JP3269090B2 - 時 計 - Google Patents

時 計

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JP3269090B2
JP3269090B2 JP11606491A JP11606491A JP3269090B2 JP 3269090 B2 JP3269090 B2 JP 3269090B2 JP 11606491 A JP11606491 A JP 11606491A JP 11606491 A JP11606491 A JP 11606491A JP 3269090 B2 JP3269090 B2 JP 3269090B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時計の回転部品または
時計の摺動部品に係わり、特に摩擦力の低減により、信
頼性及び、品質の向上を飛躍的に高めた時計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、腕時計においては、長期に渡
る信頼性が要求され、特に歯車、ローター、かな、軸受
け、おしどり、かんぬき、等の回転、摺動部品は、注油
を行い摩擦力の低減を図ってきた。また、一部の部品に
は、フッ化カーボンを共析させたニッケルメッキを表面
に被覆し、固体潤滑として用いてきた。あるいは、摺動
部品にテフロン蒸着を施し、界面張力を下げ、注油を行
い、油の拡散防止処理をすることにより、耐久性の向上
を図ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、益々、低消費電
力化、長寿命化(メンテナンスフリー化)、高品質化を
目指した時計が要求されている。
【0004】しかし、注油方式では、油の拡散や流失、
変質の問題があり、現状では、品質、性能を維持するた
め、年1回の洗浄と注油が必要とされる。
【0005】また、フッ化カーボンを共析させたニッケ
ルメッキは、無注油でも初期性能は優れているが、フッ
化カーボンの脱落により、機械体の汚染が起こり、これ
も注油と同様、定期的なメンテナンスが必要となる。
【0006】また、テフロン蒸着膜による油の非拡散処
理は、潤滑性能としては良好な手段であるが、テフロン
と部品との密着性が悪くメンテナンスフリー化は難し
い。
【0007】また、フッ化カーボンを共析させた皮膜の
場合、輪列駆動の際の摩擦力を大幅に下げることは難し
く、特にリューズ回転により、駆動させる場合は、突っ
張り感が発生し、高級感が損なわれる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の時計は、基材表
面上にニッケルフラッシュメッキと、前記ニッケルフラ
ッシュメッキの表面上に、ニッケルリン合金メッキ中に
テトラフルオロエチレンおよびその誘導体が共析された
金属被膜を有した回転部品または摺動部品を備えたこと
を特徴とする。また、本発明の時計は、前記金属被膜が
形成された回転部品または摺動部品を、前記テトラフル
オロエチレンおよびその誘導体の融点を超える温度で焼
成し、前記テトラフルオロエチレンおよびその誘導体の
粒子を膜状に変化させたことを特徴とする。さらに、本
発明の時計は、前記テトラフルオロエチレンおよびその
誘導体の粒子の直径が0.1から1.0ミクロンメータ
ー以下であることを特徴とする。
【0009】本発明の硬質潤滑皮膜は、それ自体の潤滑
性を利用する場合と、メッキ中に分散されるテトラフル
オロエチレンおよびその誘導体の低界面張力による潤滑
油の拡散防止を利用する場合に用いられる。
【0010】
【作用】本発明に用いられるテトラフルオロエチレンお
よびその誘導体は、通常0.1から1.0ミクロン以下
の粒子で、メッキ膜中に取り込まれ、表面に露出した部
分が、潤滑性能や低界面張力性能を発揮する。
【0011】この粒子は一般に0.1ミクロン以下の場
合、メッキ液中で凝集しやすく、また1.0ミクロン以
上の場合は、メッキ液中で沈降しやすい。
【0012】また、テトラフルオロエチレンおよびその
誘導体の融点を越える温度で焼成することにより、上記
粒子を膜状にすることができる。この膜は、メッキ膜に
アンカー効果により、保持されるため、密着力に優れ
る。
【0013】
【実施例】(実施例1)腕時計に使用される曜修正伝え
車と曜星車の材料としてPbBsを用い、これを皮膜形
成のため、脱脂、活性化処理後、ニッケルフラッシュメ
ッキ後、界面活性剤により親水化したテフロン粒子を分
散したニッケルリンメッキを0.5ミクロン施した。
【0014】この時のニッケルリンのリン含有率は、8
w%であった。
【0015】また、テフロン粒子は、直径0.3ミクロ
ン程度のものを用い、テフロン共析量は、25%であっ
た。
【0016】膜厚については、部品の機械精度を維持す
るため、0.5ミクロンとしたが、あらかじめ、メッキ
厚みを考慮し、部品形状を出しておけば、メッキ膜を厚
くすることができ、耐環境性、具体的には、耐湿性が更
に高くなる。
【0017】図1、図2は、このようにして作成した曜
星車1と曜修正伝え車2をアナログ時計に組み込みんだ
状態を示す部分平面図と部分断面図である。
【0018】次にリューズを回し、曜日修正したところ
曜修正伝え車の歯先の摩擦係数を減らすことが可能とな
り、曜星車との摩擦による突っ張り感をなくすことがで
きた。
【0019】(実施例2)腕時計に使用される歯車とか
なの材料としてPb入りリン青銅とスチールを用い、こ
れを皮膜形成のため、脱脂、活性化処理後、ニッケルフ
ラッシュメッキ後、界面活性剤により親水化したテフロ
ン粒子を分散した次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする
ニッケルリンメッキを1.0ミクロン施した。
【0020】この時のニッケルリンのリン含有率は、8
w%であった。
【0021】また、テフロン粒子は、直径0.2ミクロ
ン程度のものを用い、テフロン共析量は、約25%であ
った。
【0022】図3、図4は、このようにして作成した歯
車3とかな4をサブアセンブルし、アナログ時計に組み
込んだ組立部品の平面図と断面図である。歯車3とカナ
4は、歯車のバネで結合し、摩擦力をもって保持され
る。通常、運針時は一体で回転し、時間の修正時は歯車
とカナがスリップする構造である。
【0023】従来、潤滑方式では、上記機構による針回
しの耐久性が悪く、3年程度で、かなのスベリトルクが
0に近くなるものが発生していたが、本方法によるもの
では、摩擦力が十分小さく、加速試験の結果、10年以
上の保証ができることが明かとなった。 (実施例3)アナログ時計の切り換え部品として使用さ
れるカンヌキとオシドリの材料としてS70CとS50
Cを用い、これをHv600に熱処理し、皮膜形成のた
め、脱脂、活性化処理後、ニッケルフラッシュメッキ
後、界面活性剤により親水化したテフロン粒子を分散し
た次亜リン酸ナトリウムを還元剤とするニッケルリンメ
ッキを1.0ミクロン施した。
【0024】この時のニッケルリンのリン含有率は、8
w%であった。
【0025】また、テフロン粒子は、直径0.2ミクロ
ン程度のものを用い、テフロン共析量は、約25%であ
った。
【0026】図5は、このようにして作成したカンヌキ
5とオシドリ6をアナログ腕時計に組み込みした部分平
面図である。
【0027】腕時計の通常使用条件下では、切り換え操
作を1年間に100回行なわれるものとして、10年分
の切り換え操作を行なってその切り換え力の変化を調べ
た。その結果処理膜が完全に残留しており、切り換え力
も規格内にあり、潤滑効果を依然として維持しているこ
とが確認された。
【0028】また、従来の潤滑方式では、上記機構によ
るリューズ切り換え力が3kg以上のものが発生し、重
く感じられた。本方法によるものでは、摩擦力が十分小
さくできることが明かとなった。
【0029】(実施例4)実施例3と同じカンヌキとオ
シドリの材料を用い、これをHv600に熱処理し、皮
膜形成のため、脱脂、活性化処理後、ニッケルフラッシ
ュメッキ後、界面活性剤により親水化したテフロン粒子
を分散したニッケルワット浴で、共析メッキを行った。
【0030】また、テフロン粒子は、直径0.2ミクロ
ン程度のものを用い、テフロン共析量は、約30%であ
った。
【0031】実施例3と同様にカンヌキ5とオシドリ6
をアナログ時計に組み込み、潤滑評価を行った。
【0032】その結果処理膜が完全に残留しており、切
り換え力も規格内にあり、潤滑効果を依然として維持し
ていることが確認された。
【0033】(実施例5)実施例2と同じ歯車とかなの
材料としてPb入りリン青銅とスチールを用い、これを
皮膜形成のため、脱脂、活性化処理後、ニッケルフラッ
シュメッキ後、界面活性剤により親水化したテフロン粒
子を分散した次亜リン酸ナトリウムを還元剤とするニッ
ケルリンメッキを1.0ミクロン施した。
【0034】図6、図7は、このようにして作成した歯
車3とかな4をアナログ時計に組み込み、注油した状況
の部分平面図と部分断面図である。
【0035】テフロンの低界面張力により、油が濡れ
ず、拡散しないため、さらに潤滑性能が良好となった。
【0036】本発明による潤滑効果は、下地素材が金属
に限定されるものではなく、セラミック、高分子材料な
どの材料にも前処理により、被覆できるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 1)基材と前記金属被膜との間に、ニッケルフラッシュメ
ッキを構成したので、前記金属被膜中に含まれているニ
ッケルリン合金とニッケルフラッシュメッキとが結合し
やすくなってその密着性を高めた潤滑被膜を提供でき
る。 2)また、基材と前記金属被膜との間に、ニッケルフラッ
シュメッキを構成したので、基材の耐食性を向上させた
潤滑被膜を提供できる。すなわち、前記金属被膜中に含
まれているテトラフルオロエチレンおよびその誘導体
が、直接基材の上に設けられている場合には、テトラフ
ルオロエチレンおよびその誘導体が直接基材表面に接触
していることが考えられる。この場合、水分などが直接
基材表面に浸透する等によって腐食が発生しやすい。こ
れに対し、本発明では、前記基材と前記金属被膜との間
に設けられたニッケルフラッシュメッキにより、テトラ
フルオロエチレンおよびその誘導体が直接基材表面に接
触することが緩和されるので、水分などが直接基材表面
に浸透する等によって発生する腐食を防止でき、耐食性
が向上した潤滑被膜を提供できる。 3)さらに、前記回転部品または前記摺動部品の前記金属
被膜は油の非拡散機能を有しているため、その接触部に
注油をおこなった場合、接触部からの油の流出が抑止さ
れる。ゆえに、時計の回転部品及び摺動部品の潤滑性能
がより長期間にわたって維持されるので、時計の寿命を
一層延ばすことが可能となる。また、長期使用によって
固体潤滑機能が損なわれた場合でも、回転部品や摺動部
品の前記接触部に注油を行えば、前記金属被膜がもつ油
の非拡散機能によって油の流出を抑止できるので、注油
のみによっても、時計の寿命をより一層延ばすことが可
能となる。 4)また、潤滑の役割を果たすテトラフルオロエチレンお
よびその誘導体粒子が、ニッケルリン合金メッキ膜のア
ンカー効果によって強固に保持されるため、熱ショック
に強くなってクラックの発生が抑止されるので、部品の
発錆を防げる。以上述べたように本発明によれば、耐食
性及び密着性にすぐれ、かつ、長期に渡って潤滑性能を
損なうことのない優れた時計を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑処理を施した曜修正伝え車と曜星車を組み
込んだアナログ時計の部分平面図。
【図2】潤滑処理を施した曜修正伝え車と曜星車を組み
込んだアナログ時計の部分断面図。
【図3】潤滑処理を施した歯車とかなを組み込んだアナ
ログ時計の部分平面図。
【図4】潤滑処理を施した歯車とかなを組み込んだアナ
ログ時計の部分断面図。
【図5】潤滑処理を施したカンヌキとオシドリを組み込
んだアナログ時計の部分組立平面図。
【図6】潤滑処理を施した歯車とかなを組み込み注油し
た状態のアナログ時計の部分平面図。
【図7】潤滑処理を施した歯車とかなを組み込み注油し
た状態のアナログ時計の部分断面図。
【符号の説明】
1 曜星車 2 曜修正伝え車 3 歯車 4 かな 5 カンヌキ 6 オシドリ 7 油
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−103826(JP,A) 特開 昭54−89943(JP,A) 特開 平2−173472(JP,A) 実開 昭59−44774(JP,U) 特公 昭47−25260(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 5/00 - 7/12 C25D 15/02 G04B 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面上にニッケルフラッシュメッキ
    と、前記ニッケルフラッシュメッキの表面上に、ニッケ
    ルリン合金メッキ中にテトラフルオロエチレンおよびそ
    の誘導体が共析された金属被膜を有した回転部品または
    摺動部品を備えたことを特徴とする時計。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記金属被膜が形成
    された回転部品または摺動部品を、前記テトラフルオロ
    エチレンおよびその誘導体の融点を超える温度で焼成
    し、前記テトラフルオロエチレンおよびその誘導体の粒
    子を膜状に変化させたことを特徴とする時計。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記テトラ
    フルオロエチレンおよびその誘導体の粒子の直径が0.
    1から1.0ミクロンメーター以下であることを特徴と
    する時計。
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JPH06241161A (ja) * 1993-02-15 1994-08-30 Sanden Corp 圧縮機
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