JP3267227B2 - 原動機の回転数制御装置 - Google Patents

原動機の回転数制御装置

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JP3267227B2 JP01352798A JP1352798A JP3267227B2 JP 3267227 B2 JP3267227 B2 JP 3267227B2 JP 01352798 A JP01352798 A JP 01352798A JP 1352798 A JP1352798 A JP 1352798A JP 3267227 B2 JP3267227 B2 JP 3267227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械等に搭載
される原動機の回転数制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設機械として、例えば油圧ショベルに
は、車両の走行や、上部旋回体の旋回、さらにフロント
作業機構の作動等のために、油圧モータや油圧シリンダ
からなる油圧アクチュエータが装着されている。油圧ア
クチュエータに圧油を供給するために油圧ポンプが搭載
され、この油圧ポンプを駆動するための原動機としては
一般にディーゼルエンジンが用いられる。ここで、油圧
ショベルにあっては、土砂の掘削等を行う関係から、作
業時における負荷は著しく大きいが、作動中であっても
作業負荷が作用していない状態もある。例えば、土砂の
掘削時には、掘削土をダンプトラック等に積載するが、
ダンプトラックの入れ替え時等には作業負荷が作用せ
ず、また車両の走行時等におけるエンジンの負荷は作業
負荷と比較して極めて小さい。従って、エンジンの回転
数を設定した状態で、極めて軽い負荷しか作用しないか
または無負荷の状態、即ち実質的な無負荷運転の状態で
は、それを操作レバーの操作や回路内を流れる作動油の
圧力等で検出して、エンジンの回転数を設定値より下げ
てアイドリング状態として燃費の向上と騒音の低減とを
図るようにした、所謂オートアイドル機構を備えるのが
一般的である。従って、オートアイドル状態では回転数
が低下し、作業負荷が作用したことを検出した時点で、
エンジン1は設定された回転数での作動を開始する。
【0003】エンジンの回転数を制御するために、運転
室には指令手段が設けられる。この指令手段としてはア
クセルレバーが一般的であるが、操作つまみとこの操作
つまみの操作で出力電圧が変化するポテンショメータを
備えたダイアル式の指令手段も用いられる。また、通
常、油圧ショベル等の機械では原動機としてディーゼル
エンジンが用いられ、このエンジンの回転数に基づいて
燃料の噴射量を変化させるようになっている。このため
に、エンジンにはガバナ機構が付設される。従って、指
令手段によりエンジンの回転数を変化させた時には、そ
れに応じてガバナ機構による燃料噴射量が調整される。
【0004】そこで、図4にエンジンの回転数制御装置
の概略構成を示す。図中において、1はエンジン、2は
ガバナ機構、3はエンジンの回転数の制御操作を行う指
令手段をそれぞれ示す。指令手段3は目標とするエンジ
ン回転数を設定するためのものであって、制御性に優
れ、微小調整が可能である等の利点があるダイアル式の
指令手段が用いられる。ただし、アクセルレバーを用い
ることもできる。そこで、図5及び図6にダイアル式の
指令手段の構成を示す。指令手段3はケーシング4にポ
テンショメータ5を装着したものであって、このポテン
ショメータ5の軸5aには操作つまみ6が連結して設け
られている。従って、操作つまみ6の位置に応じた電圧
信号が出力され、これが目標回転数信号である。また、
ケーシング4の蓋体4aにはインジケータ7が設けられ
ており、オペレータはこのインジケータ7によりエンジ
ン1の回転数を認識できるようになっている。
【0005】既に説明したように、指令手段3によりエ
ンジン1の回転数を変化させるとガバナ機構2による燃
料噴射量の制御が行われるが、このために制御手段8を
備えており、指令手段3におけるポテンショメータ5か
らの目標回転数信号はこの制御手段8に取り込まれてガ
バナ機構2の制御が行われる。ガバナ機構2はガバナレ
バー9を有し、このガバナレバー9を回動させると、エ
ンジン1の目標回転数に応じた燃料噴射量となるよう
に、燃料噴射装置の噴射ポンプが制御される。ここで、
ガバナレバー9の可動範囲はストッパ10a,10bに
より規制されており、これにより設定可能なエンジン1
の最大回転数と最小回転数とが制限されることになる。
【0006】ガバナレバー9は、常時においては、最小
回転数状態となるように引っ張りばね11により付勢さ
れており、この付勢力に抗する方向にガバナレバー9を
回動させると、エンジン1の回転数が大きくなる。ガバ
ナレバー9を遠隔操作で回動するために、このガバナレ
バー9には操作ワイヤ12が連結して設けられ、この操
作ワイヤ12の他端には電動モータ13の出力軸に連結
して設けた駆動レバー14に連結されている。従って、
操作ワイヤ12及び駆動レバー14とそれを駆動する電
動モータ13とによりガバナレバー9の作動手段が構成
され、電動モータ13はガバナレバー9の回動駆動手段
となる。また、操作ワイヤ12の途中には、ガバナレバ
ー9の回動角の検出手段としてのポテンショメータ15
の入力軸に連結した検出レバー16が連結されており、
この操作ワイヤ12の押し引き量をガバナレバー9の回
動角に変換して、そのガバナレバー9の位置検出を行う
ように構成されている。
【0007】指令手段3によりエンジン1の目標回転数
が設定されると、その目標回転数信号が制御手段8に取
り込まれて、ガバナレバー9の現在の位置と比較して、
目標回転数と異なっている場合には、この制御手段8か
ら電動モータ13に制御信号が出力されて、この電動モ
ータ13が作動してガバナレバー9を目標回転数の状態
となるように回動変位させることになる。また、所定の
目標回転数が設定されている状態で機械が無負荷状態と
なると、エンジン1の回転数がアイドル状態の回転数に
まで低下するが、その後に、機械に作業負荷が作用する
と、同様にしてガバナレバー9が目標回転数の位置にま
で変位する。以上のような制御を行う制御手段8の具体
的な構成としては、例えば図7に示したようになってい
る。
【0008】図中において、20はマイクロコンピュー
タを示し、指令手段3を構成するポテンショメータ5の
目標回転数信号(アナログ電圧信号)がA/D変換器2
1を介して取り込まれるようになっている。また、ガバ
ナレバー9の現在の位置を検出するポテンショメータ1
5からのガバナレバー9の位置信号は増幅器22及びA
/D変換器23を介してマイクロコンピュータ20に取
り込まれるようになっている。そして、これら2つの信
号レベルがマイクロコンピュータ20で比較されて、そ
の間に偏差がある時には、その偏差分の信号が駆動信号
として出力される。この駆動信号はD/A変換器24に
よりアナログ信号に変換し、かつ増幅器25により増幅
して電動モータ13に駆動信号を入力して、正転または
逆転する方向に駆動する。また、電動モータ13からは
電圧−電流変換素子としての抵抗26を介して駆動状態
での電動モータ13の電流値を増幅器27及びD/A変
換器28を介してマイクロコンピュータ20にフィード
バックさせて、このマイクロコンピュータ20により電
動モータ13の作動状態が正常か否か等の検出が行われ
る。さらに、電動モータ13の正逆回転の切り換えは、
マイクロコンピュータ20からの信号に基づいて作動す
るスイッチ29により行われる。
【0009】指令手段3で設定した目標回転数がガバナ
レバー9の現在の位置でのエンジン1の回転数より小さ
い場合には、電動モータ13を例えば正転させて、操作
ワイヤ12を引っ張りばね11の付勢力に抗する方向に
引っ張ることによって、ガバナレバー9を図4の矢印A
方向に回動させる。そして、ポテンショメータ15によ
り検出されるガバナレバー9の位置に関する検出信号が
目標回転数信号と一致するまで電動モータ13を駆動し
て、ガバナレバー9を回動させる。また、目標回転数が
ガバナレバー9の現在の位置でのエンジン1の回転数よ
り小さい時には電動モータ13を逆転させて、操作ワイ
ヤ12を引っ張りばね11による引っ張り方向に戻すよ
うに作動させる。これによって、ガバナレバー9は矢印
Aとは反対方向に回動することになり、エンジン1の回
転数が低下する。そして、ポテンショメータ15による
検出信号が指令手段3からの目標回転数信号と一致する
と、電動モータ13による操作ワイヤ12の作動を停止
させ、これによってガバナレバー9は目標回転数に相当
する位置で静止する。
【0010】ここで、ガバナレバー9は操作ワイヤ12
を介して遠隔操作により駆動される関係等から、目標回
転数となる位置で厳格に停止させるのは極めて困難であ
り、目標回転数近傍まで絞り込まれると、電動モータ1
3が正逆転を繰り返す、所謂ハンチングを起こすことに
なる。この目標回転数近傍でのハンチングを防止するた
めに、マイクロコンピュータ20でその前後に所定の誤
差範囲を含む目標回転数範囲を予め設定しておき、指令
手段3により目標回転数が設定され、ガバナレバー9が
この目標回転数範囲内に入ると目標回転数となったもの
として、電動モータ13を停止させるようにする。これ
により、ガバナレバー9は迅速かつ確実に目標回転数ま
たはその許容誤差範囲内に入るようになり、ハンチング
の発生を防止できる。ガバナレバー9が一度目標回転数
範囲に入って静止しても、この目標回転数範囲を保持し
ておく。そして、機械が作動中で実質的な無負荷状態に
なり、エンジン回転数がアイドル状態の回転数にまで低
下した後に、再び作業負荷が作用した時には、ガバナレ
バー9は既に設定されている目標回転数範囲内に自動的
に復帰する。
【0011】ガバナレバー9の作動手段としては、この
ガバナレバー9に作用する引っ張りばね11と操作ワイ
ヤ12とであり、操作ワイヤ12は所定のばね定数17
を有する。そして、オートアイドル機構により状況に応
じて作業負荷による運転状態と無負荷運転状態とに切り
換わることから、エンジン1の回転数が頻繁に変化す
る。このために、ガバナレバー9の変位が繰り返される
ことから、引っ張りばね11のばね定数や、操作ワイヤ
12のばね定数が変化する。この結果、予め設定された
目標回転数範囲は適正な範囲ではなくなり、ガバナレバ
ー9の停止時にこの目標回転数範囲を抜け出す可能性が
ある。このために、目標回転数範囲を適宜設定し直す必
要があるが、この目標回転数範囲の抜け出し回数を計数
して、目標回転数範囲の設定範囲を自動的に調整するよ
うに構成したものが例えば特開平3−334039号公
報に提案されている。
【0012】ガバナレバー9が静止している状態でも、
目標回転数範囲が保持されているから、電動モータ13
の安定性が確保される。即ち、車両の振動等の原因で指
令手段3の操作つまみ6やガバナレバー9に僅かな振れ
が生じて、あたかも目標回転数が変更された状態になっ
たり、またポテンショメータ15の検出信号が変動する
ことがある。しかしながら、これらの変動が目標回転数
範囲内であれば、電動モータ13が作動することがない
ので、車両の振動等の外的要因に基づいて電動モータ1
3がハンチング状態で作動する等といった事態の発生を
防止できる。従って、前述した目標回転数範囲はまたガ
バナレバー9の静止状態での不感帯としての機能も発揮
させている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガバナレバ
ー9には引っ張りばね11が作用しており、エンジン1
の回転数を大きくする際には、図4に矢印Aで示した方
向にガバナレバー9を回動させるが、この時にはガバナ
レバー9は引っ張りばね11の付勢力に抗する方向に回
動する。逆に回転数を小さくする際には、ガバナレバー
9は矢印Aとは反対方向に回動するから、ガバナレバー
9は引っ張りばね11の付勢力の方向に回動する。
【0014】目標回転数範囲内に入った時にガバナレバ
ー9を停止させるとして、図8に示したように、現在の
ガバナレバー9が所定の位置にあり、この位置でのエン
ジン回転数がnであるとした場合において、現在の回転
数nから回転数をxにまで上げる場合と、回転数yにま
で下げる場合とを比較する。回転数x,yは目標回転数
であるから、制御手段8においては、目標値xに対して
は下限値xmin と上限値xmax とが、また目標値yに対
しては下限値ymin と上限値ymax とが与えられる。電
動モータ13によりガバナレバー9を作動させた時に、
これらの範囲内に入ったことがポテンショメータ15で
検出された時に、この電動モータ13によるガバナレバ
ー9の作動が停止するように制御される。具体的には、
回転数を上げる時には、目標値xに対して下限値xmin
を越えた段階でガバナレバー9が停止し、また回転数を
下げる際には、目標値yに対して上限値ymax 以下にな
るとガバナレバー9を停止させる。
【0015】既に説明したように、ガバナレバー9には
引っ張りばね11が作用しており、またガバナレバー9
と電動モータ13との間は操作ワイヤ12で連結されて
いる。従って、この引っ張りばね11の付勢力に抗する
方向である増速側では電動モータ13に対する負荷が大
きくなり、減速側では逆に電動モータ13の負荷が軽減
される。そこで、電動モータ13を停止させると、増速
側では迅速にガバナレバー9が静止するのに対して、減
速側ではガバナレバー9は増速側より静止に至るまでの
間に遅れが生じることになる。即ち、目標回転数がガバ
ナレバー9の現在の位置での回転数nより大きいxであ
る場合にはこの目標値xより手前の下限値xmin に近い
位置xstで停止し、目標回転数が小さいyである場合に
は目標値yを越して下限値ymin に近い位置ystで停止
する傾向にある。
【0016】即ち、ガバナレバー9の実際の停止位置は
目標回転数範囲のうち、目標回転数の位置より下限側と
なる結果、この目標回転数範囲にガバナレバー9の静止
時における不感帯として機能させると、範囲xmin 〜x
max ,ymin 〜ymax に対して下限側の幅が小さくなっ
て、十分な不感帯幅が得られず、また上限側では不感帯
幅が広くなり過ぎて回転数操作に対する感度が悪くな
り、増速方向で設定できる目標回転数が制約され、回転
数の微小調整ができなくなってしまう。特に、目標回転
数範囲を抜け出し回数に基づいて自動的に調整するよう
にした場合には、この目標回転数範囲は広がる傾向にあ
るから、ガバナレバー9の実際の停止位置と目標回転数
範囲の上限値との差がそれだけ大きくなって、指令手段
3による増速方向における回転数の微小調整等の操作性
が著しく低下する。とりわけ、ダイアル式の指令手段3
を用いる場合に、微小操作ができないことは、このダイ
アル式の指令手段3を用いる意義が失われることにな
る。そして、ダイアル式の指令手段3を用いる場合に、
その操作性の観点からは、ある程度軽い力で操作つまみ
6を回動できるようにすることが好ましいが、そうする
と車両の振動等で操作つまみ6が容易に動いてしまい、
特に減速方向における不感帯幅が狭いことから、この減
速側に操作つまみ6が僅かに振れただけで、指令手段3
からあたかも不感帯の下限値以下に目標回転数が設定さ
れたと同じ状態になって、電動モータ13が作動すると
いう不都合も生じる。
【0017】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、ガバナレバーの静止
時における不感帯の幅を最も適正な状態に設定できるよ
うにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、エンジン回転数を制御するための制
御信号を出力する指令手段と、この指令手段の指令によ
る目標回転数に応じて前記エンジンの燃料噴射量を変化
させるために、ガバナレバーと、このガバナレバーを所
定の範囲で変位させるガバナレバー作動手段とを有する
ガバナ機構と、前記指令手段から出力される目標回転数
信号に基づいてガバナレバーを所定の位置に変位するよ
うにガバナレバー作動手段の作動を制御する制御手段と
を備え、この制御手段には、前記指令手段からの目標回
転数に対して、この目標回転数を中心とした所定の幅を
有する目標回転数範囲を設定する目標回転数範囲設定手
段と、前記ガバナレバーが静止している時に、この静止
位置を中心とした所定の範囲の不感帯を設定する不感帯
設定手段とを備える構成としたことをその特徴とするも
のである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の一形態について説明する。ここで、エンジン回転数
制御装置の全体構成については、制御手段を除いて前述
した従来技術のものと格別の差異はないので、同一また
は均等な構成要素については、それと同じ符号を用い
て、その説明は省略する。
【0020】而して、図1において、指令手段3からの
出力信号に基づいて、電動モータ13の作動を制御する
ための制御手段30としては、目標回転数範囲設定部3
1と、不感帯設定部32とを備えており、これら以外の
構成については、図7の構成と同様であるから、同一ま
たは均等な部材については同一の符号を付す。ここで、
目標回転数範囲設定部31は、電動モータ13により駆
動されてガバナレバー9が変位して、このガバナレバー
9が目標回転数の位置でガバナレバー9が停止する際に
おける電動モータ13のハンチング防止を図るための範
囲を設定するものである。また、不感帯設定部32は、
ガバナレバー9がある位置で静止している時に、機械の
振動等で指令手段3における操作つまみ6やガバナレバ
ー9が多少振れても、電動モータ13を停止状態に保持
して、この電動モータ13の安定を図るものであって、
ガバナレバー9の静止位置を基準とした所定幅の不感帯
幅を設定するためのものである。
【0021】而して、ガバナレバー9を変位させるガバ
ナレバー作動手段は、電動モータ13を駆動源として押
し引き操作される操作ワイヤ12とガバナレバー9に作
用している引っ張りばね11とから構成されるから、こ
のガバナレバー9を変位させている間に、所定の位置で
電動モータ13を停止させても、操作ワイヤ12には引
っ張りばね11の負荷が作用しており、しかも操作ワイ
ヤ12自体は所定のばね定数17を持っている等の理由
で、ガバナレバー9は正確に一定の位置で停止しない。
目標回転数範囲設定部31により設定されている目標回
転数範囲は、目標回転数に対する停止精度の誤差範囲を
定めたものであって、これによりガバナレバー9の停止
精度に基づくハンチングの発生防止が図られる。
【0022】この目標回転数範囲は停止精度における誤
差範囲であるから、その範囲はできるだけ狭くする方が
好ましいが、目標回転数範囲を狭くし過ぎると、ハンチ
ングが発生する可能性が高くなる。また、繰り返しの作
動により予め設定した目標回転数範囲が適正なものでな
くなる可能性があるので、実際にこの目標回転数範囲を
抜け出した時には、この抜け出し回数を検出して、自動
的に目標回転数範囲を調整できるようにすることもでき
る。
【0023】以上のように、ガバナレバー9はこの目標
回転数範囲内で停止するが、実際の停止位置はこの範囲
内で変化する。既に説明したように、通常は、目標回転
数の位置よりガバナレバー9に対する引っ張りばね11
による付勢方向に片寄った位置になる。それであって
も、ガバナレバー9が停止する際におけるハンチング防
止機能は達成でき、迅速かつ確実に指令されたエンジン
回転数に相当する位置またはその誤差範囲内の位置でガ
バナレバー9を停止させることができる。
【0024】これに対して、不感帯設定部32では、ガ
バナレバー9が静止している状態での不感帯が設定され
ている。この不感帯の必要性としては、エンジン1によ
り機械が作動している間に振動等に起因して指令手段3
における操作つまみ6やガバナレバー9等が振れる等の
外的要因によりポテンショメータ5,15の出力信号が
微小変化しても、電動モータ13がみだりに作動するの
を防止するためのものである。この静止状態での不感帯
の幅は、目標回転数範囲とは独立に不感帯設定部32に
設定しておく。
【0025】ガバナレバー9は目標回転数範囲内の位置
にあるにしてもその停止位置は不定であるために、目標
回転数範囲とは別個に、ガバナレバー9の静止位置にお
ける不感帯を設定する。この静止位置での不感帯は、ガ
バナレバー9の静止位置をポテンショメータ15で検出
して、このガバナレバー9の位置を中心として、その両
側に所定の範囲を設定する。この不感帯の幅はガバナレ
バー9及び指令手段3の操作つまみ6の振動等による動
きの幅を基準として必要でありかつ最小限に設定する。
不感帯の幅を必要以上広くすると、指令手段3による回
転数の微小制御を行えなくなりその操作性が悪くなる。
一方、不感帯の幅を狭くし過ぎると、車両の振動等によ
り電動モータ13が作動してしまうので好ましくはな
い。
【0026】今、図2で示したように、ガバナレバー9
が所定の位置にあり、この時の回転数がある値Nであっ
たとして、このガバナレバー9の回転数Nを目標回転数
XTにまで上げる場合には、この目標回転数XTに対し
て目標回転数範囲設定部31により目標回転数範囲の上
限値XTmin と下限値XTmax とが与えられる。そし
て、電動モータ13の作動により、ガバナレバー9が回
動変位して、ガバナレバー9が下限位置XTmin に至る
と、この電動モータ13を停止させる。ただし、ガバナ
レバー9はその位置で直ちに停止するのではなく、下限
位置XTmin を越えて移動することになる。ただし、目
標回転数範囲はハンチング防止を図るための範囲である
から、通常は、それと上限位置XTmax に至るまでの間
の位置Xstで停止する。
【0027】また、指令手段3でエンジン回転数を回転
数YTにまで下げる場合には、この目標回転数YTに対
して、目標回転数範囲の上限値YTmin 及び下限値YT
maxが目標回転数範囲設定部31により設定される。そ
こで、電動モータ13が作動して、ガバナレバー9が上
限位置YTmax の位置にまで変位して、その状態で電動
モータ13が停止する。ただし、実際にガバナレバー9
が停止するのは、前述と同様、上限位置YTmax を過ぎ
て下限位置YTmin に至るまでの間のいずれかの位置Y
stであり、その位置は一定ではない。
【0028】ガバナレバー9が位置NX または位置NY
で静止すると、これらの位置NX ,位置NY を中心とし
て、それぞれ等しい幅を有する上限値XSmax ,YS
max 及び下限値XSmin ,YSmin からなる不感帯が与
えられる。従って、ポテンショメータ15の検出信号が
以上の不感帯範囲において上限側に近い位置で停止しよ
うと、下限側に近い位置で停止しようと、静止状態で
は、上限側にも、また下限側にも等しい範囲の不感帯が
与えられる。
【0029】以上のように、指令手段3により目標回転
数が与えられている状態で、ガバナレバー9が動くと、
制御手段30から目標回転数設定部31から目標回転数
範囲が読み出されて、この目標回転数に対して上限値と
下限値とが設定される。そして、指令手段3で目標回転
数が変更されない限りは、目標回転数範囲は一定の状態
に保持される。一方、ガバナレバー9が静止している
と、不感帯設定部32から不感帯の上限値及び下限値を
読み出して、ガバナレバー9の当該位置を基準とした不
感帯が設定される。即ち、ガバナレバー9が動いている
時には目標回転数範囲が設定され、静止している時には
不感帯が設定された状態になる。このガバナレバー9の
状態はポテンショメータ15の出力変動に基づいて検出
される。ただし、ガバナレバー9は機械の振動の影響で
微小振動する可能性があるから、この程度の微小な動き
を排除するために、動き検出に所要の時間幅を持たせる
のが好ましい。従って、一定の時間を定めて、この時間
内でポテンショメータ15の出力が実質的に変動したか
どうかで判定できる。
【0030】そこで、以上の動作を図3のフローチャー
ト図に基づいて説明する。エンジン1の起動中は、指令
手段3が所定の位置にあるから、常に目標回転数が与え
られた状態となっている。従って、ガバナレバー9が動
くのは、指令手段3により目標回転数を変えた時と、オ
ートアイドル機構が作動して、目標回転数より低速の例
えば、アイドル状態でエンジン1が作動している状態か
ら、作業負荷作動状態に変わった時とである。いずれに
しろ、指令手段3のポテンショメータ5とガバナレバー
9の現在位置を表示するポテンショメータ15との信号
レベルが一致しない時には、オートアイドル機構が作動
していない限り、両信号レベルが一致するように、電動
モータ13が作動する。
【0031】以上のことを条件として、まずガバナレバ
ー9が動いているか否かの検出が行われる(ステップ
1)。ここで、ガバナレバー9の動きとしては、機械の
振動等により微小な動きを排除して、設定された目標回
転数の位置に向けての動きであり、ポテンショメータ1
5からの信号に基づいて動きの検出が行われる。ガバナ
レバー9の動きが開始すると、まず指令手段3により設
定されている目標回転数が読み取られる(ステップ
2)。次いで、ステップ3において、目標回転数範囲が
目標回転数範囲設定部31から読み出されて、目標回転
数に対して目標回転数範囲が設定される(ステップ
3)。ここで、目標回転数範囲は目標回転数を中心とし
て増速側及び減速側で同じに設定しても良く、また異な
る値に設定することもできる。ガバナレバー9が動く前
には不感帯が設定されているから、この目標回転数範囲
の設定と共にこの不感帯をクリアする。この結果、ポテ
ンショメータ15の電圧が変化する。このポテンショメ
ータ15の出力電圧は、指令手段3で目標回転数を与え
ることによって、ポテンショメータ5の操作つまみ6の
位置に基づいて生じている電圧と比較して、目標回転数
範囲となったか否かが判断され(ステップ4)、目標回
転数範囲に到達するまでは電動モータ13の作動が継続
する。ポテンショメータ15によって目標回転数範囲に
入ったことが検出されると、電動モータ13の作動を停
止する(ステップ5)。ポテンショメータ15によりガ
バナレバー9が実質的に静止状態になった時にその位置
を検出して、停止位置が目標回転数範囲内であるか否か
を判定し(ステップ6)、目標回転数範囲内であれば、
その静止位置を検出する(ステップ7)。一方、電動モ
ータ13の停止時に、ガバナレバー9が目標回転数範囲
外で静止すれば、電動モータ13を再起動する(ステッ
プ8)。なお、この目標回転数範囲外での停止、即ち目
標回転数範囲からの抜け出しがあればその回数を計数し
て、抜け出しが所定回数以上となると、目標回転数範囲
の自動調整を行うことができる。そして、ガバナレバー
9が目標回転数範囲内で静止し、ガバナレバー9の位置
がポテンショメータ15からの信号に基づいて検出され
ると、このガバナレバー9の位置において、不感帯の上
限値と下限値とが不感帯設定部32から読み出されて、
ガバナレバー9の位置に応じて所定の幅の不感帯が設定
されると共に目標回転数範囲がクリアされて(ステップ
9)、ステップ1に戻る。この場合において、不感帯の
幅は増速側及び減速側が共に同じに設定しても良く、ま
た異なる幅に設定することもできる。そして、電動モー
タ13に動きがない限り、不感帯の設定状態に保持され
る(ステップ10)。
【0032】このように、電動モータ13が作動する
と、ガバナレバー9を目標回転数範囲内に入るように制
御され、またガバナレバー9が目標回転数範囲内に入
り、実質的に静止状態になると、目標回転数とは無関係
に、静止したガバナレバー9の位置を基準とした不感帯
が設定される。従って、目標回転数範囲の一方に偏寄し
た位置で静止していたとしても、また目標回転数範囲が
自動調整により多少広く設定されるようになっても、ガ
バナレバー9の静止時には、それとは無関係に、静止時
に必要な幅の不感帯を持たせることができる。これによ
って、目標回転数を再度変化させる際に、その目標回転
数が不感帯の幅を越えるものである限り、微小な変化を
行わせることができ、しかも増速方向でも、また減速方
向でも設定可能な目標回転数は変わらない。また、操作
つまみ6が振動等に起因して僅かに回動しても、みだり
に電動モータ13が作動することがなく、外的要因によ
り電動モータ13及びガバナレバー9の安定性が損なわ
れるおそれもない。
【0033】ここで、目標回転数範囲と不感帯とはそれ
ぞれ独立に設定されるようになっているから、それぞれ
の機能上必要な幅を持たせるが、この幅は同じであって
も、またそれぞれ別個の幅を有するように設定すること
も可能である。目標回転数範囲と不感帯との幅を同じに
しても、不感帯はガバナレバー9の位置を基準として設
定されるから、増速方向にも、また減速方向にも同じ幅
に設定できる。さらに、ガバナレバー9には引っ張りば
ね11が作用しているので、目標回転数範囲及び不感帯
をこの引っ張りばね11の付勢力が作用する方向と付勢
力に沿う方向との間で幅を変える等の設定も自由に行え
る。なお、指令手段としては、ダイアル式のものとした
が、アクセルレバーその他の手段で構成することもでき
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、目標回
転数範囲と不感帯とを別個に設定し、かつ指令手段で設
定された目標回転数範囲内でガバナレバーが静止した時
に、目標回転数範囲に代えて、このガバナレバーの静止
位置を基準として不感帯を設定するようにしたので、ガ
バナレバーの静止時における不感帯の幅を最も適正な状
態に設定できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すエンジン回転数制
御装置の構成説明図である。
【図2】ガバナレバーの作動説明図である。
【図3】ガバナレバーの作動制御を行うフローチャート
図である。
【図4】従来技術によるエンジン回転数制御装置の構成
説明図である。
【図5】指令手段の平面図である。
【図6】指令手段の側面図である。
【図7】制御手段の回路図である。
【図8】従来技術によるガバナレバーの作動説明図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 ガバナ
機構 3 指令手段 5 ポテン
ショメータ 11 引っ張りバネ 12 操作
ワイヤ 13 電動モータ 14 駆動
レバー 15 ポテンショメータ 16 検出
レバー 20 マイクロコンピュータ 30 制御
手段 31 目標回転数範囲設定部 32 不感
帯設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 浩史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 平4−314939(JP,A) 特開 平9−166036(JP,A) 特開 昭63−71542(JP,A) 特開 平8−334039(JP,A) 特開 平4−124434(JP,A) 実開 昭60−143140(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 1/02 311 F02D 1/08 F02D 31/00 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転数を制御するための制御信
    号を出力する指令手段と、この指令手段の指令による目
    標回転数に応じて前記エンジンの燃料噴射量を変化させ
    るために、ガバナレバーと、このガバナレバーを所定の
    範囲で変位させるガバナレバー作動手段とを有するガバ
    ナ機構と、前記指令手段から出力される目標回転数信号
    に基づいてガバナレバーを所定の位置に変位するように
    ガバナレバー作動手段の作動を制御する制御手段とを備
    え、この制御手段には、前記指令手段からの目標回転数
    に対して、この目標回転数を中心とした所定の幅を有す
    る目標回転数範囲を設定する目標回転数範囲設定手段
    と、前記ガバナレバーが静止している時に、この静止位
    置を中心とした所定の範囲の不感帯を設定する不感帯設
    定手段とを備える構成としたことを特徴とする原動機の
    回転数制御装置。
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