JP3263003B2 - 車体の後席用エアコンユニット収容部構造 - Google Patents

車体の後席用エアコンユニット収容部構造

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JP3263003B2
JP3263003B2 JP12495497A JP12495497A JP3263003B2 JP 3263003 B2 JP3263003 B2 JP 3263003B2 JP 12495497 A JP12495497 A JP 12495497A JP 12495497 A JP12495497 A JP 12495497A JP 3263003 B2 JP3263003 B2 JP 3263003B2
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忠昭 小川
俊徳 西田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所謂ワンボックス
型車等の後席用エアコンユニットが搭載される車体の後
席用エアコンユニット収容部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワンボックス型車のように比較的
大容量の客室を有する車両においては、車体前部に配置
された前席側を空調するための前席用エアコンユニット
の他に、後席側を空調するための後席用エアコンユニッ
トが搭載されている。すなわち、図3、4は、ワンボッ
クス型車の車体50の後部右側を示すものであり、客室
51の下部にはフロアパネル52が配設され、該フロア
パネル52の上面にはカーペット53が敷設されてい
る。また、フロアパネル52の下面側には、車体前後方
向に延在するハット型断面からなるサイドメンバ54が
固着されているとともに、該サイドメンバ54に一端部
を結合されて車体50の側方に突出する複数のアウトリ
ガー55(1個のみ図示)が配設されている。該アウト
リガー55もハット型断面からなり、その上面はフロア
パネル52に結合され、他端部はシルインナ56に結合
されている。
【0003】該シルインナ56は、サイドメンバ54と
同様に車体前後方向に延在しており、隣接するアウトリ
ガー55間の部分には、客室51内方向に膨出する膨出
部57が形成されている。また、シルインナ56の下端
部には、車体外板58の下端部が結合されており、これ
により車体外板58と前記膨出部57間に形成された収
容室59内に、後席用エアコンユニット60が収容され
ている。該後席用エアコンユニット60は、図示のよう
に断面長方形状であって、長辺を上下方向にした縦置で
収容室59内に配置されており、また、該収容室59と
客室51とは、内装トリム61により仕切られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車体構造にあっては、シルインナ56に客室
51内方向へ膨出する膨出部57を形成して、該膨出部
57と車体外板58との間に後席用エアコンユニット6
0を収容するための収容室59を形成している。したが
って、図3に明示したように、膨出部57が形成されて
いる部位において、フロアパネル52の面積が部分的に
減少し、その結果客室51の容積が減少してしまう。ま
た、膨出部57に対応する部位において、内装トリム6
1が部分的に客室51内に突出することから、客室51
の側壁が平滑にならず、部分的突出が生じて品質感が低
下してしまう。
【0005】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたものであり、客室の側壁さらには床面に部分的
突出を生じさせることなく、客室の容積を拡大すること
のできる車体の後席用エアコンユニット収容部構造を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明にあっては、前後方向に延在するサイドメンバ
と、該サイドメンバに一端部を結合されて車体側方
に突出する複数のアウトリガーと、該アウトリガー
の先端部に結合されたシルインナ11とを有し、隣接す
るアウトリガー間に後席用エアコンユニット14を収
容する収容室15を有する車体において、前記隣接する
アウトリガー間にて前記シルインナ11を排除して間
欠部12を設け、該間欠部12に前記収容室15の底壁
15aと奥壁15bとを形成し前記隣接するアウトリガ
ー7に沿った前後で対向する一対の直面部13cを有す
るパネル部材13を配置するとともに、前記直面部13
cを前記隣接するアウトリガー7に固着し、かつ前記収
容室15の底壁15aを形成する前記パネル部材13の
底面部13aの車体側方端部に車体外板17の下端部を
結合して、前記車体の床面よりも下方に、前記隣接する
アウトリガー7と該アウトリガー7に固着された前記一
対の直面部13cにより前後を二重に仕切られ前記パネ
ル部材13及び前記車体外板17により画成された前記
収容室15を設け、前記パネル部材13の底面部13a
の車体側方端部に、前後方向へ延在しハット型断面から
なるレインフォース16を固着して閉断面を形成し、該
レインフォース16の両端部を前記隣接するアウトリガ
ー7に結合してある。
【0007】かかる構成において、後席用エアコンユニ
ット14を収容する収容室15は、パネル部材13によ
り、その底壁と奥壁とが形成されるとともに、前後を
記隣接するアウトリガー7と該アウトリガー7に固着さ
れた前記一対の直面部13cにより前後を仕切られ、奥
壁に対向する側部を車体外板17により仕切られる。よ
って、この収容室15は、従来のシルインナと車体外板
との間に形成された収容室よりも、遥かに大きな容積が
確保され、例えば後席用エアコンユニット14を斜状に
配置することもでき、車体床面よりも下方に形成した収
容室15に後席用エアコンユニット14を支障なく収容
することができる。そして、このように収容室15が車
体の床面よりも下方に形成されれば、床面に部分的突出
が生ずることもないし、客室の側壁に部分的突出が生ず
ることもない。
【0008】また、パネル部材13の隣接するアウトリ
ガー7に沿った前後で対向する一対の直面部13cを前
記隣接するアウトリガー7に固着し、かつ前記収容室1
5の底壁15aを形成する前記パネル部材13の底面部
13aの車体側方端部に車体外板17の下端部を結合し
て、隣接するアウトリガー7と該アウトリガー7に固着
された前記一対の直面部13cにより前後を二重に仕切
り、前記パネル部材13の底面部13aの車体側方端部
に、前後方向へ延在しハット型断面からなるレインフォ
ース16を固着して閉断面を形成し、該レインフォース
16の両端部を前記隣接するアウトリガー7に結合し
ある。したがって、走行時等の入力がパネル部材13
加わると、この入力はレインフォース16から隣接す
るアウトリガーを介してサイドメンバに伝達され
る。よって、シルインナ11が部分的にない間欠部が存
在しても、車体強度及び剛性が低下することはない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
に従って説明する。すなわち、図1、2は、本実施の形
態にかかるワンボックス型車の車体1の後部右側を示す
ものであり、客室2の下部にはフロアパネル3が配設さ
れ、該フロアパネル3の上面にはクッション材4と、客
室2の床面を形成するカーペット5とが敷設されてい
る。また、フロアパネル3の下面側には、サイドメンバ
6と複数のアウトリガー7(1個のみ図示)が配設され
ている。
【0010】サイドメンバ6は、ハット型断面からなり
車体前後方向へ延在しており、上縁部に形成されたフラ
ンジ6a,6aにてフロアパネル3の下面に結合されて
いる。またアウトリガー7も同様にハット型断面からな
り、一端部にてサイドメンバ6の側面に結合されている
とともに、上縁フランジ7a,7aにてフロアパネル3
の下面に結合され、先端部には上下方向に延在する側縁
フランジ7b,7bが形成されている。
【0011】前記サイドメンバ6には、サスペンション
ブラケット8の上端部が結合されており、該サスペンシ
ョンブラケット8の下端部には、リアサスペンションに
設けられているサスペンションリンクの端部9が支持さ
れている。また、サスペンションブラケット8の下端部
側面には、車体1の側方に伸びるステー10の一端部が
結合されており、該ステー10の先端上面には平滑な支
持面10aが形成されている。
【0012】一方、前記アウトリガー7の前記側縁フラ
ンジ7b,7bには、シルインナ11が結合されてい
る。このシルインナ11は、サイドメンバ6と同様に車
体1の前後方向に延在する部材である。しかし、図1に
示したアウトリガー7とこのアウトリガー7の前方F側
に設けられている隣接するアウトリガー(図示せず)と
の間においては、シルインナ11が設けられておらず、
よって、この間にはシルインナ11が排除された間欠部
12が形成されている。
【0013】この間欠部12には、パネル部材としての
エアコンパネル13が配置されている。該エアコンパネ
ル13は、後席用エアコンユニット14を収容する収容
室15の底壁15aを形成する底面部13aと、該底面
部13aから斜状に立ち上がり収容室15の奥壁15b
を形成する斜状面部13b、及び隣接するアウトリガー
7に沿った前後で対向する一対の直面部13c(図1に
一方のみ図示)等を有している。
【0014】そして、このエアコンパネル13は、斜状
面部13bの上端部をサイドメンバ6の側面に固着さ
れ、底面部13bの略中央部を下面側にてステー10の
支持面10aに固着され、直面部13cを隣接するアウ
トリガー7に固着され、さらに底面部13bの先端を前
後端部にてシルインナ11に固着されることにより、車
体1に固定されている。
【0015】また、底面部13bの先端上面には、前後
方向に延在するレインフォース16が固着されている。
このレインフォース16は、ハット型断面からなり、両
端部は隣接するアウトリガー7に結合されている。
【0016】他方、シルインナ11よりもさらに車体1
の側方には、車体外板17が配置されている。該車体外
板17は、間欠部12を除く部分においてはその下端部
が、図1に示すシルインナ11の下部フランジ11aに
結合され、間欠部12においては、図2に示すように、
エアコンパネル13の底面部13aに設けられた端部フ
ランジ13dと、レインフォース16に設けられた端部
フランジ16aとに重ね合わされて結合されている。
【0017】これにより、車体1にはエアコンパネル1
3の底面部13aと斜状面部13bとによって、底壁1
5aと奥壁15bが形成されるとともに、前後を直面部
13cとアウトリガー7により二重に仕切られ、さらに
奥壁15aに対向する側部を車体外板17により仕切ら
れた収容室15が形成され、この収容室15内に後席用
エアコンユニット14が、上部を車体1の側方に傾倒さ
せた斜状状態で配置されている。
【0018】また、図1に示すように、この収容室15
が形成された部位においてフロアパネル3は切欠されて
おり、この切欠された部位には、図2に示すように、カ
バー18が固定されている。このカバー18上には、前
記カーペット5のみが敷設され、これにより、フロアパ
ネル3側からカバー18上に亙って面一な床面が形成さ
れている。また、カーペット5の端部付近には、内装ト
リム19の下端部が当接しており、該内装トリム19は
客室2の側壁を形成している。
【0019】なお、図2において、仮想線L1は収容室
15の後方のシルインナ11を示し、仮想線L2は収容
室15の前方のシルインナ11を示している。また、各
図において矢示Lは車体1の左方向を、矢示Fは前方
を、矢示Uは上方を各々示している。
【0020】以上の構成にかかる本実施の形態におい
て、後席用エアコンユニット14を収容する収容室15
は、前述したように、エアコンパネル13の底面部13
aと斜状面部13bとにより、底壁15aと奥壁15b
が形成されるとともに、前後を直面部13cとアウトリ
ガー7により二重に仕切られ、さらに奥壁15aに対向
する側部を車体外板17により仕切られて構成されてい
る。
【0021】したがって、この収容室15に、従来の図
4に示したシルインナ56と車体外板58との間に形成
された収容室59よりも、遙かに大きな容積を確保する
ことができる。よって、図2に示すように、例えば後席
用エアコンユニット14を斜状に配置することもでき、
車体床面を形成するカーペット5よりも下方に形成した
収容室15に後席用エアコンユニット14を支障なく配
置することができる。そして、このように収容室15が
車体の床面よりも下方に形成されれば、カーペット5に
部分的突出が生ずることもないし、客室15の側壁を形
成する室内トリム19に部分的突出が生ずることもな
い。
【0022】また、走行時あるいはジャッキアップ時の
入力がエアコンパネル13に加わると、この入力は、図
1に白抜き矢印で示すように、レインフォース16か
ら、ステー10とサスペンションブラケット8とを介し
て、車体の骨格部材であるサイドメンバ6に伝達される
とともに、レインフォース16から隣接するアウトリガ
ー7を介して、同様にサイドメンバ6に伝達される。し
たがって、シルインナ11が部分的に存在しない間欠部
12があっても、車体1の強度及び剛性が低下すること
はない。よって、客室2の側壁である内装トリム19さ
らには床面を形成するカーペット5に部分的突出を生じ
させることなく、しかも車体1の強度及び剛性を充分に
確保しつつ客室2の容積を拡大することが可能となる。
【0023】なお、この実施の形態においては、エアコ
ンパネル13の前後に直面部13cを設けて、該直面部
13cにてアウトリガー7に結合するようにしたが、直
面部13を設けることなく、エアコンパネル13の前後
端部を直接アウトリガー7に結合させるようにしてもよ
い。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、車体の床
面よりも下方に、隣接するアウトリガーとパネル部材及
び車体外板により後席用エアコンユニットの収容室を画
成するようにしたことから、客室の床面側壁に部分的突
出が生ずることによる品質感の低下を解消できるのみな
らず、客室の容積を拡大することができる。
【0025】また、パネル部材の隣接するアウトリガー
に沿った前後で対向する一対の直面部を前記隣接するア
ウトリガーに固着し、かつ前記収容室の底壁を形成する
パネル部材の底面部の車体側方端部に車体外板の下端部
を結合して、隣接するアウトリガーと該アウトリガーに
固着された前記一対の直面部により前後を二重に仕切
り、前記パネル部材の底面部の車体側方端部に、前後方
向へ延在しハット型断面からなるレインフォースを固着
して閉断面を形成し、該レインフォースの両端部を前記
隣接するアウトリガーに結合するようにしたことから、
充分な容積の収容室を形成すべくシルインナを部分的に
欠落させても、充分な車体強度及び剛性を確保すること
ができる。よって、客室の側壁さらには床面に部分的突
出を生じさせることなく、しかも車体強度及び剛性を充
分に確保しつつ客室の容積を拡大させることが可能とな
る。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す要部透明斜視図で
ある。
【図2】図1のA−A線に相当する断面図である。
【図3】従来の車体構造を示す要部斜視図である。
【図4】図3のB−B線に相当する断面図である。
【符号の説明】
1 車体 2 客室 3 フロアパネル 6 サイドメンバ 7 アウトリガー 8 サスペンションブラケット 10 ステー 11 シルインナ 12 間欠部 13 エアコンパネル(パネル部材) 14 後席用エアコンユニット 15 収容室 16 レインフォース 17 外板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−40311(JP,A) 特開 平8−91249(JP,A) 実開 昭62−10185(JP,U) 実開 昭63−12448(JP,U) 実開 平4−67189(JP,U) 実開 平3−9982(JP,U) 実開 昭63−114804(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に延在するサイドメンバと、
    該サイドメンバに一端部を結合されて車体側方に突出
    する複数のアウトリガーと、該アウトリガーの先端
    部に結合されたシルインナ11とを有し、隣接するアウ
    トリガー間に後席用エアコンユニット14を収容する
    収容室15を有する車体において、 前記隣接するアウトリガー間にて前記シルインナ11
    を排除して間欠部12を設け、該間欠部12に前記収容
    15の底壁15aと奥壁15bとを形成し前記隣接す
    るアウトリガー7に沿った前後で対向する一対の直面部
    13cを有するパネル部材13を配置するとともに、前
    記直面部13cを前記隣接するアウトリガー7に固着
    し、かつ前記収容室15の底壁15aを形成する前記パ
    ネル部材13の底面部13aの車体側方端部に車体外板
    17の下端部を結合して、前記車体の床面よりも下方
    に、前記隣接するアウトリガー7と該アウトリガー7に
    固着された前記一対の直面部13cにより前後を二重に
    仕切られ前記パネル部材13及び前記車体外板17によ
    り画成された前記収容室15を設け、前記パネル部材1
    3の底面部13aの車体側方端部に、前後方向へ延在し
    ハット型断面からなるレインフォース16を固着して閉
    断面を形成し、該レインフォース16の両端部を前記隣
    接するアウトリガー7に結合したことを特徴とする車体
    の後席用エアコンユニット収容部構造。
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