも該レンズマウント手段と該光学部材保持
   手段と該光源保持手段を共通の金属プレス材を用いた基
   台に固定したことを特徴とする画像投影装置。
2. 【請求項２】 該レンズマウント手段、該光源保持手段
   のいずれかもしくは双方を光学系の光軸上で複数の取付
   位置に固定可能としたことを特徴とする請求項１記載の
   画像投影装置。