JP3262188B2 - バルーン - Google Patents

バルーン

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裕樹 栗生
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弘樹 作田
博志 後藤
智久 奥田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、意匠効果の優れた特殊
な構成を有するバルーンを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりバルーンは種々存在し、近年で
は透明性フィルムを用いたものから、不透明性フィルム
を用いたものまで多種多様である。透明性のものは裏面
印刷が可能なため、美しく印刷されたバルーンが提供で
きるが、不透明性のものはどうしても表印刷となるため
に、ふくらまし操作を繰り返すと印刷部分が脱落しやす
くなる。こうした現象を防ぐために、印刷部の上に保護
層を設けることも考えられるが、こうすると、バルーン
自身の自重が増加し、長期間に亘りバルーンが空中に浮
遊しなくなる。しかもこのようなフイルムは、例え印刷
が施されていたとしてもどうしても平面的で、立体観に
乏しく、意匠性に難点があり、もうひとつ人目を引くも
のとはならなかった。
【0003】そこで、本発明者らは美しい印刷効果が発
現され、しかも立体感のあるバルーンを得るべく鋭意追
求した結果、ついに本発明に到達した。
【問題を解決するための手段】本発明は、半面が透明状
フイルムからなり、他の半面が金属蒸着層を優する不透
明状フイルムからなるバルーンを得んとするものであ
る。
【0004】ここで透明状フイルムとしては特に制限は
ないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等からなるフ
ィルムを例示でき、好ましくはポリアミド系樹脂層、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層、ポリアミド系
樹脂層及びポリエチレン系樹脂層をこの順序で備えた積
層フイルムをあげることができる。また、不透明状フイ
ルムとしては特に制限はないが、前記透明状フイルム
に、更に金属蒸着層を有するフイルムを例示でき、好ま
しくは金属蒸着層、ポリアミド系樹脂層、エチレン−酢
酸ビニル共重合体けん化物層、ポリアミド系樹脂層及び
ポリエチレン系樹脂層をこの順序で備えた積層フイルム
をあげることができる。ここでポリエチレン系樹脂層は
接着性樹脂層を介して共押出法等で積層されていてもよ
く、また接着剤を介してドライラミネート法等で積層さ
れていてもよい。前記したポリアミド系樹脂としては、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン
12などの他に、ナイロン6−66共重合体、ナイロン
6−610共重合体などのコポリアミド等の脂肪族系ポ
リアミド樹脂、半芳香族系ポリアミド樹脂、非晶質系ポ
リアミド樹脂もしくはこれらの混合物等を例示でき、特
に制限はない。ここでナイロン6樹脂とは、ε−カプロ
ラクタムを開環重合して得られる周知のものである。ま
た半芳香族系ポリアミド樹脂とは主鎖及び/又は側鎖に
芳香族環を有する構造のものならば十分で特に制限はな
いが、通常では結晶性を有するものが好ましく、更に一
般にはメタもしくはパラキシリレンジアミンと炭素が4
〜12程度のジカルボン酸とから重縮合されたポリキシ
リレン系重合体を例示できる。就中メタキシリレンジア
ミンとアジビン酸とから合成されたポリメタキシリレン
アジパミドが好適なものとして例示でき、かかる重合体
はカスバリアー性、低吸水性、低誘浸性等の特性を備え
ている。
【0005】この際、ナイロン6等の脂肪族系ポリアミ
ド樹脂と半芳香族系ポリアミド樹脂をブレンドして用い
てもよく、その配合量は脂肪族系ポリアミド樹脂100
重量部に対して半芳香族系ポリアミド樹脂10〜95重
量部程度が望ましいが、この範囲に限定されることな
く、適宜にブレンドし用いればよい。更に、非晶質系ポ
リアミド樹脂とは、結晶性がないものか、結晶性の乏し
いもの等を総称しており、特に制限はないが、一般に主
鎖及び/又は側鎖等に芳香族環を有する半芳香族性のポ
リアミドを例示できる。具体的にはテレフタル酸、イソ
フタル酸等のジカルボン酸とヘキサメチレンジアミン等
のジアミンとの重合体、これら3モノマーの3元共重合
等を例示できるが、特に制限はない。
【0006】前記した非晶質系ポリアミド樹脂は、好ま
しくは脂肪族系ポリアミド樹脂及び/又は半芳香族系ポ
リアミド樹脂とブレンドして用いてもよく、その配合量
は非晶質系ポリアミド樹脂5〜50重量%、脂肪族系ポ
リアミド樹脂及び/又は半芳香族系ポリアミド樹脂95
〜50重量%程度を例示でき、ここで脂肪族系ポリアミ
ド樹脂及び半芳香族系ポリアミド樹脂を両方用いる時の
両者の配合割合は、前記した配合量程度が好ましいもの
として例示できる。さらに、このような混合物を用いる
と、その延伸性も良好となり、より薄手の多層フィルム
の作成が可能となって、好ましい面が多い。このように
ブレンドして用いる場合、非晶質系ポリアミド樹脂とし
てはナイロン6、半芳香族系ポリアミド樹脂としてはメ
タ及び/又はパラキシリレンアジオアミド系重合体、非
晶質系ポリアミドとしてはテレフタル酸及び/又はイソ
フタル酸とヘキサメチレンジアミンとの重縮合物等を例
示でき、この組み合わせが最も効果的である。
【0007】前記したエチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物(EVOH)とは、エチレン含有量20〜65モ
ル%、けん化度90%以上のものである。かかるEVO
Hは、ヘリウムガスバリアー性、屈曲性等を考慮しつ
つ、できるだけ薄くするのが望ましい。前記したポリエ
チレン系樹脂としては、例えばエチレン類の単独重合
体、他のオレフィン類との共重合体、他の共重合可能な
モノマー例えば他のビニル系モノマー等との共重合体及
びこれらの変性共重合体等を例示できる。具体的には例
えば低密度から高密度に互る各種密度のポリエチレン
(線状低密度、線状中密度ポリエチレンを含む)、アイ
オノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等を例示でき、特に制限はな
い。こうしたポリエチレン系樹脂はヒートシール層とし
て機能するもので、ヒートシール強度が1kg/cm以
上となるように適宜の材質を選択し、かつ厚さを所定の
値とするのが、より望ましい。しかし乍ら、このことは
特に制限はないが、厚くし過ぎると自重が大きり空中浮
遊がしにくくなるので注意を要する。
【0008】前記した変性ポリオレフィン系樹脂として
は、上記オレフィン類の単独又は共重合体等に例えばマ
レイン酸、フマル酸、アクリル酸、その他適宜の不飽和
カルボン酸又はその酸無水物、エステル若しくは金属塩
等の誘導体を共重合例えばグラフト共重合した変性重合
体を代表的なものとして例示でき、上記変性重合体の単
独又は他の成分、例えば他のオレフィン系重合体との混
合物等も前記変性ポリオレフィン系樹脂の中に含まれ
る。こうした変性ポリオレフィン系樹脂は多層とする際
の接着樹脂として好適に使用され得るものであり、その
他このような接着性樹脂としてはアイオノマー樹脂、エ
チレン−エチル−アクリレート樹脂、エチレン−ビニル
アルコール共重合体等を例示でき特に制限はない。この
際、ポリエチレン系樹脂層は変性ポリオレフィン系樹脂
等の接着性樹脂層を介して積層されていても、いっこう
にさしつかえない。
【0009】本発明に係るバルーンの他の半面に形成さ
れる不透明状フイルムにおける金属蒸着層は、適宜のフ
ィルム、例えば前記した積層フィルムのポリアミド系樹
脂層に形成されるもので、そこに用いられる金属として
はアルミニウム、2酸化けい素、その他各種金属を例示
できる。かかる金属蒸着層を形成する際は、どのように
形成してもいっこうに差し支えないが、好ましくは長尺
の帯状フィルムにおける幅方向の中央から一方に形成さ
せ、他方は透明状フィルムのままであることが望まし
い。こうすると、極めて容易に半面(例えば半球面)が
透明状のままで、他方の半面(例えば半球面)が金属蒸
着層を有する不透明状フイルムからなるバルーンを形成
することも可能となるので便利である。
【0010】本発明に係るバルーンに用いられるフィル
ムは単層でも多層でもさしつかえないが多層の場合、前
記した通り共押出法により積層形成されたり、ドライラ
ミネート法や溶融押出ラミネート法等各種方法で積層形
成され得る。こうしたフィルムは、必要に応じて延伸、
熱処理等が行われるが、通常では薄手のものを得るため
に、延伸が行われることが望ましい。延伸温度は50〜
150℃、延伸倍率は縦、横それぞれに2.5〜5.0
倍程度を例示できる。延伸が行われる時は、自然収縮性
を除くために通常では熱処理が行われる。熱処理が行わ
れる場合、熱処理温度については特に制限はないが、通
常では150℃以上、さらには190〜220℃程度を
例示できる。こうした得られたフィルムは適宜の方法で
適宜にカットされ、本発明に係るバルーンの形状にヒー
トシールされて、バルーンに形成されることになる。か
かるバルーンは、より好ましくは球形を有すると共に、
半球面が透明状フイルムからなり、他方の半球面が不透
明状フイルムからなる構成のものを例示できる。
【0011】
【実施例】 実施例1 ナイロン6と非晶質性ナイロン(非品質系ポリアミド樹
脂)とを重量比率で80:20とした混合物からなるポ
リアミド系樹脂層(A)、エチレン含有率29モル%、
けん化度99%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物層(B)、変性線状低密度ポリエチレンからなる
接着性樹脂層(C)及び線状低密度ポリエチレン層
(D)を(A)(B)(A)(C)(D)の順序で共押
出法により積層してなる多層フィルムを65℃で縦方向
に3.0倍、次いで110℃で横方向に3.5倍に延
伸、その後熱処理してトータル厚さが25μのバルーン
用フィルムを得た。個々の厚さは(A)層から順に5、
3、5、2、10μであった。こうして得たフィルムは
ヒートシール強度が2.0kg/cm、ヘリウムガスバ
リアー性が600cc/m・24H・23℃・atm
であった。
【0012】実施例2 (A)(B)(A)の構成が実施例1と同じで、そのい
ずれかの(A)層側に接着剤を介して低密度ポリエチレ
ン層(E)をドライラミネートし、(A)層から順に
5、3、5、10μであるバルーン用フィルムを得た。
こうして得たフィルムは、ヒートシール強度が2.0k
g/cm、ヘリウムガスバリアー性が600cc/m
・24H・23℃・atmであった。
【0013】実施例3 実施例1及び2で得たフィルムを巾100cmに長尺状
にカットし、その幅方向の中心から一方に巾50cm、
厚さ400Åのアルミニウムによる金属蒸着層を(A)
層の表面に形成した。こうして得たバルーンフィルムの
ヒートシール層即ち(D)または(E)層同志をヒート
シールして球状に形成し、半面が透明状フィルムで構成
され、他方の半面が金属蒸着層を有する不透明状フィル
ムで構成されたバルーンを得た。こうして得たバルーン
は、長期間空中に浮遊し、印刷を施さなくてもその見栄
えも格別のものであった。
【0014】比較例1 実施例1と同様の構成のバルーン用フィルムを得、実施
例3と同様にしてバルーンを形成した。こうして得たバ
ルーンは平面的なその見栄えはもうひとつ不十分であっ
た。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上の通りであり、本発明に係
るバルーンは、長期間に渡り空中浮遊が可能である上
に、優れた立体観を有し、意匠効果も格別のものであっ
た。さらにバルーンの半面については内部印刷も可能で
あり、その印刷効果も格別のものがある。
フロントページの続き (72)発明者 後藤 博志 福島県安達郡本宮町大字荒井宇恵向88番 地 福島プラスチックス株式会社内 (72)発明者 奥田 智久 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ 株式会社守山工場内 (72)発明者 丹羽 治 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ 株式会社守山工場内 審査官 植野 孝郎 (56)参考文献 特開 平4−173137(JP,A) 特開 昭62−111734(JP,A) 特開 平2−43036(JP,A) 特開 昭63−311986(JP,A) 実開 平4−133895(JP,U) 実開 昭63−145629(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63H 1/00 - 37/00 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半面が透明状フィルムからなり、該フィ
    ルムが非晶質系ポリアミド樹脂5〜50重量%と脂肪族
    系ポリアミド樹脂及び/又は半芳香族系ポリアミド樹脂
    95〜50重量%とを含有する混合物層、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体けん化物層、非晶質系ポリアミド樹脂
    5〜50重量%と脂肪族系ポリアミド樹脂及び/又は半
    芳香族系ポリアミド樹脂95〜50重量%とを含有する
    混合物層及びポリオレフィン系樹脂層を備えた積層フィ
    ルムであり、他の半面が金属蒸着層を有する不透明状フ
    ィルムからなることを特徴とするバルーン。
  2. 【請求項2】 半面が金属蒸着層を有する不透明状フィ
    ルムからなり、該フィルムが非晶質系ポリアミド樹脂5
    〜50重量%と脂肪族系ポリアミド樹脂及び/又は半芳
    香族系ポリアミド樹脂95〜50重量%とを含有する混
    合物層、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層、非
    晶質系ポリアミド樹脂5〜50重量%と脂肪族系ポリア
    ミド樹脂及び/又は半芳香族系ポリアミド樹脂95〜5
    0重量%とを含有する混合物層及びポリオレフィン系樹
    脂層を備えた積層フィルムであり、他の半面が透明状フ
    ィルムからなることを特徴とするバルーン。
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