JP2000328045A - 研磨剤組成物 - Google Patents

研磨剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 油脂、研磨砥粒、界面活性剤及び水を含
有する研磨剤組成物に潤滑剤を0.5〜10重量%配合
したことを特徴とする研磨剤組成物。 【効果】 本発明の研磨剤組成物は、金属バフ加工にお
いて、スクラッチ、エッチングの発生を防止して研磨を
行うことができ、経済的に銅、アルミニウム、亜鉛及び
これらの合金等の表面を速やかに研磨することができ、
研磨面の鏡面化を達成できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属バフ加工にお
いて、スクラッチ、エッチングの発生を防止して研磨を
行うことができる研磨剤組成物に関し、更に詳述する
と、経済的に有利に、銅、アルミニウム、亜鉛及びこれ
らの合金の表面を速やかに研磨することができ、研磨面
の鏡面化を達成できる研磨剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】金属や
樹脂あるいはセラミックス等の材料は、装飾材、機能材
料、電子材料、生活用品、医療機器・器具、スポーツ用
品など各種の分野で使用されている。これらの材料の表
面に対しては、機械的、化学的、電気的もしくはこれら
の複合化により平滑性の良い表面を得るための表面研磨
が行われている。
【0003】ここで、平滑性の良い表面とは、目視で観
察した場合、鏡面光沢でスクラッチなどがない状態であ
り、顕微鏡視においては加工突起物やエッチングがない
状態をいい、粗さのパラメータで表すと最大高さ(R
t)が0.1μm以下のことをいう。
【0004】現在行われている鏡面研磨工程において
は、金属バフ加工の前工程を施した後、工具となるバ
フ、例えばフェルトバフ、ネルバフ、スポンジバフ又は
羊毛バフ等を使用して研磨を行うものであるが、このバ
フ研磨は、研磨面に鏡面研磨剤を連続供給しながら行
う。例えば、アルミニウムホイールを研磨する場合、上
述したバフのいずれかを使用して、周速100〜150
0m/分程度の遅い速さで回転させ、これと同時にポン
プなどで鏡面研磨剤をバフや研磨面に供給することによ
って研磨が行われている。
【0005】ここで、研磨剤組成物に配合される砥粒
は、スクラッチが入らないように、3μm以下の粒子が
一般に使われている。即ち、鏡面加工は砥粒粒径を小さ
くする必要がある。
【0006】しかしながら、砥粒粒径を小さくすること
は、砥粒の製造コストを上げる上、研磨レート(研磨効
率)が低いという問題を抱えている。従って、金属バフ
加工面に用いる研磨剤材料のみならず、ハードディスク
や半導体の配線パターンなどの研磨方法について、研磨
レートが高く、かつ表面欠陥がなく、容易に鏡面化でき
る新しい研磨剤組成物が求められている。
【0007】また、上述したように、前工程として採用
されている金属バフ加工工程においては、固形・液体バ
フ研磨剤や工具であるバフの粉塵やカスが多量に発生す
るため、作業環境に悪影響を及ぼすことも問題となって
いる。その上、金属バフ加工において、使用する砥粒の
粒度分布は幅が広く、スクラッチ等の深い傷が入りやす
いという問題がある。
【0008】従って、これら問題を合わせて解決するた
めには、バフ加工に匹敵する高い研磨力を持った鏡面研
磨剤の開発が要求されている。
【0009】この場合、単に高い研磨力を付与するだけ
であれば、鏡面研磨剤に使用する砥粒粒径を大きくすれ
ばよい。
【0010】しかしながら、砥粒粒径を大きくすると、
今度は深い研磨条痕やスクラッチが入る原因になり、砥
粒の径を変えることによって生じる問題、上述した経済
的要求、研磨レートの向上に応えるための改良は大きな
技術的課題となっている。
【0011】ところで、加工面のスクラッチの他に、加
工突起物、エッチングが加工表面に表れることを表面欠
陥と呼んでいるが、この表面欠陥は、銅、真鍮(黄
銅)、アルミニウムやアルミ合金、亜鉛合金等の軟質な
材料に顕著に認められ、これらの材料の鏡面化は非常に
難しいとされている。
【0012】一方、金属バフ加工を前工程とする鏡面研
磨剤としては、油脂類を界面活性剤で乳化した溶液に
砥粒を加えたスラリー(特開平10−130632号公
報)、各種脂肪酸のせっけんと界面活性剤溶液に砥粒
を加えたスラリー(特開平8−25137号公報)等が
提案されている。
【0013】上記公開公報に記載された発明は、鏡面研
磨を課題とするもので、エッチングやスクラッチなどの
表面欠陥を解決するものではない。この場合、エッチン
グとは、アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金が、鋳造
や鍛造用の添加剤や研削加工を容易にするための添加
剤、例えばCu、Si、Mg、Zn、Fe等が研磨剤組
成物の水や脂肪酸、その他溶液のpHなどの影響によっ
て、金属と選択的に化学反応をして溶解する現象をい
う。また、砥粒によって物理的にむしり取られたり、埋
め込まれたりして、加工面に小さな穴を形成することも
あり、これら2つの現象は一般にオレンジピールと称さ
れている。また、スクラッチは、砥粒中の大きな粒度分
布を持つ粒子や製造時の異物によって生じる傷のことを
指す。
【0014】しかしながら、これら2つの提案は、銅、
アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金の鏡面研磨に対す
る研磨レートの向上を目的とするものではない上、研磨
剤の砥粒粒径が限定されているもので、研磨レートが小
さく、銅、アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金類に対
して表面欠陥が生じるという問題を依然として解決する
ものではない。
【0015】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、銅、アルミニウム、亜鉛又はこれらを主成分とする
合金表面に対しても、スクラッチやエッチング等の表面
欠陥を生じさせることなく鏡面研磨することができ、か
つ研磨レートも高く、短時間で鏡面研磨を達成し得る研
磨剤組成物を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成すべく、銅、アルミニウム、
亜鉛及びこれらの合金に対してスクラッチやエッチング
等の表面欠陥を生じさせることなく、高い研磨レートで
鏡面研磨を行うことができる研磨剤組成物について検討
を行った。
【0017】即ち、エッチングについて検討を行った結
果、エッチングは、その発生の主要因として、研磨剤中
の油脂成分が影響していることを見出した。
【0018】油脂類は、砥粒の潤滑作用の他に、加工物
となる金属との化学反応によって金属を除去する作用が
あり、この作用効果を期待して、研磨剤組成物中に油脂
類、例えば動植物性の飽和・不飽和脂肪酸、硬化油、牛
脂、その他石油製品などを配合することにより、加工金
属との化学反応での除去作用と、加工金属への過激な砥
粒の食い込みを防ぎ、砥粒による磨耗によって金属を除
去する作用という2つの作用が付与されることになる
が、実際には、液状研磨剤などの水を含有する油脂性の
研磨剤の場合、加工面のむしり取りやスクラッチが発生
したり、銅やアルミニウム、亜鉛及びその合金類に対し
ては、エッチング等の表面欠陥が起きるという問題を有
する。
【0019】そこで、本発明者は、この原因について検
討を行ったところ、水を含有する液状研磨剤は、油脂類
含有量が少ないために潤滑作用が劣り、局部的加熱が生
じ、スクラッチが生じやすいこと、その上、油脂類や砥
粒との反応によりエッチングが起こりやすいことを知見
した。そして、これら問題を解決するためには、水を含
有する液状研磨剤に潤滑剤を特定量添加することで、意
外にも、潤滑剤未添加の場合より、エッチング現象が現
れず、スクラッチも入らず、従来品に比べて砥粒の平均
粒径を大きくしても良好な鏡面状態が得られることを知
見した。
【0020】なお、この理由は定かではないが、潤滑剤
の成分が金属加工面を覆うことによって、研磨剤組成物
である脂肪酸や水が被加工物との反応を制御し、更に砥
粒の食い込みを防ぐものと考えられる。
【0021】更に、研磨レートの向上について、ラッピ
ング加工の原理と同じように、従来の鏡面研磨方法の工
具や条件を勘案し、可能な限り砥粒粒径を大きくするこ
とについて検討した結果、上述したように、潤滑剤の配
合により、スクラッチやエッチングなどを生じさせずに
粒径の大きい研磨砥粒の使用が可能になり、これによっ
て研磨レートの向上が可能になることを知見した。
【0022】即ち、従来より採用されている鏡面研磨方
法の工具や条件は、フェルトバフ、ネルバフ、スポンジ
バフ又は羊毛バフなどを用いて周速100〜1500m
/分で研磨する方法であるため、研磨圧力も上げられ
ず、回転数にも限界がある。従って、公知のラッピング
加工のように、粗い砥粒を用いて鏡面化する方法につい
て検討を行い、上記潤滑剤を用いた場合、平均粒径0.
1〜8μmの砥粒が使用でき、平均粒径3μmを超える
砥粒を使用した場合でも、鏡面化を達成できることを知
見した。
【0023】しかもこの場合、スクラッチの低減と同時
にエッチングが生じず、従来の研磨剤組成物と比較して
約2倍の高い研磨レートが得られ、研磨レートは銅、ア
ルミニウム、亜鉛及びこれらの合金に対しては高いが、
ニッケル、ステンレス、鉄、チタン等の他の金属に対し
ては低いという選択性があることを知見した。従って、
従来の前加工で複数段階で行われていたバフ加工の省略
化を図ることができる上、バフ時の粉塵を可及的に抑制
することができることを知見した。
【0024】従って、本発明は、下記の研磨剤組成物を
提供する。 請求項1:油脂、研磨砥粒、界面活性剤及び水を含有す
る研磨剤組成物に潤滑剤を0.5〜10重量%配合した
ことを特徴とする研磨剤組成物。 請求項2:更に増粘剤を配合した請求項1記載の研磨剤
組成物。 請求項3:銅、アルミニウム、亜鉛又はこれらを主成分
とする合金の研磨用である請求項1又は2記載の研磨剤
組成物。
【0025】以下、本発明につき、更に詳しく説明す
る。本発明の研磨剤組成物は、油脂、研磨砥粒、界面活
性剤、水を含有し、更にこれに潤滑剤を配合したもので
ある。
【0026】ここで、油脂としては、従来より研磨剤組
成物に配合されている油脂類を用いることができ、例え
ば、炭素数12〜22の飽和並びに不飽和脂肪酸及び高
級アルコール、牛脂、硬化油、石油系パラフィンワック
ス、天然ロウ、ワックス類などを挙げることができる。
【0027】本発明において、油脂類の使用量は、研磨
剤組成物の態様によって適宜調整されるものであるが、
通常、液状研磨剤とする場合には1〜20重量%、特に
2〜15重量%である。
【0028】研磨砥粒としては、公知の砥粒を挙げるこ
とができ、特に制限されるものではないが、例えば、酸
化クロム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、
酸化アルミニウム、二酸化マンガン、硅石、コロイダル
シリカ、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、溶融ア
ルミナ、エメリーなどを用いることができる。その平均
粒径は0.1〜8μm、特に0.2〜5μmとすること
ができ、本発明においては平均粒径が3μmを超えるも
の、特に5μmを超えるものをも支障なく使用すること
ができる。
【0029】また、砥粒の配合量も適宜選定されるが、
1〜50重量%、特に3〜20重量%であることが好ま
しい。
【0030】次に、界面活性剤は、乳化作用を示し、か
つ砥粒を均一分散し、適正な粘度を与えると共に、研磨
後の洗浄を容易にすることができるものである。
【0031】ここで、界面活性剤としては、公知の界面
活性剤を挙げることができ、公知の界面活性剤の種類と
しては、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性
剤、陽イオン系界面活性剤、両性界面活性剤の中から適
宜選択され、一般には、陰イオン系界面活性剤として
は、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩等、非イオン系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキル及びアルキルアリルエーテ
ル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライ
ド、陽イオン系界面活性剤としては、アルキルアミン
塩、第4級アンモニウム塩等が適宜選択され、これらは
1種を単独であるいは2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0032】上記界面活性剤の配合量は、特に制限され
るものではなく、上述した油脂類の種類、量、製品の粘
度や加工目的によって異なるが、一般的には2〜10重
量%、特に3〜8重量%にすることが推奨される。
【0033】本発明は、上記成分に加えて潤滑剤を配合
する。ここで、潤滑剤として具体的には、低分子ポリエ
チレン、石油系ワックス、天然ワックス、天然ワックス
をエステル化した合成ワックス、シリコーン油(ジメチ
ルシリコーンオイル、その各種変性シリコーン油、例え
ばエポキシ基、C2以上のアルキル基、フェニル基、ア
ミノ基、カルボキシル基変性など)等を好適に使用する
ことができる。これら潤滑剤の共通作用は、高い光沢
性、防錆性、滑り性があり、いずれも加工金属面に潤滑
剤による薄い皮膜を形成する性質を持つもので、高い潤
滑性を示すために砥粒の深い食い込みを防止すると同時
に、研磨剤組成物である反応性の高い脂肪酸や水による
酸化を防ぐことができるものである。
【0034】本発明においては、上述した潤滑剤中、粘
度上昇の心配がなく、製造時及び使用時において消泡効
果もあり、泡の少ない良好な組成物を得ることができる
という点から、シリコーン油の単独使用が好ましく、こ
のシリコーン油としては、上述したように、ジメチルシ
リコーンオイル、各種変性シリコーン油、例えばエポキ
シ基、C2以上のアルキル基、フェニル基、アミノ基、
カルボキシル基変性シリコーンオイルを挙げることがで
きるが、特にジメチルシリコーンオイル、アミノシリコ
ーンオイルの使用が推奨される。また、上記シリコーン
油以外の成分として、上述したように、石油系ワックス
や天然ワックスも好適に使用できるが、高い融点を示す
ために製品粘度が上昇する場合があり、この場合には、
上述したシリコーン油と適宜組み合わせることによって
粘度上昇を防ぐことができる。
【0035】本発明において、上記潤滑剤の配合量は、
組成物中に0.5〜10重量%、特に1〜5重量%であ
ることを要し、潤滑剤が加工物表面に薄膜を形成し、上
述した優れた作用を示すことができる。この場合、潤滑
剤としての添加量が10重量%を超えると、満足する研
磨レートが得られず、0.5重量%未満であると、上述
した潤滑剤の使用による効果を十分に発揮できない。
【0036】本発明の研磨剤組成物には、更に増粘剤を
配合することが好ましい。この増粘剤は、砥粒の沈降を
防げると同時に、沈降した粒子を容易に再分散させ、粒
径の比較的大きな砥粒を使用してもスクラッチ等の発生
を抑える作用を付与し得る成分である。増粘剤は、液状
研磨剤中の砥粒の沈降を遅らせたり、沈降が比較的速く
ても沈降容積を増大させることができるものを好適に使
用することができ、一般に有機分散剤が好適であるが、
具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチル
セルロース、ポリアクリル酸塩、あるいは無機物である
アルミニウム、マグネシウム、又は鉄の含水珪酸塩、そ
の他、クレー粉、カオリン、ヒュームドシリカ、あるい
はベーマイト等を挙げることができ、これらは1種を単
独で又は2種以上を混合して配合することができる。
【0037】本発明の増粘剤の配合量は、特に制限され
るものではないが、通常、組成物全体に対して5重量%
以下、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは
0.5〜3.0重量%であることが推奨される。
【0038】本発明の研磨剤組成物は、上述した各種成
分と共に水を必須成分として配合するが、水は上述した
各成分の配合量を勘案して配合すればよく、通常40〜
80重量%、より好ましくは60〜80重量%配合する
ことができる。
【0039】本発明の研磨剤組成物は、上述した成分以
外にも、更に必要に応じて、研磨剤に使用されている各
種添加剤等を配合してもよく、例えばIPA等の溶剤、
(CF)nで示されるようなフッ化カーボン、4フッ化
エチレンの微粉末等を挙げることができる。
【0040】本発明の研磨剤組成物を得るには、まず上
述した成分全体を混合して均一分散する。均一分散混合
する方法としては、特に制限されるものではないが、例
えば、70〜90℃に保たれたイオン交換水に油脂類を
乳化させるのに必要な界面活性剤、増粘剤及び潤滑剤を
加えた後、ホモミキサーあるいはミルによって分散溶液
を得、その後、所定量の砥粒を分散させる方法、予め溶
融した油脂類をイオン交換水に入れて乳化した後、次い
で油脂類を乳化させるのに必要な界面活性剤、増粘剤及
び潤滑剤を加える方法等を挙げることができるが、全成
分を混合する方法であれば特に制限されるものではな
い。
【0041】本発明の研磨剤組成物は、各成分を均一混
合した混合物を篩分級することが好ましく、これにより
異物等を除去すると共に、粗大な砥粒を除去することが
できる。
【0042】以上のようにして得られる本発明の研磨剤
組成物は、公知技術と同様にして、バフ研磨を行う際の
研磨剤として好適に使用することができる。
【0043】この場合、研磨面に対してスクラッチ、エ
ッチングなどの表面欠陥が出ず、しかも研磨レートが高
く、効率良く研磨を行うことができ、研磨面の鏡面化を
図ることができるものである。
【0044】また近年、銅、アルミニウム等が、半導体
製造において、シリコン上にスパッタやめっきで配線パ
ターン用として使用されており、この表面の研磨は銅や
アルミニウムだけを選択的に高い研磨レートで研磨する
ことが必要とされ、従来は各種有機酸や無機酸あるいは
アルカリ性の研磨剤でシリカやセリウム、二酸化マンガ
ンなどのコロイダル溶液で研磨されているが、かかる分
野等にも適用できる。更に、本発明の研磨剤組成物は、
ステンレスやニッケル、鉄、チタン、タングステンなど
の金属に対しては化学的作用が潤滑剤にて制御されるた
め、研磨レートが非常に低く、選択的研磨ができ、化学
薬品が使用されず、油脂類と界面活性剤及び潤滑剤だけ
で溶剤で容易に除去することができ、ハードディスクや
半導体製造での汚染イオンが少ない利点を有する。
【0045】
【発明の効果】本発明の研磨剤組成物は、金属バフ加工
において、スクラッチ、エッチングの発生を防止して研
磨を行うことができ、経済的に銅、アルミニウム、亜鉛
及びこれらの合金等の表面を速やかに研磨することがで
き、研磨面の鏡面化を達成できるものである。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0047】〔実施例,比較例〕表1の配合成分全体を
同一条件にて混合した後、2種のフィルター(孔径70
μm、150μm)をそれぞれ通過させて篩分級を行
い、研磨剤組成物を得た。
【0048】得られた研磨剤組成物をイオン交換水で1
/2に希釈したものを研磨剤として使用し、研磨特性を
下記方法にて調べた。結果を表1に併記する。
【0049】研磨レート 磁気メディアに使用されている3.5インチのアルミニ
ウムディスクを両面ラッピング装置(スピードフアム
製:9B−5L)を用いて研磨し、研磨レートを測定し
た。研磨条件として、研磨圧力100g/cm2、研磨
剤50ml/分で供給しながら3分間研磨を行い、研磨
減量から研磨レート(g/分)を求めた。表面粗さ(Rt) 研磨レート測定に用いたアルミニウムディスクについ
て、表面粗さ計(東京精密製:サーフコム1500A)
を用い、ディスクの表裏を3点測定した。平均値を表1
に示す。なお、研磨面が目視にて白く見えるのは、Rt
が0.2μm以上になるときである。外観目視評価 磁気ディスクアルミニウムは純度がよいため、エッチン
グなどの現象は目視しづらい。そこで、材料をJIS5
005の板材に変え、上記研磨剤を使用して、表面状態
の評価を行った。この板材の材質は、Si、Fe、C
u、Mn、Znを少量ずつ含んでおり、研磨欠陥が生じ
やすいという特徴がある。水平式平面研磨機を用い、軟
質ポリウレタンフォーム製の径300mm、厚み50m
mを有するバフにて、回転数250rpm、研磨時間6
0秒、研磨剤140ml使用し、荷重15kgでJIS
5005の板材に対し研磨を行った。研磨終了後、研磨
面を目視にて観察し、鏡面化、エッチング、スクラッチ
等の有無を調べた。
【0050】
【表1】
【0051】以上の結果から、本発明の研磨剤組成物
は、高い研磨レートを示すと共に、スクラッチ、エッチ
ングの発生を抑制して、鏡面化を達成できるものであっ
た。
【0052】これに対して、比較例の研磨剤は、いずれ
も鏡面化を達成できるものではなく、特に潤滑剤及び増
粘剤が配合されていない比較例1及び2の研磨剤はスク
ラッチの発生が見られ、更に油脂類も配合されていない
比較例3はエッチングが発生し、増粘剤のみ使用されて
いない比較例4の研磨剤はスクラッチの発生が抑制され
ないものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 洋輝 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村工 業株式会社枚方工場内 Fターム(参考) 3C058 AA06 AA07 CB02 CB03 CB10 DA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂、研磨砥粒、界面活性剤及び水を含
    有する研磨剤組成物に潤滑剤を0.5〜10重量%配合
    したことを特徴とする研磨剤組成物。
  2. 【請求項2】 更に増粘剤を配合した請求項1記載の研
    磨剤組成物。
  3. 【請求項3】 銅、アルミニウム、亜鉛又はこれらを主
    成分とする合金の研磨用である請求項1又は2記載の研
    磨剤組成物。
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