JP3264699B2 - フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法 - Google Patents

フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法

Info

Publication number
JP3264699B2
JP3264699B2 JP20306492A JP20306492A JP3264699B2 JP 3264699 B2 JP3264699 B2 JP 3264699B2 JP 20306492 A JP20306492 A JP 20306492A JP 20306492 A JP20306492 A JP 20306492A JP 3264699 B2 JP3264699 B2 JP 3264699B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
pressure
blood
filter medium
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20306492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0623039A (ja
Inventor
愛己 高木
正英 村越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP20306492A priority Critical patent/JP3264699B2/ja
Publication of JPH0623039A publication Critical patent/JPH0623039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3264699B2 publication Critical patent/JP3264699B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルターを用いて濾
過された血液またはその成分を濾過し、その濾過された
血液またはその成分を貯留バッグに採取することを特徴
とするフィルターを用いる血液またはその成分の濾過方
法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】血液などの液体を最初にフィルターへ充
填させる方法としては、フィルターのハウジングに、外
部と連通する疎水性フィルターを接続し、このフィルタ
ーから空気を逃がしながら液を充填するものと、充填す
る際にフィルターの流出口が上方へ向くようにフィルタ
ーの姿勢を変更し、該流出口から空気を逃がしつつ液体
を充填するものとが挙げられる。
【0004】このような従来の方法によると、フィルタ
ーを構成する濾材内の空隙に液体が浸透するまでに時間
がかかり、作業能率が悪いといった欠点があった。
【0005】一方、疎水性フィルターを接続しているフ
ィルターの場合には、上流側から濾材へ送り込まれる液
体の圧力が大き過ぎると、液体が前記疎水性フィルター
からハウジング外へ流出したり、濾材の下流側の吸引力
が大き過ぎると、前記疎水性フィルターから空気が流入
してしまうなどの欠点があるため、濾材に対する圧力の
変動が少ない場合にしか使用できず、用途が限られてい
た。
【0006】また上述のように、液体を充填する際に、
フィルターの姿勢を変更する方法では、取り扱いが面倒
で手間がかかるといった問題がある。またフィルターが
大型なものである場合、もしくはかなりの重量を有する
場合はこのようにフィルターの姿勢を変更するのは容易
でない。
【0007】さらに、血漿浄化装置などに組み込んで使
用するには、フィルターの姿勢を変更することなく血漿
の充填が機構的手段により確実かつ迅速にできることが
好ましい。
【0008】また、上記のような従来の充填方法では、
フィルターに液体が均一に浸透しない場合があり、液体
がフィルターの全ての部分を均一に透過しないといった
問題もあった。このため、例えば濾材の一部のみを液体
が通過して、その部分でのみ濾過作用が発揮されるな
ど、濾材を全体的に有効に利用することができない場合
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルターに対して、その濾材に血液またはその成分を迅速
かつ確実に浸透させるとともに、フィルターの効果を有
効に発揮させ得るフィルターを用いる血液またはその成
分の濾過方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0011】(1) 上流側に、予め血液またはその成
分が収納されたバッグとそれに接続されたチューブとに
よって構成される給液ラインを接続してなるフィルター
と、該フィルターの流出口に接続され、ポンプに直接ま
たは間接的に接続されるチューブとを有する回路を用い
る血液またはその成分の濾過方法であって、前記給液ラ
インを一時的に閉鎖した後、前記ポンプを駆動して、前
記フィルター内を減圧し、その後、前記給液ラインの閉
鎖を解除し、外気圧とフィルター内圧との圧力差によ
り、前記バッグ内の血液またはその成分を前記フィルタ
ーへ充填して濾過し、濾過された血液またはその成分を
貯留バッグに採取することを特徴とするフィルターを用
いる血液またはその成分の濾過方法。
【0012】(2) 前記フィルターは、濾材と、該濾
材を収納し変形可能なハウジングとを有し、前記ハウジ
ングを外側の圧力と内圧との差によって変形させ、前記
ハウジングの変形にともなって前記濾材の体積を縮小さ
せ、前記給液ラインの閉鎖の開放によって濾材の体積を
復元させる上記(1)に記載のフィルターを用いる血液
またはその成分の濾過方法。
【0013】(3) 前記ハウジングは外側の圧力と内
圧との差に応じて復元力を維持したまま変形し、前記給
液ラインの閉鎖の開放後は前記復元力によってフィルタ
ー内の圧力を負圧とする上記(1)または(2)に記載
のフィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法。
【0014】(4) 前記濾材は袋状に構成され、該濾
材の内側には内部に血液またはその成分の流入空間を有
するスぺーサーが設けられている上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のフィルターを用いる血液また
はその成分の濾過方法。
【0015】(5) 前記ポンプはローラーポンプであ
る上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のフィルタ
ーを用いる血液またはその成分の濾過方法。
【0016】
【0017】
【作用】フィルター内の気体をポンプによって排出する
ことによって、フィルター内圧が、フィルターの外側の
気圧と比較して負圧となる。このとき、フィルター内の
濾材に形成されている空隙内の気圧も低下する。
【0018】供給ラインの閉塞を開放すると、フィルタ
ーの外側の気圧とフィルター内圧との圧力差によって、
毛細管現象による浸透速度以上の速度で液体が濾材に浸
透する。
【0019】ここで、空隙とは、例えば濾材が繊維状の
ものである場合には、濾材を構成する繊維単体の間隙で
あり、多孔質材である場合には孔を意味するものであ
る。
【0020】前記フィルターのハウジングが、外気圧と
内圧の圧力差に応じて変形するものである場合であっ
て、濾材がハウジングの変形によって押し潰され、体積
が縮小するものにあっては、前記空隙内の気圧が低下す
るとともに、空隙自体の体積も縮小する。そして、供給
ラインの閉塞開放時には、空隙内の負圧と、空隙自体の
体積の膨張(体積の復元)によって濾材に液体が確実に
浸透し、充填量も増す。
【0021】
【実施例】以下、本発明のフィルターを用いる血液また
はその成分の濾過方法の好適実施例について、添付図面
に基づいて詳説する。図1は、本発明のフィルターを用
いる血液またはその成分の濾過方法を適用した血漿浄化
システム1の回路図である。
【0022】この血漿浄化システム1は、血漿バッグ
2、フィルター3、ポンプP1 、チャンバ4、透析器
5、ポンプP2 、貯留バッグ6、プライミング液収納バ
ック7および圧力計8とを有している。
【0023】血漿バッグ2には、患者から採取した血液
から分離された血漿成分が収納されている。この血漿バ
ック2内には、予め血漿蛋白質分画分離剤としての凝集
剤が入れられており、血漿バッグ2内へ導入された血漿
は、前記凝集剤の作用により、該血漿バッグ2内で高分
子量蛋白質成分を凝集させている。血漿バッグ2の流出
口は、接続チューブ91を介してフィルター3の流入口
31に接続されている。この血漿バッグ2と接続チュー
ブ91とでフィルター3への給液ラインが構成される。
【0024】フィルター3は、前記凝集物を除去するた
めのものである。このフィルター3は、図2に示されて
いるように、ハウジング30に流入口31と流出口32
とを有し、ハウジング30内には袋状に形成されたシー
ト状の濾材33が収納されている。この濾材33には、
前記ハウジング30に設けられている流入口31に連通
する開口部331が形成されている。
【0025】ハウジング30の構成材料は、柔軟な材料
によって構成されており、例えばポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリエチレンビニル、ポリエチレンビニルア
セテート(EVA)などの材質が挙げられるが、内部が
視覚で確認できる材料、例えば半透明または透明なもの
であることが望ましい。
【0026】ハウジング30の形状は、全体で矩形の帯
状であって、流入口31と流出口32とは、ハウジング
30の対角線上の位置またはその近傍位置に配置されて
いることが望ましい。濾材の濾過能力を均一に発揮させ
ることができるからである。液体としてフィルター3の
流入口31から流入した血漿は、開口部331を通過し
て袋状の濾材33の内側に流入し、濾材33を透過し
て、ハウジング30の内面と濾材33の外側面の間に形
成された空間34に達し、流出口32から流出する。
【0027】前記袋状に形成されている本実施例におけ
る濾材は、例えば繊維の集合体をシート状に形成したも
のが好適に使用される。前記繊維体としては、例えばナ
イロン、ポリプロピレンやポリエステルのような合成繊
維を編成して構成され、例えば合成繊維を均一に積み重
ねた不織布や織布、編布などでよい。繊維としては、一
本または複数本の長い繊維よりなるもの、または多数の
短繊維をからませたもの等いかなる形態でもよく、ま
た、繊維径は、好ましくは0.1〜20μm 程度、より
好ましくは1〜5μm 程度である。また濾材33の嵩密
度は、好ましくは0.1〜1g/cm3 、より好ましくは
0.3〜0.6g/cm3 であり、このような嵩密度とする
ために繊維の形状は、直線的なものでもバルキー化され
たものでもよい。
【0028】濾材33としてはこの他、ポリウレタン、
ポリプロピレン、ポリエチレンなどの多孔質材が挙げら
れ、濾別する物質の大きさや物理量などによって使用さ
れる濾材は異なる。
【0029】前記袋状に形成された濾材33の外側およ
び内側面には、スぺーサー35a,35bが重ねられて
いる。このスぺーサー35a,35bは、例えば織布、
不織布、メッシュなどのように、通気性および通液性が
良好な材質で構成される。このスぺーサー35a,35
bは、後述するように、ハウジング30内の圧力を下げ
て、ハウジング30の内壁や、濾材33を密着させた
後、血漿を流入させる際に、濾材33同士や、濾材33
とハウジング30の内壁との密着が容易に離れるように
するためのものである。
【0030】このような効果を発揮させるためには、ス
ぺーサー35a,35bは、前記濾材33よりも目の粗
い繊維体であることが好ましい。このようにすれば、ス
ぺーサー35a,35bの繊維の間に、血漿が流入する
ための十分な流入空間が確保され、前記効果が有効に発
揮される。
【0031】スぺーサーを不織布とした場合には、その
厚さは20〜1000μm 程度、目付は10〜25程度
のものが好ましい。
【0032】前記フィルター3の流出口32には、接続
チューブ92を介してポンプP1の吸入口が接続されて
いる。このポンプP1 によって、血漿は血漿バッグ2か
ら導出され、フィルター3内へ導かれる。
【0033】前記ポンプP1 の吐出口側には、接続チュ
ーブ93を介してチャンバ4の流入口が接続されてい
る。このチャンバ4内において、液をフィルター3に充
填した際に、接続チューブ内などに残留していた空気な
どの気体が、血漿と分離される。チャンバ4の流出口に
は透析器5の血漿導入口が接続チューブ94を介して接
続されている。
【0034】透析器5は、濾過済血漿中に溶存する過剰
の凝集剤を除去するものである。透析器5には、貯留槽
11から透析液がポンプP3 を介して、例えば400〜
600ml/min 程度の流量で送液されるとともに、貯留
槽12に排出される。
【0035】透析器5の血漿液導出口は、接続チューブ
95を介してポンプP2 の吸入口に接続され、ポンプP
2 の吐出口は貯留バッグ6に接続されている。
【0036】ここで、ポンプP1 、P2 としては、例え
ばローラーポンプ、遠心型ポンプなどが挙げられるが、
ローラーポンプが好ましい。
【0037】接続チューブ96には、接続チューブ97
を介してプライミング液が収納されているプライミング
液収納バック7が接続されている。また、接続チューブ
93には、排出チューブ98と、圧力計8が接続されて
いる。この圧力計8は、透析器5内の圧力を測定するも
のである。
【0038】前記各接続チューブ91、96、97、9
8を構成する材質は柔軟性のある材質で、外側から押し
潰して容易に閉塞できるものが好ましく、例えば、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリエステルエ
ラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体
等の熱可塑性エラストマーやシリコーン等が挙げられる
が、その中でも特にポリ塩化ビニルやシリコーンが好ま
しい。各チューブがポリ塩化ビニル製であれば、十分な
可撓性、柔軟性が得られるので取扱が容易で、またクレ
ンメ等による閉塞に適し、しかも各バッグや透析器5な
どとの接合性が良好となるからである。また他の接続チ
ューブについても同様の材質によって構成することがで
きる。
【0039】以上の構成において、血漿浄化システム1
の作用を説明すると、接続チューブ91を、閉塞器具で
あるクレンメ13で外側から押しつけて閉塞し、ポンプ
1を駆動させる。この時排出チューブ98は開放して
おく。同時に、接続チューブ96の貯留バッグ側をクレ
ンメ16で閉塞し、ポンプP2 によってプライミング液
収納バック7からプライミング液が透析器5へ送られ
る。
【0040】プライミングによって排出される透析器5
内の空気やプライミング液の廃液、および前記ポンプP
1 によって排出されたフィルター3内の空気は、共に前
記開放されている排出チューブ98から排出される。
【0041】前記ポンプP1 によるフィルター3内の空
気の強制的な吸引排出によって、フィルター3のハウジ
ング30は、図3に示されているように、濾材33を両
側から圧縮して挟むように密着するとともに、濾材33
内に形成されている空隙内の気圧も低下し、外気圧に対
して負圧となる。さらに、濾材33は、ハウジング30
によって圧縮されて、前記空隙は縮小し、濾材自体の体
積が縮小する方向に変形する。
【0042】ハウジング30内の気圧は、50〜−60
0mmHg程度、さらには−250〜−350mmHg程度とな
るまで排気するのが好ましい。透析器5のプライミング
が完了したところで、クレンメ15で排出チューブ98
を、ローラポンプP1 ,P2を止めることにより接続チ
ューブ92をそれぞれ閉塞し、クレンメ13を外して、
接続チューブ91の閉塞を解除する。
【0043】接続チューブ91の閉塞の解除により、外
気圧とフィルター内圧力の圧力差、さらには重力落差の
作用によって、血漿バッグ2内の血漿がフィルター3内
へ流入する。この時、血漿が流入する速度は従来の落差
によってフィルター内へ血漿を導入する場合に比較して
格段に速くなる。また、濾材33内の空隙にも迅速に血
漿が浸透するとともに、負圧によって強制的に血漿が吸
い込まれるので、濾材33の全体にむらなく血漿を浸透
させることができる。このとき、スぺーサー35a,3
5bの効果によって、血漿の浸透はより迅速にかつ均一
となり、フィルター3内の隅々まで血漿が容易に行き渡
る。
【0044】さらに、フィルター3の濾材33が圧縮変
形されていた状態から、元の状態に膨張して復元するた
め、その膨張した体積量と同じ量の血漿もフィルター3
内へ流入する。
【0045】すなわち、最初にフィルター3内に流入す
る血漿は、濾材33の空隙内の気圧が低いことによる
吸引作用と、その空隙自体が濾材33の膨張によって
大きくなる(元の大きさに戻る)ことによる吸引作用に
よって、毛細管現象による浸透よりも迅速に、かつ濾材
33の隅々まで確実に浸透する。
【0046】血漿がフィルター3内へ導入されると共
に、フィルター3の内圧は上昇していく。ある値まで上
昇した時点で圧力の上昇は平衡に達し、その時点でクレ
ンメ14を取り外し、接続チューブ96の貯留バッグ側
を閉塞したいたクレンメ16を取り外し、接続チューブ
97をクレンメ17で閉塞する。ポンプP1 が停止して
いれば、チューブ92とチューブ93の間は閉塞されて
いるので、クレンメ14は用いなくてもよい。
【0047】ポンプP1 を駆動させると、血漿バッグ2
内の血漿は、フィルター3へ導入され、ここで濾過され
た血漿は、チャンバ4へ送られる。チャンバ4内では、
例えば接続チューブ93内などに残留していた空気など
が、血漿から分離される。
【0048】なお、本発明では、フィルター3内の空気
は、ほとんどが排出チューブ98を介して既に排出され
ているため、チャンバ4で分離される空気の量は極めて
少ない。このため、チャンバ4の容積は小さく設定する
ことが可能で、装置全体の小型化に寄与することができ
る。
【0049】チャンバ4から透析器5へは、ポンプP1
の吐出力によって血漿が流入する。透析器5では濾過済
血漿中に溶存する過剰の凝集剤が除去される。透析器5
を通過した血漿は、ポンプP2 によって、貯留バッグ6
へ送り込まれる。
【0050】このような構成の血漿浄化システム1で
は、フィルター3からの排気用のポンプを別途設けるこ
となく、送液用のポンプと兼用するため、回路構成の複
雑化を生じず、プライミング量の増大もない。
【0051】以上のように、構成された血漿浄化システ
ム1は、血漿バッグ2から貯留バッグ6へ血漿を送る構
成となっているが、給液ラインは、血漿バッグ2と接続
チューブ91とによって構成されるものに限られない。
【0052】フィルター3内の空気を排出する構造とし
て、フィルター3の流出口32側に接続されたポンプに
より、排気を行うもののほか、流入口31側にポンプP
4 を接続して、該ポンプP4 により排気を行う構造とし
てもよい。また電磁クランプ等の制御により、クランプ
操作を行ってもよい。
【0053】図4、図5は前記他の構造を示すものであ
る。これらの構造では、血漿バッグ2とフィルター3を
接続する接続チューブ91に、排気チューブ99を接続
したものである。図4の構造では、排気チューブ99に
排気用のポンプP4 が接続されている。フィルター3内
の排気を行う場合には、接続チューブ91の血漿バッグ
2側をクレンメ13で閉塞し、ポンプP4 を駆動させ
る。
【0054】フィルター3内を十分負圧としたところ
で、ポンプP4 を止めて排気チューブ99を閉塞し、ク
レンメ13を取り除く。これにより、血漿はフィルター
3内へ流入する。この構造では、ポンプP4 は排気にの
み用いられ、血漿などの送血ポンプとしては機能しな
い。従って、ローラーポンプや遠心型ポンプなどよう
に、血漿や血液などの送液を考慮する必要がないので、
吸引力の強力なポンプを使用することができ、フィルタ
ー3内の減圧速度をさらに大きくしたり、減圧値をさら
に低く設定することができ、本発明の効果をより有効、
確実に発揮させることが可能となる。
【0055】図5に示されている構造では、接続チュー
ブ91の血漿バッグ2側をクレンメ13で閉塞した後、
ローラーポンプP4 を駆動させて、排気チューブ99か
らフィルター3内の排気を行う。フィルター3内を十分
減圧したところで、ローラーポンプP4 から接続チュー
ブ91を取り外して、排気チューブ99をクレンメ18
で閉塞し、クレンメ13を取り除く。これにより、血漿
はフィルター3内へ流入する。ローラーポンプP4 から
接続チューブ91を取り外さない場合には、該ローラー
ポンプにより血漿の流入量を制御することができ、また
濾過に際して加圧が必要となる場合、加圧濾過を行うこ
とができるといった利点がある。
【0056】既述のフィルター3のハウジング30は、
柔軟な材料でなく、容易に変形しない硬質な材料で構成
されていてもよい。
【0057】さらに、ハウジング30の構成材料とし
て、ハウジング30が変形した後、十分な復元力を有す
るような、弾性材料を用いることもできる。ハウジング
30が復元する力によって、ハウジング30内を負圧と
し、フィルター3内に血漿を吸引する。この場合には、
濾材33の全体に迅速かつ確実に血漿を浸透させること
ができる。このような弾性材料としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
スチレンなどが挙げられる。
【0058】以上説明した本発明の方法によれば、フィ
ルター3に血漿を充填する際に、フィルター3を逆さに
するなどの操作が不要となり、フィルター3を単独で動
かす必要がないため、上記血漿浄化システム1の各構成
を一体化した浄化装置内に一体として組み込むことが可
能となる。また、浸透速度の遅いポアーサイズの小さい
濾材を使用したフィルターに対して、本発明の方法を用
いることは、特に効果的である。
【0059】上記説明において、液体とは、血液または
血液成分、あるいはその濃厚液、分画液等を含む概念で
ある。
【0060】なお、本発明の方法については、上記血漿
浄化システム1に限らず、血液またはその成分の濾過に
使用するフィルターであれば、他の種類のフィルター、
例えば血液フィルターを用いた回路でもよく、またフィ
ルター単独で使用する場合にも利用することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の濾過方法
によれば、フィルターを構成する濾材に血液またはその
成分を迅速かつ確実に浸透させることができる。さら
に、フィルター内の濾材を負圧によるハウジングの収縮
によって縮小させ、給液ラインの開放によって膨張して
復元するようにした場合には、十分な液体の充填量が確
保され、濾材の隅々まで液体を浸透させることができ
る。また、スぺーサーを設けた場合には、濾材への液体
の流入が、さらに迅速かつ確実となる。
【0062】一方、排気ポンプとしてローラーポンプを
用いた場合には、送液ポンプおよび閉塞手段(クレン
メ)と兼用することができ、排気用の特別な構造を必要
としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する血漿浄化システムの全体回路
図である。
【図2】フィルターの通常の状態を示す断面側面図であ
る。
【図3】内圧が負圧となったフィルターの状態を示す部
分断面側面図である。
【図4】フィルターの給液ラインの他の実施例を示す部
分回路図である。
【図5】フィルターの給液ラインの他の実施例を示す部
分回路図である。
【符号の説明】
1 血漿浄化システム 2 血漿バッグ 3 フィルター 30 ハウジング 31 流入口 32 流出口 33 濾材 331 開口部 34 空間 35a,b スぺーサー 4 チャンバ 5 透析器 6 貯留バッグ 7 プライミング液収納バッグ 8 圧力計 91〜99 チューブ 11、12 貯留槽 13〜18 クレンメ P 〜P4 ポンプ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/02 - 1/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側に、予め血液またはその成分が収
    納されたバッグとそれに接続されたチューブとによって
    構成される給液ラインを接続してなるフィルターと、 該フィルターの流出口に接続され、ポンプに直接または
    間接的に接続されるチューブとを有する回路を用いる血
    液またはその成分の濾過方法であって、 前記給液ラインを一時的に閉鎖した後、 前記ポンプを駆動して、前記フィルター内を減圧し、 その後、前記給液ラインの閉鎖を解除し、外気圧とフィ
    ルター内圧との圧力差により、前記バッグ内の血液また
    はその成分を前記フィルターへ充填して濾過し、 濾過された血液またはその成分を貯留バッグに採取する
    ことを特徴とするフィルターを用いる血液またはその成
    分の濾過方法。
  2. 【請求項2】 前記フィルターは、濾材と、該濾材を収
    納し変形可能なハウジングとを有し、 前記ハウジングを外側の圧力と内圧との差によって変形
    させ、 前記ハウジングの変形にともなって前記濾材の体積を縮
    小させ、前記給液ラインの閉鎖の開放によって濾材の体
    積を復元させる請求項1に記載のフィルターを用いる血
    液またはその成分の濾過方法。
  3. 【請求項3】 前記ハウジングは外側の圧力と内圧との
    差に応じて復元力を維持したまま変形し、 前記給液ラインの閉鎖の開放後は前記復元力によってフ
    ィルター内の圧力を負圧とする請求項1または2に記載
    のフィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法。
  4. 【請求項4】 前記濾材は袋状に構成され、該濾材の内
    側には内部に血液またはその成分の流入空間を有するス
    ぺーサーが設けられている請求項1ないし3のいずれか
    に記載のフィルターを用いる血液またはその成分の濾過
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ポンプはローラーポンプである請求
    項1ないし4のいずれかに記載のフィルターを用いる血
    液またはその成分の濾過方法。
JP20306492A 1992-07-07 1992-07-07 フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法 Expired - Fee Related JP3264699B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20306492A JP3264699B2 (ja) 1992-07-07 1992-07-07 フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20306492A JP3264699B2 (ja) 1992-07-07 1992-07-07 フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0623039A JPH0623039A (ja) 1994-02-01
JP3264699B2 true JP3264699B2 (ja) 2002-03-11

Family

ID=16467744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20306492A Expired - Fee Related JP3264699B2 (ja) 1992-07-07 1992-07-07 フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3264699B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2556860C (en) * 2004-02-24 2008-11-18 Alcan International Limited Method of priming filter for molten metal
JP2012120457A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Kaneka Corp プライミング装置機能付き細胞分離装置およびそれを用いたプライミング法。

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0623039A (ja) 1994-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU696270B2 (en) A filtration device usable for removal of leukocytes and other blood components
US4828543A (en) Extracorporeal circulation apparatus
US5411472A (en) Low trauma blood recovery system
EP0858347B1 (en) Container with integral pump platen
JP3758853B2 (ja) 白血球除去器
JPS58209358A (ja) 血液を捕集および再注入する装置
AU6182298A (en) In-line gravity driven liquid filtration device useable to filter blood or blood products
JPH0362111B2 (ja)
JPH11506623A (ja) 静脈輸注ライン空気排出システム
JP5680675B2 (ja) 血液処理フィルター、及び血液処理フィルターのプライミング方法
JPH09108341A (ja) 血液フィルタ及び体外回路
JP4092048B2 (ja) 血液収集装置
EP0432897B1 (en) Blood pumping and processing system
JPH09248335A (ja) 屈曲可能なフィルタリングパウチ
JP3264699B2 (ja) フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法
JP2018518241A5 (ja)
JP3242461B2 (ja) フィルター内の残留液回収方法
JP3242470B2 (ja) フィルター内の残留液回収方法
JP4303392B2 (ja) 血液成分分離方法
JP2000084072A (ja) 人工心肺回路用気泡除去器および気泡除去器を備えた人工心肺回路装置
JP2007319542A (ja) 血球製剤処理装置および血球製剤処理回路
JP3242993B2 (ja) 液体用濾過器
JP3270193B2 (ja) 濾過装置
JPH06327769A (ja) 血漿処理装置
JPH0513456U (ja) 人工肺回路

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees