JP3269276B2 - 移動体識別装置の通信方法 - Google Patents

移動体識別装置の通信方法

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JP3269276B2
JP3269276B2 JP23060794A JP23060794A JP3269276B2 JP 3269276 B2 JP3269276 B2 JP 3269276B2 JP 23060794 A JP23060794 A JP 23060794A JP 23060794 A JP23060794 A JP 23060794A JP 3269276 B2 JP3269276 B2 JP 3269276B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体を識別してデー
タ通信等の処理を行う移動体識別装置の通信方法に関
し、特に、複数の移動体を対象とする移動体識別装置の
通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移動体識別装置として、マイクロ
波を用いて信号を送信して移動体を確認し、必要なデー
タを送受信する送受信器と、移動体に取り付けられ、送
受信器による信号(搬送波)を受信して、所定のデータ
を送り返す応答器(IDタグ、または識別手段であっ
て、移動体に固有な識別データを与えるため副搬送波で
変調させる)、および送受信器側に接続されてシステム
全体を制御する制御器とから成るものがある。そしてい
わゆるRF-ID(Radio Frequency ID)技術が用いられ、広
い通信エリアを確保するために、複数のパッチアンテナ
(マイクロ波工学ではマイクロストリップアンテナとも
呼ばれる)を用いて、互いのアンテナの通信エリアが重
複するように隣接させて設置する手法が取られている。
【0003】例えばこの場合、互いのアンテナの干渉に
よるデッドゾーン(通信できないエリア)の発生を防ぐ
ために、各アンテナに対して時分割駆動をさせて、各ア
ンテナから的確な識別結果を得る手法が特開平2-93390
号公報に示されている。またその他、例えば図11に示
すように、周波数がf1=2.437GHz、f2=2.450GHz、f3=
2.463GHzのアンテナA1,A2,A3を、通信エリアが重複する
ように隣接して設置し、時分割で駆動した場合に、ID
タグが通信エリアのどの位置にあっても通信が可能であ
り、広い範囲でのIDタグの存在を的確に識別すること
ができ、限定された位置でしか通信できないという欠点
を解消する通信方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、複数のアンテナの通信エリア内に存在するこ
とは判っても、どのアンテナの領域に存在するか、ある
いは、どのアンテナに最も近いかといった位置検出はで
きない、という問題がある。
【0005】本発明の目的は、上記の課題を解決すべ
く、隣接して設置したアンテナの通信エリアを意図的に
限定する構成とし、隣り合ったアンテナの双方と通信す
ることを避け、一つのアンテナのみと通信させて位置検
出をさせる通信手法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の構成は、複数個のアンテナを近接配置して搬
送波を放射させ、識別データに基づいて変調されて反射
してくる、移動体側に設けられた識別手段からの受信波
で該移動体の存在を検出する移動体識別装置において、
前記各アンテナに割り当てられる前記搬送波の周波数間
隔と、前記受信波の復調後のベースバンド信号を抽出す
るバンドパスフィルタの減衰特性との関係において、前
記バンドパスフィルタの減衰特性は、隣接する前記搬送
波のうち最も接近した周波数の搬送波のビート信号を所
定量だけ減衰させて透過させるように設定し、前記各ア
ンテナの通信エリアが重ならないようにして、前記移動
体の位置を検出することである。
【0007】また関連発明の構成は、その複数個のアン
テナを一つのブロックとし、該ブロックを複数並べて各
ブロックを時分割駆動させることを特徴とする。本発明
はまた、前記ブロックの各アンテナの配列が、多数敷き
つめた正方形の格子点もしくは多数敷きつめた正三角形
の頂点に位置することを特徴とする。本発明はさらに、
前記識別手段を複数用い、それぞれの識別手段が異なる
識別コードを有し、それぞれの識別手段の取り付け向き
をお互いに異なる向きにすることである。
【0008】
【作用】各送受信器のアンテナから単独で搬送波が放射
されるとすると、各アンテナの通信エリアが重なるよう
なアンテナ配置であって、かつ周波数間隔が狭くされて
各アンテナから同時に放射される搬送波は、ある電波強
度で放射される。もし、IDタグがいずれかのあるアン
テナの下を通過すると、そのIDタグは放射された搬送
波を受信して、IDタグ内部で変調し、そのIDタグの
識別コードを折り込むなどして搬送波を反射させる。そ
の反射電波強度は当然ながら受けた搬送波よりも低下
し、受信側のアンテナに対しては十分弱い電波信号とな
る。すると、そのアンテナの隣に位置するアンテナから
の搬送波がある程度の放射強度を持つことから、干渉は
起こさないものの、先のアンテナに対して回り込んでき
てノイズ成分となる。そのノイズレベルがIDタグから
の信号と同程度になるような、アンテナと隣のアンテナ
との中間位置に移動体が存在すると、もはや信号として
どちらのアンテナも検知できず、従って通信エリアが単
独で搬送波を放射する場合よりも狭く形成されることに
なる。
【0009】狭められた通信エリアはお互いが重ならな
いが、移動体が隠れてしまう程の隙間は作られず、移動
体が同時に二つのアンテナで検知されない程度に分離さ
れている。そのため移動体がどちらにも検知されない検
知不能位置が各アンテナの周囲に存在するが、移動体と
いう性格のために、検知不能位置にとどまり続けること
はほとんどなく、移動体はいずれかのアンテナに検知さ
れる。
【0010】またこのようなアンテナ配置は、有限の搬
送波周波数によって有限個のアンテナに制限されるた
め、複数のアンテナを一まとめのブロックとし、このブ
ロックを複数配列させて、それぞれのブロックを順番に
駆動させると、広い領域をカバーして移動体の位置検出
をおこなうことができる。またさらに移動体側に二つの
IDタグを設けると、二つの信号を検出し、二つのID
タグによる位置検出が確認される。二つのIDタグの取
り付け方向が異なることから、たとえ一つのIDタグの
位置方向が偶然に感度の悪い方向となって検知できない
場合でも、他のIDタグによって移動体の位置が検知さ
れる。
【0011】
【発明の効果】各アンテナの通信エリアが狭くなって重
なり合わないようになっているため、移動体は必ず、各
アンテナのうち最も近いアンテナと通信することにな
り、どのアンテナが検出したか、が検知され、アンテナ
の位置は予め決めてあることから、移動体の位置が検知
できる。またアンテナのマトリクス等の配置およびそれ
をブロックとしてさらに多数配列させて時分割で駆動す
ることによって、広い範囲に渡って移動体の位置検出を
することができる。移動体にIDタグを複数設けると、
一つのIDタグの検出が送受信の指向性の問題でフェイ
ルとなっても、他のIDタグにより検知され、検出ミス
を起こさない。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は、本発明の構成を示すアンテナ配置を模
式的に示したもので、従来の配置(図11)と同等であ
る。検知対象の移動体が、アンテナの配列された下部エ
リアに入り込むとき、その移動体がどのアンテナの下に
あるかを検知しようとするシステムである。アンテナA
4,A5,A6には、図示しない送受信器30がそれぞれ接続
されていてマイクロ波が、やはり図示しない制御装置に
よって供給される。放射されたマイクロ波は移動体にあ
るIDタグの応答器40に信号として伝わる。そして応
答器40から搬送波が反射されてくる際に、必要なデー
タが折り込まれて来るので、それをアンテナA4,A5,A6の
いずれかで受けて、どのアンテナから受けたものかを制
御装置で判定する。
【0013】アンテナA4,A5,A6に供給されるマイクロ波
は、周波数がf4=2.447GHz、f5=2.450GHz、f6=2.453G
Hzとしてあり、お互いに3MHz ずつずらした周波数とし
てある。ここで、各アンテナから同時に電波を発射させ
た場合、通信エリアは図1の6、7、8、のような領域
となり、お互いに重なり合うことがない。しかし、もし
それぞれのアンテナから単独で電波を発射した場合は、
図1の破線のエリア9、10、11のように従来どおり
となり、同時に発射した場合よりも通信エリアは広がっ
て、通信エリアとしては、隣り合ったアンテナ同志で重
なり合う。
【0014】このように同時に電波を発射する場合に、
お互いの通信エリアが重なり合わなくなる理由は、次の
ように説明される。まず、各アンテナから同時に放射さ
れる搬送波は、周波数間隔が狭くされて、ある程度の電
波強度で放射される。もし、IDタグを一つ持つ移動体
がアンテナA4の下を通過すると、そのIDタグはアンテ
ナA4の搬送波(2.447GHz)を受信して、IDタグに設け
られた応答器の内部で、識別コードの「0」「1」に対
応した二つの周波数の副搬送波を用いてその搬送波を変
調し、そのIDタグの識別コードを情報として折り込ん
で再放射(反射)させる。その電波強度は当然ながら受
けた搬送波よりも低下し、アンテナA4に対して十分弱い
電波信号となる。すると、アンテナA4の隣に位置するア
ンテナA5からの搬送波(2.450GHz)が、干渉は起こさな
いものの、やはりある程度の放射強度を持つことから、
回り込んできてアンテナA4に対してノイズ成分となる。
そのノイズレベルがIDタグからの信号と同程度になる
ような、問題としているアンテナA4と隣のアンテナA5と
の中間位置に移動体が存在すると、もはや信号としてア
ンテナA4は検知できず、従って通信エリアではなくな
り、結果として通信エリアは、単独で搬送波を放射する
場合よりも狭く形成される。
【0015】各アンテナA4,A5,A6にはマイクロ波が送受
信器から供給されて、搬送波として放射される。マイク
ロ波の技術は、既に周知であるので、ここではマイクロ
波を供給する回路について簡単に説明する。図2はマイ
クロ波を供給する回路をもつ送受信器30で、アンテナ
31には、搬送波を作る搬送波発振回路32からの搬送
波が、所定の情報データを乗せる変調器33と送信波・
受信波を分離するサーキュレータ34を介して接続され
ている。またアンテナ31は同時にサーキュレータ34
を介して、受信波から信号を取り出す復調器35に接続
され、その出力が信号処理部36に接続される。信号処
理部36は、CPU37によって外部インターフェース
38より制御装置(図示しない)から送られた制御信号
や所定のデータを変調させて変調器33に送り出した
り、復調器35から受けた信号を処理して外部インター
フェース38からデータを送りだす。
【0016】本発明のこの実施例では、特に搬送波にデ
ータを乗せて送信する必然性はないので、通常は無変調
のまま常時、搬送波を送出するだけでよい。常時、電波
を放射するのはエネルギー的にロスが多い場合もあるの
で、間欠的に搬送波を送出するようにしてもよい。ただ
しその場合でも、各アンテナには同時に電波を放射する
ことは必要である。
【0017】移動体に取り付けられるIDタグは、基本
的には小型の送受信機をなす応答器40であり、図3に
示すような回路ブロック図で構成されている。IDタグ
は軽量であることが好ましく、理想的にはICカードの
ような外観が望ましい。図3に示す応答器40は、内部
情報処理を行うICチップ41、駆動用電源(電池)4
2、送受信アンテナ43から成る。ここで示す応答器4
0は、自らでは搬送波を形成しない、いわゆるパッシブ
方式と呼ばれる構成としてあり、受けた搬送波を変調さ
せるために200KHzの副搬送波を乗せている方式である。
もちろんアクティブ方式でも本発明が適用できる。
【0018】ここで、送信側のアンテナ(図1のA4な
ど、図2の31)からの搬送波がアンテナ43で検出さ
れると、ICチップ41内部に設けられたレベル比較器
49が所定の基準電圧と比較して、電池42をCPU5
1に供給する。それでCPU51は、ICチップ41内
のRAM55に格納されたプログラムに従って、やはり
RAM55内に格納されたIDタグの識別データを変調
器45に送出する。変調器45はCPU51から出力さ
れる信号によりダイオードの導通・非導通を変えられて
インピーダンスが変化され、受信した搬送波を変調し反
射させる。その変調は副搬送波として中心周波数を200K
Hzとし、搬送波の周波数間隔が3MHz 程度であるので、
それを考慮してその1/10以下の周波数としてある。
【0019】どのような信号処理でもノイズ成分の影響
は避けられないので、ここでも目的とする副搬送波周波
数を中心として検知するため、受信波を復調してベース
バンド信号を得た後に、バンドパスフィルタ(以下BP
フィルタと記す)を用いて副搬送波の成分を検出してい
る。理想的なBPフィルタであると、図4(b) に示すよ
うに、副搬送波の近くに発生するアンテナ間周波数間隔
(3MHz)によるビート信号がほぼ完全に遮断されて、目
的とする副搬送波信号を検出することができ、IDタグ
の検知ができる。しかし同じ位置で図4(a) のようなB
Pフィルタ特性が緩やかな広がりをもつ(すなわち安価
なBPフィルタ構成)と、前記のビート信号(3MHz)が
カットできず、ノイズ成分が増えていわゆるS/N 比が低
下する(従来ではこれを避けるために、周波数間隔を1
0MHz 程度にとっていた)。従ってその位置ではもはや
検知ができないとなると、結果的に通信エリアが狭めら
れたことになる。つまり、あえて鋭くないBPフィルタ
を用いることで通信エリアを狭くでき、各アンテナの単
独放射では重なり合う程の通信エリアを、それぞれ独立
させることができる。
【0020】つまり、そのBPフィルタの程度をあえて
緩やかなままにすると、隣り合った搬送波の差の成分が
ノイズとして入り込み、反射してきた受信波が弱くなっ
て、IDタグの識別として認められないことが生じる。
従って、このBPフィルタの特性、つまり、このBPフ
ィルタの広がり方と、この実施例の場合は副搬送波の周
波数値、およびアンテナ間の周波数間隔(もしくはビー
ト信号)の設置関係で、通信エリアの広がり方がきま
り、隣り合ったアンテナとの間に生じる検知不能領域の
広がり程度を決める。このため、用いる搬送波の周波数
や周波数間隔、および副搬送波を用いる場合はその周波
数、およびBPフィルタの特性を適当に選択すること
で、目的にあった独立した通信エリアを形成し、スポッ
ト通信を実現する。
【0021】副搬送波を特に用いない場合でも、BPフ
ィルタの周波数特性とビート信号との位置関係で通信エ
リアが決定される。つまり、そのフィルタ特性がビート
信号をどの程度除去するかによってIDタグの信号レベ
ルがきまり、通信可能か不能かを決め、通信エリアを決
定する。
【0022】なお、隣り合うアンテナ同志の間に検知で
きない領域が存在することになるが、その検知できない
領域の広がり程度は、移動体のIDタグの大きさと、変
調された応答器の電波信号強度とによって変わり、上記
の組み合わせを適宜調節することによって、必要とする
位置検出を実現するよう構成すればよい。
【0023】通信エリアが狭められることは、従来構成
において検知感度を低下させたことに等価となるが、従
来方式をただ単に感度を低下させると検出の到達距離ま
でもが低下してしまうため好ましくない。しかるに本発
明によれば、お互いのアンテナの間隔は従来どおりで、
なおかつ、お互いの通信エリアが重ならないようにでき
るため、検知距離は変わらず、いわゆる最も近いアンテ
ナのみが通信するスポット通信が実現する。
【0024】(第二実施例)通信エリアを形成するアン
テナの数は、周波数間隔を小さくしても、用いることの
できる周波数帯域が限定されるため、無制限に増大させ
ることは不可能である。そこで、面積的に広い領域にわ
たって移動体の位置を検出したい場合は、アンテナをマ
トリクスに配置し、さらに広い範囲をカバーする場合
は、図5に示すように、マトリクス配置したアンテナ群
を一つのブロックとして、ブロックを多数並べた構成と
する。
【0025】図5に示したAブロックの場合、次のよう
な周波数を割り当てる。
【数 1】f11 = 2.438 GHz , f21 = 2.441 GHz , f3
1 = 2.444 GHz , f41 = 2.447 GHz , f51 = 2.450 GHz
, f61 = 2.453 GHz , f71 = 2.456 GHz , f81 = 2.4
59 GHz , f91 = 2.462 GHz Bブロックは、Aブロックと全く同じ周波数でもよい
し、僅かに異なる周波数でもよい。C、Dブロックにつ
いても同様とする。
【0026】アンテナがマトリクス配置の場合、やはり
隣り合ったアンテナとの間で通信エリアが狭められて、
お互いが重なり合うことはない。図5に示すマトリクス
配置では、f11とf21との周波数差が3MHz であるのに
対し、f11とf41との周波数差は9MHz になっていて、
その差が従来の周波数差と変わりない程度であることか
ら、一見、このf11とf41との間では通信エリアが重な
り合うように感じられるが、f11にとってはそのような
方向性は無関係に、いずれかの方向に周波数差が3MHz
の電波源があると、それがノイズ源となって検出の範囲
が狭く成ってしまうために、通信エリアとしては方向に
無関係で狭くなる。従って、何れのアンテナにおいて
も、直ぐ隣接するいずれかのアンテナとの周波数差が僅
差(ここでは3MHz )であれば、周囲のどのアンテナと
も通信エリアが重ならないようになる。
【0027】ここでは9個のアンテナを3×3個に配列
して一つのマトリクスを形成している。一つのアンテナ
は、図6に模式的に示すように、90cm×90cmの支持パネ
ルの中央に20cm×20cmのアンテナ(平面導体アンテナ)
を設けてある。この90cm×90cmに収まる範囲が、ちょう
どこのアンテナの通信エリアの広がりに相当する。従っ
て、この構成では、検出精度がほぼ90cm×90cmのスポッ
トということになる。ただし、四つ角にあたる領域はア
ンテナから最も離れることになり、アンテナとアンテナ
との中間部より広いエリアで検知不能領域となる。な
お、アンテナのマトリクス配置は正方である必要はな
く、アンテナ配置は対象とする場所に合わせればよく、
自由であることはいうまでもない(第四実施例参照)。
【0028】このアンテナ群を時分割駆動で順次、各ブ
ロックを駆動する。こうして、一つのブロックでは、周
波数差の小さい、異なる周波数を割り当てたアンテナ群
が同時に電波を発射して、移動体の位置検出を行い、異
なるブロックにおいては、時分割で駆動して、そのブロ
ック内の位置検出を実施する。例えば、各ブロックを図
7に示すように50msecの時分割で駆動すれば、ブロック
の総数にもよるが、4つのブロックでは1/5秒で全区
域を検査でき、従って広範囲なエリアを90cm角の精度で
位置を検出できる。
【0029】(第三実施例)第二実施例のマトリクス配
置のように、4つのアンテナの中央位置は、二つのアン
テナの中間位置よりも、やや検知しにくい領域となる。
移動体がマトリクスのちょうどアンテナとアンテナとの
境目をたどるような場合もあり得るので、やはり検出不
能となる場合が生じる恐れがある。そこで、図8に示す
ように、マトリクスの格子点にあたる部分にさらに第二
群目のアンテナ群g11〜g41をおき、先の第一群のアン
テナ群の駆動と第二群のアンテナ群の駆動とを交互に行
って、検出位置をカバーする構成とすれば、漏れなく対
象範囲内の移動体を位置検出することができる。
【0030】(第四実施例)上記の矩形のマトリクス配
置に限らず、図9に示すような、アンテナ配置を正三角
形の頂点に位置するような配列であっても効果は同様で
あり、かつ、このような配列では、平面的な通信エリア
の分割が六角形となって、第二実施例のような直線的な
検知不能領域を形成せず、移動体の検出性を高める効果
がある。
【0031】(第五実施例)天井にアンテナを配置さ
せ、検出対象の移動体として、室内でヘルメットを着用
する人を検出しようとする場合に、人の頭部は作業によ
って上下左右に動くことから、ヘルメットにIDタグを
取り付ける場合、必ずしも適切な電波送受信状態となら
ないことが考えられる。そのような不具合を避けるため
に、ヘルメットにIDタグを複数、向きを変えて設置す
ると、送受信の不安定さがカバーされ、ヘルメットの位
置検出が確実となる。
【0032】その一例を示すのが、図10のヘルメット
15の模式的断面図で、二つのIDタグとIDタグ
とが、首がよく動く方向であるヘルメット15の前後方
向の前部と天頂に近い後部とに角度を変えて取り付けら
れている。通信に利用している電波はマイクロ波である
ため、IDタグに設けられたアンテナは短い長さであっ
て、ヘルメット15には内部にIDタグを取り付けるこ
とができる。しかし、通常の送受信機のごとく、アンテ
ナには指向性があるので、ヘルメットのように人の頭に
かぶって作業に利用されるような状況では、IDタグの
位置は一定せず、従って指向性も常に変化してしまう。
そこで、どのようなヘルメット15の位置でもIDタグ
またはIDタグのいずれかが検出側のアンテナに対
して検知され得るような、つまり異なる指向性を維持す
るような、上記のごとくお互いを異なった向きに配置す
ることで指向性の死角をなくすことができる。
【0033】なお、この二つのIDタグとは、識別
コードが異なっていた方が運営上は都合がよい。また、
IDタグと検出側との通信特性として同じ程度の構成で
もよいが、異なる通信距離のものを組み合わせた方が、
検出精度が向上することもある。
【0034】(第六実施例)また第一実施例の構成と共
に、図11で示した従来構成の、通信エリアが重なりあ
った構成で、検知不能位置を無くした通信方法をも同時
に適用できる構成としておけば、如何なる位置に移動体
が存在しても検知することができ、さらに本発明によっ
て位置を検出することができる。即ち図1と図11とで
示される電波放射を交互に行うことで検知不能位置が解
消される。そのために、アンテナから発射する周波数を
切り換える装置を設ける。
【0035】以上のように本発明の方法で、移動体の位
置検出が広い範囲に渡って容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成による通信方式の通信エリアを示
す説明図。
【図2】送受信器の模式的な回路ブロック構成図。
【図3】応答器(IDタグ)の模式的な回路ブロック構
成図。
【図4】バンドパスフィルタの特性図。
【図5】第二実施例の模式的な構成図。
【図6】図5のアンテナの模式的な構成図。
【図7】図5の駆動順を示す説明図。
【図8】第三実施例のアンテナの模式的な構成図。
【図9】第四実施例のアンテナの模式的な構成図。
【図10】第五実施例の検出対象の移動体であるヘルメ
ットの模式的断面図。
【図11】従来の通信エリアを示す模式的説明図。
【符号の説明】
1 アンテナA1の通信エリア(従来構成の周波数間隔
が大の場合) 2 アンテナA2の通信エリア(従来構成の周波数間隔
が大の場合) 3 アンテナA3の通信エリア(従来構成の周波数間隔
が大の場合) 5 アンテナA1とアンテナA2との重なり合った通信
エリア 6 アンテナA2とアンテナA3との重なり合った通信
エリア 7 アンテナA4の通信エリア(本発明の周波数間隔が
小の場合) 8 アンテナA5の通信エリア(本発明の周波数間隔が
小の場合) 9 アンテナA6の通信エリア(本発明の周波数間隔が
小の場合) 10 アンテナA4単独の場合の通信エリア 11 アンテナA5単独の場合の通信エリア 12 アンテナA6単独の場合の通信エリア 13 ヘルメット 30 マイクロ波を供給する回路をもつ送受信器 40 IDタグに取り付けられる送受信器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個のアンテナを近接配置して搬送波を
    放射させ、識別データに基づいて変調されて反射してく
    る、移動体側に設けられた識別手段からの受信波で該移
    動体の存在を検出する移動体識別装置において、 前記各アンテナに割り当てられる前記搬送波の周波数間
    隔と、前記受信波の復調後のベースバンド信号を抽出す
    るバンドパスフィルタの減衰特性との関係において、前
    記バンドパスフィルタの減衰特性は、隣接する前記搬送
    波のうち最も接近した周波数の搬送波のビート信号を所
    定量だけ減衰させて透過させるように設定し、 前記各アンテナの通信エリアが重ならないようにして、
    前記移動体の位置を検出することを特徴とする移動体識
    別装置の通信方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の複数個のアンテナを一つの
    ブロックとし、該ブロックを複数並べて各ブロックを時
    分割駆動させることを特徴とする移動体識別装置の通信
    方法。
  3. 【請求項3】前記ブロックの各アンテナの配列が、多数
    敷きつめた正方形の格子点もしくは多数敷きつめた正三
    角形の頂点に位置することを特徴とする請求項2に記載
    の移動体識別装置の通信方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の識別手段を複数用い、それ
    ぞれの識別手段が異なる識別コードを有し、それぞれの
    識別手段の取り付け向きをお互いに異なる向きにするこ
    とを特徴とする請求項1乃至3に記載の移動体識別装置
    の通信方法。
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