JP3271011B2 - ベルト引張システム、そのためのベルト引張器及びその製造方法 - Google Patents

ベルト引張システム、そのためのベルト引張器及びその製造方法

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JP3271011B2 JP50837094A JP50837094A JP3271011B2 JP 3271011 B2 JP3271011 B2 JP 3271011B2 JP 50837094 A JP50837094 A JP 50837094A JP 50837094 A JP50837094 A JP 50837094A JP 3271011 B2 JP3271011 B2 JP 3271011B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、新規なベルト引張システム及びそのための
新規なベルト引張器、並びにそのようなベルト引張シス
テム及びベルト引張器を製造するための新規な方法に関
する。
技術背景 ばね受け座を有する支持手段と、該支持手段によって
担持され、該支持手段に対して特定の経路に沿って移動
するようになされた無端伝動ベルト構造体と、該支持手
段に枢動自在に取り付けられたアームと、該アームによ
って回転自在に担持され、前記ベルト構造体に係合する
ようになされたプーリと、一端を前記支持手段のばね受
け座に係合させ、他端を前記アームに係合させた渦巻き
ばねとから成り、該ばねのばね力が、前記ベルト構造体
に緊張を与えるように前記プーリを該ベルト構造体に圧
接させる方向に前記アームを枢動させるようになされて
いるベルト引張システムを提供することは、周知であ
る。例えば、米国特許第4,886,483号参照。
又、ばね受け座を有する支持手段と、該支持手段によ
って担持され、該支持手段に対して特定の経路に沿って
移動するようになされた無端伝動ベルト構造体と、該支
持手段に枢動自在に取り付けられたアームと、該アーム
によって回転自在に担持され、前記ベルト構造体に係合
するようになされたプーリと、一端を前記支持手段のば
ね受け座にさせ、他端を前記アームに係合させた渦巻き
ばねとから成り、該ばねのばね力が、前記ベルト構造体
に緊張を与えるように前記プーリを該ベルト構造体に圧
接させる方向に前記アームを枢動させるようになされて
いるベルト引張システムにおいて、前記アームは、渦巻
きばねのばね力によって該渦巻きばねの前記一端によっ
て係合されるようになされた肩部を有しており、該アー
ムの肩部を該ばねの前記一端に係合させて、該一端を前
記支持手段のばね受け座との係合から離脱させる特定の
位置にまで該アームを枢動させることにより該アームと
渦巻きばねとを自蔵ユニットとして前記支持手段から取
り外すことができるようになされていることを特徴とす
るベルト引張システムを提供することも、周知である。
この渦巻きばねは、らせん巻きワイヤばねから成り、前
記一端及び他端は、該ばねの内端と外端である。このよ
うなベルト引張システムは、例えば、米国特許第5,190,
502号に開示されている。
発明の開示 米国特許第5,190,502号の発明の特徴の1つは、ベル
ト引張器が、自蔵ユニットを構成するようになされたア
ームと該アームによって担持された渦巻きばねを有する
ものとし、その自蔵ユニットをベルト引張システムの支
持手段に組みつければ、該渦巻きばねの一端が該支持手
段のばね受け座に係合して該一端が支持手段にさせ、該
渦巻きばねのばね力が、該支持手段によって無端経路に
沿って移動するように担持されたベルト構造体に緊張力
を付与するように、該渦巻きばねの一端の係合点を前記
支持手段上のばね受け座へ移行させるための手段を構成
するようになされたベルト引張システムを提供すること
である。
特に、同特許の発明の教示によれば、ベルト引張力の
前記アームに肩部を設け、この肩部に前記渦巻きばねの
前記一端が該渦巻きばねのばね力によって係合するよう
にし、該アームと渦巻きばねとを自蔵ユニットとしてベ
ルト引張システムに挿入したり、それから取り外すこと
ができるようにするとともに、該自蔵ユニットが前記支
持手段に組みつけられると、該ばねの前記一端の係合点
を該アームの該肩部から前記支持手段上のばね受け座へ
移行させてばねの一端を支持手段に係合させ、それによ
って、該ばねが、前記アームに回転自在に担持されたプ
ーリを介してベルト構造体に緊張を付与する方向に該ア
ームを枢動させるようにする。
しかしながら、同特許の発明では、ばねの前記一端を
その内端としているが、ベルト引張器は同特許の図2に
示された支持手段に取り付けるようになされているの
で、ばねの前記一端をその外端とする方が望ましい。
従って、本発明の一実施例では、ばね受け座を有する
支持手段と、該支持手段によって担持され、該支持手段
に対して特定の経路に沿って移動するようになされた無
端伝動ベルト構造体と、該支持手段に枢動自在に取り付
けられたアームと、該アームによって回転自在に担持さ
れ、前記ベルト構造体に係合するようになされたプーリ
と、一端を前記支持手段のばね受け座に係合させ、他端
を前記アームに係合させた渦巻きばねとから成り、該ば
ねのばね力が、前記ベルト構造体に緊張を与えるように
前記プーリを該ベルト構造体に圧接させる方向に前記ア
ームを枢動させるようになされており、前記アームは、
渦巻きばねのばね力によって該渦巻きばねの前記一端に
よって係合されるようになされた肩部を有しており、該
アームの肩部を該ばねの前記一端に係合させて、該一端
を前記支持手段のばね受け座との係合から離脱させる特
定の位置にまで該アームを枢動させることにより該アー
ムと渦巻きばねとを自蔵ユニットとして前記支持手段か
ら取り外すことができるようになされており、該渦巻き
ばねをらせん巻きワイヤばねによって構成し、該ばねの
前記一端を該ばねの外端とすることを特徴とするベルト
引張システムを提供する。
従って、本発明の目的は、上述した又は以下に述べる
本発明の新規な特徴の1つ又はそれ以上を有する新規な
ベルト引張システムを提供することである。
本発明の他の目的は、上述した又は以下に述べる本発
明の新規な特徴の1つ又はそれ以上を有する、上記ベル
ト引張システムを製造する新規な方法を提供することで
ある。
本発明の他の目的は、上述した又は以下に述べる本発
明の新規な特徴の1つ又はそれ以上を有する、ベルト引
張システムのための新規なベルト引張器を提供すること
である。
本発明の他の目的は、上述した又は以下に述べる本発
明の新規な特徴の1つ又はそれ以上を有する、上記ベル
ト引張器を製造する新規な方法を提供することである。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の新規なベルト引張器を用いたベルト
引張システムを示す部分透視図である。
図2は、図1と同様な図であるが、ベルト引張器及び
ベルト構造体を除去したときの図1のベルト引張システ
ムを示す。
図3は、本発明のベルト引張器を構成する各部品の分
解透視図である。
図4は、本発明のベルト引張器の拡大背面図である。
図5は、図4の矢印5−5の方向にみたベルト引張器
の側面図である。
図6は、図2の支持手段の部分正面図である。
図7は、図4のベルト引張器を図6の支持手段に最初
に組みつける態様を示す縮小正面図である。
図8は、図7と同様の図であるが、図7のベルト引張
器がベルト構造体に張力を付与することができるように
該ベルト引張器を枢動させる態様を示す。
図9は、図7の線9−9に沿ってみた部分断面図であ
る。
図10は、図9の線10−10に沿ってみた部分断面図であ
る。
図11は、図10と同様の図であるが、本発明のベルト引
張器が作動位置におかれたところを示す。
図12は、図11と同様の図であるが、ベルト引張器がベ
ルト構造体に張力を付与しているところを示す。
実施例 本発明のいろいろな特徴は、ここでは、特定の経路に
沿って走行するベルト構造体に動作するためのベルト引
張器を提供するものとして例示され、説明されている
が、本発明の各特徴は、所望に応じて他のタイプのベル
トのためのベルト引張器を構成するために単独で、又
は、組合せて用いることができる。
従って、添付図は本発明の広範な用途の1つを例示す
るためのものにすぎないから、本発明は、添付図に示さ
れた実施例に限定されるものではない。
図1を参照して説明すると、本発明の新規なベルト引
張システムは、総体的に参照番号20で示されており、支
持手段21と、支持手段21によって担持され、支持手段21
に対して特定の経路に沿って走行するようになされた無
端伝導ベルト構造体22と、ベルト構造体22を後述する態
様で緊張させるための本発明のベルト引張器23から成
る。
ベルト引張器(以下、単に「引張器」とも称する)23
は、後述する態様で支持手段21に枢動自在に取り付けら
れた金属製又はプラスチック製アーム24を備えている。
アーム24は、ベルト構造体22の面27に転がり係合するベ
ルト係合表面26を有する回転自在プーリ25を担持してい
る。アーム24は、常態では、渦巻きばね29のばね力によ
って図12に矢印28で示される方向に付勢されている。渦
巻きばね29は、一端を後述する態様で支持手段21に係合
させ、他端を該アーム24に係合させている。
渦巻きばね29は、螺旋状に巻かれた扁平金属ワイヤ
と、その隣接する巻きの間に介設された減摩性ポリマー
材のストリップ32から成り、斯界において周知の態様で
機能する。例えば、本明細書に編入されたものとする上
述した米国特許第4,886,483号の記載を参照されたい。
本発明のベルト引張器23は、支持手段21に着脱自在に
挿入され、ばね29は、引張器23に内蔵された形で担持さ
れる。ただし、ばね29は、その外端30を後述する態様で
アーム24の部品69から脱係合(離脱)させて、支持手段
21に係合させることができるようになされており、それ
によって渦巻きばね29のばね力によりアーム24を図12の
矢印28の方向に枢動させ、プーリ25をベルト構造体22に
圧接させてベルト構造体22を緊張させる。この態様及び
理由は、上述した米国特許第4,886,483号に記載されて
いるので、ここでは、本発明の特徴を理解するのに必要
なベルト引張システム20及びベルト引張器23の構造の細
部だけを説明する。
支持手段21は、自動車等の内燃エンジン(図示せず)
のための支持構造体33と、支持構造体33に金属ボルト等
によって適当な態様に固定された金属製又はプラスチッ
ク製のカバー、又は取り付けプレート又はブラケットと
から成る。
支持手段21は、図2及び6に示されるように、その一
方の面37から外方に突出した円筒形ハブ36を有してい
る。支持手段21のハブ36は、後述する態様でベルト引張
器23の金属製締着部材40の雄ねじ付き端部39(図3参
照)を受容するようになされた雌ねじ付き開口38を有し
ている。締着部材40は、図3及び9に明示されているよ
うに、横断方向に延長した環状の平坦な肩部42を介して
ねじ付き部分39に連結した平滑な拡径円筒形軸部41を有
する。肩部42は、図9に示されるように支持手段21の円
筒形ハブ又は部分36の平坦な肩部43に当接係合するよう
になされており、それによって、締着部材40は、引張器
23を後述する態様で支持手段21に締着し、締着部材40自
体も、支持手段21に対して動かないように固定される。
支持手段21は、その一方の面37から円筒形ハブ36を同
心的に囲うようにして外方に突出した環状壁44を有して
いる。環状壁44には、図12に示されるようにばね29の端
部30を係合させるためのばね受け座46を画定するスロッ
ト45が形成されており、それによって、ばね29の端部30
を以下に明らかになるように支持手段21に係合する。
支持手段21の環状壁44は、後述する態様でベルト引張
器23のアーム24の円筒形壁49の外側円弧状表面48に入れ
子式に嵌合するようになされた内側円弧状表面47を有し
ている。
更に、支持手段21は、その一方の面37から突出した複
数の互いに離隔した壁51,52を有している。壁51,52は、
それぞれ、ベルト引張器23のアーム24のストッパー突起
57の表面55,56によって係合される表面53,54を画定する
(図10参照)。
表面53と55は、初期組立時の整合手段であり、図10に
示されるように最初に接触したときはその一端で合致す
るように平行とされている。
図3に明示されているように、アーム24の円筒形壁49
には、該壁に入れ子式に被せられる減摩部材66のディス
ク部材65の差し込み突起64を受容するためのスロット62
が形成されており、減摩部材66のディスク部分65には、
上記米国特許第4,886,483号に記載された理由でばね29
の内側巻き部分68の下に挿入されるようになされた円弧
状フランジ67が形成されている。
部品又は部材69は、アーム24に組み立てられたとき、
アーム24の一部分を構成する。部品69は、その表面69'
が図1に示されるようにアーム24に衝接するまでアーム
24の開口70',71'にそれぞれ挿入される1対の互いに離
隔した支柱又はロッド70,71を有している。部品69は、
又、ばね29の外端30を衝接係合させる肩部72を有してい
る(図4、10参照)。
図10〜12にみられるように、渦巻きばね29がアーム24
に組みつけられると、ばね29の内端31は、アーム24の円
筒形壁49のスロット62に受容されることによってアーム
24に係合され、ばね29の外端30は、アーム24の部品69の
肩部72に衝接されるようになされている。このように組
みつけられた状態のばね29は、巻き込まれた状態に保持
され、周知のようにばねはそのコイル即ち巻き29'をほ
どこうとする力を有するので、その両端30,31がそれぞ
れ肩部72とスロット62の壁に圧接し、ばね自体のばね力
によって組立状態に保持される。
詳述すれば、ばね29の内端31は、図3に明示されてい
るように、ばねの内側巻き部分68に対してほぼ直角をな
しており、ばね29の外端30は、図10〜12に示されるよう
にループ状になされている。ばね29の内端31は、アーム
24の円筒形壁49のスロット62内に挿入することができ、
ばね29の外端30は、適当な工具(図示せず)によって部
品69の表面72の位置を越えた位置にまで巻きつけること
ができる。次いで、部品69の支柱70,71をそれぞれ開口7
0,'71'内に押込む。次いで、支柱70をボルト、ブラケッ
ト、頭造、はんだ又は溶接等の適当な手段によってアー
ム24に固定することができる。次いで、ばね29の外端30
の一部分を折り返し、その表面30'をアーム24の一部分
となっている部材69の肩部72に係合させる。
プーリ25は、周知の態様でアーム24の端部73の円筒状
軸73'にねじ付き締着部材74などによって回転自在に取
り付けられ、アーム24に対して回転するようになされて
いる。
アーム24は、以下の説明から分かるように、支持手段
21の円筒形ハブ36に回転自在に装着されるようになされ
ている。即ち、図9に示されるように、アーム24の円筒
形壁即ち中心ハブ部分49の貫通円筒形開口75は、ポリマ
ー材のような適当な減摩材で形成された円筒形ブッシュ
77で内張りされており、ブッシュ77の拡大フランジ端78
(図3参照)がアーム24の面79に圧接するようになされ
ている。
かくして、締着部材40の軸部41は、ブッシュ77の円筒
部分の開口80内に受容され、締着部材40の拡大ヘッド81
が、波形ワッシャ82のような付勢付勢手段をブッシュ77
のフランジ78との間に圧縮し、締着部材40のねじ付き部
分39を図9に示されるように支持手段21のねじ付き開口
38に完全に螺入させると、フランジ78をアーム24の面79
に圧接させる。かくして、締着部材40の平坦な肩部42が
突起即ちハブ36の平坦な肩部43に当接し、それによっ
て、締着部材40は、回転しないように保持されるととも
に、アーム24は、付勢手段82によって締着部材40に沿っ
て軸方向に押圧されているにも拘らず、ブッシュ77を介
して回転又は枢動し、支持手段21に対して回転又は枢動
することができる。アーム24が付勢手段82によって締着
部材40に沿って軸方向に押圧されることにより、減摩部
材66のディスク部分が、支持手段21の環状壁44の対面す
る表面85に摺動自在に係合する。
ベルト引張器23が支持手段21から分離されているとき
締着部材40をアーム24及びばね29に対して組立状態に保
持するために、ブッシュ77は、アーム24に組みつけられ
た状態にある締着部材40の環状スロット42'に係合する
張り出し突起76(図9参照)を有しており、それによっ
て締着部材40をアーム24に保持する。図9にみられるよ
うに、ブッシュ77の端部には、アーム24の環状壁部分49
の開口75内に完全に押し込まれたとき、環状壁部分49に
スナップ嵌合するための手段77'が設けられている。
以上の説明から分かるように、本発明のベルト引張器
23は、アーム24とプーリ25と渦巻きばね29から成る自蔵
ユニットを構成することにより上述した米国特許第4,88
6,483号に記載されたベルト引張器のような従来のベル
ト引張器に比べて比較的少ない部品数で形成することが
でき、従って、比較的安価に製造することができる。
上述したようにアーム24、プーリ25及び渦巻きばね29
を含む自蔵ユニットとして組み立てられた本発明のベル
ト引張器23を、ボルトによって予め支持構造体33に締着
された支持手段21を有するベルト引張システム20に組み
入れる場合は、ベルト引張器23を図7及び10に示される
態様に支持手段21に組みつける。即ち、ばね29の外端30
を静止支持手段21の環状壁44のスロット45に挿入し、ア
ーム24の表面55,56を支持手段21の表面53と54の間に挿
入するとともに、アーム24のストッパー突起57のストッ
パー表面55を支持手段21の壁51のストッパー表面53に対
して間隔をおいて滑らせて嵌める。更に、図10に示され
るように、アーム24の円筒形壁49を支持手段21の円筒形
は部36に入れ子式に被せ、ばね29の外端30を支持手段21
の環状壁44のばね受け座46の周りに滑り嵌合させる。
次いで、締着部材40のねじ付き部分39を支持手段21の
円筒形ハブ36のねじ付き開口38に螺入し、締着部材40の
環状肩部42を図9に示されるようにハブ36の表面43に衝
接させ、それによって付勢手段82を締着部材40の拡大ヘ
ッド81とブッシュ77のフランジ78との間に圧縮し、ブッ
シュ77のフランジ78をアーム24の面79に圧縮圧接させる
とともに、減摩部材66のディスク部分65を支持手段21の
環状壁44の対面する表面85に圧縮圧接させる。図7及び
10は、ベルト引張器23が支持手段21に完全に組みつけら
れたときの状態を示す。この状態では、ベルト構造体22
は、まだベルト引張器23のプーリ25に掛け渡されておら
ず、渦巻きばね29の外端30は、静止支持手段21の環状壁
44のばね受け座46に係合している。
このようにして、本発明のベルト引張器23は、支持手
段21に完全に組みつけられ、この状態から以下に述べる
態様で図12に示される無端伝動ベルト構造体22を緊張さ
せるための作動位置におくことができる。
ベルト引張器23を、無端伝動ベルト構造体22を緊張さ
せるための作動位置(図12)にするには、適当な工具58
をアーム24の開口60に挿入し、該工具58を用いてアーム
24をばね29の付勢力に抗して図8及び11に矢印61で示さ
れる時計回り方向に回してアーム24の部品69の肩部72を
ばね29の外端30の面30'から離脱させるとともに、ばね2
9の外端30の面30'を支持手段21の壁44のばね受け座46に
圧接させ、それによって、ばね29の外端30を静止支持手
段21に圧接した固定端とする。アーム24のこの時計回り
方向の回転は、ばね29の内端31を、該ばねを更に巻き締
める方向に移動させる。
このように、作業者は、引張器23を最初に図7に示さ
れるように支持手段21に取り付け、引張器23の締着部材
40を支持手段21の円筒形ハブ36の開口38に螺入してそれ
に固定した後、ベルト構造体22に張力を付与するために
ベルト引張システム20を最初に用いるときは、適当な工
具58を引張器23のアーム24の長方形の開口60に挿入し、
アーム24を渦巻きばね29の付勢力に抗して図8に矢印61
で示される方向に回してベルト構造体22をベルト引張シ
ステム20に掛け渡す。アーム24は、図8に示される位置
ではベルト構造体22に張力を与えないので、ベルト構造
体22を容易に引張器23のプーリ25に掛け渡すことができ
る。次いで、開口60から工具58を引き抜いてアーム24を
放せば、斯界において周知の態様で渦巻きばね29の付勢
力によりアーム24が図8の位置から図12に示されるよう
に反時計回り方向に枢動され、プーリ25がベルト構造体
22にその張力を及ぼすことができる。
かくして、ベルト構造体22の面27が図1、8、12に示
されるようにプーリ25の表面26に圧接されると、ばね29
のほどけようとする力が、図12に矢印28で示されるよう
にベルト構造体22の面27に作用し、斯界において周知の
態様でベルト構造体に張力を与えることができる。ベル
ト引張器23がこのような張力付与位置におかれていると
きは、アーム24の表面55,56は、図12に示されるよう
に、支持手段21の表面53と54の間に位置している。
ベルト引張器23を支持手段21から外すときは、必ずし
も工具を用いる必要はなく、作業者が手操作でベルト構
造体22をプーリ25から外せば、アーム24がばね29のほど
けようとする力によって図12で示される位置より更に反
時計回り方向に枢動されてアームの突起57のストッパー
表面55が支持手段21の壁51のストッパー表面53に衝接す
る位置(図10)へ移動する間に、アーム24の部品69の肩
部72がばね29の外端30の面30'に係合し、ばね29の外端3
0の面30'が支持手段21の壁44のばね受け座46から離脱さ
れ、それによって、ばね29の外端30が静止支持手段21と
の係合から解放される。この時点で、締着部材40を支持
手段21のねじ付き開口38から外すことができ、ベルト引
張器23を、ばね29を担持した自蔵ユニットとして支持手
段21から取り外すことができる。
かくして、交換のために前のベルト引張器23を取り外
した後、本発明の別のベルト引張器23を上述した態様で
支持手段21に取り付けることができる。
叙上のように、本発明は、新規なベルト引張システム
及びそのための新規なベルト引張器、並びにそのような
ベルト引張システム及びベルト引張器を製造するための
新規な方法を提供する。
以上、本発明を実施例に関連して説明したが、本発明
は、ここに例示した実例例の構造及び形態に限定される
ものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱すること
なく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろな変
更及び改変を加えることができることを理解されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−243557(JP,A) 実開 昭63−147957(JP,U) 実開 昭64−35239(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 7/12

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばね受け座(46)を有する支持手段(21)
    と、該支持手段によって担持され、該支持手段に対して
    特定の経路に沿って移動するようになされた無端伝動ベ
    ルト構造体(22)と、該支持手段(21)に枢動自在に取
    り付けられたアーム(24)と、該アームによって回転自
    在に担持され、前記ベルト構造体(22)に係合するよう
    になされたプーリ(25)と、両端(30,31)を有し、外
    端(30)を前記支持手段(21)のばね受け座(46)に係
    合させ、内端(31)を前記アーム(24)に係合させた渦
    巻きばね(29)とから成り、該ばね(29)のばね力が、
    前記ベルト構造体に緊張を与えるように前記プーリ(2
    5)を該ベルト構造体に圧接させる方向に前記アーム(2
    4)を枢動させるようになされているベルト引張システ
    ム(20)であって、 前記アーム(24)は、最初は前記アーム(24)とは別体
    であり、前記渦巻きばね(29)が所定の状態にまで該ア
    ーム(24)に巻きつけられた後、該アームに固定されて
    アーム(24)、プーリ(25)及び渦巻きばね(29)を含
    む自蔵ユニットを完成させるようになされた肩部構成部
    材を有しており、該肩部構成部材の肩部(72)は、前記
    渦巻きばね(29)のばね力によって該渦巻きばね(29)
    の前記外端(30)によって係合されるようになされてお
    り、該アーム(24)の該肩部(72)を該ばね(29)の該
    外端(30)に係合させて、該外端(30)を前記支持手段
    (21)の前記ばね受け座(46)との係合から離脱させる
    特定の位置にまで該アーム(24)を枢動させることによ
    り該アーム(24)とプーリ(25)と渦巻きばね(29)と
    を自蔵ユニットとして前記支持手段(21)から取り外す
    ことができるようになされていることを特徴とするベル
    ト引張システム。
  2. 【請求項2】ばね受け座(46)を有する支持手段(21)
    と、該支持手段によって担持され、該支持手段に対して
    特定の経路に沿って移動するようになされた無端伝動ベ
    ルト構造体(22)を含むベルト引張システム(20)のた
    めのベルト引張器(23)であり、該支持手段(21)に枢
    動自在に取り付けられたアーム(24)と、該アームによ
    って回転自在に担持され、前記ベルト構造体(22)に係
    合するようになされたプーリ(25)と、両端(30,31)
    を有し、外端(30)を前記支持手段(21)のばね受け座
    (46)に係合させ、内端(31)を前記アーム(24)に係
    合させた渦巻きばね(29)とから成り、該ばね(29)の
    ばね力が、前記ベルト構造体に緊張を与えるように前記
    プーリ(25)を該ベルト構造体に圧接させる方向に前記
    アーム(24)を枢動させるようになされているベルト引
    張器(23)であって、 前記アーム(24)は、最初は前記アーム(24)とは別体
    であり、前記渦巻きばね(29)が所定の状態にまで該ア
    ーム(24)に巻きつけられた後、該アームに固定されて
    アーム(24)、プーリ(25)及び渦巻きばね(29)を含
    む自蔵ユニットを完成させるようになされた肩部構成部
    材を有しており、該肩部構成部材の肩部(72)は、前記
    渦巻きばね(29)のばね力によって該渦巻きばね(29)
    の前記外端(30)によって係合されるようになされてお
    り、該アーム(24)の該肩部(72)を該ばね(29)の該
    外端(30)に係合させて、該外端(30)を前記支持手段
    (21)の前記ばね受け座(46)との係合から離脱させる
    特定の位置にまで該アーム(24)を枢動させることによ
    り該アーム(24)とプーリ(25)と渦巻きばね(29)と
    を自蔵ユニットとして前記支持手段(21)に挿入した
    り、それから取り外したりすることができるようになさ
    れていることを特徴とするベルト引張器。
  3. 【請求項3】前記渦巻きばね(29)は、実質的に平坦な
    らせん巻きワイヤばねから成ることを特徴とする請求の
    範囲第1項に記載のベルト引張システム。
  4. 【請求項4】前記支持手段(21)は、前記アーム(24)
    の両方向の枢動を制限するために該アーム(24)によっ
    てそれぞれ係合される1対の互いに離隔したストッパー
    手段(51,52)を有することを特徴とする請求の範囲第
    1項に記載のベルト引張システム。
  5. 【請求項5】前記アーム(24)は、前記特定の位置にお
    かれたとき、前記ストッパー手段(51,52)の1つに近
    接するように配置されていることを特徴とする請求の範
    囲第4項に記載のベルト引張システム。
  6. 【請求項6】前記支持手段(21)は、外方に突出した円
    筒形ハブ(36)を有し、前記アーム(24)は、該ハブに
    対して移動するように配置された表面(42)を有するこ
    とを特徴とする請求の範囲第1項に記載のベルト引張シ
    ステム。
  7. 【請求項7】前記支持手段(21)は、開口(38)を有
    し、前記アーム(24)によって回転自在に担持された締
    着部材(40)が該アーム(24)を前記支持手段(21)に
    締着することができるように該開口(38)に挿入されて
    いることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のベルト
    引張システム。
  8. 【請求項8】前記アーム(24)は、前記締着部材(40)
    に回転自在に装着されていることを特徴とする請求の範
    囲第7項に記載のベルト引張システム。
  9. 【請求項9】前記締着部材(40)と前記アーム(24)と
    の間に両者の相対回転を容易にするためにブッシュ(7
    7)が介設されていることを特徴とする請求の範囲第8
    項に記載のベルト引張システム。
  10. 【請求項10】前記ブッシュ(77)は、前記アーム(2
    4)に係合する環状フランジ(78)を有し、前記締着部
    材(40)は、該環状フランジ(78)を前記アーム(24)
    に圧接するための拡大ヘッド(81)を有していることを
    特徴とする請求の範囲第9項に記載のベルト引張システ
    ム。
  11. 【請求項11】前記肩部(72)は、突出した1対の支柱
    (70,71)を有する部品(69)によって構成されてお
    り、前記アーム(24)は、1対の支柱(70,71)をそれ
    ぞれ受容する1対の開口(70',71')を有していること
    を特徴とする請求の範囲第1項に記載のベルト引張シス
    テム。
  12. 【請求項12】ばね受け座(46)を有する支持手段(2
    1)と、該支持手段によって担持され、該支持手段に対
    して特定の経路に沿って移動するようになされた無端伝
    動ベルト構造体(22)と、該支持手段(21)に枢動自在
    に取り付けられたアーム(24)と、該アームによって回
    転自在に担持され、前記ベルト構造体(22)に係合する
    ようになされたプーリ(25)と、両端(30,31)を有
    し、外端(30)を前記支持手段(21)のばね受け座(4
    6)に係合させ、内端(31)を前記アーム(24)に係合
    させた渦巻きばね(29)とから成り、該ばね(29)のば
    ね力が、前記ベルト構造体に緊張を与えるように前記プ
    ーリ(25)を該ベルト構造体に圧接させる方向に前記ア
    ーム(24)を枢動させるようになされているベルト引張
    システム(20)を製造する方法であって、 肩部(72)を有する肩部構成手段を、最初は前記アーム
    (24)とは別体に形成し、前記ばね(29)の内端(31)
    を前記アーム(24)に取り付け、次いで、該ばね(29)
    の前記外端(30)を該アーム(24)に対して所定の位置
    にまで移動させることによって該アーム(24)に巻きつ
    け、次いで、該ばね(29)の該外端(30)が前記肩部構
    成手段の肩部(72)に係合することができるように該肩
    部構成手段を該アーム(24)に固定してアーム(24)、
    プーリ(25)及び渦巻きばね(29)を含む自蔵ユニット
    を完成させ、該アーム(24)の該肩部(72)を該ばね
    (29)の該外端(30)に係合させて、該外端を前記支持
    手段(21)の前記ばね受け座(46)との係合から離脱さ
    せる特定の位置にまで該アーム(24)を枢動させること
    により該アーム(24)とプーリ(25)と渦巻きばね(2
    9)とを自蔵ユニットとして前記支持手段(21)から取
    り外すことができるように構成することを特徴とするベ
    ルト引張システム製造方法。
  13. 【請求項13】ばね受け座(46)を有する支持手段(2
    1)と、該支持手段によって担持され、該支持手段に対
    して特定の経路に沿って移動するようになされた無端伝
    動ベルト構造体(22)を含むベルト引張システム(20)
    のためのベルト引張器(23)であり、該支持手段(21)
    に枢動自在に取り付けられたアーム(24)と、該アーム
    によって回転自在に担持され、前記ベルト構造体(22)
    に係合するようになされたプーリ(25)と、両端(30,3
    1)を有し、外端(30)を前記支持手段(21)のばね受
    け座(46)に係合させ、内端(31)を前記アーム(24)
    に係合させた渦巻きばね(29)とから成り、該ばね(2
    9)のばね力が、前記ベルト構造体に緊張を与えるよう
    に前記プーリ(25)を該ベルト構造体に圧接させる方向
    に前記アーム(24)を枢動させるようになされているベ
    ルト引張器(23)を製造する方法であって、 肩部(72)を有する肩部構成手段を、最初は前記アーム
    (24)とは別体に形成し、前記ばね(29)の内端(31)
    を前記アーム(24)に取り付け、次いで、該ばね(29)
    の前記外端(30)を該アーム(24)に対して所定の位置
    にまで移動させることによって該アーム(24)に巻きつ
    け、次いで、該ばね(29)の該外端(30)が前記肩部構
    成手段の肩部(72)に係合することができるように該肩
    部構成手段を該アーム(24)に固定してアーム(24)、
    プーリ(25)及び渦巻きばね(29)を含む自蔵ユニット
    を完成させ、該アーム(24)の該肩部(72)を該ばね
    (29)の該外端(30)に係合させて、該外端を前記支持
    手段(21)の前記ばね受け座(46)との係合から離脱さ
    せる特定の位置にまで該アーム(24)を枢動させること
    により該アーム(24)とプーリ(25)と渦巻きばね(2
    9)とを自蔵ユニットとして前記支持手段(21)に挿入
    したり、それから取り外したりすることができるように
    構成することを特徴とするベルト引張器製造方法。
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