JP3263818B2 - 乾式バレル研磨法及び粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディア - Google Patents
乾式バレル研磨法及び粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディアInfo
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、水及びコンパウンドに
代えて植物性繊維質と、油脂質潤滑剤又はこれらに微粉
末砥材を併用添加した乾式メディアにより工作物を粗研
磨乃至中研磨することを目的とした乾式バレル研磨法及
び乾式メディアに関する。
代えて植物性繊維質と、油脂質潤滑剤又はこれらに微粉
末砥材を併用添加した乾式メディアにより工作物を粗研
磨乃至中研磨することを目的とした乾式バレル研磨法及
び乾式メディアに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来各種工作物の表面仕上を行うために
有効な手段の一つとして、工作物と共に研磨材及び水、
コンパウンド（以下マスと称する）を装入した研磨槽に
回転、遊星旋回、揺動又は振動等の運動を与えて工作物
と研磨材との間に生じる相対運動によって工作物の研磨
を行うバレル研磨法が知られていた。例えば回転式、遊
星旋回式、揺動式、振動式、レンプロ式及びジャイロ式
など各種のバレル研磨法が開発され実用となっている。
有効な手段の一つとして、工作物と共に研磨材及び水、
コンパウンド（以下マスと称する）を装入した研磨槽に
回転、遊星旋回、揺動又は振動等の運動を与えて工作物
と研磨材との間に生じる相対運動によって工作物の研磨
を行うバレル研磨法が知られていた。例えば回転式、遊
星旋回式、揺動式、振動式、レンプロ式及びジャイロ式
など各種のバレル研磨法が開発され実用となっている。
【０００３】また研磨槽内に、無機質の研磨石と植物性
繊維質とからなる混合メディアと工作物とを装入し、工
作物と混合メディアとの間に相対運動を生じさせて工作
物の研磨を行うことを特徴とする乾式バレル研磨法が知
られていた（特開昭６０−４８２５１号）。
繊維質とからなる混合メディアと工作物とを装入し、工
作物と混合メディアとの間に相対運動を生じさせて工作
物の研磨を行うことを特徴とする乾式バレル研磨法が知
られていた（特開昭６０−４８２５１号）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のバレル研磨
法中前者は、マス・フィニッシングと呼ばれ、その加工
効率の高いことで著しい発展をみているが工作物の研磨
後のバレル排水は環境保全の社会的要請に伴い、その処
理は厳しい管理制約をうけている現状である。
法中前者は、マス・フィニッシングと呼ばれ、その加工
効率の高いことで著しい発展をみているが工作物の研磨
後のバレル排水は環境保全の社会的要請に伴い、その処
理は厳しい管理制約をうけている現状である。
【０００５】従ってバレル研磨に於いて乾式研磨は最も
理想的だが、研磨石のみを使用する乾式研磨は後述する
ような問題点があって実施することは困難であった。
理想的だが、研磨石のみを使用する乾式研磨は後述する
ような問題点があって実施することは困難であった。
【０００６】即ち研磨石は緻密粒状の砥粒と磁器質又は
合成樹脂ボンドで極めて強固に焼結し、特定の形状と寸
法及び組織に安定した摩耗僅少、研削力甚大なものであ
る。またコンパウンドは水と共存することにより潤滑作
用、洗浄作用、発泡作用、防錆作用などの諸特性を具備
して研磨石と工作物の表面を常に清浄に維持して安定し
た研磨力を発揮させるものである。従って水とコンパウ
ンドを共存しない研磨石単独による乾式研磨に於いては
研磨石は激しい研磨石同志の流動摩擦により生ずる摩耗
粉によって汚染し、砥粒は目塞りして研磨力は激減し到
底安定した研磨力を発揮することはできない。また同時
に工作物も汚染して粗面化し、後工程の光沢仕上に支障
を来たし、且つマス温度の上昇と騒音の増大によっても
実用化は極めて困難であった。
合成樹脂ボンドで極めて強固に焼結し、特定の形状と寸
法及び組織に安定した摩耗僅少、研削力甚大なものであ
る。またコンパウンドは水と共存することにより潤滑作
用、洗浄作用、発泡作用、防錆作用などの諸特性を具備
して研磨石と工作物の表面を常に清浄に維持して安定し
た研磨力を発揮させるものである。従って水とコンパウ
ンドを共存しない研磨石単独による乾式研磨に於いては
研磨石は激しい研磨石同志の流動摩擦により生ずる摩耗
粉によって汚染し、砥粒は目塞りして研磨力は激減し到
底安定した研磨力を発揮することはできない。また同時
に工作物も汚染して粗面化し、後工程の光沢仕上に支障
を来たし、且つマス温度の上昇と騒音の増大によっても
実用化は極めて困難であった。
【０００７】一方クルミ外殻、コーンコブなどの植物性
繊維質に油脂を媒剤として酸化アルミニウム、酸化クロ
ムなど微粉末研磨剤を被覆した所謂有機質メディアを使
用する乾式研磨は、非鉄金属、貴金属、プラスチック工
作物などの光沢研磨に賞用されているが、これらの粒度
は５〜６０メッシュと細粒であり、容積密度は約０．５
〜０．７ｋｇ／ｌと研磨石に比し著しく軽小であって、
バリ取り、スケール取り、Ｒ付などの粗仕上、引目取
り、目つぶしなどの中仕上は到底不可能であった。
繊維質に油脂を媒剤として酸化アルミニウム、酸化クロ
ムなど微粉末研磨剤を被覆した所謂有機質メディアを使
用する乾式研磨は、非鉄金属、貴金属、プラスチック工
作物などの光沢研磨に賞用されているが、これらの粒度
は５〜６０メッシュと細粒であり、容積密度は約０．５
〜０．７ｋｇ／ｌと研磨石に比し著しく軽小であって、
バリ取り、スケール取り、Ｒ付などの粗仕上、引目取
り、目つぶしなどの中仕上は到底不可能であった。
【０００８】又、本発明者らは、前記従来技術で説明し
たように粗研磨から光沢研磨まで一貫した乾式バレル研
磨法に関し種々考究した結果、研磨石と植物性繊維質の
組合せによる混合メディアを使用することにより効率的
な乾式バレル研磨法を開発した。
たように粗研磨から光沢研磨まで一貫した乾式バレル研
磨法に関し種々考究した結果、研磨石と植物性繊維質の
組合せによる混合メディアを使用することにより効率的
な乾式バレル研磨法を開発した。
【０００９】即ち研磨石に適当粒度の植物性繊維質の適
当量を混合したマスに運動を与えた場合、植物性繊維質
が研磨石の間に適度に分散介在することにより研磨石同
士の流動摩擦による激しい研磨を抑制し、植物性繊維質
は含油性多孔質の故に、摩耗粉及び工作物の切削微粉を
優先的に吸着して研磨石の目塞りと工作物の汚染を抑制
し、比較的安定した研磨力を発揮できたのである。
当量を混合したマスに運動を与えた場合、植物性繊維質
が研磨石の間に適度に分散介在することにより研磨石同
士の流動摩擦による激しい研磨を抑制し、植物性繊維質
は含油性多孔質の故に、摩耗粉及び工作物の切削微粉を
優先的に吸着して研磨石の目塞りと工作物の汚染を抑制
し、比較的安定した研磨力を発揮できたのである。
【００１０】また比較的表面積の大きな小型軽量工作物
は、バレル機種によっては研磨石の流動層内に分散せず
浮上し、研磨力は低下し、打痕を発生するなど問題点が
あった。前記混合メディアに於いては、マスの容積密度
の低減により工作物の分散は良好となり改善された。ま
たマスの温度の上昇及び騒音を抑制する効果もある。更
に乾式バレル研磨に於いては、密閉型バレル槽の於ける
マス温度の上昇により蓄圧、コンパウンドの溢流による
装置の汚染もなく、槽の構造も通常の湿式研磨法に比較
し簡易となる利点もある。
は、バレル機種によっては研磨石の流動層内に分散せず
浮上し、研磨力は低下し、打痕を発生するなど問題点が
あった。前記混合メディアに於いては、マスの容積密度
の低減により工作物の分散は良好となり改善された。ま
たマスの温度の上昇及び騒音を抑制する効果もある。更
に乾式バレル研磨に於いては、密閉型バレル槽の於ける
マス温度の上昇により蓄圧、コンパウンドの溢流による
装置の汚染もなく、槽の構造も通常の湿式研磨法に比較
し簡易となる利点もある。
【００１１】然し乍ら、研磨石と植物性繊維質のみの混
合メディアでは潤滑性が悪く、大きな研磨量が得られ
ず、粗仕上用乾式メディアとして使用する事が出来ない
問題点があった。
合メディアでは潤滑性が悪く、大きな研磨量が得られ
ず、粗仕上用乾式メディアとして使用する事が出来ない
問題点があった。
【００１２】
【課題を解決するための手段】然るに本発明は、研磨石
又はプラスチックメディア及び植物性繊維質と油脂質潤
滑剤の混合物よりなる乾式メディアを使用して研磨した
ので、前記従来の湿式メディアを用いた場合の問題点を
解決すると共に、前記従来の乾式メディアを用いた場合
の問題点も解決して工作物の粗仕上げ及び中仕上げを行
うことができるようにしたのである。
又はプラスチックメディア及び植物性繊維質と油脂質潤
滑剤の混合物よりなる乾式メディアを使用して研磨した
ので、前記従来の湿式メディアを用いた場合の問題点を
解決すると共に、前記従来の乾式メディアを用いた場合
の問題点も解決して工作物の粗仕上げ及び中仕上げを行
うことができるようにしたのである。
【００１３】即ちこの発明は研磨槽内に、砥材を磁器質
ボンドで焼結した無機質の研磨石又はプラスチックメデ
ィアと油脂質潤滑剤で被覆した植物性繊維質との２種類
の混合物よりなる乾式メディアと、工作物とを装入し、
前記乾式メディアと、工作物との間に相対運動させて工
作物の粗仕上げ乃至中仕上げ用研磨を行うことを特徴と
する乾式バレル研磨法であり、研磨石と植物性繊維質の
混合比は夫々１：３乃至３：１（容量）とすることを特
徴としたものである。また植物性繊維質に微粉末砥材を
付着させ、これを油脂質潤滑剤で被覆することを特徴と
したものであり、乾式メディアに油脂質潤滑剤及び／又
は粉末砥材を追添加して研磨することを特徴としたもの
である。次に他の発明は、砥材を磁器質ボンドで焼結し
た無機質の研磨石又はプラスチックメディアと油脂質潤
滑剤で被覆した植物性繊維質との２種類のを混合物とし
たことを特徴とする粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディ
アである。
ボンドで焼結した無機質の研磨石又はプラスチックメデ
ィアと油脂質潤滑剤で被覆した植物性繊維質との２種類
の混合物よりなる乾式メディアと、工作物とを装入し、
前記乾式メディアと、工作物との間に相対運動させて工
作物の粗仕上げ乃至中仕上げ用研磨を行うことを特徴と
する乾式バレル研磨法であり、研磨石と植物性繊維質の
混合比は夫々１：３乃至３：１（容量）とすることを特
徴としたものである。また植物性繊維質に微粉末砥材を
付着させ、これを油脂質潤滑剤で被覆することを特徴と
したものであり、乾式メディアに油脂質潤滑剤及び／又
は粉末砥材を追添加して研磨することを特徴としたもの
である。次に他の発明は、砥材を磁器質ボンドで焼結し
た無機質の研磨石又はプラスチックメディアと油脂質潤
滑剤で被覆した植物性繊維質との２種類のを混合物とし
たことを特徴とする粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディ
アである。
【００１４】本発明の実施に使用するバレル研磨機とし
て回転式、遊星旋回式、揺動式、振動式、レシプロ式、
ジャイロ式及びこれらの組合せ装置のいずれも使用でき
るが、特に遊星旋回バレル研磨機、回転バレル研磨機、
振動バレル研磨機においては有効である。
て回転式、遊星旋回式、揺動式、振動式、レシプロ式、
ジャイロ式及びこれらの組合せ装置のいずれも使用でき
るが、特に遊星旋回バレル研磨機、回転バレル研磨機、
振動バレル研磨機においては有効である。
【００１５】研磨材の種類としては粗仕上用、中仕上
用、光沢仕上用のいずれの研磨石又はプラスチックメデ
ィアも使用可能であり、工作物の表面状態、研磨目的に
応じて選択される。
用、光沢仕上用のいずれの研磨石又はプラスチックメデ
ィアも使用可能であり、工作物の表面状態、研磨目的に
応じて選択される。
【００１６】前記に使用する植物性繊維質（以下ソフト
メディアと総称する）としてクルミ外殻、コーンコブ、
木チップ、コルク、布など植物性多孔質繊維質が使用で
き、耐摩耗性、弾力性の点から、クルミ外殻、コーンコ
ブなどが適当である。
メディアと総称する）としてクルミ外殻、コーンコブ、
木チップ、コルク、布など植物性多孔質繊維質が使用で
き、耐摩耗性、弾力性の点から、クルミ外殻、コーンコ
ブなどが適当である。
【００１７】また前記ソフトメディアを被覆する油脂質
潤滑剤としては牛脂、ラードその他任意の動植物油が利
用できるが、牛脂を基本として、牛脂の融点を調節する
ためカンデリラろう、カルナウバろう、ステアリン酸等
を適宜併用することが適当であり、その使用量はソフト
メディアの１〜５重量％を投入する。
潤滑剤としては牛脂、ラードその他任意の動植物油が利
用できるが、牛脂を基本として、牛脂の融点を調節する
ためカンデリラろう、カルナウバろう、ステアリン酸等
を適宜併用することが適当であり、その使用量はソフト
メディアの１〜５重量％を投入する。
【００１８】また、この潤滑剤に併用する研磨材として
は酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化硅素など
の微粉末砥材が適当であり、１５重量％以下を投入す
る。
は酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化硅素など
の微粉末砥材が適当であり、１５重量％以下を投入す
る。
【００１９】研磨石とソフトメディアの混合使用割合は
３：１乃至１：３の範囲が適当であり、この範囲を超え
て研磨石の割合が多いときは研磨力の安定維持は困難と
なり、工作物は粗面化して汚染し、ソフトメディアの割
合が多いときは研磨力が激減する。
３：１乃至１：３の範囲が適当であり、この範囲を超え
て研磨石の割合が多いときは研磨力の安定維持は困難と
なり、工作物は粗面化して汚染し、ソフトメディアの割
合が多いときは研磨力が激減する。
【００２０】本発明の対称となる工作物としては、例え
ば通常のバレル研磨では変形し易い注射針、ＩＣ端子な
ど極細線状鋼工作物、ブレスレット、ネックレス、指輪
台などの貴金属宝飾品、黄銅製水栓金具類、鋼製ベアリ
ング、各種アルミニウム合金、亜鉛合金ダイカスト部
品、ＦＲＰ部品、木製品、プラスチック部品、めがね
枠、歯科材料などがある。
ば通常のバレル研磨では変形し易い注射針、ＩＣ端子な
ど極細線状鋼工作物、ブレスレット、ネックレス、指輪
台などの貴金属宝飾品、黄銅製水栓金具類、鋼製ベアリ
ング、各種アルミニウム合金、亜鉛合金ダイカスト部
品、ＦＲＰ部品、木製品、プラスチック部品、めがね
枠、歯科材料などがある。
【００２１】混合メディアの研磨力は漸減するが、油脂
質潤滑剤又は潤滑剤と微粉末砥材を併用添加して長時間
の研磨を行うことができる。また混合メディアを篩別し
て、ソフトメディアのみを更新使用することもでき、更
には混合メディアを洗浄、乾燥処理して反覆使用するこ
ともできる。
質潤滑剤又は潤滑剤と微粉末砥材を併用添加して長時間
の研磨を行うことができる。また混合メディアを篩別し
て、ソフトメディアのみを更新使用することもでき、更
には混合メディアを洗浄、乾燥処理して反覆使用するこ
ともできる。
【００２２】以上の混合メディアによる乾式バレル研磨
により、粗仕上乃至中仕上を行った後、通常の有機質メ
ディアによる短時間の仕上を行う時は勝れた平滑性及び
光沢性を得ることができる。
により、粗仕上乃至中仕上を行った後、通常の有機質メ
ディアによる短時間の仕上を行う時は勝れた平滑性及び
光沢性を得ることができる。
【００２３】
【作用】本発明は無機質の研磨石又はプラスチックメデ
ィア及びソフトメディアと油脂質潤滑剤の混合物よりな
る乾式メディアを用いたので、潤滑性が良好となり研磨
量が大きくなり工作物の粗仕上げ及び中仕上げができ
る。
ィア及びソフトメディアと油脂質潤滑剤の混合物よりな
る乾式メディアを用いたので、潤滑性が良好となり研磨
量が大きくなり工作物の粗仕上げ及び中仕上げができ
る。
【００２４】次に本発明の実施例について説明する。
【００２５】
【実施例１】株式会社チップトン製各種バレル研磨機を
使用して、同社製各種研磨石とソフトメディアと潤滑剤
（ＷＡＸ）の混合物よりなる乾式メディアによる各種材
質の試験片の乾式研磨を行った。
使用して、同社製各種研磨石とソフトメディアと潤滑剤
（ＷＡＸ）の混合物よりなる乾式メディアによる各種材
質の試験片の乾式研磨を行った。
【００２６】前記に用いた研磨機は表１の通りである。
【００２７】
【表１】
【００２８】前記に用いた研磨石は表２の通りである。
【００２９】
【表２】
【００３０】また試験片は表３の通りである。
【００３１】前記表２中ＳＭＡ＃８はクルミ殻＃８（８
７％）にアルミナ＃４００（１０％）を潤滑剤（ＷＡ
Ｘ）（３％）で、被覆したものである。
７％）にアルミナ＃４００（１０％）を潤滑剤（ＷＡ
Ｘ）（３％）で、被覆したものである。
【００３２】
【表３】
【００３３】前記により実施した所、表４の結果を得
た。
た。
【００３４】
【表４】
【００３５】前記に対し、対照例（従来の乾式研磨法）
による結果は表５の通りである。
による結果は表５の通りである。
【００３６】
【表５】
【００３７】前記における測定器は、表６の通りであ
る。
る。
【００３８】
【表６】
【００３９】表４は、遊星旋回式ＨＳ−２０００、回転
式３ＦＨ−１５及び振動式ＣＱ−２０研磨機共、研磨
石、ソフトメディア及び潤滑剤を混合した乾式メディア
による乾式研磨では研磨石又は有機質メデイア単独によ
る場合より研磨量及びＲ（角のまるみ）は大きく、表面
アラサは緻密となり、研磨石、ソフトメディア、及び潤
滑剤、砥材種類の組合せによりバリ取り、引目取りＲ付
などの中仕上乃至粗仕上が可能となった。
式３ＦＨ−１５及び振動式ＣＱ−２０研磨機共、研磨
石、ソフトメディア及び潤滑剤を混合した乾式メディア
による乾式研磨では研磨石又は有機質メデイア単独によ
る場合より研磨量及びＲ（角のまるみ）は大きく、表面
アラサは緻密となり、研磨石、ソフトメディア、及び潤
滑剤、砥材種類の組合せによりバリ取り、引目取りＲ付
などの中仕上乃至粗仕上が可能となった。
【００４０】次に表５の対照例の中でＨＳ−２０００に
於ける３Ｐ研磨石単独ではマスの汚染が著しく長時間の
使用は到底不可能であった。ＡＴ、ＲＲＣ単独では研磨
石のの摩耗が大きくワークは粗面化した。
於ける３Ｐ研磨石単独ではマスの汚染が著しく長時間の
使用は到底不可能であった。ＡＴ、ＲＲＣ単独では研磨
石のの摩耗が大きくワークは粗面化した。
【００４１】３ＦＨ−１５及びＣＱ−２０研磨機に於け
る有機質メディアＳＭＡ＃８単独ではＲ、表面アラサ及
び光沢度で本発明の乾式メディアと比較して格差があっ
た。又、ＨＳ−２０００研磨機に於いて、研磨石（３Ｐ
＃８）とソフトメディア（クルミ＃８）を混合した潤滑
剤を含まない乾式メディアは本発明の乾式メディアと比
較して研磨量に格差があった。
る有機質メディアＳＭＡ＃８単独ではＲ、表面アラサ及
び光沢度で本発明の乾式メディアと比較して格差があっ
た。又、ＨＳ−２０００研磨機に於いて、研磨石（３Ｐ
＃８）とソフトメディア（クルミ＃８）を混合した潤滑
剤を含まない乾式メディアは本発明の乾式メディアと比
較して研磨量に格差があった。
【００４２】
【実施例２】光沢仕上用研磨石３Ｐ＃８と有機質メディ
アＳＭＡ＃８との各種混合割合に於ける乾式研磨を実施
例１と共通な条件で試験した結果は図１〜図４に示し
た。これより乾式メディアに於ける研磨石と、ソフトメ
ディアの適当な配合割合は約３：１乃至１：３の範囲と
知られる。
アＳＭＡ＃８との各種混合割合に於ける乾式研磨を実施
例１と共通な条件で試験した結果は図１〜図４に示し
た。これより乾式メディアに於ける研磨石と、ソフトメ
ディアの適当な配合割合は約３：１乃至１：３の範囲と
知られる。
【００４３】
【実施例３】研磨石３Ｐ＃６と、ＳＭＡ＃８の混合割合
を１：１とし、ＨＳ−２０００研磨機による２Ｈｒ研磨
後のＳＵＳワークのＲ＝０．２２ｍｍの８０％限界を保
持するように、逐次潤滑剤及びアルミナ砥粒を装入し、
２Ｈｒ毎にワークを更新して、５０Ｈｒの研磨を行っ
た。Ｒ及び研磨量の経時変化は図５に示した。ワークの
切削微粉、メディアの摩耗粉によりマスは次第に汚染す
るが、マスの汚れはほぼ選択的にソフトメディアに付着
し、研磨石の汚れは遥かに少い。従って研磨量の減少は
大きいがＲの減少は比較的緩やかで潤滑剤及び砥粒の添
加による回復はＲに対しより有効であった。
を１：１とし、ＨＳ−２０００研磨機による２Ｈｒ研磨
後のＳＵＳワークのＲ＝０．２２ｍｍの８０％限界を保
持するように、逐次潤滑剤及びアルミナ砥粒を装入し、
２Ｈｒ毎にワークを更新して、５０Ｈｒの研磨を行っ
た。Ｒ及び研磨量の経時変化は図５に示した。ワークの
切削微粉、メディアの摩耗粉によりマスは次第に汚染す
るが、マスの汚れはほぼ選択的にソフトメディアに付着
し、研磨石の汚れは遥かに少い。従って研磨量の減少は
大きいがＲの減少は比較的緩やかで潤滑剤及び砥粒の添
加による回復はＲに対しより有効であった。
【００４４】研磨時間３０Ｈｒ終了後篩別して、ソフト
メディアのみを更新した。研磨時間５０Ｈｒに於ける全
平均研磨量９１．５ｍｇ／２Ｈｒ、Ｒ０．２２〜０．１
８ｍｍ、表面アラサ０．７〜１．０μ、光沢度３６０〜
２００の範囲にあった。光沢仕上用有機質メディアＳＭ
Ｃ＃３０による前記研磨ずみワークの２０分研磨後のワ
ークは表面アラサ０．３μ、光沢度８８２で大変良い表
面アラサと光沢が得られた。
メディアのみを更新した。研磨時間５０Ｈｒに於ける全
平均研磨量９１．５ｍｇ／２Ｈｒ、Ｒ０．２２〜０．１
８ｍｍ、表面アラサ０．７〜１．０μ、光沢度３６０〜
２００の範囲にあった。光沢仕上用有機質メディアＳＭ
Ｃ＃３０による前記研磨ずみワークの２０分研磨後のワ
ークは表面アラサ０．３μ、光沢度８８２で大変良い表
面アラサと光沢が得られた。
【００４５】
【発明の効果】本発明によれば、研磨槽内に無機質の研
磨石又はプラスチックメディア及びソフトメディアと、
油脂質潤滑剤の混合物よりなる乾式メディアと工作物と
を装入し、通常の要領により研磨したので、研磨量が大
きくなり、工作物の粗仕上げ又は中仕上げを効率よくし
得る効果がある。また乾式メディアを使用するので、湿
式メディアによる問題点を悉く解決し、かつ従来の乾式
メディアの問題点も克服した優れた研磨法であり、これ
に使用する乾式メディアを得た効果がある。
磨石又はプラスチックメディア及びソフトメディアと、
油脂質潤滑剤の混合物よりなる乾式メディアと工作物と
を装入し、通常の要領により研磨したので、研磨量が大
きくなり、工作物の粗仕上げ又は中仕上げを効率よくし
得る効果がある。また乾式メディアを使用するので、湿
式メディアによる問題点を悉く解決し、かつ従来の乾式
メディアの問題点も克服した優れた研磨法であり、これ
に使用する乾式メディアを得た効果がある。
【図１】本発明における研磨量と乾式メディア中の研磨
石量のグラフ。
石量のグラフ。
【図２】同じくまるみ（Ｒ）と乾式メディア中の研磨石
量のグラフ。
量のグラフ。
【図３】同じく表面アラサと乾式メディア中の研磨石量
のグラフ。
のグラフ。
【図４】同じく光沢度と乾式メディア中の研磨石量のグ
ラフ。
ラフ。
【図５】同じくまるみ（Ｒ）と研磨時間のグラフ。
【図６】同じく研磨量と研磨時間のグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B24B 31/14 C09K 3/14
Claims (5)
- 【請求項１】 研磨槽内に、砥材を磁器質ボンドで焼結
した無機質の研磨石又はプラスチックメディアと油脂質
潤滑剤で被覆した植物性繊維質との２種類の混合物より
なる乾式メディアと、工作物とを装入し、前記乾式メデ
ィアと、工作物との間に相対運動させて工作物の粗仕上
げ乃至中仕上げ用研磨を行うことを特徴とする乾式バレ
ル研磨法。 - 【請求項２】 研磨石と植物性繊維質の混合比は夫々
１：３乃至３：１（容量）とすることを特徴とした請求
項１記載の乾式バレル研磨法。 - 【請求項３】 植物性繊維質に微粉末砥材を付着させ、
これを油脂質潤滑剤で被覆することを特徴とした請求項
１記載の乾式バレル研磨法。 - 【請求項４】 乾式メディアに油脂質潤滑剤及び／又は
粉末砥材を追添加して研磨することを特徴とした請求項
１記載の乾式バレル研磨法。 - 【請求項５】 砥材を磁器質ボンドで焼結した無機質の
研磨石又はプラスチックメディアと油脂質潤滑剤で被覆
した植物性繊維質の２種類の混合物としたことを特徴と
する粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディア。
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| JP33113791A JP3263818B2 (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 乾式バレル研磨法及び粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディア |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP33113791A JP3263818B2 (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 乾式バレル研磨法及び粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディア |
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ID=18240287
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| JP33113791A Expired - Fee Related JP3263818B2 (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 乾式バレル研磨法及び粗仕上げ乃至中仕上げ用乾式メディア |
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