JP3266988B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP3266988B2
JP3266988B2 JP15191493A JP15191493A JP3266988B2 JP 3266988 B2 JP3266988 B2 JP 3266988B2 JP 15191493 A JP15191493 A JP 15191493A JP 15191493 A JP15191493 A JP 15191493A JP 3266988 B2 JP3266988 B2 JP 3266988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた耐熱性を有する熱
可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、産業上用いられている熱可塑性エ
ラストマー(以下TPEと略すことがある)はソフトセ
グメントとハードセグメントのブロック共重合体からな
るTPEおよびエラストマーアロイと称される部分架橋
ゴムとそれと相分離したプラスチックからなるTPEに
大別される。前者としてはポリテトラメチレングリコー
ルの脂肪族ポリエーテル部分とポリエチレンテレフタレ
ートのようなポリエステル部分とからなるポリエステル
エラストマーと称されるブロック共重合体や、脂肪族ポ
リエーテル部分とポリドデカノラクタム等のポリアミド
部分からなるポリアミドエラストマーと称されるブロッ
ク共重合体が知られている。また、後者としてはポリプ
ロピレンとエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体
のアロイにおいて動的加硫したエラストマーアロイ等が
知られている。しかしながら、ソフトセグメントとハー
ドセグメントのブロック共重合体からなるTPEは、比
較的硬いエラストマーしかできず、またこれらTPEは
それほど高い耐熱性を有しているわけではない。また、
エラストマーアロイは柔らかいTPEまで作ることが可
能であるが、耐熱性がかなり低いのが実状である。主鎖
の原料がガラス転移温度が10℃以下のポリマーであ
り、側鎖の原料が流動温度が100℃以上の芳香族オリ
ゴマーであるグラフト共重合体は優れた耐熱性を有する
熱可塑性エラストマーである。該熱可塑性エラストマー
の流動性をさらに改良したものが本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物である。
【0003】
【課題を解決するための手段】このような事情をみて、
本発明者らは鋭意研究の結果、該熱可塑性グラフト共重
合体99〜60重量%に対し分子量35000以下のポ
リアミド1〜40重量%とからなる樹脂組成物が流動性
に優れた熱可塑性エラストマーとなることを見い出し本
発明を完成させるに至った。
【0004】すなわち、本発明は、主鎖の原料がガラス
転移温度10℃以下のポリマーであり、側鎖の原料が下
記で定義された流動温度100℃以上の芳香族オリゴマ
ーである熱可塑性グラフト共重合体99〜60wt%と
ポリアミド1〜40wt%からなる熱可塑性エラストマ
ー組成物に関するものである。 流動温度:4℃/分の昇温速度で加熱溶融し100kg
/cm2 の荷重において内径1mm、長さ10mmのノ
ズルより押出したときに該溶融粘度が48000ポイズ
を示す温度。
【0005】本発明で用いられる熱可塑性グラフト共重
合体を構成する主鎖(幹ポリマー)としては、そのガラ
ス転移温度(以下Tgと略すことがある。)が10℃以
下、好ましくは0℃以下、特に好ましくは−10℃以下
のものである。ここでガラス転移温度とは示差走査熱量
計(DSC)において10℃/分の昇温速度で吸熱が観
測される二次転移点である。該主鎖(幹ポリマー)のガ
ラス転移温度が10℃を越えると常温以上の使用温度範
囲において本発明の熱可塑性エラストマー組成物がゴム
弾性を示さなくなるため好ましくない。
【0006】本発明で用いられる熱可塑性グラフト共重
合体を構成する、Tgが10℃以下の主鎖(幹ポリマ
ー)としては、アクリル酸エステル重合体、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、クロルスル
ホン化ポリエチレンなどのホモポリマー;スチレン・ブ
タジエン共重合体およびその水添物、スチレン・イソプ
レン共重合体およびその水添物、エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、ア
クリロニトリル・ブタジエン共重合体およびその水添
物、エチレン・アクリル酸エステル共重合体などのラン
ダム共重合体;ポリオルガノシロキサンおよびポリフォ
スファーゼン等が挙げられる。さらに、上述したホモポ
リマー、ランダム共重合体などを構成するモノマーと共
重合可能な不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合
体も用いることができる。 ただし、いずれの共重合体に
おいてもTgが10℃以下となるように共重合組成を制
御しなければならない。ここで、アクリル酸エステル重
合体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシル
アクリレート等の重合体が挙げられる。また、エチレン
・プロピレン・ジエン共重合体としては、エチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン
・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体およびエ
チレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体な
どが挙げられる。
【0007】本発明で用いられる熱可塑性グラフト共重
合体を構成する側鎖の芳香族オリゴマーは流動温度が1
00℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましく
は170℃以上の芳香族オリゴマーである。さらに、該
芳香族オリゴマーの流動温度は400℃以下、好ましく
は350℃以下、さらに好ましくは300℃以下がよ
い。
【0008】該芳香族オリゴマーの流動温度が100℃
より低いときには、得られる熱可塑性エラストマー組成
物においてゴム弾性を示す温度範囲が狭くなる、すなわ
ち該熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性が十分でなく
なるので好ましくない。
【0009】本発明で用いられる熱可塑性グラフト共重
合体を構成する、流動温度が100℃以上の芳香族オリ
ゴマーとは主骨格にベンゼン環を有するオリゴマーであ
り、好ましくは一般式化1で表される構造単位を50重
量%以上、好ましくは60重量%以上含むオリゴマーで
ある。
【化1】 (式中、XはO,Sから選ばれ、1つのオリゴマー中に
Oを含む構造単位とSを含む構造単位を同時に含んでも
よい。
【0010】Arは一般式化2、化3、化4から選ばれ
る。
【化2】
【化3】
【化4】
【0011】ここでR1 、R2 は炭素数1〜3のアルキ
ル基およびフェニル基から選ばれ、R1 、R2 は同一で
も異なった基でもよい。1つのベンゼン環に異なった基
がついてもよい。p、qは0〜2の整数である。)
【0012】該オリゴマーの数平均重合度は好ましくは
2〜10、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは4
〜7である。
【0013】該オリゴマーは数平均分子量が300〜1
500の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは
400〜1000の範囲である。数平均分子量が300
未満であると該重縮合体が熱分解されやすくなり、また
流動温度が著しく低下し、得られるグラフト共重合体の
耐熱性が低下するため好ましくなく、また数平均分子量
が1500を越えると、流動温度が該オリゴマーの熱分
解温度に近くなり、得られる熱可塑性エラストマー組成
物の成形性が悪くなるため好ましくない。
【0014】なお、主としてヒドロキシアリールカルボ
ン酸重合体からなる該オリゴマーはその融点等の性質を
制御するために、ヒドロキシアルキルカルボン酸、 アミ
ノアルキルカルボン酸、アミノアリールカルボン酸等の
単量体が重縮合された構造及び単官能のカルボン酸化合
物、フェノール化合物、及びアミノ化合物が縮合された
構造を含んでよい。
【0015】本発明の熱可塑性エラストマー組成物がゴ
ム弾性を示す理由は、該組成物を構成するグラフト共重
合体の側鎖の芳香族オリゴマーがグラフト共重合体の中
でハードセグメントとして機能して、ミクロドメイン構
造を形成し、物理架橋点となるためと推定される。しか
しながら、この推定は本発明を何ら限定するものではな
い。
【0016】本発明で用いられる熱可塑性グラフト共重
合体におけるガラス転移温度が10℃以下のポリマーと
流動温度が100℃以上の芳香族オリゴマーの比は、好
ましくは(99〜50重量%)/(1〜50重量%)、
さらに好ましくは(97〜65重量%)/(3〜35重
量%)である。
【0017】ガラス転移温度が10℃以下のポリマーが
99重量%を越えると得られる熱可塑性エラストマー組
成物が室温以上の温度範囲において、はなはだしく塑性
変形を起こすため好ましくなく、50重量%未満ではゴ
ム弾性を示しにくくなるため好ましくない。
【0018】該グラフト共重合体は単独において熱可塑
性エラストマーとしての使用が可能であるが、ポリアミ
ドを該グラフト共重合体とブレンドすることにより熱可
塑性エラストマーとしての性質を損なうことなく、溶融
流動性を向上させることが可能となり成形性を向上させ
ることができる。
【0019】本発明で用いられるポリアミドとしては、
下記一般式化5または化6で表されるものである。
【化5】
【化6】 (式中、R3 、R4 、R5 は炭素数5〜11のアルキレ
ン基である。)なお、化5で表されるポリアミドとし
て、R3 が互いに異なる炭素数5〜11のアルキレン基
である2つ以上の繰り返し構造単位からなる共重合体も
含むものとする。同様に、化6で表されるポリアミドと
して、R4 が、それぞれ異なり、R5 がそれぞれ異なる
炭素数5〜11のアルキレン基である2つ以上の繰り返
し構造単位からなる共重合体も含むものとする。ポリア
ミドの数平均分子量は1000以上35000以下が好
ましい。さらに好ましくは5000以上20000以下
である。ポリアミドの数平均分子量が1000未満で
は、分解を受けやすくなり、35000を超えると溶融
粘度が高くなるため好ましくない。ポリアミドの融点は
溶融混練時に十分溶融させるため、また成形性を良くす
るため280℃以下が好ましく、さらに好ましくは26
0℃以下である。
【0020】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物を構成する熱可塑性グラフト共重合体とポリアミドの
組成比は、(99〜60重量%)/(1〜40重量%)
であり、さらに好ましくは(99〜80重量%)/(1
〜20重量%)であり、特に好ましくは(95〜90重
量%)/(5〜10重量%)である。グラフト共重合体
が99重量%を越えると、溶融流動性が不充分なため好
ましくなく、60重量%未満では著しく硬度が増大し、
得られる熱可塑性エラストマー組成物がゴム弾性を示さ
なくなるため好ましくない。
【0021】さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物には適宜カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウ
ム、マイカ、ケイソウ土、亜鉛華、塩基性炭酸マグネシ
ウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、ガ
ラス繊維、シリカアルミナ繊維等の充填剤、可塑剤、老
化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上
剤、スコーチ防止剤および粘着付与剤等を任意に配合し
て用いることができる。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構
成する熱可塑性グラフト共重合体を製造する方法として
は、ガラス転移温度が10℃以下でかつカルボキシル基
と反応しうる官能基を有する重合体と流動温度が100
℃以上でかつ片末端にカルボキシル基を有する芳香族オ
リゴマーとを反応させる方法が挙げられる。このカルボ
キシル基と反応しうる官能基としては好ましくはエポキ
シ基、イソシアネート基、水酸基、アセトキシ基が挙げ
られる。特に好ましくはエポキシ基が挙げられる。
【0023】上記エポキシ基を含有する重合体として
は、メチルアクリレート・グリシジルメタクリレート共
重合体、エチルアクリレート・グリシジルメタクリレー
ト共重合体、プロピルアクリレート・グリシジルメタク
リレート共重合体、ブチルアクリレート・グリシジルメ
タクリレート共重合体、ヘキシルアクリレート・グリシ
ジルメタクリレート共重合体、ドデシルアクリレート・
グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
【0024】さらに、メチルアクリレート・グリシジル
スチレン共重合体、エチルアクリレート・グリシジルス
チレン共重合体、プロピルアクリレート・グリシジルス
チレン共重合体、ブチルアクリレート・グリシジルスチ
レン共重合体、ヘキシルアクリレート・グリシジルスチ
レン共重合体、ドデシルアクリレート・グリシジルスチ
レン共重合体等が挙げられる。
【0025】さらに、メチルアクリレート・N−〔4−
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5ジメチルベン
ジル] アクリルアミド共重合体、エチルアクリレート・
N−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3, 5ジ
メチルベンジル〕アクリルアミド共重合体、プロピルア
クリレート・N−〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,5ジメチルベンジル〕アクリルアミド共重合
体、ブチルアクリレート・N−〔4−(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3, 5ジメチルベンジル〕アクリルア
ミド共重合体、ヘキシルアクリレート・N−〔4−
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5ジメチルベン
ジル〕アクリルアミド共重合体、ドデシルアクリレート
・N−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5
ジメチルベンジル〕アクリルアミド共重合体等が挙げら
れる。
【0026】さらに、アクリロニトリル・ブタジエン・
グリシジルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル
・ブタジエン・グリシジルスチレン共重合体、アクリロ
ニトリル・ブタジエン・N−〔4−(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,5ジメチルベンジル] アクリルアミ
ド共重合体等が挙げられる。
【0027】さらに、エチレン・酢酸ビニル・グリシジ
ルメタクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル・グ
リシジルスチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル・N
−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5ジメ
チルベンジル〕アクリルアミド共重合体等が挙げられ
る。
【0028】さらに、エチレン・メチルアクリレート・
グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン・エチル
アクリレート・グリシジルメタクリレート共重合体、エ
チレン・プロピルアクリレート・グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート・グリシ
ジルメタクリレート共重合体、エチレン・ヘキシルアク
リレート・グリシジルメタクリレート共重合体、エチレ
ン・ドデシルアクリレート・グリシジルメタクリレート
共重合体等が挙げられる。
【0029】さらに、エチレン・メチルアクリレート・
グリシジルスチレン共重合体、エチレン・エチルアクリ
レート・グリシジルスチレン共重合体、エチレン・プロ
ピルアクリレート・グリシジルスチレン共重合体、エチ
レン・ブチルアクリレート・グリシジルスチレン共重合
体、エチレン・ヘキシルアクリレート・グリシジルスチ
レン共重合体、エチレン・ドデシルアクリレート・グリ
シジルスチレン共重合体等が挙げられる。
【0030】さらに、エチレン・メチルアクリレート・
N−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5ジ
メチルベンジル〕アクリルアミド共重合体、エチレン・
エチルアクリレート・N−〔4−(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,5ジメチルベンジル〕アクリルアミド
共重合体、エチレン・プロピルアクリレート・N−〔4
−(2, 3−エポキシプロポキシ)−3,5ジメチルベ
ンジル] アクリルアミド共重合体、エチレン・ブチルア
クリレート・N−〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ) −3,5ジメチルベンジル〕アクリルアミド共重合
体、エチレン・ヘキシルアクリレート・N−〔4−
(2,3−エポキシプロポキシ)−3, 5ジメチルベン
ジル〕アクリルアミド共重合体、エチレン・ドデシルア
クリレート・N−〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,5ジメチルベンジル〕アクリルアミド共重合
体等が挙げられる。
【0031】さらに、スチレン・ブタジエン・グリシジ
ルメタクリレート共重合体、スチレン・ブタジエン・グ
リシジルスチレン共重合体、スチレン・ブタジエン・N
−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5ジメ
チルベンジル] アクリルアミド共重合体等の各種共重合
体が挙げられる。これら各種共重合体は通常よく知られ
たラジカル重合により得ることができる。
【0032】本発明に使用の、流動温度が100℃以
上、好ましくは150℃以上で、かつ片末端にカルボキ
シル基を有する芳香族オリゴマーは好ましくは下記一般
式化7で表されるものである。
【化7】
【0033】(式中、XはO、Sから選ばれ、1つのオ
リゴマー中にOを含む構造単位とSを含む構造単位を同
時に含んでもよい。nは数平均で2〜10である。
【0034】R10は炭素数5以上のアルキル基または炭
素数6以上のアリール基もしくはアラルキル基である。
Arは一般式化8、化9、化10から選ばれる。
【化8】
【化9】
【化10】
【0035】ここでR1 、R2 は炭素数1〜3のアルキ
ル基およびフェニル基から選ばれ、R1 とR2 は同一で
も異なった基でもよい。同一のベンゼン環に異なった置
換基がついてもよい。p、qは0〜2の整数である。)
【0036】また上記オリゴマーには炭素数2〜6のヒ
ドロキシカルボン酸を共重合して用いることも可能であ
る。上に示した片末端にカルボキシル基を有する芳香族
オリゴマーの数平均分子量は300〜1500の範囲で
あることが好ましく、R10、R1 、R2 、Arの選択種
により、数平均重合度は好ましくは2〜10、さらに好
ましくは3〜8、特に好ましくは4〜7である。
【0037】ヒドロキシアリールカルボン酸重合体は、
ヒドロキシアリールカルボン酸、および場合によっては
それと少量の共重合可能なモノマー、例えば炭素数2〜
6のヒドロキシアルキルカルボン酸、アミノアルキルカ
ルボン酸、アミノアリールカルボン酸、単官能のフェノ
ール化合物、カルボン酸化合物、アミノ化合物等を原料
として重縮合体を生成する方法であればどんな方法でも
よいが、次の方法により製造することが好ましい。
【0038】即ち、ヒドロキシアリールカルボン酸に無
水酢酸、アセチルクロライド等のアセチル化剤を添加、
加熱、攪拌することによりアセトキシアリールカルボン
酸を得る。上記反応において無水酢酸でヒドロキシアリ
ールカルボン酸等をアセチル化する場合、その反応は1
00℃以上で15分以上行うことにより、またアセチル
クロライドによる反応においては室温以上で30分以上
行うことによりアセチル化が達成される。いずれの反応
においても無水酢酸、アセチルクロライドは反応させる
べき水酸基モル数に対して過剰に、好ましくは1.1倍
程度加えることが好ましい。アセチル化が終了した後、
系内を昇温、攪拌しながら脱酢酸することにより重縮合
反応を進行させる。系内の温度は好ましくは200℃以
上にする必要がある。数平均分子量は留去する酢酸の量
により制御可能であり、目的とする重合度に制御するた
めには、仕込んだヒドロキシアリールカルボン酸等のモ
ノマーの量と留去すべき酢酸量を計算することが必要で
ある。なお、メルカプトアリールカルボン酸を含む芳香
族オリゴマーも前記に準じて製造できる。
【0039】また得られた芳香族オリゴマーはその熱安
定性を向上させる目的からメタノール、エタノール、ア
セトン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、
クロロホルム、ピリジン等の溶媒で洗浄し、モノマー、
ダイマーを除去することが望ましい。
【0040】片末端にカルボキシル基を有する芳香族オ
リゴマーは、炭素数5以上、好ましくは5〜20のアル
キル基または炭素数6以上、好ましくは6〜15のアリ
ール基を有するモノカルボン酸とヒドロキシアリールカ
ルボン酸と必要に応じ炭素数2〜6のヒドロキシカルボ
ン酸の混合物を、先に述べた、主としてヒドロキシアリ
ールカルボン酸重合体の製造方法と同様にして、無水酢
酸もしくはアセチルクロライドによりアセチル化した
後、脱酢酸することにより、重縮合体を得ることができ
る。この反応ではモノカルボン酸とヒドロキシカルボン
酸のモル比により数平均分子量が決定される。
【0041】また、得られた片末端にカルボキシル基を
有するオリゴマーは先に述べたことと同様にメタノー
ル、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、N−
メチルピロリドン、クロロホルム、ピリジン等の溶媒で
洗浄することが好ましい。
【0042】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
Tgが10℃以下でかつカルボキシル基と反応しうる官
能基を有する重合体と、流動温度が100℃以上でかつ
片末端にカルボキシル基を有する芳香族オリゴマーを反
応させることによりグラフト共重合体を得た後、該グラ
フト共重合体とポリアミドを混合することにより、ある
いはTgが10℃以下でかつカルボキシル基と反応しう
る官能基を有する重合体とポリアミドを混合した後に該
混合物と流動温度が100℃以上でかつ片末端にカルボ
キシル基を有する芳香族オリゴマーを反応させることに
より、あるいはTgが10℃以下でかつカルボキシル基
と反応しうる官能基を有する重合体と流動温度が100
℃以上でかつ片末端にカルボキシル基を有する芳香族オ
リゴマーとポリアミドを一括で混合反応させることによ
り得ることができる。反応および/または混合の方法は
特に限定されるものではないが、好ましくは溶融混練に
より反応および/または混合させる方法が挙げられる。
【0043】この溶融混練は、混練時に系内に存在する
ポリマーの溶融温度(芳香族オリゴマーでは流動温度、
ポリアミドであれば融点)のうち高い方の溶融温度以上
で通常の混練機を用いて行うことができる。混練機とし
ては、バンバリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機、
ロール、ニーダー等の高温で高剪断力をかけられるもの
であればどのような装置を用いてもかまわない。
【0044】反応もしくは混合温度は混練時に系内に存
在するポリマー種のうち最も高い溶融温度を示す温度以
上であり、また系内に存在するポリマー種のうち最も低
い熱分解温度を示す温度以下であることが好ましい。反
応もしくは混合温度が混練時に系内に存在するポリマー
種のうち最も高い溶融温度を示す温度未満では例えば芳
香族オリゴマーのカルボキシル基とTgが10℃以下の
ポリマーが反応しない、もしくはポリアミドが十分混合
されないので好ましくなく、また反応もしくは混合温度
が混練時に系内に存在するポリマー種のうち最も低い熱
分解温度を示す温度を越えると、混練中に該ポリマーの
分解が進み悪影響を及ぼすため好ましくない。
【0045】Tgが10℃以下でかつカルボキシル基と
反応しうる官能基を有する重合体と流動温度が100℃
以上でかつ片末端にカルボキシル基を有する芳香族オリ
ゴマーを反応させる、すなわちグラフト化を促進するた
めには上記温度範囲内で温度が高い方が好ましく、また
反応時間が長い方が好ましく、また剪断力は大きい方が
好ましい。
【0046】さらに、グラフト化を促進させるにあたっ
てはトリフェニルフォスフィン、トリパラトリルフォス
フィン、トリメタトリルフォスフィン、トリオルトトリ
ルフォスフィン、トリ−2,6−ジメトキシフェニルフ
ォスフィン等のフォスフィン系触媒、あるいは2−フェ
ニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2,
4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−
(1’)〕−エチル−Sトリアジン、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系触媒
を用いることが好ましい。
【0047】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、ゴム弾性を損なうことなく、溶融流動性を向上させ
ることができ、また高温においても良好なゴム弾性体と
しての挙動を示し、耐熱性の優れた熱可塑性エラストマ
ーとして極めて有用である。
【0048】従って、オイルクーラーホース、エアーダ
クトホース、パワーステアリングホース、コントロール
ホース、オイルリターンホース、耐熱ホースなどの各種
ホース材、各種のオイルシール、O−リング、パッキ
ン、ガスケットなどのシール材の他各種ダイヤフラム、
ゴム板、ベルト、オイルレベルゲージ、ホースマスキン
グ、遮音材等極めて応用範囲が広く有用である。
【0049】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、各物性の測定条件は次の通りである。
【0050】圧縮永久歪試験:東洋精機製作所製定歪圧
縮試験器を用い、JIS K−6301に準じて、25
℃、22hrおよび100℃、22hrで測定を行っ
た。
【0051】流動温度:(株)島津製作所製高化式フロ
ーテスターCFT−500を用い4℃/分の昇温速度
で、加熱溶融し100kg/cm2 の荷重において内径
1mm長さ10mmのノズルより押し出した時に該溶融
粘度が48000ポイズを示す温度を流動温度とした。 メルトインデックス(以下MIと略すことがある。):
(株)東洋精機製作所メルトインデクサーにより測定し
た。
【0052】実施例1〜16、比較例1〜2 特開昭61−127709号公報の実施例5に記載の方
法に準じて、エチレン・メチルアクリレート・グリシジ
ルメタクリレート三元共重合体(エチレン/メチルアク
リレート/グリシジルメタクリレート=35/63/2
(重量比)、190℃、2.16kg荷重下でのMI=
8.7g/10分)を得た。
【0053】このポリマーのガラス転移温度を島津製作
所製スタンドアロン型示差走査熱量計DSC−50型に
て窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で測定した。得
られた図から常法に従い、吸熱開始温度を接線法により
求めガラス転移温度とした。ガラス転移温度は−33.
7℃であった。またこのポリマーの加熱減量曲線を、島
津製作所製スタンドアロン型熱重量測定装置TGA−5
0にて窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で測定し
た。この測定により、このポリマーは350℃付近まで
は熱的に安定であることがわかった。
【0054】次に片末端にカルボキシル基を有する芳香
族オリゴマーを以下のようにして合成した。500ml
のセパラブルフラスコにイカリ型攪拌翼、三方コック、
ジムロート冷却管を取りつけ、安息香酸183g(1.
5モル)、パラヒドロキシ安息香酸829g(6.0モ
ル)、無水酢酸674g(6.6モル)を仕込んだ。上
下の間のパッキンにはテフロンシートを切り抜いたもの
を用いた。イカリ型攪拌翼を120rpmで回転させ、
三方コックより窒素を導入し系内を窒素雰囲気とし、ジ
ムロート冷却管に冷却水を流した状態で、セパラブルフ
ラスコを油浴に入れ、油浴を160℃に昇温した。油浴
を160℃に保持した状態で無水酢酸を還流させながら
2時間アセチル化の反応を行った。アセチル化反応終了
後、ジムロート冷却管をリービッヒ冷却管にすばやく取
り換え、油浴を260℃に昇温した。160℃から26
0℃迄昇温するために要した時間は約40分であった。
その後260℃に油浴の温度を保持し系内より留出する
酢酸および無水酢酸をリービッヒ冷却管より回収した。
酢酸等の回収はリービッヒ冷却管に取り換えた後より行
い、約1時間で768gの酢酸等が回収された時点で重
縮合を終了させた。
【0055】重縮合終了後オリゴマーを取り出し、粉砕
機により微粉砕した。得られたパウダーは700gであ
った。このパウダーを10倍量(7000g)のメタノ
ールで以下のようにして洗浄し、メタノールに可溶な低
分子量分を除去した。2個の5リットルセパラブルフラ
スコにそれぞれ上記パウダー350gと3500gのメ
タノールを仕込み、イカリ型攪拌翼、ジムロート冷却管
を取り付け、系内でメタノールが還流するように、セパ
ラブルフラスコを80℃の湯浴中に入れ、メタノール還
流下1時間洗浄を行った。洗浄終了後、直ちに濾過し、
オリゴマーを回収した。さらに、この回収したオリゴマ
ーを真空乾燥器にて80℃で10時間乾燥し、片末端に
カルボキシル基のみを有する芳香族オリゴマーを得た。
得られたオリゴマーは602gであり収率は86%であ
った。
【0056】この精製オリゴマーの流動温度を測定した
ところ222℃であった。次にこの精製オリゴマーの加
熱減量を先のTGA−50型の装置を用い窒素雰囲気下
にて10℃/分の昇温速度で測定した。これからこの精
製オリゴマーは300℃付近まで安定であることがわか
った。
【0057】次にこの精製したオリゴマーの分子量分布
を測定した結果を示す。厳密に該芳香族オリゴマーの数
平均分子量を測定するために以下に述べる化学分解法に
より、数平均分子量を決定した。ここで言う化学分解法
とは、該芳香族オリゴマーをN−メチルピロリドン溶媒
中でn−ブチルアミンを分解試薬とし、該オリゴマーの
エステル結合を化学的に切断しモノマー単位に分解した
後液体クロマトグラフィーにより分解成分を固定、定量
し末端基の数から数平均重合度を求める方法である。
【0058】具体的には、該オリゴマー50mgを40
mlのN−メチルピロリドン10mlのn−ブチルアミ
ンを入れたナス型フラスコに投入し、冷却管をとりつけ
80℃のオイルバス中でマグネチックスターラーで撹拌
下8時間分解を行い、該オリゴマーをN−n−ブチル安
息香酸アミドとN−n−ブチルp−ヒドロキシ安息香酸
アミド、p−ヒドロキシ安息香酸に分解し、過剰のn−
ブチルアミンをエバポレーターで除去後0.45ミクロ
ンのポアサイズのメンブランフィルターで濾過し、これ
を試料とした。
【0059】測定は東ソー(株)製高速液体クロマトグ
ラフィーシステム〔ポンプはTOSOH CCPM、ポ
ンプコントローラーはTOSOH PX−8010(検
出波長254nmで使用)、レコーダーはシステムイン
ストルメンツ社製クロマトレコーダー12を用い、カラ
ムはTOSOH TSK−Gel ODS−120Tを
用い、水−メタノール勾配溶離方法により各成分を溶
離、定量した。
【0060】溶媒に用いた水はイオン交換水/酢酸=1
000/5(体積比)、メタノールは住友化学工業
(株)製電子工業用グレードのメタノール/酢酸=10
00/5(体積比)を用いた。さらにグラジェンド条件
は水系の濃度が0分で75vol%、30分で60%、
50分で0%、60分で75%(いずれも直線的に濃度
変化させた。)で測定を行った。
【0061】上記の測定条件で、前述のサンプルに含ま
れる各成分量を定量すると、パラヒドロキシ安息香酸/
N−n−ブチルp−ヒドロキシ安息香酸アミド/N−n
−ブチル安息香酸アミド=1.0/5.2/1.0(モ
ル比)となり、該オリゴマーの数平均重合度は一般式化
11でn=6.2であった。
【化11】
【0062】以上述べてきたエチレン・メチルアクリレ
ート・グリシジルメタクリレート三元共重合体、および
片末端にカルボキシル基を有する上記一般式で表され
る、化学分解法により求められる数平均重合度n= 6.2
の芳香族オリゴマー、およびユニチカ(株)製商品名ナ
イロン6 A1025〔数平均分子量(以下Mn と記す
ことがある。)=約14000、融点(以下Tm と記す
ことがある。)=215〜220℃)、商品名ナイロン
6 A1030 BRL〔Mn =約17500、融点
(以下Tm と記すことがある。)=215〜220
℃〕、宇部興産(株)製商品名ナイロン12 UBE3
014B(Mn =約14000、Tm =176〜180
℃)、商品名ナイロン12 UBE3020B(Mn
約20000、T m =176〜180℃)をグラフト共
重合体に対して0.30重量部のトリパラトリルフォス
フィンを触媒として、表1に示す組成にて、東洋精機製
作所製ラボプラストミル型式20R200型にR−60
H形のミキサーおよびブレードとしてローラー型のもの
を装着し、280℃にて120rpmで10分間溶融混
練反応を行った。
【0063】各混練品の260℃、2.16kg荷重で
のMIを表1に示す。 また混練品を280℃、50kg
/cm2 の加圧下で厚さ2.1mmのプレスシートを作
成し、このプレスシートより圧縮永久歪の試験片を切り
抜き、圧縮永久歪の測定を行った。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】実施例17〜22、比較例3 エチレン・メチルアクリレート・グリシジルメタクリレ
ート三元共重合体は、実施例1〜16で用いたものと同
じものを用いた。片末端にカルボキシル基を有する芳香
族オリゴマーを以下のようにして合成した。洗浄、窒素
置換した50りットル反応槽にパラヒドロキシ安息香酸
16.56kg(120mol)、安息香酸7.32k
g(60mol)無水酢酸13.46kg(132mo
l)を仕込み、攪拌速度130rpmで15分攪拌し、
系内を均一化した。還流管に冷却水を流し、ジャケット
温度を160℃に昇温した。ジャケット温度を160℃
に保持し無水酢酸を還流させながら3時間アセチル化の
反応を行った。アセチル化反応終了後、還流管の冷却水
を停止させ、酢酸流出用の冷却器に冷却水を流した。ジ
ャケット温度を280℃まで昇温し、系より酢酸および
無水酢酸が留出しなくなるまで280℃で反応を続け
た。280℃への昇温開始から3時間で酢酸等が16.
3kg回収された。この時点で酢酸等の留出が無くなっ
たので、反応槽下部よりオリゴマーを取り出した。以上
の操作はすべて窒素雰囲気下で行った。
【0066】取り出したオリゴマーは粗粉砕機を用いて
粗粉砕した後、バンタムミル(口径1.50mmスクリ
ーン)で微粉砕した。窒素置換した100リットル反応
槽に得られたパウダー7.5kg、アセトン75リット
ルを仕込み、ジャケット温度25℃以下、攪拌速度13
0rpmで攪拌し、1時間洗浄を行った。洗浄後反応槽
下部より洗浄後のスラリーを瀘過器に抜き出しオリゴマ
ーを瀘別した。得られたウェットケーキをトレーに入
れ、棚式真空乾燥を用いて80℃12時間乾燥を行っ
た。得られたオリゴマーは5.7kgであり収率は76
%であった。この精製オリゴマーの流動温度を測定した
ところ207℃であった。次にこの精製オリゴマーの加
熱減量を先のTGA−50型の装置を用い窒素雰囲気下
にて10℃/分の昇温速度で測定した。これからこの精
製オリゴマーは300℃付近まで安定であることがわか
った。
【0067】次に精製したオリゴマーの分子量分布を測
定した結果を示す。実施例1〜16と同様の測定条件
で、前述のサンプルに含まれる各成分量を定量すると、
パラヒドロキシ安息香酸/N−n−ブチルp−ヒドロキ
シ安息香酸アミド/N−n−ブチル安息香酸アミド=
1.0/3.6/1.0(モル比)となり、該オリゴマ
ーの数平均重合度は一般式化12でn=4.6であっ
た。
【化12】
【0068】以上述べてきたエチレン・メチルアクリレ
ート・グリシジルメタクリレート三元共重合体、および
片末端にカルボキシル基を有する上記一般式で表され
る、化学分解法により求められる数平均重合度n=4.
6の芳香族オリゴマー、およびユニチカ(株)製商品名
ナイロン6 A1025(数平均分子量=約1400
0、Tm =215〜220℃)、宇部興産(株)製商品
名ナイロン12 UBE3014B(数平均分子量=約
14000、Tm =176〜180℃)をグラフト共重
合体に対し0.30重量部のトリパラトリルフォスフィ
ンを触媒として、表2に示す組成にて、東洋精機製作所
製ラボプラストミル型式20R200型にR−60H形
のミキサーおよびブレードとしてローラー型のものを装
着し、280℃にて120rpmで10分間溶融混練反
応を行った。
【0069】各混練品の260℃、10kg荷重でのM
Iを表2に示す。また混練品を280℃、50kg/c
2 の加圧下で厚さ2.1mmのプレスシートを作成
し、このプレスシートより圧縮永久歪測定用の試験片を
切り抜き、25℃および100℃における圧縮永久歪の
測定を行った。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】実施例23、比較例4 エチレン・メチルアクリレート・グリシジルメタクリレ
ート三元共重合体は、実施例1〜16で用いたものと同
じものを用いた。
【0072】次に片末端にカルボキシル基を有する芳香
族オリゴマーは、実施例1〜16で用いたものと同じも
のを用いた。
【0073】以上述べてきたエチレン・メチルアクリレ
ート・グリシジルメタクリレート三元共重合体、および
片末端にカルボキシル基を有する化学分解法により求め
られる数平均重合度n=6.2の芳香族オリゴマー、お
よび宇部興産(株)製商品名ナイロン66 UBE20
15B(数平均分子量=約15000、Tm =255〜
265℃)をグラフト共重合体に対して0.30重量部
のトリパラトリルフォスフィンを触媒として、表3に示
す組成にて、東洋精機製作所製ラボプラストミル型式2
0R200型にR−60H形のミキサーおよびブレード
としてローラー型のものを装着し、280℃にて120
rpmで10分間溶融混練反応を行った。
【0074】各混練品の280℃、2.16kg荷重で
のMIを表3に示す。 また混練品を280℃、50kg
/cm2 の加圧下で厚さ2.1mmのプレスシートを作
成し、このプレスシートより圧縮永久歪用の試験片を切
り抜き、25℃および100℃における圧縮永久歪の測
定を行った。結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−255841(JP,A) 特開 昭61−44954(JP,A) 特開 昭62−185706(JP,A) 特開 昭63−146956(JP,A) 特開 平2−77458(JP,A) 特開 平3−273062(JP,A) 特開 平5−295220(JP,A) 特開 平6−65451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/00 - 55/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主鎖の原料がガラス転移温度10℃以下の
    ポリマーであり、側鎖の原料が一般式化1 【化1】 (式中、XはO,Sから選ばれ、1つのオリゴマー中に
    Oを含む構造単位とSを含む構造単位を同時に含んでも
    よい。Arは一般式化2、化3、化4から選ばれる。 【化2】 【化3】 【化4】 ここでR1 、R2 は炭素数1〜3のアルキル基およびフ
    ェニル基から選ばれ、R1 、R2 は同一でも異なった基
    でもよい。1つのベンゼン環に異なった基がついてもよ
    い。p、qは0〜2の整数である。) で表される構造単位を50重量%以上含む芳香族オリゴ
    マーであって、下記で定義された流動温度100℃以上
    の芳香族オリゴマーである熱可塑性グラフト共重合体9
    9〜60重量%とポリアミド1〜40重量%からなる熱
    可塑性エラストマー組成物。 流動温度:4℃/分の昇温速度で加熱溶融し100kg
    /cm2 の荷重において内径1mm、長さ10mmのノ
    ズルより押出したときに該溶融粘度が48000ポイズ
    を示す温度。
  2. 【請求項2】芳香族オリゴマーの数平均重合度が2〜1
    0であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  3. 【請求項3】芳香族オリゴマーの数平均分子量が、30
    0〜1500の範囲であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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