JP3269233B2 - グリシジルトシレートポリマーとその製造法 - Google Patents

グリシジルトシレートポリマーとその製造法

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glycidyl tosylate
iii
polymer
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誠司 中村
保美 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラセミ又は光学活性グリ
シジルトシレートの重合によって製造される新規なグリ
シジルトシレートポリマー及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】グリシジルトシレートのエポ
キシ基を開環重合させて得られるグリシジルトシレート
ポリマーは、脱離基として良好なトシル基を側鎖に有し
ていることから高分子反応によって側鎖を種々の置換基
によって置換することが容易であり、各種のポリエーテ
ルポリマーの合成中間体として有用性がある。また該グ
リシジルトシレートポリマーが光学活性体の場合は、不
斉識別能を有し光学分割材料としての有用性が期待され
る。
【0003】しかしながら、このようなグリシジルトシ
レートポリマーの製法はこれまで知られていない。これ
はそのモノマーが高い化学反応性のトシル基を有するの
で、適切な重合触媒系が見出されていなかった為と考え
られる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、ラセミ又は光学活性トシレートを特定の重合触媒
を用いることにより重合し、これらの新規ポリマーを製
造することに成功した。なお本発明ポリマーの原料とな
るグリシジルトシレートはアリルアルコールを酸化して
グリシドールとし、p−トルエンスルホニル化する方
法、またはモノクロルヒドリンをエポキシ化してグリシ
ドールとし、p−トルエンスルホニル化する方法等によ
って製造することができる。すなわち本発明は、主鎖構
造が下記(I)式で表され、数平均分子量が3,000
〜1,000,000であるグリシジルトシレートポリ
マーとその製法である。数平均分子量は好ましくは3,
000〜30,000程度、さらに好ましくは3,00
0〜150,000程度である。
【0005】
【化3】
【0006】上記グリシジルトシレートポリマーはラセ
ミ体及びメチン炭素の不斉に基づく光学活性体を含み下
記(II)式
【0007】
【化4】
【0008】で表されるラセミ又は光学活性グリシジル
トシレートを重合する際に下記一般式(III) 又は(IV)
から選ばれる有機錫化合物と燐酸アルキルエステルとの
熱縮合生成物を触媒として使用することを特徴とする。
【0009】 Ra SnX4-a (III) (但し、(III) 式において、Rは置換基を有していても
よい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シク
ロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれ
る基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アシルオキシ基及び燐酸の部分エステル残基より
選ばれる原子又は基であり、aは1〜4を示す整数であ
る。aが2以上のときRは同一でも異なっていてもよ
く、またaが1又は2のときXは同一でも異なっていて
もよい。)
【0010】 Rb SnOc (IV) (但し、(IV)式において、Rは(III) 式におけるRと
同じである。bは1又は2であり、bが1のときCは3
/2であり、bが2のときCは1である。)
【0011】上記の触媒自体は本出願人の出願に係る米
国特許第3,773,694号により公知であるが、化
学反応性の高いトシル基を有するモノマーの重合触媒と
しての有用性については開示されていない。
【0012】本発明に使用される触媒成分である(III)
又は(IV)式の有機錫化合物(A)の具体的な例として
は以下のものをあげることができる。一般式(III) に属
する化合物としては(C2 5 4 Sn、(C6 5
4 Sn、(CH3 3 SnF、(C4 93 SnC
l、(CH3 3 SnBr、(C8 173 SnCl、
(CH3 2SnF2 、(C4 9 2 SnCl2
(C12232 SnBr2 、(cyclo−C6 11
2 SnI2 、(C4 9 )SnF3 、(C8 17)Sn
Cl3 、(C4 9 3 SnOC4 9 、(C8 17
3 SnOCOCH3 、(C8 172 Sn(OCOC17
352
【0013】
【化5】
【0014】一般式(IV)に属する化合物としては(C
3 2 SnO、(C4 9 2 SnO、(C8 17
2 SnO、(C65 2 SnO、CH3 SnO3/2
4 9 SnO3/2等である。
【0015】本発明の触媒を構成する他の成分である燐
酸アルキルエステル(B)としては下記一般式(V)で
表される正燐酸の完全もしくは部分エステルが特に好ま
しく用いられる。 (RO)3 P=O (V) (但し(V)式においてRは水素もしくは炭素数2以上
のアルキル基、アルケニル基、又はシクロアルキル基で
あり、少なくともRのうち一個は水素原子以外の基であ
る。)
【0016】上記(V)式の具体的例としては、(C2
5 3 PO4 、(C3 7 3 PO4 、(C4 9
3 PO4 、(C 8 173 PO4 、(CH2 =CH−C
2 3 PO4 、(C6 113 PO4、(ClC3
5 3 PO4 、(C2 5 2 HPO4 、(C4 9
2 HPO 4 、(C4 9 )H2 PO4 等が挙げられる。
【0017】本発明の触媒は上記(A)成分と(B)成
分を通常含まれている錫原子と燐原子との比で1:10
〜10:1の範囲になるように調節し、100〜300
℃で(A)成分と(B)成分あるいは(A)成分と
(B)成分を形成し得る成分化合物の組み合わせとを混
合加熱する事によって縮合生成物として生成される。溶
媒は必要があれば使用してもよい。
【0018】上記触媒生成反応において、(A)成分及
び(B)成分の種類に従って種々の比較的簡単な物質が
縮合反応で生成脱離する。得られた縮合物は縮合度の種
々の段階で目的とする活性を示す。最適の縮合度は、
(A)成分と(B)成分の種類と比率によって異なる
が、それらは実験的に定めることができる。縮合物は、
一般的に初期においてヘキサン、ベンゼン等の溶媒に可
溶であるが、縮合反応の進行によって不溶化する。
【0019】上記可溶性又は不溶性の縮合物を触媒とし
て用いることによりラセミ又は光学活性グリシジルトシ
レートの重合反応を行うことができる。重合反応は溶媒
の存在下において、通常0〜100℃の温度範囲で上記
触媒物質とラセミ又は光学活性グリシジルトシレートを
接触させることにより行うことができる。溶媒としては
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン等の炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン等の
ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類及びそれらから選ばれる2種以
上の混合溶媒等が挙げられる。
【0020】触媒の使用量はモノマー100gに対して
0.01〜7.00gの範囲が適当である。重合反応系
中の水分は可能な限り低くすることが望ましい。また反
応は、通常静置、攪拌又は振とう等の条件下で行われ
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 触媒の製造例1 ジブチル錫オキシド12.5g、トリブチルホスフェー
ト26.6gを攪拌機、温度計及び蒸留塔を備えたフラ
スコ内に入れ、窒素気流下攪拌しながら250℃で20
分間加熱後、冷却して固体状の縮合生成物(1)を得
た。
【0022】触媒の製造例2 トリブチル錫クロライド16.2g、トリブチルホスフ
ェート26.6gを攪拌機、温度計及び蒸留塔を備えた
フラスコ内に入れ、窒素気流下攪拌しながら250℃で
20分間加熱後、冷却して固体状の縮合生成物(2)を
得た。
【0023】実施例1 内容量20mlのガラス製アンプル内へ、上記縮合生成
物(2)0.0933gを仕込み、減圧下150℃で1
時間焼成後冷却、別途にモレキュラーシーブ4Aで乾燥
した30wt%ラセミグリシジルトシレート/ベンゼン
溶液20mlを入れ溶封した。60℃で3日間反応後開
封し、内容物をメタノール200mlに入れ、析出物を
濾取し、メタノールでよく洗浄した後、減圧下40℃で
乾燥し2.37gのポリマーを得た(収率41%)。得
られたポリマーはGPC測定で数平均分子量Mnが42
00であり、Mw/Mnは8.10であった(Mw:重
量平均分子量)。GPC測定条件は以下の通りである。 溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド 10M LiB
r カラム:SHODEX KD803、80M、806、
807(商品名) 温度:60℃ 評定品:ポリスチレン
【0024】実施例2〜6 上記縮合生成物(1)又は(2)、及びラセミ又は光学
活性グリシジルトシレートを用いて実施例1と同様に重
合反応を行った結果を表1に示す。ここで用いたグリシ
ジルトシレート(以下GTと略記する)は化学純度9
9.7wt%、光学純度99.4%ee.(比旋光度
〔α〕25 18.8、C=1.00、クロロホル
ム)であった。実施例6で得られたグリシジルトシレー
トポリマーの13C−NMRスペクトルを図1に示す。
これによりポリマーが目的の構造を有していることが判
る。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば特定の触媒を用いること
により、ラセミ又は光学活性グリシジルトシレートを重
合することができる。このポリマーは機能性ポリエーテ
ルポリマーの合成中間体として、またその光学活性体は
光学分割材料としての有用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6のグリシジルトシレートポリマーの13
C−NMRスペクトルである。測定容量は重ジメチルス
ルホキシド、測定温度30℃、積算回数18,000回
である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖構造が下記(I)式で表され、数平
    均分子量が3,000〜1,000,000であるグリ
    シジルトシレートポリマー。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記(I)式で表される主鎖構造がメチ
    ン基の不斉に基づく光学活性を有する請求項1に記載グ
    リシジルトシレートポリマー。
  3. 【請求項3】 下記(II)式 【化2】 で表されるラセミ又は光学活性グリシジルトシレートを
    重合する際に下記一般式(III) 又は(IV)から選ばれる
    有機錫化合物と燐酸アルキルエステルとの熱縮合生成物
    を触媒として使用することを特徴とする請求項1又は2
    に記載のグリシジルトシレートポリマーの製法。 Ra SnX4-a (III) (但し、(III) 式において、Rは置換基を有してもよい
    炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロア
    ルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる
    基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
    基、アシルオキシ基及び燐酸の部分エステル残基より選
    ばれる原子又は基であり、aは1〜4を示す整数であ
    る。aが2以上のときRは同一でも異なっていてもよ
    く、またaが1又は2のときXは同一でも異なっていて
    もよい。) Rb SnOc (VI) (但し、(IV)式において、Rは(III) 式におけるRと
    同じである。bは1又は2であり、bが1のときCは3
    /2であり、bが2のときCは1である。)
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