JP2022066727A - 研磨材組成物 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022066727000001
【課題】 良好な平滑性を持つ研磨表面が得られ、かつ研磨作業効率を向上することのできる研磨材組成物を構成する砥粒混合物の提供。
【解決手段】 平均粒径が0.3~10μmであるダイヤモンド粒子、炭化ホウ素粒子又は炭化ケイ素粒子の1種又は2種以上からなる高硬度砥粒と、該高硬度砥粒より硬度が低く、平均粒径が3~40μmである酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子又は酸化チタン粒子の1種又は2種以上からなる低硬度砥粒とを含有し、前記高硬度砥粒の平均粒径は、前記低硬度砥粒の平均粒径より小さく、前記高硬度砥粒の含有量は10~40重量%である砥粒混合物を含有する研磨材組成物。
【選択図】 図3


Description

本発明は各種の素材表面の研磨に用いる研磨材組成物に関し、特に研磨材組成物に含有される砥粒混合物に関する。
各種素材の表面を平滑化して、表面の鏡面化や艶出しを行う研磨に用いる研磨材には、硬質粒子から成る砥粒をそのまま粉体の状態で使用する場合もあるが、砥粒を水性又は油性媒体に分散し、スラリーや半固体状ないしは固体状のペーストとして使用される場合が多い。研磨対象の素材としては、鋼材、アルミニウム、焼結合金などの金属、ガラスやセラミックス、半導体基材など各種の素材が対象であり、研磨材組成物に用いられる砥粒としては、酸化アルミニウム(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)などの金属酸化物の粒子が用いられている。そして、硬質合金やセラミックスなどの硬質素材には、ダイヤモンド粒子、切削用超硬工具として用いられる焼結合金である超硬合金の原料となる炭化タングステン(WC)やサーメットの原料となる炭化チタン(TiC)などの粒子も用いられている。そして、これら各種の砥粒を組み合わせて、砥粒組成物として用いられることも多い。
特許文献1には、超硬質材料を研磨するための研磨用スラリーとして、5μ未満の粒径を有するダイヤモンド粒子と20~200nmの平均粒径を有するα-アルミナ粒子を組み合わせて砥粒としてもちいることが提案されており、ダイヤモンド粒子はメジアン径が約0.2~1.0μm、α-アルミナ粒子は約40~100nmが好ましいとしている。特許文献2には、窒化ガリウムなどの半導体基板用研磨組成物の砥粒として、平均粒径がダイヤモンド又はα-アルミナなどの硬質砥粒と、コロイダルシリカなどの軟質砥粒を水に分散させた研磨組成物が提案されている。この研磨組成物では軟質砥粒の平均粒径は硬質砥粒の平均粒径の2/3以下1/20以上の範囲が好ましいとしている。特許文献3には、半導体デバイスの基板に用いられる窒化アルミニウム(AlN)結晶の表面研磨に用いるスラリーとして、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの窒化アルミニウム結晶より硬度の高い高硬度砥粒と、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化セリウムなどの窒化アルミニウム結晶より硬度の低い低硬度砥粒とを含むスラリーが提案されている。そして、高硬度砥粒として粒径1μmのダイヤモンドと、低硬度砥粒として粒径0.1μmのコロイダルシリカの組み合わせが実施例において示されている。さらに、特許文献4には、ダイヤモンド等の砥粒に、短径が前記砥粒の平均粒径よりも小さく、かつ硬度が低い金属酸化物、非金属酸化物を混合させた混合粉体からなる研磨材が提案されている。
上記のように、高硬度砥粒であるダイヤモンド粒子等に、酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子などの低硬度砥粒を混合した砥粒混合物からなる研磨材組成物は、これまでに数多くの提案がある。そして、これらの研磨材組成物では、研磨作用の主体となる高硬度砥粒に混合される低硬度砥粒は、いずれも粒径が高硬度砥粒よりも粒径の小さいものが使用されている。砥粒混合物に混合される低硬度砥粒の作用は、高硬度砥粒の研磨作用を阻害することなく、被研磨表面と研磨盤との間の研磨作用空間において、高硬度砥粒同士の間隙に入り込み、研磨作用の主体である高硬度砥粒が研磨作用空間により永く滞留して研磨能率を向上させるとされている(特許文献4、項目[0022]及び図1を参照)。
特開平7-179848号公報 特開2004-311575号公報 特開2006-60074号公報 特開2013-117007号公報
本発明の課題は、良好な平滑性を持つ研磨表面が得られ、かつ研磨作業効率を向上することのできる研磨材組成物を構成する砥粒混合物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、前記した先行技術を含め、各種の砥粒を組みあわせた砥粒混合物の検討を行った結果、研磨作用の主体となる高硬度砥粒に、該砥粒より粒径の大きい低硬度砥粒を混合した砥粒混合物を含有する研磨材組成物が、研磨作業効率がよく、良好な平滑性を持つ表面が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明の研磨材組成物は、平均粒径が0.3~10μmであるダイヤモンド粒子、炭化ホウ素粒子又は炭化ケイ素粒子の1種又は2種以上からなる高硬度砥粒と、該高硬度砥粒より硬度が低く、平均粒径が3~40μmである酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子又は酸化チタン粒子の1種又は2種以上からなる低硬度砥粒とを含有し、前記高硬度砥粒の平均粒径は、前記低硬度砥粒の平均砥粒より小さく、前記高硬度砥粒の含有量は10~40重量%である砥粒混合物を含有する。さらに前記研磨材組成物は、前記砥粒混合物を媒体に分散させたものであることが好ましい。
本発明の研磨材組成物の砥粒混合物として、研磨作用の主体となる平均粒径が0.3~10μmの高硬度砥粒と、該高硬度砥粒より粒径が大きく、かつ硬度が低く、平均粒径が3~40μmである低硬度砥粒との砥粒混合物を用いることで、良好な研磨表面を得ることができると共に研磨作業効率の優れた研磨材組成物となる。この研磨材組成物の示す良好な研磨力の作用機構については必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。
研磨作用の主体となる高硬度砥粒は、研磨盤などの研磨工具により被研磨表面に押し付けられて研磨作用を発揮するが、高硬度砥粒のみにて研磨加工を行う場合に比べ、粒径の大きい低硬度砥粒が加えられることにより、高硬度砥粒は、被研磨表面に研磨工具により直接押し付けられるだけでなく、加えられた低硬度砥粒の表面に付着して押し付けられて研磨作用を行うため、被研磨表面において多方向からの力により押し付けられて、より良好な研磨力を発揮すると考えられる。さらに、粒径の大きい低硬度砥粒の存在により、高硬度砥粒が二次凝集粒子を形成するのを防止すると共に、粒径の大きい低硬度砥粒の粒子間隙に粒径の小さい高硬度砥粒を保持し、被研磨表面と研磨工具との間に高硬度砥粒をより永く滞留させて、研磨作用を継続させる上、低硬度粒子が高硬度粒子のクッションとなるのでソフトに接触し、良好な平滑性を持つ表面が得られることと考えられる。
上記のような作用機構により、本発明の研磨材組成物は良好な研磨力を示す上、良好な平滑性を持つ表面が得られるものであるため、高硬度砥粒であるダイヤモンド粒子、炭化ホウ素粒子又は炭化ケイ素粒子の砥粒混合物での含有量は10~40重量%で効果を発揮する。高硬度砥粒の含有量が10重量%未満では砥粒混合物の研磨力が十分ではなく、また、40重量%を超える含有量の場合は低硬度砥粒の上記した作用が発揮されず、高硬度砥粒の含有量の減少による、研磨力の低下がみられ、高硬度砥粒のみの砥粒より、研磨力が劣ることになる。
また、上記した高硬度粒子は非常に高価なものではあるが、酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子又は酸化チタン粒子などの安価な低硬度砥粒を適正量加えることにより、研磨力を増加させることができるため、研磨材組成物のコストの上昇を低減することもできる。
本発明の研磨材組成物は、上記効果を有し、良好な研磨力を有するものである上、良好な平滑性を持つ表面が得られるものであり、表面を鏡面に仕上げるバフ研磨に好適に用いることができる。バフ研磨とは被研磨表面に、砥粒の自由な運動を確保しながら、砥粒を押し付ける研磨工具として、繊維、スポンジ、木、竹、プラスチックなどの素材からなる軟質工具を用いて行うポリッシング研磨であり、前記した作用効果がより発揮できる研磨である。
バフ研磨前の被研磨表面の断面粗さ曲線。 ダイヤモンド粒子のみの研磨剤組成物によるバフ研磨後の断面粗さ曲線。 砥粒混合物の研磨材組成物によるバフ研磨後の断面粗さ曲線。
本発明の砥粒混合物の高硬度砥粒は、平均粒径が0.3~10μmであり、ダイヤモンド粒子、炭化ホウ素粒子又は炭化ケイ素粒子の1種又は2種以上からなる砥粒である。砥粒混合物におけるこれらの粒子の含有量は10~40重量部%である。前記したように、含有量が10重量%未満では研磨力が十分ではなく、また含有量が多くなり40重量%を超えると、研磨剤コストが高くなるだけでなく、砥粒混合物の研磨力の低下となる。
ダイヤモンド粒子は、単結晶又は多結晶ダイヤモンド粉末の粒径が調整された工業用ダイヤモンド粉末を使用できる。炭化ホウ素粒子は化学式BCで示されるセラミックスであり、同様に各種粒径の粉末が利用できる。炭化ケイ素粒子は黒色炭化ケイ素粒子と高純度の緑色炭化ケイ素粒子があり、いずれも使用できるが、緑色炭化ケイ素粒子を用いることが好ましい。
ダイヤモンド粒子、炭化ホウ素粒子又は炭化ケイ素粒子は、各種の粒度の粉末として市販されており、上記の粒径の範囲を満たすものを選び粒度調整して、高硬度粒子として用いることができる。これらの高硬度砥粒は、低硬度砥粒に用いられる粒子に比較して高価な粒子ではあるが、砥粒混合物における含有量が10~40重量%の割合で研磨力は良好に維持され、研磨効果は十分に発揮されるので、研磨材組成物としてのコストアップを抑えることができる。
本発明の砥粒混合物の低硬度砥粒は、平均粒径が3~40μmであり、酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子又は酸化チタン粒子の1種又は2種以上からなる。酸化アルミニウムとは化学式ではAlで表され、一般にアルミナと称されるものである。二酸化ケイ素とは、化学式ではSiOで表され、一般にシリカと称されるものである。酸化アルミニウム粒子としては市販されているアルミナ粉の内、平均粒径が3~40μmの範囲にある粒子を使用することができる。酸化アルミニウム粒子としては、α結晶を含むα-アルミナが好ましく、水酸化アルミニウムを焼成して、焼成後粉砕し、粒度調整した粒子であってもよく、また予め粒度調整をした水酸化アルミニウムを焼成した粒子であってもよい。
二酸化ケイ素粒子としては、珪石、珪砂、石英などを粉砕し、平均粒径を3~40μmに調整した市販のシリカ粉を用いることができる。粉砕方法は乾式、湿式何れであってもよく、平均粒径が調整されておればよい。
砥粒混合物の混合方法は、砥粒粒子のみによる乾式混合や各砥粒粒子を媒体に分散させて混合する湿式混合により行い、砥粒混合物とすることができる。研磨材組成物としては、この砥粒混合物のみを磨き粉として使用することもできるが、媒体に分散させスラリーや半固体ないしは固体状のペーストとした研磨材組成物として用いることが好ましい。
砥粒混合物を分散させる媒体としては水性又は油性媒体を使用することができる。水性媒体としては、水だけでなく、分散を促進するための各種界面活性剤、アルコール類やグリコール類などの水溶性溶剤、水溶性高分子化合物などを溶解させた水溶液、或いは有機溶剤、ワックス、オイル類を乳化分散させた水性エマルジョン溶液などを例示できる。油性媒体としては、有機溶剤、例えば炭化水素系有機溶剤などや、有機溶剤に高分子化合物、ワックス、オイル類を溶解した油性溶液、或いは有機溶剤に少量の水や前記した水溶液を乳化分散させたエマルジョン溶液などを示すことができる。また、炭化水素系有機溶剤は、石油系溶剤とも称され、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の溶剤である。さらに、テルペン系溶剤であってもよい。芳香族系炭化水素も使用できるが、有害物もありあまり好ましくない。
研磨材組成物は上記した水性又は油性媒体に、砥粒混合物を分散させ、スラリー、乳液、半固体状ないしは固体状のペーストとして作製することができる。この場合、媒体の各成分を混合する際に、同時に各砥粒を分散させてもよいし、予め各砥粒を混合した砥粒混合物を分散させてもよく、特に工程は限定されることなく、最終的に砥粒混合物が水性又は油性媒体中に分散された状態の研磨材組成物となれば良い。
本発明の研磨材組成物の砥粒混合物は、前記した高硬度砥粒と低硬度砥粒との混合物であるが、これら以外に、高硬度砥粒として炭化タングステン粒子や炭化チタン粒子などを加えてもよいが、これらの粒子の粒径は前記した高硬度砥粒の粒径と同様であり、含有量は高硬度砥粒の半分以下の含有量であることが好ましい。低硬度砥粒として、各種の金属酸化物粒子などを加えてもよいが、同様に前記の高硬度砥粒の粒径と同様であり、含有量も低硬度砥粒の半分以下の含有量であることが好ましい。
本発明の砥粒混合物を含有する研磨材組成物の研磨力を確認するために、各種の砥粒混合物を含有する研磨剤組成物を作成し、研磨力の比較を行った。被研磨表面としては、炭化タングステンをバインダーとしてコバルトを使用して焼結した超硬合金の30mm×24mmの大きさの板表面を用いた。そして、竹製の研磨棒を研磨工具として揺動式ルータに取り付けてポリッシャーとし、評価対象の研磨材組成物を用いてバフ研磨を行い評価を行った。この際、バフ研磨に先立ち、予めラッピング研磨による粗研磨を行った表面を被研磨表面として用いて、バフ研磨を行い、バフ研磨前とバフ研磨後の研磨面の表面粗さを比較測定して。研磨力の評価を行った。尚、研磨材組成物としては、砥粒粒子15gを、炭化水素系溶剤18g、ノニオン系界面活性剤1g、水溶性アクリル系高分子化合物1g、水65gから成る懸濁液を媒体として用いて分散させ、乳液状とした研磨剤組成物を用いた。
高硬度砥粒としての粒度#8000(平均粒径1.0μm)のダイヤモンド粒子のみを砥粒として含有する研磨材組成物Aと、高硬度砥粒の前記ダイヤモンド粒子が25重量%、低硬度砥粒としての粒度#3000(平均粒径4.5μm)の酸化アルミニウム粒子が75重量%の割合である砥粒混合物を含有する研磨材組成部Bとの研磨力と被研磨面の平滑性の比較を行った。上記の超硬合金表面の粗研磨をダイヤモンド粒子(平均粒径6μm)の砥粒を含有する研磨材組成物を用いて行った。次いで等量の研磨材組成物AとBとを用いて、それぞれ35分間バフ研磨を行い、研磨面の断面表面粗さを直交する2方向(X方向、Y方向)にて測定し、結果を図1~3のグラフに示した。上方のグラフがX方向、下方のグラフがY方向である。
図1は、粗研磨のみを行ったバフ研磨前の断面表面粗さ曲線であり、図2は研磨材組成物Aを用いてバフ研磨を行った後の断面表面粗さ曲線であり、図3は研磨材組成物Bを用いてバフ研磨を行った後の断面表面粗さ曲線である。それぞれの断面表面粗さの各パラメータの数値は表1に示す。(測定装置:日立製作所 VS1540 白色鑑賞型非接触式三次元表面粗さ測定器)
Figure 2022066727000002
図1~3及び表1に示されるように高硬度砥粒のみを含有する研磨材組成物Aよりも低硬度砥粒を含有する研磨材組成物Bの方が良好な研磨結果を得た。
ダイヤモンド粒子からなる高硬度砥粒のみを含有する研磨材組成物と、高硬度砥粒に酸化アルミニウム粒子を加えた砥粒混合物を含有する研磨材組成物との研磨力の比較を行った。被研磨面は実施例1と同様に、予め粗研磨を行った焼結超硬合金を用いて、各研磨剤組成物を用いて、バフ研磨を行い、粗研磨した表面にみられる、筋状研磨痕が消失し、目視出来なくなるまでの時間と研磨面の平滑性の比較を行った。その結果、砥粒として粒度#8000(平均粒径1.0μm)のダイヤモンド粒子のみを使用した研磨材組成物と、砥粒としてこの高硬度砥粒に低硬度砥粒としての粒度#2500(平均粒径6.0μm)の酸化アルミニウム粒子を混合し、高硬度砥粒の含有量を15及び30重量%とした砥粒混合物を使用した研磨材組成物との比較では、ダイヤモンド粒子のみの研磨材組成物が要する時間に比べ、砥粒混合物を使用した研磨材組成物の要する時間はいずれの含有量でも3/4から2/3の時間でよい上、被研磨面の平滑性も良好になることが分かった。
実施例1、2と同じ超硬合金の粗研磨表面を、粒度#2000(平均粒径7μm)のダイヤモンド粒子を高硬度砥粒とし、粒度#800(平均粒径15μ)の酸化アルミニウムを低硬度砥粒として使用する他は、実施例2と同様にして比較を行った。その結果、砥粒として高硬度砥粒である単結晶ダイヤモンドのみを使用した場合に比べ。低硬度砥粒である酸化アルミニウム粒子を加えた砥粒混合物を使用した場合は、実施例2と同様に、高硬度砥粒の含有量がいずれも場合でも、要する時間は3/4から2/3の時間でよい上、被研磨面の平滑性も良好になることが分かった。
このように、高硬度砥粒のダイヤモンド粒子のみの砥粒に対して、低硬度砥粒の酸化アルミニウム粒子を混合した砥粒混合物を所定量含有する研磨材組成物の方が研磨力は高い上、被研磨面の平滑性も良好になるといえる。
粒度#4000(平均粒径3.5μm)のダイヤモンド粒子を高硬度砥粒とし、粒度#2000(平均粒径7μm)の二酸化ケイ素粒子を低硬度砥粒として混合して、下記の高硬度砥粒の含有量とした砥粒混合物を用いた研磨材組成物の研磨力を比較するために、実施例3と同様にして、粗研磨表面の筋状研磨痕が目視出来なくなるまでの時間と被研磨面の平滑性の比較とを行った結果は次の通りであった。
高硬度砥粒の含有量 要する研磨時間 平滑性
(1) 二酸化ケイ素粒子なし(比較例) 26~34分
(2) 5 重量% (比較例) 22~33分
(3) 10 重量% 16~21分 〇
(4) 15 重量% 15~20分 〇
(5) 20 重量% 14~19分 ◎
(6) 25 重量% 14~18分 ◎
(7) 30 重量% 13~17分 ◎
(8) 35 重量% 13~20分 〇
(9) 40 重量% 15~19分 〇
(10) 45 重量% (比較例) 17~22分
(11) 50 重量% (比較例) 17~25分

このように、ダイヤモンド粒子を10重量%以上含有させることで、研磨力は大きく向上するが、40重量%を超えると研磨力はむしろ低下する傾向にあることが分かった。
高硬度砥粒としての粒度#8000(平均粒径1.0μm)と粒度#1500(平均粒径8.5μm)のダイヤモンド粒子に、低硬度砥粒としての粒度#2500(平均粒径6.0μm)の酸化アルミニウム粒子をそれぞれに加えて、いずれもダイヤモンド粒子の含有量が20重量%の砥粒混合物とした。これらの砥粒混合物を用いた研磨材組成物とそれぞれの粒度のダイヤモンド粒子のみを用いた研磨材組成物とを用いて、砥粒混合物を用いた研磨材組成物とダイヤモンド粒子のみを用いた研磨材組成物との比較を、実施例2と同様のバフ研磨を行い、粗研磨した超合金表面から研磨痕が消える時間を目視で比較して、研磨力の比較を行った結果、粒度#8000(平均粒度1.0μm)ダイヤモンド粒子を用いた研磨材組成物では砥粒混合物を用いた方が研磨時間は短かったが、粒度#1500(平均粒径8.5μm)のダイヤモンド粒子を用いた研磨材組成物では砥粒混合物を用いた方が研磨時間を要した。このように高硬度砥粒の粒径が、低硬度砥粒の粒径より大きい場合には、砥粒混合物としての効果が発揮できず、低硬度砥粒を加えることにより、高硬度砥粒の研磨力が低下し、バフ研磨時間を要することが分かった。
高硬度粒子としての粒度#6000(平均粒径2μm)の炭化ホウ素粒子に、低硬度砥粒としての粒度#2500(平均粒径5μm)の酸化アルミニウムを加えて、炭化ホウ素粒子の含有量を20重量%とした砥粒混合物を用いた研磨材組成物と、粒度#6000(平均粒径2μm)の炭化ホウ素粒子のみの砥粒を用いた研磨材組成物とを用いて、実施例3と同様にして、粗研磨した超合金表面から研磨痕が消える時間を目視で比較して、研磨力の比較を行った。その結果、前者の砥粒混合物を用いた研磨材組成物の研磨力が優れていることが分かった。
粒度#2500(平均粒径5μm)のダイヤモンド粒子を高硬度砥粒とし、この高硬度砥粒に低硬度砥粒の粒度#15000(平均粒径0.6μm)の酸化アルミニウム粒子を加えて、高硬度砥粒の含有量を25重量%とした砥粒混合物を用いた研磨材組成物と、粒度#15000(平均粒径0.6μm)のダイヤモンド粒子を高硬度砥粒とし、この高硬度砥粒に低硬度砥粒の粒度#2500(平均粒径5μm)の酸化アルミニウム粒子を加えて、高硬度砥粒の含有量を25重量%とした砥粒混合物を用いた研磨材組成物とを用いて、実施例5と同様に研磨痕が消える時間を目視で比較して、これらの砥粒混合物を用いた研磨材組成物とダイヤモンド粒子のみを用いた研磨材組成物との研磨力の比較を行った。その結果、前者のダイヤモンド粒子の粒径の方が大きい砥粒混合物では、ダイヤモンド粒子のみを用いた研磨材組成物の方が、砥粒混合物を用いた研磨材組成物の方より研磨力に優れているが、後者のダイヤモンド粒子の粒径の方が小さい砥粒混合物では、砥粒混合物を用いた研磨材組成物の方が、ダイヤモンド粒子のみを用いた研磨材組成物の方より研磨力に優れていることが分かった。
実施例4における酸化アルミニウムに替えて、粒度#2000(平均粒径7μm)の酸化チタンを用いる以外は同様の操作を行った結果、要する研磨時間はほぼ同様であった。また、ダイヤモンド粒子に替えて、炭化ホウ素粒子や炭化ケイ素粒子を使用した場合も、ほぼ同様の結果であった。

Claims (2)

  1. 平均粒径が0.3~10μmであるダイヤモンド粒子、炭化ホウ素粒子又は炭化ケイ素粒子の1種又は2種以上からなる高硬度砥粒と、該高硬度砥粒より硬度が低く、平均粒径が3~40μmである酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子又は酸化チタン粒子の1種又は2種以上からなる低硬度砥粒とを含有し、前記高硬度砥粒の平均粒径は、前記低硬度砥粒の平均粒径より小さく、前記高硬度砥粒の含有量は10~40重量%である砥粒混合物を含有する研磨材組成物。
  2. 前記砥粒混合物を媒体に分散させたことを特徴とする請求項1に記載の研磨材組成物。

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