JP3265938B2 - 圧電フィルタ - Google Patents

圧電フィルタ

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JP3265938B2
JP3265938B2 JP21526395A JP21526395A JP3265938B2 JP 3265938 B2 JP3265938 B2 JP 3265938B2 JP 21526395 A JP21526395 A JP 21526395A JP 21526395 A JP21526395 A JP 21526395A JP 3265938 B2 JP3265938 B2 JP 3265938B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は圧電フィルタに関
し、特にたとえば、AMラジオに使用される中間周波フ
ィルタなどに用いられる圧電フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】AMラジオの中間周波フィルタとして用
いられる圧電共振部品が、たとえば特公平1−4869
5号公報や特公平1−48696号公報に記載されてい
る。この圧電共振部品1では、図21に示すように、圧
電体基板2の両面に電極3,4が形成されている。一方
の電極3には、圧電体基板2の長手方向の長さをLとし
たとき、圧電体基板2の両端からL/6の部分に溝5
a,5bが形成されている。さらに、電極3には、圧電
体基板2の幅方向の中央部に、溝6が形成されている。
これらの溝5a,5bおよび6に囲まれた電極部分3
a,3bが、入出力電極として用いられる。さらに、圧
電体基板2の他方面に形成された電極4が、グランド電
極として用いられる。
【0003】この圧電共振部品1は、溝6の両側の電極
部分3a,3bを入出力電極とすることにより、圧電素
子の長さ振動モードを利用している。このように、長さ
振動モードを利用することにより、拡がり振動を利用し
た圧電共振部品に比べて小型化が可能である。さらに、
溝5a,5bが形成されていることにより、基本振動の
3倍波を抑圧することができ、良好な特性を得ることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような圧電共振部
品は、たとえばAMラジオの中間周波用フィルタとして
用いられる。しかしながら、ラジオに外部から機械的な
衝撃が加わった場合、図22に示すように、圧電共振部
品に反りが生じる。このような反りが発生すると、圧電
体基板の一方側に伸びが生じ、他方側に縮みが生じる。
そのため、圧電体基板に逆極性の電荷が発生する。この
電荷は入出力電極から出力され、ラジオの増幅器などに
伝達される。そして、最終的にスピーカーを駆動し、雑
音の発生の原因となる。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、機
械的な衝撃が加わっても、不要な電荷の出力が抑えられ
圧電フィルタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、長方形の板
状の圧電体基板と、圧電体基板の両面に形成される電極
とを含み、圧電体基板の長手方向の長さをLとしたと
、一方の電極、圧電体基板の長手方向の両端からL
/6の位置および圧電体基板の長手方向の中央部との間
に形成され、かつ圧電体基板の幅方向に2分割されるこ
とによって4つの電極部分が形成された圧電共振子とを
有し、4つの電極部分のうち、圧電体基板の幅方向に2
分割された2組の電極部分をそれぞれ接続し、得られた
2つの接続部分を入出力端子とするとともに、他方の電
極がグランド用として用いられる、圧電フィルタであ
る。この圧電フィルタにおいて、圧電体基板の一方面上
に形成された4つの電極部分が互いに交差するように接
続されることにより、入出力端子となる2つの接続部分
が形成されてもよい。 また、この発明は、長方形の板状
の圧電体基板と、圧電体基板の両面に形成される電極と
を含み、圧電体基板の長手方向の長さをLとしたとき、
2つの電極のそれぞれに、圧電体基板の長手方向の両端
からL/6の位置および圧電体基板の長手方向の中央部
との間に形成され、かつ圧電体基板の幅方向に2分割さ
れることによって4つの電極部分が形成された圧電共振
子を有し、一方の電極に形成された4つの電極部分のう
ち、圧電体基板の幅方向に2分割された2組の電極部分
のうちの1組を接続して一方の入出力端子とし、他方の
電極に形成された4つの電極部分のうち、圧電体基板の
幅方向に2分割された2組の電極部分のうちの前記1組
に対向しない他の1組を接続して他方の入出力端子と
し、入出力端子に用いられない電極部分が接続されてグ
ランド用として用いられる、圧電フィルタである。 この
圧電フィルタにおいて、圧電体基板の一方面上において
一方の入出力端子として接続された1組の電極部分と、
圧電体基板の他方面上において他方の入出力端子として
接続された1組の電極部分とが、互いに交差するように
配置されてもよい。 また、上述のいずれかの圧電フィル
タにおいて、絶縁体基板と、絶縁体基板上に形成される
入出力電極と、絶縁体基板上に形成されるグランド電極
を含み、2つの入出力端子に入出力電極を接続し、圧
電体基板上においてグランド用として用いられる電極に
絶縁体基板上のグランド電極を接続した構成とすること
がで きる。 さらに、この発明は、複数の圧電フィルタを
接続した多段の圧電フィルタであって、複数の圧電フィ
ルタの中の少なくとも最終段に上述のいずれかの圧電フ
ィルタが配置される、圧電フィルタである。このような
複数の圧電フィルタを用いた多段の圧電フィルタにおい
て、絶縁体基板と、絶縁体基板上に形成される入力電極
と出力電極と、絶縁体基板上に形成されるグランド電極
と、絶縁体基板上に取り付けられる複数の圧電フィルタ
を含む多段の圧電フィルタであって、最終段の圧電フィ
ルタの入出力端子の一方が出力電極に接続されるととも
に他方が他の圧電フィルタに接続され、最終段の圧電フ
ィルタにおいてグランド用として用いられる電極に絶縁
体基板上のグランド電極が接続された構成とすることが
できる。
【0007】この圧電フィルタでは、圧電体基板の幅方
向に電極が2分割されることにより、圧電体基板に長さ
振動を発生させることができる。しかも、圧電体基板の
長手方向の両端からL/6の部分に電極が形成されてい
ないため、基本振動の3倍波を抑圧することができる。
さらに、圧電体基板の長手方向の中央部に電極が形成さ
れず、幅方向に2分割された電極部分が接続されるた
め、それらの電極部分に逆極性の電荷が発生しても、そ
れらの電荷が相殺される。
【0008】この圧電フィルタを用いる場合、たとえば
入出力電極やグランド電極を形成した絶縁体基板上に取
り付けることにより、外部回路との接続が容易となる。
さらに、複数の圧電フィルタを用いて多段の圧電フィル
タを作製する場合、少なくとも最終段に上述の圧電フィ
ルタが用いられる。このとき、前段の圧電フィルタに衝
撃によるノイズが発生しても、最終段の圧電フィルタ
共振特性とは異なるため、全体としての圧電フィルタか
らは出力されない。
【0009】
【発明の効果】この発明によれば、外部の機械的な衝撃
が加わっても、発生した電荷が相殺されるため、不要な
電荷の出力が抑えられる。したがって、この圧電フィル
タをラジオの中間周波フィルタなどに使用すれば、衝撃
による雑音を低減することができる。また、複数の圧電
フィルタを用いた多段の圧電フィルタにおいて、上述の
圧電フィルタを最終段に用いれば、衝撃によるノイズの
発生を抑えることができる。
【0010】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の圧電フィルタ
に用いられる圧電共振子の一例を示す斜視図である。圧
電共振子10は、長方形の板状の圧電体基板12を含
む。圧電体基板12の両面には、電極14,16が形成
される。一方の電極14側には、圧電体基板12の長手
方向の長さをLとしたとき、圧電体基板の長手方向の両
端からL/6の部分に、それぞれ溝18a,18bが形
成される。さらに、電極14側には、圧電体基板12の
長手方向の中央部に、溝20が形成される。また、電極
14側には、圧電体基板12の幅方向の中央部に、溝2
2が形成される。したがって、電極14は、8つの部分
14a,14b,14c,14d,14e,14f,1
4g,14hに分割されている。他方の電極16は、圧
電体基板12の全面に形成される。
【0012】この圧電共振子10は、図2に示すよう
に、溝18a,20,22で囲まれた電極部分14a,
14bが接続され、端子24として用いられる。さら
に、溝18b,20,22で囲まれた電極部分14c,
14dが接続され、端子26として用いられる。これら
の端子24,26が、入出力端子として用いられる。ま
た、他方の電極16は、グランド電極として用いられ
る。このように接続されることにより、圧電フィルタ3
0が形成される。
【0013】この圧電フィルタ30では、圧電体基板1
2の幅方向の中央部に溝22が形成されていることによ
り、共振周波数において、圧電体基板12に長さ振動を
発生させることができる。このとき、溝18a,18b
が形成されていることにより、基本振動の3倍波の発生
を抑えることができ、良好なスプリアス特性を得ること
ができる。
【0014】この圧電フィルタ30に外部から衝撃が加
わったとき、図3に示すように、反りが生じる。この反
りによって、溝22の一方側に伸びが生じ、溝22の他
方側に縮みが生じる。そのため、溝22の両側におい
て、圧電体基板12に逆極性の電荷が発生する。しかし
ながら、この圧電フィルタ30では、溝22を挟んだ電
極部分14a,14bが接続され、電極部分14c,1
4dが接続されている。そのため、逆極性の電荷は相殺
され、端子24,26から外部に出力されない。したが
って、この圧電フィルタ30をラジオの中間周波フィル
タとして使用しても、外部の衝撃によって発生する電荷
が出力されず、スピーカーから雑音として出力されな
い。
【0015】このような効果を得るためには、図4に示
すように、溝22の両側の電極部分14a,14dを接
続し、溝22の両側の電極部分14b,14cを接続し
てもよい。このように、互いに交差するように各電極部
分を接続し、端子24,26としてもよい。このような
接続方法を採用しても、衝撃によって発生する電荷を相
殺することができ、ラジオの雑音を防ぐことができる。
なお、圧電体基板12や各電極14,16の形状や寸法
および溝18a,18b,20,22の形成位置など、
種々のばらつきがあるため、衝撃によって発生する電荷
が完全に相殺されない場合がある。しかしながら、相殺
されずに出力される電荷はごく僅かであり、問題になる
ほどのものではない。
【0016】図5は、絶縁体基板を有する圧電フィルタ
の一例を示す斜視図である。圧電フィルタ30は、絶縁
体基板32を含む。絶縁体基板32の一方面上には、そ
の中央部にグランド電極34が形成される。グランド電
極34は、絶縁体基板32の対向する両端に向かって延
びるように形成される。さらに、絶縁体基板32の一方
面上には、グランド電極34の両側に、それぞれ入力電
極36および出力電極38が形成される。これらの入力
電極36および出力電極38も、絶縁体基板32の対向
する両端に向かって延びるように形成される。さらに、
絶縁体基板32の側面には、外部回路との接続のための
外部端子40が形成される。これらの外部端子40に
は、グランド電極34,入力電極36および出力電極3
8などが接続される。
【0017】絶縁体基板32上には、圧電共振子10が
載置される。そして、圧電共振子10の電極16が、導
電接着剤41などでグランド電極34上に取り付けられ
る。このとき、圧電共振子10の振動が妨げられないよ
うに、電極16の接着部分の長さは、圧電体基板12の
全長の1/3以下であることが望ましい。さらに、リー
ド線42などによって、端子24が入力電極36に接続
され、端子26が出力電極38に接続される。
【0018】絶縁体基板32上には、たとえば絶縁体材
料で形成されたキャップ(図示せず)が被せられ、圧電
共振子10などが保護される。この圧電フィルタ30
が、たとえばプリント基板などに実装される。このと
き、絶縁体基板32の側面に形成された外部端子40
が、プリント基板のパターン電極に半田付けされる。こ
のように、絶縁体基板32を用いることにより、プリン
ト基板などへの実装が容易となる。
【0019】また、図6に示すように、金属端子44,
46,48に圧電共振子10を取り付けてもよい。この
例では、フープ材50から3つの金属端子44,46,
48が延びている。中央の金属端子46には、導電接着
剤41などで圧電共振子10の電極16が取り付けられ
る。他の金属端子44,48は、圧電共振子10の周囲
を取り囲むように形成される。そして、リード線42に
よって、端子24が金属電極44に接続され、端子26
が金属端子48に接続される。
【0020】圧電共振子10および金属端子44,4
6,48の周囲は、樹脂ケースやディッピングによる樹
脂モールドによって被覆される。そして、フープ材50
から延びた金属端子44,46,48の脚部分だけが、
樹脂ケースや樹脂モールドから露出している。樹脂ケー
スや樹脂モールドが形成されたのち、金属端子44,4
6,48がフープ材50から切り離され、圧電フィルタ
30が作製される。なお、ディッピングにより樹脂モー
ルドを形成する場合、圧電共振子10の振動のための空
間を確保するために、圧電共振子10の周囲に空洞部が
形成される。
【0021】また、図7に示すように、絶縁体基板32
上にグランド電極34,入力電極36および出力電極3
8を形成し、接続用端子52を用いて圧電共振子10と
絶縁体基板32上の各電極34,36,38とを接続し
てもよい。この場合、圧電共振子10は、電極14およ
び電極16が絶縁体基板32上で対向して露出するよう
に配置される。接続用端子52は、たとえば金属板を折
り曲げて形成される。そして、接続用端子52は、導電
接着剤などによって、絶縁体基板32のグランド電極3
4,入力電極36,出力電極38に取り付けられる。さ
らに、これらの接続用端子52は、導電接着剤などによ
って、圧電共振子10の電極14,16に取り付けられ
る。このとき、入力電極36に取り付けられる接続用端
子52は、圧電共振子10の2つの電極部分14a,1
4bに同時に接続される。同様に、出力電極38に取り
付けられる接続用端子52は、圧電共振子10の電極部
分14c,14dに同時に接続される。
【0022】上述の圧電フィルタに用いられる圧電共振
子10では、電極16が圧電体基板12の全面に形成さ
れているが、図8(A),(B)に示すように、電極1
6も8つの部分16a,16b,16c,16d,16
e,16f,16g,16hに分割してもよい。この分
割方法は、電極14と同様である。そして、電極部分1
4a,14bが接続されて入力用に用いられ、電極部分
14c,14dが接続されてグランド用に用いられる。
また、電極部分16a,16bが接続されてグランド用
に用いられ、電極部分16c,16dが接続されて出力
用に用いられる。このように、圧電体基板12の両面の
電極14,16を入力用および出力用に用いてもよい。
【0023】このような圧電共振子10を用いて圧電フ
ィルタ30とする場合、図9に示すように、4つの接続
用端子52が使用される。絶縁体基板32には、2つの
グランド電極34,入力電極36および出力電極38が
形成されている。そして、それぞれの接続用端子52に
よって、圧電共振子10の入力用,出力用およびグラン
ド用の電極が、絶縁体基板32の入力電極36,出力電
極38およびグランド電極34に接続される。
【0024】また、図10に示すように、圧電共振子1
0の電極14側の電極部分14a,14dを接続して入
力用に用い、電極部分14b,14cを接続してグラン
ド用に用いてもよい。さらに、電極16側の電極部分1
6a,16dが接続されてグランド用として用いられ、
電極部分16b,16cが接続されて出力用として用い
られる。
【0025】この場合、図11に示すように、リード線
42が交差するようにして、各電極部分が接続される。
そして、圧電共振子10の入力用,出力用およびグラン
ド用の電極が、絶縁体基板32の入力電極36,出力電
極38およびグランド電極34に接続される。
【0026】さらに、複数の圧電フィルタ30を用いて
多段の圧電フィルタ50を形成することもできる。たと
えば、図12に示すように、絶縁体基板32上に、2つ
圧電フィルタ30が載置される。ここでは、分割され
ていない電極16を有する圧電フィルタ30が用いられ
ている。そして、グランド用の電極16が、導電接着剤
などによって、絶縁体基板32のグランド電極34に取
り付けられる。そして、リード線42によって、一方の
圧電フィルタ30の電極部分14a,14bが、絶縁体
基板32の入力電極36に接続される。さらに、一方の
圧電フィルタ30の電極部分14c,14dと他方の
電フィルタ30の電極部分14c,14dとが接続され
る。また、他方の圧電フィルタ30の電極部分14a,
14bが、絶縁体基板32の出力電極38に接続され
る。このようにして、2つの圧電フィルタ30が接続さ
れ、2段の圧電フィルタ50となる。
【0027】また、図13に示すように、リード線42
が交差するようにして、各圧電フィルタ30の電極部分
を接続し、2段の圧電フィルタ50としてもよい。ここ
では、一方の圧電フィルタ30の電極部分14b,14
cが、絶縁体基板32の入力電極36に接続される。さ
らに、一方の圧電フィルタ30の電極部分14a,14
dと他方の圧電フィルタ30の電極部分14b,14c
とが接続される。また、他方の圧電フィルタ30の電極
部分14a,14dが、絶縁体基板32の出力電極38
に接続される。このように、各圧電フィルタ30におい
て、溝22の両側の電極部分が接続されていればよく、
その接続方法は任意に変更可能である。
【0028】また、最終段に本発明の圧電フィルタ30
が用いられていれば、他の圧電フィルタは従来のものを
使用してもよい。たとえば、図14に示すように、前段
圧電フィルタとして、図21に示す従来の圧電共振子
1が用いられている。そして、圧電共振子1の電極部分
3bが、絶縁体基板32の入力電極36に接続される。
さらに、圧電共振子1の電極部分3aが、後段の圧電フ
ィルタ30の電極部分14a,14bに接続される。ま
た、圧電フィルタ30の電極部分14c,14dは、絶
縁体基板32の出力電極38に接続される。
【0029】このような2段の圧電フィルタ50では、
外部の衝撃によって後段の圧電フィルタ30に発生する
電荷は相殺される。しかしながら、前段の圧電共振子1
に発生する電荷は相殺されず、後段の圧電フィルタ30
に入力される。ところが、このような信号は圧電フィル
タ30の共振周波数と異なるため、最終段の圧電フィル
タ30からは出力されない。つまり、複数の圧電フィル
を用いた多段の圧電フィルタであっても、最終段に本
発明の圧電フィルタ30を使用すれば、外部の衝撃によ
るノイズを除去することができる。
【0030】また、図15に示すように、後段の圧電フ
ィルタ30の電極部分の接続は、交差するようにしても
よい。この2段の圧電フィルタ50では、前段の圧電共
振子1の電極部分3bが、絶縁体基板32の入力電極3
6に接続される。さらに、圧電共振子1の電極部分3a
が、後段の圧電フィルタ30の電極部分14a,14d
に接続される。また、後段の圧電フィルタ30の電極部
分14b,14cが、絶縁体基板32の出力電極38に
接続される。このような接続方法を採用しても、衝撃に
よるノイズの少ない圧電フィルタ50を得ることができ
る。
【0031】このような2段の圧電フィルタ50につい
て、その周波数特性を測定し、グラフに示した。図16
は、前段および後段に本発明の圧電フィルタ30を用い
2段の圧電フィルタ50の周波数特性である。さら
に、図17は、図16の共振部分を拡大したグラフであ
る。また、図18は、前段に従来の圧電共振子1を使用
し、後段に本発明の圧電フィルタ30を使用した2段の
圧電フィルタ50の周波数特性である。さらに、図19
は、図18の共振部分を拡大したグラフである。これら
のグラフから、どちらの圧電フィルタ30も、AMラジ
オの中間周波数である455kHzに通過帯域を有し、
しかも他の部分の減衰量が大きく、良好な特性を有して
いることがわかる。
【0032】さらに、衝撃によるノイズの発生を測定す
るために、図20に示すように、3端子型の圧電フィル
タを作製した。ケース60の内部には、2つの圧電フィ
ルタが、端子44,46,48に直交する形で収納され
ている。そして、ケースの各側面に直交する3つの方
向、つまり図20のX方向,Y方向,Z方向に加振し、
出力端子とグランド端子との間の出力電圧を測定した。
加振条件は、振動数1kHz,10G(重力加速度の1
0倍)である。この実験結果を表1に示す。表1におい
て、試料1は、前段および後段の両方に従来の圧電共振
子を使用したものである。また、試料2は、前段に従来
の圧電共振子を使用し、後段に本発明の圧電フィルタ3
を使用したものである。
【0033】
【表1】
【0034】表1からわかるように、従来の圧電共振子
のみを用いた圧電フィルタは、振動によるノイズが大き
い。それに対して、後段に本発明の圧電フィルタを用い
た圧電フィルタでは、振動によるノイズが少ない。この
実験から、本発明の圧電フィルタ30およびそれを用い
圧電フィルタ50は、外部の衝撃に対して、影響を受
けにくいことがわかる。
【0035】なお、この発明の圧電フィルタ30を構成
する圧電共振子10において、溝18a,18bより内
側に電極14が形成されていればよく、電極部分14
e,14f,14g,14hは形成されていなくてもよ
い。つまり、圧電体基板12の長手方向の両端からL/
6の部分に電極が形成されていなければ、基本振動の3
倍波を抑えることができる。さらに、電極14を分割す
るためには、必ずしも溝を形成する必要はない。たとえ
ば、エッチングなどによって、不要な部分の電極のみを
除去してもよい。また、圧電体基板12の幅方向の中間
部の溝22は、必ずしも圧電体基板12の幅方向の中央
部に形成されなくてもよい。溝22は、圧電体基板12
の長手方向に延びていれば、その形成位置は任意に変更
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧電フィルタに用いられる圧電共振
子の一例を示す斜視図である。
【図2】この発明の圧電フィルタの一例を示す斜視図で
ある。
【図3】図2に示す圧電フィルタに衝撃が加わったとき
の状態を示す図解図である。
【図4】この発明の圧電フィルタの他の例を示す斜視図
である。
【図5】図1に示す圧電共振子を用いた圧電フィルタの
一例を示す斜視図である。
【図6】図1に示す圧電共振子を用いた圧電フィルタの
他の例を示す図解図である。
【図7】図1に示す圧電共振子を用いた圧電フィルタの
さらに他の例を示す斜視図である。
【図8】(A)および(B)はこの発明の圧電フィルタ
に用いられる圧電共振子の他の例を示す平面図である。
【図9】図8に示す圧電共振子を用いた圧電フィルタの
例を示す斜視図である。
【図10】(A)および(B)はこの発明の圧電フィル
タに用いられる圧電共振子のさらに他の例を示す平面図
である。
【図11】図10に示す圧電共振子を用いた圧電フィル
タの例を示す斜視図である。
【図12】図2に示す圧電フィルタを2個使った圧電フ
ィルタの例を示す平面図である。
【図13】図4に示す圧電フィルタを2個使った圧電フ
ィルタの他の例を示す平面図である。
【図14】前段に従来の圧電共振子を使用し、後段に本
発明の圧電フィルタを使用した2段の圧電フィルタの例
を示す平面図である。
【図15】前段に従来の圧電共振子を使用し、後段に本
発明の圧電フィルタを使用した2段の圧電フィルタの他
の例を示す平面図である。
【図16】従来の圧電共振子を2個使用した圧電フィル
タの周波数特性を示すグラフである。
【図17】図16に示す特性の共振部分を拡大したグラ
フである。
【図18】前段に従来の圧電共振子を使用し、後段に本
発明の圧電フィルタを使用した2段の圧電フィルタの周
波数特性を示すグラフである。
【図19】図18に示す特性の共振部分を拡大したグラ
フである。
【図20】振動に対する出力電圧を測定するために用い
た3端子型の圧電フィルタを示す斜視図である。
【図21】従来の圧電共振子の一例を示す斜視図であ
る。
【図22】図21に示す従来の圧電共振子に衝撃が加わ
ったときの状態を示す図解図である。
【符号の説明】
10 圧電共振子 12 圧電体基板 14 電極 16 電極 18a,18b 溝 20 溝 22 溝 30 圧電フィルタ 32 絶縁体基板 34 グランド電極 36 入力電極 38 出力電極50 圧電フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/17 H03H 9/54

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形の板状の圧電体基板、および前記
    圧電体基板の両面に形成される電極を含み、 前記圧電体基板の長手方向の長さをLとしたとき、一
    の前記電極、前記圧電体基板の長手方向の両端からL
    /6の位置および前記圧電体基板の長手方向の中央部と
    の間に形成され、かつ前記圧電体基板の幅方向に2分割
    されることによって4つの電極部分が形成された圧電共
    振子を有し、 前記4つの電極部分のうち、前記圧電体基板の幅方向に
    2分割された2組の電極部分をそれぞれ接続し、得られ
    た2つの接続部分を入出力端子とするとともに、他方の
    前記電極がグランド用として用いられる 、圧電フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記圧電体基板の一方面上に形成された
    前記4つの電極部分が互いに交差するように接続される
    ことにより、前記入出力端子となる2つの接続部分が形
    成される、請求項1に記載の圧電フィルタ。
  3. 【請求項3】 長方形の板状の圧電体基板、および 前記
    圧電体基板の両面に形成される電極を含み、 前記圧電体基板の長手方向の長さをLとしたとき、2つ
    の前記電極のそれぞれに、前記圧電体基板の長手方向の
    両端からL/6の位置および前記圧電体基板の長手方向
    の中央部との間に形成され、かつ前記圧電体基板の幅方
    向に2分割されることによって4つの電極部分が形成さ
    れた圧電共振子を有し、 一方の前記電極に形成された前記4つの電極部分のう
    ち、前記圧電体基板の幅方向に2分割された2組の電極
    部分のうちの1組を接続して一方の入出力端子とし、他
    方の前記電極に形成された前記4つの電極部分のうち、
    前記圧電体基板の幅方向に2分割された2組の電極部分
    のうちの前記1組に対向しない他の1組を接続して他方
    の入出力端子とし、前記入出力端子に用いられない前記
    電極部分が接続されてグランド用として用いられる 、圧
    電フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記圧電体基板の一方面上において一方
    の入出力端子として接続された1組の電極部分と、前記
    圧電体基板の他方面上において他方の入 出力端子として
    接続された1組の電極部分とが、互いに交差するように
    配置された、請求項3に記載の圧電フィルタ。
  5. 【請求項5】 絶縁体基板、前記絶縁体基板上に形成さ
    れる入出力電極、および前記絶縁体基板上に形成される
    グランド電極を含み、 前記2つの入出力端子に前記入出力電極を接続し、前記
    圧電体基板上において前記グランド用として用いられる
    電極に前記絶縁体基板上の前記グランド電極を接続し
    た、請求項1ないし請求項4のいずれか に記載の圧電フ
    ィルタ。
  6. 【請求項6】 複数の圧電フィルタを接続した多段の
    電フィルタであって、 複数の前記圧電フィルタの中の少なくとも最終段に請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧電フィルタが
    配置される、圧電フィルタ。
  7. 【請求項7】 絶縁体基板、 前記絶縁体基板上に形成される入力電極と出力電極、 前記絶縁体基板上に形成されるグランド電極、および前
    記絶縁体基板上に取り付けられる複数の圧電フィルタを
    含む多段の圧電フィルタであって、 最終段の前記圧電フィルタの入出力端子の一方が前記出
    力電極に 接続されるとともに他方が他の前記圧電フィル
    に接続され、最終段の前記圧電フィルタにおいて前記
    グランド用として用いられる電極に前記絶縁体基板上の
    前記グランド電極が接続された、請求項6に記載の圧電
    フィルタ。
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