JPS6041695B2 - 内燃機関の軸受及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関の軸受及びその製造方法

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JPS6041695B2
JPS6041695B2 JP16156879A JP16156879A JPS6041695B2 JP S6041695 B2 JPS6041695 B2 JP S6041695B2 JP 16156879 A JP16156879 A JP 16156879A JP 16156879 A JP16156879 A JP 16156879A JP S6041695 B2 JPS6041695 B2 JP S6041695B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関で用いられる軸受及びその製造方法に
関するものであり、さらに詳しく述べるならばすベリ軸
受、特にクランクシャフト回りの軸受及びその製造方法
に関するものである。
内燃機関で用いられる軸受(以下、すベリ軸受と称する
)は鋼板等の円筒ブシユ、半割メタル又は環状メタル等
の基体の内周面に軸受材料(以下、オーバレイと称する
)を何らかの適当な技法により接合して製造されている
ことは広く採用された技術である。このようなオーバレ
イの初期の目的は、軸受とクランクシャフト等の軸のな
じみ性を向上させること、すなわち軸及びすベリ軸受が
組み込まれている内燃機関のハウジングの加工精度及び
軸のハウジングへの組付時のミスアライメントに起因す
る軸受と軸の間の当り不良を改善すること、また軸の加
工精度に起因する当り不良を改善することにある。さら
に、オーバレイの初期の目的は、内燃機関の潤滑油中に
混入する硅砂・鉄粉等の異物をオーバレイ中に埋収させ
、軸及び軸受をこれらの異物から保護することにある。
このような目的に沿つて各種オーバレイが実用されてお
り、最も古くから用いられたオーバレイでは錫、アンチ
モン及び銅の一種を含む鉛系二元合金であつた。これら
の鉛系二元合金は前述の目的であるなじみ性の向上と埋
収性の付与に対しては従来の内燃機関では十分であるが
、最近の内燃機関では機械加工精度の向上と潤滑油中の
異物を除去する淵過器の性能向上により、オーバレイの
なじみ性と埋収性要求程度が軽減されているが一方内燃
機関の高出力化によりオーバレイの疲労はくり及び負荷
能力が問題になり、これに対しては上記鉛系二元合金は
十分な性能を発揮し得なくなつた。すなわち、最近の内
燃機関の傾向としては省エネルギの確点からヂーゼルエ
ンジンが多用される傾向にあり、ヂーゼルエンジンはガ
ソリンエンジンより爆発荷重が大きいから、必然的にオ
ーバレイにも大きな荷重が加えられるため負荷能力が問
題になつているのである。また、ヂーゼルエンジンでは
繰返し大荷重下でオーバレイが長期に亘つて使用される
ためにオーバレイの疲労現象が励起され、上記鉛系二元
合金ではオーバレイがはく離し結果的には初期の目的も
達成されないことが起こつた。一方、ガソリンエンジン
にあつても高出力・高回転化の傾向にあるため結果的に
は−従来の鉛系二元合金では負荷能力・耐疲労はくり性
が不足するに至つたのである。また、最近の内燃機関、
特にヂーゼルエンジンでは潤滑油の交換時期の延長に伴
い、潤滑油中で発生する腐食性の有機酸がオーバレイの
腐食摩耗を起こす原因となつている。この点に関し、従
来の鉛系二元合金では耐摩耗性及び耐食性が最近の内燃
機関で要求されるレベルに対しては不足しており、オー
バレイが短時間に摩耗し軸受の寿命が低下することにな
る。上記鉛系二元系合金のオーバレイとしての使用時の
性能を向上するために第3元素を加えた、Pb−Sn−
Sb,Pb−Sn−Cu等の三元系鉛合金がオーバレイ
として現用されている合金の主流になつている。
しかし、本発明者の研究によるとこれらの三元系鉛合金
は何れも最近の内燃機関で使用するオーバレイに要求さ
れる耐摩耗性、耐腐食性及び耐疲労性を満足するもので
はないことが判明した。例えば、Pb−Sn−Sb及び
Pb−Sn−Cuの三元系合金では特に潤滑油中の腐食
性有機酸に対する耐食性が不足し、詳しくは後述するよ
うな機構で、オーバレイの早期損傷が発生する。一方、
Pb−Sn−1nの三元系合金はインジウムが高価であ
るにも拘ず多量に添加せざるを得ないという欠点がある
のみならず、特に負荷能力及び耐摩耗性が不足しこれに
よつてもオーバレイの早期損傷が発生し、オーバレイの
信頼性が欠けている。なお、上記説明において、耐食性
、耐疲労性、負荷能力、耐摩耗性及びなじみ性の五特性
を取り上げて、従来のオーバレイ合金の性能を説明した
が、オーバレイ合金の実際の使用状態では、詳しくは後
述するように、これらの特性は相互に関連しているとみ
なされ、一つの特性が優れていないと他l の特性も
これにより悪影響を受け、オーバレイの信頼性及び寿命
が著しく悪化するという事態をひき起す。特に、最近の
内燃機関では高出力化によりオーバレイへの機械的負荷
が従来より増大することに加えて、潤滑油の交換時期延
長に伴いオーバレイの潤滑状態が悪化していることが、
上記諸特性の中て主として耐摩耗性を向上させる必要を
生ぜしめているとの認識に発明者は達した。さらに、オ
ーバレイの合金組成に加えて、その製法も重要であり、
従来は電気メッキ、焼結法、圧延による接合、鋳着法等
によりオーバレイ層を基体上に接合していたが、これら
の方法によつて製造されたオーバレイ層が多孔性である
と、特に耐疲労性が低下しその信頼性が低下することも
判明した。 本発明者はすベリ軸受、特にオーバレイの
研究を行なう過程で従来の三元系鉛合金の組成を変更す
る手法では最近の内燃機関に適したすベリ軸受を提供す
ることはできないとの認識に達し、本発明を完成した。
) 本発明の一つの目的は、すベリ軸受の総合性能を従
来の2元系及び三元系鉛合金よりも改善することである
本発明の他の目的は、最近の内燃機関の高出力化及び
潤滑油交換時期の長期間化の傾向において5も十分な信
頼性を有するすベリ軸受を提供することである。
本発明の別の目的は上記の如き信頼性を有するすベリ
軸受の製造方法を提供することである。
上記目的にしたがつて、本発明によれば、内燃O機関
に用いられる軸受の基体の表面に、重量で、5ないし2
0%のスズと、0.05ないし10%のインジウム及び
タリウムからなる群から選択された少なくとも1種の元
素と、0.05ないし5%のマンガン、ビスマス、ニッ
ケル、銅、カルシウム及びバリウムからなる群から選択
された少なくとも1種の耐摩耗性向上元素とを含み、残
部が鉛と不純物からなる合金層を含むオーバレイ層が形
成されていることを特徴とする内燃機関の軸受、及び該
軸受の基体上に、インジウム及びタリウムからなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素を含む層、及び鉛、
スズと、マンガン、ビスマス、ニッケル、銅、カルシウ
ム及びバリウムからなる群から選択された少なくとも1
種の耐摩耗性向上元素とを含む1以上の層を形成し、こ
れらの層の間で元素の拡散が起こり前記合金層を含むオ
ーバレイ層が形成される温度に、該層を加熱する段階を
含むことを特徴とする内燃機関軸受の製造方法が提供さ
れる。以下、本発明のすベリ軸受の特徴及び実施態様を
図面に基づいて説明する。
第1図は、すベリ軸受及びその中の軸との間にある潤滑
油に発生する油膜圧力分布を示す概念図である。
図中1は固定軸受部材の最外表面であるオーバレイ層を
示し、一方2は2aの周りを矢印3方向に回転する軸を
示し、この軸2は矢印4方向の荷重を図示されていない
潤滑油膜を介してオーバレイ層1に加えている。このよ
うなすベリ軸受及び軸の初期には、オーバレイ層1では
0.5〜0.6ミクロン(μm)、軸2の表面では0.
6〜0.7ミクロンの、機械加工時の表面粗さが残存し
ており、矢印3方向への回転が開始されると、軟質であ
るオーバレイ表面が軸2によつて削られそして軸2の表
面に削られたオーバレイ合金層の一部が凝着し、また油
膜圧力によるオーバレイのフロー、が生じ、以後は滑か
な回転が滑かな接触面を介して行われるようになる。こ
れが、なじみ効果と称されるものであつて、本発明のオ
ーバレイの主成分である鉛はなじみ性に富む金属であり
、これに、錫、インジウム及びタリウムを加えることに
!より、鉛の流動性を向上させ以つて軸2によるアブレ
ージブ摩耗が起こりにくいようにしてある。以上の如く
して滑かな回転が実現されると、油膜がその粘性抵抗に
よりオーバレイ層1と軸2の間の微小間隙に巻き込まれ
、かくしてこの微小間1隙の油膜が介在した状態で軸2
とオーバレイ層1が接触するが、この際の油膜の圧力分
布は曲線6の如くなる。この油膜は回転の際の荷重の増
減により厚さが変化しており、油膜の厚さが薄くなると
軸2とオーバレイ層1の直接接触の危険が高くなる。そ
こで、内燃機関のすベリ軸受にあつては所定厚さ、一般
には2ミクロン程度以下の油膜が常に軸2とオーバレイ
層1の間にその作動中に介在していることが極めて肝要
になるが、これを実現するには上記なじみ性現象あるい
は初期の機械加工等によつて軸2とオーバレイ層1の粗
さを著しく低く維持しておくことが必要となる。ところ
が、最近の内燃機関の高出力化・高荷重化の傾向川こよ
り、油膜厚さが減少し直接接触の危険が増大し、この結
果十分なじみを得た軸受面が損傷を受ける可能性がある
。このような損傷は、内燃機関の停止による直接接触か
ら動くときに現実に起こり、また長時間停止の場合にも
腐食は発生し、一門旦形成されたなじみを得た軸受面に
凹凸が生じる。本発明によると、スズ、インジウム、タ
リウム及びマンガン等の耐摩耗性向上元素が全体として
上記したようななじみを得た軸受面状態の維持に寄与す
るが、個別にはスズ、インジウム及びタリウムは主とし
て濶滑油中の腐食性有機酸に対するオーバレイの耐食性
を向上させ、マンガン等は主としてオーバレイの耐摩耗
性を向上させる。また、最近の内燃機関の使用傾向とし
て濶滑油交換時期の延長傾向があることは上記したが、
使用中に潤滑油中に発生する腐食性ある有機酸の濃度が
高くなり、オーバレイはオイルパン内温度で80〜14
0℃の高温の潤滑油中の有機酸により急速に腐食され、
上記なじみを得た軸受面が凹凸化する。このような腐食
が起こると後記のライニング層が露出し、内燃機関の打
音及び振動事故に至るが、スズ、インジウム及びタリウ
ムはこのような事故の防止にも有効である。さらに、第
1図の如く油膜圧力が曲線6の如き分布を示しているこ
とも上記なじみを得た軸受面が失われる原因となつてお
り、油膜圧力が最高に達し(6max)以後低下する(
例えば6e)点に相当する1と2の間の微小間隙内て潤
滑油の流れが層流から乱流に変化するとともに、乱流内
にビテイが作り出され、これによるキヤビテイシヨンエ
ロージヨンが起こる。
その他軸受の合せ目、溝部等からくる油膜圧力変化によ
るキヤビテイシヨンエロージヨンもあり、そして、潤滑
油の有機酸による化学的腐食とキヤビテイシヨンエロー
ジヨンが複合されると、油膜圧力6eに対応するオーバ
レイ層1は著しく減損される。そこで、本発明はこのよ
うな不都合を防止するためにマンガン等からなる群の元
素をオーバレイに添加しており、これにより耐摩耗性、
耐キャビティション性を高めている。上記した如く本発
明のすベリ軸受は、内燃機関において、ピストンからの
高い爆発荷重を受けつつ潤滑油の供給下にて使用される
部材として適するものであり、具体的使用例は、ガソリ
ンエンジンやヂーゼルエンジンのコンロツドの大端部軸
受や、クランクシャフトの軸受等である。
本発明のすベリ軸受は、従来のものと同様に、鋼製基体
上に銅合金又はアルミニウム合金をライニング層として
設け、その上にオーバレイ層を形成してなるものである
。場合によつてはオーバレイ層上又はすベリ軸受全体に
薄く、サビ止め層として又、オーバレイ中にスズを目的
とする重量%まで入れるため錫フラッシュめつきを被着
することもある。次に、本発明のオーバレイの合金組成
について説明する。鉛を主体とする本発明のオーバレイ
合金に加えられたスズは主として耐食性、耐摩耗性を付
与する元素である。
鉛−スズニ元系合金では錫が金属形態で合金中に分散し
ており、これによりスズがオーバレイの下地のライニン
グ層に拡散し易くなつており、オーバレイの使用ととも
に耐摩耗性が低下する不都合がある。ところが、インジ
ウム(タリウム)及びマンガン等の元素を加えた本発明
の合金では、スズは金属間化合物を生成する傾向が大に
なり、上記拡散を起こさない程度に安定化され、なじみ
性、耐食性、耐摩耗性等の信頼性を高める。さらに、ス
ズは潤滑油中に生成する腐食性ある有機酸に対するオー
バレイの耐食性も高める。スズの含有量が5%未満では
あまり効果がなく、一方20%を越えると高温下におけ
るオーバレイの硬さが低下し、使用中の性能低下(耐摩
耗性)が問題となる。なお、好ましいスズ含有量は10
〜14%てある。インジウム及びタリウムは潤滑油中の
腐食性ある有機酸に対するオーバレイの化学的耐食性を
高めるとともに、上記のようにスズと金属間化合物を作
つてスズを安定化しまたなじみ性を高める。
インジウム及びタリウムの少なくとも1種の含有量が0
.05%未満では効果がなく、10%を越えるとオーバ
レイ層が柔かくなり、耐摩耗性、耐キヤビテイシヨンエ
ロージヨン性が低下する。この含有量は0.5ないし5
%が好ましい。なお、上記スズ及びインジウム(タリウ
ム)を含む鉛系オーバレイ合金は上記のように公知であ
り、主としてなじみ性及び化学的耐食性に関してはある
程度の成果を奏していた。ところが、近年の内燃機関の
高出力・高荷重化及び潤滑油交換時期の延長の傾向の下
では、なじみ現象によつて折角作られた軸及びオーバレ
イのなじみを得た軸受面状態が、化学的腐食、キヤビテ
イシヨンエロージヨン、アブレーシブ摩耗及び油膜の厚
さ減少による金属接触などの有害要因によつて、絶えず
、粗面化する影響を受けており、一旦粗面化が開始され
ると再びなじみ現象によつてオーバレイの摩耗が起こる
か、或いはオーバレイが激しく摩耗してしまつた場合に
はなじみ現象の実現が不可能になり、遂にはすベリ軸受
の寿命が尽きてしまうのである。その上に、上記有害要
因のひとつ例えば化学的腐食だけが他の要因よりも優先
して進行したとしても、化学的腐食により微視的には不
均一にオーバレイが減損することが多いから、アブレー
シブ摩耗、キャビティション摩耗及び金属接触を起こし
易い部分が生じ、他の有害要因による減損も次第に派生
することになり、結局オーバレイは急速に減損するもの
とと想定される。本発明者は上記のように一つの要因か
ら他の要因により減損が次々派生する悪循環を断ち切る
ことが近年の内燃機関に用いられるすベリ軸受にとつて
重要であるとの認識をノもつた。だが、実際の内燃機関
で起こるオーバレイの減損を実験室にて再現することは
容易でなく、従来はオーバレイの摩耗量、腐食減量等の
代用特性により、オーバレイの実際の使用時の性能を推
定する方法が採用されてきた。この点に関し7後述の動
的腐食試験はオーバレイの実用時の性能のある程度の目
安を与えることができると考えられる。何れにせよ、オ
ーバレイ合金が持つているなじみ性、耐食性、強度、耐
摩耗性等の諸性質のうち何れを向上させれば、上記悪循
環を断ち切りつうるかに関しては、オーバレイの実用性
能の試験方法が確立していないことと、その減損機構が
複雑であることが相俟つて、従来深くは研究されていな
かつた。本発明者は、上記Pb−Sn−1n(T1)三
元系合金の組成を調節することによつて、なじみ性又は
化学的耐食性を変化させる手段では、オーバレイ実用時
の性能を優れたものとすることは不可能との認識に達し
、その代り鉛系合金の主として耐摩耗性を高める元素を
添加すればこの目的を達成できることを発見した。この
添加元素は、マンガン、ビスマス、ニッケル、銅、カル
シウム及びバリウムからなる群の少なくとも一種の元素
であり、鉛合金の中で金属形態又はスズとの金属間化合
物形態で存在しそして該鉛合金の耐摩耗性を高める。な
お、一般的に述べると、鉛合金の耐摩耗性となじみ性は
相反する関係にあるので、合金の耐摩耗性が高過ぎると
なじみ性がオーバレイとして不適なほど劣化する。しか
し、本発明による上記元素はなじみ性にほとんど影響が
なく好都合である。次に、これらの元素を個々に説明す
る。銅及びニッケルは金属形態又はスズとの金属化合物
形態で存在し、銅は上記耐摩耗性向上元素の中で最も耐
摩耗性向上効果が高く、ニッケルは二番目に高い効果を
有する。
なお、上記耐摩耗性向,上元素はオーバレイの耐食性に
も影響を与えるが、銅及びニッケルはオーバレイの耐食
性を損う。バリウム及びカルシウムは金属形態又はスズ
との金属間化合物形態で鉛合金中に存在し、ニッケルに
次ぐ耐摩耗性向上効果を有し、耐食性向上冫効果を有す
る。マンガンは金属形態又はスズと金属間化合物形態で
鉛合金中に存在し、またその耐摩耗性向上効果はカルシ
ウム及びバリウムに次ぎ、耐食性向上効果はカルシウム
及びバリウムより優れる。ビスマスは金属形態又はスズ
と金属間5化合物形態で鉛合金中に存在し、またその耐
摩耗性向上効果は最も低く、一方耐食性向上効果は最も
高い。上記耐摩耗性向上元素の含有量が0.05%未満
では効果がなく、5%を越えるとオーバレイの硬さが高
くなりすぎ、なじみ性をそこなうた3め、好ましくは0
.2〜2%である。上記した如き組成を有するオーバレ
イとライニング層の間にニッケル又は銀のメッキ層を1
〜3ミクロンの厚さに施こすと、オーバレイ中にスズの
ライニング層への拡散を有効に防止することが4cでき
る。
以下、本発明によるすベリ軸受の製造法を説明する。
本発明に係るすベリ軸受の製造法の一具体例によると、
すベリ軸受基体にライニング層を一般には0.1〜2w
nの厚さに形成し、このライニング層上に、少なくとも
鉛及びスズを含む第1層を形成し、そしてこの第1層上
にインジウム及び/又はタリウムを含む第2層を形成し
、また第1層と第2層の間の元素の拡散が起こる温度に
これらの層を加熱する段階が実施される。
なお、すベリ軸受用オーバレイとして、なじみ性、耐腐
食(化学的及びキャビティション腐食)性、耐摩耗性及
び高い負荷能力が要求されることは、オーバレイ合金組
成と関連して説明したが、これらの他に耐疲労性も要求
される。特に、内燃機関のうちヂーゼルエンジンでは繰
返し大荷重下で長期に亘つて使用されるので、オーバレ
イの疲労はく離がその信頼性と寿命の点で問題になつて
おり、この点で最も重要なのはオーバレイ層の緻密・均
一性である。そこで、本発明によると、インジウム及び
/又はタリウムと他の元素は別個の層としてライニング
層上に形成し、次にこれらの元素の拡散を行なつて緻密
且つ均一なオーバレイを製造するのである。上記方法の
一実施態様として、Pb−Snのメッキ浴の中に耐摩耗
性向上元素、好ましくはカルシウム及びバリウムの微粉
末(イ).1〜1ミクロン)を加えておき、メッキ浴を
攪拌しながらメッキを行うと微粉末がメッキ層に巻き込
まれる。
以下、メッキ層を100〜200′Cて焼鈍すると耐摩
耗性向上元素がメッキ層中に均一に分布したオiバレイ
の合金層が得られる。なお、攪拌の条件としては通常の
ポンプにより、メッキ液の吐出量0.1〜2.0e/S
ecの程度の攪拌を行うことが好ましい。上記メッキ浴
としては次のものが好ましい。(1)メッキ浴組成Pb
(BF4)2:40〜200y/′ Sn(BF4)2:5〜30ダ/f 1(BF4:30〜120y/e ハイドロキノンニ0.5〜3ダ/′ ヘプトンニ0.1〜3y/′ ゼラチンニ0.1〜3ダ/e βナフトールニ0.1〜3y/f (2)メッキ浴温度 5〜50ッC :3)メッキ浴PH l以下 (4)微粉末の添加量 10〜50q/e (5)電流密度 1〜5A/Dd インジウムのメッキとしては電流密度1〜10A/Dr
ll及び浴温10〜40℃の条件て次のメッキ浴を使用
することが好ましい。
なお浴には適度の攪拌を加える。Aスルファミン酸メッ
キ浴 第1表において、甲は各成分の一般的濃度範囲、乙は実
用的濃度範囲を意味する(以下同じ)。
メッキ浴のPHは3.8以下が好ましく、また電流密度
は2〜10A/Dd、温度は10〜50℃が好ましい。
B ホウフッ化メッキ浴このメッキ浴はフラッシュメッ
キ法に使用される。
C シアンアルカリメッキ浴 タリウムのメッキとしては、電流密度0.1〜0.5A
/D7Tll及び浴温度15〜25゜Cの条件で次表の
メッキ浴を使用することが好ましい。
上記方法の他の実施態様として、Pb−Sn一耐摩耗性
向上元素の三元合金メッキを行い、次にインジウム及び
/又はタリウムのメッキを行い、続いて拡散加熱を行う
こともできる。
このような、三元合金メッキに適する耐摩耗性向上元素
は銅であり、その好ましいメッキ条件は次のとうりであ
る。(1)メッキ浴組成 (2)電流密度 3〜5A/Dd (3)メッキ浴温度 10〜500C 上記方法の他の実施態様として、Pb−Snの二元合金
メッキによる第1層をライニング上に形成し、次にイン
ジウム及び/又はタリウムのメッキによる第2層を第1
層上に形成し、続いて耐摩耗性向上元素を含む第3のメ
ッキ層を第2層上に形成し、しかる後に拡散加熱を行う
方法もある。
この実施態様において使用される耐摩耗性向上元素は、
マンガン、ビスマス及びニッケルである。次に、これら
の元素の好ましいメッキ条件を説明する。まず、マンガ
ンのメッキ条件は次のとうりである。(1)メッキ浴組
成 (2)メッキ浴温度 18〜50キC (3)メッキ浴PH 6.O〜6.5 (4)電流密度 5〜10A/dイ 次に、ニッケルのメッキはニッケルとスズの合金メッキ
を行うことが好ましく、その条件は次のとうりである。
(1)メッキ浴組成(2)メッキ浴温度 50〜70キC, (3)電流密度 上記諸実施態様によると、Pb−Sn−(In,Tl)
一耐摩耗性向上元素の一種の四元素系合金オーバレイが
製造され、そしてこのような四元系合金オーバレイが近
年の内燃機関に組込まれるすベリ軸受として使用すると
利点が多いものである。
なお、上述の実施態様からも理解されるようにオーバレ
イ合金の成分系が多くなるにつれそのフ製法も複雑化し
、四元系を越えるオーバレイは製法の観点から実用的で
あるとはいえない。但、上記諸実施態様で述べられたメ
ッキ法を採用すれば五元系以上の合金オーバレイの製造
も可能であるため、以下これについて触れる。7 第1
:(1)Pb−Sn−Cuの三元合金メッキにより第1
層を形成し、(2)インジウム(及び/又は)タリウム
のメッキにより第2層を形成し、そして(3)マンガン
、ニッケル又はスズのフラッシュメッキを第3メッキ層
を形成する。
l 第2:(1)Pb−Sn又はPb−Sn−Cuの合
金メッキ浴に、カルシウム及びバリウムの微粉末を加え
るメッキを行い、そして(2)インジウム及び/又はタ
リウムのメッキを行う。
第3:第2項の方法の(2)のメッキの後に、(3)マ
ンガン、ビスマス又はニッケルのメッキを行う。
本発明の一つの実施態様によると、上記オーバレイメッ
キ工程の前にライニング層上に銀及び/又はニッケルの
バリア層を1〜3ミクロンの厚さに形成することによつ
て、オーバレイの内燃機関内での使用時にオーバレイの
スズがライニング層内に拡散してオーバレイのなじみ性
が低下するのを防止することが可能になる。ニッケル及
び銀のメッキ条件それ自身は公知であつて、次の条件を
本発明においても使用することができる。この実施態様
の具体例としては、銀の1層のメッキ、ニッケルの1層
のメッキ、下層がニッケルで上層が銀のメッキ、及び好
ましいものは下層が−ニッケル・上層が銀の2層メッキ
である。
本発明のさらに別の実施態様によると、上記オーバレイ
の最上層、すなわち第2層又は第3層、の上にさらに軸
受全面にスズの補充と背面の錆止めを兼ねているスズ附
加メッキ層を、厚さ1〜3、ミクロンのめつきが施して
あり、これによつて使用後10〜20I寺間の時点で発
生する軸受背面のサビも防止する。
この層は、背面の錆止目的では拡散加熱後の最終オーバ
レイに残り、またスズがオーバレイの内部に上記スズ補
充のため拡散したとき.は消滅することもある。これは
、第1層のスズ含有量、拡散加熱温度及びスズ附加メッ
キの厚さによつて決定される。すなわち、このスズ含有
量が4〜9%であり、又スズ附加メッキ層の厚さが1ミ
クロンを越えるとスズはオーバレイの最上部に残る傾向
をもつ。そして残存したスズ附加メッキ層はすベリ軸受
が内燃機関に組込まれると、そのクランクシャフト等と
接触するが、厚さが薄いためなじみ現象により下層のオ
ーバレイが速かに露出すると想定される。上記において
は、オーバレイ及びバリアを製造する実施態様を述べた
が、次にこれらの実施態様を使用するうえで、望ましい
条件について説明する。
まず、ライニング層上に直接又はバリア層を介して間接
的に、第1層(少なくとも鉛及びスズを含有する)がメ
ッキにより形成されるが、メッキ直後の第1層中のスズ
含有量が10%以下、特に8%以下、であることが望ま
しい。
スズが10%を越えるとメッキ層の緻密性が失われ、結
果としてオーバレイの性能、特に耐疲労性、が低下する
。次に、第1層、第2層(In,Tり及び第3層の厚さ
が大きくなると、これらのメッキの際に厚さのばらつき
を生じ、ひいては最終的に均一なメッキ層が得られ難く
なり、時にこの不均一部分より疲労によるはくりを生じ
ることがある。そこで、第1層、第2層及び第3層はそ
れぞれが16,2、及び2ミクロン以下、合計で20ミ
クロン以下の厚さを有することが望ましい。また、ライ
ニング層は、銅を主体とし、鉛及びスズを含むものであ
るが、その組成は鉛5ないし25%、スズ3ないし12
%であることが望ましい。
なお、ライニング層は鋳造もしくは焼結で作つてもよい
。さらに、拡散のための加熱は140〜250℃で一般
的には行われ、これにより第1層、第2層、第3層及び
附加メッキ層間で各元素の拡散が起こつて所望のオーバ
レイの合金層組成が得られる。
なお、この組成は全層の均一な拡散が起こつたとすれば
各層の元素の含有量とオーバレイ総重量との比によつて
定まり単一層のオーバレイが得られる。このような単一
層のオーバレイが得られればマトリックスの中に金属形
態又は金属間化合物形態の相が均一に分散した組識が、
オーバレイの至るところで得られ、望ましいものである
。したがつて、一般には140〜250℃の範囲内の高
温で、長時間例えば60〜12紛間の加熱条件が望まし
いものである。しかし、各層の組成によつては高温加熱
が望ましくないこともあり、例えば何れかの層のスズ含
有量が高いとこの層は他の層より優先的に溶解又は軟化
するため、均一且つ緻密なオーバレイ組識が得られない
。このような場合には、低温の加熱が望ましく、必ずし
も単一層が得られない。以下、実施例により本発明をさ
らに詳しく説明する。
実施例1 この実施例で調製したオーバレイの組成を次表に示す。
表中の数字は重量%であり、In/TIの欄は特記Jし
たもの以外はインジウムの含有量である。なお、試料1
5,16は本発明以外のオーバレイ組成である。これら
のオーバレイはCu残、23%Pb−3.5%Snのラ
イニング層を炭素鋼板に焼結により形成し、その上にバ
リア層として2ミクロンのNiめつきを形成し、しかる
後に下記メッキ条件により設けたものである。
なお、以下の説明でメッキ浴中のホウフッ化物濃度は金
属イオン濃度である。(1)第1層がPb−Sn−Cu
..第2層がInのもの(試料1)−その1(Snく1
0%)(イ)Pb−Sn−Cu合金メッキ条件 (2)第1層がPb−Sn−Cul第2層がIn又はI
n及び朋のもの(試料7,14及び15)−その2(S
n≧10%)(イ)第1層のPb−Sn−Cuの合金メ
ッキ条件(ロ)第2層のIn及びIn−T1のメッキ条
件 上記(1)−(口)と同じである。
但し第2層のIn−TIメッキ条件は、まずインジウム
の、次にタリウムのメッキを行ない、試料7のメッキ厚
さは0.5ミクロン、試料14のインジウムメッキ厚さ
は1ミクロン、タリウムは0.5ミクロンであつた。(
ハ)第3層のメッキ条件 上記第1層を拡散加熱すると、Sn5%しか得られな
いのでスズフラッシュめつきを約2μつけて補つた。
3)第1層がPb−Snl第2層がInl第3層が耐摩
耗性向上元素であるもの(試料2,3及び11)一その
1(Sn〈10%)(イ)第1層のPb−Sn合金メッ
キ条件(ロ)第2層1nメッキ条件 上記(1)−(口)と同じ、但しインジウムメッキ層
の厚さは試料3については3ミクロン、試料11につい
ては0.5ミクロンであつた。
(ハ)第3層のB1及びMnのメッキ条件(a)Biメ
ッキ 試料11のメッキ条件は試料2と同じであ つたが
、但しメッキ厚さは1ミクロンとし た。
(b)Mnメッキ(試料3) (4)第1層がPb−Snl第2層がInl第3層が耐
摩耗性向上元素であるもの(試料4,8及び10)−そ
の2(Sn≧10%)(イ)第1層のPb−Snメッキ
条件 上記(3)−(イ)項の試料2,3のメッキ条件と同
じ。
但しメッキ厚さは次のとおりであつた。
試料4−14ミクロン 試料8−11ミクロン 試料10−9ミクロン (ロ)インジウムメッキ層の厚さは、試料4−2ミクロ
ン、試料8−2.5ミクロン及び試料10一4.5ミク
ロンであつた。
次の層のメッキ条件は試料4及び10と試料8とで異な
つている。
(ハ)試料4及び10(第3層のNi−Snの合金メッ
キ) 試料10のメッキ厚さは1ミクロンであつた他は
、試料4と同じメッキ条件で試料10のメッキを行なつ
た。
(ニ)試料8 マンガンめつきは上記(3)−(口)−
(b)項のと同じ、但し厚さは0.5ミクロンであつた
(ホ)第4層メッキ 試料4,8及び10についてそれぞれ、1,2及び3
ミクロンのスズフラッシュめつきを行なつた。
(5)第1層がPb−Sn一耐摩耗性向上元素、第2層
がInであり、第3層がスズフラッシュめつきであるも
の(Sn≧10%)試料5,6,12及び13がこの項
に相当していダる。
(イ)Pb−Sn一耐摩耗性向上元素のメッキ条件(ロ
)Inメッキ条件 上記(1)−(口)項と同じ、但し
インジウムメッキ層の厚さは次のとおりニ試料5−3.
5ミクロン、試料6−1.5ミクロン、試料12−1ミ
クロン、そして試料13−1.5ミクロン。
(ハ)第3層のスズフラッシュめつき 試料5−0.5
ミクロン、試料6−0.8ミクロン、試料12−0.2
〜0.3ミクロンそして試料13−2.0ミクロンのス
ズフラッシュめつきを行なつた。
(6)Pb−Sn又はPb−Sn−Cu一層のみの合金
メッキ(試料16一比較例)このメッキ条件は、試料1
6については、上記第 表の試料12のメッキ条件と同
じ(但しCa微粉末は含まない)であつた。
上記6項で述べたメッキ条件によりメッキ層を形成した
後、これを150〜180℃て拡散加熱した。
このようにして調製したオーバレイ層を備えた試料の耐
腐食性試験を次表に示す条件により行なつた。試験後の
腐食減量(Mg/CIL)を第2図に示す。
第2図より、試料9(In5%、Bj4.O%)、試料
10(InlO%、Nl2.O%)及び試料8(In5
%、Mnl%)のインジウム含有量が高いものの耐食性
が優れていることが分かる。一方、インジウム含有量が
低い試料7(InO%、CU3.O%)でも比較的良好
な耐食性が得られていることに注目される。また、オー
バレイ層を備えた試料の耐摩耗性試験を次表の条件で行
なつた。なお、試験としては曾田式動荷重試験機を用い
た。
試験後の試料の摩耗減量を第3図に示した。第3図より
、試料7(CU3.O%)、試料9(Bi4.O%)、
試料14(CUl%)の耐摩耗性が良好であることが分
かる。第19表の条件時間を20(ロ)間に延長した結
果を第4図に示す。第3図と第4図を比較すると、第3
図の摩耗量の大小傾向とは異なつた傾向が長試験時間の
第4図に現われていることが分かる。これは試験時間が
長くなると腐食が摩耗に加味されて試料の減損が起こる
ためであると考えられる。このような長時間摩耗の場合
に本発明の試料1〜14は優れた性質を示している。さ
らに、オーバレイ層を備えた試料を次表の条件の動的腐
食試験により、化学的腐食と機械的摩耗が同時に進行す
る条件下で、オーバレイ層の性能を試験した。上記試験
後の試料の摩耗減量を第6図に示す。
第6図より、動的腐食摩耗減量が少ない試料は8,9及
び10であることが分かり、第2図を参照するとこれら
は腐食(化学的腐食)量も少ないものであることが理解
される。その他の試料の動的腐食摩耗減量はほぼ同等て
あり、第2図、第3図及び第4図の試験結果と厳密には
一致していない。
【図面の簡単な説明】
第1図はすベリ軸受とその中の軸との間にある潤滑油に
発生する油膜圧力分布を示す概念図、第2図は腐食減量
のグラフ、第3図及び第4図は摩耗減量のグラフ、第5
図は摩耗試験に使用した軸形状を表わした図、第6図は
動的腐食摩耗減量のグラフである。 1・・・・・・オーバレイ層、2・・・・・・軸、6・
・・・・・油膜圧力。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 内燃機関に用いられる軸受の基体の表面に、重量で
    、5ないし20%のスズと、0.05ないし10%のイ
    ンジウム及びタリウムからなる群から選択された少なく
    とも1種の元素と、0.05ないし5%のマンガン、ビ
    スマス、ニッケル、銅、カルシウム及びバリウムからな
    る群から選択された少なくとも1種の耐摩耗性向上元素
    とを含み、残部が鉛と不純物からなる合金層を含むオー
    バレイ層が形成されていることを特徴とする内燃機関の
    軸受。 2 前記耐摩耗性向上元素がマンガンであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の軸受。 3 前記耐摩耗性向上元素がビスマスであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の軸受。 4 前記耐摩耗性向上元素がニッケルであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の軸受。 5 前記耐摩耗性向上元素が銅であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の軸受。 6 前記耐摩耗性向上元素がカルシウムであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の軸受。 7 前記耐摩耗性向上元素がバリウムであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の軸受。8
    スズの含有量が10ないし14%、インジウム及びタ
    リウムからなる少なくとも1種の元素の含有量が0.5
    ないし5%、及び耐摩耗性向上元素の含有量が0.2な
    いし2%であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    ないし7項の何れか1つに記載の内燃機関軸受。 9 前記オーバレイ層と前記軸受基体の間に、銀及びニ
    ッケルからなる群より選択された少なくとも1種の元素
    を含むバリア層が形成されていることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の内燃機関軸受。 10 内燃機関のピストンからの爆発荷重を受けつつ潤
    滑油の供給下にて使用されるすべり軸受であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項ないし第9項のいずれか
    1つに記載の内燃機関軸受。 11 オーバレイ層の厚さが5ないし20ミクロンであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第10項記載の内燃
    機関軸受。 12 軸受基体が鋼材の軸受基体と、その上に形成され
    た銅又はアルミニウム合金のライニング層とからなるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第11項記載の内燃機関
    軸受。 13 内燃機関の軸受の製造方法において、該軸受の基
    体上に、インジウム及びタリウムからなる群から選択さ
    れた少なくとも1種の元素を含む層、及び鉛、スズと、
    マンガン、ビスマス、ニッケル、銅、カルシウム及びバ
    リウムからなる群から選択された少なくとも1種の耐摩
    耗性向上元素とを含む1以上の層を形成し、これらの層
    の間で元素の拡散が起こり、重量で、5ないし20%の
    スズと、0.05ないし10%のインジウム及びタリウ
    ムからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、
    0.05ないし5%のマンガン、ビスマス、ニッケル、
    銅、カルシウム及びバリウムからなる群から選択された
    少なくとも1種の耐摩耗性向上元素とを含み、残部が鉛
    と不純物からなる合金層を含むオーバレイ層が形成され
    る温度に、該層を加熱する段階を含むことを特徴とする
    内燃機関軸受の製造方法。 14 軸受の基体上に、少なくとも鉛及びスズを含む第
    1層を形成し、そしてこの第1層上にインジウム及び/
    又はタリウムを含む第2層を形成し、また第1層と第2
    層の間の元素の拡散が起こる温度にこれらの層を加熱す
    る段階を含むことを特徴とする特許請求の範囲第13項
    記載の内燃機関軸受の製造方法。 15 前記第1層を、鉛及びスズの他に前記耐摩耗性向
    上元素を含むメッキ層として形成することを特徴とする
    特許請求の範囲第14項記載の内燃機関軸受の製造方法
    。 16 前記耐摩耗性向上元素の群がカルシウム及びバリ
    ウムからなり、且つ微粉末の形態でメッキ浴に加えられ
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第15項記載の
    内燃機関軸受の製造方法。 17 前記微粉末が0.1ないし1ミクロンの径を有し
    、且つそのメッキ浴中の添加量が10ないし50g/l
    であることを特徴とする特許請求の範囲第16項記載の
    内燃機関軸受の製造方法。 18 前記耐摩耗性向上元素が銅であり且つメツキ浴中
    に溶解されていることを特徴とする特許請求の範囲第1
    5項記載の内燃機関軸受の製造方法。 19 前記第1層を、鉛及びスズからなるメッキ層とし
    て形成し、そして、前記第2層上に耐摩耗性向上元素を
    含む第3層を形成することを特徴とする特許請求の範囲
    第14項記載の内燃機関軸受の製造方法。 20 前記耐摩耗性向上元素の群がマンガン、ビスマス
    及びニッケルからなり、且つ第3層がメッキにより形成
    されることを特徴とする特許請求の範囲第19項記載の
    内燃機関軸受の製造方法。 21 前記第1層のメッキ後のスズ含有量が10%未満
    であることを特徴とする特許請求の範囲第13項ないし
    第20項のいずれか1つに記載の内燃機関軸受の製造方
    法。 22 オーバレイ層の合金層のスズ含有量が10%以上
    であり、前記第1層のスズ含有量では不足する該合金層
    のスズ含有量を補充するために、スズの附加メッキ層を
    第2層又は第3層の形成以降に形成することを特徴とす
    る特許請求の範囲第21項記載の内燃機関軸受の製造方
    法。 23 前記基体上に、銀及びニッケルからなる群から選
    択された少なくとも1種の元素からなる一層又は二層の
    バリアー層を形成し、この上に前記合金層を形成するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第13項ないし第22項
    のいずれか1つに記載の内燃機関軸受の製造方法。
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