JP3270479B2 - 不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents

不飽和ニトリルの製造方法

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JP3270479B2
JP3270479B2 JP52340396A JP52340396A JP3270479B2 JP 3270479 B2 JP3270479 B2 JP 3270479B2 JP 52340396 A JP52340396 A JP 52340396A JP 52340396 A JP52340396 A JP 52340396A JP 3270479 B2 JP3270479 B2 JP 3270479B2
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unreacted ammonia
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ammonia
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賢 染谷
英雄 緑川
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリ
ルにより代表される不飽和ニトリルをアンモ酸化反応で
製造する方法に関する。
背景技術 プロピレンまたはイソブテンもしくは3級ブタノール
をアンモニアおよび分子状酸素の存在下で、触媒と気相
接触させてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル
を製造する方法は、オレフィンのアンモ酸化反応として
広く知られており、現在工業的規模で実施されている。
この方法において、供給する反応ガス中のアンモニア/
プロピレンのモル比を、不飽和ニトリルの収率を高める
ために、通常は1.1以上に設定するが、化学量論的バラ
ンスのずれのために反応器から排出されるガス中には未
反応のアンモニアが多量に存在することになる。この未
反応アンモニアの処理は、プロセスの合理化、公害防止
の観点から重要な課題であり、かかる課題を解決するた
めにこれまでにも種々の技術が開発されてきた。例え
ば、JP−B−49−25560、JP−B−51−49149、JP−A−
52−4500等は、硫酸を用いて未反応アンモニアを硫安と
して分離・回収することを開示しており、またJP−B−
51−3131は、生成した硫安からアンモニアを回収した後
に該溶液を焼却することを開示している。また、この廃
液を深穴注入(Deepwell Injection)することも行わ
れている。しかしながら、硫酸を用いる上記技術は、生
成する硫安を焼却する時にSOxが発生するので、環境汚
染の点で望ましいものではない。
これに対して、JP−B−40−6451及びJP−A−52−32
893は、未反応アンモニアを処理する方法として、硫酸
の代わりに酢酸、クエン酸、有機多塩基酸等の有機酸を
用いることを、またJP−B−45−33538は炭酸ガスを用
いることを開示している。これらの方法は、反応器から
排出されるガス中の未反応アンモニアを処理することは
できるものの、設備の改良、増設等を必要とするために
工程が複雑化するばかりでなく、経済的にも有利とはい
えない。
別の方法として、実質的に未反応アンモニアを反応器
から排出させない方法として、JP−A−7−53494、JP
−A−7−126237及びJP−A−51−16615は、有機化合
物を反応器に供給することにより未反応アンモニアを低
減、または実質的に排除することを開示している。しか
しながら、この方法は反応器から排出されるガス中の未
反応アンモニアを低減または削減することはできるもの
の、反応器の中に更に新たな設備を設置することを必要
とし、運転操作も複雑化する。
JP−B−53-18014は、反応器から排出されるガス中の
未反応アンモニアを低減または削減するさらに別の方法
として、鉄及びアンチモンを主成分とする触媒を用い、
供給する反応ガス中のアンモニア/プロピレンモル比を
1.0近傍の値として反応を行うことを開示している。し
かしながら、この先行技術に記載された生成物の分析結
果からは、副生成としてのアクリル酸は生成していない
ことがわかる。
また、JP−A−48−72122にはモリブデン、ビスマ
ス、鉄、コバルト、ニッケル、リン及びナトリウムを必
須成分とする触媒を用い、アンモニア/プロピレンモル
比を0.95〜1.1として反応ガス中のアンモニア濃度を0.8
容量%以下に制御する方法が開示されているが、この方
法においても未反応のアンモニアを処理するために、硫
酸が不可欠のものとして使用されている。
また、JP−B−45−2371、JP−B−62−46538、JP−
A−7−82228等には、アクリロニトリルの収率に加え
てアクリル酸の分析値の記載が、JP−A−55−13187に
はアクリロニトリルの収率に加えてアクリル酸及び未反
応アンモニアの分析値の記載がある。しかしながら、こ
れらの先行技術には、アンモ酸化反応生成ガス中の有機
酸と未反応アンモニアとのモル比に言及したものはな
く、また未反応アンモニアを、アンモ酸化反応において
生成するアクリル酸、酢酸等の有機酸と反応せしめて有
機酸アンモニアとして固定することを記載したものもな
い。
発明の開示 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討
した結果、プロピレンまたはイソブテンもしくは3級ブ
タノール等の有機化合物のアンモ酸化反応によりアクリ
ロニトリルまたはメタクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ルを製造する方法であって、未反応アンモニアを上記ア
ンモ酸化反応において生成する有機酸と反応せしめて有
機酸アンモニウムとして固定することからなる、簡易な
不飽和ニトリルの製造方法を見出し、本発明を完成し
た。
即ち、本発明は、プロピレン、イソブテンまたは3級
ブタノール等の有機化合物のアンモ酸化反応によりアク
リロニトリルまたはメタクリロニトリル等の不飽和ニト
リルを製造する方法であって、反応器においてアンモ酸
化反応生成ガス(以下生成ガスともいう。)中に副生物
として存在する有機酸の、未反応アンモニアに対するモ
ル比(以下有機酸/未反応アンモニア比という)を0.8
〜3.0に制御しながらアンモ酸化反応を行い、該生成ガ
スを急冷塔に導入し、そこで未反応アンモニアを反応器
で生成する有機酸と反応させて有機酸のアンモニウム塩
として固定することからなる上記方法である。
本発明により、複雑な装置、操作を必要とせずに、未
反応アンモニアを有機酸アンモニウムとして簡易に固定
することにより不飽和ニトリルを容易に製造することが
できるばかりでなく、タール状の粘ちょうな物質の生成
が少ないので硫酸を使用していないにもかかわらず急冷
塔を安定に運転することが可能となり、また、硫安が生
成しないので廃水を焼却する時にSOxの発生を伴わ
ず、、従って環境に優しく、更に、熱回収も容易で、廃
水処理系の合理化が可能となる、等の優れた効果が得ら
れる。
発明を実施するための最良の形態 本発明においては、アンモ酸化反応生成ガス中の有機
酸/未反応アンモニア比を0.8〜3.0、好ましくは0.9〜
2.0、より好ましくは1.0〜1.5に制御してアンモ酸化反
応を行う。
急冷塔において、未反応アンモニアを反応器で生成す
る有機酸と反応せしめて有機酸アンモニウムとして固定
するためには、好ましくは急冷塔における有機酸/未反
応アンモニア比を1.0以上にする。従って、本発明にお
いてはアンモ酸化反応において、生成ガス中の有機酸/
未反応アンモニア比を時間軸について積分した値を反応
時間で割って得られる平均値(時間平均値)を1.0以上
にすれば、実質的にすべての未反応アンモニアを有機酸
アンモニウムとして固定化することができる。
有機酸/未反応アンモニア比が0.8以上かつ1.0未満で
あっても、生成ガス中には実質的な量の有機酸が存在
し、また急冷塔の循環液中にもアンモニアと反応してい
ない遊離の有機酸が存在するので、大部分の未反応アン
モニアを効率よく固定することができ、残留未反応アン
モニアは必要に応じて、例えば、少量の酢酸、アクリル
酸、クエン酸、硫酸等を用いる従来技術により工業的に
有利に固定することができる。また、短い時間であれ
ば、有機酸/未反応アンモニア比が0.8未満の条件にお
いても運転は可能であるが、この条件は急冷塔における
生成ガスと循環液との接触効率によっては、不飽和アル
デヒドであるアクロレインや青酸の重合物が生成するた
め急冷塔循環液が汚れたり、スクシノニトリル等が生成
するため不飽和ニトリルであるアクリロニトリルの収率
が低下する可能性があるので、避けることが望ましい。
生成ガス中の有機酸/未反応アンモニア比をこの様な
範囲で制御する理由は、工業的規模のアンモ酸化反応に
おいては、何らかの要因で急冷塔循環液の有機酸/アン
モニア比が変動して未反応アンモニアの固定化が不十分
となる場合や有機酸が過剰に存在する場合等が想定され
るからである。
生成ガス中の有機酸/未反応アンモニア比の時間平均
値が反応中のある時点で下降傾向にある場合は、原料ガ
スのアンモニア/プロピレンモル比をその時点での値よ
り下げれば、生成ガス中の有機酸/未反応アンモニア比
が大きくなり、その時間平均値を上げることができる。
逆に、生成ガス中の有機酸/未反応アンモニア比の時間
平均値が反応中のある時点で上昇傾向にある場合は、原
料ガスのアンモニア/プロピレンモル比をその時点での
値より上げれば、生成ガス中の有機酸/未反応アンモニ
ア比が小さくなり、その時間平均値を下げることができ
る。
このように、アンモ酸化反応の間中、生成ガス中の有
機酸/未反応アンモニア比の時間平均値を所定の範囲内
に制御することにより、工業的に有利に未反応アンモニ
アを固定することができる。
急冷塔循環液中の有機酸/アンモニア比は該循環液の
pH値と実質的に相関する。従って、急冷塔循環液のpH値
の変化に応じて原料ガスのアンモニア/プロピレンモル
比等の反応条件を決定することにより上記の有機酸/未
反応アンモニア比の制御を実施することもできる。
また、速やかに急冷塔循環液の有機酸/アンモニア比
を変化させたい場合や緊急に反応を制御したい場合等に
は、酢酸、アクリル酸等の有機酸やアンモニア、アミン
等の塩基を循環液に供給することもできる。本発明で
は、硫酸は全く、又は実質的に使用する必要がない。
本発明における有機酸とは、アンモ酸化反応により生
成するアクリル酸、酢酸およびメタクリル酸等を包含す
る。また、未反応アンモニアとは反応器から排出される
生成ガス中に実質的に存在するアンモニアである。
本発明の範囲外の条件、例えば、生成ガス中の有機酸
/未反応アンモニア比が0.8未満でアンモ酸化反応を継
続すると、不飽和ニトリルの収率は高いものの、急冷塔
において不飽和アルデヒドであるアクロレインや青酸の
重合物が生成してしまい、循環液の液質が著しく悪化す
るばかりでなく、スクシノニトリル等の生成によりアク
リロニトリルの収率が低下する等の不都合が発生する。
また、有機酸/未反応アンモニア比が3.0を越える値で
アンモ酸化反応を継続すると、不飽和ニトリルの収率が
低下するばかりでなく、生成ガス中にアクロレイン等の
不飽和アルデヒドや高沸点化合物が増加するために急冷
塔の循環液がタール状物質で汚れたり、反応器の出口に
ある熱交換器が汚れる、等の不都合が起きる。
有機酸/未反応アンモニア比の本発明の範囲内での制
御は、反応器に供給する原料ガス中のアンモニア/プロ
ピレンモル比、アンモニア/イソブテンモル比又はアン
モニア/3級ブタノールモル比等を、0.90〜1.20、好まし
くは0.95〜1.10の範囲の中から、触媒活性、触媒量、反
応温度、反応圧力等の反応条件を考慮して適宜選択する
ことにより実施できる。
反応器から排出されたアンモ酸化反応生成ガスは急冷
塔に導入され、未反応アンモニアがアンモ酸化反応で生
成する有機酸と反応して有機酸アンモニウムとして固定
される。
本発明に用いられる急冷塔としては、1区画のみを有
する急冷塔または少なくとも上下2区画を有する多段急
冷塔のいずれも用いることができるが、多段急冷塔を用
いるのが好ましい。
多段急冷塔を用いる場合、反応器から排出された生成
ガスはまず急冷塔の下部区画に導かれ、ここで有機酸ア
ンモニウム、高沸点化合物等のアンモ酸化反応生成物等
を含む循環液と接触し、該生成ガス中の有機酸と未反応
アンモニアとを有機酸アンモニウムとして循環液中に固
定する。また、同時にアンモ酸化反応で生成する高沸点
化合物及びアクリロニトリル、アクロレイン、青酸等の
重合物、飛散触媒等も分離除去される。更に、該生成ガ
スは上部区画に導かれ、上記と同様の操作により未反応
アンモニアの固定化が完結する。急冷塔循環液は反応ガ
スと直接接触する循環方式で使用される。急冷塔の運転
中、下部区画で蒸発した水を補うために、上部区画で凝
縮した液を使用する方法、外部から水を補給する方法等
があるが、処理すべき廃水量を少なくする観点から上部
区画で凝縮した液を使用する方法が好ましい。また、急
冷塔の下部区画の温度は100℃以下であればよいが、廃
水の濃縮度や有機酸アンモニウム塩の分解温度等を考慮
して、好ましくは50〜95℃、より好ましくは60〜90℃で
ある。
本発明において、急冷塔から抜き出される液(以下抜
き出し液という)は、有機酸アンモニウムの他にアンモ
酸化合物において反応する高沸点化合物及びアクリロニ
トリル、アクロレイン、青酸等が重合したヘビー等を含
有しているが、硫酸を含まないので容易に濃縮し、焼却
することができる。濃縮に際しては、自然性と粘性増加
による取り扱いの困難性と経済的観点とから抜き出し液
の濃縮度を決めることができる。
ヘビー分を10〜70重量%、好ましくは40〜60重量%を
含有するように濃縮度を決定する。また、濃縮または焼
却を行う前に、触媒粒子を主成分とする固体成分や金属
成分等を抜き出し液から分離することも好ましい。
なお、ヘビー分の濃度は、抜き出し液を蒸発皿に秤量
して100℃の水浴で加熱し、さらに乾燥器にて105℃で乾
燥した後の残査の重量から求める。
急冷塔からの抜き出し液を焼却する際に、抜き出し液
を急冷塔から直接焼却炉に導入してもよく、またいった
ん貯槽にためてから焼却炉に導入してもよい。貯槽及び
貯槽から焼却炉への配管は詰まり防止のために保温する
ことが好ましい。
抜き出し液を焼却するための焼却炉設備は特に限定さ
れるものではなく、例えば、抜き出し液を噴霧してこれ
を焼却する一般的な焼却炉や流動層焼却炉を用いること
ができる。また、アンモ酸化プロセスにおいて吸収塔か
ら排出される廃ガスを焼却するための廃ガス焼却炉で、
廃ガスと同時に抜き出し液を焼却することもできる。液
体を噴霧する方法としては、高圧力による自圧噴霧方
式、蒸気、または高圧空気をアトマイジング源とする2
流体ノズル方式等を用いることができるが、噴霧を良好
に行うために、蒸気をアトマイジング源とする2流体ノ
ズル方式が好ましい。
焼却に際しては、重油、アンモ酸化反応の副生成物で
ある青酸等を補助燃料として用いることもできる。
焼却炉の炉内温度は、焼却する抜き出し液の組成、焼
却炉の燃焼方式、焼却ガスの炉内滞留時間、焼却炉の排
ガス中の酸素濃度等によって異なるが、500〜1300℃、
好ましくは650〜850℃である。焼却ガスの炉内滞留時間
は0.5〜5秒、好ましくは1〜3秒である。焼却炉の排
ガス中の酸素濃度は0.5〜5容量%、好ましくは1〜3
容量%である。
焼却の際に発生する熱は、熱交換器、伝熱コイル等に
より回収することができる。また、硫酸を使用していな
いのでSOxの発生はないため、本発明の不飽和ニトリル
の製造方法は環境保護の観点からも有利である。
本発明は、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノ
ールのアンモ酸化反応によりアクリロニトリルまたはメ
タクリロニトリルを製造する方法に関するものである。
本発明において、好ましくは、触媒として、30〜70重量
%のシリカに担持された70〜30重量%のモリブデン、ビ
スマス及び鉄を含む酸化物触媒を用い、流動層において
アンモ酸化反応を行う。本発明において、より好ましく
は、酸化物触媒が一般式: MoyBipFeqAaBbCcDdOf (式中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Aは
ニッケルまたはコバルトからなる群より選ばれる少なく
とも1種の元素、Bはカリウム、ルビジウムおよびセシ
ウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、C
はマグネシウムおよび亜鉛からなる群より選ばれる少な
くとも1種の元素、Dは希土類元素から選ばれる少なく
とも1種の元素、及びOは酸素であり、そしてy、p、
q、a、b、c、dおよびfはそれぞれモリブデン、ビ
スマス、鉄、A、B、C、Dおよび酸素の原子比を表
し、d/(p+d)=0.6〜0.8、p+d=0.5〜2、q=
0.1〜3、a=4〜10、b=0.01〜2、c=0〜3、f
は存在する他の元素の原子価要求を満足させるために必
要な酸素の原子数である。) によって示され、そしてx=1.5p+q+a+c+1.5dに
よって定義されるxを用いると、該酸化物触媒のモリブ
デンの原子比yが、y=1.02x〜1.10xの範囲にある。
上記酸化物触媒において、Aは好ましくはニッケルで
ある。Dは好ましくはイットリウム、ランタン、セリウ
ム、プラセオジム、ネオジムおよびサマリウムからなる
群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、より好ま
しくはセリウムである。
モリブデンの原子比yは、好ましくはy=1.04x〜1.0
8xの範囲で用いる。モリブデンの原子比yをこの範囲に
維持する方法としては、MoO3、MoO2、Mo2O3、Mo2O5、Mo
3O8、Mo4O11、Mo8O23、Mo9O26等の一般式MoXOYで表さ
れ、Y/Xの値が1〜3である酸化モリブデン、反応条件
下で酸化モリブデンに変換されるモリブデン化合物、例
えば、H2MoO4、H2MoO4・H2O等のモリブデン酸、(NH4
2MoO4、(NH46Mo7O24・4H2O等のモリブデン酸のアン
モニウム塩、MoS3、MoS2等の硫化モリブデン、MoOCl4
MoO2Cl3、MoOCl3、MoCl5、MoCl4等のハロゲン化モリブ
デン、Mo(CO)、(C5H5)Mo(CO)5Mo(C5H5)、(C
5H5)Mo(CO)3H、Mo(CO)(C5H5N)、Mo2(CO)
(H2NCH2CH2NH2等のモリブデンのカルボニル化合
物、H4〔Mo(CN)(OH)〕等のモリブデンのシアノ
化合物、等のモリブデン化合物、又は、モリブデンの組
成を高めたほかは同じ組成比を有する触媒を添加するこ
と等が挙げられる。
上記の酸化物触媒は公知の方法、例えば各金属成分の
ための原料を調合して調合液を得、次いで該調合液を噴
霧乾燥して乾燥品を得、最後に該乾燥品を焼成すること
によって得ることができる。原料の調合にあたっては、
シリカはシリカゾルを、モリブデンはそのアンモニウム
塩を、他の成分はその硝酸塩等の水溶性化合物を用いる
ことが好ましい。原料液の噴霧乾燥における噴霧化は遠
心方式が好ましく、乾燥温度は100〜400℃、好ましくは
150〜300℃である。乾燥品の焼成は必要に応じて150〜5
00℃で前焼成し、その後500〜750℃、好ましくは550〜7
00℃の温度範囲で1〜20時間行う。
本発明においてアンモ酸化反応に用いられる有機化合
物はプロピレン、イソブテン及び3級ブタノールを包含
する。有機化合物としてプロピレンを用いる場合は不飽
和ニトリルとしてアクリロニトリルが製造され、有機化
合物としてイソブテン及び/又は3級ブタノールを用い
る場合は不飽和ニトリルとしてメタクリロニトリルが製
造される。
原料である上記有機化合物及びアンモニアは必ずしも
高純度である必要はなく、工業グレードのものを使用す
ることができる。
また、酸素源としては通常空気を用いるのが好ましい
が、酸素を空気と混合する等により酸素濃度を高めたガ
スを用いることもできる。
アンモ酸化反応の条件については、原料ガスの組成は
プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノール等の有機
化合物、アンモニアおよび空気のモル比は、有機化合物
/アンモニア/空気=1/0.90〜1.20/8〜10、好ましくは
1/0.95〜1.10/8〜10の範囲である。また、反応温度は40
0〜460℃、好ましくは415〜445℃の範囲である。反応圧
力は常圧〜3気圧の範囲である。原料ガスと触媒との接
触時間は0.5〜20sec・g/ml、好ましくは1〜10sec・g/m
lである。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
反応装置は、直径が3インチで内部に16メッシュの金
網を1cm間隔で設置した流動層反応器と、直径が4イン
チで高さ400mmのクウェンチタンク及び接続配管からな
る。反応器からの反応ガスは200〜250℃に加熱保温した
1/2インチ配管でクウェンチタンクまで導き、3mmφの孔
を10個設けたノズルよりクウェンチタンク液中に吹き込
まれる。クウェンチタンクには、クェンチ液量とタンク
内部の状況が見えるようにサイトグラス式液面径が設け
られ、クウェンチ液温を制御するための温度調節計、電
気ヒーターおよび保温設備が施されている。クウェンチ
タンクには、また、クェンチ液の抜き出し配管と排ガス
を排出する配管とが取り付けられている。クウェンチタ
ンク液温は温度調節計の設定を70℃としてヒーターによ
る加温で制御し、急冷塔とほぼ同じ効果が得られる条件
とした。クウェンチタンクからの液の抜き出しはバッチ
方式で行った。即ち、クウェンチタンクの液面が一定と
なるよう約5時間毎に液を抜き出し、クウェンチ液の液
質のチェックを行うとともに、クウェンチタンクのサイ
トグラスから内部の観察も行った。反応圧力Pはクウェ
ンチタンクの排ガス配管に調節弁を取り付けて0.5kg/cm
2Gに制御した。
反応成績は反応器とクウェンチタンクを結ぶ配管から
反応ガスの一部を取り出し、該反応ガスにガスクロマト
グラフィー及び吸収操作を施し、滴定法で分析した。な
お、装置と配管等の材質は全てステンレス製(SUS304)
である。
充填触媒量Wは1000〜2000g、全供給ガス量Fは100〜
150ml/sec(NTP換算)である。
接触時間は次式で定義される。
接触時間(sec・g/ml)=(W/F)×273/(273+T)
×(103+P)/1.03 但し、Wは触媒量、Fは供給ガス量、Tは反応温度、P
は反応圧力である。
なお、実施例及び比較例において反応成績を表すため
に用いた転化率及び収率は次式で表される。
転化率(%)=(反応したプロピレンのモル数)/
(供給したプロピレンのモル数)×100 アクリロニトリル収率(%)=(生成したアクリロニ
トリルのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)×
100 アクロレイン収率(%)=(生成したアクロレインの
モル数)/(供給したプロピレンのモル数)×100 アクリル酸収率(%)=(生成したアクリル酸のモル
数)/(供給したプロピレンのモル数)×100 酢酸収率(%)=(生成した酢酸のモル数×2/3)/
(供給したプロピレンのモル数)×100 未反応アンモニア率(%)=(滴定で求めたアンモニ
アのモル数+アクリル酸のモル数+酢酸のモル数)/
(供給したプロピレンのモル数)×100 なお、滴定による未反応アンモニアの測定は、反応器
出口ガスの所定量を1/10規定の硝酸水溶液に吸収し、ブ
ロモクレゾールグリーンを指示薬として用いて、1/10規
定の水酸化ナトリウム水溶液で黄色から青色に変色した
点を終点とする方法で行った。
反応器の運転に際しては、反応器出口ガス中の酸素濃
度を0.01〜0.20容量%にするためにプロピレンと空気の
モル比は、プロピレン/空気=1/8〜10の範囲から適宜
選択し調整した。
例1(本発明) 組成がMo11.7Bi0.20Ce0.40Fe2.0Ni5.6Mg2.20.07Cs
0.04で表される酸化物を、50重量%のシリカに担持した
触媒を次のようにして調製した。
30重量%のSiO2を含むシリカゾル3333.3gを採り、こ
れに、17.9重量%の硝酸755.6gに39.2gの硝酸ビスマス
〔Bi(NO3・5H2O〕、70.3gの硝酸セリウム〔Ce(NO
3・6H2O〕、326.9gの硝酸鉄〔Fe(NO3・9H
2O〕、658.8gの硝酸ニッケル〔Ni(NO3・6H2O〕、2
28.1gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO3・6H2O〕、2.86
gの硝酸カリウム〔KNO3〕及び3.15gの硝酸セシウム〔Cs
NO3〕を溶解させた溶液を加え、最後に水1671.4gに835.
7gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo7O24
4H2O〕を溶解させた水溶液を加えた。
ここで得られた原料調合液を並流式の噴霧乾燥機に送
り、約200℃で造粒乾燥させた。該調合液の噴霧化は乾
燥機上部に設置された皿型回転子を備えた噴霧化装置を
用いて行った。得られた造粒粉体は電気炉で400℃で1
時間の前焼成を行った後、590℃で2時間焼成して触媒
を得た。
得られた触媒1400gを用い、反応温度430℃、接触時間
6.0sec・g/mlで、かつ有機酸/未反応アンモニア比が1.
2となるようにアンモニア/プロピレン=1.02近傍でプ
ロピレンのアンモ酸化反応を行ったところ、反応開始か
ら1週間後の転化率は99.8%、アクリロニトリル収率は
79.8%、アクロレイン収率は1.3%、アクリル酸収率は
2.1%、酢酸収率は0.1%、未反応アンモニア率は1.9%
であり、有機酸/未反応アンモニアモル比は1.2であっ
た。抜き出したクウェンチ液は淡黄色であり、タール状
の粘ちょうな物質はなかった。なお、クウェンチタンク
のサイドグラスより浮遊物やタール状物質の存在は観察
されなかった。
この条件で更に2週間反応を継続したが、反応成績は
ほぼ同じ、クウェンチ液は淡黄色であり、タール状の粘
ちょうな物質はなかった。また、サイトグラスからの観
察によっても浮遊物やタール状物質の存在は認められな
かった。通算で3週間反応を継続したが、分析用の極細
配管、クウェンチタンクの配管も詰まらずに順調に運転
できた。反応停止後にクウェンチタンク内部を開放点検
したがタール状の粘ちょうな物質はなかった。
本実施例でクウェンチタンクから抜き出した液1リッ
トルを蒸発皿に採り、100℃の水浴で濃縮乾燥したとこ
ろ約160gの不揮発分が残った。更に、該不揮発分を800
℃の電気炉に入れて焼却したが、固形分残査はほとんど
なく、きれいに焼却できた。なお、硫酸を使用していな
いために焼却排ガス中に硫黄酸化物(SOx)はなかっ
た。
例2(本発明) 例1と同様にして、組成がMo11.7Bi0.45Ce0.90Fe1.8N
i5.0Mg2.00.09Rb0.05で表され、50重量%のシリカに
担持した触媒を610℃で焼成して調製した。
得られた触媒1400gを用いて、反応温度430℃、接触時
間6.7sec・g/mlで、かつ有機酸/未反応アンモニア比が
1.0となるようにアンモニア/プロピレン=1.03近傍で
プロピレンのアンモ酸化反応を行ったところ、反応開始
から1週間後の転化率は99.8%、アクリロニトリル収率
は80.9%、アクロレイン収率は1.2%、アクリル酸収率
は2.0%、酢酸収率は0.1%、未反応アンモニア率は2.1
%であり、有機酸/未反応アンモニア=1.0であった。
抜き出したクウェンチ液は淡黄色であり、タール状の粘
ちょうな物質はなかった。なお、クウェンチタンクのサ
イトグラスより浮遊物やタール状物質の存在は観察され
なかった。
この条件で更に2週間反応を継続したが、反応成績は
ほぼ同じ、クウェンチ液は淡黄色であり、タール状の粘
ちょうな物質はなかった。また、サイトグラスからの観
察によっても浮遊物やタール状物質の存在は認められな
かった。通算で3週間反応を継続したが、分析用の極細
配管、クウェンチタンクの配管も詰まらずに順調に運転
できた。反応停止後にクウェンチタンク内部を開放点検
したがタール状の粘ちょうな物質はなかった。
本実施例でクウェンチタンクから抜き出した液1リッ
トルを蒸発皿に採り、100℃の水浴で濃縮乾燥したとこ
ろ約150gの不揮発分が残った。更に、該不揮発分を800
℃の電気炉に入れて焼却したが、固形分残査はほとんど
なくきれいに焼却できた。なお、硫酸を使用していない
ために焼却排ガス中に硫黄酸化物(SOx)はなかった。
例3(本発明) 例1と同様にして、組成がMo11.8Bi0.60Ce1.20Fe1.6N
i4.8Mg1.90.11Rb0.05で表され、50重量%のシリカに
担持した触媒を590℃で焼成して調製した。
得られた触媒1400gを用いて、反応温度430℃、接触時
間6.2sec・g/mlで、かつ有機酸/未反応アンモニア比が
1.2となるようにアンモニア/プロピレン=1.02近傍で
プロピレンのアンモ酸化反応を行ったところ、反応開始
から1週間後の転化率は99.8%、アクリロニトリル収率
は80.4%、アクロレイン収率は1.2%、アクリル酸収率
は2.2%、酢酸収率は0.1%、未反応アンモニア率は2.0
%であり、有機酸/未反応アンモニア=1.2であった。
抜き出したクウェンチ液は淡黄色であり、タール状の粘
ちょうな物質はなかった。なお、クウェンチタンクのサ
イトグラスより浮遊物やタール状物質の存在は観察され
なかった。
この条件で更に2週間反応を継続したが、反応成績は
ほぼ同じ、クウェンチ液は淡黄色であり、クール状の粘
ちょうな物質はなかった。また、サイトグラスからの観
察によっても浮遊物やタール状物質の存在は認められな
かった。通算で3週間反応を継続したが、分析用の極細
配管、クェンチタンクの配管も詰まらずに順調に運転で
きた。反応停止後にクウェンチタンク内部を開放点検し
たがタール状の粘ちょうな物質はなかった。
本実施例でクウェンチタンクから抜き出した液1リッ
トルを蒸発皿に採り、100℃の水浴で濃縮乾燥したとこ
ろ約170gの不揮発分が残った。更に、該不揮発分を800
℃の電気炉に入れて焼却したが、固形分残査はほとんど
なくきれいに焼却できた。なお、硫酸を使用していない
ために焼却排ガス中に硫黄酸化物(SOx)はなかった。
例4(本発明) 例1と同様にして、組成がMo11.7Bi0.30Pr0.13Nd0.47
Fe2.0Ni5.4Mg2.10.09Rb0.05で表され、50重量%のシ
リカに担持した触媒を590℃で焼成して調製した。
得られた触媒1400gを用いて、反応温度430℃、接触時
間6.7sec・g/mlで、かつ有機酸/未反応アンモニア比が
1.1となるようにアンモニア/プロピレン=1.02近傍で
プロピレンのアンモ酸化反応を行ったところ、反応開始
から1週間後の転化率は99.8%、アクリロニトリル収率
は80.3%、アクロレイン収率は1.3%、アクリル酸収率
は2.1%、酢酸収率は0.1%、未反応アンモニア率は2.1
%であり、有機酸/未反応アンモニア=1.1であった。
抜き出したクェンチ液は淡黄色であり、タール状の粘ち
ょうな物質はなかった。なお、クウェンチタンクのサイ
トグラスより浮遊物やタール状物質の存在は観察されな
かった。
この条件で更に2週間反応を継続したが、反応成績は
ほぼ同じ、クウェンチ液は淡黄色であり、タール状の粘
ちょうな物質はなかった。また、サイトグラスからの観
察によっても浮遊物やタール状物質の存在は認められな
かった。通算で3週間反応を継続したが、分析用の極細
配管、クウェンチタンクの配管も詰まらずに順調に運転
できた。反応停止後にクウェンチタンク内部を開放点検
したがタール状の粘ちょうな物質はなかった。
本実施例でクウェンチタンクから抜き出した液1リッ
トルを蒸発皿に採り、100℃の水浴で濃縮乾燥したとこ
ろ約180gの不揮発分が残った。更に、該不揮発分を800
℃の電気炉に入れて焼却したが、固形分残査はほとんど
なくきれいに焼却できた。なお、硫酸を使用していない
ために焼却排ガス中に硫黄酸化物(SOx)はなかった。
例5(比較) 例1の触媒を用いて、有機酸/未反応アンモニア比が
3.3となるようにアンモニア/プロピレン=0.94近傍で
運転した以外は例1と同様の操作を行ったところ、反応
開始から3日間は転化率は99.8%、アクリロニトリル収
率は76.3%、アクロレイン収率は2.8%、アクリル酸収
率は2.5%、酢酸収率は0.1%、未反応アンモニア率は0.
8%であり、有機酸/未反応アンモニアモル比は3.3であ
った。抜き出したクウェンチ液は褐色であり、アクロレ
インおよびアクリル酸の重合物と思われる浮遊物とター
ル状の物質が存在した。また、分析用の配管(内径3m
m)がタール状の粘ちょうな物質で詰まる現象が起き
た。この条件での運転の継続は困難と判断して反応開始
から5日目に反応を停止した。
例6(比較) 例1の触媒を用いて、有機酸/未反応アンモニア比が
0.2となるようにアンモニア/プロピレン=1.10近傍で
運転した以外は例1と同様の操作を行ったところ、反応
開始から1週間の転化率は99.7%、アクリロニトリル収
率は83.0%、アクロレイン収率は0.3%、アクリル酸収
率は1.2%、酢酸収率は0.1%、未反応アンモニア率は6.
0%であり、有機酸/未反応アンモニアモル比は0.2であ
る。抜き出したクウェンチ液は黒褐色であり、青酸及び
アクリロニトリルの重合物と思われる黒色の浮遊物と沈
殿物が見られた。
この状態ではクウェンチタンクの運転継続が困難であ
り、硫酸等の酸の添加が必要であった。
例7(本発明) 例1の触媒1400gを用い、プロピレンのアンモ酸化反
応を、反応温度430℃、接触時間6.0sec・g/mlで、有機
酸/未反応アンモニア比が1.3となるようにアンモニア
/プロピレン=1.01近傍で4時間、有機酸/未反応アン
モニア比が0.8になるようにアンモニア/プロピレン=
1.05近傍で2時間、交互に3日間に亘って行った。この
運転期間に抜き出したクウェンチ液は黄色であったが、
タール状の粘ちょうな物質はなく、順調に運転できた。
また、反応停止後にクウェンチタンク内部を開放点検し
たが、タール状の粘ちょうな物質はなかった。
なお、反応成績は前者の反応条件では転化率99.8%、
アクリロニトリル収率は79.4%、アクロレイン収率は1.
5%、アクリル酸収率2.2%、酢酸収率は0.1%、未反応
アンモニア率は1.8%であり、有機酸/未反応アンモニ
ア比は1.3であるのに対して、後者の反応条件では転化
率99.8%、アクリロニトリル収率は81.2%、アクロレイ
ン収率は0.9%、アクリル酸収率は1.8%、酢酸収率は0.
1%、未反応アンモニア率は2.4%であり、有機酸/未反
応アンモニア比は0.8であり、この運転における有機酸
/未反応アンモニア比の6時間当たりの時間平均値は1.
1であった。
本実施例でクウェンチタンクから抜き出した液1リッ
トルを蒸発皿に採り、100℃の水浴で濃縮乾燥したとこ
ろ約220gの不揮発分が残った。さらに、該不揮発分を80
0℃の電気炉に入れて焼却したが、固形分残査はほとん
どなくきれいに焼却できた。なお、硫酸を使用していな
いために焼却排ガス中に硫黄酸化物(SOx)はなかっ
た。
産業上の利用可能性 本発明により、複雑な装置、操作を必要とせずに、未
反応アンモニアを有機酸アンモニウムとして簡易に固定
することにより不飽和ニトリルを容易に製造することが
できるばかりでなく、タール状の粘ちょうな物質の生成
が少ないので硫酸を使用していないにもかかわらず急冷
塔を安定に運転できることが可能となり、また、硫安が
生成しないので廃水を焼却する時にSOxの発生を伴わ
ず、従って環境に優しく、更に、熱回収も容易で廃水処
理系の合理化が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−25528(JP,A) 特開 昭48−34824(JP,A) 特開 昭48−61425(JP,A) 特開 昭49−93316(JP,A) 特開 昭48−72122(JP,A) 特公 昭45−33538(JP,B1) 特公 昭47−32968(JP,B1) 特公 昭49−36690(JP,B1) 米国特許4162234(US,A) 米国特許3649179(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 255/08 C07C 253/24 C07C 253/34

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機化合物のアンモ酸化反応により不飽和
    ニトリルを製造する方法であって、反応器においてアン
    モ酸化反応生成ガス(以下生成ガスという)中に副生物
    として存在する有機酸の未反応アンモニアに対するモル
    比(以下有機酸/未反応アンモニア比という)を0.8〜
    3.0に、且つ、この有機酸/未反応アンモニア比の時間
    平均値を1.0以上に制御しながらアンモ酸化反応を行
    い、該生成ガスを急冷塔に導入し、そこで未反応アンモ
    ニアを反応器で生成する該有機酸と反応させて有機酸の
    アンモニア塩として固定することからなる上記方法。
  2. 【請求項2】該有機化合物がプロピレン、イソブテン及
    び3級ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも1
    つであり、該不飽和ニトリルが該有機化合物に反応し
    て、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルで
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】該有機化合物がプロピレンであり、該不飽
    和ニトリルがアクリロニトリルである請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】該有機化合物がイソブテン及び/又は3級
    ブタノールであり、該不飽和ニトリルがはメタクリロニ
    トリルである請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】該有機酸/未反応アンモニア比を0.9〜2.0
    に制御してアンモ酸化反応を行う請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】該有機酸/未反応アンモニア比を1.0〜1.5
    に制御してアンモ酸化反応を行う請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】30〜70重量%のシリカに担持されたモリブ
    デン、ビスマス及び鉄を含む酸化物触媒70〜30重量%を
    用い、流動層においてアンモ酸化反応を行う請求項2記
    載の方法。
  8. 【請求項8】該酸化物触媒が一般式: MoyBipFeqAaBbCcDdOf (式中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Aは
    ニッケルまたはコバルトからなる群より選ばれる少なく
    とも1種の元素、Bはカリウム、ルビジウム及びセシウ
    ムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、Cは
    マグネシウム及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくと
    も1種の元素、Dは希土類元素から選ばれる少なくとも
    1種の元素、及びOは酸素であり、そしてy、p、q、
    a、b、c、dおよびfはそれぞれモリブデン、ビスマ
    ス、鉄、A、B、C、Dおよび酸素の原子比を表し、d/
    (p+d)=0.6〜0.8、p+d=0.5〜2.0、q=0.1〜
    3、a=4〜10、b=0.01〜2、c=0〜3、fは存在
    する他の元素の原子価要求を満足させるために必要な酸
    素の原子数である。)によって示され、そしてx=1.5p
    +q+a+c+1.5dによって定義されるxを用いると、
    該酸化物触媒のモリブデンの原子比が、y=1.02x〜1.1
    0xの範囲にある、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】有機酸のアンモニウム塩を含む急冷塔抜き
    出し液を焼却することをさらに含む請求項2記載の方
    法。
  10. 【請求項10】急冷塔抜き出し液の焼却において、熱交
    換により蒸気を回収する請求項9記載の方法。
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