JP3265892B2 - ホースおよびその製法ならびにそれを用いたホース接続構造 - Google Patents
ホースおよびその製法ならびにそれを用いたホース接続構造Info
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Description
て使用されるホースおよびその製法ならびに上記ホース
の接続構造に関するものである。
るなど、各種装置や機械において使用される基本的な部
材である。そして、ホースは、ゴム層,樹脂層,補強糸
層等が積層された多層構造をとることが、一般的であ
る。例えば、自動車等の燃料配管に使用されるホースと
して、4層構造のホースがあげられる。図2に示すよう
に、このホースは、内層2がフッ素ゴムから形成され、
この外周に中間ゴム層3a,補強糸層3b,外皮ゴム層
3cが、順次積層されている。このように、燃料と直接
接触する内層2が、フッ素ゴムから形成されていること
で、ガソリン等のホース外部への揮発が防止され、また
ホースの劣化も防止される。また、この内層2の外周
に、上記各種の層3a,3b,3cを積層形成すること
により、ホースが、耐摩耗性や耐圧性等の種々特性を備
えるようになる。
は、通常、エンジンや燃料タンク等の金属製パイプと接
続される。このホースと金属製パイプとの接続構造の一
例を説明すると、図5に示すように、ホース1aの端部
内に、金属製パイプ6の端部が嵌入されており、金属製
パイプ6は、その先端にニップルが1つ形成され、また
ホース1aは、ホースクランプ5により、ホース先端部
が締めつけられて、金属製パイプ6から外れないように
固定されている。そして、通常、ホース1aのフッ素ゴ
ム製内層内周面には、ジメチルシリコーン等の潤滑剤が
塗布されて潤滑層が形成されている。これは、ホース1
a端部内への金属製パイプ6端部の挿入を容易にし、ホ
ース1aと金属製パイプ6との接続作業効率を向上させ
るためである。
構造では、シール性が重要な要求特性とされる。すなわ
ち、シール性が悪いと、例えば、燃料配管でのホース接
続構造では、燃料の漏出が生じ、コスト的に無駄となる
だけでなく、漏出燃料に引火して重大な事故が発生する
恐れがあるからである。
初は、シール性があるが、経時的にシール性が低下して
しまう。すなわち、ホースを金属製パイプに接続した当
初は、ホース自身が有する弾性力(ゴム弾性)により金
属製パイプに密着しているため、シール性が保持されて
いる。しかし、この弾性力もゴムの経時的劣化に伴い低
下する。特に、自動車等のエンジンルーム内では、エン
ジン等の発熱により、ホースゴムの劣化が促進されて、
ゴム弾性の低下が短期に起こるようになる。この場合、
ホースクランプを強く締めつけても、ホース接続構造の
シール性の低下を防止することができない。このように
して、ホースを金属製パイプに接続してから、数年でシ
ール性が低下し、ホースを取り替える必要が生ずる。
すようなホース接続構造が提案され、一部で実施されて
いる。図示のように、ホース1aの端部内に、金属製パ
イプ6aの端部が嵌入し、ホース1aの先端部が、ホー
スクランプ5aにより締めつけられている。また、ホー
ス1aの先端部の内周面と金属製パイプ6a先端部の外
周面の界面には、接着剤による接着層7が形成されてい
る。また、金属製パイプ6aの他端部は、継手金具26
が一体形成されている。このように、図6に示すホース
接続構造は、ホースクランプ5aで締めつけられること
により、ホース1aの金属製パイプ6aへの固定を確実
なものとするとともに、接着層7の形成により化学的に
も両者の密着性の向上を図っている。この結果、このホ
ース接続構造では、シール性の経時的な低下が防止され
る。
に不利であるという重大な欠点がある。すなわち、パイ
プの他端部に継手金具が一体形成されている金属製パイ
プは、高価であり、また、接着剤のコストが新たにかか
ることとなる。そして、ホースと金属製パイプの接続に
おいて、接着剤を塗布して接着層を形成する工程が必要
となり、工数が多くなる。また、ホースクランプを取り
付ける作業も、前述のホース接続構造(図5参照)に比
べ、煩雑な作業となる。
もので、ホース接続構造のシール性の経時的な低下が生
じないホースおよびその製法ならびに上記ホースを用い
たホース接続構造の提供をその目的とする。
に、本発明は、フッ素ゴム製内層を有し、この内層の内
周面に、潤滑層が形成されているホースであって、上記
潤滑層が、フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層
であるホースを第1の要旨とする。
ドレル表面上で押出成形した後加硫してフッ素ゴム製内
層を有するホースを作製し、このホース内層の内周面
に、フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑剤を塗布
して潤滑層を形成するホースの製法を第2の要旨とし、
未加硫フッ素ゴムをマンドレル表面上で押出成形した後
加硫してフッ素ゴム製内層を有するホースを作製し、こ
のホース内部でフッ素変性シリコーンを主成分とする潤
滑剤溶液を循環させた後、上記潤滑剤溶液の溶媒を揮発
させることによりフッ素変性シリコーンを主成分とする
潤滑層を形成するホースの製法を第3の要旨とし、未加
硫フッ素ゴムをマンドレル表面上で押出成形した後加硫
してフッ素ゴム製内層を有するホースを作製する際に、
予め、上記マンドレル表面にフッ素変性シリコーンを主
成分とする潤滑剤を塗布し、このマンドレル表面上で上
記未加硫フッ素ゴムを押出成形した後加硫してフッ素ゴ
ム製内層を形成して、上記マンドレル表面の上記潤滑剤
を上記フッ素ゴム製内層の内周面に転写することにより
フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層を形成する
ホースの製法を第4の要旨とする。
するホースの端部内に金属製パイプの端部が嵌入されて
いるホース接続構造であって、上記ホースのフッ素ゴム
製内層と金属製パイプとの界面において、接続の際には
フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層が介在し、
最終的には、上記フッ素変性シリコーンを主成分とする
潤滑層が上記界面から消失しているホース接続構造を第
5の要旨とする。
連の研究を重ねた。そして、この研究の当初では、ホー
ス接続構造のシール性の経時的低下機構について詳細に
検討した。この結果、ホース内周面に形成される潤滑層
が、ホース接続構造のシール性低下の重要な因子である
ことを突き止めた。すなわち、上記潤滑層の残存量によ
り、ホース接続構造のシール性の経時的低下の程度が左
右されるのである。一方、ホース内層の形成材料として
使用されるフッ素ゴムは、金属と強固に張りつくことが
知られている(森邦夫,高松成亮,渡辺明著,日本ゴム
協会誌,62,1989年発行)。これは、図13に示
すように、フッ素ゴム分子骨格中のフッ素原子(F)
と、金属中に導入された水酸基(OH)とが、水素結合
をすることに起因するものと推察されている。同図にお
いて、Mは金属原子を示す。この事実と、本発明者らが
得た上記知見とを考え合わせると、上記潤滑層の存在に
より、フッ素ゴムと金属製パイプとの界面での水素結合
の生成が阻害されることが、シール性の経時的低下の原
因であると結論することができた。しかし、潤滑層は、
ホースと金属製パイプとの接続工程において必要不可欠
のものである。そこで、本発明者らは、さらに研究を続
行し、ホース接続構造のシール性の経時的低下の問題
と、ホース接続工程での金属製パイプの挿入性の問題と
いう相反する2つの問題を同時解決する技術の開発を行
った。そして、フッ素変性シリコーンを主成分とする潤
滑剤を用いて潤滑層を形成すると、ホースと金属製パイ
プとの接続の際には、この潤滑剤の作用により、ホース
端部内へ金属製パイプを容易に挿入することが可能とな
るとともに、接続後では、この潤滑層が、ホース内層の
フッ素ゴム中に浸透して消失し、フッ素ゴム製内層と金
属製パイプとの界面に充分量の水素結合が生起すること
を見出し本発明に到達した。この結果、ホースが、熱等
により経時的に劣化して弾性が低下しても、ホースのフ
ッ素ゴム製内層と金属製パイプとが強固に張りついて、
シール性の低下が防止されるようになる。
のフッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層の形成
は、例えば、つぎの3種類の方法により行うことができ
る。すなわち、まず、フッ素ゴム製内層を有するホース
を作製し、このホースの上記フッ素ゴム製内層内周面に
フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑剤を塗布する
塗布法があげられる。この塗布法では、ホース端部等の
特定部位に選択的に潤滑層を形成することが可能であ
る。また、フッ素ゴム製内層を有するホースを作製し、
このホース内部でフッ素変性シリコーンを主成分とする
潤滑剤溶液を循環させる循環法があげられる。そして、
未加硫フッ素ゴムをマンドレル表面上で押出成形した後
加硫してフッ素ゴム製内層を形成する際に、上記マンド
レル表面にフッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑剤
を塗布することにより、上記押出成形時に、マンドレル
表面の上記潤滑剤をフッ素ゴム製内層内周面に転写させ
る転写法があげられる。これら循環法および転写法によ
れば、ホース内層内周面全体に潤滑層を形成することが
可能となる。
主成分とする」とは、潤滑層あるいは潤滑剤の全体の6
0重量%以上の割合をいい、フッ素変性シリコーンのみ
からなる場合も含める趣旨である。
し、この内層内周面に、フッ素変性シリコーンを主成分
とする潤滑層が形成されたものである。
のホース1は、フッ素ゴム製内層2の外周に、中間ゴム
層3a,補強糸層3b,外皮ゴム層3cが順次積層形成
されて4層構造をとっている。そして、上記フッ素ゴム
製内層2の内周面には、フッ素変性シリコーンを主成分
とする潤滑層4が形成されている。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン−6フッ化プロ
ピレン共重合体、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレ
ン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−プ
ロピレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロビ
ニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−4フッ化エ
チレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体等
があげられる。このなかで、耐ガソリン性とコストのバ
ランスが優れるという理由から、フッ化ビニリデン−6
フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−6フッ
化ビニリデン−4フッ化エチレン共重合体が好ましい。
等の各種添加剤が配合される。上記加硫剤としては、ヘ
キサメチレンジアミンカルバメート、ジシンナミリデン
ヘキサジアミン、ビスアミノシクロヘキシルメタンカル
バメート、ビスフェノールAF、ジ−t−ブチルパーオ
キシアルカン等があげられる。また加硫促進剤として
は、MgO,PbO,CaO等の金属酸化物、Ca(O
H)2 四級アンモニウム塩,四級フォスフォニウム塩,
トリアリルイソシアヌレート等があげられる。そして、
その他の添加剤としては、脂肪酸塩等の加工助剤があげ
られる。
0.1〜1.5mm、好ましくは0.2〜1.0mm、
特に好ましくは0.3〜0.7mmである。
コーンを主成分とするものであり、通常、フッ素変性シ
リコーンを主成分とする潤滑剤を用いて形成される。
ば、下記の一般式(1)および一般式(2)に示すもの
があげられる。
滑性およびフッ素ゴムへの浸透性が優れるという理由か
ら、上記一般式(1)のものを使用することが好まし
い。
量が、1200〜4000のものが好ましく、特に好ま
しくは、平均分子量が1200〜2500のものであ
る。また、フッ素変性シリコーンは、その粘度(25
℃,以下同じ)が50〜1000cStのものが好まし
く、特に好ましいのは、粘度が50〜300cStのも
のである。このように、特定範囲の平均分子量および粘
度のフッ素変性シリコーンを用いることが好ましいの
は、上記平均分子量および粘度の適正範囲を外れると、
フッ素ゴムへの浸透が悪くなるおそれや潤滑性が低下す
るおそれがあるからである。
用される潤滑剤には、フッ素変性シリコーンの他に、他
の成分として、ジメチルシリコーン,ポリエーテル変性
シリコーン等が配合されてもよい。但し、先に述べたよ
うに、フッ素変性シリコーンの配合割合は、潤滑層4あ
るいは潤滑剤の全体に対し、60重量%(以下「%」と
略す)以上、好ましくは、80〜100%の範囲、特に
好ましくは90〜100%の範囲である。これは、フッ
素変性シリコーンの割合が、60%未満であると、潤滑
層4のフッ素ゴムへの浸透が不充分となり、ホース接続
構造のシール性が経時的に低下するおそれがあるからで
ある。
ス端部のフッ素ゴム製内層内周面に形成される必要があ
る。これは、ホース端部で金属製パイプと接続するから
である。しかし、長尺ホースの場合は、これを適当な長
さに切断して用いる場合がおおいため、このような長尺
ホースにおいては、ホース全体のフッ素ゴム製内層内周
面に形成することが好ましい。
形成される中間ゴム層3a,補強糸層3b,外皮ゴム層
3cについて説明する。
に薄肉に形成したフッ素ゴム製内層2を補強する目的で
形成されるものである。この中間ゴム層3aの形成材料
としては、例えば、ニトリルブタジエンゴム(NB
R),ヒドリンゴム(CHC),クロロスルホン化ポリ
エチレンゴム(CSM),クロロプレンゴム(CR),
ニトリル・塩化ビニルゴム(NBR・PVC)があげら
れ、単独もしくは2種類以上で併用される。このなかで
も、耐ガソリン性が優れるという理由から、NBR,C
HCが好ましい。また、上記ゴムに対し、加硫剤や加硫
促進剤等の各種添加剤が、配合される。そして、この中
間ゴム層3aの厚みは、通常、0.5〜2mm、好まし
くは0.5〜1.5mm、特に好ましくは0.8〜1.
2mmである。
耐圧性を付与するものであり、これにより高圧力で燃料
等を送液することが可能となる。この補強糸層3bは、
麻や綿等の天然素材の糸や、ポリエステル糸,ビニロン
糸等の合成糸,ワイヤー等の金属製糸を用いて形成され
るものである。このなかでも、強度や軽量性が優れると
いう理由から、合成糸が好ましく、特に好ましくはビニ
ロン糸である。
耐摩耗性等の特性を付与するために形成されるものであ
り、ヒドリンゴム,クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム,ニトリル・塩化ビニルゴムが使用される。また、こ
の外皮ゴム層3cの厚みは、通常、0.5〜2mm、好
ましくは0.5〜1.5mm、特に好ましくは0.8〜
1.2mmである。
上記4層構造のホース1を例にとり説明する。
製内層2内周面へのフッ素変性シリコーンを主成分とす
る潤滑層4の形成方法により、塗布法,循環法,転写法
の3種類の製法に大別される。
るホース1を作製した後、フッ素変性シリコーンを主成
分とする潤滑剤を塗布して潤滑層4を形成する方法であ
る。
び中間ゴム層3aを形成する。これは、未加硫フッ素ゴ
ムとその外周に所定の未加硫ゴムをマンドレル表面上に
同時に押出成形することにより行われる。
成糸等を用い、編組機により補強糸層3bを形成する。
そして、この補強糸層3bの外周に、所定の未加硫ゴム
を押出成形し、外皮ゴム層3cを形成する。このように
して形成した未加硫の4層構造のホースを加熱加硫した
後、マンドレルをこれから引き抜くことにより、ホース
1を作製する。上記加硫の条件は、例えば、150〜1
70℃×20〜120分の条件である。
ゴム製内層2内周面に、塗布法により、潤滑層4を形成
する。この塗布法は、例えば、つぎのようにして行われ
る。すなわち、まず、フッ素変性シリコーンを主成分と
する潤滑剤を準備する。そして、図7に示すように、ホ
ースの内径に略等しい外径を有するスピンドル8を準備
し、この先端部外周面に潤滑剤9を塗布する。そして、
図示のように、このスピンドル8をホース1端部内に、
一定距離で挿入したのち引き抜くことにより、ホース1
のフッ素ゴム製内層2内周面に潤滑剤を塗布し、潤滑層
4を形成する。この場合、潤滑層4は、ホース端部のみ
に形成されることとなる。また、ホース1のフッ素ゴム
製内層2内周面の潤滑剤の塗布範囲は、スピンドル8外
周面への潤滑剤の塗布範囲や、スピンドル8のホース1
内への挿入距離等により調整することができる。このよ
うに、スピンドル8を用いて潤滑剤を塗布する方法は、
ホース端部に潤滑層4を選択的に形成することができ、
10m未満(通常,約0.05〜10m)の短尺ホース
のように、そのまま金属製パイプと接続させるホースの
製造には、好適である。なお、この塗布法の説明では、
ホース本体を作製した後、潤滑剤を塗布する例をあげた
が、これに限定されない。
滑剤溶液を循環させた後、上記潤滑剤溶液の溶媒を揮発
させ、その残存部(潤滑剤)で潤滑層を形成するという
方法である。
て、4層構造のホース1を作製する。他方、フッ素変性
シリコーンを主成分とする潤滑剤溶液を準備する。この
潤滑剤溶液は、フッ素変性シリコーンのみを溶媒に溶解
したもの、あるいはフッ素変性シリコーンとその他の成
分とを溶媒に溶解したものである。上記溶媒としては、
例えば、ケトン系溶剤,エステル系溶剤等があげられ
る。また、その濃度は、使用するフッ素変性シリコーン
の粘度により適宜決定されるが、上記フッ素変性シリコ
ーンの粘度が50〜300cStの場合、通常1〜30
%、好ましくは5〜20%、特に好ましくは5〜10%
である。そして、上記ホース1内で、例えば、図8に示
す装置を用い、上記潤滑剤溶液9aを循環させた後、上
記溶液9aの溶媒を揮発させる。図示のように、この装
置は、潤滑剤溶液9aが入った容器10の下部から導出
パイプ14が延びており、この導出パイプ14の先端
は、ホース1の一端部内に嵌入されている。また、上記
容器10と導出パイプ14との接続部には、送液ポンプ
12が配置され、また、導出パイプ14の途中には流路
切替バルブ15があり、この流路切替バルブ15を介し
てエアーパイプ13が、上記導出パイプ14と接続され
連通している。そして、上記ホース1の他端部には還流
パイプ11の一端が嵌入されて接続され、この還流パイ
プ11の他端は、容器10まで延びており、還流パイプ
11の他端開口は、容器10内の潤滑剤溶液9aの液面
の上付近に位置している。
溶液9aの循環および溶媒の揮発は、つぎのようにして
行われる。まず、流路切替バルブ15によりエアーパイ
プ13側を閉塞し、かつ容器10とホース1とを導出パ
イプ14を介して連通状態とする。この状態で送液ポン
プ12を作動させると、容器10内の潤滑剤溶液9aが
導出パイプ14を通り、ホース1の一端へ送液され、ホ
ース1内を通過し、ホース1他端から排出される。この
排出された潤滑剤溶液9aは、ホース1他端部に接続さ
れた還流パイプ11を通り、容器10まで返送される。
このようにして、ホース1内部を潤滑剤溶液9aが循環
する。この循環時間は、潤滑剤溶液9aの濃度やホース
1の長さ等により適宜決定されるが、通常、0.5〜5
分、好ましくは、0.5〜1分である。
環させた後、この溶液中の溶媒の揮発を行う。すなわ
ち、送液ポンプ12を停止させるとともに、流路切替バ
ルブ15により、容器10側を閉塞し、かつエアーパイ
プ13側を連通状態とする。そして、このエアーパイプ
13を通じ、ファン等の送風機(図示せず)により、エ
アーを送風する。すると、エアー送風当初は、ホース1
内に残っていた潤滑剤溶液9aがエアー圧により圧送さ
れて、還流パイプ11から、容器10へ返送され、ホー
ス内には、その内壁(フッ素ゴム製内層内周面)に付着
した潤滑剤溶液9aのみが残る。そして、エアーの送風
をさらに続けると、ホース1内壁(フッ素ゴム製内層内
周面)に付着した潤滑剤溶液9aから、溶媒が揮発し
て、フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑剤が析出
して、この残存潤滑剤により潤滑層4が形成される。上
記エアーの送風条件は、潤滑剤溶液9aの濃度やホース
1の長さにより適宜決定されるものであるが、送風圧力
(kgf/cm2 )×送風時間(分)として、通常、1
〜10kgf/cm2 ×1〜10分、特に好ましくは3
〜4kgf/cm2 ×1〜5分である。
フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑剤を塗布し、
このマンドレル表面上で未加硫フッ素ゴムを押出成形す
ることで、形成されるフッ素ゴム製内層2内周面に上記
潤滑剤を転写させて潤滑層を形成する方法である。
用いて行われる。図示のように、この装置は、マンドレ
ル供給装置16と、潤滑剤が入った容器18と、押出成
形機17とから構成されており、上記マンドレル供給装
置16と押出成形機17の間に容器18が位置してい
る。この装置において、マンドレル19表面からフッ素
ゴム製内層2内周面への潤滑剤の転写は、つぎのように
して行われる。すなわち、まず、マンドレル供給装置1
6から、潤滑剤が入った容器18にマンドレル19を導
入してこれを通過させ、マンドレル19表面に潤滑剤を
塗布する。そして、表面に潤滑剤が塗布されたマンドレ
ル19は、押出成形機17に供給され、この押出成形機
17によりマンドレル表面上で未加硫フッ素ゴム製内層
2とその外周に中間ゴム層3a(未加硫)を同時に押出
成形する。ついで、このフッ素ゴム製内層2(未加硫)
および中間ゴム層3a(未加硫)の外周に、押出成形機
や編組機(図示せず)を用いて、補強糸層3b、外皮ゴ
ム層(未加硫)3cを順次積層形成した後、所定の条件
で加熱加硫してホース1を作製する。そして、ホース内
1から、マンドレル19を抜き取る。この抜き取りの際
に、マンドレル19表面からフッ素ゴム製内層2内周面
へ潤滑剤が移行して転写され、フッ素ゴム製内層2内周
面に潤滑層4が形成される。なお、この場合、潤滑剤が
フッ素ゴム製内層2内周面に接触した状態で、加熱加硫
が行われるが、これによりフッ素ゴム製内層2に浸透す
る潤滑剤は僅かであり、無視できる量である。
素ゴム製内層2内周面の全体に潤滑層4を形成すること
ができ、これは、10m以上の長尺ホースに対し潤滑層
4を形成するのに好適である。すなわち、長尺ホースの
場合、ホースを適当な長さに切断して使用するのが一般
的であるため、ホース全体に渡ってその内壁に潤滑層を
設ける必要があるからである。
説明する。
内層を有するホースの端部内に金属製パイプの端部が嵌
入されており、上記ホースのフッ素ゴム製内層と金属製
パイプとの界面において、接続の際にはフッ素変性シリ
コーンを主成分とする潤滑層が介在し、最終的には、上
記フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層が上記界
面から消失しているホース接続構造である。
明すると、例えば、図3に示すように、先端にニップル
が形成された金属製パイプ6が、ホース1の端部内に嵌
入されて両者が接続されており、このホース1の先端部
がホースクランプ5により締めつけられて金属製パイプ
6に固定されている。同図において、2はフッ素ゴム製
内層を示し、3は中間ゴム層等の各種の層全体を示す。
そして、注目すべき点は、上記フッ素ゴム製内層2の内
周面に形成された潤滑層4である。この図3では、ホー
ス接続の初期状態を示しているため、潤滑層4が、金属
製パイプ6とフッ素ゴム製内層2の界面に介在してい
る。しかし、接続後一定の時間が経過するか、あるいは
熱処理をすると、図4に示すように潤滑層が消失するの
である。同図において、図3と同一部分には同一符号を
付している。これは、上記潤滑層4が、フッ素変性シリ
コーンを主成分とし、このフッ素変性シコーンは、フッ
素ゴムと相溶性を示すため、経時的にフッ素ゴム製内層
2に浸透するからである。この浸透は熱処理により促進
される。すなわち、ホース1と金属製パイプ6とを接続
する際には、上記潤滑層4が存在するため、金属製パイ
プ6端部をホース1端部内に円滑に嵌入して両者を接続
できるとともに、接続後は、この潤滑層4が、ホース1
のフッ素ゴム製内層2に浸透し、両者の界面から消失す
るため、フッ素ゴム製内層2内周面と金属製パイプ6外
周面との界面に、図13に示すような水素結合が充分量
生起して、両者が強固に張りつくようになる。この結
果、ホース1が経時的に劣化して弾性力による締めつけ
力が低下しても、フッ素ゴム製内層2と金属製パイプ6
との間の水素結合により、両者が密着し、シール性が長
期間保持されるようになる。
ば、自動車のエンジンルーム等の燃料配管に使用される
場合、フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層4
は、エンジン等から発生する熱により、自然に熱処理さ
れ、フッ素ゴム製内層2に浸透して消失する。
ス1を金属製パイプ6と接続したのち、別個に熱処理を
施してもよい。この熱処理の条件としては、通常、10
0〜150℃×15〜120分、好ましくは100〜1
35℃×30〜120分、特に好ましくは125〜13
5℃×30〜60分である。このように熱処理を施す
と、ホース接続当初から、ホース弾性による締めつけ力
に加え、フッ素ゴム製内層2と金属製パイプ6との水素
結合により、シール性が極めて優れたものとなる。
金属製パイプ6の先端にニップルが1個形成された場合
について説明したが、これに限定するものではない。す
なわち、先端にニップルが間隔をおいて2個形成された
金属製パイプ(図示せず)についても、本発明のホース
1を用いたホース接続構造を適用することが可能であ
る。この場合、接着剤層を形成しなくても、充分なシー
ル性が長期間保持されるようになる。
間ゴム層3a,補強糸層3b,外皮ゴム層3cが順次積
層された4層構造のホースを例にとり、本発明のホース
およびその製法ならびに上記ホースのホース接続構造に
ついて説明したが、これに限定されない。すなわち、本
発明では、フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層
が、フッ素ゴム製内層に経時的に浸透して消失すること
が最大の特徴である。このため、フッ素ゴム製内層を有
するホースであれば、多層構造や単層構造を問わず、本
発明の適用が可能である。したがって、上記4層構造の
ホースの他に、フッ素ゴム製内層のみからなる単層構造
のホース、フッ素ゴム製内層の外周に外皮ゴム層のみ形
成された2層構造のホース、フッ素ゴム製内層の外周に
中間ゴム層および外皮ゴム層が順次積層された3層構造
のホース等の多層構造ホースについても、本発明を適用
することが可能である。
素ゴム製内層を有するホースの上記内層内周面にフッ素
変性シリコーンを主成分とする潤滑層が形成されたもの
である。上記フッ素変性シリコーンは、フッ素ゴムに対
し相溶性を示すため、これを主成分とする上記潤滑層
は、経時的にあるいは熱処理等によりフッ素ゴム製内層
に浸透して消失するようになる。このため、このホース
と金属製パイプとを用いたホース接続構造では、接続の
際には、上記潤滑層が存在するため、ホース端部内に金
属製パイプを円滑に嵌入して両者を接続することができ
るようになる。そして、接続後、少なくとも、ホースが
エンジン等の発熱により劣化した際には、上記潤滑層が
フッ素ゴム製内層に浸透して消滅し、フッ素ゴム製内層
と金属製パイプとの間に介在しなくなる。この結果、上
記フッ素ゴム製内層と金属製パイプとの界面において充
分量の水素結合が生起して、両者が強固に密着するよう
になる。すなわち、本発明のホースを用いたホース接続
構造は、接続当初は、ホース弾性によってホースが金属
製パイプに締めつけられて、シール性が保持され、上記
ホースが劣化した場合であっても、ホースと金属製パイ
プとの間の水素結合による密着により、シール性が長期
間保持されるようになる。したがって、例えば、本発明
のホースおよびこれを用いたホース接続構造を自動車等
の燃料配管に採用すれば、数年経過してもガソリン等の
燃料が接続部から漏出することがない。この結果、燃料
漏れが防止されるため、安全性が極めて優れたものとな
る。また、ホースの取り替え回数も大幅に減少すること
から維持コストも低くなる。
変性シリコーンを主成分とする潤滑剤あるいはこの溶液
を用いた、塗布法、循環法、転写法の、3種類の製法で
ある。上記塗布法によれば、ホース内層内周面の特定部
位に選択的に潤滑層を形成することができる。これは、
ホース端部の内層内周面に潤滑層を形成する必要がある
短尺ホースの製造に好適である。また、上記循環法や転
写法によれば、ホース内層内周面の全域に渡って潤滑層
を形成することが可能である。これは、切断して使用さ
れる長尺ホースの製造に好適である。そして、これら3
種類の製法は、簡単であり、かつ特殊な装置や設備等を
必要としないため、容易に実施可能である。
説明する。
ッ化プロピレン共重合体を用い、160℃×45分で加
熱加硫した後、これを15×100mmの大きさの板状
に成形して、板状フッ素ゴムを5枚作製した。また、5
種類の粘度(50cSt,100cSt,300cS
t,1000cSt,5000cSt)のフッ素変性シ
リコーン(FS1265,東レダウコーニングシリコー
ン社製)を準備し、これを潤滑剤とした。この潤滑剤
は、前述の一般式(1)で示される分子構造をもつもの
である。この5種類の潤滑剤を、上記5枚の板状フッ素
ゴムの一面に、1mg/cm2 の割合で塗布した。そし
て、亜鉛メッキ後クロメート処理した金属板(大きさ:
25×60mm)を準備し、これを、各種粘度の潤滑剤
が塗布されたそれぞれの板状フッ素ゴムの塗布面に重
ね、5種類の試験片を作製した。
t,300cSt,1000cSt,5000cSt)
のジメチルシリコーン(TSF456,東芝シリコーン
社製)を準備し、これを潤滑剤とした。この他は、実施
例1と同様にして、5種類の試験片を作製した。
および比較例1の試験片について、135℃×72時間
の熱処理をした後、剥離試験を行った。この結果を、図
14のグラフ図に示す。なお、この剥離試験は、下記に
示すようにして行った。
0D,島津製作所社製)を用い、板状フッ素ゴムの一端
から金属板に対して90°方向に50mm/分の速度で
剥離させ、その時の力(N/mm)を測定した。
片は、比較例1の試験片より剥離力が高かった。このこ
とから、フッ素変性シリコーンを潤滑剤として用いる
と、熱処理の後、フッ素ゴムと金属板とが強固に密着す
ることが分かる。また、図14のグラフ図から、粘度5
0〜1000cStの範囲のフッ素変性シリコーンを使
用すると、フッ素ゴムと金属板とがより強固に密着する
ことがわかる。特に、粘度が300cSt以下のフッ素
変性シリコーンを使用した試験片では、潤滑層がない場
合と同様の密着力を示した。これは、フッ素変性シリコ
ーンの粘度が1000cStを越えると、フッ素ゴムへ
の浸透速度が遅くなり、両者の界面から消失するのに時
間がかかり、これとは逆に、粘度が低い場合は速やかに
フッ素ゴムへ浸透して消失するためと推察できる。これ
に対し、ジメチルシリコーンを用いた比較例1の試験片
では、フッ素ゴムと金属板との間に密着力が殆ど発現し
なかった。
レルを用い前述の方法により作製した。なお、各層の形
成材料はつぎの通りである。また、このホースの大きさ
は、内径が7.5mm、外径が13.5mm、長さが7
0mmである。
フッ化プロピレン共重合体FKM 中間ゴム層 :CHC 補強糸層 :ビニロン糸 外皮ゴム層 :CHC
cSt,300cSt,1000cSt,5000cS
t)のフッ素変性シリコーン(FS1265,東レダウ
コーニングシリコーン社製)を準備し、これを潤滑剤と
した。そして、スピンドルを用いた塗布法(図7参照)
により、上記各粘度のフッ素変性シリコーンを上記ホー
スのフッ素ゴム製内層内周面に、2mg/cm2 の割合
で塗布して潤滑層を形成し、種々粘度の潤滑層を有する
5種類のホースを作製した。なお、対照ホースとして、
潤滑層を形成しないホースも準備した。
(5種類)および対照ホースについて、金属製パイプへ
の挿入試験を行った。この結果を、図15のグラフ図に
示す。なお、この挿入試験は、以下に示すようにして行
った。
0D,島津製作所社製)を用い、図10に示すようにし
て挿入試験を行った。すなわち、金属製パイプ6を準備
し、これを、ニップルが形成された先端部が上になるよ
うに地面に対し垂直に立てた。そして、ホース1の一端
(下側)が、上記金属製パイプ6の先端部と重なり、か
つホース1が地面に対し垂直となるように、ホース1を
金属製パイプ6の先端部上に配置した。この状態で、上
記ホース1の他端側(上側)からロードセル20を用い
てホースを図面において下方向(矢印方向)に25mm
/分の速さで押し、金属製パイプ6の先端を、ホース1
の一端内に挿入させた。そして、この挿入距離が28m
mになるまでの間の最大荷重(kgf)を測定し、挿入
力とした。なお、図において、21は、空気抜き孔であ
り、また金属製パイプ6のニップル部の外径は、8.0
mmである。
を形成した実施例のホースを示し、△は潤滑層がない対
照ホースを示す。同図に示すように、実施例のホース
は、対照のホースと比較して、全て良好な挿入性を示し
たことがわかる。また、フッ素変性シリコーンの粘度が
高くなるにともない、挿入性も向上した。特に、粘度が
約100cSt以上のフッ素変性シリコーンを用いた時
に好結果が得られた。
を4個作製した。また、5種類の粘度(50cSt,1
00cSt,300cSt,1000cSt,5000
cSt)のフッ素変性シリコーン(FS1265,東レ
ダウコーニングシリコーン社製)を準備し、これを潤滑
剤とした。そして、実施例2と同様に、上記潤滑剤をホ
ースに塗布して、5種類のホースを作製した。
t,100cSt,300cSt,1000cSt,5
000cSt)のジメチルシリコーン(TSF456,
東芝シリコーン社製)を用いた。この他は、実施例3と
同様にして、5種類のホースを作製した。
および比較例2のホースについて、金属製パイプへのは
りつき力(密着性)を調べた。この結果を、図16のグ
ラフ図に示す。なお、このはりつき力は、以下に示す方
法により測定した。
す方法により測定した。すなわち、図示のように、ホー
ス1の一端に心棒23を差し込み、このホース1の一端
側をバイス22で挟んで固定した。そして、ホース1他
端に金属製パイプ6eの先端部を挿入し、この状態で、
135℃×72時間の熱処理をした。その後、上記パイ
プ6eをトルクレンチで周方向(矢印方向)に回転さ
せ、この時の最大トルク(ねじりトルク,kgf−c
m)を測定し、はりつき力とした。なお、ホース1内へ
のパイプ6eの挿入距離は28mmであり、またパイプ
6eのニップル部の外径は、8.0mmである。
力を示し、△は比較例2のはりつき力を示す。同図に示
すように、実施例3の4種類のホースは、比較例2のホ
ースに対し、高いはりつき力を示した。特に、粘度が5
0〜1000cStのフッ素変性シリコーンを用いたホ
ースにおいて、好結果が得られた。これに対し、ジメチ
ルシリコーンを使用した比較例2のホースでは、はりつ
き力が殆ど発現しなかった。
0cSt,100cSt,300cSt,1000cS
t,5000cSt)のフッ素変性シリコーン(FS1
265,東レダウコーニングシリコーン社製)を準備
し、これを潤滑剤とした。そして、実施例2と同様に、
上記潤滑剤をホースに塗布して、5種類のホースを作製
した。
について、金属製パイプへのはりつき力とシール性との
関係について調べた。その結果を、図17のグラフ図に
示す。なお、上記はりつき力は前述の方法により調べ、
上記シール性は、下記の方法により調べた。
うにして調べた。すなわち、ホース1の両端内に金属製
パイプ6b,6cを嵌入し、ホース1両端部をホースク
ランプ5で締めつけて固定した。この状態で、135℃
×72時間の熱処理をした。その後、パイプ6cの嵌入
口と反対の開口を閉塞し、パイプ6bの嵌入口と反対の
開口は、パイプ24を介してポンプ25と連結した。こ
の状態で、ポンプ25を作動させ、ガソリンをパイプ2
4を介し、パイプ6bからホース1内に送り込み、ホー
ス1内を加圧した。この加圧は、1kgf/cm
2 (0.0098MPa)ずつ段階的に昇圧して行っ
た。そして、ガソリンが、ホース1と金属製パイプ6
b,6cの接続部の少なくとも一方から漏出した時点の
圧力を測定し、シール性を評価した。
なるにともない、シール性が向上することがわかる。ま
た、はりつき力およびシール性がともに優れていたの
は、粘度が50〜300cStのフッ素変性シリコーン
を使用した場合であることがわかる。
他は、実施例2と同様にして、フッ素ゴム製内層内周面
に潤滑層が形成されたホースを作製した。
について、挿入性,はりつき力,シール性の各試験を上
記の方法により行った。その結果、挿入力が、7kgf
であり、はりつき力が、32kgf−cmであり、シー
ル性が、30kgf/cm2であった。このことから、
フッ素変性シリコーンを60%以上含有する潤滑剤を用
いて潤滑層を形成すれば、本発明の所定の効果を奏する
といえる。
100−300cSt(信越化学工業社製)を使用し
た。このフッ素変性シリコーンの粘度は、300cSt
である。その他は、実施例2と同様にし、フッ素ゴム製
内層内周面に潤滑層が形成されたホースを作製した。
について、挿入性,はりつき力,シール性の各試験を上
記の方法により行った。その結果、挿入力が、6kgf
であり、はりつき力が、30kgf−cmであり、シー
ル性が、34kgf/cm2であった。このことから、
この実施例のホースは、挿入性,密着性,シール性の特
性に優れているといえる。
シリコーンを潤滑剤として用いた。この他は、実施例2
と同様にしてホースを作製した。なお、上記一般式
(2)のRは、−C2 H2 −である。また、潤滑剤の粘
性は、100cStである。
について、挿入性,はりつき力,シール性の各試験を上
記の方法により行った。その結果、挿入力が、8kgf
であり、はりつき力が、33kgf−cmであり、シー
ル性が、36kgf/cm2であった。このことから、
この実施例のホースは、挿入性,密着性,シール性の特
性に優れているといえる。
を作製した。そして、前述の循環法により、上記ホース
のフッ素ゴム製内層内周面に潤滑層を形成した。すなわ
ち、フッ素変性シリコーン(FS1265−300cS
t,東レダウコーニングシリコーン社製)を酢酸エステ
ル/リグロイン混合溶剤に溶解して、10%濃度の潤滑
剤溶液を調製した。そして、図8に示す装置を用い、前
述の方法によりホース内で潤滑剤溶液を30秒間循環さ
せた後、エアーを圧力4kgf/cm2 で送風してホー
ス内の潤滑剤溶液を排出した。そして、上記圧力でエア
ー送風を5分間続けて潤滑剤溶液中の溶媒を揮発させ、
潤滑層を形成した。
の長さに切断し、ホース内を調べたところ、フッ素ゴム
製内層内周面の全体に潤滑層が形成されていた。そし
て、この長さ70mmのホースについて、挿入性,はり
つき力,シール性の各試験を上記の方法により行った。
その結果、挿入力が、7kgfであり、はりつき力が、
36kgf−cmであり、シール性が、33kgf/c
m2 であった。このことから、この実施例のホースは、
挿入性,密着性,シール性の特性に優れているといえ
る。
ゴム製内層内周面に潤滑層を形成し、4層構造で長さ1
0mのホースを作製した。このホースの作製において、
潤滑層の形成以外は、実施例2と同じである。また潤滑
剤として、フッ素変性シリコーン(FS1265−30
0cSt,東レダウコーニングシリコーン社製)を用い
た。
の長さに切断し、ホース内を調べたところ、フッ素ゴム
製内層内周面の全体に潤滑層が形成されていた。そし
て、この長さ70mmのホースについて、挿入性,はり
つき力,シール性の各試験を上記の方法により行った。
その結果、挿入力が、9kgfであり、はりつき力が、
33kgf−cmであり、シール性が、32kgf/c
m2 であった。このことから、この実施例のホースは、
挿入性,密着性,シール性の特性に優れているといえ
る。
潤滑層が存在する状態を示す断面図である。
潤滑層が消失した状態を示す断面図である。
る。
を塗布する状態を示す説明図である。
成する状態を示す説明図である。
成する状態を示す説明図である。
る。
る。
を説明する説明図である。
図である。
図である。
ラフ図である。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 フッ素ゴム製内層を有し、この内層の内
周面に、潤滑層が形成されているホースであって、上記
潤滑層が、フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層
であることを特徴とするホース。 - 【請求項2】 フッ素変性シリコーンの25℃の粘度
が、50〜1000cStの範囲である請求項1記載の
ホース。 - 【請求項3】 未加硫フッ素ゴムをマンドレル表面上で
押出成形した後加硫してフッ素ゴム製内層を有するホー
スを作製し、このホース内層の内周面に、フッ素変性シ
リコーンを主成分とする潤滑剤を塗布して潤滑層を形成
することを特徴とするホースの製法。 - 【請求項4】 未加硫フッ素ゴムをマンドレル表面上で
押出成形した後加硫してフッ素ゴム製内層を有するホー
スを作製し、このホース内部でフッ素変性シリコーンを
主成分とする潤滑剤溶液を循環させた後、上記潤滑剤溶
液の溶媒を揮発させることによりフッ素変性シリコーン
を主成分とする潤滑層を形成することを特徴とするホー
スの製法。 - 【請求項5】 未加硫フッ素ゴムをマンドレル表面上で
押出成形した後加硫してフッ素ゴム製内層を有するホー
スを作製する際に、予め、上記マンドレル表面にフッ素
変性シリコーンを主成分とする潤滑剤を塗布し、このマ
ンドレル表面上で上記未加硫フッ素ゴムを押出成形した
後加硫してフッ素ゴム製内層を形成して、上記マンドレ
ル表面の上記潤滑剤を上記フッ素ゴム製内層の内周面に
転写することによりフッ素変性シリコーンを主成分とす
る潤滑層を形成することを特徴とするホースの製法。 - 【請求項6】 フッ素変性シリコーンの25℃の粘度
が、50〜1000cStの範囲である請求項3〜5の
いずれか一項に記載のホースの製法。 - 【請求項7】 フッ素ゴム製内層を有するホースの端部
内に金属製パイプの端部が嵌入されているホース接続構
造であって、上記ホースのフッ素ゴム製内層と金属製パ
イプとの界面において、接続の際にはフッ素変性シリコ
ーンを主成分とする潤滑層が介在し、最終的には、上記
フッ素変性シリコーンを主成分とする潤滑層が上記界面
から消失していることを特徴とするホース接続構造。 - 【請求項8】 上記フッ素変性シリコーンを主成分とす
る潤滑層が、熱処理により、フッ素ゴム製内層中に浸透
して上記界面から消失する請求項7記載のホース接続構
造。
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