JP3266327B2 - 電子ビーム露光装置 - Google Patents

電子ビーム露光装置

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JP3266327B2
JP3266327B2 JP25122492A JP25122492A JP3266327B2 JP 3266327 B2 JP3266327 B2 JP 3266327B2 JP 25122492 A JP25122492 A JP 25122492A JP 25122492 A JP25122492 A JP 25122492A JP 3266327 B2 JP3266327 B2 JP 3266327B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム露光装置に
係り、詳しくは、荷電粒子ビームによるパターン露光の
分野に用いて好適な、電子線により透過マスクを用いて
ウェハ露光を行う際に、適切な露光パターンデータを抽
出する電子ビーム露光装置に関する。 [発明の背景]近年、例えば、LSI(Large Scale In
tegrated circuit)等に代表される、集積密度が高く、
大規模な半導体集積回路のウェハに対し、透過マスクを
介して所定のパターンデータを電子ビーム等により露光
する、いわゆる、ブロック露光を行う電子ビーム露光装
置が開発されている。
【0002】そして、このような電子ビーム露光装置に
あっては、効率よく露光を行うために、適切なパターン
データの抽出処理が要求される。
【0003】
【従来の技術】従来のこの種の電子ビーム露光装置とし
ては、例えば、図18に示すようなX線露光装置があ
る。このX線露光装置は、大別して、露光部10と制御
部50とから構成されている。
【0004】露光部10は、カソード電極11,グリッ
ド電極12,アノード13を有する荷電粒子ビーム発生
源14と、荷電粒子ビーム(以下、単にビームという)
を矩形状に整形する第一スリット15と、整形されたビ
ームを収束させる第一レンズ16と、偏向信号S1に応
じて整形されたビームを透過マスク20上に照射する位
置を偏向するためのスリットデフレクタ17と、対向し
て設けられた第二レンズ18及び第三レンズ19と、第
二レンズ18及び第三レンズ19の間に水平方向に移動
可能に装着される透過マスク20と、透過マスク20の
上下方向に配置され、それぞれ位置情報P1〜P4に応
じて第二レンズ18及び第三レンズ19間のビームを偏
向し、透過マスク20上の複数の透過孔の一つを選択す
る第一〜第四偏向器21〜24と、ブランキング信号に
応じてビームを遮断し、もしくは通過させるブランキン
グ25と、第四レンズ26と、アパーチャ27と、リフ
ォーカスコイル28と、第五レンズ29と、ダイナミッ
クフォーカスコイル30と、ダイナミックスティグコイ
ル31と、第六レンズ32と、露光位置決定信号S2,
S3に応じてウェハW上のビーム位置決めをするメイン
デフコイル33及びサブデフレクタ34と、ウェハWを
搭載してX−Y方向に移動可能なステージ35と、第一
〜第四アライメントコイル36〜39とを備えている。
【0005】また、制御部50は、集積回路装置の設計
データを記憶する記憶媒体51と、荷電子ビーム全体を
制御するCPU52と、CPU52によって取り込まれ
た、例えば、描画情報,パターンを描画すべきウェハW
上の描画位置情報,及び透過マスク20のマスク情報等
の各種情報を転送するインターフェース53と、インタ
ーフェース53から転送された描画パターン情報,及び
マスク情報を保持するデータメモリ54と、描画パター
ン情報,及びマスク情報に基づいて、例えば、透過マス
ク20の透過孔の一つを指定し、その指定透過孔の透過
マスク20上ての位置を示すマスク照射位置データP1
〜P4を発生するとともに、そのパターンを露光するウ
ェハ上の位置を示すウェハ露光位置データS3を発生
し、かつ、描画すべきパターン形状と指定透過孔形状と
の形状差に応じた補正値Hを演算する処理を含む各種処
理を行う指定手段,保持手段,演算手段,及び出力手段
としてのパターン発生部55と、補正値Hから修正偏向
信号HS1を生成するアンプ部56と、アンプ部57
と、必要に応じて透過マスク20を移動させるマスク移
動機構58と、パターン発生部55からの露光時間・露
光待ち時間を受け、露光装置全体が動くシステムクロッ
ク,及びブランキングクロックを発生するためのクロッ
ク制御回路59と、クロック制御回路59の出力を受け
てブランキングタイミングを発生するブランキング制御
回路60と、ブランキング制御信号SBを生成するアン
プ部61と、インターフェース53から転送された露光
開始情報,及び露光終了情報に基づいてパターン発生部
55を介してデータメモリ54にメインデフ偏向情報を
出力させ、かつ、ステージ制御部68に対して所望のス
テージ位置に移動するよう指示し、また、ステージ移動
位置とメインデフ偏向との差を補正するようにステージ
補正部69を制御し、かつ、クロック制御部59に対
し、パターン発生部55にクロックを発生/停止するよ
うに指示する等、露光処理一般のシーケンスを司るシー
ケンスコントローラ62と、データメモリ54からのメ
インデフ偏向情報に基づいてメインデフ偏向信号S2を
発生する偏向制御回路63と、パターン発生部55,及
び偏向制御回路63からの出力に基づいて露光位置決定
信号S2,S3を生成するアンプ部64,65と、必要
に応じてステージを移動させるステージ移動機構66,
及びステージ位置を検出するレーザ干渉計67からなる
ステージ制御部68と、偏向制御回路63からはメイン
デフ偏向量を、ステージ制御部68からはステージ移動
位置を受け、メインデフ偏向との差を補正するステージ
補正部68とを備えている。
【0006】以上の構成において、荷電粒子ビーム発生
源14から放出された電子ビームは、第一スリット15
で矩形形状に成形された後、第一レンズ16,第二レン
ズ18によって収束され、透過マスク20上に照射され
る。透過マスク20での、比較的大きな範囲(約5mm
以内)の偏向は、第一〜第四偏向器21〜24で行わ
れ、第一〜第四偏向器21〜24で選択された後の比較
的小さな範囲(約500μm以内)の偏向はスリットデ
フレクタ17で行われる。
【0007】ちなみに、可変矩形露光の場合、このスリ
ットデフレクタ17を用いて、任意形状サイズ(例え
ば、3μm□以下の任意の矩形サイズ)に整形される。
透過マスク20を通過した電子ビームは、ブランキング
25を通過し、第四レンズ26により縮小され、サブデ
フレクタ34により100μm程度の小偏向領域で偏向
される。
【0008】また、メインデフコイル33によりサブデ
フレクタ偏向領域は、2mm程度の範囲の露光フィール
ドで大偏向される。露光するデータは、CPU52によ
って記憶媒体51から読み出され、データメモリ54に
記憶される。シーケンスコントローラ62によって露光
が開始されると、まず、記憶されたメインデフ偏向位置
が偏向制御回路63に送られて偏向量データS2が出力
され、アンプ部57を介してメインデフコイル33に出
力される。
【0009】そして、出力が安定した後、シーケンスコ
ントローラ62はクロック制御回路59に対し、システ
ムクロックを発生するように指示し、その結果、データ
メモリ54に記憶されたパターンデータがパターン発生
部55に出力され、パターン発生部55によって、読み
込まれたパターンデータに基づいてショットデータが作
成される。
【0010】ショットデータは、マスク上でのビーム照
射位置を示す位置情報P1〜P4,マスク上でのビーム
照射位置の偏向量を示す補正値H,マスクにビームを透
過させることにより整形したビームをウェハW上の所望
する位置に偏向するための露光位置決定信号S3,ショ
ット時間データ,これらの信号を印加すると静電偏向器
・電磁偏向器が整定するまでにどの位待つ必要があるか
を示すショット待ち時間データ等を含んでいる。
【0011】これら各信号は、パターン発生部55によ
って発生された後、パターン補正部によって、ウェハW
をステージ35に設定した際に発生する、例えば、ウェ
ハローテーション等が補正される。そして、ショット発
生のために出力された信号は、それぞれDAC(Digita
lto Analog Converter )に入力されてアナログ信号に
変換され、アンプを介して電極及びコイルに印加され
る。
【0012】なお、可変矩形用の電子ビーム露光装置の
場合、透過マスク20が第二スリットとなり、透過マス
ク20上を偏向するための第一〜第四偏向器21〜24
が不要となる。すなわち、ブロック露光は、予め作成し
たブロックマスクに電子ビームを照射し、透過したビー
ムによって被露光物にブロックマスクパターンを転写す
ることで、高スループットを確保しようとするものであ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電子ビーム露光装置にあっては、例えば、同
一の透過孔、すなわち、同一のパターンデータを使用し
てウェハの多数位置を露光する場合には、あらかじめ配
置データに露光位置情報として露光数や露光開始座標、
及び繰り返し露光ピッチ等の情報を与え、この配置デー
タに基づいてウェハ上の多数位置に同一パターンを順次
に形成するという構成となっていたため、配置データ、
及びパターンデータの与え方いかんによっては、全体的
なショット数を減らすことで処理の高速化を図ろうとす
るブロック露光の目的が阻害されるという問題点があっ
た。
【0014】なぜならば、通常、パターンデータは頂点
座標及びベクトルで表されており、そのままでは作成し
たブロックパターンがパターンデータのどの部分に存在
するかが判らず、ブロック露光を行うことができないた
め、パターンデータからブロックを切り出し、そのブロ
ックをパターンデータ上のどの位置に配置すればよいか
を見つける必要があり、半導体集積回路が大規模化した
場合、露光パターン数が極めて膨大な量、例えば、64
MDRAMでは4000×106ものショット数となる
が、このショット数は、パターンデータをどのようにブ
ロック化するかによって変化し、繰り返し性の高いパタ
ーンデータを有効に利用できるかどうかで全体的なショ
ット数が決定される。
【0015】従来はブロック露光が実験段階にあったた
め、パターンデータからブロックパターンを切り出す作
業は、手作業で行われていたが、量産段階においては切
り出し作業を手作業にて行うことは不可能である。 [目的]そこで本発明は、パターンデータからブロック
パターンを効率良く、高速に切り出す電子ビーム露光装
置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による電子ビーム
露光装置は上記目的達成のため、請求項1、または2記
載の発明では、頂点座標と該頂点座標間のベクトルとで
表される複数のパターンデータの中から予め設定された
所定形状の定形ブロックパターンと同一部分を抽出する
抽出手段を備え、該所定形状の定形ブロックパターンに
基づいてマスク上の透過孔の形状を決定し、該透過孔に
より整形された荷電粒子ビームによって試料上の露光位
置に該定形ブロックパターンを露光する電子ビーム露光
装置であって、前記抽出手段は、前記定形ブロックにお
ける所定の定点を基準点とし、該基準点の入射ベクトル
及び出射ベクトルと前記パターンデータの任意の頂点に
おける入射ベクトル及び出射ベクトルとを比較する比較
手段と、該定形ブロックの基準点に基づいて該基準点以
外の各頂点を表す複数の位置ベクトルを算出するベクト
ル算出手段と、該比較手段の比較結果により、一致した
パターンデータにおける頂点を該パターンデータ上の候
補点とし、該候補点を原点として該ベクトル算出手段に
より算出された位置ベクトルの示す点に該パターンデー
タの頂点が存在するかどうかを判定する判定手段とを有
し、前記判定手段の判定結果により、前記パターンデー
タに頂点が存在し、かつ、頂点数が一致したならば、あ
るいは、前記パターンデータに頂点が存在し、該パター
ンデータの頂点における入射ベクトル及び出射ベクトル
と、該パターンデータの頂点に対応する前記定形ブロッ
ク中の頂点における入射ベクトル及び出射ベクトルとが
一致したならば、該パターンデータを定形ブロックとし
て切り出すように構成している。
【0017】また、請求項3記載の発明では、前記判定
手段は、前記候補点を原点として前記ベクトル算出手段
により算出された位置ベクトルの示す全ての点について
順に入射ベクトルと出射ベクトルとが一致するかどうか
を判定し、入射ベクトルのみが一致する点を発見した以
後、出射ベクトルのみが一致する点が存在する場合、入
射ベクトルのみが一致する点の出射ベクトルと、出射ベ
クトルのみが一致する点の入射ベクトルとを切断し、切
断した各切断点に対応する頂点が存在するものとして、
前記入射ベクトルのみが一致する点の出射ベクトルの終
点である頂点、及び、前記出射ベクトルのみが一致する
点の入射ベクトルの始点である頂点に、それぞれ前記各
切断点の情報を与えるように構成している。
【0018】この場合、入射ベクトルのみが一致する点
の出射ベクトルと、出射ベクトルのみが一致する点の入
射ベクトルとを切断したパターンデータを定形ブロック
として切り出す場合に、切断による残りのパターンデー
タが他の定形ブロックにより切り出すことができない場
合、入射ベクトルのみが一致する点の出射ベクトルと、
出射ベクトルのみが一致する点の入射ベクトルとの各切
断点を接続するように構成してもよい
【0019】
【作用】本発明では、予め設定された所定形状の定型ブ
ロックパターンにおける所定の定点である基準点の入射
及び出射ベクトルと、比較対象となるパターンデータの
任意の頂点における入射及び出射ベクトルとが比較さ
れ、一致した場合、基準点に基づいて基準点以外の他の
頂点を表す複数の位置ベクトルが算出される。
【0020】そして、一致したパターンデータにおける
頂点を原点として、この位置ベクトルの示す点にパター
ンデータの頂点が存在するかどうかが判定され、この判
定結果により、パターンデータに頂点が存在し、かつ、
頂点数が一致したならば、あるいは、パターンデータに
頂点が存在し、パターンデータの頂点における入射及び
出射ベクトルと、パターンデータの頂点に対応する定形
ブロック中の頂点における入射及び出射ベクトルとが一
致したならば、当該パターンデータが定形ブロックとし
て切り出される。
【0021】また、定形ブロックの形状を含むパターン
データの場合、入射ベクトルのみが一致する点の出射ベ
クトルと、出射ベクトルのみが一致する点の入射ベクト
ルとが切断され、この切断された各切断点に対応する頂
点が存在するものとして、一致条件が満たされた場合、
当該パターンデータが定形ブロックとして切り出され
る。
【0022】これによって、パターンデータからブロッ
クパターンが効率良く、かつ、高速に切り出される。
【0023】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1〜図10は本発明に係る電子ビーム露光装置の一実施
例を示す。まず、構成を説明する。なお、本実施例にお
ける電子ビーム露光装置の概略構成は、図18に示した
従来例と同一であるため、その説明を省略する。
【0024】本実施例の電子ビーム露光装置は、図18
に示す従来例と同様に、露光部10、制御部50からな
り、本実施例では、制御部50に、抽出手段1が追加し
て設けられている。図1に本実施例の抽出手段の要部構
成を示す。抽出手段1は、比較手段2、ベクトル算出手
段3、判定手段4、切り出し手段5から構成されてい
る。
【0025】図2(a),(b)に以下の説明に用いる
パターンデータの一部分例、及び定型ブロックの例を示
す。比較手段2は、図3に示すように、定形ブロックに
おける所定の定点を基準点Pとし、この基準点Pの入射
ベクトルip及び出射ベクトルpoを求め、図2(a)
中、例えば、パターンデータAの各頂点における入射ベ
クトル及び出射ベクトルとを比較するものである。
【0026】ベクトル算出手段3は、図4に示すよう
に、定型ブロックの基準点Pに基づいて基準点以外の各
頂点の位置ベクトルを算出するものである。判定手段4
は、図5に示すように、比較手段2の比較結果により一
致したパターンデータにおける頂点をパターンデータ上
の候補点Qとし、候補点Qを原点としてベクトル算出手
段3により算出された位置ベクトルの示す点にパターン
データの頂点が存在するかどうかを判定するものであ
る。
【0027】切り出し手段5は、図6に示すように、判
定手段4の判定結果により、パターンデータに頂点が存
在し、かつ、頂点数が一致したならば、あるいは、パタ
ーンデータに頂点が存在し、かつ、パターンデータの頂
点における入射ベクトル及び出射ベクトルとパターンデ
ータの頂点に対応する定形ブロック中の頂点における入
射ベクトル及び出射ベクトルとが一致したならば、当該
パターンデータを定型ブロックとして切り出す、つま
り、パターンデータ中のブロックの位置と種類とを記憶
しておくものである。
【0028】次に作用を説明する。以下、図2(a)に
示すパターンデータの一部分から、同図(b)に示す定
型ブロックパターンを切り出す場合を考える。まず、図
3に示すように、定型ブロックのある一つの点が基準点
Pとして指定される。
【0029】ちなみに、この指定の際、基準点Pは定型
ブロック中で特徴的な点、すなわち、例えば、入射ベク
トルipと出射ベクトルpoとのなす角度が90°以外
である点、または、入射ベクトルipと出射ベクトルp
oとの長さの比が二倍以上ないし三倍以上である点等が
優先的に選択される。これは、比較手段2において一致
する条件を厳しくすることにより、無駄な処理を少しで
も省くためである。
【0030】次に、前述の処理で指定された基準点Pの
入射ベクトルip及び出射ベクトルpoと一致するベク
トルをもつパターンデータ上の頂点が探索され、図5に
示すように、一致する点が見つかれば、その点が候補点
Qとして設定される。候補点Qが設定されると、定型ブ
ロックの基準点Pを原点として、図4に示すように、基
準点以外の各頂点を表す複数の位置ベクトルが求めら
れ、図7に示すように、これと同じベクトルが今度はパ
ターンデータ上の候補点Qを原点としてとられる。
【0031】この場合、図8に示すように、候補点Qを
原点とした位置ベクトルの指し示す点にパターンデータ
の頂点が存在し、かつ、定型ブロックの頂点数とパター
ンデータの頂点数とが一致する場合、または、図9に示
すように、候補点Qを原点とした位置ベクトルの指し示
す点にパターンデータの頂点が存在し、かつ、パターン
データの頂点における入射ベクトル及び出射ベクトルが
定型ブロック上の相当する頂点における入射ベクトル及
び出射ベクトルとが一致する場合、定型ブロックがパタ
ーンデータから切り出せるかどうかが確認された後、切
り出し可能であれば、切り出しが行われる。
【0032】ここで、図10に示すように、処理の途中
で切り出しが不可能であると判断されると、速やかにそ
の候補点Qが捨てられ、新たな候補点Qが探される。図
11〜図17に本発明に係る電子ビーム露光装置の他の
実施例を示す。前述の実施例によるブロック切り出しで
は、パターンデータが独立していて定形ブロックを切り
出す場合、パターンデータをパターンの途中で切断する
ことなく切り出し可能なパターン(以下、孤立パターン
という)についてのみ切り出しが可能であり、パターン
データが連続していて定形ブロックを切り出す場合、元
のパターンデータからパターンを切断する作業を行わな
ければ切り出し不可能なパターン(以下、継続パターン
という)に対してはブロック切り出しができなかった。
【0033】本実施例では、継続パターンに対して効率
的なブロック切り出しを行うものである。以下、その作
用を説明する。図11は本実施例の説明に用いるパター
ンデータ及び定形ブロックの例を示す図であり、図中、
Pは定形ブロックにおける基準点、Qはパターンデータ
における候補点である。
【0034】図12は定形ブロックの各頂点の位置ベク
トルを示す図である。パターンデータ及び定形ブロック
のブロックパターンの各頂点は、その直前の頂点を起点
とし、その頂点を終点とする入射ベクトルと、その頂点
を起点とし、その直後の頂点を終点とする出射ベクトル
との2つのベクトル情報を持っており、これらのベクト
ル情報によりパターンデータの輪郭線が与えられてい
る。
【0035】図11(a)に示すようなパターンデータ
から図11(b)に示すような定形ブロックを切り出す
場合、まず、予め指定した基準点Pにおける入射ベクト
ル、及び出射ベクトルに一致するベクトルをもつパター
ンデータ上の頂点(候補点Q)が探索され、図12に示
すように、基準点Pを原点として各頂点を示す位置ベク
トルが求められる。
【0036】次に、図13に示すように、パターンデー
タ上の候補点Qを原点として基準点Pを原点として求め
た位置ベクトルを対応させ、その指し示す先にパターン
データの頂点が存在するか否かが調べられる。この場
合、頂点の存在は基準点Pより図中右回りに順次調べら
れる。そして、ブロックパターン中に頂点が存在する場
合、その頂点における入射ベクトルと出射ベクトルとが
定形ブロック中の相当する頂点における入射ベクトルと
出射ベクトルとに一致するかどうかが調べられる。
【0037】ここで、図14(a)に示すように、入射
ベクトルは一致するが、出射ベクトルが不一致である場
合、すなわち、入射ベクトルのみが一致する頂点を発見
した場合、ブロックデータ上のその頂点を不完全一致点
Aとし、また、図14(b)に示すように、入射ベクト
ルは不一致であるが、出射ベクトルが一致する場合、す
なわち、出射ベクトルのみが一致する頂点を発見した場
合、ブロックデータ上のその頂点を不完全一致点Bとす
る。
【0038】不完全一致点Aを発見した場合、図15
(a)に示すように、パターンデータ上で不完全一致点
Aの出射ベクトルの終点に該当する頂点(残存点)Ra
に、不完全一致点Aの出射ベクトルが定形ブロックの境
界線によって切断される点(以下、切断点という)Ca
の情報が与えられ、一方、不完全一致点Bを発見した場
合、図15(b)に示すように、パターンデータ上で不
完全一致点Bの入射ベクトルの始点に該当する頂点(残
存点)Rbに、切断点Cbの情報が与えられる。但し、
不完全一致点自身が他のブロック切り出しによる残存点
となっている場合は、切断点の情報付加は行われない。
【0039】すなわち、ブロックパターン中に頂点が存
在し、その頂点における入射ベクトルと出射ベクトルと
が定形ブロック中の相当する頂点における入射ベクトル
と出射ベクトルとに一致するかどうかが調べられる際、
図16(a)に示すように、不完全一致点Aを発見した
以後、不完全一致点Bを発見する間の頂点に対しては入
射ベクトルと出射ベクトルとの一致判定が行われず、切
断点を頂点とみなして一致判定が行われ、以上の判定に
より切り出し可能と判断された場合、図16(b)に示
すように、その定形ブロックの種類及び露光位置情報が
ブロック露光のデータとして別に記憶される。
【0040】そして、切断点を頂点とみなして一致判定
が行われた結果、ブロック切り出しが可能と判断された
場合、図17(a)に示すように、ブロックデータ中の
該当頂点が消去され、切り出しが行われる。切り出しが
行われた後のブロックデータは、他の種類の定形ブロッ
クにて切り出すことができない場合、残存点Ra,Rb
に与えられた接続点の情報に基づいて、図17(b)に
示すように、切断部分が修復され、ブロック露光できな
い部分として従来の可変矩形による露光が行われる。
【0041】このように本実施例では、パターンデータ
から、特に、継続パターンによるデータに対してもブロ
ックパターンを効率良く切り出すことができ、量産時に
おいてブロック露光の利点による高スループットを実現
できる。なお、本実施例において、ブロック切り出しを
行う際に、数種類のブロックを切り出したい場合、各ブ
ロックの使用頻度により検索の順番に優先度を設け、効
率的なブロック検索を行うことや、直前に切り出したブ
ロックを、次回検索の順番を最優先とすること、あるい
は、これらの両方を行うことにより、処理のスループッ
トをより高めることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明では、パターンデータからブロッ
クパターンを効率良く、かつ、高速に切り出すことがで
きる。したがって、量産段階の大規模な実ICパターン
においてもブロックパターンを切り出すことができ、ブ
ロック露光装置で高スループット生産ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム露光装置の要部構成を示す
ブロック図である。
【図2】本実施例の説明に用いるパターンデータ及び定
型ブロックの例を示す図である。
【図3】基準点の指定を説明するための図である。
【図4】定型ブロックの各頂点の位置ベクトルを示す図
である。
【図5】パターンデータ上の候補点の指定を説明するた
めの図である。
【図6】パターンデータの切り出しを示す図である。
【図7】パターンデータ上で候補点からの位置ベクトル
を示す図である。
【図8】頂点及び頂点数の一致を示す図である。
【図9】入射ベクトル及び出射ベクトルの一致を示す図
である。
【図10】不一致の場合の例を示す図である。
【図11】他の実施例の説明に用いるパターンデータ及
び定型ブロックの例を示す図である。
【図12】定型ブロックの各頂点の位置ベクトルを示す
図である。
【図13】パターンデータと定形ブロックとの位置ベク
トルを示す図である。
【図14】不完全一致点を説明するための図である。
【図15】不完全一致点の位置ベクトルに対する切断点
情報の与え方を説明するための図である。
【図16】ブロックデータの切り出しを説明するための
図である。
【図17】ブロックデータが切り出された後の処理を説
明するための図である。
【図18】ブロック露光装置の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 抽出手段 2 比較手段 3 ベクトル算出手段 4 判定手段 5 切り出し手段 10 露光部 11 カソード電極 12 グリッド電極 13 アノード 14 荷電粒子ビーム発生源 15 第一スリット 16 第一レンズ 17 スリットデフレクタ 18 第二レンズ 19 第三レンズ 20 透過マスク 21 第一偏向器 22 第二偏向器 23 第三偏向器 24 第四偏向器 25 ブランキング 26 第四レンズ 27 アパーチャ 28 リフォーカスコイル 29 第五レンズ 30 ダイナミックフォーカスコイル 31 ダイナミックスティグコイル 32 第六レンズ 33 メインデフコイル 34 サブデフレクタ 35 ステージ 36 第一アライメントコイル 37 第二アライメントコイル 38 第三アライメントコイル 39 第四アライメントコイル 50 制御部 51 記憶媒体 52 CPU 53 インターフェース 54 データメモリ 55 パターン発生部 56 アンプ部 57 アンプ部 58 マスク移動機構 59 クロック制御回路 60 ブランキング制御回路 61 アンプ部 62 シーケンスコントローラ 63 偏向制御回路 64 アンプ部 65 アンプ部 68 ステージ制御部 69 ステージ補正部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−137672(JP,A) 特開 昭57−204125(JP,A) 特開 昭61−43419(JP,A) 特開 平2−47825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】頂点座標と該頂点座標間のベクトルとで表
    される複数のパターンデータの中から予め設定された所
    定形状の定形ブロックパターンと同一部分を抽出する抽
    出手段を備え、該所定形状の定形ブロックパターンに基
    づいてマスク上の透過孔の形状を決定し、該透過孔によ
    り整形された荷電粒子ビームによって試料上の露光位置
    に該定形ブロックパターンを露光する電子ビーム露光装
    置であって、 前記抽出手段は、 前記定形ブロックにおける所定の定点を基準点とし、該
    基準点の入射ベクトル及び出射ベクトルと前記パターン
    データの任意の頂点における入射ベクトル及び出射ベク
    トルとを比較する比較手段と、 該定形ブロックの基準点に基づいて該基準点以外の各頂
    点を表す複数の位置ベクトルを算出するベクトル算出手
    段と、 該比較手段の比較結果により、一致したパターンデータ
    における頂点を該パターンデータ上の候補点とし、該候
    補点を原点として該ベクトル算出手段により算出された
    位置ベクトルの示す点に該パターンデータの頂点が存在
    するかどうかを判定する判定手段と、 を有し、 前記判定手段の判定結果により、前記パターンデータに
    頂点が存在し、かつ、頂点数が一致したならば、該パタ
    ーンデータを定形ブロックとして切り出すことを特徴と
    する電子ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】前記抽出手段は、 前記定形ブロックにおける所定の定点を基準点とし、該
    基準点の入射ベクトル及び出射ベクトルと前記パターン
    データの任意の頂点における入射ベクトル及び出射ベク
    トルとを比較する比較手段と、 該定形ブロックの基準点に基づいて該基準点以外の各頂
    点を表す複数の位置ベクトルを算出するベクトル算出手
    段と、 該比較手段の比較結果により、一致したパターンデータ
    における頂点を該パターンデータ上の候補点とし、該候
    補点を原点として該ベクトル算出手段により算出された
    位置ベクトルの示す点に該パターンデータの頂点が存在
    するかどうかを判定する判定手段と、 を有し、 前記判定手段の判定結果により、前記パターンデータに
    頂点が存在し、該パターンデータの頂点における入射ベ
    クトル及び出射ベクトルと、該パターンデータの頂点に
    対応する前記定形ブロック中の頂点における入射ベクト
    ル及び出射ベクトルとが一致したならば、該パターンデ
    ータを定形ブロックとして切り出すことを特徴とする請
    求項1記載の電子ビーム露光装置。
  3. 【請求項3】前記判定手段は、前記候補点を原点として
    前記ベクトル算出手段により算出された位置ベクトルの
    示す全ての点について順に入射ベクトルと出射ベクトル
    とが一致するかどうかを判定し、 入射ベクトルのみが一致する点を発見した以後、出射ベ
    クトルのみが一致する点が存在する場合、入射ベクトル
    のみが一致する点の出射ベクトルと、出射ベクトルのみ
    が一致する点の入射ベクトルとを切断し、切断した各切
    断点に対応する頂点が存在するものとして、前記入射ベ
    クトルのみが一致する点の出射ベクトルの終点である頂
    点、及び、前記出射ベクトルのみが一致する点の入射ベ
    クトルの始点である頂点に、それぞれ前記各切断点の情
    報を与えることを特徴とする請求項1、または2記載の
    電子ビーム露光装置。
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