JP3264716B2 - 体液バッグ - Google Patents

体液バッグ

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JP3264716B2
JP3264716B2 JP35055692A JP35055692A JP3264716B2 JP 3264716 B2 JP3264716 B2 JP 3264716B2 JP 35055692 A JP35055692 A JP 35055692A JP 35055692 A JP35055692 A JP 35055692A JP 3264716 B2 JP3264716 B2 JP 3264716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば血液や骨髄液の
ような体液を貯留し、遠心分離操作に供される体液バッ
グに関する。
【0002】
【従来の技術】輸血を行う場合、現在では、血液の有効
利用および輸血者の負担軽減などの理由から、供血者か
ら得た血液を遠心分離などにより各成分に分離し、輸血
者に必要な成分だけを輸血する体制がとられている。こ
の成分輸血が導入されたことにより、従来行われていた
全血輸血に比べ、血液の有効利用が行われるようになっ
ている。
【0003】このような成分輸血においては、採血バッ
グを含む複数のバッグをチューブで接続したバッグ連結
体(マルチプルバッグ)が使用される。
【0004】 このマルチプルバッグのうち、特公昭6
3−20144号に記載されたトップアンドボトムバッ
グと呼ばれる、採血バッグの上端に血漿を排出するチュ
ーブが接続され、採血バッグの下端に赤血球を排出する
チューブが接続された構成のバッグにおいて、例えばト
リプルバッグは、採血バッグと、血漿保存用バッグ(以
下、血漿バッグという)と、赤血球保存用バッグ(以
下、赤血球バッグという)をそれぞれチューブで連結し
たものであり、例えば、前記採血バッグに採血した血液
に対し、遠心分離を施して赤血球、バフィーコートおよ
び血漿の3層に分離し、下層の赤血球および上層の血漿
をそれぞれチューブを介して赤血球バッグおよび血漿バ
ッグに移送し、保存する。
【0005】 しかしながら、このような従来のトップ
アンドボトムバッグには、次のような種々の欠点があ
る。
【0006】 採血バッグの上端および下端のそれぞ
れにチューブが接続されているため、採血後、遠心分離
を行う際に、採血バッグの上下を間違えて遠心カップに
入れてしまうことがある。
【0007】 採血バッグの上端および下端のそれぞ
れにチューブが接続されているため、遠心分離の際採血
バッグを遠心カップに入れたとき、遠心カップの底部に
突出したチューブによるデッドスペースが生じ、遠心の
圧力によってバッグが破損または破裂することがある。
【0008】 採血バッグの上端および下端のそれぞ
れにチューブが接続されているため、製造時や遠心カッ
プへの挿入時等に、採血バッグと他のバッグとの束ね性
が悪く、取り扱いがしにくく、また、チューブの折れが
生じて閉塞することがある。
【0009】 採血バッグの製造の際、バッグ本体の
上端および下端のそれぞれにチューブを高周波融着によ
り接続するため、製造工程が複雑で、製造コストも高
い。
【0010】 採血バッグの上端部および下端部から
それぞれ血漿および赤血球を同時に排出するために、バ
ッグ押圧用の平行な一対の板と、バッグ内の液面レベル
のセンサーと、チューブを圧迫して排出液の流量を調整
する手段とを備え、前記一対の板間で血液の入った採血
バッグを挟持、押圧して上下のチューブから血漿および
赤血球を同時に排出するとともに、中間のバフィーコー
ト層のレベルを前記センサーで検出し、そのレベルを一
定に保つように両チューブからの血漿および赤血球の排
出量を調整する構成の専用の装置(例えば、バクスター
社製のOPTIPRESS)を用いる必要がある。この
装置は、高価なものであり、操作手順も複雑である。
【0011】 分離された赤血球を排出するまでは、
例えば破断により内部流路が開通可能な部材により、採
血バッグと赤血球排出用チューブとの連通を遮断し、赤
血球排出用チューブ内に血液が侵入しないようにしてお
くことが好ましいが、前記部材は硬質であるため、遠心
カップの底部への挿入を考慮すると、このような部材を
装着して赤血球排出用チューブを封止することはできな
い。そのため、遠心分離後も、赤血球排出用チューブ内
に全血が残った状態となり、赤血球の回収率や赤血球か
らの白血球の除去率が低下する。白血球(特にリンパ
球)の除去率が低い赤血球製剤を用いると、肝炎、エイ
ズ、GVHD等に感染する確率が高くなる。
【0012】 このようなトップアンドボトムバッグの
欠点を解消するものとして、バッグ本体の上部に形成さ
れた2つのポートの間に、バッグ本体の内部を2つの空
間に仕切る帯状の仕切り部を設けた構成の血液バッグが
開示されている(欧州特許出願公開明細書第04847
51号)。
【0013】この血液バッグ(3)の仕切り部(3f)
は、バッグ本体を構成する樹脂シートをバッグ本体の上
部からバッグの半分の長さより下方まで、バッグ本体の
側部とほぼ平行に細長く帯状にシール(融着)して得ら
れたものであるが、仕切り部(3f)の下端は、平坦に
カットされた形状となっており(FIG.2参照)、仕
切り部の幅も一定であるため、シール強度が弱い。従っ
て、血液バッグに血液を充填し遠心分離を施した際に、
血液バッグの下部の内圧が増大して膨張し、仕切り部
(3f)の下端付近に応力が集中すると、その部分に剥
離や亀裂が生じ、極端な場合にはバッグが破裂するとい
う欠点がある。
【0014】さらに、血液バッグ(3)の仕切り部の中
央と、これに近い方のバッグ本体側部との距離、すなわ
ち赤血球が通過するチャンネル(3e)の幅が7mm以下
とされているため、遠心分離後の血液バッグが膨張した
状態において、バッグ側部の変形により前記チャンネル
(3e)が閉塞し易く、また、このような閉塞が生じな
かったとしても、チャンネル(3e)の幅が狭過ぎて、
血液バッグからの赤血球の排出速度が遅いという欠点も
ある。
【0015】また、血液バッグ(3)では、バッグ上部
に設けられ、血漿および赤血球をそれぞれ排出するチュ
ーブ(27)および(17)に接続された2つのバルブ
(3h)が、それぞれ、仕切り部(3f)にて仕切られ
た2つの空間内に突出しており、遠心分離後、バルブ
(3h)を開く操作は、バッグごとバルブ(3h)を指
でつまんで行うため、その振動(液流動)が伝搬され
て、分離された各層の境界面が乱され、その結果、赤血
球の回収率が低下し、上記と同様の問題が生じると共
に、血漿中への白血球混入率が高くなる等の問題が生じ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、遠心
分離に適し、仕切り部の破損がなく、製造および取り扱
いが容易で、専用の装置を用いることなく分離成分の排
出ができ、従来の簡単な器具を用いて分離成分の回収を
行ったとしても、従来と同等またはそれ以上の分離成分
の回収率または除去率が得られ、また十分な分離成分の
排出速度が得られる体液バッグを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)の本発明により達成される。また、下記(2)〜
(15)であるのが好ましい。
【0018】(1) 袋状のバッグ本体を有し、導入さ
れた体液を当該バッグ本体内で複数の成分に分離すると
ともに、分離された成分を異なる箇所から排出し得る体
液バッグであって、前記バッグ本体に体液を導入するチ
ューブと、前記バッグ本体の一端部から延び、前記バッ
グ本体の内部を少なくとも2つの空間に仕切る帯状の仕
切り部と、前記バッグ本体の一端部に前記仕切り部を間
にして接続された第1のチューブおよび第2のチューブ
を有し、前記仕切り部により仕切られた各空間は、仕切
り部の他方の端部付近において互いに連通しており、前
記仕切り部の他方の端部は湾曲形状をなしており、その
曲率半径をR、仕切り部の幅をHとしたとき、0.75
H≦Rなる関係を満足し、前記第1のチューブは、液流
通時に前記仕切り部により仕切られた1つの空間に連通
し、前記第2のチューブは、液流通時に前記仕切り部に
より仕切られた他の空間に連通し、前記分離された成分
のうちの1つの成分を前記第1のチューブから排出し、
他の1つの成分を前記第2のチューブから排出すること
を特徴とする体液バッグ。
【0019】(2) 前記仕切り部の他方の端部は、前
記バッグ本体の前記第1および第2のチューブが接続さ
れているのと反対側の端部付近に位置している上記
(1)に記載の体液バッグ。
【0020】(3) 前記仕切り部の他方の端部に、円
形、楕円形または雫形状のランド部を有する上記(1)
または(2)に記載の体液バッグ。
【0021】(4) 前記仕切り部により仕切られた空
間のうちの少なくとも1つは、帯状をなしている上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の体液バッグ。
【0022】(5) 前記帯状の空間がバッグ本体の側
部に沿って形成されている上記(4)に記載の体液バッ
グ。
【0023】(6) 前記帯状の空間の幅の最小値が7
〜13mmである上記(4)または(5)に記載の体液バ
ッグ。
【0024】(7) バッグ本体の中心線と、前記帯状
の空間の前記仕切り部と反対側の端部との距離をfとし
たとき、前記帯状の空間の幅の最小値aが、0.05≦
a/f≦0.30なる関係を満足する上記(4)または
(5)に記載の体液バッグ。
【0025】(8) 前記仕切り部の他方の端部付近に
おいて、前記帯状の空間の幅が仕切り部の端部に向けて
漸増する上記(4)〜(7)のいずれかに記載の体液バ
ッグ。
【0026】(9) 前記帯状の空間の幅の最小値を
a、前記仕切り部の他方の端部付近における前記帯状の
空間の幅をbとしたとき、1.25≦b/a≦2なる関
係を満足する上記(8)に記載の体液バッグ。
【0027】(10) 前記仕切り部の幅Hが、1〜15
mmである上記(1)〜(9)のいずれかに記載の体液バ
ッグ。
【0028】(11) 複数の仕切り部を有し、バッグ本
体の内部が3つ以上の空間に仕切られている上記(1)
〜(10)のいずれかに記載の体液バッグ。
【0029】(12) 前記仕切り部は、バッグ本体を構
成するシート材を接着または融着して得られるものであ
る上記(1)〜(11)のいずれかに記載の体液バッグ。
【0030】(13) 前記第1および第2のチューブ
は、それぞれ異なる成分をバッグ本体外へ排出するため
のものである上記(1)〜(12)のいずれかに記載の体
液バッグ。
【0031】(14) 前記バッグ本体の一端部に、バッ
グ本体内へ体液を導入するチューブが接続されている上
記(1)〜(13)のいずれかに記載の体液バッグ。
【0032】(15) 前記第1のチューブおよび第2の
チューブの一方または双方に他のバッグ本体が接続され
てバッグ連結体を構成する上記(1)〜(14)のいずれ
かに記載の体液バッグ。
【0033】
【発明の構成】以下、本発明の体液バッグを添付図面に
示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0034】図1は、本発明の体液バッグを採血バッグ
として用いる場合であって、この採血バッグにチューブ
を介して他のバッグを連結したバッグ連結体の構成例を
示す平面図である。同図に示すように、バッグ連結体1
は、採血バッグと、赤血球バッグと、血漿バッグとをそ
れぞれチューブで連結したトリプルバッグである。
【0035】図1中の中央に位置する本発明の採血バッ
グ10は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を
重ね、その周縁のシール部12において融着(熱融着、
高周波融着等)または接着し、袋状に構成したバッグ本
体11を有する。
【0036】このバッグ本体11の内部は、帯状の仕切
り部13により2つの空間14Aおよび14Bに仕切ら
れている。空間14Aは、バッグ本体11の内部空間の
大部分を占める空間であり、空間14Bは、バッグ本体
11の側部に沿って形成された帯状の空間である。空間
14Bは、後述するように、血液を遠心分離して得られ
た下層の赤血球をバッグ本体11外に排出するための流
路として機能するものであり、空間14Bを帯状(膨張
時は細い柱状)に形成すると、赤血球が空間14B内を
バッグ本体11の下部(底部)側から上部側へ流れる際
に、その流れが円滑になり、また逆流も生じにくくな
る。
【0037】このような、両空間14A、14Bは、図
1に示すように、仕切り部13の下端部(端部131)
付近、すなわちバッグ本体11の底部付近(連通部14
1)にて連通している。
【0038】仕切り部13の上端は、シール部12と連
結されている。この仕切り部13は、好ましくはシール
部12と同時に、バッグ本体11を構成するシート材を
融着(熱融着、高周波融着等)または接着することによ
り形成するのが好ましい。このような方法で形成すれ
ば、製造工程を増加することなく仕切り部13を容易に
製造することができる。
【0039】仕切り部13の幅は、特に限定されない
が、シート材を融着または接着して形成する場合、その
剥離強度を考慮して、平均1〜15mm程度、特に、平均
2〜10mm程度とするのが好ましい。
【0040】仕切り部13の端部131は、湾曲形状を
なしており、その曲率半径をR、前記仕切り部13の幅
(端部131以外の幅の平均値)をHとしたとき(図3
参照)、0.75H≦Rなる関係を満足し、好ましくは
H≦Rなる関係を満足する。採血バッグ10等に遠心分
離を施したこと等によりバッグの内圧が増加すると、仕
切り部13の端部131に応力が集中し易いが、上記関
係を満足することにより、仕切り部13の端部131で
の亀裂発生が防止され、端部131の亀裂によるバッグ
本体11の破損が防止される。
【0041】上記関係を満足するものとしては、図示の
ように、端部131に例えば円形、楕円形、雫形状また
はこれらを適宜組み合わせた形状のランド部を形成する
のが好ましい。このランド部の輪郭形状が、例えば楕円
形のように、曲率半径Rが一定でないとき、曲率半径R
の最小値が上記関係を満足するようにするのが好まし
い。
【0042】図2は、採血バッグ10における仕切り部
13の端部の位置を示す平面図である。仕切り部13の
端部131は、図2中のW、X、YおよびZのいずれの
位置であってもよく、また、これらの中間の位置であっ
てもよい。
【0043】この場合、図2中Wの位置は、採血バッグ
10のバッグ本体11内に収納された血液に遠心分離を
施した際、下層(赤血球層)と中間層(バフィーコート
層)との境界より若干下方の位置である。また、Zの位
置は、最も下方の位置、すなわちバッグ本体11の底部
の中央付近である。
【0044】特に、仕切り部13の端部131の位置を
XからZに至るまでのいずれかの位置とするのが好まし
く、XからYに至るまでのいずれかの位置とするのがよ
り好ましい。これにより、採血バッグ10の遠心カップ
内への収納がよりし易くなり、端部131の影響による
遠心分離操作時のバッグの破損もさらに少なくなり、分
離された赤血球層への白血球等の混入量も大幅に低減さ
れ、赤血球の回収率が向上する。
【0045】なお、バッグ本体2の上方に位置する仕切
り部13の上部湾曲部132の曲率半径R’は、上部湾
曲部132の剥離防止の観点から、10mm≦R’なる関
係を満足するのが好ましく、15mm≦R’なる関係を満
足するのがより好ましい。
【0046】空間14Bを図示のごとき帯状に構成する
場合、空間14Bの幅の最小値aは、チューブ25の内
径をcとしたとき、2c<a<5cなる関係を満足する
のが好ましく、具体的には、aは7〜13mm程度である
のが好ましい。空間14Bの幅の最小値aが7mm未満で
は、遠心分離後のバッグ本体11が膨張した状態におい
て、バッグ本体側部の変形により空間14Bが閉塞し易
く、また、このような閉塞が生じなかったとしても、空
間14Bの幅が狭過ぎて、バッグ本体11からの赤血球
の排出速度が遅くなる。また、aが13mmを超えると、
赤血球の回収率(赤血球中の白血球の除去率)が低下す
る。
【0047】また、前記と同様の理由から、バッグ本体
11の中心線110と、空間14Bとシール部12との
境界線との距離をfとしたとき(図2参照)、空間14
Bの幅の最小値aは、0.05≦a/f≦0.30なる
関係を満足するのが好ましく、0.1≦a/f≦0.2
3なる関係を満足するのがより好ましい。
【0048】なお、空間14Bの幅は必ずしもその全長
にわたり一定である必要はなく、空間14Bの幅が、バ
ッグ本体11の上部から下部に向かって漸減または漸増
してもよい。
【0049】図3は、採血バッグ10の他の構成例を示
す平面図である。同図に示す採血バッグ10は、仕切り
部13の途中、すなわち図2に示すW付近の位置から仕
切り部13の端部131にかけて空間14Bの幅が連続
的に増加した構成となっている。このような構成とする
ことにより、赤血球の回収率や赤血球からの白血球除去
率がより向上する。
【0050】このような構成の場合、空間14Bの幅の
最小値aと最大値(端部131における空間14Bの
幅)bとは、1.25≦b/a≦2なる関係を満足する
のが好ましい。このような範囲において、特に赤血球の
回収率や赤血球からの白血球除去率が向上する。
【0051】以上のような採血バッグ10において、空
間14A、14Bの容積比は特に限定されないが、空間
14Bの容積が、バッグ本体11全体の容積の5%未
満、特に0.6〜4.0%程度となるようにするのが好
ましい。
【0052】バッグ本体11の上部には、ピールタブに
より開封可能に封止された輸血用の排出口部15と、血
漿バッグ40に接続するための連結部材(封止部材)1
7とが設けられ、さらに、採血血液を導入するための可
撓性を有するチューブ19の一端が接続されている。こ
れらの排出口15、連結部材17およびチューブ19
は、いずれも空間14Aに連通している。
【0053】連結部材17には可撓性を有するチューブ
18の一端が接続されている。チューブ18の他端は、
後述する血漿バッグ40の上部に接続されている。
【0054】チューブ19の他端には、ハブ20を介し
て採血針21が装着されている。また、ハブ20には採
血針21を被包するキャップ22が装着される。
【0055】また、バッグ本体11の上部のチューブ1
9の図中左側には、赤血球バッグ30に接続するための
前記連結部材17と同様の連結部材24が設けられてい
る。この連結部材24は、空間14Bに連通している。
また、連結部材24には、可撓性を有するチューブ25
の一端が接続されている。チューブ25の他端は、後述
する赤血球バッグ30の上部に接続されている。
【0056】連結部材17および24としては、破断前
は流路が閉塞されているが、破断すると流路が開通する
封止部材を用いるのが好ましく、その構成例について
は、後に詳述する。
【0057】なお、このような連結部材17および24
は、それぞれ、バッグ本体2の外部に突出しており、空
間14Aおよび14Bに突出していないため、開封する
際の振動(液流動)で、バッグ内の遠心分離により分離
された各成分層の境界面を乱すことがなく、分離成分の
収率向上に寄与する。また、本発明では、このような連
結部材17、24を設けず、クレンメ等によりチューブ
18、25を適宜閉塞、解除してもよい。
【0058】図1中の左側に位置する赤血球バッグ30
は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、
その周縁のシール部32において、融着(熱融着、高周
波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体31を
有する。
【0059】このバッグ本体31のシール部32で囲ま
れる内側の部分に、採血バッグ1内の血液より分離され
た濃厚赤血球が収納される赤血球収納部33が形成され
ている。
【0060】赤血球バッグ30の上部には、ピールタブ
により開封可能に封止された2つの輸血用の排出口3
4、34が形成され、さらにその側部には、赤血球収納
部33に連通する前記チューブ25の一端が接続されて
いる。これにより、連結部材24の流路開通時に、採血
バッグ10の空間14Bと赤血球バッグ30の赤血球収
納部33とが、チューブ25を介して連通する。
【0061】図1中の右側に位置する血漿バッグ40
は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、
その周縁のシール部42において、融着(熱融着、高周
波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体41を
有する。
【0062】このバッグ本体41のシール部42で囲ま
れる内側の部分に、採血バッグ1内の血液より分離され
た血漿が収納される血漿収納部43が形成されている。
【0063】血漿バッグ40の上部には、ピールタブに
より開封可能に封止された2つの輸血用の排出口44、
44が形成され、さらにその側部には、血漿収納部43
に連通する前記可撓性を有するチューブ18の一端が接
続されている。これにより、連結部材17の流路開通時
に、採血バッグ10の空間14Aと血漿バッグ40の血
漿収納部43とが、チューブ18を介して連通する。
【0064】図1に示すバッグ連結体1において、各バ
ッグ10、30、40のバッグ本体を構成するシート材
の構成材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好
適に使用される。
【0065】この軟質ポリ塩化ビニルにおける可塑剤と
しては、例えば、ジ(エチルヘキシル)フタレート(D
EHP)、ジ−(n−デシル)フタレート(DnDP)
等が使用される。なお、このような可塑剤の含有量は、
ポリ塩化ビニル100重量部に対し、30〜70重量部
程度とするのが好ましい。
【0066】また、各バッグ10、30、40のシート
材の他の構成材料としては、ポリオレフィン、すなわち
エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオ
レフィンあるいはジオレフィンを重合または共重合した
重合体を用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、EVAと各種熱可塑性エラストマーとのポリマー
ブレンド等、あるいは、これらを任意に組み合せたもの
が挙げられる。さらには、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチルテレフタレート
(PCHT)のようなポリエステルや、ポリ塩化ビニリ
デンを用いることもできる。
【0067】各バッグ10、30、40を構成するシー
ト材の厚さは、酸素ガス、炭酸ガス等のガス透過性や、
遠心分離操作に耐え得る強度等を考慮して決定され、用
いるシート材の構成材料にもよるが、通常、採血バッグ
10のシート材の厚さは、0.2〜1.0mm程度、特
に、0.3〜0.5mm程度とするのが好ましく、赤血球
バッグ30および血漿バッグ40のシート材の厚さは、
それぞれ、0.2〜0.7mm程度、特に、0.3〜0.
5mm程度とするのが好ましい。
【0068】採血バッグ10の容量は特に限定されない
が、採血量に対応した容量であることが必要であり、日
本国内で使用されるものとしては200または400ml
程度、海外で使用されるものとしては350〜600ml
程度とするのが好ましい。
【0069】また、赤血球バッグ30および血漿バッグ
40の容量は特に限定されないが、それぞれ、日本国内
で使用されるものとしては100〜400ml程度、特
に、150〜300ml程度、海外で使用されるものとし
ては150〜600ml程度、特に、200〜450ml程
度とするのが好ましい。
【0070】図1に示すバッグ連結体1において、チュ
ーブ18、19、25および後述するチューブ62、6
3、82、83の構成材料としては、例えば、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、PETやPB
Tのようなポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー、スチレ
ン−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性エラス
トマー等が挙げられるが、その中でも特に、ポリ塩化ビ
ニルが好ましい。各チューブがポリ塩化ビニル製であれ
ば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし
易く、また、クレンメ等による閉塞に適し、しかも、各
バッグ本体11、31、41との接合性が良好となるか
らである。なお、各チューブに用いられる可塑剤の種類
やその含有量は特に限定されない。
【0071】なお、採血バッグ10内には、予め抗凝固
剤が入れられていることが好ましい。この抗凝固剤は、
通常液体であり、例えば、ACD−A液、CPD液、C
PDA−1液、ヘパリンナトリウム液等が挙げられる。
これらの成分を下記表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】これらの抗凝固剤の適正使用量は、ヒト全
血100mlに対し、ACD−A液およびヘパリンナトリ
ウム液がそれぞれ約15ml、CPD液およびCPDA−
1液がそれぞれ約14mlである。
【0074】また、赤血球バッグ30内には、予め赤血
球保存液が入れられていてもよい。この、赤血球保存液
としては、例えば、S・A・G・M液(塩化ナトリウ
ム:0.877W/V%、アデニン:0.0169 W/V%、ブドウ糖:
0.818W/V%、D−マンニトール:0.525W/V%を含む水溶
液)やOPTISOL液、ADSOL液、M・A・P液
等が挙げられる。
【0075】次に、連結部材17の構成について説明す
る。図7は、連結部材17の構成例を拡大して示す縦断
面図である。同図に示すように、連結部材17は、例え
ば軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性を有する樹脂によ
り構成された短チューブ170と、この短チューブ17
0内に液密に嵌入され、中実柱状部172によりその一
端が閉塞された筒体171とで構成されている。
【0076】短チューブ170の図7中上端部には、チ
ューブ18の一端が液密に接続され、短チューブ170
の図7中下端部は、バッグ本体11の上部のシール部1
2に液密に接着または融着される。
【0077】筒体171の外周には、薄肉で脆弱な破断
部173が形成されている。手指等により短チューブ1
70の外部から短チューブ170ごと中実柱状部172
を折り曲げて破断部173を破断し、中実柱状部172
を分離することにより、流路が開通する。
【0078】筒体171の構成材料としては、例えば、
硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル
等の硬質材料が挙げられる。
【0079】また、中実柱状部172の図中上方は、く
さび形状をなし、その上端部(頂部)174は、幅方向
の寸法が筒体171の外径より小さく、チューブ18の
内径より大きい寸法とされ、中実柱状部172の破断分
離後に中実柱状部172がチューブ18を閉塞しないよ
うな構成とするのが好ましい。さらに、図示のごとく、
中実柱状部172の上端部174には、液の流通を促進
する溝175を設けてもよい。
【0080】なお、連結部材24および後述する連結部
材27、57、59、61、77、79および81につ
いても図7と同様の構成のものを用いることができる。
【0081】図4は、本発明の採血バッグの他の構成例
を示す平面図である。同図に示す採血バッグ10は、血
液導入用のチューブ19が帯状の空間14Bに連通して
いるものであり、その他の構成は、前記図1に示す採血
バッグとほぼ同様である。すなわち、チューブ19の一
端は、ト字状の分岐コネクタ26を介して空間14Bに
連通するようバッグ本体11の上部に接続されている。
【0082】また、分岐コネクタ26の分岐管261に
は、前記と同様の破断して流路が開通可能な連結部材2
7を介して赤血球バッグ内に連通するチューブ25の一
端が接続されている。これにより、連結部材27の流路
開通時に、採血バッグ10の空間14Bと赤血球バッグ
の内部とが、チューブ25を介して連通する。
【0083】また、図4に示す採血バッグ10は、連結
部材17の両側部に、それぞれ前記と同様のピールタブ
により開封可能に封止された輸血用の排出口15が形成
されている。
【0084】なお、図4に示す採血バッグ10では、チ
ューブ19と25とが分岐コネクタ26により合流して
空間14Bに連通しているが、これに限らず、チューブ
19および25がそれぞれ別個の位置で空間14Bに連
通している構成であってもよい。
【0085】図5は、本発明の採血バッグを有するバッ
グ連結体の他の構成例を示す平面図である。同図に示す
バッグ連結体2は、採血バッグ50の構成が前記と異な
り、その他のバッグ30、40の構成は前記バッグ連結
体1と同様である。
【0086】採血バッグ50は、前記と同様のシート材
を重ね、その周縁のシール部52において融着(熱融
着、高周波融着等)または接着し、袋状に構成したバッ
グ本体51を有する。
【0087】このバッグ本体51の内部は、2つの帯状
の仕切り部53および54により3つの空間55A、5
5Bおよび55Cに仕切られている。図4中中央に位置
する空間55Aは、バッグ本体51の内部空間の大部分
を占める空間であり、その両側部に位置する空間55B
および55Cは、それぞれ、バッグ本体51の両側部に
沿って形成された帯状の空間である。そして、各空間5
5A、55Bおよび55Cは、それぞれ、仕切り部53
および54の端部531および541付近にて連通して
いる。
【0088】仕切り部53および54の上端は、シール
部52と連結されている。これらの仕切り部53および
54は、前記と同様、バッグ本体のシート材を融着また
は接着することにより形成するのが好ましい。なお、仕
切り部53および54の幅、空間55Bおよび55Cの
容積、形状、寸法(幅)等については、前記と同様であ
る。
【0089】また、両仕切り部の端部531および54
1の形状や曲率半径については、それぞれ、前記端部1
31と同様である。この場合、端部531および541
の位置は、それぞれ、前記図2中のW〜Zに相当するい
ずれの位置でもよく、端部531と端部541の位置
(高さ)は、同一でも異なっていてもよい。
【0090】また、図示の例では、空間55Bおよび5
5Cが図中左右対称に形成されているが、両空間の形状
や位置は、左右非対称であってもよい。
【0091】バッグ本体51の上部には、図中中央に位
置する空間55Aに連通するよう、連結部材57が設け
られるとともに、血液導入用のチューブ19の一端が接
続されている。連結部材57には、可撓性を有するチュ
ーブ18の一端が接続され、チューブ18の他端は、血
漿バッグ40の上部に接続され、血漿収納部43に連通
している。これにより、連結部材57の流路開通時に、
採血バッグ50の空間55Aと血漿バッグ40の血漿収
納部43とが、チューブ18を介して連通する。
【0092】また、バッグ本体51の上部両側部には、
空間55Bおよび55Cにそれぞれ連通する連結部材5
9および61が設けられ、これらの連結部材59および
61には、それぞれ、可撓性を有するチューブ62およ
び63の一端が接続されている。チューブ62および6
3の他端は、それぞれ、Y字状の分岐コネクタ64によ
りチューブ25の一端と接続され、チューブ25の他端
は、赤血球バッグ30の上部に接続され、赤血球収納部
33に連通している。これにより、連結部材59および
61の流路開通時に、採血バッグ50の空間55Bおよ
び55Cと赤血球バッグ30の赤血球収納部33とが、
チューブ62、63および25を介して連通する。
【0093】このような採血バッグ50では、分離され
た下層の赤血球が空間55Bおよび55Cに別れて排出
されるため、分離された各層の界面を乱すことなくより
安定した状態で排出することができ、排出速度の向上ま
たは赤血球の回収率や赤血球からの白血球除去率の向上
に寄与する。
【0094】図6は、本発明の採血バッグを有するバッ
グ連結体のさらに他の構成例を示す平面図である。同図
に示すバッグ連結体3は、採血バッグ70の構成が前記
と異なり、その他のバッグ30、40の構成は前記バッ
グ連結体1と同様である。
【0095】採血バッグ70は、前記と同様のシート材
を重ね、その周縁のシール部72において融着(熱融
着、高周波融着等)または接着し、袋状に構成したバッ
グ本体71を有する。
【0096】このバッグ本体71の内部は、2つの帯状
の仕切り部73および74により3つの空間75A、7
5Bおよび75Cに仕切られている。これらの空間75
A、75Bおよび75Cは、ぼぼ等しい容積を有してお
り、それぞれ、仕切り部73および74の端部731お
よび741付近にて連通している。
【0097】仕切り部73および74の上端は、シール
部72と連結されている。これらの仕切り部73および
74は、前記と同様、バッグ本体のシート材を融着また
は接着することにより形成するのが好ましい。
【0098】なお、両仕切り部73および74の幅、両
仕切り部の端部731および741の形状や曲率半径に
ついては、それぞれ、前記と同様である。この場合、端
部731および741の位置は、それぞれ、前記図2中
のW〜Zに相当するいずれの高さでもよく、端部731
と端部741の位置(高さ)は、同一でも異なっていて
もよい。
【0099】バッグ本体71の上部には、図6中中央に
位置する空間75Aに連通するよう、ト字状の分岐コネ
クタ76が接続され、この分岐コネクタ76の一方の分
岐管には血液導入用のチューブ19の一端が、他方の分
岐管には前記と同様の連結部材77を介して、赤血球バ
ッグ30内に連通するチューブ25の一端が接続されて
いる。これにより、連結部材77の流路開通時に、採血
バッグ70の空間75Aと赤血球バッグ30の赤血球収
納部33とが、チューブ25を介して連通する。
【0100】また、バッグ本体71の上部両側部には、
空間55Bおよび55Cにそれぞれ連通する連結部材7
9および81が設けられ、これらの連結部材79および
81には、それぞれ、可撓性を有するチューブ82およ
び83の一端が接続されている。チューブ82および8
3の他端は、それぞれ、Y字状の分岐コネクタ84によ
りチューブ18の一端と接続され、チューブ18の他端
は、血漿バッグ40の上部に接続され、血漿収納部43
に連通している。これにより、連結部材79および81
の流路開通時に、採血バッグ70の空間75Bおよび7
5Cと血漿バッグ40の血漿収納部43とが、チューブ
82、83および18を介して連通する。
【0101】なお、各図に示す採血バッグ10、50、
70、赤血球バッグ30および血漿バッグ40は、可撓
性のあるシート材を重ね、その周縁をシールしたもので
あるが、各バッグ10、30、40、50、70は、こ
のような構成のものに限らず、例えば、前記シート材と
同様の材料で構成される筒状のシート材の両端(開放
端)を融着(熱融着、高周波融着等)または接着して封
止し、袋状となしたものであってもよい。
【0102】次に、本発明の体液バッグの使用方法を、
図1に示すバッグ連結体1により血液成分の分離を行な
う場合を例にして説明する。
【0103】[1] 採血針21を血管に穿刺し、チュ
ーブ19を介して採血バッグ10内に採血血液を導入す
る。このとき、採血血液は、チューブ19を通って採血
バッグ10の空間14Aに導入され、バッグ本体11の
空間14Aの部分が徐々に膨らむが、この膨らみによっ
て仕切り部13を境にバッグ本体11が折れ曲がるよう
に変形し、そのため、両空間14A、14Bの連通部1
41が閉塞された状態が維持されるので、空間14B内
へは血液はほとんど侵入しない。なお、例え空間14B
内へ血液が侵入したとしても、後述する遠心分離時に空
間14Bがその遠心力により遠心カップのカップ内面で
潰されるため、空間14Bに残る血液は僅かであり、そ
の大部分は赤血球である。特に、仕切り部13の端部1
31が前記ランド部を有する形状であるため、連通部1
41の閉塞に有利となる。
【0104】また、連通部141の閉塞をより確実にす
るために、連通部141付近のシート材同士を予めブロ
ッキング(結着)させておくか、またはクレンメ等によ
り封止してもよい。
【0105】[2] 採血バッグ10内への採血終了
後、チューブ19を例えば融着により封止し、この封止
部より採血針21側のチューブを切断、除去する。
【0106】[3] 次に、採血バッグ10、赤血球バ
ッグ30および血漿バッグ40を束ね、各バッグの底部
を下側にして遠心分離機の遠心カップに入れ、遠心分離
操作を施す。遠心分離機としては、例えば、IEC社
製、DPR−6000を用いることができる。この場
合、遠心条件は、例えば、1700〜5500Gで4〜
10分程度とされる。なお、遠心分離操作中において
も、空間14B内への血液の侵入は生じない。
【0107】このような遠心分離により、空間14A内
の血液は、上層から血漿層、バフィーコート層および赤
血球層のほぼ3層に分離された状態となる(図示せ
ず)。なお、遠心条件によって、分離される層の構成成
分は異なる。
【0108】遠心分離操作に際しては、バッグ本体内の
下方の内部圧力が増大し、それに伴ってバッグ本体下部
がさらに膨張するので、仕切り部13の端部131付近
に応力が集中する傾向を示すが、本発明では、端部13
1が前述した形状および条件であるため、端部131の
剥離や亀裂等が発生せず、その結果、バッグ本体の破損
も防止される。
【0109】[4] 遠心分離後、バッグ連結体1を遠
心カップから静かに取り出し、採血バッグを分離スタン
ド(図示せず)にセットするとともに、連結部材17お
よび24の内部流路を上述のようにして開通させる。
【0110】なお、分離スタンドとしては、手動式、電
動式のいずれでもよく、手動式のものとしては、例え
ば、一対の押圧板と、一方の押圧板に固着されたレバー
とを有し、両押圧板間に採血バッグ10をセットした状
態で、前記レバーを操作して一方の押圧板をその一辺を
中心にして他方の押圧板に対して回動し、採血バッグ1
0を挟持、圧迫するような簡単な構成のものを用いるこ
とができる。
【0111】[5] 上記分離スタンドにより採血バッ
グ10を徐々に圧迫する。これにより、バッグ本体11
は均一に膨らんだ状態となり、液圧により前記連通部1
41の閉塞は解除される。そして、採血バッグ10の圧
迫に伴い、上層の血漿は、開封された連結部材17から
排出され、チューブ18を経て血漿バッグ40の血漿収
納部43に移送され、一方、下層の赤血球(濃厚赤血
球)は、連通部141を経て空間14B内に入り、さら
に開封された連結部材24から排出され、チューブ25
を経て赤血球バッグ30の赤血球収納部33に移送され
る。
【0112】このような血漿および赤血球の排出、移送
の際、チューブ18または25の途中を手指またはクラ
ンプ等の器具により圧閉して、血漿または赤血球の排出
流量を調整することもできる。このような調整は、中間
層のバフィーコート層の高さが一定となるように行なう
のが、分離成分の収率向上にとって好ましい。
【0113】本発明では、仕切り部13の端部131が
前述したランド部を構成する形状であるため、連通部1
41付近での流れが良好な状態で安定し、分離された各
層の境界面の乱れを抑制するので、分離成分の収率向上
にとってさらに有利となる。
【0114】[6] 採血バッグ10内の血漿および赤
血球がほぼ全量排出、移送されると、採血バッグのバッ
グ本体11内には、中間層のバフィーコートが残る。こ
の状態で、チューブ18および25の途中を、それぞれ
2箇所ずつ例えば融着により封止し、両封止部の間のチ
ューブ18および25をそれぞれ切断して、採血バッグ
10、赤血球バッグ30および血漿バッグ40を分離す
る。これにより、バフィーコート、赤血球および血漿が
それぞれ密封状態で収納された採血バッグ10、赤血球
バッグ30および血漿バッグ40が得られる。
【0115】[7] 採血バッグ10からバフィーコー
トを取り出すときには、排出口15のピールタブを破断
し、例えばシリンジにより吸引することにより行なう。
赤血球バッグ30および血漿バッグ40からそれぞれ赤
血球および血漿を取り出すときにも、同様に、排出口3
4および44のピールタブを破断し、例えば輸血セット
を接続して輸血に供する。
【0116】以上、トリプルバッグによるバッグ連結体
について説明したが、本発明は、これに限定されるもの
ではなく、採血バッグ単体(シングルバッグ)、採血バ
ッグと血漿バッグまたは赤血球バッグのいずれかを連結
したダブルバッグ、いずれかのバッグの用途や収納成分
が前記と異なるトリプルバッグ、あるいは、前記トリプ
ルバッグに、例えば、血小板収納バッグ、クリオプレシ
ピテート(AHF)回収用のバッグ、白血球除去用のバ
ッグのような1または2以上の他のバッグを付加したも
の等でもよい。
【0117】また、本発明の体液バッグの用途は、上記
血液成分の分離(特に、全血からの血液製剤の製造)に
限らず、例えば、骨髄液の濃縮(末梢血の除去)、赤血
球の洗浄等に用いることもできる。
【0118】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0119】(実施例1)以下に示す条件の採血バッ
グ、赤血球バッグおよび血漿バッグを軟質ポリ塩化ビニ
ル製のチューブ(内径c=3mm)で連結して図1に示す
構成のバッグ連結体を作製した。
【0120】<1>バッグを構成するシート材 採血バッグ、赤血球バッグおよび血漿バッグのシート材
としては、それぞれ、可塑剤としてジ(エチルヘキシ
ル)フタレート(DEHP)をポリ塩化ビニル100重
量部に対し、50〜55重量部含有する軟質ポリ塩化ビ
ニル製で、厚さ0.4mmのものを用いた。
【0121】<2>採血バッグの仕切り部 仕切り部13の配置は、図2に示すものとし、仕切り部
13の端部131の位置は、図2中のXとYの中間の位
置とした。仕切り部の幅(端部131以外の部分)H
は、3mmとした。仕切り部13の端部(ランド部)13
1の形状は、図1に示すような雫形状とし、その曲率半
径Rは、約3mm(1.0H)とした。
【0122】<3>採血バッグの各空間 採血バッグ10の帯状の空間14Bの幅はほぼ一定であ
り、その幅の最小値aを、それぞれ7mm(a/f=0.
109)、10mm(a/f=0.153)、13mm(a
/f=0.194)および16mm(a/f=0.23
4)とした合計4個の採血バッグ10を製造した。各採
血バッグ10の空間14Bの容積は、バッグ本体11全
体の容積(456ml)の0.7〜1.8%程度であっ
た。
【0123】(実施例2)以下に示す条件の採血バッ
グ、赤血球バッグおよび血漿バッグを軟質ポリ塩化ビニ
ル製のチューブ(内径c=3mm)で連結して図1に示す
構成のバッグ連結体を作製した。
【0124】<1>バッグを構成するシート材 実施例1と同じ
【0125】<2>採血バッグの仕切り部 仕切り部13の配置は、図3に示すものとし、仕切り部
13の幅、端部131の位置および形状は、それぞれ実
施例1と同様とした。
【0126】<3>採血バッグの各空間 採血バッグ10の帯状の空間14Bを、図3に示すよう
に、途中から端部131に向けて漸増する構成とした。
この場合、空間14Bの幅の最小値aをそれぞれ7mm
(a/f=0.109)、10mm(a/f=0.15
3)、13mm(a/f=0.194)および16mm(a
/f=0.234)とし、これらのそれぞれに対し、空
間14Bの幅の最大値(端部131付近の空間14Bの
幅)bを1.25〜1.3a、1.5〜1.6aおよび
2aとした合計12個の採血バッグ10を製造した。各
採血バッグ10の空間14Bの容積は、バッグ本体11
全体の容積(約460ml)の0.8〜2.7%程度であ
った。
【0127】(比較例1) 採血バッグとして、バッグ本体の上端部に血漿排出用の
チューブが接続され、バッグ本体の下端部に血液導入用
のチューブと赤血球排出用のチューブとが並べて接続さ
れた構成のトップアンドボトムバッグを用いた以外は、
前記実施例1と同様のバッグ連結体を作製した。
【0128】上記実施例1、2および比較例1の各バッ
グ連結体について、以下の実験を行った。
【0129】[実験1] 1.疑似血液の分離速度 75%グリセリン水溶液(Ht値80%の濃厚赤血球と
同程度の粘性を有する)456mlを採血バッグに入れ、
次いで、この採血バッグを圧迫し、赤血球バッグへ20
0mlのグリセリン水溶液が移送されるのに要した時間を
測定した。その結果を図8のグラフに示す。
【0130】なお、実施例1および2における各採血バ
ッグの圧迫は、分離スタンド(テルモ社製、ME−AC
S201)を用いて手動操作により行ない、比較例にお
ける採血バッグの圧迫は、専用の装置(バクスター社
製、OPTIPRESS)を用いて行った。
【0131】2.ヒト全血の分離速度 各バッグ連結体に高圧水蒸気滅菌を施した後、採血バッ
グの空間14A内に、抗凝固剤として56mlのCPD液
(前記表1に示す組成)を入れ、空間14A内に400
mlのヒト全血を採取し、遠心分離機(IEC社製、DP
R−6000)にて4000G、7分間遠心分離を施し
た。
【0132】次に、採血バッグを圧迫して、3層に分離
された血液成分のうち、上層の乏血小板血漿(PPP)
を血漿バッグへ、下層の濃厚赤血球(CRC)を赤血球
バッグへそれぞれ移送し、中間層のバフィーコート(B
C)を採血バッグ内に残した。採血バッグ内にバフィー
コートを70ml残すようにして、血漿および濃厚赤血球
の移送が完了するまでの時間を測定した。その結果を図
8のグラフに示す。
【0133】なお、実施例1および2における各採血バ
ッグの圧迫は、前記テルモ社製の分離スタンドを用いて
手動操作により行ない、採血バッグ内のバフィーコート
層のレベルがほぼ一定に保たれるように目視で確認しな
がら、血漿バッグへのチューブを手指でつまんで血漿の
排出流量を調節しつつ行なった。一方、比較例における
採血バッグの圧迫は、前記バクスター社製の専用装置を
用い、採血バッグ内のバフィーコート層のレベルがほぼ
一定に保たれるようにセンサーで検出しながら、血漿の
排出流量を調節しつつ行なった。
【0134】図8のグラフからわかるように、実施例1
および2の各採血バッグでは、簡単な操作で分離成分の
排出ができ、排出速度の低下もなく、短時間で分離成分
の回収が可能となっている。
【0135】[実験2]上記実験1のヒト全血の分離成
分を各バッグに収納した後、各バッグを連結するチュー
ブを封止、切断した。その後、採血バッグおよび赤血球
バッグのそれぞれに収納されたバフィーコート(BC)
および濃厚赤血球(CRC)を分析し、細胞数を測定し
て、各細胞の回収率、除去率を求めた。濃厚赤血球(C
RC)中の赤血球(RBC)の回収率、濃厚赤血球(C
RC)中の白血球(WBC)の除去率およびバフィーコ
ート(BC)中の血小板(PLT)の回収率を、それぞ
れ図9、図10および図11のグラフに示す。
【0136】図9〜図11の各グラフからわかるよう
に、本発明の実施例1および2のバッグ連結体によれ
ば、簡易な構成の分離スタンドを用いて血漿および赤血
球の排出を行なったにもかかわらず、専用の装置を用い
た比較例と比べ、同等またはそれ以上の細胞の回収率お
よび除去率が得られている。特に、濃厚赤血球(CR
C)においては、赤血球(RBC)の回収率および白血
球(WBC)の除去率の向上が見られる。
【0137】(実施例3)採血バッグについて、仕切り
部13の幅(端部131以外の部分)Hを3mm、帯状の
空間14Bの幅の最小値aを10mm(a/f=0.15
3)とするとともに、仕切り部13の端部131の形状
を図1に示すような雫形状とし、その曲率半径Rを、そ
れぞれ、2.25mm(0.75H)、3.0mm(1.0
H)および4.5mm(1.5H)とした以外は前記実施
例1と同様のバッグ連結体を製造した。
【0138】(比較例2)仕切り部13の端部131の
形状を曲率半径Rが1.5mm(0.5H)の半円形とし
た以外は前記実施例3と同様の採血バッグを有するバッ
グ連結体を製造した。
【0139】(比較例3)仕切り部13の端部131を
直線的にカットした形状とした以外は前記実施例3と同
様の採血バッグを有するバッグ連結体を製造した。
【0140】[実験3]上記実施例3、比較例2および
3における各採血バッグについて、以下の過酷試験を行
った。
【0141】1.気密度試験(シール強度試験) 採血針より採血バッグ内に1.0kg/cm2のゲージ圧で空
気を送り込み、バッグが破裂するまでの時間を測定する
とともに、破裂の生じた箇所を調べた。その結果を下記
表2に示す。なお、この試験は、各バッグ5個ずつにつ
いて行った。
【0142】2.遠心試験 採血バッグ内に採血量とほぼ同量の試験液(判定に有利
なように着色されている)を充填し、前記と同様の遠心
分離機にて5000G、20分間遠心分離を施した。遠
心分離後、バッグの破損の有無を調べた。その結果を下
記表3に示す。なお、この試験は、各バッグ6個ずつに
ついて行った。
【0143】3.耐圧試験 採血バッグ内に採血量とほぼ同量の試験液(判定に有利
なように着色されている)を充填し、採血バッグを押圧
して、初期圧1.0kg/cm2から徐々にバッグ内の圧力を
上昇させ、バッグが破裂した時の圧力(破袋圧力)を測
定した。その結果を下記表4に示す。なお、この試験
は、各バッグ5個ずつについて行った。
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
【表4】
【0147】表2に示すように、比較例2および3の採
血バッグでは、比較的短時間で仕切り部の端部131よ
り破袋が生じているのに対し、本発明の実施例3の採血
バッグでは、端部131のシール強度が高いので、破袋
までの時間が非常に長い。
【0148】また、表3に示すように、比較例2および
3の採血バッグでは、遠心分離操作によりバッグに破損
を生じるものがあるが、本発明の実施例3の採血バッグ
では、遠心分離操作による破損は生じていない。
【0149】また、表4に示すように、本発明の実施例
3の採血バッグは、比較例2および3の採血バッグに比
べ、破袋圧力が高く、破裂しにくいことがわかる。
【0150】(実施例4)採血バッグにおいて、仕切り
部13の端部131の位置を図2中のZの位置とした以
外は、前記実施例1および3と同様のバッグ連結体を作
製し、それぞれについて前記実験1〜3を行なったとこ
ろ、それぞれ、前記とほぼ同等の結果が得られた。
【0151】(実施例5)採血バッグを図5に示す構成
のもの(仕切り部の配置は左右対称)とした以外は、前
記実施例1および3と同様のバッグ連結体を作製した。
なお、採血バッグにおいて、両仕切り部の端部531、
541の位置は、図2中のYに相当する位置とし、空間
55B、55Cは、実施例1に示す空間14Bと同様と
した。
【0152】これらの各バッグ連結体に対し、前記実験
1〜3を行なったところ、それぞれ、前記とほぼ同等の
結果が得られた。
【0153】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の体液バッグ
によれば、チューブ等の接続をバッグ本体の一端側に集
中させることができるので、遠心分離を行う際に、バッ
グの上下を間違えて遠心カップに入れてしまうことが防
止され、また、バッグ連結体を構成した場合に各バッグ
の束ね性が良く、取り扱いがし易く、しかも、バッグ底
部にチューブが突出して遠心カップ内にデッドスペース
ができることによるバッグの破損が生じない。
【0154】特に、遠心分離操作時に、仕切り部の端部
に応力が集中しても、仕切り部の端部の曲率半径が大き
いため、この端部に剥離や亀裂等が発生せず、これによ
るバッグの破損が防止される。
【0155】また、本発明の体液バッグは、従来のバッ
グに仕切り部を設けるだけでよく、構成が簡単であり、
しかも、仕切り部はバッグを構成するシート材をシール
する際に一体的に形成することができるので、その形状
に係らず、特に端部にランド部が形成されているような
形状であっても、容易に製造することができ、製造コス
トも安価である。
【0156】また、操作が複雑で高価な専用の装置を用
いることなく、従来より使用されている分離スタンドの
ような簡易な器具を用いて、簡単な操作で遠心分離後の
成分の回収を行なうことができ、分離成分の排出速度の
低下もなく、回収時間も短い。
【0157】さらに、バッグの底部にチューブの接続が
ない等の理由から、簡易な器具を用いて分離成分の回収
を行なったとしても、従来と同等またはそれ以上の分離
成分の回収率または除去率が得られる。特に、血液から
赤血球を回収する場合、白血球(特にリンパ球)の除去
率が高くなるため、このような赤血球製剤を用いること
により、肝炎、エイズ、GVHD等の感染をより高い確
率で防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の体液バッグを血液成分分離用のバッグ
連結体に適用した場合の構成例を示す平面図である。
【図2】図1に示す採血バッグにおける仕切り部の端部
の位置を示す平面図である。
【図3】本発明の体液バッグ(採血バッグ)の他の構成
例を示す平面図である。
【図4】本発明の体液バッグ(採血バッグ)の他の構成
例を示す平面図である。
【図5】本発明の体液バッグを血液成分分離用のバッグ
連結体に適用した場合の他の構成例を示す平面図であ
る。
【図6】本発明の体液バッグを血液成分分離用のバッグ
連結体に適用した場合の他の構成例を示す平面図であ
る。
【図7】本発明における連結部材の構成例を拡大して示
す縦断面図である。
【図8】採血バッグの赤血球排出用帯状空間の幅に対す
る液体の排出時間を示すグラフである。
【図9】採血バッグの赤血球排出用帯状空間の幅の比率
(a:b)に対する濃厚赤血球(CRC)中の赤血球
(RBC)の回収率を示すグラフである。
【図10】採血バッグの赤血球排出用帯状空間の幅の比
率(a:b)に対する濃厚赤血球(CRC)中の白血球
(WBC)の除去率を示すグラフである。
【図11】採血バッグの赤血球排出用帯状空間の幅の比
率(a:b)に対するバフィーコート(BC)中の血小
板(PLT)の回収率を示すグラフである。
【符号の説明】
1、2、3 バッグ連結体 10 採血バッグ 11 バッグ本体 110 中心線 12 シール部 13 仕切り部 131 端部(ランド部) 132 上部湾曲部 14A、14B 空間 141 連通部 15 排出口 17 連結部材 170 短チューブ 171 筒体 172 中実柱状部 173 破断部 174 上端部 175 溝 18、19 チューブ 20 ハブ 21 採血針 22 キャップ 24 連結部材 25 チューブ 26 分岐コネクタ 261 分岐管 27 連結部材 30 赤血球バッグ 31 バッグ本体 32 シール部 33 赤血球収納部 34 排出口 40 血漿バッグ 41 バッグ本体 42 シール部 43 血漿収納部 44 排出口 50 採血バッグ 51 バッグ本体 52 シール部 53、54 仕切り部 531、541 端部 55A、55B、55C 空間 57、59、61 連結部材 62、63 チューブ 64 分岐コネクタ 70 採血バッグ 71 バッグ本体 72 シール部 73、74 仕切り部 731、741 端部 75A、75B、75C 空間 76 分岐コネクタ 77、79、81 連結部材 82、83 チューブ 84 分岐コネクタ W、X、Y、Z 仕切り部端部の位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 進 静岡県富士宮市三園平818番地 テルモ 株式会社内 (72)発明者 伊元 啓記 静岡県富士宮市三園平818番地 テルモ 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−256465(JP,A) 特開 平3−112562(JP,A) 特開 昭55−141247(JP,A) 実開 昭60−83622(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/02 520

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 袋状のバッグ本体を有し、導入された体
    液を当該バッグ本体内で複数の成分に分離するととも
    に、分離された成分を異なる箇所から排出し得る体液バ
    ッグであって、 前記バッグ本体に体液を導入するチューブと、 前記バッグ本体の一端部から延び、前記バッグ本体の内
    部を少なくとも2つの空間に仕切る帯状の仕切り部と、 前記バッグ本体の一端部に前記仕切り部を間にして接続
    された第1のチューブおよび第2のチューブを有し、 前記仕切り部により仕切られた各空間は、仕切り部の他
    方の端部付近において互いに連通しており、 前記仕切り部の他方の端部は湾曲形状をなしており、そ
    の曲率半径をR、仕切り部の幅をHとしたとき、0.7
    5H≦Rなる関係を満足し、 前記第1のチューブは、液流通時に前記仕切り部により
    仕切られた1つの空間に連通し、前記第2のチューブ
    は、液流通時に前記仕切り部により仕切られた他の空間
    に連通し、 前記分離された成分のうちの1つの成分を前記第1のチ
    ューブから排出し、他の1つの成分を前記第2のチュー
    ブから排出することを特徴とする体液バッグ。
  2. 【請求項2】 前記仕切り部により仕切られた空間のう
    ちの少なくとも1つは、帯状をなしており、該帯状の空
    間の幅の最小値が7〜13mmである請求項1に記載の体
    液バッグ。
  3. 【請求項3】 前記仕切り部により仕切られた空間のう
    ちの少なくとも1つは、帯状をなしており、前記バッグ
    本体の中心線と、前記帯状の空間の前記仕切り部と反対
    側の端部との距離をfとしたとき、前記帯状の空間の幅
    の最小値aが、0.05≦a/f≦0.30なる関係を
    満足する請求項1または2に記載の体液バッグ。
  4. 【請求項4】 前記仕切り部の他方の端部付近におい
    て、前記帯状の空間の幅が仕切り部の端部に向けて漸増
    しており、前記帯状の空間の幅の最小値をa、前記仕切
    り部の他方の端部付近における前記帯状の空間の幅をb
    としたとき、1.25≦b/a≦2なる関係を満足する
    請求項2または3に記載の体液バッグ。
  5. 【請求項5】 前記仕切り部の幅Hが、1〜15mmであ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の体液バッグ。
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