JP3266071B2 - 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置 - Google Patents

固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置

Info

Publication number
JP3266071B2
JP3266071B2 JP27927597A JP27927597A JP3266071B2 JP 3266071 B2 JP3266071 B2 JP 3266071B2 JP 27927597 A JP27927597 A JP 27927597A JP 27927597 A JP27927597 A JP 27927597A JP 3266071 B2 JP3266071 B2 JP 3266071B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid
crystal
state laser
laser
laser crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27927597A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11121855A (ja
Inventor
隆志 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP27927597A priority Critical patent/JP3266071B2/ja
Publication of JPH11121855A publication Critical patent/JPH11121855A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3266071B2 publication Critical patent/JP3266071B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザを励
起源とする固体レーザ装置に関し、固体レーザ結晶とこ
れを用いた固体レーザ装置及び固体レーザ結晶の作成方
法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高出力半導体レーザの技術進歩に
より、従来の放電ランプ励起に変わる半導体レーザ励起
固体レーザの開発が活発化している。半導体レーザ励起
は、放電ランプ励起に比べて、高効率、高ビーム品質、
小型、長寿命などの特徴を有する。半導体レーザ励起固
体レーザの高出力化は、基本的には、入力する半導体レ
ーザ光の強度の増加によって達成できる。しかしなが
ら、高出力化と高ビーム品質は、トレードオフの関係に
あり、入力する半導体レーザ光を増加させるにつれて、
結晶内の温度上昇に伴う屈折率分布及び熱ひずみの増加
により、ビーム品質が劣化するという問題が生じる。
【0003】これを解決する1つの方策として、薄いデ
ィスク型レーザ結晶を端面励起し、裏面より端面冷却す
るアクティブミラー方式が提案されている。アクティブ
ミラー方式の半導体レーザ励起固体レーザについては、
例えば「レーザ研究、第24巻、59頁から65頁」に
詳細に記述されている。
【0004】図24は、従来の固体レーザ装置の一例を
示す図である。固体レーザ結晶11は、直径6mm、厚
さ2mmのディスク形状であり、イットリウム・アルミ
ニウム・ガーネット(YAG)の母材に、1.4atm
%の濃度でレーザ活性イオンであるNd3+がほぼ均一ド
ープされている。励起光19及び固体レーザ光20の波
長に対して、固体レーザ結晶11の励起面17には無反
射コーティングが、冷却面18には高反射コーティング
が施されている。半導体レーザ16から出力された波長
880nmの励起光19は、厚さ2mmの固体レーザ結
晶11中を1往復することにより90%のエネルギーが
固体レーザ結晶中に吸収される。
【0005】次に、従来の固体レーザ結晶を作成する方
法について、ネオジウム:YAG(Nd:YAG)結晶
の場合を例にあげて説明する。
【0006】図25は、従来の固体レーザ結晶の作成方
法を説明するための図であり、引き上げ法による結晶の
育成炉を示してある。引き上げ法では、まずIr製るつ
ぼ29の中に、Nd:YAGの原料となるAl23
23 及びNd23 の高純度の粉末を入れ、誘導加
熱用コイル31により、粉末を溶かし、Nd:YAG溶
液31を生成させ、アルミナ棒32の先端に保持した、
YAG種結晶26をNd:YAG溶液31の中につけ、
ゆっくり回転させながら引き上げる。
【0007】レーザ活性イオンと母材の結晶には、物質
固有の偏析係数が存在する。偏析係数が1の場合、結晶
の軸方向にそった濃度分布は生じないが、NdのYAG
に対する偏析係数は1以下であり、活性イオン濃度は引
き上げるにつれて薄くなるような分布を持つ。このため
従来の育成方法では、出来る限り結晶の軸方向に濃度が
均一になるように、回転速度及び引き上げ速度をそれぞ
れ、毎分20回、毎時1mm程度に設定し、軸方向に沿
って均一な濃度を持つ固体レーザ結晶を育成していた。
その後、所望の大きさに切断し、研磨後に無反射、高反
射コーティングを施し、固体レーザ結晶を作成してい
た。
【0008】次に従来の固体レーザ装置の動作につい
て、図24を参照して説明する。
【0009】半導体レーザ16より出力した励起光19
は、集光光学系13を通して、固体レーザ結晶に入力す
る。励起光19は、固体レーザ結晶11の冷却面18で
折り返されることにより、ほぼ、90%以上のエネルギ
ーが固体レーザ結晶11に吸収される。固体レーザ結晶
11に吸収された光の一部は熱に変換され、一部が波長
1064nmの固体レーザ光20として、出力鏡14よ
り出力される。
【0010】前述のアクティブミラー方式では、理想的
には、結晶内の温度分布が厚み方向に一次元に分布する
ために、レーザ発振の光軸と温度勾配ベクトルが平行と
なり、熱レンズ効果が抑制される。更に、発熱位置と冷
却面の距離が短くとれるために、効率的な冷却が可能と
なる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】問題点は、レーザ結晶
及び励起光の大きさが有限であるために、結晶表面の励
起光の集光部をピークとして楕円状に温度勾配が生じる
ために、前述した熱レンズの抑制効果が減少してしま
う。更に、従来のレーザ結晶では、母材にドープされる
レーザ活性イオン濃度が一定であるために、励起光の大
部分が、レーザ結晶表面で吸収されてしまい、レーザ結
晶表面の温度が上昇しやすいという欠点がある。
【0012】図26は、結晶の厚みを4mm、活性イオ
ン濃度を1.4atm%とし、励起光の99%が結晶中
に吸収されるように設定した固体レーザ結晶の、結晶中
への励起光の吸収量22を示した図である。なお、吸収
量は、結晶を厚み(4mm)方向に16分割したときの
割合で表している。図26より明らかなように、結晶の
励起面で大部分の励起光が吸収されることになる。この
結果、結晶内の温度上昇は、固体レーザ結晶11の励起
面17(横軸0の位置)で最も高くなる。
【0013】図27は、前述のアクティブミラー方式の
固体レーザ結晶に10Wの励起光を入力したときの、上
昇温度23の計算結果を示してある。図27中、励起面
17から冷却面18までの距離をd、励起光が照射され
る結晶中心23から結晶側面までの距離をr、温度変化
をTとした。なお、計算では、吸収された励起光19の
約1/3のエネルギーが熱に変換されると仮定してい
る。更に、計算では、固体レーザ結晶11の励起面17
及び側面25からの冷却効果を考慮していないため、実
際の温度上昇は、計算よりも低くなる。図27より明ら
かなように、固体レーザ励起面でもっとも温度が上昇す
ることが判る。冷却面から離れるほど冷却効果は減少す
るために、このことは、大きなデメリットになる。ビー
ムの品質に関しては、温度分布以外にも、結晶の熱的な
形状変化や共振器のパラメータにも依存するが、この状
態では、ビームの高品質を維持しながら、更に高出力化
を行うことが困難になる。
【0014】本発明の目的は、高出力化に伴う熱ひずみ
を抑制し、高品質なビームを取り出すことができる固体
レーザ装置及びこれに用いる固体レーザ結晶の作成方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の固体レーザ結晶
は、レーザ活性イオンを有するディスク形状の固体レー
ザ結晶において、前記固体レーザ結晶の結晶軸方向に前
記レーザ活性イオンのドープ濃度分布が変化しているこ
とを特徴とする。
【0016】また本発明の固体レーザ結晶は、レーザ活
性イオンを有するディスク形状の固体レーザ結晶におい
て、前記固体レーザ結晶の励起面となる端面から冷却面
となる端面に向かって前記レーザ活性イオンのドープ濃
度分布が連続的又は段階的に増加していることを特徴と
する。
【0017】 またドープ濃度分布の段階的な変化がレ
ーザ活性イオンのドープ濃度が異なる複数個の結晶を接
合により形成されいてることを特徴とする。また固体レ
ーザ結晶の励起面にレーザイオン活性のドープされてい
ない結晶を接合したことを特徴とする。また濃度の異な
る複数個の結晶がオプティカルコンタクトあるいは拡散
接合により接合されていることを特徴とする。またレー
ザ活性イオンはNd又はYbであることを特徴とする。
【0018】材料溶液の撹拌による本発明の固体レーザ
結晶の作成方法は、固体レーザ結晶の材料粉末を加熱
し、材料粉末が溶融した材料溶液に固体種結晶を付け、
回転させながら結晶を引き上げる固体レーザ結晶の作成
方法であって、回転引き上げとともに材料溶液を撹拌手
段により撹拌し、固体レーザ結晶の材料溶液における実
行偏析係数を固有の偏析係数に近づけ、レーザ活性イオ
ン濃度を結晶軸方向に沿って勾配させることを特徴とす
る。
【0019】材料溶液の撹拌による本発明の固体レーザ
結晶の製造装置は、固体レーザ結晶の材料粉末を加熱す
る手段を有し、材料粉末が溶融した材料溶液に固体種結
晶を付け、回転させながら結晶を引き上げる固体レーザ
結晶製造装置であって、材料溶液を撹拌する手段を備
え、撹拌により固体レーザ結晶の材料溶液における実行
偏析係数を固有の偏析係数に近づけ、レーザ活性イオン
濃度を結晶軸方向に沿って勾配させることを特徴とす
る。
【0020】異なるイオン濃度のるつぼを用いた固体レ
ーザ結晶の作成方法は、固体レーザ結晶の材料粉末を加
熱し、材料粉末が溶融した材料溶液に固体種結晶を付
け、回転させながら結晶を引き上げる固体レーザ結晶の
作成方法であって、レーザ活性イオンの濃度の異なる複
数個の材料溶液に対し、レーザ活性化イオン濃度の高い
材料溶液の順に種結晶をつけ、レーザ活性イオン濃度を
結晶軸方向に沿って勾配させることを特徴とする。
【0021】異なるイオン濃度のるつぼを用いた固体レ
ーザ結晶の製造装置は、固体レーザ結晶の材料粉末を加
熱する手段を有し、材料粉末が溶融した材料溶液に固体
種結晶を付け、回転させながら結晶を引き上げる固体レ
ーザ結晶の製造装置であって、レーザ活性イオンの濃度
の異なる複数個の材料溶液を有し、レーザ活性物質濃度
高い材料溶液の順に種結晶をつける手段を有すること
を特徴とする。
【0022】材料溶液のイオン濃度増加させる固体レー
ザ結晶の作成方法は、固体レーザ結晶の材料粉末を加熱
し、材料粉末が溶融した材料溶液に固体種結晶を付け、
回転させながら結晶を引き上げて固体レーザ結晶を作成
する方法であって、前記材料溶液中のレーザ活性イオン
濃度を時間とともに増加させ、レーザ活性イオン濃度を
軸方向に沿って勾配させることを特徴とする。
【0023】材料溶液のイオン濃度増加させる固体レー
ザ結晶の製造装置は、固体レーザ結晶の材料粉末を加熱
する手段を有し、材料粉末が溶融した材料溶液に固体種
結晶を付け、回転させながら結晶を引き上げて固体レー
ザ結晶を作成する製造装置であって、前記材料溶液中の
レーザ活性イオンを時間とともに増加させる手段を有
し、レーザ活性イオン濃度を軸方向に沿って勾配させる
ことを特徴とする。
【0024】レーザ活性イオン濃度が均一な固体レーザ
結晶の周囲の一部を加熱手段により溶融し、前記加熱手
段により固体レーザ結晶の軸方向に沿って一方から他方
へ複数回移動させることにより、レーザ活性イオン濃度
を結晶の軸方向に沿って勾配させることを特徴とする固
体レーザ結晶の作成方法。
【0025】レーザ活性イオン濃度が均一な固体レーザ
結晶の周囲の一部を溶融するための加熱手段と、前記加
熱手段と固体レーザ結晶との相対位置を固体レーザ結晶
の結晶軸方向に沿って一方から他方へ移動させる手段を
有し、前記加熱手段を固体レーザ結晶の周囲を溶融さ
せ、かつ、一方から他方へ複数回移動させることによ
り、レーザ活性イオン濃度を結晶の軸方向に沿って勾配
させることを特徴とする固体レーザ結晶の製造装置。
【0026】焼結体の加熱による固体レーザ結晶の作成
方法は、溶融した固体レーザ溶液から結晶を成長させる
固体種結晶に接合されレーザ活性イオン濃度が軸方向に
勾配を持つ固体レーザ結晶材料の粉末焼結体の一部を加
熱手段により部分的に溶融させて、レーザ活性イオン濃
度が結晶の軸方向に沿って勾配させることを特徴とす
る。
【0027】焼結体の加熱による固体レーザ結晶の製造
装置は、溶融した固体レーザ溶液から結晶を成長させる
ための固体種結晶が結合されレーザ活性イオン濃度が軸
方向に勾配を持つレーザ結晶材料の粉末焼結体と、前記
粉末焼結体の一部を溶融するための加熱手段と、前記粉
末焼結体を前記加熱手段により部分的に溶融させて、レ
ーザ活性イオン濃度が結晶の軸方向に沿って勾配した固
体レーザ結晶を作成することを特徴とする。
【0028】本発明の固体レーザ装置は、励起光源とし
ての半導体レーザと、ディスク形状の固体レーザ結晶
と、前記固体レーザ結晶の一方の端面である励起面より
前記半導体レーザ光を入射して発生した光を共振させる
共振器と、前記固体レーザ結晶の他方の端面である冷却
面に冷却手段を備えた固体レーザ装置において、前記固
体レーザ結晶内のレーザ活性イオンのドープ濃度が、励
起面から冷却面へ増加する勾配を有する固体レーザ結晶
を用いたことを特徴とする。またレーザ活性イオンの濃
度が前記固体レーザ結晶の励起面となる端面から冷却面
となる端面に向かって、励起面から冷却面までの厚さ方
向の距離の2乗に比例して増加する勾配を持つ固体レー
ザ結晶を用いたことを特徴とする。
【0029】本発明の固体レーザ装置は、励起光源とし
ての半導体レーザと、ディスク形状の固体レーザ結晶
と、前記固体レーザ結晶の一方の端面である励起面より
前記半導体レーザ光を入射して発生した光を共振させる
共振器と、前記固体レーザ結晶の他方の端面である冷却
面に冷却手段を備えた固体レーザ装置において、レーザ
活性イオンのドープ濃度が異なる複数個の結晶を前記ド
ープ濃度が励起面から冷却面へ増加する勾配となるよう
に接合した固体レーザ結晶を用い、前記ドープ濃度の高
い結晶面に前記冷却手段を接触させていることを特徴と
する。
【0030】濃度の異なる複数個の結晶がオプティカル
コンタクトあるいは拡散接合により接合されたことを特
徴とする。
【0031】固体レーザ結晶の励起面にレーザイオン活
性のドープされていない結晶を接合したことを特徴とす
る。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の固体レーザ結晶とその作
成方法及び製造装置と固体レーザ結晶を用いた固体レー
ザ装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0033】初めに本発明で用いる固体レーザ装置の構
成ついて図面を参照して説明する。図1は、本発明の実
施例で用いた固体レーザ装置の全体構成を示す図であ
る。固体レーザ装置は、固体レーザ結晶11を励起する
ための半導体レーザ16、励起光19を固体レーザ結晶
11に集光するための集光光学系13及び励起光反射鏡
15、固体レーザ結晶11を冷却するヒートシンク1
2、固体レーザ光20を取り出すための出力鏡14を有
している。固体レーザ結晶11の励起面17及び冷却面
18には、それぞれ、励起光19及び固体レーザ光14
の波長に対して無反射コート、及び高反射コートが施さ
れている。
【0034】次に図1の固体レーザ装置の動作について
説明する。半導体レーザ16より出力した励起光19
は、集光光学系13より固体レーザ結晶11中に照射さ
れる。励起光19は、固体レーザ結晶11の冷却面18
の高反射膜により折り返され、励起光反射鏡15へ入射
する。励起光19は、励起光反射鏡15に折り返される
ことにより、再び、固体レーザ結晶11に入射する。こ
れにより、励起光19の99%のエネルギーが固体レー
ザ結晶11に吸収される。固体レーザ結晶11に吸収さ
れた光は、一部は熱に変換され、一部が波長1064n
mの固体レーザ光20として出力される。
【0035】次に本発明の固体レーザ結晶の第1の実施
例について説明する。固体レーザ結晶の第1の実施例
は、直径6mm、厚さ4mmであり、レーザ活性イオン
の濃度が図2のように、厚さ方向に距離に比例して増加
したNd:YAGの結晶である。本実施例では、励起面
17、冷却面18でのレーザ活性イオン濃度は、それぞ
れ、0.1、1.3atm%である。この結晶による半
導体レーザ光の波長は、880nm、出力10Wであ
り、本実施例の結晶中を2往復することにより99%の
エネルギーが結晶中に吸収される。
【0036】次に本発明の固体レーザ結晶の第1の実施
例を用いたときの効果について説明する。図3は、本発
明の実施例における固体レーザ結晶11中に吸収された
励起光19の割合を、励起面17から冷却面18の間で
軸方向にプロットしたものである。なお、励起光吸収量
22は、固体レーザ結晶11を厚み方向に16分割した
ときの割合で示してある。第1の実施例の結晶では、冷
却面18側でレーザ活性イオンの濃度が高いために、冷
却面18側で励起光の吸収が大きく、かつ発熱が大きく
なるので冷却面での効率的な冷却が可能となる。
【0037】図4は、固体レーザ結晶の第1の実施例の
結晶内の温度分布を計算した結果である。励起光の吸収
量は冷却面の近くで大きくなるため、温度上昇のピーク
が冷却面側に移動するとともに、上昇値が26度以下に
抑えられることが判る。なお、本計算においても、固体
レーザ結晶11の励起面17及び側面25からの冷却効
果を考慮していないために、実際には、更に温度上昇が
抑制されることになる。
【0038】次に本発明の固体レーザ結晶の第2の実施
例について説明する。固体レーザ結晶の第1の実施例で
示したNd:YAGの場合、1atm%台後半の濃度以
上に増加させると、上準位寿命の低下を生じるため、こ
れ以上活性イオンの濃度を高くすることには限界があ
る。したがって層厚として4mmほどの厚さが必要とな
る。これに対し、固体レーザ結晶の第2の実施例である
イットリビウム:YAG(Yb:YAG)では、20a
tm%まで上準位寿命の低下を生じさせることなく、活
性イオンのドープが可能である。
【0039】図5は、Nd:YAG結晶にかえてYb:
YAG結晶を用いた場合の結晶中のレーザ活性イオンの
濃度21分布を表したものである。Yb:YAGでは、
Nd:YAGに比べて高濃度ドープが可能となるため、
厚さ1.5mmの結晶中を2往復することにより励起光
の99%のエネルギーが吸収されることになる。
【0040】図6は、前述の固体レーザ結晶を用いた場
合の上昇温度分布を表したものである。Yb:YAGで
は層厚を薄くすることができるので、冷却面からのいっ
そうの冷却効果が得られ、上昇温度のピークは約24.
7度に抑制されることになる。
【0041】なお、本発明の固体レーザ装置は、励起光
19である半導体レーザ16をV字型に配置し、固体レ
ーザ光20を固体レーザ結晶11に対して垂直に取り出
す配置について述べたが、従来例と同様の構成をとって
も温度上昇の抑制効果を得ることは可能である。
【0042】次に、本発明の固体レーザ結晶の作成方法
と固体レーザ結晶の製造装置について図面を用いて詳細
に述べる。
【0043】図7は本発明の固体レーザ結晶の製造装置
である第1の実施例の構成図であり、従来の固体レーザ
結晶の製造装置と異なるのは、Nd:YAG溶液31を
強制的に撹拌するための撹拌用ハネ33を有する点であ
る。撹拌用ハネ33は、回転するアルミナ棒32に保持
されており、アルミナ棒32とともに回転することによ
り、Nd:YAG溶液を強制的に撹拌する。従来の作成
方法では、出来る限り結晶の軸方向に濃度が均一になる
ように、回転速度及び引き上げ速度をそれぞれ、毎分2
0回、毎時1mm程度にゆっくり引き上げ、軸方向に沿
って均一な濃度を持つ固体レーザ結晶を育成していた。
本実施例においては、回転速度及び引き上げ速度を従来
の固体レーザ結晶の作成方法と同様にし、撹拌手段によ
りNd:YAGの溶液を強制的に撹拌することで、Nd
のYAGに対する実効偏析係数を固有の偏析係数に近づ
け、従来の育成方法に比べて急峻な濃度勾配を持つレー
ザ結晶の育成が可能となる。
【0044】本実施例においては、強制的な撹拌手段で
ある撹拌用ハネをアルミナ棒32とともに回転させる方
法について説明したが、別に駆動手段を設けて、強制的
な撹拌を行うことも可能である。また本実施例では回転
速度及び引き上げ速度を従来の固体レーザ結晶の作成方
法より速くすることにより、例えば毎時1.5〜2.5
mm程度とすることで撹拌手段を用いずに急峻な濃度勾
配を持つレーザ結晶の育成も可能である。
【0045】図8は、本発明による固体レーザ結晶の製
造装置を用いて作成したときの、固体レーザ結晶中の活
性イオン濃度34の分布を表したものである。結晶の長
さは、相対値で表しており、相対長さ1が種結晶側38
に相当する。濃度は、Nd:YAG溶液31中のレーザ
活性イオン濃度に対する相対値で表している。図8より
明らかなように、濃度勾配は種結晶側38へ行くにつれ
て急峻になる。結晶の濃度を相対濃度で表していること
からも明らかなように、Nd:YAG溶液31中のレー
ザ活性イオン濃度を変えることにより、自由な濃度勾配
を持つ固体レーザ結晶の作成が可能となる。また作成し
たNd:YAG結晶27の中から、勾配a35、勾配b
36、勾配c37それぞれの部分を切り出すことによ
り、自由な濃度勾配を持つ固体レーザ結晶の作成が可能
となる。
【0046】次に、本発明の固体レーザ結晶の作成方法
及び製造装置の第2の実施例について述べる。
【0047】図9は固体レーザ結晶の製造装置の第2の
実施例の構成図であり、レーザ活性イオン濃度の異なる
4種類の溶液a40、溶液b41、溶液c42、溶液d
43を含むIr製るつぼ29及び固体レーザ結晶を溶液
a40〜溶液d43へ順に移動するための結晶移動機構
39を有する。レーザ活性イオン濃度は、溶液a40で
最も高く、溶液d43へ行くにつれて低くなるように設
定されている。
【0048】本実施例の固体レーザ結晶の作成方法で
は、まず、溶液a40において結晶を成長させる。所望
の長さに達した時点で、結晶移動機構39によりNd:
YAG結晶27を溶液b41に移動させ再び結晶を成長
させる。これを、溶液d43まで繰り返す。これによ
り、結晶の長さ方向で勾配を持つ結晶の作成が可能とな
る。
【0049】図10は、本実施例の固体レーザ結晶の作
成方法による固体レーザ結晶中のレーザ活性イオン濃度
48の分布を表したものである。勾配a44、勾配b4
5、勾配c46、勾配d47は、それぞれ、溶液a4
0、溶液b41、溶液c42、溶液d43において作成
した濃度勾配である。完全に直線的な、勾配を作るのは
困難であるが、図10のような勾配を持つ固体レーザ結
晶でも十分な温度上昇の抑制効果を得ることができる。
また濃度の異なる溶液の種類を増やすことにより、より
均一な濃度勾配を持つ結晶の作成が可能となりる。
【0050】本実施例においては、固体レーザ結晶を移
動させる方法について説明したが、溶液を移動させて
も、結晶の作成は可能である。
【0051】次に、本発明の固体レーザ結晶の作成方法
及び製造装置の第3の実施例について述べる。
【0052】図11は固体レーザ結晶の製造装置の構成
図であり、Nd:YAG溶液31中に、レーザ活性物質
の原料なるNd23 の粉末を注入するためのレーザ活
性物質注入口49が設けられている。
【0053】本実施例による固体レーザ結晶の作成方法
においては、まず、Ir製るつぼ29中に、レーザ活性
物質の原料粉末であるNd23 を除く、Al23
23 の粉末のみを導入し、レーザ活性物質の含まれ
ないYAG結晶を成長させる。その後、時間とともにレ
ーザ活性物質導入口49よりNd23 粉末を注入す
る。この方法により、時間とともにNd:YAG溶液3
1中のレーザ活性イオン濃度を増加させることができ、
レーザ活性物質の注入量と注入時間を変えることによ
り、種結晶側で濃度の低く、離れるほど高くなる濃度勾
配を持つ結晶を成長させることが可能となる。
【0054】次に、本発明の固体レーザ結晶の作成方法
及び製造装置の第4の実施例について述べる。
【0055】図12におけるレーザ結晶の製造装置で
は、均一な濃度を持つ固体レーザ結晶50を結晶の軸方
向に沿って移動可能なヒータ50の間に保持されてお
り、ヒータ50は、結晶の一部を熱し溶融帯を作りなが
ら、左から右へ移動する。このような作業を繰り返すこ
とにより、レーザ活性イオンであるNd3+は徐々に右
側に移動することになる。
【0056】図13は、前述のレーザ結晶の作成方法を
用いたときの、固体レーザ結晶中のレーザ活性イオン濃
度の分布を表したものである。濃度は、初期のNd:Y
AG結晶51のレーザ活性イオンの濃度に対する相対値
で表しており、初期の濃度は、曲線a52に相当する。
ヒータ50の移動を繰り替えすことにより、レーザ活性
イオンの濃度分布は、曲線b53から曲線d55へ変化
する。本作成方法では、初期に用いる結晶の濃度の違
い、ヒータ50の移動回数により、更に急峻な濃度勾配
を持つ結晶の作成方法が可能となる。
【0057】次に、本発明の固体レーザ結晶の作成方法
及び製造装置の第5の実施例について述べる。
【0058】図14を参照すると、本発明の固体レーザ
結晶の製造装置は、アルミナ棒56に保持された、YA
G種結晶26及び、Nd:YAGの原料となるAl2
3 、Y23 、及びNd23 の高純度の粉末を焼結さ
せたNd:YAG焼結体58、Nd:YAG焼結体58
の一部を加熱溶融させるための赤外線60を発生させる
ための赤外線発生装置59を有する。Nd:YAG焼結
体58は、あらかじめ、レーザ活性イオンの原料となる
Nd2O3の濃度を軸方向に勾配を持つように作成して
ある。赤外線発生装置59は、Nd:YAG焼結体59
の周りを回転するとともに上下に移動するための移動機
構61を有する。
【0059】本作成方法においては、赤外線発生装置5
9は、Nd:YAG焼結体58の一部を加熱、溶融させ
ながら、図面上のYAG種結晶26より下方向へ回転、
移動する。これにより、YAG種結晶26側から、徐々
にNd:YAG焼結体58の結晶かが始まり、Nd:Y
AG焼結体58中のレーザ活性イオンの濃度勾配に応じ
たレーザ活性イオンの濃度勾配を持つ固体レーザ結晶が
作成される。本作成方法においては、Nd:YAG焼結
体58中に含まれるレーザ活性イオンの濃度を変えるこ
とにより、自由な濃度勾配を持つ固体レーザ結晶の作成
が可能となる。
【0060】次に本発明の固体レーザ結晶の第2の実施
例について図面を参照して、詳細に説明する。
【0061】本実施例では、直径6mm、厚さ4mmの
Nd:YAG固体レーザ結晶に対して、図15のよう
に、励起面から冷却面までの厚さ方向の距離2乗に比
例してレーザ活性イオンの濃度62を増加させている。
励起面17、冷却面18での活性イオン濃度は、それぞ
れ、0.2、1.4atm%である。このような濃度分
布を持つことにより、固体レーザ結晶中に吸収される励
起光吸収量63は、図16に示すように直線的な濃度勾
配を持つ結晶に比べて、更に冷却面側で大きくなること
が判る。
【0062】図17は、10Wの半導体レーザにより固
体レーザ結晶を励起したときの上昇温度の計算結果を表
したものである。固体レーザ結晶の図2の例に比べて、
上昇温度のピークは、冷却面側に移動するとともに、ピ
ーク値は23.4度と図2の直線的な濃度勾配を持つ場
合に比べて、更に抑制することが可能となる。
【0063】次に、本発明のレーザ結晶の第3の実施例
について図面を参照して詳細に説明する。
【0064】図18(a)は、本発明の固体レーザ結晶
の側面図、図18(b)はレーザ活性イオンの濃度分布
を表す。図18を参照すると、本発明の固体レーザ結晶
は、レーザ活性イオン濃度の異なる4枚の結晶が接合さ
れている。最も濃度の低い結晶a65から濃度の低い順
に接合されており、結晶a65は、励起面17に結晶d
68は冷却面18に配置されている。
【0065】図19は、励起光の吸収量69を表したも
のであり、結晶a65から結晶d68へ行くにつれて吸
収量が大きくなるようになっている。更に、結晶の分割
数を増やせば、図2の実施例に近づくことになる。
【0066】図20は、10Wの半導体レーザにより固
体レーザ結晶を励起したときの上昇温度の計算結果を表
したものである。上昇温度のピーク値は28.3度であ
り、図2の実施例と同様温度上昇の抑制効果が得られ
る。
【0067】次に、固体レーザ結晶の第3の実施例を作
成する方法について述べる。
【0068】直径6mm、厚さ1mm、レーザ活性イオ
ン濃度がそれぞれ、0.35、0.7、1.05、1.
4atm%であり、結晶軸の一致した4枚の結晶の両端
を、λ/10、平行度1秒に研磨したものを、オプティ
カルコンタクトにより接合する。これにより、接合面に
おける光学的なロスのほとんど生じない固体レーザ結晶
を作成することが可能となる。
【0069】本実施例では、オプティカルコンタクトに
よる結晶の作成方法のみを述べたが、拡散接合による作
成も可能である。
【0070】次に、本発明の固体レーザ結晶の第4の実
施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0071】図21(a)は、本発明の固体レーザ結晶
の側面図、図21(b)はレーザ活性イオンの濃度分布
を表す。図21を参照すると、本発明の固体レーザ結晶
は、レーザ活性イオンのドープされていない結晶a70
と濃度勾配が直線的な勾配を持つ結晶bの2枚の結晶が
接合されている。結晶bの接合面は、濃度の低い面であ
り、もう一方の面は冷却面に配置されている。
【0072】図22は、励起光の吸収量の割合73を表
したものであり、結晶a70では、励起光の吸収は起こ
らず、結晶b74にて励起光が吸収される。
【0073】図23は、10Wの半導体レーザにより固
体レーザ結晶を励起したときの上昇温度の計算結果を表
したものである。上昇温度のピーク値は25.8であ
り、図2に示す実施例に比べて0.2の温度抑制効果が
得られている。実際には、側面からの冷却効果が得られ
るため、側面の表面積が図2の実施例に比べて2倍であ
る本実施例では、より温度の抑制効果が得られる。更
に、結晶a70では励起光の吸収が起こらないので結晶
の厚みを増やしても、温度上昇の抑制効果が低減しない
ため、機械的なひずみに対する強度の上昇効果が得られ
る。また第4の実施例ではドープ濃度が直線となってい
るがこれに限られるものではなく、固体レーザ結晶の第
1〜第3の実施例で述べた固体レーザ結晶にも用いるこ
とができる。
【0074】なお固体レーザ結晶の第2〜第4の実施例
にレーザ活性イオンとしては、NあるいはYb等を用
いることができる。
【0075】
【発明の効果】本発明では、活性イオン濃度が励起面よ
り冷却面で高い固体レーザ結晶を用いているために、効
率的な冷却が可能になる。このため高出力化時の固体レ
ーザ結晶内の温度上昇を抑制することができ、高出力化
に伴う、ビーム品質の劣化を抑制することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた固体レーザ装置の全体構成を示
す図である。
【図2】本発明の固体レーザ結晶の第1の実施例である
Nd:YAG結晶内のレーザ活性イオンの濃度分布を示
す図である。
【図3】本発明の固体レーザ結晶の第1の実施例である
Nd:YAG結晶内の励起光の吸収量の割合を示す図で
ある。
【図4】本発明の固体レーザ結晶の第1の実施例である
Nd:YAG結晶内の上昇温度分布を示す図である。
【図5】本発明の固体レーザ結晶の第1の実施例である
Yb:YAG結晶内のレーザ活性イオンの濃度分布を示
す図である。
【図6】本発明の固体レーザ結晶の第1の実施例である
Yb:YAG結晶内の上昇温度分布を示す図である。
【図7】本発明の固体レーザ結晶の製造装置の第1の実
施例を説明するための図である。
【図8】本発明の固体レーザ結晶の作成方法の第1の実
施例により作成したNd:YAG結晶内のレーザ活性イ
オン濃度を示す図である。
【図9】本発明の固体レーザ結晶の製造装置の第2の実
施例を説明するための図である。
【図10】本発明の固体レーザ結晶の作成方法の第2の
実施例により作成したNd:YAG結晶内のレーザ活性
イオン濃度を示す図である。
【図11】本発明の固体レーザ結晶の製造装置の第3の
実施例を説明するための図である。
【図12】本発明の固体レーザ結晶の製造装置の第4の
実施例を説明するための図である。
【図13】本発明の固体レーザ結晶の作成方法の第4の
実施例により作成したNd:YAG結晶内のレーザ活性
イオン濃度を示す図である。
【図14】本発明の固体レーザ結晶の製造装置の第5の
実施例を説明するための図である。
【図15】本発明の固体レーザ結晶の第2の実施例であ
るNd:YAG結晶内のレーザ活性イオンの濃度分布を
示す図である。
【図16】本発明の固体レーザ結晶の第2の実施例であ
るNd:YAG結晶内の励起光の吸収量の割合を示す図
である。
【図17】本発明の固体レーザ結晶の第2の実施例であ
るNd:YAG結晶内の上昇温度分布を示す図である。
【図18】本発明の固体レーザ結晶の第3の実施例を説
明するための図及びレーザ活性イオンの濃度分布を示す
図である。
【図19】本発明の固体レーザ結晶の第3の実施例であ
るNd:YAG結晶内の励起光の吸収量の割合を示す図
である。
【図20】本発明の固体レーザ結晶の第3の実施例であ
るNd:YAG結晶内の上昇温度分布を示す図である。
【図21】本発明の固体レーザ結晶の第4の実施例を説
明するための図、及びレーザ活性イオンの濃度分布を示
す図である。
【図22】本発明の固体レーザ結晶の第4の実施例であ
るNd:YAG結晶内の励起光の吸収量の割合を示す図
である。
【図23】本発明の固体レーザ結晶の第4の実施例であ
るNd:YAG結晶内の上昇温度分布を示す図である。
【図24】従来の固体レーザ装置の全体構成を示す図で
ある。
【図25】従来の固体レーザ結晶の製造装置を説明する
ための図である。
【図26】従来の固体レーザ装置の固体レーザ結晶内の
励起光吸収量の割合示す図である。
【図27】従来の固体レーザ装置のレーザ結晶内の上昇
温度分布を示す図である。
【符号の説明】
10 反射鏡 11 固体レーザ結晶 12 ヒートシンク 13 集光光学系 14 出力鏡 15 励起光反射鏡 16 半導体レーザ 17 励起面 18 冷却面 19 励起光 20 固体レーザ光 21 レーザ活性イオン濃度 22 励起光吸収量 23 結晶中心 24 上昇温度 25 結晶側面 26 YAG種結晶 27 Nd:YAG結晶 28 アルミナ断熱材 29 Ir製るつぼ 30 誘導加熱用コイル 31 Nd:YAG溶液 32 アルミナ棒 33 撹拌用ハネ 34 レーザ活性イオン濃度 35 勾配a 36 勾配b 37 勾配c 38 種結晶側 39 結晶移動機構 40 溶液a 41 溶液b 42 溶液c 43 溶液d 44 勾配a 45 勾配b 46 勾配c 47 勾配d 48 レーザ活性イオン濃度 49 レーザ活性物質注入口 50 ヒータ 51 Nd:YAG結晶 52 曲線a 53 曲線b 54 曲線c 55 曲線d 58 Nd:YAG焼結体 59 赤外線発生装置 60 赤外線 61 赤外線発生装置移動機構 62 レーザ活性イオン濃度 63 励起光吸収量 64 レーザ活性イオン濃度 65 結晶a 66 結晶b 67 結晶c 68 結晶d 69 励起光吸収量 70 結晶a 71 結晶b 72 レーザ活性イオン濃度 73 励起光吸収量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30 C30B 15/04

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ活性イオンを有するディスク形状の
    固体レーザ結晶において、前記固体レーザ結晶の励起面
    となる端面から冷却面となる端面に向かって前記レーザ
    活性イオンのドープ濃度分布が連続的又は段階的に増加
    していることを特徴とする固体レーザ結晶。
  2. 【請求項2】前記ドープ濃度分布の連続的な変化が直線
    又は曲線であることを特徴とする請求項1記載の固体レ
    ーザ結晶。
  3. 【請求項3】前記ドープ濃度分布の段階的な変化が直線
    又は曲線であることを特徴とする請求項1記載の固体レ
    ーザ結晶。
  4. 【請求項4】レーザ活性イオンを有するディスク形状の
    固体レーザ結晶において、レーザ活性イオンの濃度が前
    記固体レーザ結晶の励起面となる端面から冷却面となる
    端面に向かって、励起面から冷却面までの厚さ方向の距
    離の2乗に比例して増加する勾配を持つことを特徴とす
    る固体レーザ結晶。
  5. 【請求項5】前記ドープ濃度分布の段階的な変化がレー
    ザ活性イオンのドープ濃度が異なる複数個の結晶を接合
    により形成されいることを特徴とする請求項1又は3
    記載の固体レーザ結晶。
  6. 【請求項6】前記濃度の異なる複数個の結晶がオプティ
    カルコンタクトあるいは拡散接合により接合されている
    ことを特徴とする請求項5記載の固体レーザ結晶。
  7. 【請求項7】前記固体レーザ結晶の励起面にレーザイオ
    ン活性のドープされていない結晶を接合したことを特徴
    とする請求項1記載の固体レーザ結晶。
  8. 【請求項8】前記レーザ活性イオンはNd又はYbである
    ことを特徴とする請求項7記載の固体レーザ結晶。
  9. 【請求項9】 固体レーザ結晶の材料粉末を加熱し、材料
    粉末が溶融した材料溶液に固体種結晶を付け、回転させ
    ながら結晶を引き上げて固体レーザ結晶を作成する方法
    であって、前記材料溶液中のレーザ活性イオン濃度を時
    間とともに増加させ、レーザ活性イオンの濃度を結晶軸
    方向に沿って勾配させることを特徴とする固体レーザ結
    晶の作成方法。
  10. 【請求項10】 固体レーザ結晶の材料粉末を加熱する手
    段を有し、材料粉末が溶融した材料溶液に固体種結晶を
    付け、回転させながら結晶を引き上げて固体レーザ結晶
    を作成する製造装置であって、前記材料溶液中のレーザ
    活性イオンを時間とともに増加させる手段を有し、レー
    ザ活性イオンの濃度を結晶軸方向に沿って勾配させるこ
    とを特徴とする固体レーザ結晶の製造装置。
  11. 【請求項11】 レーザ活性イオンの濃度が均一な固体レ
    ーザ結晶の周囲の一部を加熱手段により溶融し、前記加
    熱手段により固体レーザ結晶周囲を軸方向に沿って一方
    から他方へ複数回移動させることにより、レーザ活性イ
    オンの濃度を結晶の軸方向に沿って勾配させることを特
    徴とする固体レーザ結晶の作成方法。
  12. 【請求項12】 レーザ活性イオンの濃度が均一な固体レ
    ーザ結晶の周囲の一部を溶融するための加熱手段と、前
    記加熱手段と前記固体レーザ結晶との相対位置を固体レ
    ーザ結晶の結晶軸方向に沿って一方から他方へ移動させ
    る手段を有し、前記加熱手段により固体レーザ結晶の周
    囲を溶融させ、かつ、一方から他方へ複数回移動させる
    ことにより、レーザ活性イオン濃度を結晶軸方向に沿っ
    て勾配させることを特徴とする固体レーザ結晶の製造装
    置。
  13. 【請求項13】 溶融した固体レーザ溶液から結晶を成長
    させる固体種結晶に接合されレーザ活性イオンの濃度が
    結晶軸方向に勾配を持つ固体レーザ結晶材料の粉末焼結
    体の一部を加熱手段により部分的に溶融させて、レーザ
    活性イオン濃度を結晶軸方向に沿って勾配させることを
    特徴とする固体レーザ結晶の作成方法。
  14. 【請求項14】 溶融した固体レーザ溶液から結晶を成長
    させるための固体種結晶と、前記固体種結晶に結合され
    レーザ活性イオンの濃度が結晶軸方向に勾配を持つレー
    ザ結晶材料の粉末焼結体と、前記粉末焼結体の一部を溶
    融するための加熱手段とを有し、前記粉末焼結体を前記
    加熱手段により部分的に溶融させて、レーザ活性イオン
    濃度が結晶の軸方向に沿って勾配した固体レーザ結晶を
    作成することを特徴とする固体レーザ結晶の製造装置。
  15. 【請求項15】 励起光源としての半導体レーザと、ディ
    スク形状の固体レーザ結晶と、前記固体レーザ結晶の一
    方の端面である励起面より前記半導体レーザ光を入射し
    て発生した光を共振させる共振器と、前記固体レーザ結
    晶の他方の端面である冷却面に冷却手段を備えた固体レ
    ーザ装置において、前記固体レーザ結晶内のレーザ活性
    イオンのドープ濃度が、励起面から冷却面へ増加する勾
    配を有する固体レーザ結晶を用いたことを特徴とする固
    体レーザ装置。
  16. 【請求項16】 レーザ活性イオンのドープ濃度が励起面
    から冷却面へ増加する濃度勾配が連続的であり、直線状
    または曲線状であることを特徴とする請求項15記載の
    固体レーザ装置。
  17. 【請求項17】 レーザ活性イオンの濃度が前記固体レー
    ザ結晶の励起面となる端面から冷却面となる端面に向か
    って、励起面から冷却面までの厚さ方向の距離の2乗に
    比例して増加する勾配を持つ固体レーザ結晶を用いたこ
    とを特徴とする請求項15記載の固体レーザ装置。
  18. 【請求項18】 励起光源としての半導体レーザと、ディ
    スク形状の固体レーザ結晶と、前記固体レーザ結晶の一
    方の端面である励起面より前記半導体レーザ光を入射し
    て発生した光を共振させる共振器と、前記固体レーザ結
    晶の他方の端面である冷却面に冷却手段を備えた固体レ
    ーザ装置において、レーザ活性イオンのドープ濃度が異
    なる複数個の結晶を前記ドープ濃度が励起面から冷却面
    へ増加する勾配となるように接合した固体レーザ結晶を
    用い、前記ドープ濃度の高い結晶面に前記冷却手段を接
    触させていることを特徴とする固体レーザ装置。
  19. 【請求項19】 前記濃度の異なる複数個の結晶がオプテ
    ィカルコンタクトあるいは拡散接合により接合されたこ
    とを特徴とする請求項18記載の固体レーザ装置。
  20. 【請求項20】 固体レーザ結晶の励起面にレーザイオン
    活性のドープされていない結晶を接合したことを特徴と
    する請求項15記載の固体レーザ装置。
JP27927597A 1997-10-14 1997-10-14 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置 Expired - Fee Related JP3266071B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27927597A JP3266071B2 (ja) 1997-10-14 1997-10-14 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27927597A JP3266071B2 (ja) 1997-10-14 1997-10-14 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11121855A JPH11121855A (ja) 1999-04-30
JP3266071B2 true JP3266071B2 (ja) 2002-03-18

Family

ID=17608903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27927597A Expired - Fee Related JP3266071B2 (ja) 1997-10-14 1997-10-14 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3266071B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7751457B2 (en) 2006-06-29 2010-07-06 Ricoh Company, Ltd. Laser-diode pumped solid-state laser apparatus, optical scanning apparatus, image forming apparatus and display apparatus

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4557192B2 (ja) * 1999-08-11 2010-10-06 株式会社Ihiエアロスペース 要求濃度分布を有する材料の作成方法
JP4544606B2 (ja) * 2002-05-17 2010-09-15 株式会社日本政策投資銀行 レーザーシステム
EP1638178A4 (en) * 2003-06-20 2007-08-08 Mitsubishi Electric Corp SOLID LASER PICKUP MODULE
JP2006165292A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Ricoh Co Ltd 半導体レーザ励起固体レーザ装置
JP4627445B2 (ja) * 2005-02-23 2011-02-09 浜松ホトニクス株式会社 レーザ増幅装置
JP2007059591A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 光励起ディスク型固体レーザ共振器、光励起ディスク型固体レーザシステム
CA2736312C (en) * 2008-09-05 2014-08-05 Ams Research Corporation Laser system having switchable power modes
CN103730830A (zh) * 2013-11-06 2014-04-16 中国科学院上海光学精密机械研究所 激光二极管泵浦氦气冷却的掺钕钇氟化钙激光放大器
CZ306311B6 (cs) * 2015-07-16 2016-11-23 Fyzikální Ústav Av Čr, V. V. I. Optické elementy pro konstrukci výkonových laserových systémů a jejich příprava
CN106012017B (zh) * 2016-05-16 2018-03-16 青岛大学 一种yag单晶粉体的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7751457B2 (en) 2006-06-29 2010-07-06 Ricoh Company, Ltd. Laser-diode pumped solid-state laser apparatus, optical scanning apparatus, image forming apparatus and display apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11121855A (ja) 1999-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lu et al. Nd3+: Y2O3 Ceramic Laser
JP2980788B2 (ja) レーザ装置
JP3636492B2 (ja) 可飽和吸収体により受動スイッチングする自己配列したモノリシック固体マイクロレーザー及びその製法
JP3266071B2 (ja) 固体レーザ結晶とその作成方法及び固体レーザ装置
US4701928A (en) Diode laser pumped co-doped laser
JP3767945B2 (ja) スイッチ型固体マイクロレーザーによりポンピングされる一体型赤外発光デバイス
US5067134A (en) Device for generating blue laser light
US7496125B2 (en) Composite laser rod, fabricating method thereof, and laser device therewith
US10273595B2 (en) Method for tailoring the dopant profile in a laser crystal using zone processing
EP1873875B1 (en) Laser-diode pumped solid state laser apparatus, optical scanning apparatus, image forming apparatus and display apparatus
US5844932A (en) Microlaser cavity and externally controlled, passive switching, solid pulsed microlaser
US5295146A (en) Solid state gain mediums for optically pumped monolithic laser
EP0483003A1 (fr) Emetteur laser constitué d'un silicate mixte d'yttrium et de lanthanide
Dong et al. Highly doped Nd: YAG crystal used for microchip lasers
Sudesh et al. Pulsed laser action in Tm, Ho: LuLiF/sub 4/and Tm, Ho: YLiF/sub 4/crystals using a novel quasi-end-pumping technique
JP2000101178A (ja) 固体レーザ材料及び固体レーザ素子
Gavrilovic et al. Temperature‐tunable, single frequency microcavity lasers fabricated from flux‐grown YCeAG: Nd
JPH11243247A (ja) ランタン・マグネシウムアルミナート(lma)の単結晶層、それらの液相エピタキシャル成長による成長プロセス及びそれらの単結晶の層を含む光学的部品
JP4037244B2 (ja) レーザー発振方法およびレーザー装置
Qi et al. Highly efficient Nd: YAG ceramic CW laser with 59.8% slope-efficiency
JP2001223423A (ja) レーザー装置
JP5408860B2 (ja) 固体レーザー装置
US6937630B2 (en) Laser oscillation method and laser device
Wittrock High‐power Nd: YAG lasers
JP2776323B2 (ja) 固体レーザ用結晶およびレーザ発振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080111

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090111

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100111

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees